・ Music Is My Mistress (邦訳『A列車で行こう』)
(邦訳)
エリントンの自伝。エリントン自身の筆によるものであり、最も重要な資料。
最も重要な資料であり、断片的なエピソードの中には面白いものもあるのだが…
全体的にきれいにまとめ過ぎな感があり、あまり突っ込んだ話は出てこない。
「政府の公式発表」のようなものと考えておくとよいだろう。
セルフ・イメージを気にしすぎているせいか、あまり核心的なことは語られていない。
なお、邦訳はお粗末な代物で、ほぼ1頁に1箇所程度誤訳があるレベル
(「ニュアンスの違い」なんてものではなく、単純な語彙の誤解釈、一目瞭然の訳抜けレベル)。
エリントン研究に限らず、文化史における重要な書籍であるにもかかわらず、
日本ではこのまま再版されないまま忘れ去られていきそうだ。
これ、翻訳のせいなんじゃないの?
いずれにせよ、amazonで稀覯本扱いで恐ろしい値段が付いてるときもあるけど、
そこまでの本かどうかは疑問。
こういうときこそ、公立図書館を利用しよう。
それに、どうせ読むなら原書を読んだほうが面白い!
各項目も短いから読みやすいし。