(Paul Gonsalves, July 12, 1920 – May 15, 1974)
【在団期間: 1950 - 74】
後期エリントンオケの看板テナー。
特徴は、なんといってもそのウネウネするフレーズであり、オケで一番の愛すべきキャラクターでもある。
音色、フレーズ、立居振る舞い…そのすべてが「ヘタウマ」的な要素で構成されている。
いったん気になると、「ゴンザルヴェス」なんて名前もヘタウマに思えてきてしまう。
バップでもモードでもないウネウネ・フレーズ含め、この「ヘタウマ」感は癖になる。
エリントン・サウンドと同じく中毒性があるようで、「隠れゴンザルヴェスファン」多し。
「隠れ」なのは、カミングアウトには勇気がいるせいなのか。
いいじゃないか、恥ずかしいことなんてない。
みんな、立ち上がって、はっきりと「ポール・ゴンザルヴェスが好きだ」と言おう!
この写真とか、もうたまらないじゃないか。
日常のたたずまい。
よくある風景。
ライブ中に眠るのなんて日常茶飯事だ。
言っておくけど、こんなのエリントンオケではよくある風景だぞ。
ポール、ピクリとも動かない。で、当然のようにポールのソロパートをジミー・ハミルトンが吹く。
周囲の反応から、これが日常風景であることがわかる。
管理人は、これを見るたび、エリントンオケは普通の人とは次元が違うところで音楽をやっていたのだな、ということを実感するのである。
さて、この愛すべき男、そのキャリアは、ベイシーバンドからスタート。
後年の再会。
セクシーショット。
ソロ作品のジャケットにも使った。
・Gettin' Together, Paul Gonsalves
エリントンオケがポールをフィーチャーした作品もある。
それがこれなんだけど、ジャケットがスゴイ。
・Featuring Paul Gonsalves, Duke Ellington Orchestra
・・・おいおい、ホントにフィーチャーしてるの、
と突っ込みたくなるジャケット。
でも、これなんてまだマシな方。
リマスターされたMP3音源が2015年にamazonから
デジタル配信で発売されたけど、そのジャケットはこれ。
ポール、どこにもいません。
ただ、エリントン御大ならやりそうだけどね、こういうこと。
このジャケットにした人、そこまで考えてたならすごい。
しかし、このアルバムも高騰してる。
これは、近年ジャズマニアの間でポールが再評価されつつあり、
ポールのソロ作品の市場価格が上がってるためだと思われる。
年をとってもセクシー。
72年7/21 ウィスコンシン大学のマスター・クラスにて。
17日から21日まで、エリントンはここでワークショップを開いていた。
ポールのファンは、世界中のどこにでもいる。
これはカナダのポールファンのサイト。
ディスコグラフィが充実している。
http://paulgonsalves.jazzgiants.net/
【ひょっこりゴンザルヴェス】
ポールはサイドマンとしても優秀だ。
たとえば、一般的によく知られている、こんな作品にも参加している。
Big Band Bossa Nova, Quincy Jones, '62 8-9月
こちらはボートラ以外の本編から参加。
このアルバムにはクラーク・テリーも参加しているのだ。
だから、世界中の大多数の人間がポールのサウンドを意識せずとも既に耳にしていることになる!