【カバー】
アルバムの中で1曲だけ取り上げられているような、
エリントン・ナンバーのカバーを列挙していきます。
しかし…まず、エリントンが作曲した数は膨大だし、
さらにそのカバーともなると、そのすべてを網羅するなんてのははっきりいって絶対無理。
なので、日頃音楽を聴いていて気づいたものを挙げていこうと思っています。
これは管理人のライフワークです。
それぞれの曲に1行コメントを付していますが、
より詳しい内容については「→ 記事本文へ」をどうぞ。
・Mood Indigo (Duke Ellington and Barney Bigard, lyrics by Irving Mills), 1930
・mood indigo / Jimmy Scott, 2000(MIlestone, Victor)
* コンボとギター1本のアレンジの2テイクを収録。
男性にしてアルトの音域である独特のサウンドがエリントン曲に合う。
・Sophisticated Lady (Ellington, Irving Mills, Mitchell Parish), 1932
・TWINS I&II ライヴ・イン・ジャパン '82 / Jaco Pastorius Big Band
, 1982
* ジャコとトゥーツ・シールマンスの静かなデュオ。
ラスト前、ジャコの「デロデロ~」が耳に残る。 → 記事本文へ
・Various Artists / Jazz for Japan
, 2011
* 東日本大震災被災者支援CD。Christian McBride(b)とBilly Childs (p)のデュオ。
マクブライドのこの選曲はジャコを意識したものか。 → 記事本文へ
・Drop Me Off In Harlem (Duke Ellington, lyrics by Nick Kenny), 1933
, 2003
* トリオによるカバー。女性の年齢について語ることは失礼かもしれないが、74歳の時の演奏。
・In a Sentimental Mood (Duke Ellington, lyrics by Manny Kurtz, Irving Mills), 1935
・Live At Art D'Lugoff's_ Top Of The Gate / Bill Evans, 1968, 10/23
* トリオによるライブ盤。ビル・エヴァンスのエリントン曲カバーは珍しい。 → 記事本文へ
* トリオ+ボーカル編成のストレートな4ビート・ジャズ。
・Caravan (Ellington, Juan Tizol, Irving Mills), 1936
, 1990
・東京スカパラダイスオーケストラ / 東京スカパラダイスオーケストラ
* 「スカ」アレンジによるキャラバン。「スキャラバン」のタイトルが秀逸。 → 記事本文へ
・SOLID BRASS / 村田陽一SOLID BRASS
, 1991
* 変則ビッグバンドによるカバー。若き日の村田陽一の筆が光る。 → 記事本文へ
, 1999
* 川嶋哲郎参加のセッションの記録。それにスキャットで絡む綾戸智恵。 → 記事本文へ
, 2008
* スポーツ・ジャズ全開の9分間。デヴィッド・フュージンスキー参加。 → 記事本文へ
・Prelude To A Kiss (Duke Ellington, lyrics by Irving Gordon and Irving Mills), 1938
・Horace Silver Trio & Art Blakey - SABU / Horace Silver
, '52-'53
* オレンジ色のほう。やや饒舌なカバーだが、
この作品で1番ファンキーなのは音楽よりもジャケットだ。 → 記事本文へ
・I Got It Bad (and That Ain't Good), (Duke Ellington, lyrics by Paul Francis Webster), 1941
・Solo Live at The Kennedy Center / 穐吉敏子, 2000
* ソロによるライブ演奏。好きなミュージシャンの曲をカバーしました、という感じの演奏。
・Take The "A" Train (1941, Billy Strayhorn)
・Clifford Brown & Max Roach / 『Study In Brown』
, 1955
* ブラウン=ローチ・クインテットによるハードバップの名演奏。
エリントン臭は少なめ。 → 記事本文へ
・I'm Gonna Go Fishing
, 1999
これはある意味わかりやすい。
1999年はエリントンの生誕100周年記念の年なので、
おそらくそれを意識して創られた一枚。
しかし、I'm Gonna Go Fishing の選曲にドクター・ジョンのセンスが光る。
abyss / 山中千尋, 2007
エリントンとはピアノのスタイルがまるで違うと思うけど、
この曲を取り上げたセンスと解釈の方向は好きです。
が、どうしてもタッチの軽さとタイム感が気になる。
ジャケットはいつもどおり素晴らしい。
, '59 6/30, 7/2, 7
「ちょいエロ」なジャケットと、
ウエストコーストなビッグバンドサウンドで、広くジャズファンに人気の一枚。
しかし、実はこのアルバム、エリントンのカバーアルバムでもあるのだ。
1. It Don't Mean A Thing
2. No More
3. Love For Sale
4. Moanin'
5. Violets For Your Furs
6. What Am I Here For ~ Cottontail
7. Warm Valley
8. Things Ain't What They Used To Be
全9曲中、5曲がエリントン・ナンバー。
エリントン曲といっても、その選曲が興味深い。
「06 トリビュート関係 -1トリビュート」の項で挙げた、
Cedar Walton の "Plays Billy Strayhorn" と比べてみると、
なんと重複曲が一つもない。
つまり、このアルバムはエリントンミュージックの中でも
エリントン作曲のもの、ブルース臭の強いものが集められているわけだ。
それは、Moanin'などのエリントン曲以外の選曲からも明らか。
このアルバムの狙いは、土着的な音楽を西海岸風にアレンジすることにあったのだろう。
まあ、単純にアレンジ/セッションしやすかっただけかもしれないけど。
・サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan / March 27, 1924 – April 3, 1990)
主にスタンダード
After Hours, 1961
Perdidoをカバー。
A Lover's Concerto (エマーシー・マーキュリーからのベスト盤), 2005
Take the "A" Trainをカバー。
・マリリン・スコット(marilyn scott / December 21, 1949 ~)
Everytime we say goodbye, 2008
caravanをカバー。
クラリネットを大胆にフィーチャーしてあるところ以外は
特筆すべきことはないアレンジ。
いや、Aメロ→Bメロでブレイクを挿入し、
リズムチェンジのスリリングさを無くしてしまったアレンジはむしろマイナスか。
ちなみに、管理人がこのカバーを知ったのはこのコンピレーション。
須永辰緒の「夜ジャズ」~ヴィーナス・ジャズ OpusII, 2011
須永辰緒は管理人が敬愛するDJ/プロデューサー。
akikoのプロデュースにあたり、
エリントンへの濃厚な目配せがうかがえることはakikoのところに書いた。
akikoにもcaravanをカバーさせること考えてたのかな…なんて想像も膨らむ。
あと、このコンピレーションの解説は中山康樹が書いてるんだけど、
ちょっと手加減しているというか当たり障りがない文章でちょっとガッカリ。
・「caravan」, “Manteca”, Dizzy Gillespie and his orchestra, ’54 6/3, Verve
・「Things Ain’t What They Used To Be」「Mood Indigo」,
“Shoes Of Fisherman’s Wife”, Charles Mingus, ’59 11月, ’71 9/23, Sony
・「Take The “A” Train」「Do Nothin’ Till You Hear From Me」,
“Pre Bird”, Charles Mingus, ’60 5/25, Mercury
・「Prelude To A Kiss」,”Headin’ South”, Horace Parlan, ’60 12/6, Blue Note
・「Come Sunday」, “Live On Tour Switzerland”, Thad Jones & Mel Lewis, ’69, LRC
・「Take The “A” Train」, “This Is Music Is This?”, 生活向上委員会, ’79 12/3-8, union Jazz
・「Rockin’ In Rhythm」, “Night Passage”, Weather Report, ’80 6~7月, Sony
・「A Flower Is A Lovesome Thing」, “African Dawn”, Abdullah ibrahim(Dollar Brand),
’82 6/7, enja
・「caravan」「Chelsea Bridge」,”Solid Brass”, Solid Brass, ’91 3/5 ~ 4/17, puff up
・「Anatomy Of A Murder」, “Jazz In Film”, Terence Blanchard, ’98 3~4月, Sony
・「デューク・エリントンの時代から」, “Trouver, Trouvere”, Trouvere Quartet, EMI