ウェルマン・ブロウド
(Wellman Braud / January 25, 1891-October 29, 1966)
【在団期間: 1927-'35】
エリントンオケ初のベーシスト。
初代ベーシストにして、ベーシストとしては在団期間最長。
ブロウドの加入により、オケのベース音はチューバからウッドベースに代わりました。
これはエリントンオケに限った話ではありませんが、バンドの最低音がチューバからベースに変わることで、
エリントンはオーケストラのエンジン、グルーヴを獲得することになったのです。
ブロウドのサウンドはとにかくパワフル。
ブラントンの自由さはないものの、存在感のある、重量感大の低音がオケを支えました。
8歳年上のブロウドを、エリントンは音楽的にも精神的にも信頼していたことでしょう。
晩年、エリントンは『New Orleans Suite』で「Portrait of Wellman Braud」なる曲を書き、ブロウドを追悼します。
このときのベーシストはJoe Benjamin。
「Portrait of Wellman Braud」はもちろんベースフィーチャー曲。
もっとも、この曲がブロウドのサウンドを表現しているか、ということには疑問が残ります。
エリントンがベーシストに厳しく、ドラマーに甘かったのは、初代のイメージが強かったのかもしれません。
「…ソニー・グリーアに比べたら十分か」 「…ブロウドの兄貴だったら、こうは弾かないよなあ」とか。
結果、ベーシストは回転が早く、ドラマーは個性的なプレイヤーが長く居座ることになりました。
Wellman Braud についてもう少し知りたい方は こちら とか。