身体障害者手帳(2018年7月より)

新しい基準

視力 両眼の視力の和であったが、両眼の視力の和 ではなく、良い方の眼の視力で認定する。

視野 ゴールドマン型視野計の製造中止ならびに日常診療における自動視野 計の普及 ・ゴールドマン型視野計、自動視野計どちらでも等級認定できるようになる。

現状の判定では、I/4 イソプタで両眼とも 10°以内の症例は、それに 続く I/2 イソプタを用いた判定基準で 4 級、3 級、2 級に進むことがで きる。であったが

• I/4の8主経線が80度未満なら4,3,2級に進むことができるようになった。中心暗点あればその度数をひくことができるようになった

その一方で

• FVSの導入の検討:国際基準にもなる米国の American Medical Association(AMA)の推奨 する評価法であり、視力、視野を統合して Score で示すものである。 両者を統合して判定する方法は一定の合理性がある。 と書かれています。

具体的に良い方の眼で判断(logMAR3段階ずつで区切り)

視力 1級 0.01以下

2級 0.02以上0.03以下(ただし0.04と手動弁は入る)

3級 0.04以上0.07以下 (ただし0.08と手動弁は入る)

4級 0.08以上0.1以下

5級 一眼の視力が0.02以下で他眼の視力が0.2以下のもの

6級 一眼の視力が0.02以下で他眼の視力が0.3以上0.6以下のもの


視野について

• 視能率、損失率の用語を廃止し、ゴールドマン視野計においては Ⅰ/4イソプタによる視野角度の総和、Ⅰ/2イソプタによる両眼中心 視野角度により判定し、

• 自動視野計においては視標サイズⅢによる両眼開放エスターマンテストで両眼開放視認点数、視標サイズⅢによる 10-2 プログラムによる中心視野視認点数により判定する。 また、周辺の視野狭窄が進み中心部の視野も欠損した場合や、周辺 視野に異常がなくとも中心視野が重度の障害を呈している場合についての評価を明確にする。

表2のように、視野の5級はゴールドマン視野計においては両眼による視野が1/2以上欠損、または両眼中心視野角度がI/2視標によって56度以下

自動視野計で両眼エスターマンテスト視認点数が100点以下または10-2プログラム両眼中心視野視認点数が40点以下

4級には設定がなく、I/4eの8主経線の角度が80度以下のとき、I/2の両眼中心視野角度が56度以下であれば3級、28度以下であれば2級となる。

自動視野計で両眼エスターマンテスト視認点数が70点以下であれば10-2プログラム両眼中心視野視認点数は40点以下で3級、20点以下で2級となります。

両眼視野角度や両眼中心視野視認点数は従来のように加重平均を用います。すなわち良い方の眼に3倍悪いほうはそのままで加算したものを4で割る方式です。

簡単にエスターマンの配置(図1)を言いますと上の象限に19点下の象限に41点と下に200%の加重があります。(19x2+41x2=120)全部で120点あるのですが、日本人の正常に視野の定義が非常に大きいので100点未満で5級と大変あまい基準となっております。


10-2のプログラムは半径10度以内に68点あり、その視認点のHumphreyでは26dB以上の、オクトパスでは22dB以上の視認点数を医師がカウントし、40点以下なら3級、20点以下なら2級と判定されます。


視野の判定の注意すべきところ

1)ゴールドマン型視野計による視野障害の判定は、①Ⅰ/4視標が2分の1以上欠損しているか否か、②Ⅰ/4視標の8方向の総和は何度か(80度以下か否か)、③Ⅰ/2視標での両眼中心視野角度は何度か、という3通りのすべてについてご記入ください。

(Ⅰ/4視標に2分の1以上の欠損がなく、同視標の8方向の総和が80度を超えていても、Ⅰ/2視標での両眼中心視野角度が56度以下であれば、5級に該当します。従来の「求心性狭窄を来している場合」という規定もなくなりました。)

2)従来と同様に、ゴールドマン型視野計のⅠ/4視標が周辺に存在していても中心部の視野と連続していない場合は、中心部の視野のみで評価してください。

3)エスターマンテストによる「両眼開放視認点数」は、120点の中の「見えた点の数」であり、「スコア(%)」ではありません。また、オクトパス視野計の10-2プログラムで設定を変更しない場合には、26dB以上ではなく22dB以上の点の数を数えてください(設定変更の可・不可、方法等の詳細は各自でメーカーへお尋ねください)。