検証11

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには関東財務局から違法業者として警告が出ているサイトも含まれています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは以下を検証します。


●Exness (エクスネス https://www.exness.com/ja/)

●Exness Social Trading (エクスネスソーシャルトレーディング https://social-trading.exness.com/)

●Focus Markets (フォーカスマーケッツ https://www.focusmarkets.com/jp/)

●Place a Trade (プレース・ア・トレード https://www.placeatrade.com/)

●PRC Broker (PRCブローカー https://www.prc-brokers.com/jp/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrade.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrades.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://aximtrade.net/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrd.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrading.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtradeidr.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://aximindonesia.com/)

●XTRADE (Xトレード https://www.xtrade.com/ja/)

●GBT International Limited (GBTインターナショナルリミテッド https://gbt-int.com/)


まず以下のサイトを検証します。

●Exness (エクスネス https://www.exness.com/ja/)

●Exness Social Trading (エクスネスソーシャルトレーディング https://social-trading.exness.com/)

最初のエクスネスはリンクはしませんが複数のアフィリエイト報酬目的と思われるFX業者の比較サイトで見つけたサイトで日本語表示にも対応しています。また2020年6月には日本語のサイトで右のキャプに示したようなバナー広告が出ていたことを確認しています。かなり以前からあるサイトのようですが、アフィリエイトサイトの記述によれば日本語に対応していなかった時期があり2020年になってから日本語対応になったということのようです。その為に以前に日本語対応の海外FX業者のサイトを探した時には存在に気が付いていませんでした。それが日本語対応したことによって特に最近になってYahoo知恵袋でもエクスネスに関する質問が何件か出てきています。

2020年12月14日投稿

2021年1月9日投稿

2021年1月15日投稿

実際に日本でもこのエクスネスというサイトで取引している人がいるということでしょう。

表題2番目のエクスネスソーシャルトレーディングは名称から予測できるようにエクスネスと同じ系列のソーシャルトレーディングのサイトで簡単に触れることにします。

まずは以下が早速アクセスしてみたエクスネスのサイトの冒頭部のキャプです。

まずキャプの下の部分に107の通貨ペア、81の株式及び指数、7種類の仮想通貨、12種類のコモディティが取引されていると書いてあります。

表示言語の選択肢は右側に別のキャプで示したプルダウンメニューに見える通り、英語、ロシア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、タイ語、ベトナム語、中国語、日本語、インドネシア語、ベンガル語、韓国語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語の17ヵ国語となっています。そして上のキャプに見えますが「日本語ネイティブによるサポート」が日本時間の平日朝8時から午前0時までライブチャットで可能となっており、日本人顧客の獲得に相当に力を入れていることが分かります。

ここまではそれほど違和感を感じなかったのですが異様なのは日本語以外の表示言語を選択した場合です。以下には例えば英語表示を選択した場合のサイト冒頭部のキャプを示しますが同じ位置、青枠で囲った部分に英語で「Native Japanese support---Available from 08:00 to 00:00 on weekdays」つまり日本語ネイティブによるサポートが平日の朝8時から深夜0時まで受けられると書いてあるのです。

さらに赤枠で囲った部分に書いてある

>Deposits and withdrawals in Japanese yen. (日本円で入出金)

という文章は明らかに意味不明です。英語でこのサイトを見ている人にとって日本円で入手金するなんて有り得ないでしょう。

以下に示した中国語表示を選択した場合も同じようなことになっています。

青枠で囲った部分には英語表示にした場合と同じく「Native Japanese support---Available from 08:00 to 00:00 on weekdays」と日本語ネイティブによるサポートが平日の朝8時から深夜0時まで受けられると英語で書いてあります。この朝8時から深夜0時までというのはどの国の時間帯での話なのでしょうか?

さらに中国語は分かりませんがこの中国語版でも赤枠で囲った部分に「日元出入金」と書いてあります。日本円で入出金出来るという意味でしょう。こうした明らかに異様な点に気が付くと17ヵ国語にも対応しているサイトなのに日本人目当てのみで作られているサイトなのではないかと強く疑わざるを得ません。

そこでアクセス状況を解析出来るサイトエクスネスのサイトへのアクセス状況を調べてみました。まず以下はアクセス数ですが1日当たりの平均で独立訪問者が95万人余りという結果になります。

次に国別のアクセスを見ると以下のキャプに示しましたが訪問者の10.5%が日本からでタイ (32.0%)、南アフリカ (15.5%) に次いで3番目にアクセスが多い国という結果になります。

日本人向けとしか思われない異様な記述が見られたところからもしかするとアクセスの殆どが日本からではないかとも予想したのですが実際にはそこまで日本に偏ってはいないもののやはり日本居住者のアクセスはかなり多いことは確かです。そしてアクセスが多いのは4位以下もベトナム、リビア、エジプト、パキスタン、インド、ケニアとアジア圏とかアフリカの国ばかりで欧州とかアメリカ大陸の国からは殆どアクセスがないようです。

そしてアクセスがアジアやアフリカからに偏っていることに関連すると思われるのですが以下のキャプに示したようにエクスネスのサイトと同じIPアドレス上に「exness.eu」というサイトが存在していることに気が付きました。

このもう1つのエクスネスのサイト (https://www.exness.eu/)にアクセスしようとすると日本の居住者は口座開設できないという警告が出るのでここでは独立した検証対象とはしませんがサイトにアクセスすることは可能です。さらに表示言語は以下のキャプに見えるように18ヵ国語となっていてその中には日本語もあります。

日本語での表示を選択しても日本語化されるのは一部だけですがメニューバーなどは日本語表示になります。

左上のロゴは本項で検証対象にしているエクスネスのサイト ( https://www.exness.com/ja/) のロゴと一致していますが、それ以外の部分については似ているように思える部分がありません。

さらにもう1つ、何がどう違うのかもよく分からないのですが上の2番目のエクスネスのサイト (https://www.exness.eu/)と非常によく似ているけれどURLアドレスが異なる3番目のエクスネスのサイト (https://www.exness.uk/intl/ja/) が検索していて見つかってきました。これも以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

こちらは「UK」というドメイン名を使っていることからも推測できるようにExness (UK)、つまりエクスネスのイギリス法人のサイトということのようです。こちらのサイトもやはり18の表示言語を選択出来るようになっており、上のキャプに見えるように部分的に日本語表示にすることが可能です。但しこちらのサイトもアクセスするとまず日本在住者は取引できないというメッセージが出るので深く検証はしません。

それでもこれら欧州向け、イギリス向けと思われる2つのサイトについてアクセス状況は確認しておきます。まず欧州向けと思われた「exness.eu」へのアクセス状況を以下のキャプに示します。独立訪問者数は1日平均で907人となっています。

本項で検証している方のエクスネスのサイト (https://www.exness.com/) へのアクセスの方が独立訪問者の1日平均が95万人余りでしたから1000倍以上多いことになります。さらに以下が国別のアクセス解析の結果です。

訪問者数が多い国の上位はドイツ、イギリス、スペイン、アメリカ、イラン、ロシア、ポーランドと続いており、やはり予想されたように欧米圏からのアクセスが多いようです。

URLアドレスは異なりますし、サイトの見かけも似ているようには全く思えませんが同じIPアドレス上にサイトがあることなど考えればこの欧州向けと思われるエクスネスのサイトは表題のエクスネスのサイトと同じグループによって運営されていると考えてまず間違いないでしょう。

次にイギリスのエクスネスのサイト (https://www.exness.uk/intl/ja/) へのアクセス解析の結果です。

1日当たりの独立訪問者数は平均1972人となっており、2番目のエクスネスのサイト (https://www.exness.eu/)への独立訪問者数 (907人) よりは倍ほど多いですが本項の検証対象のエクスネスのサイト (https://www.exness.com/) への独立訪問者数 (95万人余) と比べれば圧倒的に少ないことに変わりありません。国別のアクセス上位は下のキャプに示した通り、イギリス法人のはずなのにアメリカ、ロシア、カザフスタンとなっています。

さらにエクスネスの関連サイト思われるのが検索していて見つかってきた表題2番目のエクスネスソーシャルトレーディングというサイトです。このサイトについては日本居住者は口座開設出来ないというメッセージは出てきませんし、以下のキャプに示すようにしっかり日本語対応しているので日本人も口座開設出来るのではないかと思われます。

表示対応言語は右上にプルダウンメニューのキャプを示しましたが英語、ロシア語、中国語、インドネシア語、タイ語、ヒンディー語、アラビア語、ベトナム語、韓国語、ベンガル語、ウルドゥー語、日本語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語の15ヵ国語となっています。そしてこのサイトは「エクスネスソーシャルトレーディング」という名称からも分かるようにソーシャルトレーディングのサイトのようです。つまりサイト側が用意したトレーダーの取引をコピーするような運用をすることで利益を出そうとするサイトのようです。

どうしてこれだけ多くの関連サイトが存在するのかよく分かりませんが、とにかくこれらの絵くそネス関連サイトについて連絡先情報や金融ライセンスについて調べてみることにしました。

まず表題のエクスネス (https://www.exness.com/ja/) のサイトでは脚注部分に以下の記述があります。

>Nymstar Limited社はセイシェル共和国で「8423606-1」の登録番号で登録され、「SD025」のライセンス番号で金融庁(FSA)の承認を受けた証券会社です。登記上の事業所住所は「F20, 1st floor, Eden Plaza, Eden Island, Seychelles」です。Nymstar Limited社は、Exnessブランドおよび商標を使用することを正式に認可されています。

>Vlerizo (Pty) Ltdは南アフリカ金融業界行為監督機構(FSCA)により、金融サービスプロバイダー(FSP)として登録番号「2020/234138/07」およびFSP番号「51024」にて認可されています。

>上記企業は、Exnessブランドおよび商標の元による運営を認可されています。


セーシェルでNymstar Limitedという運営会社名で金融ライセンスを得ているとあり、セーシェルの住所が記されていますが電話番号や経営者情報は見当たりません。しかも住所は「登記上の住所」と書いてあって、実際に事業実態がある場所の住所ではないと解釈できるように思われます。他にVlerizo (Pty) Ltdという別の運営会社名で南アフリカの金融ライセンスを得ているとありますが、こちらは住所も電話番号もありません。

そこでまずセーシェルの金融ライセンスを管理しているSeychelles Financial Services Authority (FSA、セーシェル金融サービス局)のサイト (https://fsaseychelles.sc/) でNymstar Limitedの登録を探しました。すると確かにCapital Markets > Securities Dealerという区分の中に以下のキャプに示したNymstarの登録を確認しました。こちらには(+248) 4346767という電話番号も示されています。

しかしセーシェルは租税回避地として有名な国ですし、エクスネスのサイトの記述も「登記上の住所」となっていましたからこの住所はオフショア会社を利用した名目だけの住所である可能性が高いものと考えられました。そこで同じセーシェルのFSAのサイトで登録されているオフショア会社のリストを確認していくと以下のキャプに示したSterling Trust and Fiduciary LimitedAxis Fiduciary (Seychelles) Limitedという2つのオフショア会社の住所が部屋番号までエクスネスの住所 (F20, 1st floor, Eden Plaza, Eden Island, Seychelles)と一致していることが分かりました。

この2つのオフショア会社は住所が部屋番号まで同じですし、FAX番号 (+248 4346941) も同じですから実質的には同一のオフショア会社でしょう。またこの住所は「海外FX業者検証9」で検証したXM.com (XMドットコム https://www.xmtrading.com/jp/)というFX業者でも所在地とされていた住所です。Nymstar Limitedというエクスネスの運営会社の事業がこの住所で行われているとは到底思えません。

もう1つの金融ライセンスはセーシェルでライセンス登録しているNymstar Limitedとはまた別の運営会社・Vlerizo (Pty) Ltdが南アフリカのFinancial Sector Conduct Authority (FSCA, 金融セクター行動監視機構)から得ているとあります。そこでFSCAのサイト (https://www.fsca.co.za/Pages/Default.aspx) で登録を探しました。南アフリカの金融ライセンスというのはかなり珍しくて使い慣れないサイトに苦戦しましたが検索のページにFSP No. 51024を入力すると以下のキャプに示した登録があることを確認出来ました。

エクスネスのサイトには記載がありませんでしたがこの登録情報には南アフリカの拠点の住所が記されています。住所はヨハネスブルクになっています。

>CENTRAL OFFICE PARK UNIT NO.4, 257 JEAN AVENUE, CENTURION GAUTENG, JOHANNESBURG, 0157

しかし運営会社名がまた別であることに加えて上のキャプに示したライセンス情報によればライセンス登録の日付が2020年11月12日とかなり新しいことがかなり気になります。実際にエクスネスのサイトを確認したのは2020年5月末なのですがその際には脚注に記されていたのはセーシェルの住所とライセンスに関する記述だけでこの南アフリカのライセンスに関する記述はありませんでした。また検索して見つかってきたのですがMoneywebという南アフリカの金融関係のニュースサイトで「Exness prepares for major African expansion after receiving FSP licence (エクスネスがFSPでライセンスを取得してアフリカでの大きな事業拡大へ)」という英文記事を見つけました。従って南アフリカがエクスネスの元々の本拠であったとは考えにくいです。セーシェルも南アフリカもエクスネスの本拠ではなさそうということになると一体本当の主要拠点は何処にあるのかということになってしまいます。

エクスネスの事実上の本拠が何処にあるのかを検討する為に上で取り上げた関連サイトについても所在地情報やライセンス情報をまとめることにしました。まず表題2番目のエクスネスソーシャルトレーディングのサイトで連絡先やライセンスに関する情報を探しましたがやはり脚注に以下のキャプに示した記述があるだけです。

運営会社名のNymstar Limited、セーシェルでの登録、セーシェルの住所など上で取り上げたエクスネス (https://www.exness.com/ja/) のサイトの脚注にあった記述と全く同じです。但しこちらには南アフリカのライセンスに関する記述はありません。

次はドメイン名が「eu」になっている欧州圏用と思われるエクスネスのサイト (https://www.exness.eu/)のサイトの脚注にあるライセンス関係の記述です。

>ウェブサイトwww.exness.euは、Exness(Cy)により運営されています(登録番号HE 293057)。

>Exness (Cy)は、CySEC(キプロス証券取引委員会)より免許番号178/12にて認証および監督されております。

キプロスのExnessによって運営されていてキプロス証券取引委員会からライセンスを付与されているとありますが、連絡先に関する記述は一切見つかりません。そこでキプロス証券取引委員会 (Cyprus Securities and Exchange Commission, CySEC)のサイト (https://www.cysec.gov.cy/en-GB/home/) でエクスネスの登録を探しました。以下が見つかってきたエクスネスの登録情報です。

>Exness (Cy) Ltd

>1, Siafi Street, Porto Bello, Office 401, CY-3042 Limassol

>Licence Number: 178/12

>Licence Date: 05/09/2012

>Company Registration Number: 293057

>Telephone: +357 25 245 730; +357 25 030 959

>Fax: +357 25 388 992

>E-Mail: csd@exness.com

>Approved Domains: www.exness.eu

ライセンス登録がされたのは2012年になっています。そしてキプロスの金融ライセンスですから当然でしょうがキプロスの住所、具体的にはキプロスのLimassol (リマソール) の住所やキプロスの国番号[+357]から始まる電話番号が記されています。そして一番最後の行に「Approved Domains」というこの金融ライセンスで運営可能なサイトのドメイン名が記されていますが、ここに記されているのは「www.exness.eu」という欧州圏向けと思われるサイトのサイトのものだけになっています。

最後はイギリス向けと思われるサイト (https://www.exness.uk/intl/ja/) の場合です。やはり脚注に以下のキャプに示したライセンス関係の記述があってイギリスのFCAから金融ライセンスを受けているとありますが、 住所とか電話番号といった連絡先情報は見当たりません。

そこでエクスネスについてイギリスの法人登録と金融機関登録を探してきました。まず以下がエクスネスの法人登録情報です。

この法人登録上の住所は以下のようになっています。

>107 Cheapside, London, United Kingdom, EC2V 6DN

この住所を調べてみるとBE Officesというシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点の住所と一致するようです (右のキャプ参照)。この住所にエクスネスのイギリス法人が実在するか疑問です。

このイギリスの法人登録がされたのは2014年1月27日となっており、キプロスの金融機関登録がされた2012年よりは後のことになります。そしてこの法人登録にある経営者情報で現役の経営者として登録されているのは以下のキャプに示した2名となっています。

両方とも役職はDirectorとなっていますが、1人目のMORRIS, David Richardという人物は2016年3月と会社創設から2年経過してから就任しており、イギリス国籍のイギリス在住になっています。もう1人のVALOV, Pettという人物は法人登録時からDirectorの職にあり、キプロス国籍、キプロス在住となっています。

次にイギリスでの金融機関登録を確認しました。イギリスの金融ライセンスを管理するFinancial Conduct Authority (FCA) のサイトでエクスネスの登録を探すと確かに以下に示した登録情報が出てきました。

何しろ住所は法人登録にあったのと同じシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の住所と同じ住所ですし、イギリスの金融機関登録の審査はこれまで多数の登録業者を検証してきて厳しいものとは到底思えませんが登録があることは確かめられました。但し、上のキャプの一番下に見えるようにこの金融機関登録で認められているサイトはイギリスのエクスネスのサイト (https://www.exness.uk/intl/ja/) だけです。

キプロスの金融機関登録の方が2012年でイギリス法人の法人登録 (2014年) より早いこと、イギリスの住所がシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の住所と一致すること、イギリス法人の2名の経営者内、特に先に就任している人物がキプロス国籍、キプロス在住となっていることなど考えるとエクスネスの実際の本拠はキプロスであってイギリス法人の方が後に事業拡張などの為に設立されたと考えられます。イギリス法人の方はイギリスの住所にどれほどの事業実体があるかどうかさえ疑問かもしれません。

そしてこのイギリス法人以上に信頼性に疑問があるのが表題のエクスネスやエクスネスソーシャルトレーディングです。一応はキプロスの金融ライセンスを受けているエクスネスあるいはその子会社が運営しているならともかく、運営しているのはエクスネスの名称を使うことを許可されたというNymstar Limitedという法人になっています。この法人については明らかに名目だけのセーシェルの住所以外全く情報がありません。「Nymstar Limited」を検索してもエクスネス関連の情報しか出てきません。キプロスのエクスネスとの関係性が全く分かりませんし、実質的な本拠が何処にあるのか誰が経営しているのかなど全く情報がありません。情報開示は極めて不適切です。勿論、日本の金融庁で金融商品取引業者の登録も受けていません。現時点で被害報告が確認されているわけではありませんが、安心して取引出来る業者とは思えません。


※付記

2023年4月21日付で関東財務局からエクスネスが無登録の違法業者であるとして警告が出ました。


●Focus Markets (フォーカスマーケッツ https://www.focusmarkets.com/jp/)

敢えてリンクはしませんがアフィリエイト報酬目的のFX業者を紹介するサイトで見つけてきたサイトです。結論から言えばこれは以前に旧サイトの「海外FX業者検証1」で検証したAnzo Capital (アンゾーキャピタル https://anzocapital.com/jp/) というFX業者と同じグループに属するサイトのようです。アンゾーキャピタルに対して関東財務局から無登録の違法業者であるという警告が出たこととおそらく関係しているのだと思われますが、アンゾーキャピタルのサイトから日本語ページが消滅した代わりに別名義のフォーカスマーケッツのサイトが日本語対応になったのではないかと思われます。まずサイト冒頭のキャプを以下に示します。

表示言語は日本語と英語に対応しているように見えます。上のキャプの右上のプルダウンメニューに英語を意味すると思われる[EN]という選択肢が見えます。しかしこの[EN]という項目を実際に選択しても表示言語が日本語から英語に切り替わることはなく、日本語表示のままになります。またURLアドレスが

https://www.focusmarkets.com/jp/

となっていることから英語サイトが存在するとすればそのURLアドレスはおそらく以下の2つのいずれかであろうと考えてアクセスを試みました。

https://www.focusmarkets.com/

https://www.focusmarkets.com/en/

しかしこれらのURLアドレスにアクセスしてもどうやら日本国内からのアクセスを検知して日本語サイトに自動的にリダイレクトされるようです。当初は英語サイトは実在しないのではないか、日本の詐欺グループが海外業者を名乗って立ち上げた詐欺サイトではないかとも思ったのですがこれらのURLアドレス自体をGoogle検索に掛けると2つの候補のURLアドレスの内、前者のURLアドレス (https://www.focusmarkets.com/) で英語サイトが存在していることは確認できました。以下はGoogleのキャッシュで見ることが出来る英語サイトの冒頭部のキャプです。

上のキャプ、右上のプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢は英語 (EN) と日本語 (JP) になっています。

日本語サイトに戻ってこの冒頭部に続く部分には「なぜFocus Marketsで取引するべきか?」と題してサイトの特長を説明する部分が出てきます。全部で9つの項目がスライドショー形式で出てきますが以下にキャプを示します。

最大1000倍のレバレッジなどを強調しているようですが、1000倍のレバレッジが可能なのは口座残高が100万円までという規定になっているようです (左下の拡大図を参照)。しかし100万円を超えたら上限レバレッジが何倍になるのか情報が見当たりません。右下のキャプに示した英語版の相当部分では最大1000倍となっているだけでさらに情報が少ないです。

この部分に続いては「日本上陸キャンペーン」と称して初回入金額の50%、最大20万円のウエルカム・ボーナスを出すという告知が出てきます。「日本上陸キャンペーン」をやっているということは単にサイトが日本語対応しているというだけでなく、日本人を顧客として明らかに受け入れているということでしょう。一方で日本の金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者のリストにフォーカスマーケッツは確認出来ませんから明確に無登録の違法業者ということになります。そしてここには「今だけの特典をお見逃しなく!」と書いてあります。

しかし英語サイトを見るとこのウエルカムボーナスが「今だけ」のものなのかどうか疑問です。英語版でも以下のキャプに示しましたが初回入金額の50%相当額を受け取れるウエルカムボーナスの告知があって上限は2000ドルとなっています。

日本語版だけ見ると今だけの特典のように見えますが、英語版を見る限り今だけの特典ではなさそうです。

さらにこの部分に続いては取引対象に関する説明が出てきます。

取引対象はFX (外国為替)、仮想通貨、株価指数CFD、株式CFD、コモディティとなっていてかなり広範です。仮想通貨も取引できるとなれば日本では暗号資産交換業者の登録も必要になるはずですが、こちらも金融庁のサイトで公開されている登録業者リストに該当はありません。

次に連絡先情報を探しましたが積極的に開示しようという姿勢は感じられません。むしろ出来るだけ隠しておきたいという意思を感じます。まず「お問い合わせ」のページにある情報を以下ののキャプに示します。

>お問い合わせ

>Focus Marketsはグローバル企業であり、世界中の地域および地方のオフィス、パートナー、関連会社があり、可能な限り最高レベルのカスタマーサービスを提供できるようにしています。​現在、カスタマーサポートチームはオーストラリアのメルボルンにあります。

>Australia +61 3 8376 1322

>カスタマーサポート jp.support@focusmarkets.com​

>パートナー partners@focusmarkets.com​

>ライブチャット(日本語対応)平日8:00~17:00(日本時間)

「世界中の地域および地方のオフィス、パートナー、関連会社があり」と書いてありますが、具体的な所在地情報は全く記されていません。カスタマーサポートチームはオーストラリアのメルボルンにあるとなっていますが、やはり住所は記されていません。オーストラリアの国番号である[+61]から始まる電話番号が1つとメールアドレスが2つあるだけです。そもそもカスタマーサポートは本社とは別という風にも読めますが、本社はどこにあるのでしょうか?

英語サイトの「Contact Us」のページも確認しましたが以下のキャプに示したようにメールアドレスが1つと電話番号が1つあるだけです。

>Get in touch.

>We are a global company and have regional and local offices, partners and affiliates around the world to ensure we can provide the highest possible level of customer service to you. Our Client Services team currently located in Melbourne, Australia.

>Australia

>support@focusmarkets.com​

>03 8376 1322

電話番号は日本語サイトに記されていた番号と同じ番号のようです。世界中に拠点があるとしながらも住所は開示されていません。

さらに脚注部分にはFacebookなどSNSの公式アカウントへのリンクが用意されています。

Facebook: https://www.facebook.com/focusmarketsau/

Twitter: https://twitter.com/focusmarkets_jp

Linked-In: https://www.linkedin.com/company/focus-markets/

Instagram: https://www.instagram.com/focusmarkets/?hl=en

SNSのアカウントに連絡先情報が記されていることもあるので確認を試みました。Linked-Inのアカウントはログインを要求されるので確認出来ませんが、それ以外の3つのアカウントについては連絡先情報は見当たりません。そしてこれら4つのアカウントの中でTwitterについては以下のキャプに示したように日本語専用のアカウントになっています。この日本語アカウントの開設日は2022年2月になっています。

フォーカスマーケッツの英語版にも同様のSNS公式アカウントへのリンクがありますが、Facebook、Linked-InInstagramの3つについては日本語サイトのリンク先と同じ、Twitterのアカウントのみ別個の英語サイト (https://twitter.com/FocusMarketsA) になっています。

この英語アカウントの開設日は2020年7月になっています。英語サイトの方が1年半ほど早く開設されていることになります。フォーカスマーケッツのサイトが日本語対応して日本人顧客を積極的に受け入れ始めたのは最近になってからのことなのかもしれません。ともかくTwitterアカウントに英語版と日本語版が存在するということは日本人の受け入れに非常に積極的であることを意味していると思われます。

それ以外に連絡先に関連する情報として金融ライセンスに関する記載があります。まず脚注部分に以下のキャプに示した記述があります。

>オーストラリア居住者: Focus Marketsは、オーストラリア証券投資委員会(514425)によって規制されているFocus Markets Pty Ltd (ABN 96 167 517 544)のブランドです。

>日本居住者: Focus Markets LLCは、セントビンセントおよびグレナディーン諸島で登録されています。登録番号356 LLC 2020。

Focus Marketsはグローバル企業で世界中の地域および地方のオフィス、パートナー、関連会社があると書いてあったのにオーストラリア居住者と日本居住者に関する記述しかないようです。そしてまずオーストラリア居住者に向けてはオーストラリアの法人登録番号 (ABN 96 167 517 544) および金融ライセンスの登録番号 (514425) らしきものが書いてあります。そして日本居住者についてはセントビンセント・グレナディーンの登録で対応しているということかと思われます。

さらに「規制」というページに以下のような記述があります。ここでも日本語版と英語版の両方を順に示します。

日本語版ではオーストラリア国旗、セントビンセント・グレナディーンの国旗の下にそれぞれ金融ライセンス番号らしきものと住所が1つずつ書いてありますが、英語版の方はライセンス番号のみです。どうして英語版に住所が記されていないのか理解に苦しみます。そもそも「お問い合わせ」のページではなく、ライセンス情報の項目にしか住所が記されていないということに違和感を感じます。これらの住所もライセンス上の、名目上の住所であって実質的な本拠は別なのではないかという疑いを感じます。ともかく日本語版に記されている情報を以下に書き出します。

▼オーストラリア

>ASIC

>Focus Markets Pty Ltd

>Australian Securities & Investment Commission

>Licence: 514425

>35th Floor, 525 Collins St, Melbourne VIC 3000

▼セントビンセント・グレナディーン

>FSA

>Focus Markets LLC

>St Vincent’s and the Grenadines Financial Services Authority

>Licence: 356 LLC 2020

>1st Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, VC0100

それぞれ法人名、ライセンスを得ている監督機関名、ライセンス番号と住所が記されているようです。事実上の事業本拠なのかどうかについては疑問もありますがここでようやくオーストラリア・メルボルンの住所、セントビンセント・グレナディーンの住所が出てきました。まずオーストラリア・メルボルンの住所を検索してみるとこの住所にはRialto Towers (リアルト・タワーズ) という地上55階、地下3階の高層オフィスビルがあることが分かりました。フォーカスマーケッツはこの高層ビルの35階に入居していることになります。検索してみると同じ高層ビルの同じ35階には三菱商事の子会社と思われるMitsubishi Australia Ltd. の本社が入居しているようです。これだけならば同じフロアに複数の企業が入居していても不思議ではありませんが、WikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) というFX業者の評価サイトに「への訪問 FOCUS MARKETSオーストラリアで-オフィスが見つからない」という記事が出ていることに気が付きました。日本語訳がおかしいのですが要するにメルボルンの住所を訪問してみたけれど当該住所にフォーカスマーケッツのオフィスを見つけることが出来なかった、当該の住所には別の企業が入居しているという報告になっています。そしてこの記事の日付は2022年5月13日になっています。このWikiFXというサイトについては個人的にそれほど信頼していないのですが、これが事実ならばフォーカスマーケッツの信頼性は非常に疑わしいということにならざるを得ません。

次にセントビンセント・グレナディーンの住所ですが、この住所は本サイトの検証でしばしば登場している住所であり、具体的には以下のサイトでこの住所が所在地となっています。

「検証5」 HASTフォレックス

「検証10」 ユートピア

「検証25」 PUプライム (https://jp.puprime.net/)

「検証27」 acx

「検証48」 AMマーケッツ

「検証59」 モガインターナショナル / モガFX

「検証75」 Glopts、シティFXマーケッツ、Iqマイニングオプション

以下で検証しているアキシムトレードでもこの住所が所在地とされています。

そしてこの住所は少なくとも2つのオフショア会社の住所と一致します。具体的には左下に示したSt. Vincent Trust & Escrow Ltd (https://truststvincent.com/) の連絡先情報、右下に示したのがEuro-Caribbean Trustees ltd. (ECTL https://mail.ectl-svg.com/) の連絡先情報で住所はフォーカスマーケッツのサイトに記されていたセントビンセント・グレナディーンの住所に一致します。この住所にフォーカスマーケッツの運営が実在するとは全く思われません。尚、これら2つのオフショア会社の内、ECTLについては以下の検証で再登場することになります。

次にオーストラリアの金融ライセンスについて確認を試みました。まずオーストラリアの法人登録を検索できるABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトで探すと以下のキャプに示したフォーカスマーケッツの法人登録が見つかりました。法人登録番号、ABN 96 167 517 544 はフォーカスマーケットのサイトの脚注に記されていた法人登録番号と一致していますからこれがここで検証しているフォーカスマーケッツのサイトに対応する法人登録で間違いないでしょう。

まず上に示したのは「Current details」という現況を示しているページです。記載内容を以下にまとめます。

法人名: FOCUS MARKETS PTY LTD

法人登録日付: 2014年3月3日

主要な所在地: VIC 3000

商号: Place a trade group (2021年4月30日~)

Anzo Capital Group (2019年3月13日~)

法人登録は2014年3月でこの検証を書いている2022年6月で既に8年以上です。そして主要所在地が「VIC 3000」となっていますが、「VIC」はビクトリア州、「3000」というのは郵便番号を意味すると思われ、「3000」はメルボルン市内の郵便番号のようです。残念ながらオーストラリアの法人登録ではこれ以上の詳しい住所は開示されていません。

そしてこの法人登録で最も気になるのは「Business Name (商号)」という項目です。「Place a trade group」および「Anzo Capital Group」という商号が登録されている、つまりこれらの商号に対応するサイトを運営することが認められているということになります。さらにこの法人登録の「Historical details」というページを以下に示します。法人登録の過去履歴です。

この過去履歴を見ると2014年3月に法人登録がされた時には法人名がフォーカスマーケッツ (FOCUS MARKETS PTY LTD) ではなく、RGM FX PTY. LTD. だったことが分かります。さらに変更になっているのは法人名だけではありません。「Main Business Location (主要な所在地)」は2014年3月の法人登録以降、同じビクトリア州内ですが4回転居しており、現在5つ目の住所です。しかも上で説明したように現在の住所にもフォーカスマーケッツが実在しないのではないかという疑惑があります。

また最も気になるのはBusiness name (商号) の項目です。現在でもつかわれている「Place a trade group」および「Anzo Capital Group」の2つの商号に加えて過去には「Finesse Markets Group」「RGM FOREX」という2つの称号が使われていたことが分かります。法人登録当初の法人名と一致する「RGM FOREX」という商号については2014年10月4日から2018年2月15日、「Finesse Markets Group」については2019年5月20日から2020年12月17日まで1年半ほど使われていたことになっています。そして「RGM FOREX」については何も情報が見つかりませんが、「Finesse Markets Group」については検索してみると以下に示すFacebookのアカウント (https://www.facebook.com/Finessegroup20/) が見つかります。サイトは既に閉鎖されたのか確認出来ません。

そして問題は現在でも登録が有効な2つの商号、「Anzo Capital Group」と「Place a trade group」です。この法人登録の記載を見て気が付いたのですが、「Anzo Capital Group」は本項の冒頭で触れたように旧サイトの「海外FX業者検証1」で検証したAnzo Capital (アンゾーキャピタル https://anzocapital.com/jp/) のことだと思われます。アンゾーキャピタルの検証でもフォーカスマーケッツの法人登録 (法人番号ABN 96 167 517 544) について取り上げています。そこでアンゾーキャピタルのサイト (https://anzocapital.com/jp/) を再訪してみるとサイトは存続しているもののかつては日本語対応していたサイトが日本語対応を中止したらしく、英語のみのサイトになっていました。サイトのデザインなどもかなり変更されたようです。日本語対応が中止されたのは2020年3月9日付で違法な無登録業者であるとして関東財務局から出た警告などが関係しているのかもしれません。

さらにもう1つの現在でも有効な商号である「Place a trade group」ついても検索してみると対応すると思われるサイト (https://www.placeatrade.com/) が見つかってきました。このサイトについては以下に検証を書いているので参照してください。

そして法人登録情報の一番下にリンクが用意されているAustralian Securities & Investments Commission (ASCI, オーストラリア証券投資委員会) の金融ライセンス情報を以下に示します。

次にセントビンセント・グレナディーンのSt Vincent’s and the Grenadines Financial Services Authority (FSA, セントビンセント・グレナディーン金融サービス局) のサイト (https://svgfsa.com/) から「Focus Markets LLC」がライセンス番号、 356 LLC 2020で登録を得ているという記述について確認を試みました。FSAのサイトにある「ENTITY NAME SEARCH (会社検索)」というページで「Focus Markets」を検索すると以下のキャプに示しましたが確かに「Focus Markets LLC」という企業が登録番号「356」で登録されているという検索結果が出てきました。

しかしこのFSAのサイトで見ることが出来る情報としては登録の日付が2020年5月5日であること、会社形態がLLC-Limited Liability Company (有限責任会社) というものであること、EURO-CARIBBEAN TRUSTEES LTD (https://mail.ectl-svg.com/) というエージェントが関与して登録が行われているということが分かるだけです。しかし、登録が存在することが分かってもこの登録にはあまり意味があるようには思われません。

まずここに登録のエージェントとして登場してきたEURO-CARIBBEAN TRUSTEES LTD (https://mail.ectl-svg.com/) はサイトを見るとペーパーカンパニーの設立などを業務とする典型的なオフショア会社です。そしてこのオフショア会社は上でフォーカスマーケッツのセントビンセント・グレナディーンの住所

>1st Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, VC0100

について検証した際に登場した同じ住所を所在地としている2つのオフショア会社の一方です。またLLC-Limited Liability Company (有限責任会社) という会社形態に関するFSAのサイトの説明を読むと典型的なペーパーカンパニーの形態ではないかと思われます。そして本サイトの一連の検証ではしばしば取り上げていますが、St Vincent’s and the Grenadines Financial Services Authority (FSA, セントビンセント・グレナディーン金融サービス局) はFX業者やバイナリーオプション業者に金融ライセンスを付与しないという声明を出しています。以下はその声明文原文とGoogle翻訳で日本語訳した結果のキャプです。

日本語訳から一部抜粋します。

>セントビンセントおよびグレナディーン諸島では、外国為替取引の仲介活動は認可されていないことに注意してください。登録されたセントビンセントおよびグレナディーン諸島事業会社(BC)または有限責任会社(LLC)は、あらゆる法的活動に従事することができますが、外国為替取引および仲介に従事する場合、この管轄区域からのライセンスなしでそれを行います。

分かりにくいですが、セントビンセント・グレナディーン金融サービス局 (FSA) は「外国為替取引の仲介活動」に認可を与えることはしていないと明確に示されています。そして「Focus Markets LLC」のような有限責任会社 (LLC) が外国為替取引に関与する場合、FSAがライセンスを与えていることはないとも明言されています。つまりフォーカスマーケッツが有効な金融ライセンスをセントビンセント・グレナディーンで得ていることはないはずということになります。

総合的に判断してフォーカスマーケッツは信頼できる業者とは思えません。世界中に複数の拠点があると主張しながらそれらの拠点の住所、電話番号といった連絡先情報は開示されておらず、唯一開示されているオーストラリア・メルボルンの住所にも疑問があります。また法人登録を見ると法人名の変更、頻繁な住所変更の形跡、複数の商号を使って複数のサイトを立ち上げ、その内の幾つかはすでに廃止済みなど明らかに怪しげな形跡が見つかります。さらに少なくともセントビンセント・グレナディーンで金融ライセンスを得ているという主張には疑問があります。この業者での投資は推奨しません。


※付記1

本文中でも書きましたがオーストラリアの法人登録で別商号で登録されていて同一のグループによって運営されていると思われる「Place a Trade (プレース・ア・トレード)」というサイトについて以下に検証を書きました。併読してください。


※付記2

令和4年 (2022年) 11月30日に関東財務局からフォーカスマーケッツに対して無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。


Place a Trade (プレース・ア・トレード https://www.placeatrade.com/)

これは上のフォーカスマーケッツの検証の過程で見つかってきたサイトです。フォーカスマーケッツのオーストラリアの法人登録で登録されていた商号であり、フォーカスマーケッツと同じグループによって運営されているサイトと考えられます。詳しくはフォーカスマーケッツの検証を参照してください。現状では日本からの顧客を受け入れておらず、日本の金融商品取引業者の登録を得ていなくても違法ではないのかもしれませんが、近い将来には日本からの顧客を受け入れる可能性が高く、またフォーカスマーケッツと同じ運営グループによるサイトということでフォーカスマーケッツの信頼性評価にも役立つと思われるので検証対象とします。(その後、完全に日本語対応になったことを確認しました。付記を参照してください。)

まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。

上のキャプ画像の右上に見えるプルダウンメニューに表示言語の選択肢が並んでいますが英語、スペイン語、ポルトガル語に並んで日本語を意味するとしか思われない「JP」という選択肢があります。しかしこの「JP」という選択肢を選択すると左下にキャプを示しましたが「Comimg Soon」つまり近日公開みたいな意味の告知が出てきて日本語サイトが表示されることはありません。近々日本語表示に対応するという意味でしょう。また上のキャプの「Create Account (口座開設)」というボタンをクリックすると右下に示した「貴方がお住いの国からの口座開設は受け付けていない」という告知が出てきます。但しこの告知を消して口座開設画面に進むことは可能です。

要するに2022年6月現在では日本語表示に対応していないし、一応は口座開設に応じないということになっているけど近い将来には日本語表示に対応する予定があってその際には日本からの口座開設も可能になる可能性が高いと考えられます。上で検証した同じ運営グループによると思われるフォーカスマーケッツのサイトも途中から日本語に対応して日本からの顧客も受け入れるようになったと思われるので似たような経緯をたどることになるのではないかと思われます。

冒頭部に続いてはサイトの特長を説明する部分が出てきます。

フォーカスマーケッツのサイトにもサイトの特長を説明する部分がありますが、この部分については特にフォーカスマーケッツのサイトと似ているようには思われません。しかしこの次に出てくる取引対象を説明する部分はフォーカスマーケッツのサイトに似ているようです。以下にプレース・ア・トレード、フォーカスマーケッツのサイトからのキャプ画像を順に示します。比較の為にフォーカスマーケッツも英語版のキャプを示します。

文章やアイコンが全く一致するというわけではないのですが、取引対象がFX (外国為替)、コモディティ (貴金属や原油など)、株式、株式指数、仮想通貨の5項目で共通しており、右側にチャートが示されている構成も似ているように思えます。さらにトレディングツールに関する説明の部分についても似ている部分が見つかります。やはり以下にプレース・ア・トレード、フォーカスマーケッツのサイトからのキャプ画像を順に示します。比較の為にフォーカスマーケッツも英語版のキャプを示します。

2つのサイトのこの部分で明らかに似ているのは最後のメタトレーダー4、メタトレーダー5の説明の部分です。以下に書き出してみます。

>MetaTrader 4

>Trade FX, Commodities, Indices, Shares. Use both on mobile and desktop. Make the most of over 30 pre-installed indicators. Utilize instruments in 9 time-frames. Enjoy an award-winning trading platform.

>MetaTrader 5

>Trade FX, Commodities, Indices, Shares, and many more. Use both on mobile and desktop. Make the most of over 80 pre-installed indicators. Utilize instruments in 21 time-frames.

この文章はプレース・ア・トレード、フォーカスマーケッツの2つのサイトで完全に同じです。また3番目の選択肢も項目名は「SmartTrader」と「WebTrader」で異なりますが、その下の文章は全く同じです。何か別のサイトに書いてあった文章をそのまま転用したのかもしれませんが偶然とは思えません。

次に連絡先情報を探しましたが開示されている情報はやはり少ないです。「Contact Us」のページに記されている連絡先情報は以下のキャプに示しただけです。

電話番号: +61383758802

メールアドレス: support@placeatrade.com

オーストラリアの国番号である[+61]から始まる電話番号とメールアドレス、それにオンラインチャットへのリンクがあるだけです。これでは話になりません。フォーカスマーケッツのサイトの場合には「規制」というページがあってそこにオーストラリアおよびセントビンセント・グレナディーンのライセンスを得ているという記述があったのですが、プレース・ア・トレードの場合には脚注部分に明らかに小さな活字でセントビンセント・グレナディーンについてのみ記述があるのを見つけました。小さな活字は出来るだけ読んで欲しくないという意図を感じます。以下には拡大してキャプを示します。

>Focus Markets LLC, trading as Place a Trade, is incorporated in Saint Vincent and the Grenadines with number 356 LLC 2020 and registered address at 1st Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, VC0100, St. Vincent and the Grenadines.

プレース・ア・トレードを運営しているFocus Markets LLCはセントビンセント・グレナディーンで設立され、登録番号が「356 LLC 2020」、住所が「1st Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, VC0100, St. Vincent and the Grenadines」であるといったことが書いてあります。「Focus Markets LLC」という法人名、登録番号、そして住所は上のフォーカスマーケッツの検証に出てきた法人名、登録番号、住所と完全に一致します。そしてこの「Focus Markets LLC」という法人はフォーカスマーケッツの検証に書いたようにEURO-CARIBBEAN TRUSTEES LTD (https://mail.ectl-svg.com/) というオフショア会社を利用して設立されたペーパーカンパニーと思われます。住所はこのオフショア会社の住所ですし、金融ライセンスは取得していません。

一方でフォーカスマーケッツのサイトには記述があったオーストラリアでの法人登録、金融ライセンスについてはなぜか分かりませんが、プレース・ア・トレードのサイトに記述がありません。どうしてセントビンセント・グレナディーンのライセンスより信頼性が高いと思われるオーストラリアのライセンスについて触れていないのかは全くの謎ですが、オーストラリアのフォーカスマーケッツの法人登録情報 (法人番号ABN 96 167 517 544) リンクがあるAustralian Securities & Investments Commission (ASCI, オーストラリア証券投資委員会) から「Place a trade group」に出されている金融ライセンス情報のキャプを以下に示します。

記載内容の一部を抜粋して以下にまとめます。

商号: Place a trade group

登録日: 2021年4月30日

住所: Level 6 360 Collins St Melbourne VIC 3000

法人番号: ABN: 96 167 517 544

住所はフォーカスマーケッツの検証でも出てきたオーストラリア・メルボルンの住所です。フォーカスマーケッツの検証で書いたようにこの住所には疑問があります。

本項の最初に書いたようにプレース・ア・トレードについては現時点では日本語表示に対応していませんし、日本人に向けての勧誘が確認されているわけでもありません。しかし近々日本語表示に対応しそうな気配が見られますし、かつては日本語に対応していたAnzo Capital (アンゾーキャピタル https://anzocapital.com/jp/) や最近日本語に対応したと思われるFocus Markets (フォーカスマーケッツ https://www.focusmarkets.com/jp/) と同じグループによるサイトであることは確実なのでこれから日本人を標的にした勧誘が行われることになる可能性は高いです。そしてこのサイトの情報開示などは明らかに不充分、不適切であり、到底信用出来る業者とは思われません。

この業者での投資は避けるべきと判断します。


※付記

2023年7月にサイトを再訪したところ、予期されていたように日本語表示に完全に対応したことが確認されました。以下にサイト冒頭部のキャプ画像を示します。

上のキャプに見える「ライブ口座を開設」というリンクボタンをクリックすると一応以下に示した貴方の住んでいる国からは口座開設できないといった内容の英語の説明文が出てきます。

しかしこの告知を閉じれば以下のような日本語対応した口座開設画面が出てきます。

口座開設画面が日本語に対応している上に電話番号を記入する欄には[+81]という日本の国番号が第一候補として選択可能になっています。日本人の口座開設を認めていないとは思えません。


●PRC Broker (PRCブローカー https://www.prc-brokers.com/jp/)

以前からサイトの存在については気が付いていたのですが、2022年の年末に関東財務局から以下に示す無登録の違法業者であるという警告が出てきたということで検証対象にすることにしました。こうした警告が出てくるということは日本在住者に対して勧誘が行われていたなど日本在住者を顧客として受け入れる何らかの動きがあったものと思われます。

「PRC Broker」を検索すると2つの互いに非常によく似たサイトが見つかります。まず以下が本項で検証するPRCブローカーのサイトの冒頭部のキャプです。

▼PRC Broker (PRCブローカー https://www.prc-brokers.com/jp/) [表示言語:日本語、中国語、英語、韓国語]

このサイトは上のキャプでも明らかなように日本語表示に対応しています。そして上のキャプの右上に見える言語選択のプルダウンメニューに日本語、中国語、英語、韓国語に加えて「EU site」という項目があり、この選択肢を選択すると以下にやはりサイト冒頭部のキャプを示すURLアドレスが微妙に異なるもう1つのPRCブローカーのサイト (https://www.prcbroker.com/) に転送されます。その転送先のサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

▼PRC Broker (PRCブローカー https://www.prcbroker.com/) [表示言語:英語のみ]

こちらのサイトは英語にしか対応しておらず、右上のプルダウンメニューは表示言語の選択用ではなく、「EU-site」と「Global-site」を選択するメニューになっているようです。この英語にしか対応していないサイトが「EU-site」、日本語などに対応していて本項で検証対象とするのが「Global-site」ということになります。この冒頭部で2つのPRCブローカーのサイトは互いに非常によく似ていますが、2つのサイトが似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下は冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を説明する部分の比較です。やはりPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) → PRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) の順で2枚のキャプ画像を示します。

さらに以下は口座の種類の説明部分の比較です。やはりPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) → PRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) の順でキャプ画像を示します。

この部分には2つのサイトで微妙な差があります。日本語対応しているPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) の場合はスタンダード口座、プレミアム口座、Kings MAM口座の3種類からの選択になっていますが、 日本語非対応のPRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) の場合はプレミアム口座、VIP口座、Kings Mam口座の3種類からの選択になっています。

サブページにある口座の条件の説明を以下に示します。まず日本語対応しているPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) のスタンダード口座、プレミアム口座の説明を以下に示します。

スタンダード口座、プレミアム口座はそれぞれ最低入金額が500ドル、5万ドルとなっていてレバレッジはスタンダード口座が100倍、プレミアム口座が50倍となっています。レバレッジは500倍とか1000倍といった高いレバレッジを強調する場合が多い海外業者の中ではかなり低い方でしょう。

ついでに日本語対応していないPRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) についてもプレミアム口座、VIP口座の条件を以下に示します。

プレミアム口座は最低1万ドル、VIP口座は最低10万ドルの入金が必要となっています。レバレッジ上限はいずれも100倍です。最低入金額がかなり高額なので口座開設のハードルは高い業者と言えると思います。

2つのPRCブローカーのサイトに共通する最上位のKings MAM口座は説明を読むと個人用の口座ではなく、コピートレードを提供する側の為の口座のようです。

次に連絡先情報についてですが、日本語対応しているPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) のサイトでは会社案内のページに以下に示したキプロスとバヌアツの連絡先情報が記されています。

>PRCグループ   Performance Ronnaru Company (Seychelle)

>キプロス社:Performance Ronnaru Company Ltd(Cyprus)

>7B Andrea Papakosta Street 1037 Nicosia, Cyprus

>TEL: +357-22-250328

>バヌアツ社:Performance Ronnaru Capital Ltd(Vanuatu)

>Govant Building, BP 1276, Port Villa,Vanuatu

>TEL: +357-9623-6568

住所はキプロスとバヌアツなのですが、電話番号は2つとも [+357] という国番号から始まっています。これは国番号のリストで確認するとキプロスの国番号です。バヌアツの連絡先はオフショア会社などを利用した名目だけの住所である疑いがあるように思われます。さらに同じ会社案内のページにもう1ヵ所メールアドレスと電話番号が書いてある部分があってにキャプを示しました

>E-mail support@prc-brokers.com

>Tel +852-3974-8738

こちらの電話番号は [+852] という香港の国番号から始まっています。しかし香港に拠点があるのならば示されているはずの香港の住所はありません。

実は現在のPRCブローカーのサイトには香港の住所は見当たりませんが、以前は香港の住所が示されていたと思われます。実は香港の金融ライセンスを管理するSECURITIES AND FUTURES COMMISSIONからPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) に対して2021年12月8日付で警告が出ています。

この警告によれば2021年12月時点ではキプロス、バヌアツに加えて以下の香港の住所が記されていたようです。

>Level 16 The HongKong Club Building/ 3AChater Road, Central, Hong Kong

そしてこの警告によればこの住所にPRCブローカーは実在しないと書かれています。またこの住所を調べてみると以下に示したTHE EXECUTIVE CENTREというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致するようです。

かつて記されていたと思われる香港の住所は架空住所で間違いないでしょう。電話番号が記載されていないバヌアツの住所

>Govant Building, BP 1276, Port Villa, Vanuatu

もオフショア会社などを利用した架空住所の可能性が充分に考えられたので調べてみると「検証4」で検証したThreeTrader (スリートレーダー https://www.threetrader.com/jp/) でも全く同じ住所が所在地とされていることが分かりました。さらにその後、「検証8」で検証しているFXトレーディング.コム (https://fxtrading.com/jp/) というサイトでもこの住所が所在地として登場しています。

そしてこの住所は右にキャプを示したAJC (https://ajc-vanuatu.com/) というオフショア会社の住所と一致するようです。またメールアドレスが以下のようになっています。

>contact@ajc-vanuatu.com

このAJCというオフショア会社についてはまた後述します。

このバヌアツの住所にもPRCブローカーは実在しない可能性が高いように思われます。

一方、日本語対応していないPRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) 「About Us」のページに記されている連絡先情報は以下のようになっています。

住所:7B Andrea Papakosta Street 1037 Nicosia, Cyprus

電話:+357-22-250328

メール:support@prcbroker.com

この住所、電話番号は日本語対応しているPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) の会社案内のページに記されていたキプロスの住所、キプロスの電話番号に一致します。

次に金融ライセンスに関してですがサイトの脚注部分に以下の記述があります。この部分は日本語表示を選択しても英語で表示されます。

まず一番最後に居住地によってはサービスを提供しないという文章があってサービスを提供しない国の中に日本も含まれていますがこの点についてはまた後述します。

そしてライセンスに関してはキプロスのPerformance Ronnaru Company Ltd (Cyprus) がCYPRUS SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION (CySEC、キプロス証券取引委員会) からライセンス番号、no. 253/14 でライセンスを受けていると書かれています。

さらにバヌアツのPerformance Ronnaru Company Ltd (Vanuatu) がVanuatu Financial Services Commission (VFSC、バヌアツ金融サービス委員会) からライセンス番号、no, 14788でライセンスを受けているということが書いてあります。それぞれの法人について記されている住所は既に上に書いた住所と同じです。

まずキプロスのライセンスですがCySECのサイト (https://www.cysec.gov.cy/en-GB/home/) で探してみると以下のキャプに示したようにライセンス番号 、no. 253/14 でライセンスを取得していることが確認されました。

この登録情報に記されている住所や電話番号はサイトに記されていた住所や電話番号に合致します。ライセンスの取得日は2014年10月30日となっています。しかしここで問題なのは上の登録情報の一番下に書いてある「Approved Domains」の部分です。

>Approved Domains:

>www.prcbroker.com; www.prcmarkets.com

2つのドメインが登録されていますが前者は日本語対応していないPRCブローカーのサイト (https://www.prcbroker.com/) のドメイン名に一致します。つまりこちらはCySEC (キプロス証券取引委員会) で確かにライセンスを取得したサイトということになります。しかし本項の検証対象である日本語対応しているPRCブローカーのサイト (https://www.prc-brokers.com/jp/) のドメインはいずれにも当てはまりません。つまり日本語対応しているサイトがCySEC (キプロス証券取引委員会) で登録を得ているサイトではありません。それにも関わらず上に示したようにサイトの脚注にCySEC (キプロス証券取引委員会) からライセンスを受けていると書いてあるのは明らかに事実に反しています。ちなみに上の登録情報で「Approved Domains」とされている2つ目のドメインに対応する第3のPRCブローカーのサイト (https://www.prcmarkets.com/) は確かに実在するようですがアクセスしようとすると日本語非対応のPRCブローカーのサイト (https://www.prcbroker.com/) にリダイレクトされるようです。以下はGoogleキャッシュから取得した第3のPRCブローカーのサイト (https://www.prcmarkets.com/) のキャプです。上に示した2つのPRCブローカーのサイトと非常によく似ています。どういう理由があって3つのサイトが共存しているのか理解できません。

次にバヌアツのライセンスを受けているという記述の確認を試みました。

Vanuatu Financial Services Commission (VFSC、バヌアツ金融サービス委員会) のサイト (https://www.vfsc.vu/) でPerformance Ronnaru Company Ltd (Vanuatu) の登録を探すと確かに以下に示す登録情報が見つかりました。

登録番号の14788はサイトの記述と一致しているのでこれがPRCブローカーの登録情報で間違いないでしょう。そしてこの登録情報で最も気になるのは登録の日付です。登録日は2022年10月6日となっていて上で示したキプロスの登録日が2014年10月30日ですからほぼ8年も後になってバヌアツのライセンス登録を得たことになります。またこの検証は2023年1月中旬に書いているのでバヌアツのライセンスを取得してから3ヶ月余りしか経過してないことになります。

さらにこの登録情報には「Registered Agent」に関する情報があります。

この「Registered Agent」というのは租税回避地として知られるバヌアツで法人を設立したり、ライセンスを取得する代行をしている代理人ということではないかと思われます。エージェントの名称は「PAUL DE MONTGOLFIER ET ASSOCIES LIMITED」となっています。そして連絡先情報が以下のようになっています。

Registered Office Address:Govant Building, Kumul Highway, 1st Floor, Port Vila, Vanuatu

Postal Address:P. O. Box 1276, Shefa, Vanuatu

Email Address:ajcregistry@ajc-vanuatu.com

Contact Number:(+678) [No Area Code]-24404

この住所は日本語対応しているPRCブローカーのサイト (https://www.prc-brokers.com/jp/) の脚注に記されていた以下のバヌアツの住所に似ているようです。

>Govant Building, BP 1276, Port Villa,Vanuatu

またメールアドレスは上で示したAJC (https://ajc-vanuatu.com/) というオフショア会社のメールアドレス

>contact@ajc-vanuatu.com

とアットマーク以降のドメイン名の部分が一致しています。またAJCのサイトのURLアドレスのドメイン名とも一致します。バヌアツの拠点はやはり名目だけでAJCというオフショア会社が代行して立ち上げたペーパーカンパニーが存在するだけという可能性が高いと考えます。またバヌアツの支社がペーパーカンパニーに過ぎないならばペーパーカンパニーでも取得できるバヌアツの金融ライセンスの信頼性は到底高く評価できるものとは思えません。

それから以下は本項の検証対象であるPRCブローカーのサイト (https://www.prc-brokers.com/jp/) のWho Is 情報です。

まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの開設日は2019年5月29日となっています。そして赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報をまとめると以下のようになります。

登録者:Tubasa Fukuyama

登録者所属機関:Performance Ronnaru Capital Ltd.

住所:Vistra Corporate Services Centre, Nicosia, 1037, Cyprus

電話番号: +357.96236568

メールアドレス:info@prc-brokers.com

非常に違和感があるのが登録者の名前です。「Tubasa Fukuyama」というのは普通に考えて日本人の名前でしょう。PRCブローカー社を運営しているのは日本人なのでしょうか?そして登録者所属機関Performance Ronnaru Capital Ltd.となっていてサイトの脚注やキプロスのCySECの登録情報に記されていたPerformance Ronnaru Company Ltd (Cyprus) という社名と異なっています。また電話番号もサイトの会社案内のページに記されていたあるいはキプロスのCySECの登録情報に記されていた電話番号 (+357 22 250 328) と異なるようです。サイトの開設時以降に転居があったのでしょうか?

Who Is 情報に記されている運営者が日本人らしき名前の人物であることを指摘しましたが、PRCブローカーについて検索していたら名古屋にあるOFFICE ONEというデザイン事務所のホームページ (https://one-official.com/) に過去の実績の1つとしてPRCブローカーのロゴやサイトのデザインを担当したという情報を見つけました。

左はこのデザインを過去の実績として紹介しているOFFICE ONEというデザイン事務所の連絡先です。住所は名古屋ですし、盛田司という代表者も明らかに日本人でしょう。このデザイン事務所のサイトでは他にもデザイナー、イラストレーターが何人か紹介されていますが、その中に外国人らしき人物は見当たりません。キプロスの会社が名古屋のデザイン事務所にデザインの仕事を依頼するなんてことがあるのでしょうか?可能性がゼロとは言いませんがかなり違和感があります。

さらにPRCブローカーが使っているIPアドレス (182.171.82.92) からも日本との結び付きが示唆されました。このIPアドレスを調べると本項で既に登場している以下の3つのPRCブローカーのサイトがこのIPアドレスを共有していることが分かりました。

▼PRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) → 本項の検証対象のサイト

▼PRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) → 日本語非対応でキプロスでライセンスを受けているサイト

▼PRCブローカー (https://www.prcmarkets.com/) → 日本語非対応でアクセスするとPRCブローカー (https://www.prcbroker.com/) にリダイレクトされるサイト

そしてさらに同じIPアドレス上に以下の3つの日本語のサイトが共存していることも分かりました。サイト冒頭部のキャプと共に示します。

▼亜州商事株式会社 (http://jp.asyusyoji.com/)

▼パロンキャピタル株式会社 (http://www.xaugold.com/index.html)

▼パロンキャピタル株式会社 (http://www.peronsoftware.com/)

これら3つのサイトですが互いに見かけも記述内容も明らかに似ており、特に2つ目と3つ目のサイトは共に「パロンキャピタル株式会社」のサイトとなっていて互いに酷似しています。なぜ互いに酷似したサイトが異なるURLアドレスで2つ存在しているのか全く意味が分かりません。

そして事業内容はFXなどで使われるトレーディングソフトのMeta Trader 4/5 の為のプラグインソフトなどの開発などとなっているようです。現時点で具体的にどんなソフトを提供しているのかよく分からないのですが、自動売買用のEAを提供しているならば金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要な投資顧問業者となるように思います。 

そして検索してみると少なくとも亜州商事に関してはかつては金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録を得ていたことが判明しました。以下は金融庁のサイトになぜか残っている平成20年 (2008年) 3月末時点での金融商品取引業者登録一覧の一部です。

活字が小さくなって読みにくいですが下から2行目に亜州商事の登録があります。以下に書き出します。

>登録番号:関東財務局長(金商)第512号

>登録年月日:平成19年9月30日

>管轄:関東財務局

>業者名:亜洲商事株式会社

>本店等の所在地:東京都中央区日本橋浜町二丁目60番10号

>業種の種別:投資助言・代理業

しかしこの亜洲商事株式会社の登録はこの検証を書いている時点で最新の令和4年 (2022年) 11月30日版の金融商品取引業者登録一覧には見当たりません。自ら返上したのか取り消されたのかなど何も分かりませんが現時点では金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録は得ていないということになります。

一方で以下は亜州商事のサイトにある会社概要です。

>会社概要

>会社名 亜洲商事株式会社

>住所 〒261-0021 千葉県千葉市美浜区ひび野2-1-1QVCスクエア5F

>代表者氏名 井上 利樹

>電話番号 043-388-8880

>E-MAIL info@asyusyoji.com

>設立 2005年

>事業内容 ITサービス・システム開発

上に示した2008年時点での金融商品取引業者の登録リストと比べると住所が全く異なりますが亜州商事の法人登録を調べてみると平成27年 (2015年) 11月10日付で「東京都中央区日本橋兜町1-10」から「千葉県千葉市美浜区ひび野2丁目1番1号」に転居していることが確認されました。つまり平成20年 (2008年) 3月末時点での金融商品取引業者登録一覧では投資助言代理業の登録を得ていた亜州商事とPRCブローカーと同じIPアドレス上にサイトが存在している亜州商事は同一の会社で間違いないでしょう。

さらに同じIPアドレスを共有している2つのパロンキャピタルのサイトにある会社概要をパロンキャピタル (http://www.xaugold.com/index.html) パロンキャピタル (http://www.peronsoftware.com/) の順で示します。

2つのパロンキャピタルのサイトの会社概要は全く同じです。なぜURLアドレスが異なる2つのサイトが存在するのか意味が分かりません。さらに亜州商事の会社概要と比較すると住所は全く同じですし、電話番号も6番違いです。サイトの見かけが似ていることなどからも亜州商事株式会社とパロンキャピタル株式会社は同じ系列でしょう。さらに以下は本項の検証対象であるPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) のIPアドレス (182.171.82.92) を調べて出てきたIPアドレスの管理者情報です。

IPアドレスの管理者が「asyusyoji Co., Ltd. (亜州商事)」になっています。IPアドレスの管理者にどんな権限があるのか分かりませんけど亜州商事が管理者であるIPアドレス上に亜州商事のサイト、2つのパロンキャピタル、そしてキプロスに本拠があるはずの3つのPRCブローカーのサイトが共存しているというのは異様です。亜州商事やパロンキャピタルと3つのPRCブローカーのサイトはどういう関係なのでしょうか?

PRCブローカーのサイト (https://www.prc-brokers.com/jp/) のWho Is 情報に記されている登録者名が「Tubasa Fukuyama」という日本人としか思えない名前の人物であること、名古屋のデザイン事務所が過去の実績としてPRCブローカーのサイトのデザインを挙げていることと併せ、PRCブローカーの運営には日本のグループが関与している可能性を示唆するように思われます。

ところが一方でサイトの脚注の最後には上で簡単に触れましたが以下の記述があります。

>Regional restrictions: PRCBroker brand does not provide services to residents of the USA, UK, Japan, Canada, Australia, Israel, HongKong, Haiti, PuertoRico

アメリカ、イギリス、日本、カナダ、オーストラリア、イスラエル、香港、ハイチ、プエルトリコの居住者にはサービスを提供しないと書いてあるのです。サイトが日本語表示に対応しているのに日本の居住者にはサービスを提供しないとあるのは矛盾しているとしか思えません。海外居住の日本人の為に日本語対応しているという主張でしょうか?実際問題、最初に引用したように関東財務局から無登録の違法業者と認定されて警告が出ているのですから日本から口座を作れない状態であったとは考えにくいです。

運営者が日本のグループという可能性も伺われる状況であることも含め、非常に違和感のあるサイトとしか思われません。このサイトでの取引は推奨できません。


※付記

WikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) という海外のFX業者口コミ情報、評価サイトに本項の検証対象であるPRCブローカー (https://www.prc-brokers.com/jp/) について5件の被害報告が出ています。投稿は4件が香港から、残りの1件が韓国からとなっていてスプレッドが大幅に拡大して被害を受けたといった内容になっています。スプレッドの拡大によって強制ロスカットを被ったということかと思われます。


●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrade.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrades.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrade.net/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrd.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtrading.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://www.aximtradeidr.com/)

●AximTrade (アキシムトレード https://aximindonesia.com/)

Yahoo知恵袋出てきた質問投稿から見つけたサイトです。さらに調べてみると敢えてリンクはしませんが複数のアフィリエイト報酬 (勧誘報酬) 目的と思われる勧誘サイトでアキシムトレードが紹介されていることが分かりました。どういうことなのか理解に苦しむのですが、表題に示したURLアドレスが異なるけれども互いに極めてよく似たいずれも日本語に対応したサイトが少なくとも7つ存在しており、アフィリエイトサイトでリンクが張られているのは最初のアキシムトレード(https://www.aximtrade.com/) のようです。Yahoo知恵袋に質問が出てきたことだけでなく複数の日本語のアフィリエイトサイトで取り上げられているということからも日本居住者を受け入れていると考えて検証対象にすることにしました。まずこれらのサイトを見つける端緒となったYahoo知恵袋への投稿を引用します。

2023年1月15日投稿

おそらく既に口座開設ボーナス目当てで口座を開設して出金方法を質問しているようです。

この質問にはURLアドレスが示されていませんが、「AximTrade」を検索すると既に書いたように複数の日本語で書かれたアフィリエイトサイトで取り上げられていることが判明しました。さらに検索してみると同じ名称でURLアドレスが異なるサイトが続々と見つかってきました。既に書いたようにアフィリエイトサイトでリンクが張られているのは表題最初のアキシムトレード(https://www.aximtrade.com/) のサイトです。さらに以下にキャプを示しますがAximTrade Japan【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTrade) が見つかってきました。このアカウントのプロフィール欄にあるリンクも表題最初のアキシムトレード(https://www.aximtrade.com/) へのリンクになっています。

このAximTrade Japan【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTrade) は上のキャプから明らかなようにプロフィール欄が全て日本語で書かれていて明らかに日本人向けになっています。但しこのアカウントが2021年10月開設されていて既に1年以上経過しているのにフォロワーはこの検証を書いている2023年1月下旬現在で99人しかいません。また所在地の項目には「シンガポール本社」と書かれていますが具体的な住所はありません。ちなみに後述しますが、アキシムトレードのサイト自体の記述では所在地がオーストラリアのメルボルンあるいはセントビンセント・グレナディーンとなっており、シンガポールに本社があるという情報はこの日本語版のTwitterアカウントにしか見つかりません。

ついでにこのアカウントからの最近の投稿を2つほど引用します。

2022年12月5日投稿 (「固定されたツイート」に指定されていて最初に表示されています。)

日本国内の銀行から手数料無料で入金できるようになったという宣伝的な投稿です。りそな銀行、三井住友銀行、横浜銀行、ゆうちょ銀行、北海道銀行、楽天銀行、JAバンク、PayPay銀行、福岡銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、さらに「その他の銀行」という項目もあってかなり多くの銀行から無料送金できるとなっています。「国内銀行送金」とありますからアキシムトレードが日本国内に銀行口座を用意しているのではないかと思われます。本項の最初で引用したYahoo知恵袋への質問もこの国内銀行送金に関する情報を求めている質問のようでした。

2023年1月24日投稿 (この検証を書いている2023年1月下旬時点で最新の投稿です。)

東京・渋谷で投資家、トレーダー、起業家、インフルエンサーを招いた新年会を開催したとあります。これらの投稿からも日本人顧客を積極的に獲得しようとする姿勢が伝わってきます。

さらにこの日本人向けのアカウントに加えてプロフィールも投稿も全て英語で書かれている「AximTrade Official Account (アキシムトレード公式アカウント)」という別個のTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTradeGlobal) の存在も確認しました。 但しこちらも2019年12月に開設されたアカウントで開設から3年以上経過しているのに253人という多いとは言い難い人数のフォロワーしかいません。

そしてこの英語のサイトでも上のキャプで分かるようにプロフィールにあるリンク先は表題最初のアキシムトレード(https://www.aximtrade.com/) になっています。所在地は日本語版のアカウントに記されていた「シンガポール本社」ではなく「World wide (全世界)」となっていて意味が分かりません。こうした状況から表題最初のアキシムトレード(https://www.aximtrade.com/) が中心的なサイトではないかと思われるのですが見つかってきた6つのサイト全てについてサイト冒頭のキャプを表題と同じ順で以下に示していきます。

▼アキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://www.aximtrades.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://www.aximtrade.net/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://www.aximtrd.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://www.aximtrading.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://www.aximtradeidr.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

▼アキシムトレード (https://aximindonesia.com/) [表示言語:英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語]

URLアドレスは異なっても7つのサイトは全く同じに見えます。プルダウンメニューから選択出来る表示言語の選択肢も並び順まで同じで英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、日本語、トルコ語、アラビア語、(ウルドゥー語)、(ズールー語)、(ヒンディー語)、(ベンガル語)、(シンハラ語)、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語の17言語です。但し17言語の内括弧を付けた5ヵ国語は実際には選択しても英語表示になります。つまり実際に選択出来るのは12ヵ国語です。

さらに7つのアキシムトレードのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。冒頭部に続いてはサイトの特長や口座開設の手順を開設している部分が出てきます。以下には7つのアキシムトレードのサイトからのキャプを表題と同じ順で示します。まずアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) → アキシムトレード (https://www.aximtrades.com/) → アキシムトレード (https://www.aximtrade.net/) → アキシムトレード (https://www.aximtrd.com/) の順で最初の4つのアキシムトレードのキャプを示します。

さらに表題5~7番目のアキシムトレードのサイトについてもアキシムトレード (https://www.aximtrading.com/) → アキシムトレード (https://www.aximtradeidr.com/) → アキシムトレード (https://aximindonesia.com/) の順で相当部分のキャプを以下に示します。

この部分でも7つのアキシムトレードのサイトは互いに全く区別出来ません。

さらにこの部分に続いては7つのアキシムトレードのサイトに共通して4種類存在する口座の種類の説明が出てきます。以下は表題最初のアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) のサイトからのキャプ画像です。

このアキシムトレードの口座の条件で最も気になるのは最大レバレッジが非常に大きいことです。最低のECN口座でもレバレッジ1000倍、CENT口座で2000倍、スタンダード口座で3000倍、最後のINFINITE口座は何とレバレッジが無制限です。この業者のスプレッドがどれほどなのか分かりませんが、1000倍、2000倍、3000倍なんて下手すればスプレッド分だけでロスカット発動になりかねないほどだと思います。さらに加えて無制限なんていうレバレッジはこれまで多くのFX業者を調べてきましたが初めて見たように思います。

そしてこの「口座の種類」と題された部分でもキャプは省略しますが残りの6つのアキシムトレードのサイトも全く同じです。さらに以下は表題最初のアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) のサイトの脚注部分のキャプです。この脚注部分も7つのアキシムトレードのサイトで完全に共通です。

この脚注部分の左半分には金融ライセンスとか住所の情報が示されています。以下にその部分を書き出します。

>AximTradeグループは、以下の事業体が代表し、さまざまな法域で規制されています。

>Axim Trade Pty Limitedは、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)により規制されています(AFS代表番号:1294600、AFSライセンス番号:435746)。住所:103 566 St Kilda Rd Melbourne VIC 3002 詳しくは こちら をご覧ください。.

>AximTrade LLCは、有限責任会社登録番号328LLC2020で法人化され、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の金融サービス機構および全米先物協会(ID:0539713)より登録された有限責任会社です。 住所:First Floor, Bank Building. First St Vincent, James Street, Kingstownsen Vincent and the Grenadines

>リスクに関する警告:FX取引とCFD取引は、お客様の投資資金に対して高いリスクを伴います。当社のレバレッジ商品についてお読みいただき、十分にご理解ください。当社はいかなる個人または団体に対しても、全体における損失または損害について責任を負いません。

>制限地域:AximTradeは、オーストラリア、カナダ、エチオピア、ジブラルタル、イスラエル、ニュージーランド、北朝鮮、フィリピン、ポーランド、英国、アメリカ合衆国、シンガポールなどの特定の国の居住者の方にサービスを提供しておりません。


ここでもキャプは省略しますがこの脚注の記述も7つのアキシムトレードのサイトで全て同じです。そしてまず住所ですがオーストラリアとセントビンセント・グレナディーンの住所が書いてあります。

▼オーストラリア住所:103 566 St Kilda Rd Melbourne VIC 3002 

▼セントビンセント・グレナディーン住所:First Floor, Bank Building. First St Vincent, James Street, Kingstownsen Vincent and the Grenadines

但しいずれについても電話番号がありません。

2つの住所の内、まずセントビンセント・グレナディーンの住所の「Kingstownsen Vincent 」の部分はおそらく「Kingstown, St. Vincent」の間違いと思われます。さらに修正すべきと思われる点を修正すると以下のようになります。

>First Floor, St. Vincent Bank Ltd Building, First St Vincent, James Street, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines

この住所はこれまでの無登録で違法な海外FX業者の検証で何度も出てきている住所です。例えば本サイトの旧サイトである「危ない投資の備忘録」「海外FX業者検証7」で検証したMYFX Markets (マイエフエックスマーケッツ https://myfxmarkets.com/ja/) や本サイトで検証した以下のサイトでも同じ住所が所在地として登場しています。

「検証5」 HASTフォレックス

「検証10」 ユートピア

「検証11」 フォーカスマーケッツ、アキシムトレード

「検証25」 PUプライム (https://jp.puprime.net/)

「検証27」 acx

「検証48」 AMマーケッツ

「検証59」 ウィートレードインターナショナル、モガインターナショナル / モガFX

また上で検証しているフォーカスマーケッツもこの住所を使っています。

さらにこの住所はセントビンセント・グレナディーンの金融ライセンスを管理しているFINANCIAL SERVICES AUTHORITY (FSA)のサイト (http://svgfsa.com/) で登録されているオフショア会社のリストに掲載されている2つのオフショア会社の住所と一致します。具体的には左下に示したのがSt. Vincent Trust & Escrow Ltd (https://truststvincent.com/) の連絡先情報、右下に示したのがEuro-Caribbean Trustees ltd. (ECTL https://mail.ectl-svg.com/) の連絡先情報です。アキシムトレードの住所には私書箱番号が欠けていますが同じ住所です。

アキシムトレードの住所はこれらのオフショア会社のいずれかを使った架空住所の可能性が濃厚と考えます。

またセントビンセント・グレナディーンの金融サービス機構 (Financial Services Authority of Saint Vincent and the Grenadines, FSA) からライセンスを取得しているという記述もありますがこのサイトで何度も引用しているようにセントビンセント・グレナディーンのFSAからはFX業者、バイナリーオプション業者には金融ライセンスを付与しないという告知が出ています。以下にはその告知の一部及びGoogle翻訳による翻訳を示します。

セントビンセント・グレナディーンから金融ライセンスを取得しているという主張は極めて疑わしいです。

また同じくアキシムトレードの脚注にある「AximTrade LLCが全米先物協会(ID:0539713)より登録された有限責任会社である」という記述についても確認を試みました。以前にも全米先物協会 (NFA、https://www.nfa.futures.org/index.html) で登録を得ていると主張するサイトが幾つかあったので今回も同様にNFAのサイトにある検索窓からS「AximTrade LLC」の登録を探してみました。以下に出てきた結果のキャプを示します。

検索すると確かに「AximTrade LLC」に関する情報が出てくるのですが、

>Not an NFA Member (NFAの会員ではない)

>Non-Member not subject to NFA oversight. (非会員は NFA の監督を受けません。)

と記されています。会員ではないのに情報が出てくるという状況が分かりませんが、これではNFAの登録を得ているから信頼出来るとは到底言い難いでしょう。またそもそもNFAはアメリカの金融ライセンスを管理する機関ではありません。NFAのサイトの「About」のページによれば「アメリカのデリバティブ業界の自主規制団体」となっています。

脚注部分の記述の中で最後に検証するのはオーストラリアの住所とライセンスに関する記述部分です。アキシムトレードはオーストラリアのオーストラリア証券投資委員会 (ASIC) から金融ライセンスを得ているなっています。しかしここで最も気になるのは脚注の記述の最後の文節でアキシムトレードがサービスを提供しないとされている国の中にオーストラリアやシンガポールが含まれていることです。

>制限地域:AximTradeは、オーストラリア、カナダ、エチオピア、ジブラルタル、イスラエル、ニュージーランド、北朝鮮、フィリピン、ポーランド、英国、アメリカ合衆国、シンガポールなどの特定の国の居住者の方にサービスを提供しておりません。

住所がオーストラリアにあってオーストラリアの金融ライセンスを得ているのにオーストラリアの居住者にはサービスを提供しないというのは不可解としか言いようがありません。またAximTrade Japan【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTrade) のプロフィール欄には「シンガポール本社」と書いてあることを上で指摘しましたが、シンガポールもサービスを提供しない国に入っていることは同様に不可解です。

どうしてこんな異様なことになっているのか調べてみるとオーストラリアについては断言は出来ませんがオーストラリアのASICの規制をアキシムトレードが順守していないからではないかという可能性があるかもしれません。アキシムトレードでは上で既に示したように4種類のアカウントの上限レバレッジが1000倍、2000倍、3000倍、無限大となっていて非常に高くなっています。一方でASICは以下に冒頭部を示した2020年10月23日付の告知で2021年3月29日からレバレッジの上限を厳しくしたようです。以下のその上限レバレッジに関する告知の冒頭部、Google翻訳による日本語訳を示します。

主要通貨ペアの上限レバレッジは30倍、マイナー通貨ペア、金、主要な株式指数の場合には上限レバレッジ20倍となっています。ここで「主要通貨」はこの告知の続きの部分によれば豪ドル、英国ポンド、カナダドル、ユーロ、日本円、スイスフラン、米ドルの7つとなっています。マイナー通貨はこの7通貨以外の通貨です。日本のFX業者の上限レバレッジが25倍ですからオーストラリアの規制は日本の規制とほぼ同水準ということになると思います。そして1000倍から最大無限大までというアキシムトレードの上限レバレッジは明らかにこの規制範囲を超えています。これがアキシムトレードがオーストラリアの居住者にサービスを提供しないとしている理由ではないかと思われます。

そして規制に従わない業者に金融ライセンスを出すなんてことがあるのかと考えて本当にアキシムトレードの金融ライセンスを得ているのか確認を試みました。Australian Securities and Investments Commission (ASIC、オーストラリア証券投資委員会) のサイト (https://asic.gov.au/) にある登録業者のリストを検索できるページでアキシムトレードの脚注に記されていた登録会社名「Axim Trade Pty Limited」を検索してみると確かに以下のキャプに示した登録情報が見つかってきました。

残念ながらオーストラリアの登録情報は開示されている情報が少なくて大まかな所在地情報 (ビクトリア州のメルボルン) と登録の日付が2021年12月7日であることが分かるだけです。この登録の日付は本項の最初で示したAximTrade Japan【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTrade) の開設の日付である2021年10月より後ということになります。英語版の「AximTrade Official Account (アキシムトレード公式アカウント)」というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTradeGlobal) 2019年12月開設ですからオーストラリアの金融ライセンスを取得するよりおよそ2年も前に開設されていることになります。後述しますが各サイトのWho Is 情報に記されているサイトの登録・開設時期も2021年12月7日のオーストラリアの金融ライセンス取得より前になっているのでアキシムトレードはオーストラリアの金融ライセンスなしに営業していた時期があったのではないかということになります。

それから「Axim Trade Pty Limited」について金融ライセンス登録は見つかるのに日本の法人登録番号に相当すると思われるAustralian Business Number (ABN) が見つかりません。ABNを検索できるABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトで検索しても該当すると思われる登録がないのです。また脚注からリンクされているAFS Licensees Search (https://search-afsl.com/) というサイトの「Axim Trade Pty Limited」のライセンス情報を見ても以下に示すようにABNの項目が空欄になっています。これもどういうことなのか全く分かりません。

次にサイトの脚注に記されていたオーストラリアの住所

>103 566 St Kilda Rd Melbourne VIC 3002

を調べてみました。Google Street Viewでこのメルボルンの住所を見ると「The Jewel Business Centre」というビルの住所のようです。

さらに検索してみるとこの「The Jewel Business Centre」に入居している会社が幾つか見つかってきました。

▼The Diamond Guys (https://thediamondguys.com.au/) 宝石店

▼Nexar Group (https://www.nexargroup.com.au/) 警備保障会社

▼Property Mavens (https://www.propertymavens.com.au/) 不動産コンサルタント

さらに最も気になったのはaussiehoursという地域情報サイトで見つけたAsian Pacific Business Centreという入居者の情報です。以下にキャプを示します。

この情報によれば2022年11月13日に更新された情報としてAsian Pacific Business Centreという会社がこの住所に存在していることになっています。同様の情報が例えばCYLEXあるいはyelpといった地域情報サイトでも見つかります。そこでこのAsian Pacific Business Centre のサイト (https://apso.com.au/) に行ってみるとこれはシェアオフィス・バーチャルオフィスの業者であることが判明しました。但しこの検証を書いている2023年1月下旬の時点ではAsian Pacific Business Centre のサイトにあるメルボルンの拠点のリストを見ても「The Jewel Business Centre」の拠点は確認出来ません。最近になって問題の住所にあった拠点が撤退したのかもしれません。だとすればアキシムトレードのオーストラリアの住所はこのバーチャルオフィス業者を使った架空住所という可能性が充分考えられるように思われます。これもアキシムトレードがオーストラリアの居住者にサービスを提供しないとしていることの理由かもしれません。

仮にオーストラリアの住所がバーチャルオフィス業者を利用した架空住所ということになるとすればそれならアキシムトレードの真の拠点はどこにあるのかということになりますが、調べてみるとベトナム、マレーシア、インドネシアなど東南アジア圏との繋がりがあるようです。上で引用したAximTrade Japan【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/AximTrade) には複数のYoutube動画がアップされており、それらの動画からアキシムトレードのYoutubeチャンネル (https://www.youtube.com/@AximTrade/featured) 見つかります。そしてこのYoutubeチャンネルにアップされている動画を見ると東南アジア圏との繋がりを示す動画が幾つも見つかるのです。例えば以下は「AximTrade's Vinh City Office Tour (アキシムトレードのヴィン市のオフィスツアー)」と題された動画です。この動画には「#Vietnam」というハッシュタグが付いており、ベトナム・ヴィン市のアキシムトレードのオフィスを案内するという内容になっています。

この動画に登場するオフィスツアーの案内役はC37 Ventureという会社のCMO (Chief Marketing Officer、最高マーケッティング責任者) であるNguyen Duy Dungと名乗っており、英語ではない言葉で話しているようです。おそらくベトナム語で話しているのだと思われます。英語字幕の説明ではこのベトナムのオフィスはアキシムトレードとC37 Ventureが共同で運営しているといった説明をしており、動画に出てくるオフィス室内にはアキシムトレードとC37 Ventureのロゴが確認出来ます。このC37というベンチャー企業 (?) についても検索してみましたが目ぼしい情報は見つかりません。

あるいは以下もアキシムトレードのYoutubeチャンネルにアップされている「Mr. Roli Maulidiansyah - Malaysia Regional Officer | AximTrade Ask」と題されている動画です。

動画のタイトルはマレーシアのRegional Officer (地域責任者) であるMr. Roli Maulindiansyahの紹介となっているのですが、動画の中に出てくる肩書はインドネシアのRegional Officer (地域責任者) となっています。さらにスマトラ島の出身で現在は「Jawa Timur (東ジャワ州)」に住んでいるとかインドネシアには約1万人の顧客がいるといった説明が出てくるのでこの人物はマレーシアではなく、インドネシアの地域責任者でしょう。どうやら動画のタイトルが間違っているようです。この人物も英語ではない言語で話しているようです。

さらに経営トップに相当する人物が動画に出ていないか探してみると以下に示した「AximTrade Official Partnership with Alfa Romeo F1 Team Orlen」と題された動画にCo-Founder and CEO of Aximtrade (共同創業者兼最高経営責任者) という肩書でKELVIN TANG という人物が登場していることが分かりました。

この人物は英語を話していますがオーストラリア人には見えません。これ以外にもアキシムトレードの関係者が登場する動画がアップされているのですが、動画のタイトルや登場する人物の肩書を見てもベトナム、マレーシア、インドネシアといった東南アジアの国ばかりでオーストラリアと関係しそうな人物は出てきません。こういった状況を見てもアキシムトレードの主な勢力圏は東南アジアであり、拠点も東南アジアにある可能性が高いように思われます。

さらに所在地に関する情報が見つからないかと考えて例によってそれぞれのサイトのWho Is 情報を確認しましたが7つのアキシムトレードのサイトのいずれのWho Is 情報でも登録者に関する情報は開示されていません。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日 アップデート日

アキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) 2019925日 2021926日

アキシムトレード (https://www.aximtrades.com/) 202018日 202219日

アキシムトレード (https://www.aximtrade.net/) 202018日 202219日

アキシムトレード (https://www.aximtrd.com/) 202018日 2022年1月9日

アキシムトレード (https://www.aximtrading.com/) 202057日 202258日

アキシムトレード (https://www.aximtradeidr.com/) 2020年1月8日 202122日

アキシムトレード (https://aximindonesia.com/) 2021525日 2021年5月25日


7つのアキシムトレードのサイトの内、最も古いのが最初のアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) で2019年9月25日にドメイン名が登録されています。また2番目のアキシムトレード (https://www.aximtrades.com/) 、3番目のアキシムトレード (https://www.aximtrade.net/)、4番目のアキシムトレード (https://www.aximtrd.com/)、6番目のアキシムトレード (https://www.aximtradeidr.com/) の4つのサイトは全て2020年1月8日にドメイン名が登録されています。これら7つのサイトが全て同じグループによるサイトかどうかは確証がないのですが、少なくとも同日にドメインが登録された4つのサイトは同じグループによるサイトでほぼ間違いないでしょう。最も最近に登録・開設されたのは最後のアキシムトレード (https://aximindonesia.com/) で2021年5月25日開設です。上で示したオーストラリアの金融ライセンス登録が2021年12月7日ですから7つのサイトは全て金融ライセンス取得以前に開設されていたことになります。

それからこれらのサイトは開設されてからそれなりに時間が経っていると思われるのですがアクセスは決して非常に多いという訳ではないようです。7つのアキシムトレードのサイトの中で最もアクセスが多いのはやはり表題最初のアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) のサイトのようです。アクセス数を調べた結果を以下に示します。

1日当たりの独立訪問者数が23,191人、月間のアクセス数が70万回ほどとなっています。7つのアキシムトレードのサイトについて同様にアクセス状況を調べた結果を以下にまとめます。

サイト名 (URLアドレス) 独立訪問者/日 月間アクセス数

アキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) 23.191人 702,687回

アキシムトレード (https://www.aximtrades.com/) 検出限界以下 検出限界以下

アキシムトレード (https://www.aximtrade.net/) 25人 758回

アキシムトレード (https://www.aximtrd.com/) 361人 10,938回

アキシムトレード (https://www.aximtrading.com/) 10人 303回

アキシムトレード (https://www.aximtradeidr.com/) 49人 1,485

アキシムトレード (https://aximindonesia.com/) 986人 29,876回

最もアクセスが多いアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) も特に多いというレベルではありませんがそれ以外の6つのサイトへのアクセスは桁違いに少ないことが分かります。2番目にアクセスが多いのは最後のアキシムトレード (https://aximindonesia.com/) ですがアクセスは20分の1以下です。

ところがこれら7つのサイトのメニューバーから「コピートレード」という項目をクリックして出てくるコピートレードに関する説明のあるサブページには以下のキャプに示したような記述があります。ちなみにコピートレードでどれほどの運用利回りが得られているのかについては情報が全く見当たりません。

これは表題最初の、最もアクセスが多いアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) のコピートレードのサブページのキャプですが7つのアキシムトレードのサイトではこのサブページも互いに全く同じです。当社の顧客が30万人、取引口座が100万といった数字が並んでいますが顧客が30万人で取引口座が100万というのは1人の顧客が平均して3つ以上の口座を開設しているということでしょうか?理解が難しいです。またこれらの数字は少なくとも各サイト単独での数字ではないでしょう。これだけの顧客数を抱えていてもおかしくないのはせいぜい最もアクセスが多いアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) の場合だけです。あるいはこれらの数字は少なくとも7つ存在するアキシムトレードのサイトの顧客数などを全て合計した数字なのかもしれません。

そしてアキシムトレードのサイトを調べて最も気になるのはやはりURLアドレスが異なるだけで互いに全く同じにしか見えないサイトが少なくとも7つあることです。これまで検証してきたFX業者のサイトでも例えば上で検証しているエクスネスの場合など同じ名称でURLアドレスが異なるサイトが複数存在するということはありました。しかし同名のサイトが複数存在する場合でも例えばエクスネスの場合のように世界の地域それぞれに対応したサイトとか複数のサイトが存在する意味が分かることが普通です。例えば本項で検証した7番目のサイトのドメイン名が「aximindonesia.com」となっていることはこのサイトがインドネシアの顧客向けのサイトであることを意味しているのかもしれませんが、特にインドネシア人顧客の為に作り替えられたところが見当たらないのです。

一方で本物のサイトがあってサイト名やロゴを真似た詐欺目的と思われる偽サイトが存在するという場合もあります。その場合には偽サイトを調べるとやはり本物のサイトと比べると明らかにおかしな部分が見つかるのが普通です。ここで検証している7つのサイトはどれかが本物で他は別のグループが本物を真似て立ち上げた偽サイトということではなく、同じグループが7つのサイトを立ち上げている可能性が高いように思います。仮に全てが同じグループによるサイトならば7つものサイトが立ち上げられている理由が全く分かりません。

それから本サイトでも何回か引用したことがある海外のFX業者の口コミ情報サイトであるForex Peace Army (FPA, https://www.forexpeacearmy.com/) にアキシムトレードに関する情報が出ています。以下はその評価情報の冒頭部です。

この評価の対象は「Visit site」のリンク先になっている表題最初のアキシムトレード (https://www.aximtrade.com/) のようです。この検証を書いている2023年1月下旬時点で13個の口コミ、レビューが投稿されており、平均点は5点満点の2.434点という微妙は評価になっています。そして問題は上のキャプの最後の部分、黄色の背景になっている部分です。文章を書き出します。

>March 2022:  Another large wave of fake positive reviews have been submitted for AximTrade.  Some of these overlap with the fakes submitted in 2021.

>May-November 2021: Large numbers of fake and highly suspicious positive reviews have been submitted for AximTrade.

Google 翻訳で翻訳すると以下のようになります。

>2022 年 3 月: AximTrade に偽の肯定的なレビューが再び大量に送信されました。 これらのいくつかは、2021 年に提出された偽物と重複しています。

>2021 年 5 月から 11 月: AximTrade に対して、多数の偽の非常に疑わしい肯定的なレビューが提出されました。

いわゆるサクラによる肯定的な偽のレビューが大量に投稿されたことが2021年5月から11月に掛けてと2022年3月の2回あったということのようです。そして現在掲載されている13個のレビューの評価は肯定的な5つ星評価が5件、4つ星評価が2件ある一方で極めて批判的な1つ星評価も5件あるという両極端の状況になっています。そして1つ星の批判的なレビューを見ると全て利益を没収された、詐欺業者であるという結論になっています。

こうした口コミサイトへの投稿は全て誰が投稿しているのか分かりませんから肯定的なレビューも否定的なレビューも鵜呑みには出来ませんが安心して利用するには不安のある業者ということになるかもしれません。

ここでの結論としても運営者に関する情報などが適切に開示されていない、金融ライセンスに関しても一定の不安がある、そもそもどういう状況で7つの互いに酷似したサイトがあるという状況が極めて不可解であるといった点を考えるとこの業者での取引を積極的に推奨することは出来ないという結論にならざるを得ません。


●XTRADE (Xトレード https://www.xtrade.com/ja/)

Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでリンクはしませんがアフィリエイト報酬目的と思われる日本語の評価サイト、比較サイトでも取り上げられているようです。まずはYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用しておきます。

2023年2月7日投稿

ソリューションズシステムから勧誘されたとあるので示されていたソリューションズシステムのサイト (http://solutions-system2022.com/) にアクセスしてみました。以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

このサイトではFXの自動売買システムを販売しているようです。左下のキャプに示した部分によれば価格は40万円となっています。

さらに右上に示した「かんたん3ステップ」という項目の「Step02」は

>提携先との連携設定を行う

>Xtradeとの連携設定を行う。

>※接続先は随時拡大予定です。

となっています。本項で検証するXtradeで口座を開設して運用することが指示しているわけです。そしてこのソリューションズシステムのサイトには運営者の連絡先情報とか金融ライセンスに関する情報が何もありません。自動売買システムの販売業務を行うには金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録を得る必要があるはずですが、このサイトには連絡先情報さえ見当たりません。投資助言代理業の登録を得ているとは全く思えず、無登録の違法業者で間違いないでしょう。

さらにこの検証を書いた後ですが、やはりYahoo知恵袋に以下の質問投稿が出てきました。

2024年3月24日投稿

詳しい経緯は分かりませんが、Xトレードで投資してしまい、出金できなくなっているようです。

ここまでの前置きが長くなりましたが本項の検証対象であるXトレードのサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

以下は表示言語の選択メニューのキャプです。

表示言語の選択肢は英語、アラビア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、セルビア語、イタリア語、ロシア語、中国語、マレー語、ポルトガル語、タガログ語、ヒンディー語、ベトナム語、香港語、日本語、韓国語、タミル語、タイ語、インドネシア語となっています。

以下は「XTRADEを選ぶ理由とは?」と題されたサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分のキャプです。

最初の「安心と安全の資産管理」には金融ライセンスに関すると思われる

>ライセンスの取得お呼びに規制

>IFSC規制

といった項目が挙げられています。金融ライセンスに関しては後述します。

さらに右端の第3項は「日本人による日本語カスタマーサポート」となっています。日本人顧客に対応して日本語カスタマーサービス、円建ての口座などが用意されていて日本人顧客の獲得に力を入れているようです。

次はXトレードの取引対象です。右のキャプに示したように

▼株式CFD

▼インデックス (株式指数)

▼コモデティー (原油、穀物、貴金属など)

▼FX

CryptoCurrencies (仮想通貨)

▼Bonds (債券)

▼ETF

が取引対象となっています。

次に連絡先情報の確認を試みました。まずサイトの脚注部分に以下に示した電話番号、メールアドレスの情報がありますが住所はありません。

>お問い合わせ:

>日本語サポート

>電話番号: +44 2038074001 日本語サポート

>対応時間:月曜日から金曜日10:00-22:00

>Eメール: japanesesupport@xtrade.com

電話番号はイギリスの国番号である[+44]から始まっています。

それ以外にSNSの公式アカウントのリンクが用意されているようです

Facebook:https://business.facebook.com/XTrade/  (閉鎖済み)

Twitter:https://twitter.com/XTrade

Linkedin:https://cy.linkedin.com/company/xtrade

Instagram:https://www.instagram.com/xtrade/

Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC_dJxZyCjpE3N_zc76H1L-A

Facebookのアカウントは理由は不明ですが閉鎖されているようです。

さらにここに記されている連絡先情報は「日本語サポート」の連絡先という形になっているので英語版の記述も確認しました。

>Phone: +44 2038074001 

>Email: info@xtrade.com

電話番号は日本語版に記されていたのと同じイギリスの国番号 [+44]から始まる電話番号です。一方でメールアドレスは日本語サポートのメールアドレスとは異なります。

電話番号がイギリスの国番号から始まっているということでXトレードの本拠がイギリスに存在する可能性を考えてイギリスの法人登録を検索してみましたが「Xtrade」を含む名称の法人登録は幾つも確認出来るものの貿易関係など金融以外の業種だったり、既に解散していたりでここで検証しているXトレードの運営会社らしき法人登録は見当たりません。

さらに日本語版のサイトにSNSのアカウントへのリンクがあることを示しましたが、その内、Linkedinのアカウント (https://cy.linkedin.com/company/xtrade) には連絡先情報が記されています。このLinekedinのアカウントに記されている連絡先情報を以下に示します。

>ウェブサイト http://www.xtrade.com 

>業種 金融サービス

>会社規模 社員 501 - 1,000名

>本社 Limassol

>種類 非上場企業

>専門分野 Commodities、Gold、Oil、Forex、Dollar、Shares、Indices、Cryptocurrencies

>場所 プライマリ Vasileos Constantinou 140, Tofias Building, Limassol、CY


ここで示されているのは地中海に浮かぶ島国であるキプロスの住所です。電話番号はありません。サイトの脚注に記されていたイギリスの電話番号と矛盾しているように思われます。

さらにサイトの会社概要のサブページには右のキャプに示した住所が記されています。

>Registered Address

>Xtrade international Ltd

>000281/481

>本部住所:No. 5, Cork Street, Belize City, Belize

>電話: 1800 017 5700   

ここに記されているのは中米・ベリーズの住所です。

ここまでイギリスの国番号から始まる電話番号、キプロスの住所、ベリーズの住所と3つの互いに矛盾するとしか思えない連絡先情報が出てきていることになります。キプロスやベリーズの住所に対応する電話番号が示されていないこと、キプロスやベリーズがペーパーカンパニーが簡単に作れるいわゆる租税回避地の国であることなど考えるとキプロスやベリーズの住所はあまり信用出来るようには思われません。特にベリーズの住所 (No. 5, Cork Street, Belize City, Belize) については以前に見たような記憶があったので調べてみると過去に調べた複数のFX業者の連絡先住所としてしばしば登場していることが判明しました。 例えば2018年に本サイトの旧サイトでAXIORY (アキシオリー https://www.axiory.com/jp/) というサイトについての検証を書いた際に確認したアキシオリーの連絡先情報を以下に示します。

他にも既に閉鎖されているようですが、MXTrade (MXトレード http://www.mxtrade.com/) というサイトでも同じ住所を所在地としていたことが以前に書いた検証で確認されていますし、やはり以前に検証を書いたGeneTrade (ジーントレード https://www.genetrade.com/ja/) というサイトは現在でもこの住所を所在地としています。以下はジーントレードのサイトの脚注に示されている住所やライセンスの情報のキャプです。

さらにOrion Corporate & Trust Services (https://www.orionibc.com/) というオフショア会社が以前、この住所に存在していたことが確認されています。左下に示したのは2019年8月に取得したOrion Corporate & Trust Services の連絡先情報のキャプ画像です。Xトレードのベリーズの住所と一致する住所が確認出来ます。但しこのOrionというオフショア会社は現在は移転したようで、住所が変わっています。右下に示したのが2023年5月上旬現在のOrion Corporate & Trust Services の連絡先情報のキャプです。ベリーズ国内で新住所 (Suite 201, No. 8 Eve Street Belize City, Belize) に移転しているようです。

住所は変更になっても電話番号は501 223-6910 / 501-675-1107で変わっていません。この電話番号についてはまた後述します。とにかくXトレードやジーントレードの住所はこのオフショア会社を利用した架空住所の疑いが濃厚と考えられ、この住所にXトレードの事業実体が存在するとは思えません。

次に金融ライセンスについてです。サイトの脚注には金融ライセンスに関する以下のような記述があります。

>Xtrade International Ltdは(ex.Financial Arena Ltd)、35 New Road, 2nd floor flat, Belize Cityに位置するベイリーズの国際金融サービス委員会によって認可及びに規制されています。ライセンス番号は00281/194であり、規制下の元、金融サービスを提供しております。 またXtrade International Ltdの顧客トランザクション手続きは登録番号HE231803にてStasinou&Ag.Elenis 2、1060ニコシアに登録されているReituca MarketingLtdによって処理されています。

この日本語版の記述ではベリーズの国際金融サービス委員会 (Financial Services Commission, FSC) でライセンスを取得していると書いてあるようです。 さらに会社概要のサブページに記されていた住所 (No. 5, Cork Street, Belize City, Belize) とは異なるベリーズの住所 (35 New Road, 2nd floor flat, Belize City) が記されています。そこでベリーズのFSCのサイト (https://www.belizefsc.org.bz/) でXトレードのライセンス登録の確認を試みました。 すると確かに登録業者のリストの中に以下に示したXトレードの登録情報を見つけました。

>LICENSEE:XTRADE INTERNATIONAL LTD.

>ADDRESS:No. 35 New Road, 2nd Floor Flat, Belize City, Belize C.A.

>WEBSITE:http://www.xtrade.com

>EMAIL:financialaren5@gmail

>PHONE:501-223-6910

WEBSITEのURLアドレスも一致しており、確かにこれはXトレードの登録でしょう。住所はサイトの脚注に記されていたベリーズの2つ目の住所と一致しています。しかし問題なのは電話番号が「501-223-6910」となっていることです。この電話番号は上で示したOrion Corporate & Trust Services (https://www.orionibc.com/) というオフショア会社の2つの電話番号の1つに一致します。租税回避地であるベリーズでは金融ライセンスの審査がそれほど厳密に行われているとは思われませんし、やはりベリーズにXトレードの事業実体が存在するかどうかは極めて疑問と考えざるを得ません。

さらにライセンスに関する記述については日本語版と英語版でかなり内容が異なることに気が付きました。以下に示すのは英語版の記述です。

記述内容をまとめるとキプロス、オーストラリア、ベリーズ、南アフリカの4ヵ国でライセンスを取得しているとなっています。ベリーズについては日本語版に記されていたので残りのキプロス、オーストラリア、南アフリカの3ヵ国のライセンスの登録の確認を試みました。登録社名はそれぞれ以下のグループ会社名義となっています。登録社名と登録番号を以下にまとめます。

キプロスMerba Ltd (旧称:Xtrade Europe Ltd) /  License Number:108/10

オーストラリアXtrade Pty AU / License Number:343628

南アフリカPeak Wealth PTY Ltd / License Number:2013/007163/07

まずキプロスですが、キプロスの金融ライセンスを管理しているCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) のサイト (https://www.cysec.gov.cy/home/) で探すと確かに以下に示すMerba Ltd (旧称:Xtrade Europe Ltd) の登録情報が見つかってきました。

記載内容を整理して以下に書き出します。

登録社名: Merba Limited

住所: 140, Vasileos Konstantinou, Tofias Building 2, CY-3080 Limassol

登録番号: 108/10

登録日付: 2010年1月14日

会社登録番号: 248449

電話番号: +357 25 030 476

FAX番号: +357 25 333 067

メールアドレス: regulatory.compliance@xtrade.com

登録ドメイン: offersfx.com、www.8invest.com;

旧称: XTrade Europe Ltd,, XFR Financial Ltd, O.C.M Online Capital Markets Ltd

登録者名のMerba Limited、登録番号の108/10、旧称のXTrade Europe Ltd,はXトレードの英語サイトの記述に合致します。メールアドレスのドメイン名が「xtrade.com」となっていますからXトレードのライセンス情報のように見えるのですが、登録ドメインという項目が問題です。登録されている2つのドメインはいずれもXトレードのドメイン (xtrade.com) と合致しません。登録されているのは以下の2つのサイトのドメインです。

▼OffersFX (https://www.offersfx.com/)

▼8 invest (?) (https://www.8invest.com/)

1つ目のOffersFXというサイトは英語のみ対応で日本からの顧客は受け入れていないという告知が出てきます。2つ目の8 invest (?) というサイトは日本からのアクセスを拒否する設定になっているようです。とにかくXトレードのサイト (https://www.xtrade.com/ja/) がキプロスのCySECで金融ライセンスを得ているとは言えないということになります。

次はオーストラリアの Australian Securities and Investments Commission (ASIC) からXtrade Pty AUという法人名義でライセンスを取得しているという件です。まずオーストラリアの法人登録を検索できるABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトでXtrade Pty AUの登録を探すと以下に示した「XTRADE AU PRY LTD」の法人登録情報が見つかってきました。「Pty」と「AU」の並び順が逆ですがこれがXトレードのオーストラリアにおける法人登録でしょう。

登録の日付は2009年12月2日となっています。この法人登録の以下に示す「Historical details (履歴)」には気になる部分があります。

この法人の名称は2009年の法人登録の際には「WEBGINE AUSTRALIA PTY LTD」だったようです。その後、「UGM CAPITAL MARKETS PTY LIMITED」→「O.C.M. ONLINE CAPITAL MARKETS PTY LTD」と改称され、2016年4月29日付で現在の「XTRADE AU PRY LTD」に名称変更されています。4つ目の法人名ということになります。そしてこの法人登録からリンクされているASICの登録情報を見ると以下のようになっています。

どうやらオーストラリアで登録があることは確かなようで、オーストラリアのシドニーに何らかの拠点があるらしいことは分かります。しかしこの登録情報では詳しい住所とか電話番号といった情報が開示されていないので実際にXトレードの事業実体がオーストラリアに存在するかどうかは分かりません。また名称が似ているというだけでこれが本当にここで検証しているXトレードのグループ会社なのかどうかも判断出来ません。

最後は南アフリカの登録です。Xトレードの英語サイトの記述によればFinancial Sector Conduct Authority (FSCA) という組織で「Peak Wealth PTY Ltd」というグループ会社がライセンスを取得しているということになっているのでFSCAのサイト (https://www.fsca.co.za/Pages/Default.aspx) にある検索窓「Peak Wealth PTY Ltd」の登録を探してみると以下に示す登録情報が見つかりました。Xトレード英語版に記されていた「2013/007163/07」という登録番号が合致しています。

登録の日付は2013年10月8日、住所は以下のようになっています。

>THE BUSINESS EXCHANGE, WATERWAY HOUSE SOUTH, 1ST FLOOR, 3 DOCK ROAD, VICTORIA & ALFRED WATERFRONT, CAPE TOWN, 8001

この住所を調べてみると最初の「THE BUSINESS EXCHANGE (TBE)」というのがシェアオフィス / バーチャルオフィス業者であることが分かりました。以下にTHE BUSINESS EXCHANGE (TBE https://tbeafrica.com/) の脚注部分のキャプを示します。

上のキャプで「Our Offerings (提供するサービス)」という項目に「Private Office Space (プライベートオフィススペース)」「Coworking Space (コワーキングスペース)」の次に「Virtual Office (バーチャルオフィス)」という項目があります。そして「Locations」という項目に8つの拠点が挙げられていますが、赤枠で囲った5番目の拠点、「3 Dock Road, V&A Waterfront, Cape Town」という拠点の住所が「Peak Wealth PTY Ltd」の住所に一致します。バーチャルオフィス業者の住所が使われているとすればこの拠点に「Peak Wealth PTY Ltd」が実在するかどうかは疑問ですし、この「Peak Wealth PTY Ltd」についてもXトレードと全く異なる社名で対応すると思われる公式サイトさえ見つからず、本当にここで検証しているXトレードのグループ会社かが確認出来ません。

英語サイトに記されていた4つの金融ライセンス情報も調べてみるといずれも信用してよいのかどうか分からない部分がある、これで信頼出来る業者とは判断出来ないということにならざるを得ません。

さらにXトレードについて調べていて気が付いたのですが、海外のFX業者の口コミ情報サイトでの評価は非常に肯定的とは言い難いものになっているようです。例えば本サイトでしばしば引用しているForex Peace Army (FPA https://www.forexpeacearmy.com/) でXトレードが取り上げられており、28件のレビュー(口コミ)投稿が寄せられています。以下がそのXトレードのレビューの冒頭部です。

28件の投稿の評価平均は5点満点の1.35点という低評価になっています。

ここで特に注目したのは背景が黄色になっている部分です。日本語訳すると以下のようになります。

2021年7~12月にXトレードのオフィスから投稿されたものも含めて偽の、あるいは非常に疑わしい高評価レビューが多数投稿された。

2019年1~4月に偽の、あるいは非常に疑わしい高評価レビューが多数投稿された。

つまり自作自演で高評価のレビューが投稿され、評価を上げようとしていた可能性が高いようです。例えば2021年8月に投稿された以下のレビューです。

UAE (アラブ首長国連邦)のNabeelと名乗る投稿者からの5つ星評価のレビューですが、FPA側がこの投稿はUAEではなく、イスラエルのXトレードの代表者が使っている場所から投稿されていると認定して5つ星を取り消し、無星扱いにしています。さらに15件の1つ星レビューが投稿されていますが、それらの投稿を読むとScam (詐欺) である、出金出来ない、別の業者を使うべきといったことが書かれていて非常に危険としか思われません。

さらにWikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) という口コミ情報サイトには台湾などから20件以上の被害報告が出ています。出金出来ないという被害報告が多いようです。

Xトレードの情報開示は著しく不充分、不適切です。ベリーズ、キプロス、イギリスの電話番号などが連絡先情報として出てきますが、結局事業実体が何処にあるのかさえ分かりません。金融ライセンスも果たしてXトレードの金融ライセンスと言えるものなのかなど疑問が多いです。そして海外の口コミ情報サイトでは少なからず出金出来ないといった被害報告が出ていることを考えればXトレードでの取引は到底推奨出来ないと結論せざるを得ません。


※付記

2024年3月22日付で関東財務局からXトレードについて無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。


●GBT International Limited (GBTインターナショナルリミテッド https://gbt-int.com/)

Yahoo知恵袋に出てきた質問から見つけてきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。

2023年3月19日投稿

まず最初の投稿では副業情報でよく見るサイトとしてGBTインターナショナルリミテッド (https://gbt-int.com/) というサイトに関しての質問になっています。以下にそのサイトの冒頭部を示します。

このサイトは全て日本語で書かれています。そしてGBTインターナショナルリミテッドについて以下に示したような特長とか金融ライセンスの情報に関する簡単な記述があります。

このサイトの脚注には以下のような記述があります。

このサイトはGBT運営ではなく、「正規取次ページ」であるとなっています。要するに日本人を対象にアフィリエイト報酬目当てで勧誘することが目的のサイトということでしょう。ちなみに日本で金融ライセンスを取得していない無登録の違法業者での取引を勧誘することにも法的な問題があるはずです。

そして以下のような口座開設のリンクが用意されています。

ここに見える「ライブ口座を開く」というリンクボタンのリンク先アドレスは以下のようになっています。

https://gbt-int.com/code/●●●●●●

アフィリエイターのIDと思われる部分は伏字にしてあります。このURLアドレスがここで勧誘しているGBTインターナショナルリミテッドのサイトのアドレスということになります。

さらに上で引用したYahoo知恵袋に出てきた2件目の質問投稿では「Crown Invest」という業者からFXのプロトレーダーが資産運用を代行するサービスを1年間無料でしてくれる、月に10~15%は増やすことが出来るという営業電話があったということで運用先となるFX業者がおそらく『GBT International Limited』であるということのようです。そこでまず「Crown Invest」を検索して調べてみることにしました。以下が検索して見つかってきたCrown Invest (クラウンインベスト https://crowninvest.site/) のサイト冒頭部のキャプ画像です。

そしてこのサイトでは以下に示すように「自動トレード資産運用システム」を提供しているようです。

システムの名称は「LIFE GUARDS」となっており、メニューバーの「Service」という項目のリンク先によれば以下に示したように平均月利11%、利益実績249% (複利運用) となっています。

さらにトップページには「News」という項目があって以下のような記述があります。

>2022年4月

>自動売買システム「LIFE GUARDS(ライフガーズ)」のリニューアルしました。

少なくとも2022年4月以前から「LIFE GUARDS(ライフガーズ)」が提供されているということでしょう。しかしこれらの記述が信頼できるかどうか疑問があります。以下このクラウンインベストのサイトのWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が2023年4月5日であることが示されています。2022年4月より以前に「LIFE GUARDS(ライフガーズ)」が提供されているされているはずなのにサイトの開設日が2023年4月であるというのは矛盾しているとしか思えません。またこの検証は2023年5月下旬に書いているのですが、クラウンインベストのサイトが開設されてから1ヵ月半ほどしか経過していないことになります。それなのに平均月利11%、利益実績249% (複利運用) といった実績が示されているとなれば本当にそれだけの実績があるのか疑わざるを得ません。

また「LIFE GUARDS(ライフガーズ)」の利用に関してどれだけの費用が掛かるのか言及が見当たりませんが、最初に引用したYahoo知恵袋の投稿によれば

>FXのプロトレーダーが資産運用を代行するサービスを1年間無料でしてくれる

という勧誘を受けたようですからいずれは費用が発生するということでしょう。以下に示した「特定商取引法に基づく表記」を見ると

>販売価格 購入手続きの際に画面に表示されます。消費税は内税として表示しております。

と書かれていますから自動売買システムを有料で提供しているのは確実です。有料で自動売買システムを提供するなら金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必須のはずですが、クラウンインベストのサイトには金融商品取引業者の登録番号が見当たりませんし、金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者のリストにクラウンインベストと思われる登録は見当たりません。クラウンインベストは無登録の違法な業者としか思われません。また上に示した「特定商取引法に基づく表記」に示されている連絡先情報は以下のようになっています。

>事業名 LLC CROWN INVEST

>代表者 三橋 浩司

>所在地 東京都港区赤坂1丁目11番44号赤坂インターシティ

>お問い合わせ先

>03-6914-0857

>こちら(customer@crowninvest.info)からお問い合わせください。

>※弊社電話番号はお客様からのご要望に基づき遅滞なく電子メールにて通知いたします。弊社電話番号が必要なお客様は上記フォームよりお申し出ください。

まず住所の赤坂インターシティですが不動産会社の公式サイトによれば地上29階、地下3階という高層ビルです。住所に階数とか部屋番号が示されていないことに違和感があります。また法人登録を探してみるとそれらしき法人登録が3件見つかりました。

合同会社クラウンインベストメント (法人番号 4010403020945)

株式会社クラウンホールディングス (法人番号 5010401146386)

合同会社クラウンホールディングス (法人番号 7010403020934)

名称が最も似ているのは最初の法人登録かと思われます。そして以下が最初の法人登録の情報です。

この法人登録の日付は令和元年 (2019年) 6月24日で上のキャプに見えるように令和2年 (2020年) 6月1日付で登記記録の閉鎖など (清算の決了等) となっています。さらに名称の似た法人登録が他にも2件あることを書きましたが、それら2件の法人も令和元年 (2019年) 6月24日で登録され、令和2年6月1日付で登記記録の閉鎖など (清算の決了等) となっています。つまりこれら3件の法人は既に廃止されています。金融ライセンスを保有していないだけでなく、法人登録さえ確認出来ないというのは論外でしょう。

そして前置きが長くなりましたがここからようやく表題のGBTインターナショナルリミテッドのサイトの検証です。まず以下がサイト冒頭のキャプ画像です。

表示言語は英語のみです。そしてこのサイトの記述には違和感を感じる部分があります。例えば以下はサブページにあるFX取引に関する記述です。

気になる部分を以下に書き出します。さらにこの文章の日本語訳も示します。

>GBT international ltd provides clients with access to the major forex markets (New York, London and Tokyo) where almost all currency pairs are traded, and unlike the stock market, trading is available 24 hours a day, 7 days a week.

>GBT international ltd は、ほぼすべての通貨ペアが取引される主要外国為替市場 (ニューヨーク、ロンドン、東京) へのアクセスを顧客に提供します。株式市場とは異なり、1 日 24 時間、週7日無休で取引できます。


世界の為替市場は週末は休場のはずです。 1 日 24 時間、週7日取引できるというのはどういうことなのか理解不能です。この文章は為替取引について詳しくない人物が書いているとしか思われません。さらに以下は取引条件のまとめです。

最低入金額:50ドル

通貨ペア:70種類以上

レバレッジ:1000倍

基準通貨:米ドル

などの条件が記されていますが、情報不足です。通貨ペア:70種類以上となっていても具体的に取引出来る通貨ペアの一覧が見当たりません。通貨ペア毎のスプレッドやスワップ金利といった開示されているべき情報が見当たりません。またリアルタイムの相場情報とかチャートといったものも見当たりません。本当にFX取引が行われているのかさえ疑問です。また関連してこのGBTインターナショナルリミテッドのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下に示したように1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が検出限界以下です。非常にアクセスの少ないサイトということになります。

アクセスが多ければ信頼できるとは言えませんが、これだけアクセスの少ないサイトを信頼する気にもなりません。

次に連絡先情報です。「Company Info (会社情報)」のサブページにある連絡先情報は以下のようになっています。

英領バージン諸島の本社と南アフリカの法人の2つの住所が記されていますが電話番号はありません。メールアドレスは2つの拠点で共通です。

▼head office (本社)

Company Name: GBT international ltd

Address: Office No.203 Exchange Business Center, 2nd Floor Commerce House Road Town Tortola British Virgin Island

Contact: info@gbt-int.com

▼South Africa (南アフリカ法人)

Company Name: GBT international trade ltd

Address: 49 Glenhove Road Rosebank Johannesburg Gauteng 2196

Contact: info@gbt-int.com


まず英領バージン諸島の住所ですが、これは以下に示したOffice Exchange Business Center (https://www.officexbvi.com/) というシェアオフィス業者の住所と思われます。

英領バージン諸島はペーパーカンパニーが容易に設立出来る租税回避地の代表的な地域ですからこの住所にGBTインターナショナルリミテッドの本社が実在しているかどうかは非常に疑問です。

またもう1つの南アフリカの住所 (49 Glenhove Road Rosebank Johannesburg Gauteng 2196) ですが検索すると以下に示したTick Birds Business Solutions (https://tickbirdsaccountants.co.za/) という会計事務所の住所に一致するようです。

この住所もこの会計事務所を利用した名目だけの住所という疑いが濃いと判断せざるを得ません。

さらに例によってGBTインターナショナルリミテッドのサイトのWho Is 情報も確認しました。以下にキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2022年4月9日です。そして赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報をまとめると以下のようになります。

登録者名: GBT GBT INTERNATIONAL LIMITED

登録者所属機関名: GBT INTERNATIONAL LIMITED

所在地: P.O.BOX 116, Blackburne Highway, P.O. Box 116, Sea Meadow House, Road Town, Tortola, British Virgin Islands

電話番号: +2844002536

住所が書いてありますが、これはサイトに記されていた本社の住所 (Office No.203 Exchange Business Center, 2nd Floor Commerce House, Road Town Tortola British Virgin Island) と同じ英領バージン諸島の住所であっても異なる住所のようです。そしてこの住所を検索すると似たような住所を使っているオフショア会社が複数あるのではないかと思われるのですが例えばBritish Virgin Islands Financial Services Commission (https://www.bvifsc.vg/) のサイトで見つけたICS Corporate Services (BVI) Limited というオフショア会社の住所と一致しているようです。

この住所も信頼出来る住所とは思えません。

また「Company Info (会社情報)」のサブページは"BVI Financial Services Commission (FSC)" から金融ライセンスを取得しているといったような記述があって以下に示したような証明書の画像が添付されているのですが、画像を拡大してよく見るとこれは金融ライセンスと呼べるようなものではなく、法人登録的なものと思われます。

この証明書の発行元も"BVI Financial Services Commission (FSC)"ではなく、「The REGISTRAR of CORPORATION AFFAIRS, of the British Virgin Islands (イギリス領ヴァージン諸島の法人登記所)」となっています。

総合的に判断してGBTインターナショナルリミテッドは到底信頼出来るFX業者とは思えません。GBTインターナショナルリミテッドおよびGBTインターナショナルリミテッドを資金運用先として指定するような投資顧問業者との取引は避けるべきと結論します。