検証24

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘、被害報告が確認されています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証13」「検証14」「検証15」「検証16」「検証17」「検証18」「検証19」「検証20」「検証21」「検証22」「検証23」に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証12ページ目です。「検証25「検証26「検証27「検証28「検証29「検証30「検証31「検証32「検証33「検証34「検証35「検証36「検証37「検証38「検証39「検証40「検証41「検証42「検証43「検証44「検証45「検証46「検証47「検証48「検証49「検証50「検証51「検証52「検証53」「検証54「検証55」「検証56「検証57「検証58「検証59「検証60「検証61「検証62「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。


●Million hui FX limited (ミリオンhui FXリミテッド https://www.yh1316.com/jp/)

●Glluck (http://www.glluckfx.cc/)

●Btabcbrition (https://www.btabcbritionfx.com/ja/)

●Glluck (https://www.glluckfx.net/)

●Glluck (https://www.glluckfx.com/)

●Glluck (https://www.fxglluck.com/)


まず以下のサイトを検証します。

●Million hui FX limited (ミリオンhui FXリミテッド https://www.yh1316.com/jp/)

これはYahoo知恵袋に質問が出てきたことで知ることになったサイトです。まずその投稿を引用します。

2021年3月24日投稿

出会い系サイトで知り合った自称・台湾人女性からミリオンhui FXリミテッドでの投資を勧誘されて勧誘役の指示に従って主にUKO (原油先物)やXAU (金先物)を取引していると利益が出ていたが出金しようとすると税金分を追加入金しなければ出金出来ないと主張されて出金させる気がないことに気が付いたという経緯のようです。さらに回答者の1人も同様に出会い系サイトから勧誘を受けて出金出来ない状況に陥っているようです。まさに「検証13」の冒頭で説明した中国系の詐欺グループの手口と合致しています。

とにかくこの投稿にあったリンクから表題のミリオンhui FXリミテッドのサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭のキャプです。

表示対応言語は中国語、香港語、英語、日本語の4つです。そして勧誘された手口から予想はされていましたが、この冒頭部を見ただけでこのサイトを運営しているのは中国系のグループである可能性が高いと思われました。例えば以下は日本語表示と英語表示を選択した場合のメニューバーの一部の拡大です。

「言語」や「今すぐアカウントを開く」は分かりますが、その間にある「線上諮詢」という項目は日本語とは思えません。全く意味不明です。同じ部分を英語表示にしてみると「線上諮詢」の部分が「Online consultation (オンラインコンサルテーション)」となっていてようやく意味は分かりました。「線上諮詢」は明らかに中国語でしょう。他にも日本語表示を選択しても中国語と思われる部分が残る部分が確認されます。

さらに画像検索してみるとミリオンhui FXリミテッドのサイトと非常によく似ていて中国語表示にしか対応していないサイトが見つかってきました。以下がその画像検索で見つかってきたScope MarketsLTD (スコープマーケッツリミテッド http://www.specialmarketsus.com/zh-cn/) というサイトの冒頭部のキャプです。

このサイトは少なくとも現時点で中国語表示にしか対応していないので本サイトでの検証対象とはしませんが明らかにミリオンhui FXリミテッドのサイトと似ており、特に背景画像はミリオンhui FXリミテッドの冒頭部と同じです。さらにミリオンhui FXリミテッドのサイトを中国語表示にした場合 (以下のキャプ) と比較してみると中国語の意味は全く分かりませんが書かれている文章やメニューバーの項目名、それらの配置が同じであることが分かります。

中国語表示にしか対応していないスコープマーケッツリミテッドのサイトとミリオンhui FXリミテッドのサイトはこの冒頭部以外の部分でも極めてよく似ています。ミリオンhui FXリミテッドが中国語圏のグループによるサイトであることは間違いないでしょう。

ミリオンhui FXリミテッドのサイトに戻ると取引対象は右のキャプにも示しましたが外国為替 (FX)、貴金属、エネルギー、インデックスCFD、グローバル株 (株式指数) となっています。(キャプの下部の赤い長方形の中には中国語で口座開設を意味すると思われる記述が見えます。)

しかし具体的に取引出来る対象に関する情報がありません。例えば外国為替 (FX) なら取引出来る通貨ペアとか取引単位、スプレッドやスワップ金利情報など示されているはずですがそういった詳細情報が一切見当たりません。リアルタイムの相場情報とかチャートもありません。チャートなどはトレーディングソフトのMT5をダウンロードするリンクがあるのでMT5をダウンロードすれば提供されるのだろうと思われますが、全般に明らかに情報不足で非常に違和感があります。

次に連絡先情報について検証します。連絡先情報は一応会社概要の項目に記されています。以下には会社概要の部分を日本語版と英語版で示します。

かなり曖昧な文章なのですがまとめると以下のようなことが書かれているようです。

▼グループ会社の創業は2003年に遡る。

▼親会社がPhillipCapital UKでその住所は「12 Endeavor Square, London, London E20 1JN」

▼本部はイギリスのロンドンで住所は「3rd Floor, 12-14 Mason Avenue, London, EC2V 5BT」

▼Million hui FX Limitedは2003年から欧州及びアジア圏でサービスを提供している。

▼PhillipCapitalのグループでは1000人の従業員、100万人以上の顧客を抱えていて預かり総資産は220億ドルを超えている。

しかしこれらの記述にはかなり疑わしい部分があります。まずサイトのWho Is 情報のキャプを以下に示します。

黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日を見ると2020年12月4日とつい最近になっています。会社概要にあった「グループ会社の創業は2003年に遡る。」という記述はグループ会社の中で最も古い会社が2003年に創業したというだけでミリオン hui FXリミテッドはつい最近創業なのかもしれませんが少なくともかなり誤解を招きやすい表現だと思います。また赤枠で囲った部分にあるミリオン hui FXリミテッドの所在地の所在地情報は「CN、Fujian」となっています。これは中国の福建省を意味します。イギリスのロンドンにある会社のはずなのに明らかに矛盾しています。またミリオン hui FXリミテッドのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示すように検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。

会社概要にあった「PhillipCapitalのグループでは1000人の従業員、100万人以上の顧客を抱えていて預かり総資産は220億ドルを超えている。」という記述はあくまでもグループ企業全体の話であるということなのかもしれませんが、それにしてもアクセスが検出限界以下というのは明らかに異様でしょう。

そこでさらにミリオン hui FXリミテッドと親会社だというフィリップキャピタル UKについてさらに調べてみました。まず住所がイギリスのロンドンということでミリオン hui FXリミテッドについてイギリスの法人登録を探してみました。見つかってきたミリオン hui FXリミテッドの法人登録を以下に示します。

まず法人登録の日付が2020年12月10日と非常に新しく、この検証を書いている2021年4月上旬の時点で4ヶ月ほどしか経過していません。上に書いたサイトのWho Is 情報にあったサイトの登録・開設日、2020年12月4日とは6日ほどの差しかありませんからこの法人登録がここで検証しているサイトに対応するものである可能性は高いように思います。そして住所が以下のようになっています。

>Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road, London, United Kingdom, E16 1AH

この住所は会社概要に記されていた

>3rd Floor, 12-14 Mason Avenue, London, EC2V 5BT

という住所とは同じロンドン市内であっても明らかに異なる住所であり、「検証13」以降で検証してきた一連の中国系の詐欺グループによる可能性が高いサイトの検証でしばしば登場している住所です。具体的には以下のサイトの連絡先情報あるいはイギリスの法人登録に記されている住所が全く同じ住所になっています。 

「検証13」ゴールド エイト サービシーズおよびXHFXマーケット

「検証14」オールブライトファイナンシャルおよびDarkasマーケッツリミテッド

「検証15」ユナイテッドインターナショナルフォレインインベストメントセンターリミテッド

「検証16」ビクトリーファルコンサービスリミテッド

「検証18」UKフュージョン・インターナショナルBtcethインベストメントリミテッドおよびビットリンクFXインターナショナルリミテッド

「検証19」ア・グランス・グループIATFXWELSHIサービシーズおよびBMIマーケッツ

「検証20」KSGリミテッドとDingsheng

「検証21」Odinサービスグループ

「検証22」イーストセンチュリーグループリミテッド、MARVALLE 3THグループリミテッド、ONDERSONおよびクリアリングファルコン

「検証23」センターフォーカスガイドグローバルリミテッド、Antsテクノロジーデベロップメントリミテッド、ゼロリファイングループリミテッドリードディアカンパニーリミテッドおよびJUNE BOWESデベロップメントグループリミテッド

「検証27」アルトマンファイナンインベストメント

「検証29」Ueeインターナショナルリミテッド

「検証30」アクトゴールドリミテッドとVPマーケッツグローバルリミテッド 

「検証31」FTFゴールドグローバル、PKGグローバル、BOPグローバルおよびMWHマーケッツリミテッド

「検証32」TIXインベストメントマネージメントリミテッドおよびJIAXINGインターナショナルリミテッド

「検証34」FUNRATS ウエルスリミテッドおよびLEBWAYウエルスリミテッド

「検証35」セレクトグローバル、トレジャーリーフグループリミテッド

「検証39」HNDグローバルリミテッド、ITEグローバルリミテッド、RTSゴールドグローバルリミテッド、SODグローバルリミテッド、インダスゴールドマーケッツリミテッド、YLLグローバルインベスティングリミテッド、BSVグローバルインベスティングリミテッド、KBLグローバル インベスティングリミテッド、FFFAグローバルインベスティングリミテッド、HANグローバルインベスティングリミテッド、TUFマーケッツリミテッド、KBLグローバル インベスティングリミテッド、FFFAグローバルインベスティングリミテッド、HANグローバルインベスティングリミテッドTUFマーケッツリミテッドおよびパワーファンクションキャピタルリミテッド

「検証40」FOGEEリミテッド (https://www.fogee.net/index21.html)

「検証44」エクセレントリベニューリミテッド

この住所でミリオンhui FXリミテッドの事業が行われているとは全く思えません。そしてこの法人登録の経営者情報によればミリオンhui FXリミテッドの経営者は以下のキャプに示すARANAS, Matie Mutiaというフィリピン国籍、フィリピン在住、1994年7月生まれで26歳という人物になっています。

この人物は「検証15」で検証したユナイテッドインターナショナルフォレインインベストメントセンターリミテッドのイギリスでの法人登録経営者情報「検証18」で取り上げているBtcethインベストメントリミテッドの法人登録経営者情報同じくDirectorの役職で登場していた人物と同じ名前であり、しかもフィリピン国籍、フィリピン在住、1994年7月生まれといった情報が一致していて同一人物と思われます。当然、ミリオンhui FXリミテッドとユナイテッドインターナショナルフォレインインベストメントセンターリミテッドやBtcethインベストメントリミテッドは同一のグループによるサイトである可能性が強く疑われます。

そして法人登録時の提出書類を見るとこのARANAS, Matie Mutiaという人物はミリオンhui FXリミテッドの唯一の株主にもなっており、フィリピンの住所が示されています (以下のキャプ参照)。

>PUROK-4 PALAYAN 7206 ALORAN MISANMIS OCCIDENTAL PHILIPPINES 21405035

この住所で「MISANMIS」はおそらく「MISAMIS」の間違いと思われ、「MISANMIS OCCIDENTAL」西ミサミス州を意味するようです。しかし本項目の最初に説明したようにミリオンhui FXリミテッドは中国系の可能性が高く、フィリピン人経営者にどれほどの意味があるのかはかなり疑問です。

次にミリオン hui FXリミテッドの親会社だというフィリップキャピタル UKについても調べてみました。こちらはまず検索して見つかってきたフィリップキャピタル UKのサイト (https://www.phillipcapitaluk.com/) の冒頭部のキャプを以下に示します。

活字が小さくて見にくいですがこの冒頭部に書かれている文章の一部を抜粋して以下に引用します。

>As a member of the PhillipCapital Group of Companies PhillipCapital UK has the backing of an integrated financial house with 15 offices including Singapore, Chicago, Hong Kong and more than 5000 employees worldwide.

この文章をGoogle翻訳で日本語訳すると以下のようになります。

>PhillipCapital Group of Companiesのメンバーとして、PhillipCapital UKは、シンガポール、シカゴ、香港を含む15のオフィスと、世界中に5000人以上の従業員を擁する統合金融機関の支援を受けています。


この記述はミリオンhui FXリミテッドのサイトの会社概要にあった文章と一致していません。ミリオンhui FXリミテッドのサイトの会社概要ではフィリップキャピタル UKがグループの中心の企業であるという説明になっていますが、フィリップキャピタル UKのサイトにある説明ではフィリップキャピタル UKはフィリップキャピタルのイギリス支社的な扱いになっています。調べてみるとフィリップキャピタルグループの中心であるフィリップキャピタルはシンガポールに拠点を持つ企業のようです。そのフィリップキャピタルの公式サイト (https://www.phillip.com.sg/) の冒頭部のキャプを以下に示します。

そしてこのサイトのGlobal Networkというページにはフィリップキャピタルグループを構成するグループ企業のリストがあります。日本にもフィリップ証券 (https://www.phillip.co.jp/) というグループ企業があるとなっていますが問題はミリオンhui FXリミテッドが本拠を置くはずのイギリスにあるグループ企業です。イギリスにあるグループ企業としては以下のキャプに示した3つが示されています。

イギリスにあるフィリップキャピタルグループの企業は以下の3つということです。

▼King & Shaxson Limited (http://www.kingandshaxson.com/)

▼PhilipCapital UK Ltd. (https://www.phillipcapitaluk.com/)

▼Walker Crips Group PLC (https://www.walkercrips.co.uk/)

重要なのはフィリップキャピタル UKはグループ企業のリストに含まれているがミリオンhui FXリミテッドは含まれていないということです。またフィリップキャピタル UKのサイトを見るとFXやCFD、貴金属やコモディティなどの取引が可能であるとなっています (以下のキャプ参照)。

フィリップキャピタル UKの提供するサービス、取引対象はミリオンhui FXリミテッドと完全に重複しているのです。同じグループのしかも同じイギリスを拠点とする企業の中に同じ取引対象扱う企業が複数存在するというのはおかしいように思われます。

こうして検証を加えてみるとミリオンhui FXリミテッドがフィリップキャピタルグループの一角かどうか極めて疑問です。むしろ中国系の詐欺グループが勝手にフィリップキャピタルグループの一角であると詐称している可能性が極めて濃厚であると考えざるを得ません。

言うまでもありませんが既に最初に引用したような被害報告が出ていることだけでなく、多くの事実とは思われない記述が多数見つかることなどからもミリオンhui FXリミテッドは到底信用出来る業者とは思えません。ミリオンhui FXリミテッドでの投資勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。


●Glluck (http://www.glluckfx.cc/)

●Btabcbrition (https://www.btabcbritionfx.com/ja/)

いずれもYahoo知恵袋に投稿があったサイトです。見た目は特に似ているとは言い難いのですが調べてみると組織的な繋がりの可能性があるようなのでまとめて検証します。但し2つ目のBtabcbritionはこの検証を書いている2021年4月上旬の時点で既に閉鎖されているので簡単に取り上げるだけになります。

まずYahoo知恵袋に出てきたそれぞれのサイトに関する投稿を引用します。

2021年3月12日投稿 (Glluckに関する投稿)

質問の背景については何の説明もなく、Glluckが信頼できるかという質問に対して手放しで絶賛する回答が寄せられています。「世界でたくさん支店もあります。」といったことも書いてありますがこの点については後述します。そしてこの投稿には疑問があります。質問者のID回答者のIDはいずれもこの投稿があった2021年3月12日当日に登録されており、共にこれ1件のみしか投稿がないのです。また回答の投稿の文章には若干ですが日本語として不自然な部分があるように思います。断定は出来ませんがこの質問・回答は自作自演のステマ投稿の可能性が考えられます。但しこの投稿だけでは日本人に向けた勧誘が行われている疑いがある怪しげなサイトであるというだけで「検証13」冒頭で説明したような中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトかどうかは分かりません。

次にBtabcbritionに関する投稿を引用していきます。

2020年11月3日投稿

SNSで知り合った人物から勧誘されたということでBtabcbritionが信頼出来るサイトかどうか問う質問になっています。

2020年11月10日投稿 (その後削除)

SNSで知り合った自称台湾人に勧誘されたとあるだけであまり詳しい状況は分かりませんがBtabcbritionでの投資勧誘を受けているようです。

2021年2月4日投稿

この投稿ではマッチングアプリで知り合った自称・台湾人女性から勧誘されているということです。入金先として個人名義の銀行口座への入金を指示されたことで怪しいと感じて思いとどまったようです。これら3件の投稿にある情報をまとめると勧誘の手口などから判断してBtabcbritionは「検証13」の冒頭にまとめた中国系の詐欺グループによると思われる詐欺サイトの疑いが濃厚であると考えられました。

ともかくこれらの投稿から表題の2つのサイト、GlluckのサイトとBtabcbritionのサイトにアクセスしてみました。まず以下にGlluckのサイト冒頭部のキャプを示します。

表示対応言語は英語、中国語、ドイツ語、フランス語、日本語、タイ語となっています。但し言語選択メニューの部分を一部拡大して以下のキャプに示しましたがドイツ語の選択肢の国旗アイコンはドイツ国旗ではなくジョージアの国旗になっているようです。ドイツ (Germany)とジョージア (Georgia)を見誤ったものと思われますがドイツ国旗を知らない人物がサイトを作っていることになると思われます。

この冒頭部に続いては以下のキャプに示した120万人以上の顧客がいるなどGlluck社がこの業界ではかなりの大手であるかのような記述があります。日本語訳がおかしい部分が多いのですが英語版と見比べるとことによって例えば以下のキャプで「90歳以上 地域」というのは「90以上の国あるいは地域から顧客を得ている」という意味、「10歳以上 年」というのは「10年以上の事業実績がある」という意味であることが分かりました。それ以外には100人以上の従業員がいるといったことが書いてあります。

取引対象に関する説明も日本語の文章ではよく分からないので英語版を以下に示します。

英語版でもまず120万人以上の顧客がGlluckでトレードしているとあります。それだけの顧客を抱えているという主張についてはまた後述します。さらにFX、CFD、金や銀などの貴金属、インデックス (株式指数?)といったものが取引可能であるとなっていますが、具体的に例えばどんな通貨ペアが取引可能なのかといった情報は見当たりません。スプレッドやスワップ金利に関する情報も見つかりません。かなり違和感があります。そして日本語版には全く見当たらない情報として英語版にはアメリカの米国先物協会 (NFA) から登録番号 0532834で登録を得ているという情報があります。この点については後述します。

次に表題2つ目のBtabcbritionのサイトについてもサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

表示対応言語は英語、中国語、香港語、日本語となっています。なぜか理由は分かりませんが英語の選択肢の国旗アイコンはアメリカやイギリスの国旗ではなくオーストラリア国旗のアイコンになっているようです。上に示したGlluckのサイト冒頭部と比較して特に似ていると思われる部分はありません。

この冒頭部に続いてはサイトの特長を6項目にまとめた部分があります。

この部分でも項目数が6つになっていて円形のイラストが添えられているという点以外はGlluckのサイトにあった顧客数などに関する情報をまとめた部分と特に似ているようには思えません。残念ながら既に閉鎖されているBtabcbritionのサイトについてはこれしかキャプを取得していなかったのでこれ以上の検証は出来ません。Glluckのサイトとの関連については後述することにします。

とりあえずGlluckのサイトについて検証を進めます。まず例によって連絡先情報を探しましたが殆ど情報がありません。お問い合わせのページに記されているのは右のキャプに示したメールアドレスが1つだけです。

>info@glluckfx.com

本稿の最初に引用したYahoo知恵袋への投稿では「世界でたくさん支店もあります。」といった回答になっていたのですが、支店があるならそれらの所在地や電話番号が示されていないということはないでしょう。「世界でたくさん支店もあります。」という情報はどこから出てきたのでしょうか?

さらに上に書いたように英語表示では米国先物協会 (NFA) から登録番号 0532834で登録を得ているという記載があるので確認する為にNFAのサイト (https://www.nfa.futures.org/)  で検索窓からGlluckの登録を探してみました。以下に出てきた結果のキャプを示します。 

NFAのサイトにはGLLUCK LIMITEDの何らかの登録があってNFA IDが0532834という番号であることは確認されるのですが当時に

>Not an NFA Member (NFAの会員ではない)

>Non-Member not subject to NFA oversight. (非会員は NFA の監督を受けません。)

という記述も出てきます。これ以上の情報が出てこないのでGulluck社の連絡先情報も相変わらず分かりませんし、NFAの規制下、監視下にあるとは言えないでしょう。そもそもNFA (全米先物協会)という組織はアメリカの金融ライセンスを管理する組織ではないと思われます。

そこでさらにGlluckについて検索してみるとGlluck社のものと思われるイギリスの法人登録が見つかってきました。以下に見つかってきた法人登録のキャプを示します。

この法人登録は2020年8月11日付で登録されており、かなり新しい法人です。事業内容は「 Financial intermediation not elsewhere classified」と一応は金融関係となっていますが、イギリスの金融ライセンスを管理するFinancial Conduct Authority (FCA、金融行動監視局)のサイトでGlluckの金融機関登録を探しても該当すると思われる登録は見つかりません。

住所は

>Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, United Kingdom, N14 5BP

となっていますがこの住所を検索してみると少なくとも数百単位の法人が同じ住所で登録されているようです。また「検証13」以降の一連の中国系と思われるサイトの検証の中で以下のサイトでもやはり法人登録上の住所として同じ住所が登場しています。

「検証16」 KENKEキャピタルグローバルリミテッド 法人登録

HungDingファイナンシャル法人登録

「検証27」 リッチネスエンパイアリミテッド → 法人登録

Onokaキャピタルリミテッド法人登録

Starekカンパニーリミテッド → 法人登録

「検証30」 アクトゴールドリミテッド法人登録

「検証32」 ANSFXグローバルリミテッド法人登録

トップリスペクト法人登録

「検証35」 MITマーケットリミテッド法人登録

ZEUSファイナンスリミテッド法人登録

「検証37」 Freyr グループリミテッド法人登録

FTSEファイナンシャルリミテッド法人登録

「検証41」 ファンシーグループリミテッド法人登録

「検証43」 GYDインターナショナルホールディングスリミテッド法人登録

「検証50」 Murong インベストメントリミテッド法人登録

「検証51」 Ateckリミテッド法人登録

コールミルグローバルリミテッド法人登録

「検証65」 Breitlingプライム → 法人登録

そして「検証32」ANSFXグローバルリミテッドの検証の中で説明していますが、Googleストリートビューで確認出来る「Chase Business Centre」は私書箱を置いて郵便物の受け取り代行をしているだけの業者のように見えますこの住所にGlluck社が実在するかは極めて疑問であり、架空住所の疑いは濃厚です。

さらに経営者情報を見ると2名の経営者が登録されていますがまずSecretary (秘書?事務担当?) という役職名でUK COMPANY MADE SERVICE LTDという法人が登録されています (以下のキャプ参照)。

UK COMPANY MADE SERVICE LTDという社名からしてオフショア会社としか思えませんし、この法人の住所はGlluck社の法人登録上の住所と同じになっています。そしてこのUK COMPANY MADE SERVICE LTDの情報を見ると872の法人に経営者として参加していることになっており、全てかどうかは確認していませんがそれらの法人の住所は全Glluck社の法人登録上の住所と同じ住所 (Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, United Kingdom, N14 5BP) になっているようです。検索してもUK COMPANY MADE SERVICE LTD社の公式サイトが見つからないので確認は出来ませんがこのロンドンの住所はこのオフショア会社でほぼ間違いないUK COMPANY MADE SERVICE LTD社の提供する住所なのかもしれません。いずれにしろこのロンドンの住所に

一方、Glluck社の法人登録の経営者情報にあるもう1人の経営者でDirector (社長) の職にあるのは以下のキャプに示したSATTAROVA Fatimaというロシア国籍で中国在住の人物になっています。

この人物の中国での住所は以下のようになっています。

>Blk 4, Hengda Zonglvdao, Dongcheng Dist., Dongying City, Shandong, China, 257000

この住所は中国の山東省東営市 (とうえい-し)の住所のようですが、どれほど信用出来るかは疑問です。しかしGlluck社の本拠はやはり中国である可能性が高いように思います。このSATTAROVA Fatimaという経営者についてはまた後述します。

Glluck社と中国との繋がりは以下のキャプに示しましたがWho Is 情報でも示されています。

このWho Is情報の黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2020年10月14日となっており、イギリスの法人登録の日付 (2020年8月11日) からおよそ2ヵ月という微妙な間隔があります。そしてWho Is情報の赤枠で囲った部分に登録法人の所在地がCN、Guangdongであると記されています。これは中国の広東省を意味します。やはりGlluck社の実際の本拠は中国である可能性が高いように思われます。

ついでにGlluckのサイトへのアクセス状況を見ると以下のキャプに示しましたが検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。

Glluckのサイトには上で指摘したように世界90以上の国あるいは地域から120万人以上の顧客を抱えているとか10年以上の実績があるといったことが書かれていますが到底真実とは思えません。

さらにGlluck社のイギリスの法人登録で経営者となっていたロシア国籍、中国の山東省在住のSATTAROVA Fatimaという人物の情報を見るとGlluck社以外に3社の経営者として登録されています。

YUHENG CAPITAL LIMITED

法人登録日付:2020年9月8日

住所:Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, United Kingdom, N14 5BP

GARSON LIMITED

法人登録日付:2020年8月18日

住所:Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, United Kingdom, N14 5BP

BTABCBRITION LIMITED

法人登録日付:2020年8月10日

住所:Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, United Kingdom, N14 5BP

SATTAROVA Fatimaの役職はいずれの場合もDirector (社長) となっており、UK COMPANY MADE SERVICE LTD社がSecretaryという役職名でもう一方の経営者として登録されていることもGlluck社の法人登録共通しています。法人登録の日付は2020年8月から9月に集中しています。

そこでこれらが経営に参画している法人について調べてみるとまず最初のYUHENG CAPITAL LIMITEDについてはYuheng Capital (http://www.yuhengfx.com) というFXのサイトが存在していた形跡は見つかるもののサイト自体は既に閉鎖されているようです。

2番目のGARSON LIMITEDについては対応すると思われるFXのサイト (https://www.garsonforex.com/en/) が見つかってきました。以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

このサイトはGlluckと同じグループによって運営されている可能性がかなり高いと思われますが対応言語が英語、フランス語、イタリア語だけで日本語に対応していないこと、これまでに勧誘されたといった情報も確認されていないことからとりあえずここでは検証対象にしません。また別項目で検証するかもしれません。

そしてGlluck社の社長であるSATTAROVA Fatimaという人物が同じく社長の任にあるということで見つかってきた3つの法人の中で特にここで重要なのは3番目のBTABCBRITION LIMITEDの法人登録です。これは本稿で検証しているもう一方の閉鎖されたサイト、Btabcbrition (https://www.btabcbritionfx.com/ja/)と名称が一致していることから相当する法人登録である可能性が極めて濃いと考えます。

最初に示した通り、本稿で検証対象としている2つのサイト、Glluck (http://www.glluckfx.cc/)とBtabcbrition (https://www.btabcbritionfx.com/ja/)は互いに似ているようには全く見えません。しかし共にイギリスに法人登録があり、その経営者として登録されているのが同じロシア国籍、中国山東省在住のSATTAROVA Fatimaという人物になっているのです。2つのサイトは同じグループによる運営である可能性はかなり高いものと考えます。そしてBtabcbritionのサイトについては最初に引用したように勧誘された、出金出来ないという報告がYahoo知恵袋で確認されています。さらにBtabcbritionのサイトは既に何の告知もなく閉鎖されているということからも詐欺サイトとしか思えません。BtabcbritionとGlluckのサイトが同じグループによって運営されているのだとすればGlluckのサイトも極めて詐欺サイトの可能性が高い危険なサイトと考えざるを得ません。情報公開などが極めて不充分で金融ライセンスを確認出来ないことなどからも危険なサイトの疑いが濃厚です。Glluckでの投資勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。

※付記

Glluck社の法人登録上の経営者となっていたSATTAROVA Fatimaという人物の名前が「検証27」で検証しているStarek (https://www.starekforex.com/) というやはり中国系と思われる詐欺サイトに対応するSTAREKCO., LTDというイギリス法人経営者情報に出てきました。「検証27」を参照してください。


●Glluck (https://www.glluckfx.net/)

●Glluck (https://www.glluckfx.com/)

●Glluck (https://www.fxglluck.com/)

上で検証したGlluck (http://www.glluckfx.cc/) と名称が同じでURLアドレスが異なるサイトで見かけも明らかに互いに似ています。これらのサイトの存在についてはYahoo知恵袋に出てきた以下の質問で気が付くことになりました。

2021年8月15日投稿

どういう経緯で紹介されたのかなど何も情報がありません。とにかくGLLUCKというサイトでの投資を勧誘されたとあるので最初は上で検証したGlluck (http://www.glluckfx.cc/) のサイトに誘導されたのかと考えたのですが、この質問を見てそのGlluckのサイトにアクセスしてみたところ既に閉鎖されていることが発覚しました。そこで同じGlluckという名称でURLアドレスの異なるサイトが存在しているのかもしれないと考えて検索してみたところ本項表題の3つものGlluckのサイトが相次いで見つかってきました。見つかってきたサイトの冒頭部のキャプを以下に表題と同じ順で示します。

Glluck (https://www.glluckfx.net/)

表示言語の選択肢は上のキャプの上端に国旗アイコンが並んでいますが英語、香港語、ドイツ語、フランス語、日本語、タイ語の6つになっているようです。但し上で検証したGlluck (http://www.glluckfx.cc/)の場合と同じで「German (ドイツ語)」という選択肢に添えられているアイコンはドイツ国旗のものではなく、以下に拡大したキャプを示しましたが東欧のジョージアの国旗になっているようです。尚、本項で検証している3つのGlluckのサイトのいずれでもドイツ国旗のアイコンが全てジョージア国旗になっています。ドイツ国旗を知らない人物がサイトを作っているようです。

このサイトもキャプの上端には英語、香港語、ドイツ語、フランス語、日本語、タイ語を意味すると思われる6つの国旗アイコンが並んでいますが実際に英語以外の5つの表示言語のいずれかを選択してみるといずれの場合も確かに表示言語が切り替わるのですが同時に別のサイトにリダイレクト (転送) されることに気が付きました。それが以下にサイト冒頭のキャプを示すGlluck (https://www.fxglluck.com/)のサイトです。このGlluck (https://www.glluckfx.com/)のサイトは実質的には英語サイトしか存在しないことになります。

Glluck (https://www.fxglluck.com/)

最後のGlluck (https://www.fxglluck.com/)についても表示言語の選択肢は上のキャプの上端に国旗アイコンが並んでい英語、香港語、ドイツ語、フランス語、日本語、タイ語の6つです。そして本項で検証している3つGlluckのサイトが互いに非常によく似ていることが分かります。同時に以下のキャプを再掲しますが既に検証対象としたGlluck (http://www.glluckfx.cc/)のサイト冒頭とも明らかに似ています。

さらに4つのGlluckのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下に冒頭部の次に出てくる顧客数などをまとめて説明している部分のキャプを3つのサイトから表題の順で以下に並べて比較します。

さらにこの部分についても上で検証した既に閉鎖されたGlluckのサイトの相当部分のキャプを再掲します。

いずれのサイトでも「120万人以上の顧客がいる」などと書いてありますがその信憑性は最初に検証したGlluckの検証で説明したように極めて疑問です。

次に連絡先情報を探しましたが「お問い合わせ」というページを見てもメールアドレスが1つあるだけです。左下はGlluck (https://www.glluckfx.net/)のサイトに記されているメールアドレス、右下は表題3番目のGlluck (https://www.fxglluck.com/)のサイトに記されているメールアドレスのキャプです。表題2番目のGlluck (https://www.glluckfx.com/)の場合には「お問い合わせ」ページへのリンクをクリックすると表題3番目のGlluck (https://www.fxglluck.com/)のサイトに転送されるようです

そしてこの唯一の連絡先情報であるメールアドレス

>info@glluckfx.com

は上で検証し、既に閉鎖されたGlluck (http://www.glluckfx.cc/) のサイトに記されていたメールアドレスと同じものです。メールアドレスのドメイン名の部分は表題2番目のGlluck (https://www.glluckfx.com/) のURLアドレスのドメイン名に一致しています。

とにかく連絡先情報がメールアドレス1つのみというのは話になりません。そこで例によってサイトのWho Is 情報を確認しました。以下は表題2番目のGlluck (https://www.glluckfx.com/) のWho Is 情報のキャプです。

まず黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2020年8月13日となっています。そして赤枠で囲った部分に登録者に関する情報がありますが登録機関名がGLLUCK LIMITED、所在地が中国の上海になっています。

同様に他の2つのサイトのWho Is 情報も確認しました。上で検証した既に閉鎖されているGlluck (http://www.glluckfx.cc/) のサイトも含めて4つのGlluckのサイトのWho Is 情報にある記述を以下にまとめます。

登録・開設日 所在地

Glluck (https://www.glluckfx.net/) 2021224日 中国・広東省

Glluck (https://www.glluckfx.com/) 2020年8月13日 中国・上海

Glluck (https://www.fxglluck.com/) 2021726日 記載なし

Glluck (http://www.glluckfx.cc/) 2020年10月14日 中国・広東省

登録・開設日を見ると本項の表題2番目のサイト、Glluck (https://www.glluckfx.com/) が最も古いですがそれでもこの検証を書いている2021年8月下旬の時点で開設から1年ほど、最も新しいGlluck (https://www.fxglluck.com/) のサイトは1ヵ月しか経過していない新しいサイトです。明らかに同じグループによるサイトなのに所在地は広東省と書いてあるサイトと上海と書いてあるサイトがあり、明らかに矛盾しています。

改めて結論するまでもなく、これら4つも確認されたGlluckのサイトは到底信用出来ません。そもそも4つも同じサイトがある意味が分かりませんし、最初に確認したサイトは何の告知もなく閉鎖されているのですから危険としか思われません。投資勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。