(Sam Woodyard / January 7, 1925, Elizabeth, New Jersey - September 20, 1988, Paris, France)
【在団期間: 1955-65年、68年】
サムの加入により、「55年体制」が確立。
これにより、後期エリントンの快進撃が約束された。
喰らえ!
エルボー・ヘッド・ミュート・ピッチベンド・アタック!
ヘッドのテンションを肘で変化させて、タムの音色を変えている。
文字で表すとこんな感じ。
…トトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトト…
…はっきりいって地味です。
でも、バディ・リッチみたいな激しいドラムソロばかり聴いていると、
「たまにはこういうのもいいなあ」
↓
「いや、考えてみれば、こんなの誰もやってないぞ」
↓
「これ、すごいんじゃないか!」
なんて思ってしまう時があるんですよ、いや本当に。
その顕著な例がこのバトルもの。
なんと、ステレオの右と左でベイシーバンドとエリントンバンドが録音し分けられている。
手数、激しさではベイシーバンドのソニー・ペインの圧勝!
しかし、サム・ウッドヤードのソロに対するアプローチがあまりにもソニー・ペインと違っていて、
本人もすごく得意げに「必殺技」を繰り出すものだから、こういうのもありかな、と思ってしまう。
おそらく、ベイシーバンドは肩透かしを食らったような気がしたことだろう。
ドラムに限らず、このアルバムでは全編にわたって同じ構図が繰り返される。
特にポールとフランク・フォスターのソロも聴き比べてみると面白い。