検証57

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘、被害報告が確認されています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証13」「検証14」「検証15」「検証16」「検証17」「検証18」「検証19」「検証20」「検証21」「検証22」「検証23」「検証24」「検証25」「検証26」「検証27」「検証28」「検証29」「検証30」「検証31」「検証32」「検証33」「検証34」「検証35」「検証36」「検証37」「検証38」「検証39」「検証40」「検証41」「検証42」「検証43」「検証44」「検証45」「検証46」「検証47」「検証48」「検証49」「検証50」「検証51」「検証52」「検証53」「検証54」「検証55」「検証56に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証45ページ目です。「検証58「検証59「検証60「検証61「検証62「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証項目は順次追加の予定です。


●UNERNEY GLOBAL LIMITED (UNERNEYグローバルリミテッド https://unerneyfx.com/)

●ELDERTFX (https://www.elctfx.com/)

●Cang limited (Cangリミテッド https://www.cang-limited.com/Jp)



まず以下のサイトを検証します。

●UNERNEY GLOBAL LIMITED (UNERNEYグローバルリミテッド https://unerneyfx.com/)

Yahoo知恵袋に2件の質問が出てきたサイトです。まずそれら2件の質問を引用します。最初の質問は基本的に「検証56」で検証したブラックロックカンパニーリミテッド (https://blackrockcoltd.com/jap/index.html) への投資を勧誘されて出金できなくなっているという質問なのですが勧誘役がブラックロックカンパニーリミテッド以外にもここで検証するUNERNEYグローバルリミテッドを紹介していたようです。以下の質問で質問自体にはUNERNEYグローバルリミテッドは出てこないのですが、添付画像の記載はUNERNEYグローバルリミテッドに関する情報になっています。

2022年7月12日投稿

UNERNEYグローバルリミテッドのURLアドレスや連絡先情報などが記されています。この連絡先情報などは後述しますがサイトに記されている連絡先情報と基本的に一致しています。

さらに2件目のYahoo知恵袋に出てきた質問の方はUNERNEYグローバルリミテッドに関する質問になっています。

2022年7月13日投稿

「ある人」からUNERNEYグローバルリミテッドでの投資を勧誘され、入金先として個人名義の銀行口座を指定されて不審を抱いているという状況のようです。勧誘して来た「ある人」が外国人なのかなどについては不明です。ともかく最初の質問に出てきたURLアドレスからUNERNEYグローバルリミテッドのサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭部のキャプ画像です。

表示言語は英語のみです。背景画像はイギリスのロンドンにあるウェストミンスター宮殿 (英国国会議事堂) の画像になっています。この画像を見ればUNERNEYグローバルリミテッドはイギリスの業者という印象を受けると思いますし、後述するように連絡先情報にはイギリスの住所が記されており、イギリスの法人登録も確認されます。

しかし例によってこのサイトの画像を画像検索に掛けてみると以下に示す明らかに同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたと思われる2つのサイトが見つかったきました。それら2つのサイトは少なくとも現時点で中国語にしか対応していないので日本人に向けての投資勧誘が行われる可能性は薄いと考えて検証対象とはしませんけどUNERNEYグローバルリミテッドの検証の参考ということでサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

▼Fetch Market Limited (フェッチマーケットリミテッド https://fetchmltd.com/)

▼Jimmy Global Ltd (ジミーグローバルリミテッド http://fexjim.com/)

説明するまでもなく、中国語にしか対応していないこれら2つのサイトは明らかにUNERNEYグローバルリミテッドのサイトに酷似しています。中国語にしか対応していないサイトなのに背景画像がロンドンの風景というのは意味が分かりません。

さらにこれら2つのサイトがUNERNEYグローバルリミテッドのサイトに似ているのはこの冒頭部だけではありません。冒頭部に続く部分には取引対象など説明する部分が出てきますがその部分についてもUNERNEYグローバルリミテッドおよび2つの中国語にしか対応していないサイトのキャプを以下に同じ順 (UNERNEYグローバルリミテッド → フェッチマーケットリミテッド → ジミーグローバルリミテッド) で示します。

中国語の文章が分からなくても、この部分でも3つのサイトが互いに似ていることは明らかでしょう。中国語の文章もGoogle翻訳で訳してみるとUNERNEYグローバルリミテッドのサイトで英文で書かれている取引対象などに関する説明と同じ内容のようです。3つのサイトが同じテンプレートから由来するサイトであることはいよいよ確実と考えます。そして フェッチマーケットリミテッドジミーグローバルリミテッドの2つのサイトが中国語にのみ対応していることを考えればこれらのサイトを運営しているのは中国系のグループである可能性が高いように思われます。

ところがUNERNEYグローバルリミテッドのサイトで「About Us」 のページに記されている連絡先情報は以下のようになっています。

>ABOUT US

>addr: 4d Salisbury Road, Weston-Super-Mare, Somerset, BS22 8EW,United Kingdom

>email: support@unerneyfx.com

>tel: +86 13013047879

イギリス・ロンドンの住所、メールアドレス、そして電話番号が書いてあります。ところが住所がロンドンなのに電話番号は [+86] という中国の国番号から始まっています。

さらにロンドンの住所が記されているということでイギリスの法人登録を探してみるとUNERNEYグローバルリミテッドのものと思われる法人登録が見つかってきました。以下に見つかってきた法人登録を示します。

まず法人登録の日付は2022年1月21日となっています。業種は金融関係となっていて矛盾がありません。そして住所は以下のようになっています。

>4d Salisbury Road, Weston-Super-Mare, Somerset, United Kingdom, BS22 8EW

この住所は上で示しましたがUNERNEYグローバルリミテッドのサイトで「About Us」 のページに記されている住所と一致しています。またこの住所は「検証13以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証でしばしば登場している住所です。具体的には以下のサイトでこの住所が法人登録上の住所になっています。

「検証13」 Beslaマーケットリミテッド法人登録

「検証18」 Linkhumインベストメントリミテッド → 法人登録

「検証20」 JINGERグローバルリミテッド法人登録

WEIKE → 法人登録

「検証23」 キャメルファイナンシャルリミテッド → 法人登録

パットンセキュリティーズリミテッド → 法人登録

「検証27」 IOTAグローバルリミテッド → 法人登録

サウスセンチュリーグループリミテッド → 法人登録

アルトマンファイナンスインベストメント → 法人登録

「検証28」 CMMCIセキュリティーズインフォメーションカンパニーリミテッド → 法人登録

プラスマーケットリミテッド → 法人登録

MISNEAグローバルリミテッド → 法人登録

「検証33」 SHUN YUENリミテッド → 法人登録

「検証36」 ZOROグローバルリミテッド → 法人登録

YUMグループグローバルリミテッド → 法人登録

EGMフォレックス → 法人登録

「検証37」 ROKINGリミテッド法人登録

SAENマーケッツリミテッド法人登録

セントラルコーリションセキュリティーズ法人登録

「検証43」 Okwisグローバルリミテッド → 法人登録

「検証45」 KAIHERグローバルリミテッド → 法人登録

「検証46」 グランドグローバルマーケッツリミテッド → 法人登録

Skyamインベストリミテッド → 法人登録

「検証48」 ETHERマクロキャピタルリミテッド法人登録

「検証50」 OSIRISフォレックス → 法人登録

「検証54」 Maliksiリミテッド → 法人登録

この住所にこれだけのFX業者が集中して存在するというのは非現実的としか思われず、架空住所の疑いは非常に濃いです。そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下に示す中国国籍、中国在住のJIAN, Junという人物が唯一の経営者として登録されています。

この人物の中国の住所は以下のようになっています。

>No.10, Tiaopulinchangdangdi, Tongboshan Town, Guangfeng County, Shangrao City, Jiangxi Province, China, 334609

この住所を検索してみると中国の江西省上饒市(じょうじょう-し)広豊区(こうほう-く)銅鈸山鎮という地域の住所のようです。この住所が信頼できるかどうかは疑問ですが、中国国籍、中国在住の人物が唯一の経営者となればやはりUNERNEYグローバルリミテッドを運営しているのは中国系のグループである可能性が高いと思われます。

改めて結論するまでもなく、このサイトでの投資は推奨できません。勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●ELDERTFX (https://www.elctfx.com/)

●Cang limited (Cangリミテッド https://www.cang-limited.com/Jp)

ELDERTFXはYahoo知恵袋に被害者から質問が出てきたサイト、Cangリミテッドは画像検索で見つけてきた明らかに同じテンプレート由来のサイトです。尚、Cangリミテッドという名称のサイトとしては「検証37」でCangリミテッド (https://www.cangfx.com/jp/) というサイトを検証していますが、ここで検証するCangリミテッドのサイトはURLアドレスもサイトの見かけも全く異なる別のサイトです。

まずYahoo知恵袋に投稿されたELDERTFXに関する被害者からの質問をかなり長いですが引用します。

2022年7月23日投稿

インスタグラム経由でシンガポール出身で現在東京在住であると自称し、「くみこ」と名乗る女性から接触があってELDERTFXでの投資を始めてしまい、出金しようとしたところ意味の分からない名目で追加入金を要求されて応じても出金出来ることはなく、最終的には連絡が途絶えてしまったという状況のようです。まさに「検証13」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口と合致します。

この質問投稿に出てきたURLアドレスのサイト、さらに画像検索で見つかってきた表題2番目のCangリミテッドのサイトの冒頭部のキャプを以下に示します

▼ELDERTFX (https://www.elctfx.com/) [表示言語:英語、中国語、ベトナム語、タイ語]

▼Cangリミテッド (https://www.cang-limited.com/Jp)  [表示言語:英語、香港語、日本語、ドイツ語]

表示言語の違いはありますが、2つのサイトが互いに非常によく似ていることは明らかです。さらに2つのサイトの相互比較を続けます。この冒頭部に続いては取引対象を説明する部分が出てきます。表題と同じELDERTFX → Cangリミテッドの順でキャプ画像を示します。

大口の商品 (COMMODITIES)、外国為替 (FOREX)、指数 (INDEX)、上の画像では見えませんが原油 (CRUDE OIL) の4項目が取引対象となっています。この部分でも2つのサイトは明らかに互いに酷似しています。

さらに以下は取引プラットフォームに関する説明部分の比較です。これもELDERTFX → Cangリミテッドの順でキャプ画像を示します。

この部分でも背景画像は全く同じですし、記述内容も英語と日本語の違いはありますが互いによく似ています。また次に出てくるのはそのトレーディングプラットフォームであるメタトレーダーをダウンロードする部分です。ここでも2つのサイトの画像をELDERTFX → Cangリミテッドの順で以下に示し、比較します。

この部分でも右側のスマホの画像は全く同じですし、左側の記述内容も英語と日本語の違いはありますが互いによく似ています。これら2つのサイトが同じテンプレートからコピペで量産されたサイトであることは間違いないでしょう。

次に2つのサイトで連絡先情報を探しましたが開示されている情報は限られています。まずELDERTFXの「CONTACT US」のページに記されている連絡先情報は以下のようになっています。

>Global customer service hotline 

>Email:support@incmfx.com

>incfxinvestment@gmail.com

>2800 Sand Hill Rd #101, Menlo Park, CA 94025

まず電話番号がありません。メールアドレスが2つ記されていますが、2つ目のメールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。まともなFX業者のメールアドレスとは思えません。そして住所はアメリカのカリフォルニア州・メンローパーク市になっています。いわゆるシリコンバレーと呼ばれる地域の一角のようです。そしてこの住所を検索してみるとセコイア・キャピタルというベンチャーキャピタルの拠点の住所と重なるようです。Googleストリートビューで見てもこの住所にあるのはセコイア・キャピタルのようです。どういうことなのかよく分かりませんがこの住所には疑問があるように思います。

次にCangリミテッドの連絡先情報ですが、脚注部分に左のキャプに示したようにメールアドレスとイギリス・ロンドンの住所のみ記されています。こちらにも電話番号がありません。

>メールボックス:support@cang-limited.com

>住所:40 Bank Street, 30th Floor, Canary Wharf, London

住所がイギリスということでイギリスの法人登録があるかどうか探してみましたが、該当がありません。

ここまで示したようにELDERTFXCangリミテッドは互いに非常によく似たサイトでどう考えても同じグループによるサイトとしか思われないのにELDERTFXの住所がアメリカでCangリミテッドの住所がイギリスというのもおかしいでしょう。住所はいずれも信頼出来るとは思われません。

実はELDERTFXのサイトの画像を画像検索に掛けてCangリミテッドのサイトを見つけてきた際にCangリミテッド以外に同じテンプレート由来と思われるサイトがおそらく複数存在していたことが分かっていました。以下はELDERTFXのサイトの冒頭部の画像を画像検索に掛けた結果の一部ですが、Cangリミテッドと並んでRunning Investment (ランニングインベストメント https://www.runinfx.com/Jp) というサイトが見つかってきています。

このランニングインベストメントのサイトは2022年7月下旬現在で既に閉鎖されているようなので正式な検証項目とはしませんが、上の画像検索の結果を見ると日本語に対応していたサイトであったこと、Cangリミテッドと全く同じ文章が書かれていたことが分かります。これも間違いなくELDERTFXCangリミテッドと同じテンプレートから立ち上げられたサイトでしょう。そしてGoogleキャッシュに残っていた情報からすると日本語、中国語、香港語、英語、韓国語の5言語表示に対応していたようです。

そしてこの閉鎖されたサイトに連絡先情報の記載は確認出来なかったのですが、以下に示すランニングインベストメントに対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかってきました。

法人登録の日付は2021年11月9日となっており、上のキャプの最下段に示されている業種は金融関係になっていて矛盾がありません。そして住所は以下のようになっています。

>Apartment 1804 55 Upper Ground, London, England, SE1 9EY

この住所は「検証13」以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトの検証でしばしば出てくる住所です。具体的には以下のサイトに対応すると思われる法人登録の住所が全く同じです。

「検証27」 AREインターナショナルフォレックス → 法人登録

「検証28」 Prema → 法人登録

「検証40」 Aideファイナンスリミテッド → 法人登録

「検証46」 INGFX → 法人登録

ハメンプライムリミテッド → 法人登録

「検証48」 BOLONI CREATET FXカンパニーリミテッド法人登録

「検証49」 Fuhui FXリミテッド → 法人登録

Kraemfxトレーディングカンパニーリミテッド → 法人登録

「検証50」 ロフティーフォレックスリミテッド法人登録

アクチュアリーフォレックスグローバルリミテッド法人登録

「検証51」 DACLANDキャピタルリミテッド → 法人登録

INTERVATE キャピタルマネージメント → 法人登録

「検証52」 MOTONGFXリミテッド法人登録

「検証54」 ウィルターマネジメントリミテッド → 法人登録

MokFXグローバル → 法人登録

これだけ多くの法人登録が部屋番号まで一致する住所に存在するという状況から考えてこれはオフショア会社などを利用した架空住所の可能性が高いように思われます。そしてこのランニングインベストメントの法人登録で経営者情報のページを見ると以下に示す中国国籍、中国在住のHE, Yunleiという人物が経営者として唯一登録されています。

残念ながら法人登録時の提出書類を見てもこの人物の中国での住所は開示されていないようです。さらにランニングインベストメントの運営に関してサイトのWho Is 情報に断片的な情報が見つかります。

まず黄色の枠で囲った部分を見ると2022年3月29日となっています。イギリスの法人登録の日付は2021年11月9日でしたから5ヶ月近く離れています。なぜ5ヶ月近くも離れているのかは分かりませんが、ランニングインベストメントの法人登録は何度も使い回されている、他にもランニングインベストメントというサイトが存在していたという可能性も考えられます。

そしてこのWho Is 情報で注目するべきは赤枠で囲った部分です。以下に記載内容をまとめて書き出します。

登録者名: yun lei he (Running Investment Co Ltd)

メールアドレス: cs@runinfx.com

電話番号: +852.66728531

登録者はランニングインベストメントのyun lei heという人物になっています。この名前はイギリスの法人登録上の経営者の名前HE, Yunleiと似ているようにも思われます。そして電話番号は[+852] という香港の国番号から始まっています。このWho Is 情報からもランニングインベストメントの運営は中国系のグループであるという可能性が示唆されます。となれば同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたと思われるELDERTFXやCangリミテッドについても中国のグループによるサイトである可能性が強く疑われます。

ちなみにELDERTFXやCangリミテッドについてもサイトのWho Is 情報確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日のみ以下にまとめます。

サイト名 登録開設日

ELDERTFX 2022712日

Cangリミテッド 2022611日

ランニングインベストメント 2022年3月29日

この検証を書いている2022年7月下旬の時点でランニングインベストメントのサイトは開設から4ヶ月も経過していないのに既に閉鎖されていることになります。またELDERTFXのサイトは開設からまだ半月ほどしか経過していない新しいサイトであり、本項の最初に引用したYahoo知恵袋に出てきた被害者からの投稿の日付が2022年7月23日ですから開設から10日余りで既に被害者が出ていることになります。これらのサイトを立ち上げているグループ極めて短期間でサイトを使い捨てにしているようです。

総合的に判断してELDERTFXやCangリミテッドのサイトは詐欺目的の非常に危険なサイトとしか思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じないことを強く推奨します。