コンボでエリントンと共演し、
一枚の美しいアルバムを録音したが。
だが、お互いどれほどの影響を受けたのか?
(その他交流関係)
・コールマン・ホーキンス
・レイ・ブライアント
・カウント・ベイシー
・Fats Waller
・Water From An Ancient Well, Abdullah Ibrahim, ’85 10月, bellaphon
・エラ・フィッツジェラルド
・ルイ・アームストロング
【 影響 】
「すべての音楽家は自分の楽器を置いてエリントンにひざまずき、感謝の念を示すべきだ」
マイルスは、終生エリントンへ敬意を抱いていた。
"GET UP WITH IT"に収録されている、
エリントン追悼の'He Loved Him Madly'はそのあらわれ。
若い頃はエリントン自身にスカウトされたこともある。
エリントンを紹介するときの枕詞として引用される、
「かわいい女の子との恋愛とデューク・エリントンの音楽があればいい」は、
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々(日々の泡)』の序文から。
そこまで言うくらいあって、かなりのエリントン・ファンだった。
「私がこれまでにしたすべてのことは、ビリー・ストレイホーンがやったことを再現しようとする試みだ」
ギル・エヴァンスのオーケストレーションは、
ビリー・ストレイホーンを強く意識したものだった。
・ジョー・ザヴィヌル
Weather Report、『Night Passage』でまさかのRockin' in Rhythmをカバー。
WRは、その前作『8:30』までの全10作のオリジナル・アルバムでは、メンバー以外の曲を演奏したことがなかっただけに、この選曲は重視すべきだ。
(唯一の例外は、『8:30』での「Thanks For The Memory」だが、これはショーターのソロなので無視していいだろう)。
このRockin' in Rhythm、2015年に発表された『The Legendary Live Tapes 1978-1981』にも収録されている。
ということは、『Night Passage』の一夜限りの思いつきでなく、この曲が当時のライブのレパートリーであったことが想像される。
ザヴィヌルについては、別館で長く書きました。
「エリントンとザヴィヌル その影響関係と距離感(その1)」「かいんだ・でゅ~きっしゅ」
直系ではないにせよ、「エリントン的なもの(das Dukisch)」を最も色濃く引き継いでいるのは、ザヴィヌルなのかもしれません。
・渋谷 毅
エリントンを20世紀を代表する偉大な作曲家と賞賛し、
そのオーケストレーションは誰にも模倣することのできない、と述べた。
留学の際に師事する音楽家として、エリントンを指名したほど。
1976年発表の "Songs in the Key of Life"に、
エリントン・トリビュートの「愛するデューク(Sir Duke)」を収録。
この曲は翌1977年にシングル・カットされ、これも大ヒット。
・大西順子
ピアニストとしてのエリントンからの影響を公言。
確かに一時休止前の演奏は、タイム感、ハーモニーなどエリントン色が濃厚。
エリントン~モンク~ミンガスという取り上げる曲にも共感できる。
あまりにも真摯な公式サイトの「大西順子からのメッセージ」の言葉には襟を正すしかない。
その胸中は他人にはうかがい知れない。
パフォーマー、クリエーターではなく、研究者でいたい、という結論を尊重するのみ。
エリントン/ストレイホーン・ミュージックの楽理解説書を書いてくれることを願います!
・菊地成孔
「デューク・エリントンという人は生涯、
「ここではないどこか」の音楽を夢想して追求した音楽家でもあります」(菊地成孔・大谷能生)
(『東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編』、メディア総合研究所、2005年、66頁)
折に触れてエリントン/ストレイホーンをカバー/言及する。
Isfahan のダブ・カバーは秀逸!
・穐吉敏子
アレンジャーとしても、ピアニストとしても、エリントンへの愛を表明。
ひそかに、ストレイホーンのカバーアルバムもある。
・坂田明