良いほうの眼か

加重平均か

「片眼 0 と両眼同等の視力のときのFAS との関連

Q.視力はベターアイ(視力良好眼)で代表させるのでよいのではないか?

A.ベターアイ(極端にいえば、片眼0の場合)と両眼同等の視力の場合のFASがどうなるのか気になりました。

両眼等しい場合は、その視力のVAS値がそのままFASになります。

xを両眼等しいときのFAS、yを片眼を0としたときのFASとすると、以下のような式になり、当然相関はよく、片眼0のときは、両眼見えている時よりもFAS値は低くなります。

y = 0.7898x + 0.5898

R² = 0.9992

両眼0.6の人が加重平均だとFAS:89ですが、 片眼0として計算すると71.2とロービジョンの区分に入ってしまいます。さらにFFSと掛け合わせるとより小さなFVSが生まれることになり、自分の視機能を低く見積もってほしい人には好都合ですが、

厚労省にとっては、いわゆるロービジョン者が増えすぎ、予算配分に問題がおきるのではないかと思われます。

better eyeはたしかにWHOのホームページには書かれていましたが、これは発展途上国のスクリーニングのために簡略化されたもので、日本では加重平均くらいはできるのではないかと考えます。

そして、何より両眼視力を評価することによって、たとえば代償されない複視のある人の両眼視力はおそらく下がっているでしょうから、今まで障害と評価できなかった人が評価できるのではないかと思います。」

追記:

FVSでは

視力はFunctional Acuity Score(FAS)を

Visual Acuity Score(VAS)からつくります。

VAS=100+50x log(少数視力)

であらわします。

小数視力1.0のときVAS=100

0.1のときVAS=50

0.01のときVAS=0

となります。

0.01で0としてしまうのは、0.01以下ではもう視力に頼った読解はできないからです。

加重平均にするのは両眼視力を重視し、しかも、片眼視力の欠損を無視しないためです。

FAS=60%VASou+ 20%VAS od+20%VASosであらわされます。(ou=両眼、od=右眼、os=左眼)

複視をどう扱うかは難しい問題で、

1.片眼がなくなったとすると

(よい方の眼の視力を1.0として片方を覆ってみればない0)

視野のスコアよいほうの眼を100として計算すれば)

FAS=100x0.6+100x0.2+0=80

FFS= 100x0.6+100x0.2+0=80

FVS=80x80/100=64で(Class2、moderate vision loss)となります。

2.右、左、両眼の視力と視野を測り、両眼開放の視力および、GoldmannIII4eで単一に見える範囲を測る方法ですると、全体のスコアがさがるのではないかと思います。

たとえば右眼1.0 左眼1.0 だが、両眼では0.1で,

VASou=50 VASod=100, VASos=100

Visual Field Score(VFS)Ou= 10, VFSod=100,VFSos=100であれば

FAS= 0.6x50+ 0.2x100 +0.2x100 =30+20+20=70

FFS=0.6x10+0.2x100+0.2x100=6+20+20=46

FVS=70x46/100=32.2 (Class3a、sever vision loss)に入る

と低くなる可能性もあります。

また、さらに複視、立体視障害でFunctional Vison Score(FVS)から15点まで引くことができます。