雑記2

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

●LINEのグループ (オープンチャット) を利用した投資詐欺の勧誘について

[同様にLINEのグループ (オープンチャット) を利用した勧誘で仮想通貨取引所に誘導されるという事例が複数見つかってきました。姉妹サイトの「雑記2」にまとめを書いたので内容がかなり重複しますが、そちらも参照してください。]

尚、以下で説明するLINEグループ (オープンチャット) に加入してしまった、存在に気が付いた場合には以下を参考にLINEの運営に通報することを推奨します。

投資に勧誘された...それ、詐欺です!

著名人や投資家を装った投資アドバイス詐欺にご注意ください


「検証13」の冒頭でも少し触れているのですが、非常に被害者が多い中国系ではないかと思われる海外の詐欺グループによる詐欺の勧誘手段としてLINEの投資関係グループ (オープンチャット) が利用されるケースが増えています。これまではマッチングサイトやSNSで勧誘役が標的となる人に個別で接触してきて勧誘が始まるという勧誘役と標的が1対1の関係で勧誘が行われていたのに対し、LINEのグループを介した勧誘では標的となる人が複数グループに招待され、まとめて勧誘を受けるということになって勧誘する側からすれば効率化が図られたということになると思います。さらに当初は実際に利益が得られる投資先を紹介したり、場合によっては書籍やギフト券が配布されて参加者を信頼させるという手法がさらに高度化している様子も伺えます。また勧誘の場となるLINEグループではサクラ役からの発言をボットで自動運用しているような効率化も進んでいるような気配があります。以前はいわば一本釣り的な勧誘だったのにLINEのグループを利用した勧誘では多くの人をまとめて一網打尽にしてしまう勧誘が行われるようになったということでますます被害者が増加している可能性があるように思われます。

さらに当初は一方的に不特定多数の人をLINEグループに招待するというやり方だったようですが、SNSに出てくる広告からLINEのグループに誘導されるというやり方になってきたようで、SNSに出てくる広告にはしばしば有名人、特に投資関係の有名人の名前が無断で利用されているという報告が出ています。例えば以下はYahoo知恵袋に出てきた質問投稿ですが元・将棋棋士で株式投資でも有名な桐谷広人氏の名前を使ったSNSの広告からLINEのグループに誘導されたようです。

2023年9月11日投稿

この質問に出てきた桐谷氏の名前を使ったネット広告 (https://xmks1.com/JP3/) のキャプ画像を以下に示します。

この文章には日本語として不自然な部分があるように思われます。例えば

>1984年、東京証券協会の将棋部でコーチをしていたときに出会ったカブだった。

とありますが「株」をカタカナで「カブ」と表記する日本人は少ないように思います。

>1997年にフリークラスに陥落し、それ以来10年間は回復していない、2007年3月に引退した。

という文章にも違和感を感じます。さらにこの広告の末尾にはレビューという欄があります。多数の絶賛投稿が並んでいますが一部を引用します。

投稿の日付と思われる部分が例えば「2階  昨天 09:26」となっていますが、意味が分かりません。調べてみると「昨天」というのは中国語で「昨日」を意味するようです。これは中国系の組織が用意した広告ではないかと思われます。

さらにこの広告の末尾には広告主に関する記述があります。

>会社法人等番号 商号 社株式会社シルバータイムズ 本店 横浜市中区山下町162番地

この「シルバータイムズ」について調べてみましたがまず国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/index.html) で検索してみると 横浜市にあるシルバータイムズという法人登録が見つかりませんが現在は岐阜県に転居したシルバータイムズ社の法人登録 (法人番号:9020001138119) の法人登録が見つかりました。この法人登録によればシルバータイムズ社は令和2年10月12日に法人登録されており、当初の住所は「神奈川県横浜市中区山下町162番地」でしたが、令和2年10月16日付で「岐阜県岐阜市高森町6丁目22番地1」に転居し、さらにわずか20日ほどしか経過していない令和2年11月4日付で現在の「岐阜県岐阜市花園町16番地」に転居しています。

そしてシルバータイムズを検索して気が付きましたが、上に示した桐谷氏の名前を使った広告と同様の広告が他にも確認されました。幾つか引用します。

▼日本株の神様・桐谷はの株取引法 (https://dusvx.com/)

▼日本株の神様・村上世彰の株取引法 (https://www.arhfwuile.com/)

▼日本株の神様・松田吉彦の株取引法 (https://www.olovv.xyz/)

▼短期運用のコア戦略:個別銘柄のモメンタムをどう把握するか? (https://iuiyo.xyz/)

▼日本株の神様・片山晃の株取引法 (http://www.vuys3.xyz/)

▼日本株の神様・片山晃の株取引法 (https://www.endp001.com/)

▼Fortune Moon (https://qoqoe.xyz/) [小手川隆名義]

ここまでに示した怪しげな広告は全て「シルバータイムズ」名義で出稿されていて桐谷広人氏の他にも村上世彰氏、個人投資家のテスタ氏、片山晃氏、小手川隆氏などが登場していますが本人が関与したものとは全く思えません。

「シルバータイムズ」という広告主は登場してきませんが、以下に示した同様の勧誘目的と思われる広告でもLINEへの登録リンクが並んでおり、何の関係があるというのか説明もありませんが村上世彰氏と池上彰氏の画像が使われています。ページのタイトルが「首页 」という中国語の簡体字を含むものになっていて中国系のグループによるものと考えられます。

▼首页 (https://sites.google.com/view/cunshang/

さらに2024年1月、Googleで検索結果の中に出てくる広告として以下の画像に示した広告に気が付きました。

堀江貴文氏が株式投資顧問みたいなことをやるとは思えませんし、さらによく見ると途中にでてくる「财富」の部分が日本語として違和感があるだけでなく、おそらく中国語の簡体字で書かれているということに気が付きました。「财富」と「財富」は同じフォントを使っても明らかに異なる活字です。広告主は中国系の可能性が高いです。そしてこの広告をクリックして出てきたサイト (https://rbotpm.com/) の冒頭部を以下に示します。

現在よりもかなり若く見える堀江氏とテレビ東京の経済番組に出演している大和証券の木野内栄治氏の画像や名前が使われた広告になっていてLINEへの登録を勧誘しています。広告主はSTONE株式会社となっていて上で示した一連の広告の広告主である「株式会社シルバータイムズ」とは異なっていますが、この広告には上で示した一連の広告と明らかに酷似している部分があり、同じグループによる広告と思われます。最も明らかなのは広告の末尾に出てくる「レビュー」という部分です。まず上に示した堀江&木野内両氏の広告でレビューの冒頭部を以下に示します。

さらに本ページの最初に引用した桐谷広人氏の画像を使った広告の末尾のレビューを比較の為に以下に再掲します。

2件目の投稿(?)の回答者が「堀江 貴文/木野内栄治」になっているか、「桐谷さん」になっているかの違いしかありません。中国語で「昨日」を意味する「昨天」という単語が使われている点も同じでやはりこれは中国系の組織が用意した広告ではないかと思われます。新たな広告主の「STONE株式会社」と以前の広告の「株式会社シルバータイムズ」は同じグループでしょう。そして新たな広告主の「STONE株式会社」の情報は以下のようになっています。

この広告主の情報も以下に再掲した「株式会社シルバータイムズ」の広告主情報と酷似しています。

そしてSTONE株式会社の情報として住所のみ記されています。

>会社法人等番号 商号 STONE株式会社 本店 東京都港区高輪二丁目14-18

電話番号はありません。またこの住所には高輪神社という神社グレイス高輪という11階建てのマンションがあるようです。神社の中に会社があるとは思えませんが11階建てのマンションなら階数や部屋番号が記されていない不完全な住所ということになると思われます。そこでさらに情報を求めて法人登録を探してみると確かに住所や社名が一致するSTONE株式会社 (法人番号:8020001129804) の法人登録が見つかってきました。この法人は平成31年2月5日にGCB (ジーシービー) 株式会社として法人登録され令和4年3月14日に法人名を現在のSTONE株式会社に変更しています。またほぼ同時期の令和4年3月16日に「神奈川県横浜市中区山下町162番」から現在の住所である東京都港区高輪二丁目14-18に転居しています。転居前の「神奈川県横浜市中区山下町162番」という住所は以前の広告の「株式会社シルバータイムズ」の住所と全く同じです。但しシルバータイムズは上で説明したように法人登録上は現在は岐阜県に転居していることになっています。

そして「株式会社シルバータイムズ」を検索して多数の怪しい広告が見つかったのと同じで「STONE株式会社」についても検索してみると多数の怪しい広告が見つかりました。幾つか引用します。

▼株主優待投資家「木野内 栄治」の株取引法 (https://asfkghake.com/)

▼株主優待投資家「村上 世彰」の株取引法 (https://www.dqdqv.xyz/)

▼株主優待投資家「馬渕 磨理子」の株取引法 (https://eivrj.com/)

▼株主優待投資家「先生」の株取引法 (https://www.nyhwpo.com/)

以下の広告には有名人の名前や画像は出てきませんが、広告主はSTONE株式会社です。

▼AI駆動の株式推奨の力を解放しよう!! (https://www.ygofy.xyz/)

こうしたSTONE株式会社による似たような広告は数十の単位で存在が確認されます。

そしてこうした怪しげな広告への誘導がどのように行われているのか分からなかったのですが、J-CASTニュースというニュースサイト (https://www.j-cast.com/) でこの手の詐欺に関する以下の記事を見ていて広告に気が付きました。

老後資金根こそぎ奪う「FX取引」詐欺が急増 人生経験豊富シニアを騙す「LINEチャット」の手口 (2024年2月1日 J-CASTニュース)

この記事自体はまさにここで説明しているような手口の詐欺に関する記事なのですが、皮肉なことに詐欺に関する記事の広告としてまさに同じ詐欺グループによる勧誘広告が出ているという状況です。実際にこの記事と一緒に表示されていた広告の画像を以下に示します (画像だけなのでリンクにはなっていません。)。

そしてこのネット広告をクリックして表示されたのが以下の広告のサイトです。

▼株主優待投資家「木野内栄治/森永卓郎」の株投資法 (https://pokmn6.com/)

まさに上で例示してきた中国系と思われる詐欺グループによる広告と酷似しています。またこの広告の出稿主も上で引用した広告の幾つかと同じ「STONE株式会社」となっています。

さらに出稿主が「JBondイースト短期証券」となっている同様の広告サイトも確認しました。

株主優待投資家「木野内栄治さん」の株取引法 (https://9y3hy.com/)

この広告サイトの末尾に記されている「JBondイースト短期証券」の連絡先は以下のようになっています。

>会社法人等番号 商号 JBondイースト短期証券株式会社 本店 東京都中央区日本橋室町4-4-10東短室町ビル9階

この住所にはジェイボンド東短証券 (https://www.jbond.co.jp/) という似た名称の債券取引の会社が実在するようですが、おそらく無関係でしょう。

さらに以下もGoogle検索の結果の間に出てきた広告の一例です。

この広告のリンク先 (https://ymenh.xyz/) のサイトの冒頭部を以下に示します。

この広告サイトの出稿者はSTONE株式会社となっており、堀江貴文氏と大和証券の木野内栄治氏が並んでいる画像が使われています。

さらに以下も同様のGoogleの検索結果に出てきた広告の一例です。

このGoogle広告のリンク先 (https://pkcib.xyz/) サイトの冒頭部を以下に示します。 

この広告の出稿主は何とマネックス証券になっており、堀江貴文氏と経済評論家の森永卓郎氏が並んでいる画像が使われています。以下にこの詐欺広告サイトの末尾に示されている出稿主情報を示します。

ここに示されている東京都港区赤坂1-12-32という住所は確かにマネックス証券の住所と一致しますが、この広告サイトの出稿主がマネックス証券であるとは到底思えません。マネックス証券ならマネックス証券以外での投資を勧めたりするはずがありません。

さらに以下もGoogleの検索結果に出てきた広告です。

この広告のリンク先のサイト (https://oupvc.co/) もマネックス証券が出稿したことになっている広告サイトになっており、堀江貴文氏に加えてみずほ証券社長の浜本吉郎氏が登場しています。

さらにこの広告サイト (https://oupvc.co/) を次の日に再訪してみたところ画像だけ浜本氏から池上彰氏に入れ替わっていました。 

文章の方は

>堀江貴文さん浜本 吉郎のLINEを無料で追加して明日の優良株を受け取ろう

となっていて浜本氏の名前が使われているのに画像は池上彰氏になっているのですから違和感しか感じません。

以下も同様にGoogleの検索結果の中に出てきた広告です。

この広告のリンク先になっている広告サイト (https://3zicl.com/) の冒頭を以下に示します。

この広告サイトでは堀江貴文氏+桐谷広人氏の画像が使われています。そしてこの広告サイトの出稿主は株式会社カイザーとなっています。広告サイトの末尾には株式会社カイザーのものと思われる住所が記されています。

>東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー18階

という住所を検索してみると以下のSERVCORPというレンタルオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致します。

この株式会社カイザーの住所は架空住所の疑いが濃厚です。株式会社カイザーの法人登録を見ると令和元年10月17日に福岡県福岡市南区で設立された法人となっています。ここでは深堀りしませんが、この株式会社カイザーについて検索してみると他にも詐欺の疑いが濃い投資顧問の宣伝、販売などに関わっているようで評判がよくないようです。

以下もGoogleの検索結果の中に出てきた広告サイト (https://cnbpjy.com/) の冒頭部です。堀江貴文氏とSBIホールディングス会長の北尾吉孝氏が登場しています。

この広告からLINE登録するといずれ特定の投資先を勧められるLINEグループに加入することになってしまうのでしょうけれどもSBIホールディングスの会長がSBI系列以外での投資を勧めることは有り得ないはずです。出稿主はSTONE株式会社です。

そしてここまで示してきた堀江貴文氏に加えて木野内栄治氏、森永卓郎氏、浜本吉郎氏、池上彰氏、桐谷広人氏、北尾吉孝氏のいずれかが並んでいる画像の堀江氏の画像は同じもののようです。画像部分のみ切り出して並べてみます。まず左下が堀江氏+木野内氏版、右下が堀江氏+森永氏版の画像です。

さらに左下が堀江氏+浜本氏、右下が堀江氏+池上氏の画像です。

さらに堀江氏+桐谷氏および堀江氏+北尾義孝氏の画像です。

これら6枚の画像の内、少なくとも5枚は堀江氏+背景の画像に右側の人物の画像を合成した画像でしょう。よく見ると右側の6人の人物の中で池上氏以外の5人のネクタイや前で組んだ手の形などが同じです。どうやら池上氏以外は首の部分だけ入れ替えているようです。おそらく木野内氏の画像の首の部分だけ入れ替えて森永氏、浜本氏、桐谷氏、北尾氏のバージョンを作っているものと思われ、素人でも光の当たり方とか色調、サイズ感などに不自然さを感じる部分があります。まともな会社が素人でも合成と分かるような画像を広告に使う訳がありません。

同様に以下もGoogleの検索結果の間に出てきた広告です。

このGoogle広告のリンク先 (https://zyrv61.com/) についても冒頭部を示します。

この広告サイトでも北尾吉孝氏の名前と画像が使われており、やはりLINEへのリンクが用意されています。出稿主はSTONE株式会社となっています。

以下も同様にGoogleの検索結果の間に出てきた広告です。

この広告のリンク先 (https://n1nbb.com/) のサイト冒頭部を以下に示します。北尾吉孝氏と池上彰氏の名前や画像が使われています。

この広告サイトの出稿主は

>PR:株式会社オービー

しかしこの広告サイトの末尾には「株式階差はオービー」ではなく、以下に示す「株式会社カイザー本店」という社名と住所が記されています。

この株式会社カイザーという社名と東京都渋谷区恵比寿の住所は既に上で示した同様の広告の出稿主として登場している社名と住所の組み合わせと同じです。本来は「株式会社オービー」という社名とその住所に置き換えるべきところを忘れてしまったものと思われます。

さらに出稿主の情報が全く見当たらない同様の広告サイトも見つかります。例えば以下のようなサイトです。

▼※クリックして「池上彰」を追加すると無料で参加できます (https://freshtle.buzz/)

▼AIインテリジェント銘柄選択システムが銘柄を推奨 (https://www.boodcow.com/)

▼株価分析クラスは毎晩21:00からオンラインで始まります (https://www.xxjfhfiii.com/)

▼Top Investment Club (https://mahwh.fun/

この広告でもSBIホールディングスの代表取締役である北尾吉孝氏の名前や画像が使われています。

さらに以下は慶應義塾大学大学院教授の岸博幸氏の名前や画像を盗用したと思われる広告です。

▼※クリックして「岸博幸投資教室」を追加すると無料で参加できます (https://nicolstand.site/)

この広告にも出稿主の記載がありません。岸博幸氏の名前や画像を盗用した広告が勧誘に利用されていた例として「検証73」で検証したスマートグローバルという詐欺サイトの事例があります。北海道のテレビ局の記者が実際にグループに加入してみた潜入取材の報告もありますから参照してください。

さらに以下はYahoo知恵袋に出てきた質問で家族が怪しげな広告からLINEのグループに参加しているが詐欺ではないかということでリンクが示されていた広告サイトです。

武治コミュニティ (https://jpunasdr.top/)

この堤武治と称する人物の紹介として投資グループを立ち上げ、受託資産規模は700億円超といった実績が紹介されています。しかしこの人物の画像を画像検索に掛けると金沢でのイベントを紹介するIMAGINE KANAZAWA 2030 というサイト (https://kanazawa-sdgs.jp/) で北陸グリーンボンド株式会社・代表取締役の澤田浩士氏として紹介されている人物の画像と一致することが判明しました。

株式会社地方グリーンプロジェクト支援研究所 (旧社名:北陸グリーンボンド株式会社) のサイト (https://www.lgp-lab.jp/) には代表取締役・澤田浩士氏の紹介があり、この人物がやはり澤田氏であることが確認出来ます。投資グループを率いている堤武治という人物は無関係の人の画像を盗用してでっち上げた架空の人物としか思われません。

またこれらの広告では大和証券の社員である木野内栄治、アクティビスト投資家として知られる村上世彰氏、経済アナリストの馬渕磨理子氏、ジャーナリストの池上彰氏といった人たちがしばしば「株主優待投資家」として紹介されてますが非常に違和感があります。おそらくは元棋士で実際に「株主優待投資家」として紹介されることが多い桐谷広人氏の名前を使った詐欺勧誘の広告をテンプレートとして利用し、名前と画像だけ入れ替えてこうした広告を量産しているからこういうおかしな内容の広告が多数存在しているのだと思われます。

また木野内栄治氏は大和証券の社員です。大和証券の社員である木野内氏が大和証券以外での投資を勧めたら勤務先に対する背信行為でしょう。また大和証券のサイトで以下に示した警告が出ていました。

大和証券・大和ネクスト銀行等を騙る不審なメッセージ・電話等が確認されていますのでご注意ください (大和証券)

木野内氏など大和証券社員の名前を騙り、X (旧Twitter)やLINEのオープンチャット等において、個別銘柄推奨や投資勉強会が行われているという情報があるが、関与していないと明言しています。

また同様に北尾吉孝氏が所属するSBIホールディングスのサイトで以下のような警告が出ています。

>とくに弊社代表の北尾吉孝を装った偽アカウントや偽広告を複数確認しており、十分にご注意くださいますようお願い申し上げます。

さらに例えば馬渕磨理子氏の名前や画像を使った広告の事例を示しましたが、馬渕氏は自らのYoutubeチャンネルで馬渕氏本人が主宰するLINEのグループは存在しない、ダイレクトメールも送っていない、それらは全て詐欺であると注意喚起を呼び掛けています。

【注意喚起】それは全て詐欺です!投資を始める人は必ず見て下さい。 (馬渕磨理子の株式チャンネル)

そしてこうしたLINEグループに誘導する詐欺広告がTBSのニュース番組で取り上げられました。

有名人を騙るSNS投資詐欺 直撃!ニセ広告の業者が香港に…プラットフォーム側の規制しないと「2024年に日本人の資産奪われる」【news23】 (2024年3月28日 TBS NEW DIG)

Googleの検索結果の間に出てくる詐欺広告について広告主の情報を調べてみたところ広告主15社の内、12社が香港、2社がアメリカ、残りの1社がインドの会社であるという結果になったので香港に行って広告主となっている企業を探してみたところ、殆どの場合は「秘書の会社」、日本のバーチャルオフィスのような機能を持つ会社であることが判明したようです。あるいは「仲介会社」という他社の依頼を代行して行うような会社だったようですが、依頼主については情報開示を拒否されたようです。詐欺グループが隠れ蓑としてこうした「秘書の会社」とか「仲介会社」を使っているということでしょう。

そこでこの調査報道で調べられていたGoogleの広告の広告主情報を独自に調べてみました。例えば以下の広告です。

「堀江貴文」ならぬ「崛江 贵文」の株取引法となっています。「崛」とか「贵」という漢字は日本語の漢字ではないでしょう。そしてこの広告のリンク先の広告サイト (https://ksnuqu.shop/) の冒頭部を以下に示します。

上で示したURLアドレスが異なる別の広告サイト (https://cnbpjy.com/) で使われていた堀江貴文氏とSBIホールディングス会長の北尾吉孝氏のおそらく合成と思われる画像が使われています。そしてGoogle広告の出稿者情報を見ると以下のようになっています。

>広告主の身元確認が完了していません

>広告主 HUNTMOBI HOLDINGS LIMITED

>立地 香港

最初に「広告主の身元確認が完了していません」とあります。Googleは身元確認していなくても広告の掲載を受け付ける方針のようです。そして身元確認出来てない広告主は「HUNTMOBI HOLDINGS LIMITED」という香港の会社になっています。この会社について検索してみましたが、公式サイトは見当たらず、法人登録情報だけ見つかってきました。

2017年11月24日に設立された法人であることと法人登録上の住所だけ判明しました。

>4-6/F, LEE GARDEN 3, 1 SUNNING ROAD, CAUSEWAY BAY, HONG KONG

この住所を検索してみると以下に示したRegusというシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致するようです。以下の画像、青枠で囲った部分に記されている住所が「HUNTMOBI HOLDINGS LIMITED」の法人登録上の住所と一致しています。

これは架空住所の疑いが濃厚です。

同様に計30個の同じグループによるGoogle広告について広告主を調べてみました。

広告主会社名 所在地

HUNTMOBI HOLDINGS LIMITED 香港

Iplayable Limited 香港

太原纺垦基网络科技有限公司 中国

Yojoy Network Technology Co., Limited 香港

SOCIO PTE. LTD. シンガポール

PAPAYA GROUP Co., Limited 香港

HongKong Luckstar Technology Co., Ltd. 香港

BRACKEN MEDIA SOLUTIONS LIMITED ナイジェリア

安庆星之光农业科技有限公司 中国

例えば「HUNTMOBI HOLDINGS LIMITED」は30件の広告の内、8件で広告主となっているなど複数の広告を出稿している場合が多く、30件の広告を出稿しているのは上に示した9つの会社であることが分かりました。9社の内、5社は香港、2社が中国、シンガポールとナイジェリアに1社ずつということになります。これら9社の内、以下の3社については公式サイトと思われるサイトが見つかってきました。

Iplayable Limited (https://www.inplayable.com/home)

Yojoy Network Technology Co., Limited (https://www.yojoynet.com/indexEN.html)

PAPAYA GROUP Co., Limited (https://www.papayamobile.com/en/)

いずれもネット広告を扱う企業のようです。

テレビで報道されたこともあって少なくともGoogleでこの手の詐欺広告は幾分減ったような気がしますが、Google、METAなどプラットフォーム企業には今後、こうした詐欺広告が掲載されないように努力をお願いしたいところです。

そして実際にこうした広告からLINEのグループに誘導され、詐欺に遭ったという記事も多数出ています。

“桐谷さんなりすまし”きっかけに…嘘の投資話で女性が930万円詐欺被害 アシスタント名乗る者とやり取り (2023年9月7日 東海テレビ/Yahooニュース)

一方、桐谷広人氏から以下のような警告が出てきました。

2023年9月15日付 X (旧Twitter) 投稿

本人が所持していないという運転免許証の画像が出回っているという恐ろしい事態になっているようです。またこの運転免許証にはおかしな点があることが指摘されているようです。例えば交付の日付が平成30年 (2018年) 12月14日になっていますが、有効期限が2023年 (令和05年) 11月16日となっています。「令和」という新しい元号が発表されたのは調べてみると平成31年 (2019年4月1日)ですから平成30年 (2018年) 12月14日に免許証が交付された時点では「令和」という新元号は定まっていないはずです。確実に偽造された画像です。この件は記事にもなっています。

桐谷広人さん なりすましに怒り「私の名前や写真を使って投資詐欺を働いてる」偽の免許証まで…巧妙手口に (スポニチ 2023年9月15日)

投資家の片山晃氏からも以下のようなSNS投稿で注意が呼びかけられています。

2023年7月31日投稿

以下は経済ジャーナリストの荻原博子氏が確認した荻原氏の名前や画像が詐欺勧誘に使われている事例に関する記事です。

「私がなぜ?」投資反対の荻原博子氏が投資広告に顔写真 多発するSNS広告のなりすまし被害 (AERA dot)

こうしたLINEグループへの加入を呼びかけるネット広告を見ても決してクリックしたりしないことを強く推奨します。


それからこうしたLINEのグループで勧誘される投資対象についても多様化が図られているようで、本サイトで扱っているFXばかりではなく、例えば香港株での仕手に利用されるというケースも多くなっています。香港株の投資を指示されるようなケースについてはこのサイトの趣旨とかなりずれるので各サイトの検証の中で取り上げることはしてきませんでしたが、同じグループが関与している疑いがあり、被害者が多数出ていることに変わりはないので注意喚起の意味で手口の説明や被害事例などについて説明したいと思います。最近の事例では香港株ではなく、アメリカ市場に上場されている中国株仕手の対象になったようです。

まず「検証13」の冒頭でも取り上げていますが、LINEグループを勧誘の場とする投資詐欺についての記事がかなりの数、報道各社などから出ているので一部を引用したいと思います。

まず以下は報道機関からYoutubeに投稿されているニュース動画です。被害者の証言なども出てきますし、手口について具体的な説明がなされています。上で引用したようなネット広告が登場している動画もあります。

この記事には「検証66」で検証したエスモンドインターナショナル (https://esmondmarkets.com/) というサイトへの投資をLINEグループで勧誘する大竹一義という人物の経歴などに虚偽の疑いがあるという記述が出てきます。この記事で言及されているのはエスモンドインターナショナルの件であると考えてほぼ間違いないでしょう。

実際に大竹一義と名乗る人物によって勧誘されて詐欺被害を受けたというまず間違いなくエスモンドインターナショナルでの詐欺事例に関する記事も確認されました。

投資詐欺で3000万円余りだまし取られる 山形市の40代の女性 SNS通じ連絡 (山形放送/Yahooニュース)

同様に以下の詐欺被害に関する記事でも勧誘役の名前が示されています。

きっかけはSNS上の投資広告「横山」「山川」の指示に従い1000万円以上の詐欺被害 60代女性「まさか自分が巻き込まれるとは」(北海道放送/Yahooニュース)

札幌在住の女性が1000万円以上を騙し取られてしまったという記事ですが、SNSの広告から横山と名乗る人物が主催するLINEのグループに招待されて詐欺サイトでの投資を勧められたようです。記事には勧誘役の名前として「横山」「山川」という名字しか出てきませんが、上の記事の画像を見ると「横山秀吉」というフルネームが確認出来ます。これは「検証65」で検証しているアメリプライズファイナンシャルというサイトへの投資勧誘を担っていた人物の名乗って名前に完全に一致します。この記事の被害事例はアメリプライズファイナンシャルでの被害と考えてほぼ間違いないでしょう。

「詐欺広告に使われた!」荻原博子さんも“被害”、50~60代のLINEが狙われる《最新》SNS詐欺 (週刊女性/Yahooニュース)

この記事では詐欺グループがLINEグループへの勧誘に有名人の名前や画像が勝手に利用していることを紹介し、その例として経済ジャーナリストの荻原博子氏の名前が挙げられています。

LINEの怪しいグループの正体は?「投資型詐欺」でカモにされる日本人、数百万を失った人も… (AllAbout/Yahooニュース)

そして国民生活センターからもこの手口の詐欺について警告が出されました。

SNS上の投資グループで勧誘される詐欺的なFX取引トラブル-その仲間、信じて大丈夫?-

これら報道されている事例ではLINEのグループを利用し、投資に関する講義を行ったり、株の推奨銘柄を挙げたりして信頼を得た後、投資先としてFXなどの詐欺サイトに誘導されて出金出来なくなるというパターンが多いです。そして確かにLINEのグループで勧誘されたという事例が本サイトで検証してきたサイトの幾つかで確認されています。具体的には大半が既に閉鎖されたサイトですが、以下のサイトでLINEのグループで勧誘されたという証言が確認されています。

「検証25」 グリーンスタンウエルス (https://www.greenstansjp.com/jp/index.html) → 閉鎖済み

「検証25」 IDFパワーウエルス (https://www.idfpowerio.com/jp/index.html) → 閉鎖済み

「検証27」 イルミナティ マーケッツ リミテッド (https://illuminatiprofx.net/jap)

「検証34」 グリーンスタンウエルスリミテッド (http://www.greenstan.com/ja/index.htm) → 閉鎖済み

「検証34」 atatong (https://www.atatong.com/ja/index.htm) → 閉鎖済み

「検証34」 Kwillowインターナショナルリミテッド (https://www.kwillow.net/)

「検証50」 OSIRISフォレックス (https://www.osiristradelimited.com/jp/) → 閉鎖済み

「検証56」 BULUTUN (https://www.bulutun.site/) → 閉鎖済み

「検証56」 POOPAC (http://www.ipoopac.com/index.html#) → 閉鎖済み

「検証56」 Askyoloテックリミテッド (https://www.askyolo.net/) → 閉鎖済み

「検証59」 IDFパワーウエルスリミテッド (http://www.idfpower.site/jp/index.htm) → 閉鎖済み

「検証59」 アイコニックマネジメント (https://www.iconicjp.com/) → 閉鎖済み

「検証60」 ニュージーランドビジョンズ (https://www.nz-visions.com/index.htm) → 閉鎖済み

「検証60」 Foyaリミテッド (https://foyavip.com/jp) → 閉鎖済み

「検証60」 Xinkeリミテッド (https://xinkelimited.com/jp) → 閉鎖済み

「検証60」 Dingxinリミテッド (https://www.dingxinlimited.com/) → 閉鎖済み

「検証60」 カウトレーディングウエルスリミテッド (https://www.cowtradingvip.com/jp) → 閉鎖済み

「検証63」 スイストレードファイナンス (https://swisstrade.io/?lang=ja) → 閉鎖済み

「検証63」 リッジコーポレーション (https://www.ridgecorporation.co/index.html) → 閉鎖済み

「検証63」 FUCII LTD (FUCIIリミテッド (https://fucsfx.com/zh-hk/) → 閉鎖済み

「検証63」 キーストンインターナショナルマーケッツ (https://ksimarket.com/?lang=ja) → 閉鎖済み

「検証64」 CBXIマーケッツリミテッド (https://www.cbximarkets.com/jp/) → 閉鎖済み

「検証64」 Brerona (https://breronagroup.com/#/) → 閉鎖済み

「検証64」 APBG (https://apbgforex.com/#/) → 閉鎖済み

「検証64」 McCamley (https://mccamleys.com/#/)

「検証65」 Breitlingプライム (https://breitlingprime.com/?lang=ja) → 閉鎖済み

「検証65」 フルトンFX (https://www.fultonfx.com/jp/) → 閉鎖済み

「検証65」 キャピタルファイナンシャルアドバイザーズ (https://capitalfa.jp/) → 閉鎖済み

「検証65」 クレディ・スイス・トラスト (https://cstrustltd.com/index.html) → 閉鎖済み

「検証65」 エドワードジョーンズFX (https://www.edward-jonesfx.com/#) → 閉鎖済み

「検証65」 ディスカバー・ファイナンシャル・サービシーズ (https://www.discoverjpfx.com/index.html)

「検証65」 BOK ファイナンシャル  (https://www.bokffx.jp/) → 閉鎖済み

「検証65」 Ameriprise Financial (アメリプライズ ファイナンシャル https://www.ampfx.jp/)

「検証66」 FTIコーポレーションズ グローバル (https://www.fticorporationsglobal.com/jp) → 閉鎖済み

「検証66」 ファランクス (https://www.phalanxtrade.com/) → 閉鎖済み

「検証66」 PROPERFLY (https://www.properfly-limited.com/) → 閉鎖済み

「検証66」 エスモンドインターナショナル (https://esmondmarkets.com/)

「検証66」 ハイストーンキャピタル (https://highstonefx.com/)

「検証66」 Neithキャピタルリミテッド (https://neithfx.com/)

「検証66」 Dechoキャピタルリミテッド (https://dechocapital.com/)

「検証66」 レイズリクイディティコーポ (https://rayzliquiditycorp.com/?lang=ja)

「検証67」 ウィンストン キャピタル (https://winstoncapitals.com/#/) → 閉鎖済み

「検証67」 トープ ファイナンシャル (https://taupefinancial.com/#/) → 閉鎖済み

「検証67」 AWHINA (https://awhinafinancial.com/#/) → 閉鎖済み

「検証67」 Arquero (https://www.arqueroinv.com/#/) → 閉鎖済み

「検証67」 Orringaキャピタル (https://orringacapital.com/#/)

「検証67」 アーチウッズ (https://archiwoodsfin.com/#/) → 閉鎖済み

「検証67」 ノーザリー (https://northerlyfx.com/#/)

「検証67」 コロンバス (https://columbusec.com/#/) → 閉鎖済み

「検証68」 RHトレード (https://rhtradefx.com/jap/index) → 閉鎖済み

「検証68」 Kaerm IM (URLアドレスが異なるサイトが少なくとも3つ存在。)

「検証68」 Varnaトレード (https://varnatradefx.com/jap/index) → 閉鎖済み

「検証68」 アーリントンアセットインベストメントコープリミテッド  (https://aaicltd.com/jp) → 閉鎖済み

「検証69」 VeracityFX (https://veracityfx.com/) → 閉鎖済み

「検証69」 Euzentrum (https://www.euzentrum.co/index.htm)

「検証69」 PFJP (https://pfjpco.com/ja/)

「検証69」 ジャフコ インベストメント (アジア パシフィック) リミテッド https://www.jafcoasia.io/jp/index.html)

「検証70」 YIDUGJ グローバルリミテッド (https://www.yidugj.com/) → 閉鎖済み

「検証71 SenX Globle (https://www.senxgloble.com/jap/index1.html) → 閉鎖済み

「検証71」 Teylerリミテッド (https://teylerfex.com/jap/index1.html) → 閉鎖済み

「検証71」 HTグローバル (https://www.htgloballtd.com/) → 閉鎖済み

「検証71」 SHマーケッツ (https://www.shmarfx.com/)

「検証72」 サントップ (https://suntopex.com/#/)

「検証72」 FinTab (https://fintabcapital.com/#/) → 閉鎖済み

「検証72」 Ironarb (https://ironarbcp.com/#/)

「検証73」 スマートグローバル (https://www.smartglobally.com/jap/index)

「検証73」 SMTTマーケッツ プロプライエタリリミテッド (https://www.smttmarketsfx.com/jap/index)

「検証74」 GOStex (https://gosdex.com/#/)

「検証74」 GOStex (https://www.gos-tex.com/#/)

「検証75」 メリーキャピタル (https://merryforex.com/)

「検証75」 Weastarグローバルマーケッツリミテッド (https://weastartop.com/jp/) → 閉鎖済み

「検証76」 Synovusファイナンシャル (https://www.synovus.cc/)

「検証77」 フォワード ランド グローバル リミテッド (https://forwardlandglobal.com/)

「検証78」 Lioppa グローバルマーケットリミテッド (https://www.lioppafx.com/)

「検証78」 スタートレーダー (https://www.startraderes.com/jp.html) → 閉鎖済み

「検証79」 DASANGJ (https://www.dasangj.com/jp

2024年4月上旬現在でサイトが閉鎖されていることを確認したサイトについては「閉鎖済み」と記してあります。閉鎖されたサイトについては閉鎖の告知や閉鎖の理由の説明などがなされたことが確認されているものはなく、いずれも突然告知なしで閉鎖されています。短期間で告知なしで閉鎖されるサイトというのは明らかにまともなサイトではなかったということを示していると考えます。それぞれのサイトについての勧誘の経緯などはそれぞれの検証を参照してください。

[本項の冒頭でも書きましたが、これ以外に仮想通貨取引のサイトに誘導されて出金出来なくなるという事例が複数確認されました。姉妹サイトの「雑記2」にまとめを書いたので内容がかなり重複しますが、そちらも参照してください。]

そしてここでは勧誘の手口が似ていることから同じ中国系と思われるグループによる可能性があるLINEのグループで勧誘された人たちが香港株の仕手に利用されたと思われる事例について説明します。香港株の全力買いを指示されて一時的な株価の釣り上げに利用され、詐欺グループは事前に買い集めておいた株を売りぬけて大きな利益を出す一方で利用された側は全力買いの直後に暴落を喰らって大損させられるというのが大まかな詐欺被害の経緯になります。詐欺サイトに誘導して入金させるという手口では詐欺サイトの信頼性を疑う人がいるものと思われますが、この手口では香港株を扱っている日本の証券会社での取引になりますからサイトの信頼性については問題がないという点で詐欺に遭う可能性を疑う1つの要因を避けている、さらに詐欺グループを追求するには少なくとも香港の証券取引所に交渉して売買記録の提出を求める必要が出てくるということで追及の難易度が高いという点が詐欺グループにとって有利な点になっているとも考えらえます。

実はYahoo知恵袋にはこうした詐欺の被害事例に関すると思われる投稿が2020年10月には既に確認されていました。以下の質問投稿はかなり長いですが引用します。

2020年10月3日投稿

Tinderというマッチングサイトで知り合った3人の外国人女性 (中国、シンガポール、香港) にいずれもWe Chatに移行してから香港株投資を勧められたようです。この時点ではLINEのグループではなく、マッチングサイトで勧誘が行われていたことが最近の事例とは異なる点です。

この件で実際に被害を被ったのは最初の中国人女性の場合でLFG投資控股(03938) という銘柄への投資を勧められたようです。ところが勧めに従ってこの銘柄に投資した直後、2日で買値の4分の1ほど暴落して手放すことになったようです。このLFG投資控股という銘柄のチャートを見ると確かに2020年の後半に一時的に出来高の急増、一時的な株価の急上昇と直後の暴落があったことが確認出来ます。

詐欺グループは事前にこの銘柄を少しずつ買い集めておいてマッチングサイトなどで集めてきた人たちに全力買いを指示し、一時的な株価の暴騰を引き起こして自分たちは高値で売り抜けるという仕手行為が行われたのではないかと思われます。これと同様、ネットで知り合った外国人に香港株の買いを指示された結果、仕手に利用されたという事例はこの当時に他にも幾つかあったようです。この時期のこうした例ではマッチングサイトなどで個別に集められた人たちが被害に遭っているようで実態の把握は困難ですが、あくまでも個人的な印象としてそれほど多くの被害者が出ていたという訳ではなかっと思います。

ところが2022年の後半になって出てきたやはり香港株での仕手に利用されたと思われる被害事例では多くの人を効率的に同時に勧誘するという目的の為でしょうけどLINEのグループを利用した勧誘が行われたようで被害者の数も被害額も格段に大きなものになったようです。Yahoo知恵袋に多数の被害者からの投稿が出てきたのは清水と名乗る人物が主催するLINEグループでの被害事例です。多数の投稿が出ているので一部を引用します。

2023年1月6日投稿 (清水投資くらぶ)

2023年1月8日投稿 (清水テクニカル投資クラブ)

2023年1月13日投稿 (清水テクニカル投資クラブ)

2023年1月17日投稿 (清水投資クラブ)

2023年1月21日投稿 (勧誘役:Luke先生、清水和彦、池田杏奈)

これでもこの件に関すると思われる投稿の一部ですし、多数の回答が寄せられている投稿もあるので全部を引用することは出来ませんが、おそらく2022年11月ぐらいから主催者的な役割の清水と名乗る人物、先生役としてLukeと名乗る人物が登場する多数のLINEの投資関係グループが立ち上げられて多数の人が招待されたようです。他にアシスタント役で千穂理、池田杏奈などと名乗る人物が登場しているようです。さらにグループにはおそらくサクラ役と思われる人物も加わっており、それらサクラ役と思われる参加者は発言に中国語と思われる部分が混じっており、中国人の可能性があるようです。またグループ内でYahoo知恵袋の投稿を引用する形でこのグループが詐欺目的のグループではないかという疑問を呈した人は即刻、グループから排除されたようです。

そしてこれらLINEグループの運営側の人物は株式投資にそこそこの知識があってもっともらしい解説などを繰り返し、当初は台湾株の私募取引などで数十万円程度の利益を得ることが出来た人もいたようです。これはいわば撒き餌的な利益配分だったものと思われます。そこそこの利益が得られたことですっかり信じ切ってしまった人が多かったようで、2023年1月上旬にゴールデンセンチュリー(金禧国際、市場コード:00091) という香港株の全力買いを指示されると応じてしまった人が相当数いたようです。全力買いに際しては元本保証、損失補填、利益保証といったまともな金融機関なら絶対に有り得ない、損失補填が法律で禁止されている日本では絶対に有り得ない条件まで提示されて全力買いを促されたようです。そして以下が全力買いを指示されたゴールデンセンチュリー(金禧国際、市場コード:00091) という香港株のチャートです。

株価は全体的に右肩下がりですがこのチャートから全力買いの指示が出された2023年1月上旬に出来高の急増と一時的な株価の上昇があったことが確認されます。全力買いによる一時的な株価の釣り上げに利用されてしまった人の中には数百万円単位の損失を被った人たちがかなり出たようです。そして理由は不明ですがこの銘柄は2023年3月下旬から取引停止になっているようです。当然元本保証とか損失補填の契約は守られることなく、今後の対応をLINEグループで質問したら何の根拠があるのか違約金名目で300万円、500万円を振り込めといった脅迫的とも思われる返信まで受け取った人がいるようです。

そしてこれを皮切りに以降、同様の手口、すなわちLINEの投資関連グループで集めた人たちに特定の香港株の全力買いを指示して一時的な株価の釣り上げを図る仕手行為が繰り返されているようです。例えば2023年5月には笠木と名乗る人物が主催するLINEのグループが多数立ち上げられ、グロウンアップグループ (植華集団、市場コード:01842) という香港株で仕手が行われたようです。

2023年5月11日投稿 (勧誘役:笠木義文)

2023年5月11日投稿 (勧誘役:笠木浩一、石井博文、アシスタント・美沙子)

2023年5月18日投稿 (勧誘役:笠木智久、アシスタント・星川遥)

2023年5月18日投稿 (勧誘役:笠木、アシスタント・美桜)

「清水」のLINEグループでは無差別にLINEグループに招待していたようですが、この「笠木」のLINEグループではSNSに出ていた広告でLINEグループへの誘導が行われていたようです。そしてグループを主導する勧誘役は笠木という名字だけが共通でファーストネームの方は色々と入れ替えているようです。他に石井博文を名乗る人物、さらにアシスタント役が登場していたようですが、アシスタント役の名前は美沙子、赤坂あおい、星川遥、美奈子など幾つかバージョンがあるようです。勧誘役の名前が少々変わっていても時期が一致していますし、全力買いを指示された銘柄も同じということで同じグループによるLINEグループであることは間違いないでしょう。その全力買いを指示された銘柄は既に書いたようにグロウンアップグループ (植華集団、市場コード:01842) という香港株です。このグロウンアップグループ株の日足チャートを以下に示します。

上に示したのは過去2年のチャートですが2022年4~5月頃、そして今回引用している投稿の時期と一致する2023年4~5月頃の2回、出来高の急増を伴う株価の急騰と急落が起こっていることが分かります。この銘柄は同じグループによるものかどうかは分かりませんが、少なくとも2回、仕手の対象となった可能性があるように思われます。

次はトレードゴー (捷利交易宝、市場コード:08017) という香港株での仕手を目的としているらしいLINEグループに関する投稿です。

2023年6月19日投稿 (勧誘役:森永、アシスタント・池原あやこ)

2023年7月20日投稿 (勧誘役:桐谷、アシスタント・ミーナ)

勧誘役は「森永アシスタント・池原あやこ」「森口+アシスタント・池原綾」「桐谷+アシスタント・ミーナ」となっていてLINEグループによって変わっているようです。同じ名前を使うと同じようなLINEグループが多数存在していることを気づかれて詐欺の意図が見破られる可能性が高いということで名前を変えている可能性が考えられます。そしてこれら勧誘役の名前が異なっているLINEのグループで共通してトレードゴー (捷利交易宝、市場コード:08017) という香港株への投資を勧められようです。以下に示すのが投資を勧められたトレードゴー株の日足チャートです。

2023年5月下旬ぐらいから出来高を伴う株価の上昇が始まり、2023年7月20日に突如暴落しています。やはり仕手の対象になった可能性が高いものと思われます。

次の例は仕手の対象が香港株ではなく、アメリカ市場に上場されている中国株になっています。

2023年8月18日投稿 (勧誘役:桐谷、桜子)

詳しい状況が分かりませんが、やはりLINEのグループで桐谷、桜子となのる人物に勧誘されてアメリカ市場に上場しているChina Liberal Education Holdings Ltd. (CLEU、チャイナ・リベラル・エデュケーション・ホールディングス) という株を対象とした仕手に利用されたということのようです。仕手の対象になったCLEUという株式の日足チャートを以下に示します。

2023年5月末ぐらいから出来高の増加を伴って株価が上昇し始め、2023年8月14日の取引時間中に暴落しています。仕手の対象になった可能性が濃厚です。

次は2023年10月下旬ぐらいから勧誘が始まったと思われるボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) という香港株を対象とする仕手行為の事例です。やはりYahoo知恵袋にこの件に関する質問投稿が複数出ています。そしてこの件ではRPF (https://rpf-jp.com/#/) という勧誘目的と思われるサイトが立ち上げられています。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用していきます。

2023年10月30日投稿

これだけの質問では何も分かりませんが、この投稿には17件もの回答が寄せられていてそれらの回答を読むと香港株01010、すなわちボーク1798グループ (巴克1798集団) という香港株に投資するように多くの人が勧誘を受けていることが分かりました。勧誘を受けたという回答を引用します。

これらの投稿を見ると多くの人が役職としてマネージャー、主任、秘書の3名1組が登場しているグループでボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) への投資勧誘を受けているようです。いずれの投稿を見ても「LINEのグループ」かどうかについて情報はありませんが、オンラインのグループであることは間違いなさそうです。そして例えば「マネージャー」は佐藤あるいは三浦 (知宏、貴之助)、「主任」は竹田あるいは中村優一郎、「秘書」は麻由、君島、由美、花澤櫻子、小倉恵子などと名乗っているようです。幾つかの勧誘グループがあるのかあるいは同じ人物が複数の名前を名乗っているのか分かりませんが、登場人物の名前が重複する例もあるようですから同じグループによる勧誘と考えるのが妥当でしょう。そして勧誘グループの運営する以下のサイトも紹介されたようです。

■RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=U5V6W7)

■RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=F0G1H2)

このRPFというサイトについてはまた後述します。そしてさらに次に出てきた以下の質問でやはりLINEのグループで勧誘が行われていることが判明しました。

2023年11月8日投稿

どういう経緯で加入することになったのか情報がありませんが「RPFグローバルファンド」というLINEのグループに加入して三浦マネージャー、中村主任、水野恵子セクレタリーとなのる運営側の人物にボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) への投資を強力に推奨されているようです。三浦マネージャー、中村主任という名前や役職は上で引用した2023年10月30日の質問でも登場していた運営側の名前+役職と一致します。

そしてこの質問投稿に対しても自分も勧誘されているといった回答が複数寄せられています。幾つか引用します。

これらの回答の投稿者もやはりLINEのグループで勧誘を受けているということのようです。グループの運営役 (勧誘役)として「佐藤、竹田、美憂秘書」「なかむらたろう」「三浦マネ、中村主任、鈴木秘書」といった名前が出ています。三浦とか竹田といった名前は上で引用した質問の回答に出てきたグループの運営側の人物が自称する名前と一致します。交わされている日本語に違和感があるということなのかLINEのグループを運営しているのはおそらく日本人ではないという意見も出ています。また08007という香港株についても買い推奨が出ているという情報も出ています。この08007という市場コードの香港株を調べてみるとグローバルストラテジック (環球戦略集団) という銘柄のようですがこの検証を書いている2023年11月下旬の時点では日足チャートを見ても特に出来高が増えているようには見えません。

2023年11月11日投稿

この質問の投稿者もLINEグループでボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) を全力買いするように指示されているようです。LINEのグループ名は「高橋株式交流会」となっているようです。この質問に対して自分も同じ内容の指示を受けているという回答が寄せられています。

そして11月25日、26日に説明会が開催予定で招待されたそうです。プログラムには「当社CEOとCOOの特別なご挨拶」が含まれています。会場となっている「TIME SHARING 新宿御苑前 壱丁目 参番館」となっており、これは実在する貸会議室のようです。しかし本当に説明会が開催されるのか、あるいは開催される予定があったのか疑問です。なぜなら25日の説明会当日を迎える前、11月22日に全力買いを指示していたボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) の株価が暴落し、取引停止になったからです。

これ以下の質問投稿は株価暴落局面を迎えてからの投稿になります。

2023年11月23日投稿

秘書・夏織、マネージャー・佐藤明義と名乗る人物のLINEグループで勧誘を受けていたようです。

2023年11月23日投稿

この質問の投稿者は三浦マネージャー、水野セクレタリー、中村主任と名乗る人物のLINEグループで勧誘を受けていたようです。そして一度は勧誘に応じて指定された香港株を買ってしまったようですが、怪しいと思って検索したらYahoo知恵袋に出ていた関連投稿に気が付いて暴落前に逃げることが出来たようです。

この質問に対する回答に対して同様に一度は騙されて香港株を買ってしまったが、暴落前に詐欺に気が付いて被害を避けられたという回答、詐欺に気が付かずに暴落で被害を受けてしまった人からの回答が寄せられています。

この質問の投稿者はやはり先生、主任、マネージャーが登場するLINEのグループに加入して問題の香港株に投資したものの怪しさを感じて暴落直前に売り抜けてそのまま持っていれば被ったであろう数百万円単位の被害を免れることが出来たということのようです。

2023年11月24日投稿

この質問の投稿者は残念ながら詐欺の可能性に気が付かず、暴落+取引停止の直撃を受けてしまったようです。そしてこの質問に対して自分も被害に遭ったという回答が複数寄せられています。例えば以下はそうした回答の1つです。

そして以前の同様の香港株の仕手の手口と異なるのは既に上で引用した幾つかのYahoo知恵袋への投稿に登場していますが、RPF (https://rpf-jp.com/#/) という勧誘組織のサイトが設けられていたことです。このサイトの冒頭部の画像を以下に示します。

表示言語の選択肢は用意されておらず、日本語にしか対応していません。このサイトは冒頭部は立派に見えるのですが、非常に内容の薄いサイトです。その内容の薄いサイトで最も注目するべきは以下に画像を示した「私たちのチーム」という部分だと思います。上で引用したYahoo知恵袋に出てきた質問、回答の投稿では勧誘役の名前に幾つかのバージョンがあるということを示しましたが、RPF (https://rpf-jp.com/#/) というURLアドレスにアクセスすると以下の画像に示したように

「私たちのチーム」として以下の6名の名前が示されます。

John Smith CEO

Simon Adams COO

三浦和人 Financial Project Manager

佐藤雄太郎 Asset Manager

吉田 紗英 Financial Services

斉藤 真知子 Financial Trainer

一方で上で引用した2023年10月30日付の投稿の回答にはこのRPFというサイトのURLアドレスとして以下の2種類のURLアドレスが示されていました。

■RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=U5V6W7)

■RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=F0G1H2)

RPFのURLアドレス (https://rpf-jp.com/#/) の末尾に「groupid=」から始まる部分が付け加わった形になっています。LINEのグループごとにおそらくこの末尾に付加されている部分は変化している可能性が高いです。そしてこれら2種類の末尾が加わった形のURLアドレスにアクセスしてみると「私たちのチーム」で紹介されているメンバーが変化することが判明しました。まず以下RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=U5V6W7) の場合です。

次に示すのはRPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=F0G1H2) のアクセスした場合の「私たちのチーム」です。

左半分の

John Smith CEO

Simon Adams COO

の2名については同じですが、右半分に示されている日本人と思われるチームメンバーについてはURLアドレスの末尾の「groupid=」から始まる部分が変化すると入れ替わりが起こるようです。URLアドレス末尾の違いによって示される日本人メンバーを以下にまとめます。

▼RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=U5V6W7) の場合

花澤櫻子 secretary

三浦知宏 Financial Services Manager

中村 優一郎 Financial Operations Manager

▼RPF (https://rpf-jp.com/#/?groupId=F0G1H2) の場合

三浦貴之助 Financial Services Manager

中村 優一郎 Financial Operations Manager

小倉恵子 secretary

しかも右に拡大した画像を示しますが、花澤櫻子と小倉恵子の画像は同じ画像のようです。

さらにRPF社のCEOとなっているJohn Smithという人物の画像の拡大図を左下に示します。この画像を画像検索に掛けるとかなり多くのサイトで同一と思われる画像が多数にサイトで使われていることが判明しました。例えば右下に示したのはスイスのFinboltという金融関係の会社のサイト (https://finboltinvest.net/) で見つけた画像です。このFinboltというサイトではこの画像の人物はCEOのBastin Georgeとして紹介されています。

さらに左下に示したのはRPFのサイトでCOOのSimon Adamsとして示されている人物の画像です。この画像についても画像検索してみるとやはり同じ画像がかなり多くのサイトに見つかり、さらにこの画像が右下に示したようにiStock (https://www.istockphoto.com/jp) というサイトで販売されている写真素材と一致することが判明しました。

Simon Adams氏RPF社のCOOを務めながら、写真素材のモデルとしても活動しているとは思えません。このSimon Adamsという人物は架空の人物としか思われません。これらチームメンバーについては全て架空の人物であることが強く疑われます。

次に連絡先情報です。以下には脚注に示されているお問い合わせの部分を示します。

>お問い合わせ

>本社

>200 Clarendon St # 52, Boston, MA 02116 アメリカ合衆国

>お問い合わせ: surpport@rpfoffice.com

>支部

>東京都 台東区秋葉原1-1

>お問い合わせ: surpport@rpf-jp.com

本社はアメリカのマサチューセッツ州・ボストン、支部が東京都台東区秋葉原となっています。いずれの場合も電話番号はありません。ボストンの住所となっている「200 Clarendon」というのは62階建ての高層ビル (https://www.200clarendon.com/) のようですがこの高層ビルにRPF社が入居しているかどうかは確認出来ません。 一方で秋葉原の住所は秋葉原ビジネスセンターという10階建てのオフィスビルの住所に一致しますが、階数や部屋番号が記されていないこともあってやはりRPF社が入居しているかどうか確認出来ません。

そもそも本社がアメリカのボストンなのに日本語サイトしか存在しないとか、「私たちのチーム」として紹介されている人物が架空の人物ではないかという疑い、連絡先に電話番号が示されていない点など考えるとRPF社が実在するかどうかさえ極めて疑問です。以下はRPFのサイト (https://rpf-jp.com/#/) のWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2023年10月15日となっています。このボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) の全力買いを指示するLINEグループの活動が始まったと思われる時期にこのサイトが開設されていることになり、このサイトが仕手行為の為だけに立ち上げられたサイトである疑いが濃厚です。またこのWho Is 情報には登録者に関する情報は一切示されていません。

そしてRPF社の名前で全力買いを指示されていたボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) の株価、2023年11月23日時点での日足チャートを以下に示します。

2023年9月末ぐらいまでは殆ど取引が成立していなかったような銘柄なのに取引が成立し始めるとともに株価が上昇し、特にYahoo知恵袋にこの件に関する最初の質問投稿が出てきた2023年10月末ぐらいから出来高の急増を伴う株価の上昇が起きていることが分かります。そして2023年11月22日のザラ場に突然の暴落、前日比50%を超える急激な株価の下落が起きたことが分かります。仕手行為が行われていた可能性は極めて濃いものと思われます。そしてこれも上で検証してきた中国系と思われる詐欺グループが主導した可能性も極めて濃いです。

次の事例は再び香港株での仕手と思われます。具体的にはAX株式投資学院 (https://axinst.com/) という投資顧問の鈴木、桜木などと名乗る人物がLINEのグループを勧誘の場として利用し、グローバルストラテジック/環球戦略集団 (市場コード:08007) という香港株を仕手の対象として一時的な株価の釣り上げを図り、多くの被害者が出たようです。他にも「カーライル社」名義のLINEグループがやはり同時並行的に同じ銘柄への投資を推奨していたという情報もあります。複数の名義で多数のLINEグループが立ち上げられていた可能性が濃厚です。ともかくこの件に関すると思われるYahoo知恵袋への質問投稿を幾つか引用します。

2023年11月1日投稿

AX株式投資学院の名前でLINEグループが立ち上げられており、「先生と呼ばれる人」が優良株として日本株、米国株、香港株への投資を推奨しているようです。しかし具体的な推奨銘柄は不明ですし、「先生と呼ばれる人」の名前なども不明です。

2023年12月10日投稿

この質問の投稿者もAX株式投資学院が運営するLINEグループに参加しており、先生と呼ばれる人物の指示に従って香港株 08007を最小単位で購入し、10%程の利益を得ることが出来たようです。さらに大きな利益が見込める優良株を紹介するとのことでより大きな資金を確保しておくように指示されていて最初は利益が得られたものの半信半疑でこの質問を投稿しているようです。疑いを感じる理由として日本語に違和感があること、さらにLINEのグループでリンクが示されていたAX株式投資学院のホームページ (https://axinst.com/) を見たところ、「秘書と呼ばれる女性たち」が皆さん美女揃いであることにも不自然さを感じたようです。このAX株式投資学院のホームページ (https://axinst.com/) についてはまた後述します。

そしてこのLINEグループで投資先として推奨されていたグローバルストラテジック/環球戦略集団 (市場コード:08007) という香港株は以下に示す日足チャートで分かるように2023年10月ぐらいから出来高の増加を伴って右肩上がりで株価が上昇していたのですが、2024年1月22日のザラ場に突然大暴落したようです。

以下はこの大暴落以降にYahoo知恵袋に出てきた質問投稿です。

2024年1月22日投稿

この質問の投稿者は誰かに香港株 08007 への投資を勧められていたようですが、誰が勧めていたのかなどの情報はありません。但しこの質問に対して以下のような回答が出ています。

この回答者はカーライル社と名乗るLINEグループで香港株 08007への投資を勧められていたようで暴落により、600万円もの損失を被ったようです。

2024年1月23日投稿

この質問に対して多数の回答が付いていますがその中にはやはりLINEのグループで香港株 08007に投資するように指示されたという回答が含まれています。幾つか引用します。

この回答者はやはりLINEのグループで香港株 08007への投資を指示されていたようです。LINEグループは「AMC投資グループ」となっていますが、これは「AX株式投資学院」や「カーライル社」と同様のLINEグループの運営者の組織の名称なのか、それともLINEグループだけの名称なのかはっきりしません。この回答者は一時期は2000万円ほども注ぎ込んでいたようですが、LINEグループでのやり取りに違和感を禁じ得なかったこと、以前に上で説明したボーク1798グループ (巴克1798集団 市場コード:01010) での詐欺に遭っていたことで同じ手口での詐欺を疑ったことで暴落前に売り抜けることが出来たようです。また詐欺グループは損失が出た場合には補償基金から損失を補填することを約束していたという話が記されていますが、こうした損失補填の約束は果たされることはないだろうとも書いてあります。この回答者は被害を免れたようですが実際に暴落の直撃を受けてしまったという回答も寄せられています。

数百万円あるいは1000万円を超えるような損失を被った人たちが多数出ているようです。勧誘に使われたLINEグループには藤原、渡辺、岩木などと名乗る人物が登場して勧誘に関与していたようです。また損失補填に応じるなどと称して個人情報を要求しているようです。実際に損失補填が為されるとは思えず、口座情報など要求して何らかの形で悪用する意図があるかもしれません。

2024年1月25日投稿

この質問の投稿者はAX投資学院の「すずき」「桜木」と名乗る人物にLINEを介して騙されて大損したようです。この質問投稿の「胡散臭いホームページ」があると書いてあるので検索して見つけてきたのは既に書きましたが以下に冒頭部の画像を示したAX投資学院のホームページ (https://axinst.com/) です。

サイトは全面的に日本語で書かれており、上の画像に示したように冒頭部には動画が用意されており、日本語のナレーションや字幕が付いていますが登場する人物は何となく中国系ではないかという印象を持ちます。

さらに以下はこのAX株式投資学院のサイトの「私たちについて」と題された部分の画像です。

オンライン授業で初期段階で2万人以上のメンバーを集めたとかその内1万人以上が投資戦略を学んで実践したとか書いてありますが違和感を感じるのが左上の画像の部分です。欧州の歴史的建造物ではないかと思われるような建物の画像が示されています。何の説明もありませんが、これが「AX株式投資学院」の校舎というようにも解釈出来ます。さらにこのサイトには同じ場所と思われる画像がもう1枚出てきます。

どう見ても日本の風景とは思えないお城のような場所の画像ですが、画像検索してみると以下に示したポーランドのクラクフという町にあるヴァヴェル大聖堂という場所の画像と一致するようです。後述するようにこの「AX株式投資学院」の運営者として示されている人物は全て日本人の名前ですし、サイトは全面的に日本語、さらに後述する電話番号も日本の電話番号なのにポーランドの大聖堂の画像がサイトに使われている意味が全く分かりません。

さらに以下に示したのがAX株式投資学院における「最近の業績」です。AX株式投資学院が推奨した銘柄に投資してこれだけの利益が得られましたという意味だと思われます。

買付価格の項目に記されている日付は2023年6月23日から2023年9月6日となっていていずれの銘柄でも2倍を超える株価上昇が実現して100万円近くあるいはそれ以上の「獲得利益」が得られたことになっています。ところがこの「実績」が実際の実績であるかどうかは極めて疑問です。以下にこのAX株式投資学院のサイトのWho Is 情報を示します。

黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2023年12月28日となっています。サイトが2023年12月末に開設されているのに2023年6月23日から2023年9月6日に掛けて株式投資の推奨銘柄をどうやって公表していたのでしょうか?「実績」として示されていた「獲得利益」は後出しじゃんけんのデタラメの「実績」としか思われません。

さらに以下は「私たちのチーム」と題された部分です。スライドショー形式で9名のチームメンバーが紹介されていますが、一部のメンバーは顔写真が出ていません。

上で引用したYahoo知恵袋への投稿で秘書が美女揃いで不自然と指摘されていましたが確かに秘書というよりも芸能人とかモデルではないかと思われるポーズの美女の画像が不自然な印象を与えているように思います。これはネットから拾ってきたような画像ではないかと思われたので幾つか画像検索に掛けてみましたが「ミスター・アカデミー 坂本敦彦」という人物の画像が以下に示した朝日新聞の記事の画像に一致することが分かりました。記事のタイトルは「安定の大衆薬、外資も注目 武田事業を足がかりにさらなる買収へ」となっており、記事の日付は2020年9月4日です。

但しAX株式投資学院のサイトでは名前が「坂本敦彦」となっているのに対して朝日新聞の記事では「坂本篤彦」となっています。この朝日新聞の記事は有料記事で画像の坂本篤彦あるいは坂本敦彦氏の肩書が分からないのですが、同じ武田薬品の事業売却に関するREUTERSの記事には「ブラックストーンのプライベート・エクイティー部門日本代表を務める坂本篤彦氏」が登場しています。この画像の人物は事業を買収したブラックストーン社の坂本篤彦氏で間違いないでしょう。そしてこの坂本篤彦氏は2023年12月22日付でブラックストーン社から出されているプレスリリース記事でも「ブラックストーン・グループ・ジャパン株式会社 代表取締役 坂本篤彦」として登場しています。ブラックストーン社からAX株式投資学院に転職したとは思えません。

また左に示したのはAX株式投資学院の連絡先やライセンス情報が記されている部分の画像です。記述を以下に書き出します。

>金融商品取引法第37条に基づく表示

>商号 株式会社あすなろ(金融商品取引業者)

>業務内容 投資助言

>登録番号 関東財務局長(金商)第686号

>加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会

>会員番号 第011-1393号

>サポートデスク 0120-1376-01 ※平日 8:00~17:00


ここでも違和感を感じる部分があります。すなわち連絡先として記されているのは0120から始まる電話番号のみで住所がありません。金融商品取引業者の登録を得ていると書いてあるのでそれならば金融庁のサイトで公表されている登録業者のリストを見れば住所が書いてあるはずと考えて調べてみると確かに「株式会社あすなろ」の登録は確認出来ました。しかしこの登録情報には再び違和感を感じる部分がありました。

登録情報を以下に書き出します。

登録番号: 関東財務局長(金商)第686号

登録年月日: 平成19年9月30日

金融商品取引業者名: 株式会社あすなろ

法人番号: 3040002080117

郵便番号: 106-0044

本店等所在地: 東京都港区東麻布1-3-8 TOWER FRONT神谷町3F

代表等電話番号: 03-6459-1195

上で示したようにサイトのWho Is 情報に記されていたサイトの登録・開設日は2023年12月28日です。しかしこの金融商品取引業者の登録は平成19年 (2007年) 9月30日 に取得されています。サイトが開設される16年以上も前に金融商品取引業者の登録が得られていたことになってしまいます。これはおかしいということで「株式会社あすなろ」について検索してみると別個のあすなろ投資顧問 (https://1376partners.com/) のサイトを見つけました。

さらにこのあすなろ投資顧問のサイトには以下に示した警告文があります。警告の日付は2023年12月26日です。

一部抜粋して書き出します。

>具体的には、Youtubeの広告等から弊社アナリスト「若木潤」を名乗ってLINEに登録させる方法、LINEグループ「AX株式投資学院」で弊社をお勧めする事案が確認されています。

>当該LINE等は「あすなろ投資顧問」または「株式会社あすなろ」をかたり、当該サイトに誘導するものですが、弊社とは一切関係がございません。また、弊社ではLINEを使用したサービスは行っておりません。

要するに「AX株式投資学院」とかLINEグループはあすなろ投資顧問の名前を盗用した偽サイトであるという警告になっています。やはりAX株式投資学院のサイトで主張されていた金融商品取引業者の登録は盗用であると考えざるを得ません。

特定の香港株にLINEグループで集めた人たちに全力買いを指示して一時的な株価の釣り上げ (仕手) を行う手口や事例について説明してきましたが、こうした仕手行為を行うには相当の資金量が必要でしょうし、同時に多数の人を勧誘するにはLINEのグループを利用したとしても相当に大掛かりな仕掛けが必要になるでしょう。とてもではありませんが、1個人の出来ることではありません。相当に大きな資金力、組織力、技術力を持つ大掛かりな組織によるものであると考えられ、当然、今後も同様のやり口で多数の被害者が出る恐れがあります。

厳重な注意が必要です。