検証80
本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。そして実際に日本人に対して勧誘が行われているサイトが確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証13」、「検証14」、「検証15」、「検証16」、「検証17」、「検証18」、「検証19」、「検証20」、「検証21」、「検証22」、「検証23」、「検証24」、「検証25」、「検証26」、「検証27」、「検証28」、「検証29」、「検証30」、「検証31」、「検証32」、「検証33」、「検証34」、「検証35」、「検証36」、「検証37」、「検証38」、「検証39」、「検証40」、「検証41」、「検証42」、「検証43」、「検証44」、「検証45」、「検証46」、「検証47」、「検証48」、「検証49」、「検証50」、「検証51」、「検証52」、「検証53」、「検証54」、「検証55」、「検証56」、「検証57」、「検証58」、「検証59」、「検証60」、「検証61」、「検証62」、「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」に続いて中国系と思われる詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証67ページ目です。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭、さらにLINEのグループを利用する勧誘については「雑記2」あるいは姉妹サイトの「雑記2」を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証対象は順次追加の予定です。
●Citizens Financial Group (シチズンズファイナンシャルグループ https://www.citizensjp.com/)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでFXではなく、株式取引だけのサイトのようですが「検証13」以降で検証してきた中国系と思われる詐欺グループによる勧誘の手口と似た手口で勧誘が行われているようで同じグループによるサイトである疑いが濃厚ということでいわば番外ですが、検証対象とします。
このサイトはおそらく取引サイトではなく、勧誘用のランディングページと思われ、かなり部分が日本のネット証券であるauカブコム証券 (https://kabu.com/) から文章や画像を盗用してサイトが構築されているようです。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
詳しい状況が分かりませんが、質問の投稿者が参加しているLINEのグループで北村先生、女性アシスタント、プロトレーダー鈴木と少なくとも3人が登場してシチズンズファイナンシャルグループでの投資勧誘が行われているようです。個人でも機関投資家専用口座が開設出来て利益を出せるという主張のようです。
LINEグループを勧誘の場とする勧誘の手口は既に書きましたが「雑記2」あるいは姉妹サイトの「雑記2」でまとめたように多くの勧誘事例、被害事例が確認されています。さらにこの質問の投稿者がおよそ1カ月後になって以下の質問を投稿しています。
オフ会の通知が届いたようですが、これまでに確認されているLINEグループでの勧誘ではこうしたイベントの予告で雰囲気を盛り上げて投資を勧誘、既に投資している人に対しては追加投資を呼び掛けてイベント直前にサイトを閉鎖して逃亡するというパターンが多いので非常に危険な可能性が高いように思われました。この質問に対して8件の回答が寄せられていますが全てが頻繁に繰り返されている詐欺の手口と一致する経過であることを指摘して詐欺であると断ずるような回答になっています。
残念ながらこれらの質問、回答には投資先として推奨されているシチズンズファイナンシャルグループのサイトに関する情報がないのですが、ネット検索していて偶然に表題のシチズンズファイナンシャルグループのサイトを発見し、どうやらこれがこれらのYahoo知恵袋への質問に出てきたサイトであろうと考えられたので調べてみることにしました。とにかく表題のサイトについて画像を以下で示していくことにします。
まず見つかってきたシチズンズファイナンシャルグループのサイトのURLアドレスですが、表題に示したトップページに対応すると思われるURLアドレスにアクセスしてみるとトップページらしからぬ、「国内現物株式 商品概要」というページにリダイレクトされます。以下にその「国内現物株式 商品概要」というページの冒頭部の画像を示します。
このサイトは日本語にしか対応していません。そしてこのページには日本の株式市場に投資できることが説明されています。しかも東京証券取引所だけでなく、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所の上場銘柄も取引出来るとなっています。最近「検証66」で検証したKATYキャピタル (https://www.katy-investing.com/) というサイトでも日本の株式を取引できるとなっていたので同じことを書きましたが、日本の株式は東京証券取引所など日本取引所グループ (https://www.jpx.co.jp/) 傘下の取引所で独占的に行われているはずであり、取引に参加するには以前に会員権と呼ばれていた「取引参加者の資格」を得なければならないはずです。そして取引参加者のリストは日本取引所グループのサイトで公表されています。
しかし取引参加者一覧を見てもシチズンズファイナンシャルグループと思われる取引参加者は見当たりません。本当にシチズンズファイナンシャルグループで日本株への直接投資が可能なのかどうか極めて疑問です。
そしてこのシチズンズファイナンシャルグループのサイトは本項の最初で書いたように日本のネット証券であるauカブコム証券のサイト (https://kabu.com/) から文章や画像を盗用して構築されているようで非常によく似ている部分が見つかるのですが「国内現物株式 商品概要」という部分についてもauカブコム証券のサイトの「国内現物株式 商品概要」というサブページと非常によく似ていることが確認されました。以下に対応すると思われるauカブコム証券のサブページの画像を示します。
取引対象を説明するこの表はシチズンズファイナンシャルグループのサイトの表と極めてよく似ています。さらにこの表に続いて出てくる「取引所リンク集」「お取り扱い商品の重要事項の説明」と題された部分についてもシチズンズファイナンシャルグループ → auカブコム証券という順で以下に画像を示します。
この部分でもシチズンズファイナンシャルグループのサイトとauカブコム証券のサイトは互いに非常によく似ています。最後に出てくる「いますぐお申込み!」「口座開設はこちら」などと書かれた口座開設画面へのリンクまで互いに非常によく似ています。これは明らかに偶然ではないでしょう。
さらにシチズンズファイナンシャルグループのサイトとauカブコム証券のサイトが互いに似ているのはこのページだけではありません。例えば以下にはシチズンズファイナンシャルグループのサイトの「米国株式の特徴とメリット」と題されたサブページの画像を示します。
そしてこの部分と非常によく似た部分がauカブコム証券のサイトの米国株式のページにあります。その部分の画像を以下に示します。
この部分では文章だけでなく、画像も含めて2つのサイトは互いに酷似しています。
同様に以下はシチズンズファイナンシャルグループのサイトの「米国株式」→「取引時間」のサブページにある画像とauカブコム証券のサイトの米国株式 (アメリカ株) のサブページにある画像の比較です。
明らかに互いに似ています。実際問題、シチズンズファイナンシャルグループのサイトの7割ぐらいについてauカブコム証券のサイトに対応する部分が見つかります。但し、情報量はauカブコム証券のサイトの方が圧倒的に多いです。そして以下はシチズンズファイナンシャルグループのサイトのWho Is情報です。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2024年5月8日となっています。この検証を書いている2024年6月下旬時点で2ヶ月も経過していない非常に新しいサイトであることが分かります。ちなみにauカブコム証券のサイトの登録・開設日は1997年2月6日となっています。auカブコム証券のサイトの文章や画像が盗用されてシチズンズファイナンシャルグループのサイトが構築されているのは間違いありません。
また一方でシチズンズファイナンシャルグループの名称やロゴはアメリカのロードアイランド州に本社を置く同名の金融機関、Citizens Financial Group (https://www.citizensbank.com/homepage.aspx) の名称やロゴを盗用しているものと思われます。以下がそのアメリカのCitizens Financial Group (シチズンズファイナンシャルグループ) のサイト (https://www.citizensbank.com/homepage.aspx) の冒頭部の画像です。
本項で検証しているサイトとは全く似ていませんが、ロゴの部分だけは互いに非常によく似ています。左下が本項で検証しているシチズンズファイナンシャルグループ (https://www.citizensjp.com/) のサイトのロゴ、右下がアメリカのCitizens Financial Group (https://www.citizensbank.com/homepage.aspx) のサイトのロゴです。
よく見ると右肩に付いている「R」(登録商標マーク) と「TM」(商標マーク) の部分だけ異なりますが、ほぼ同じです。そして本項で検証しているシチズンズファイナンシャルグループ (https://www.citizensjp.com/) のサイトの「会社紹介」のページの冒頭には以下のような記述があります。
活字が小さいので以下に書き出します。
>会社紹介
>Citizens Financial Group, Inc. は、米国ロードアイランド州プロビデンスにある銀行で、米国東部の11の州で銀行サービスを運営しており、1,000を超える支店を持っています。アメリカの最大手の銀行の一つです。
>Citizens Financial Group, Inc.は、米国に本社を置く銀行持株会社です。同社は 1828 年に設立され、本社はロードアイランド州プロビデンスにあります。Citizens Financial Group, Inc.は、預金口座、ローン、クレジット カード、ファイナンシャルプランニングなど、さまざまな銀行商品とサービスを提供しています。同社は米国北東部に広範なビジネスネットワークを持ち、オンラインバンキングプラットフォームを通じて顧客に便利なサービスを提供しています。 Citizens Financial Group は、証券コード CFG でニューヨーク証券取引所に上場されている企業でもあります。
この会社の概要はWikipedia英語版の「Citizens Financial Group 」の項目に示されている情報と一致しています。つまり本項で検証しているシチズンズファイナンシャルグループのサイト (https://www.citizensjp.com/) はアメリカの金融機関であるシチズンズファイナンシャルグループ (https://www.citizensbank.com/homepage.aspx) の日本支社のサイトであるという主張なのだと思いますが、アメリカのシチズンズファイナンシャルグループのサイトを探しても日本支社があるという記述は確認出来ません。また本項で検証しているシチズンズファイナンシャルグループのサイト (https://www.citizensjp.com/) にもアメリカ本社のサイトへのリンクなど全くありません。明らかにおかしいです。
次に連絡先情報ですがサイトの脚注部分、「会社紹介」のページの末尾に以下の住所だけ記されています。
>会社の住所:
>東京都港区虎ノ門5-11-2 オランダヒルズ森タワー 16階
まず電話番号がないのが気になります。またこの住所を調べてみると実在の住所であるもののこの住所にシチズンズファイナンシャルグループが入居していることを確認出来ません。国税庁の法人番号公表サイトで調べてみると「東京都港区虎ノ門5丁目11-2」という住所には閉鎖済みの8件を含めて56件の法人登録がありますが、それらの中にシチズンズファイナンシャルグループの法人登録は見つかりません。
電話番号が示されていないことと併せてこの住所にシチズンズファイナンシャルグループが実在しているかどうか疑問ですし、そもそもシチズンズファイナンシャルグループが日本に進出しているかどうか、シチズンズファイナンシャルグループの日本支社が存在するかどうかも疑わしいです。
この件についての投資は全く推奨できません。投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。