・vol.1, Studio Sessions: Chicago ’56
後期の大躍進の始まり、56年の音源。
管理人は56年を後期エリントン黄金期の始まりの年、と考えている。
#4 Discontended は、
別のアルバムでは「Bassment」、「Daddy's Blues」という名前で発表されている。
特筆すべきなのは、#11 Do Not Disturb。
これ、『女王組曲』収録の Le Sucrier Velours なのだ。
サックスハーモニーが美しいこの曲は『女王組曲』の中でも人気が高い。
『女王組曲』Le Sucrier Velours の録音は59年2/25なので、
この曲はこの演奏が初演、ということになる。
ただしこの演奏、中盤のBメロはクーティのトランペットがフィーチャーされており、
全編サックスハーモニーが強調されたLe Sucrier Velours はその点で洗練されている。
続く#11の、ポールをフィーチャーしたLove You Madlyの下世話な感じもいいが、
#10と並ぶこのアルバムの白眉は、#12のShort Sheet Cluster!
クラーク・テリーのタトタトした、タンギングしつこめのトランペットに導かれて、
これまたタンギングしつこめの大げさなサックスソリが展開される。
吹奏楽的なサックスソリに一瞬だけ違和感を感じるものの、
すぐに気持ちよくなってくるのは、
ハーモニーにブレンドされたクラリネットのおかげ。
カッコ悪さと隣合わせの実験的サウンドは、
まさに「オクラ入り音源」の名にふさわしい。
これらの演奏を聴いて感じるのは、、
56年のニューポート・ジャズフェスティバルのブレイクは決して偶然的なものでなく、
然るべくして生まれたものである、ということだ。
変態サウンドは一朝一夕で完成するものではないのである。
さて、『女王組曲』というアルバムは、
エリントンがエリザベス女王のために1枚だけプレスしたものであるから、
別バージョンであっても、Le Sucrier Veloursの録音は発表されてはいけない。
案外、この音源が発表されなかったのはこのあたりにあるのかもしれない。
1. March 19th Blues
2. Feet Bone
3. In A Sentimental Mood
4. Discontented
5. Jump For Joy
6. Just Scratchin' The Surface
7. Prelude To A Kiss
8. Miss Lucy
9. Uncontrived
10. Satin Doll
11. Do Not Disturb
12. Love You Madly
13. Short Sheet Cluster
14. Moon Mist
15. Long Time Blues
('56, 1/3 ~ '57, 2月 )