検証58

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証13」「検証14」「検証15」「検証16」「検証17」「検証18」「検証19」「検証20」「検証21」「検証22」「検証23」「検証24」「検証25」「検証26」「検証27」「検証28」「検証29」「検証30」「検証31」「検証32」「検証33」「検証34」「検証35」「検証36」「検証37」「検証38」「検証39」「検証40」「検証41」「検証42」「検証43」「検証44」「検証45」「検証46」「検証47」「検証48」「検証49」「検証50」「検証51」「検証52」「検証53」「検証54」「検証55」「検証56」「検証57に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証46ページ目です。「検証59「検証60「検証61「検証62「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証項目は順次追加の予定です。


●GrandFX (グランドFX https://grandsignfx.com/Jp)

●Kwakol Markets (クワコルマーケッツ https://www.kwakolmarkets.com/)

●Mathews (マシューズ https://www.mathewslcd.com/#/home)

●Mathews (マシューズ https://www.mathewstop.com/#/)

●Dynamics Finance (ダイナミクスファイナンス https://www.dmfnclcd.com/#/)

●Radian (ラジアン https://www.radianlcd.com/#/)

●ECG (https://www.ecglcd.com/#/)

●PAWNFI (https://www.pawnfitrading.com/#/)

●SOLanding (https://www.solandingmarket.com/#/)


まず以下のサイトを検証します。

●GrandFX (グランドFX https://grandsignfx.com/Jp)

これは「検証34」で検証したエルダートン (https://www.elderton-fx.com/Jp) およびELCFX/INCM (https://eldertoncapfx.com/Jp) と同じIPアドレス上にあることで見つかってきたサイトです。以下にはエルダートン (https://www.elderton-fx.com/Jp) のサイトを基準にして同じIPアドレス (212.50.244.88) 上のサイトを探した結果を示します。本項で検証対象とするグランドFXのサイト (https://grandsignfx.com/Jp) が検出されています。

そして以下がこの同一IPアドレス上にあることで見つかってきたグランドFXというサイトの冒頭部です。

表示言語の選択肢は英語、中国語、日本語、ドイツ語、フランス語、イタリア語となっています。そしてこのサイト冒頭部を見る限り、同じIPアドレス上を共有しているエルダートン (https://www.elderton-fx.com/Jp) やELCFX/INCM (https://eldertoncapfx.com/Jp) のサイトとは似ているようには見えません。しかしこの冒頭部で背景画像の部分を見ると例えば以下にキャプを再掲しましたが「検証27」で検証したIOTA GLOBAL LIMITED (IOTAグローバルリミテッド https://iotaglobalfx.com/Jp) のサイト冒頭部の背景画像と同じ画像のようです。同じ背景画像は「検証27」で検証した幾つかのサイトでも使われています。

同じ画像が使い回されているとなれば組織的な繋がりの可能性を疑わざるを得ません。

グランドFXのサイトの検証に戻ると冒頭部に続く部分には以下のキャプに示しましたがトレーディングソフトのMT5をダウンロード出来るようになっている部分があります。

この部分に相当するような部分はIPアドレスを共有するエルダートン (https://www.elderton-fx.com/Jp) やELCFX/INCM (https://eldertoncapfx.com/Jp) のサイトには存在しません。

一方でこの部分に記されている以下の文章が非常に気になります。

>私達のネットは毎日100億円を超える外貨取引を処理しています。正確率は99.6%に達しています。

このサイトでこれほど巨額の外貨取引が行われているかどうかは極めて疑問です。この点についてはまた後述します。

次に出てくるのはサイトの特長を説明する部分です。

取引対象は外国為替、先物、(株式)指数となっているようです。この部分についてもIPアドレスを共有するエルダートンやELCFX/INCMのサイトに相当するような部分は存在しません。

トップページについてはこのグランドFXのサイトとIPアドレスを共有するエルダートンやELCFX/INCMのサイト特に似ている部分は見つからないということになります。

しかしサブページまで比較してみるとグランドFXエルダートンやELCFX/INCMのサイトと似ていると思われる部分が見つかってきました。例えば以下はグランドFXの取引対象を説明する「製品」という項目の1つ、「外国為替」の説明 (https://grandsignfx.com/Jp/info?id=5) の冒頭です。

一方で以下はエルダートン (https://www.elderton-fx.com/Jp) の外国為替のページ (https://www.elderton-fx.com/Jp/Info?id=5) の冒頭部を以下に示します。

例えば「国際通貨基金」が「IMF」に置き換わっているなど全く同じ文章というわけではありませんが、明らかに似ています。またこの「外国為替」のページのURLアドレスまでもが似ているのです。

グランドFX: https://grandsignfx.com/Jp/info?id=5

エルダートン: https://www.elderton-fx.com/Jp/Info?id=5

URLアドレスの最後の「info?id=5」の部分が共通なのです。

さらに以下にはグランドFXとエルダートンのサイトの会社概要の項目の冒頭部を順に示します。

グランドFXは英国で設立されたとありますが、具体的な住所などの情報はありません。一応イギリスに「GrandFX」の法人登録がないか検索してみましたが見つかりません。

そしてやはりこの部分でもグランドFXとエルダートンの2つのサイトの記述は互いにかなり似ています。またこの会社概要のページのURLアドレスも互いに似ています。

グランドFX: https://grandsignfx.com/Jp/info?id=13

エルダートン: https://www.elderton-fx.com/Jp/Info?id=13

最後の「Info?id=13」の部分が共通です。

さらにグランドFXのサイトで連絡先情報を探してみるとお問い合わせのページに以下に示したメールアドレスだけ記されています。

これもエルダートンのお問い合わせのページにある連絡先情報と比較してみます。

住所が開示されていないのに「皆様のご来店を心よりお待ちしております」という文章が共通して記されています。住所が分からないのにどうやって来店できるのでしょうか?

メールアドレスは以下のようになっています。

グランドFX: support@grandsignfx.com

エルダートン: support@elderton-fx.com

グランドFXとエルダートンのサブページを比較してこれだけ互いに似ている部分があるというのは到底偶然とは思えません。やはりグランドFXはエルダートンと同じテンプレートから同じグループによって運営されているサイトである可能性が高いと考えます。

連絡先情報を探してグランドFXのサイトのWho Is 情報も確認してみましたが登録者に関する情報は一切開示されていません。サイトの登録・開設日は以下のキャプの黄色の枠で囲った部分に記されていますが2022年8月17日となっています。

この検証は2022年8月下旬に書いているので開設から半月も経過していない非常に新しいサイトということになります。

また上で指摘しましたがこのグランドFXのサイトには以下のような記述があります。

>私達のネットは毎日100億円を超える外貨取引を処理しています。

しかし開設から半月も経過していないサイトで毎日100億円をこえる外貨取引があるなんて到底事実とは思われません。

本項の最初に書いたようにこのサイトは以前に検証したサイトと同じIPアドレス上のサイトということで見つかってきたサイトであり、このサイトでの投資を勧誘されたとか入金したら出金出来なくなったといった報告が確認されているわけではありません。しかしこのサイトは以前に検証したサイトと同じテンプレートから量産されたサイトである可能性が高く、さらに連絡先情報が殆ど開示されていないこと、金融ライセンスに関する記述も一切見当たらないことなどから考えて到底信用出来るサイトとは思われません。

このサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。


●Kwakol Markets (クワコルマーケッツ https://www.kwakolmarkets.com/)

これは「検証36」で検証したPINO MARKETS LIMITED (PINOマーケッツリミテッド https://www.pinomarkets.com/ja/) および「検証59」で検証したR24 Capital Group (R24キャピタルグループ https://www.r24capital.com/jp/) と同じIPアドレス上 (52.139.198.206.) にあることで見つかってきたサイトです。以下はPINOマーケッツリミテッドのサイトを基準にして同じIPアドレス上にあるサイトを探した結果です。

PINOマーケッツリミテッド、R24キャピタルグループ、クワコルマーケッツの3つのサイトがIPアドレスを共有していることが分かります。海外に拠点がある日本語に対応したFX業者のサイトが3つも同じIPアドレス上にあるというのは偶然とは思えません。同じグループによるサイトである可能性が考えられますが、クワコルマーケッツのサイトは特にPINOマーケッツリミテッドR24キャピタルグループのサイトと似ているようには思われませんし、同じ中国系と思われるグループによるサイトと断言するだけの情報も見つかりません。しかし日本の金融庁で登録を得ていないのに日本語対応している、違法性の疑いが濃いサイトということで検証対象とすることにしました。

まず以下にはクワコルマーケッツのサイト冒頭のキャプを示します。

表示言語の選択肢は日本語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、アラビア語、中国語、韓国語、英語、ベトナム語の9ヵ国語です。この冒頭部に続いては取引条件などを説明している部分が出てきます。

マルチアセットブローカーとありますが、取引対象についてはこの部分を見ても分かりません。メニューバーの「トレーディング」という項目から選択出来る「アセットクラス」というサブページに以下に示した6項目の取引対象に関する説明があります。

株式 (CFD)、コモディティ、株式インデックス、仮想通貨、外国為替 (FX)、CFD の6項目が取引可能となっていますがこの部分には違和感を感じる部分があります。6つの項目にはそれぞれ「もっと詳しく →」と書かれた項目の内容をさらに詳しく説明するリンクが付いていますが、「インデックス・トレーディング」の「もっと詳しく →」というリンク先の内容と「外国為替取引」の「もっと詳しく → 」というリンク先の内容は同じで記されているのは「外国為替取引」の内容を説明する内容のようです。また最後の「CFD (Contract for Difference ; 差金決済取引)」の「もっと詳しく →」のリンク先はこの「アセットクラス」というサブページ自体になっていてクリックしても別のページに移動しません。ちなみに表示言語を日本語から英語に変更しても同じようにリンク先がおかしいです。なぜこんな不可解なことになっているのか全く理解できません。

次に連絡先情報を探しましたが、まず脚注部分にメールアドレスと電話番号が記されています。しかしここでまたおかしな部分があることに気が付きました。まず左下はトップページの脚注に記されているメールアドレスと電話番号のキャプです。一方で右下はメニューバーにリンクがある「アセットクラス」のサブページの脚注に記されているメールアドレスと電話番号のキャプです。

同じサイトなのにトップページと会社概要のサブページでは記されているメールアドレスも電話番号も異なるのです。

トップページの脚注の記述

>お問い合わせ

>admin@kwakolmarkets.com

>+44 7862 144547

>+44 2080 891164

「アセットクラス」のサブページの脚注の記述

>お問い合わせ

>info@kwakol.com

>+234 (0) 706 172 7177

>+234 (0) 913 715 7205

トップページの脚注に記されている電話番号は[+44] から始まっていてこれはイギリスの国番号です。一方で「アセットクラス」のサブページに記されている電話番号は[+234] という国番号から始まっていてこれは国番号のリストで調べるとアフリカ・ナイジェリアの国番号です。さらにこのサイトの脚注には以下のキャプに示したような記述もあります。

このサイトの運営者としてアメリカ、香港、ナイジェリア、オーストラリアの法人名とその住所が記されています。

▼アメリカ法人

Kwakol Markets (USA) Ltd

登録住所:652 57th St 2F Brooklyn, New York, USA

▼香港法人

Kwakol Markets (HK) Ltd

登録住所:Unit A222, 3F, Hang Fung, Industrial Building, Phase 2, No.2G, Hok Yuen street, Hunghom, Hong Kong

▼ナイジェリア法人

Kwakol Markets (NGN) Ltd

登録住所:1st floor, Mall169, Adetokunbo Ademola Crescent, Wuse ll, Abuja.

▼オーストラリア法人

Kwakol Markets (AU) PTY Ltd

登録住所:220 350 Victoria St Richmond VIC 3121

4つの国の法人が記されていますが連絡先は住所のみで電話番号はありません。住所も「登録住所 (Registered Address)」と記されているのは法人登録上、名目上だけの住所ということなのかもしれません。これら4つの拠点の内、ナイジェリアの拠点はサイトの脚注に記されていたナイジェリアの国番号から始まる電話番号に対応しているのかと思われますが、同じくサイトの脚注に記されていたイギリスの国番号から始まる電話番号に対応すると思われる住所はありません。

さらに検索していて気が付いたのですが、このクワコルマーケッツの運営会社と思われるKWAKOL (クワコル) 社のサイト (https://www.kwakol.com/) を発見しました。以下に見つかってきたサイトの冒頭部のキャプを示します。

このサイトは英語にしか対応していません。上のキャプの左上に見える「KWAKOL」というロゴは本項の検証対象であるクワコルマーケッツのサイトのロゴと極めてよく似ています。左下に新たに見つかってきたクワコルのサイト (https://www.kwakol.com/) のロゴ、右下に本項の検証対象であるクワコルマーケッツのサイト (https://www.kwakolmarkets.com/) のロゴを示します。

そして下のキャプに示しましたがこのクワコルのサイト (https://www.kwakol.com/) のメニューバーの「What We Do」という項目をクリックするとプルダウンメニューが出てきて「Online Brolerage Services」「Kwakol Funds」「Research」「Technology」の4つの選択項目が示されます。

そして4つの選択項目の中で最初の「Online Brolerage Services」という項目を選択すると本項の検証対象であるクワコルマーケッツのサイト  (https://www.kwakolmarkets.com/) に繋がります。これら2つのサイトは同じグループによるサイトで間違いないでしょう。そしてこのクワコルのサイト (https://www.kwakol.com/) の「Contact Us」のページには連絡先情報として以下に示しましたがナイジェリア、アメリカ、香港、オーストラリアの住所記されています。

この4つの住所は上に示したクワコルマーケッツ (https://www.kwakolmarkets.com/) の脚注に記されていたアメリカ、香港、ナイジェリア、オーストラリアの法人の住所と同じです。さらにクワコルのサイト (https://www.kwakol.com/) の脚注には右に示しましたがメールアドレスが1つとナイジェリアの国番号である[+234]から始まる電話番号が2つ記されています。

このナイジェリアの電話番号とメールアドレスはクワコルマーケッツの「アセットクラス」のサブページの脚注に記されていたメールアドレスおよびナイジェリアの電話番号と同じです。

>info@kwakol.com

>+234 (0) 706 172 7177

>+234 (0) 913 715 7205

ここまで連絡先情報として出てきたのはイギリスとナイジェリアの電話番号、ナイジェリア、アメリカ、香港、オーストラリアの住所ということになります。ナイジェリアだけは電話番号と住所の両方の情報がありますが、イギリスの電話番号に対応するイギリスの住所、あるいはアメリカ、香港、オーストラリアの住所に対応する電話番号は示されていません。

そこでイギリスに電話番号があるならイギリスの法人登録情報を探せばイギリス法人の情報が出てくるかもしれないと考えて探してみると予測通り、以下に示すKwakol Markets (クワコルマーケッツ) に対応すると思われるイギリス法人の登録情報が見つかってきました。以下にキャプを示します。

法人登録の日付は2022年9月8日となっていてこの検証を書いている2022年11月上旬時点で2ヶ月ほどしか経過していないかなり新しい法人登録です。上のキャプの一番下に示されている事業内容は金融関係となっていて矛盾がありません。そしてこの法人登録の住所は以下のようになっています。

>291 Brighton Road, South Croydon, United Kingdom, CR2 6EQ

この住所は「検証13」以降の一連の中国系グループによると思われるサイトの検証で頻繁に登場している住所です。具体的には本サイトで検証した以下のサイトで法人登録上の住所になっています。

「検証20」 FOYAインベストメントリミテッド法人登録

「検証22」 MARVALLE 3THグループリミテッド法人登録、ONDERSON法人登録

「検証23」 Bairradaインターナショナルリミテッド法人登録、JUNE BOWESデベロップメントグループリミテッド法人登録

「検証25」 FOGEE → 法人登録 (「検証40」で検証している11個のFOGEEのサイトとも共有)、NODEキャピタルグループ → 法人登録

「検証28」 ファーリーチキャピタル法人登録

「検証31」  WSL FX ユニオンリミテッド法人登録、POGグローバルリミテッド法人登録、ADGマーケッツリミテッド法人登録、KOPEグローバルリミテッド法人登録

「検証37」 Gotlonインベストメントリミテッド法人登録

「検証39」 HNDグローバルリミテッド → 法人登録、ITEグローバルリミテッド → 法人登録、SODグローバルリミテッド → 法人登録インダスゴールドマーケッツリミテッド → 法人登録BSVグローバルインベスティングリミテッド → 法人登録、パワーファンクションキャピタルリミテッド → 法人登録

「検証40」 ダブルドリル法人登録、FULILAI カンパニーリミテッド法人登録

「検証41」 スーパー・キャピタル・マネジメント・リミテッド法人登録

「検証43」 YIANマーケッツリミテッド → 法人登録

「検証44」 エクセレントリベニューリミテッド法人登録

「検証49」 ビッグアンクルリミテッド → 法人登録、DUXホールディンググループリミテッド → 法人登録、Qtマーケッツリミテッド → 法人登録

「検証50」 パイオニアキャピタルリミテッド法人登録

「検証54」 ローカスマーケットインターナショナルリミテッド → 法人登録

「検証55」 FSDSグローバルリミテッド → 法人登録

「検証59」 R24キャピタルグループ → 法人登録

「検証63」 スイストレードファイナンス → 法人登録

この住所については「検証37」のGotlonインベストメントリミテッドの項目で説明してありますが架空住所の可能性が濃厚です。さらにこの法人登録の経営者情報のページを見ると唯一の経営者として登録されているのは以下にキャプを示しましたがISHAKU, Yakubu Teriというナイジェリア国籍、ナイジェリア在住の人物です。

このナイジェリア人経営者は1997年11月生まれとなっており、2022年9月8日にDirector (社長) に就任した時点で24歳ということになります。この人物の住所として以下の住所が記されていますが

>Hse 30, 1st Street Festrut, Estate Ktp Und St. Setraco/Gishiri, Nigeria, 999062

この住所を検索しても何も情報が出てきません。実在の住所かどうかさえよく分かりません。ナイジェリアの首都、Abuja (アブジャ)マイタマ行政区という地域にGishiriという村が存在するらしいことは分かりましたが、この住所は不完全のように思われます。

そしてこのナイジェリア人経営者についてはクワコルマーケッツの会社概要のページ、およびクワコルの「Who We Are」のページで紹介されています。経営者の名前が一致するということはこのイギリスの法人登録がここで検証しているクワコルマーケッツに対応するものと考えて間違いないでしょう。

まず以下はクワコルマーケッツの会社概要のページにある「MDからのメッセージ」という部分のキャプです。

確かに24歳という若いナイジェリア人経営者らしき人物の画像に見えます。「Dr.」とか「MD」という称号が付いていますが「MD」は普通に考えれば「医学博士」を意味すると思われます。さらに以下はクワコルの「Who We Are」のページにある同じ経営者の画像です。このサイトではチームの紹介と題して全部で27名の従業員の画像が掲げられていて以下には最初の4名分だけを示しますがトップにCEO (最高経営委責任者) という役職名付きでYakubu Ishaku Teri氏が登場しています。

さらに2人目のCOO (最高執行責任者)という役職の人物、3人目のCIO (最高情報責任者) という役職の人物も同じIshakuという名字のようです。「Ishaku」という名字がナイジェリアでどれほど一般的なのか分かりませんが、これは家族経営の会社なのかもしれません。そして少なくとも27名の従業員がいるとなればそれなりの規模、それなりの顧客数を抱えているのではないかと考えられます。尚、ナイジェリアの住所

>1st floor, Mall169, Adetokunbo Ademola Crescent, Wuse ll, Abuja.

をGoogleのストリートビューで調べてみるとこの住所には歯医者、理髪店、眼科医、家電販売店、カフェなどが入居するショッピングモールがあることが確認されますがクワコル社が入居していることは確認出来ません。

次にナイジェリア以外の住所、アメリカ、香港、オーストラリアの住所についても調べてみました。まずアメリカ法人の住所です。

>Kwakol Markets (USA) Ltd

>登録住所:652 57th St 2F Brooklyn, New York, USA

この住所もGoogleストリートビューで調べてみると長屋 (タウンハウス) 形式の住居の一角ようです。扉に「652」という番地が記されているのが確認出来ます。このストリートビューの画像は2022年6月に撮影された新しい画像ですがやはりこの住所にクワコル社が実在するかどうかは確認出来ません。

次は香港の住所です。

>Kwakol Markets (HK) Ltd

>登録住所:Unit A222, 3F, Hang Fung. Industrial Building, Phase 2, No.2G, Hok Yuen street, Hunghom, Hong Kong

この住所の「Hang Fung」と「Industrial Building」の間に句読点が入っていますが、調べてみると「Hang Fung Industrial Building」と一続きになるのがどうやら正しく、香港語では「恆豐工業大廈」という表記になるようです。この住所もGoogleストリートビューで見ると中央に「恆豐工業大廈 HANG FUNG IND BLDGと書かれた雑居ビルが確認出来ます。

そしてこの住所は検索してみるとかなり多くの法人の住所として使われており、さらに「検証13」以降で検証してきた一連の中国系と思われる違法サイトの中の以下の4つのサイトの住所が部屋番号まで一致する住所になっています。

「検証17」 Douglas Financial Limited (ダグラスファイナンシャルリミテッド https://douglas-forex.com/jp/)

「検証33」 Charles Schwab (チャールスシュワブ https://charlesforex.com/

Face Forex Ltd (フェースフォレックスリミテッド https://face-forex.com/)

Texas Capital (テキサスキャピタル https://texas-forex.com/index.html)

この住所についてはオフショア会社とかバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の可能性が強く疑われます。

最後はオーストラリアの拠点の住所です。

>Kwakol Markets (AU) PTY Ltd

>登録住所:220 350 Victoria St Richmond VIC 3121

この住所についてもまずGoogleストリートビューで調べてみると下のキャプ画像の中に見える「Tech Services」という看板のある場所が「350 Victoria St.」に相当するようです。この画像は2022年10月に撮影されたばかりなのでクワコルマーケッツ社が存在しなければならないはずですが、この画像からは確認出来ません。

この「Tech Services」がどんなサービスを提供している店舗なのか不明ですが、左の拡大図で確認出来るようにちょうど通行人の陰にFedEx (フェデックス) の「Mail Box」と書かれたポスターがあるようです。この店舗に対応するサイトが見つからないので確たることは言えないのですが、この場所では私書箱サービスを提供しているのではないかと考えられます。つまりこの住所も郵便物を受け取る私書箱があるだけの住所ではないかと思われるのです。住所の最初の「220」は私書箱の番号かもしれません。

さらにオーストラリアの法人登録を確認出来るABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトでオーストラリアにあるはずの法人名、Kwakol Markets (AU) PTY Ltd を検索してみましたが以下のキャプに示したように「No matching names found (該当がない)」という結果になりました。

オーストラリアにおけるクワコルマーケッツの関連法人の存在は確認出来ないという結果になります。

さらに連絡先情報を探してクワコルマーケッツのサイト  (https://www.kwakolmarkets.com/)  およびKWAKOL (クワコル) 社のサイト (https://www.kwakol.com/) のWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は全く開示されていません。連絡先情報に関する情報開示は例えば電話番号がナイジェリアとイギリスの拠点についてしか示されていないなど明らかに不充分、不適切ですし、開示されている情報についてもどれだけ信頼出来るかどうか疑問と考えざるを得ません。

次にライセンス関係についてですが、やはりクワコルマーケッツのサイトの脚注に文に以下のような記述があります。

>Kwakol Marketsは、FINTRAC Money Services Canadaから発行された外国為替ディーラーライセンスを持っています。登録番号はM22600427

>Kwakol Marketsは、米国の金融システムから発行されたMSB(マネーサービスビジネス)ライセンスとNFA(National Futures Association)から発行されたNFAライセンスを持つ完全所有の企業です。MSB番号:31000193938311。NFA ID番号:0541103。

これらのライセンスに関する記述についてまずカナダのFINTRACという組織から「外国為替ディーラーライセンス」を得ているという件ですが、このFINTRACで登録を得ているという話は「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で何度か出ているのでFINTRACのサイトにある登録業者の検索ページから「Kwakol Markets」の登録を探してみると確かに以下のキャプに示した登録情報が見つかりました。

M22600427」という登録番号も合致していますからこれがここで検証しているクワコルマーケッツの登録で間違いないでしょう。しかしこれも何度か説明していますが、このカナダのFINTRACという組織の役目は金融ライセンスの認証、付与ではありません。以下にはFINTRACのサイトの機能や役割を説明しているページの冒頭部と同じ部分をGoogle翻訳で日本語訳した結果のキャプを示します。

日本語訳は不自然な部分があって分かりずらいですが、要するにFINTRACはマネーロンダリング、テロ活動への資金提供、個人情報の流出などを防ぐ為の組織であるということが書いてあります。ちなみカナダで日本の金融庁に相当するような、金融ライセンスの審査・付与を行っているのはOSFI (Office of the Superintendent of Financial Institutions http://www.osfi-bsif.gc.ca/Eng/Pages/default.aspx) という組織のようです。

次にクワコルマーケッツが「米国の金融システムから発行されたMSB(マネーサービスビジネス)ライセンス」を持っていて「MSB番号:31000193938311」であるという記述ですが、これもアメリカのMSBのライセンスを得ているという記述「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で何度か出ていアメリカのFINCENという組織でMoney Service Business (MSB) の登録を取得しているという主張と思われます。そこでFINCENのサイト (https://www.fincen.gov/) にあるMSB Registrant Searchという登録者を検索できるページでクワコルマーケッツの登録を探してみました。すると確かに以下に示したクワコルマーケッツの登録を確認しました。

しかしこのアメリカのFINCENという組織についても以前にも一連の検証の中で指摘したことがありますがやはり金融ライセンスの管理を目的としている組織ではありません。FINCENのサイトのMission (ミッション、目的) というページには以下のような記述があります。原文とGoogle翻訳による日本語訳を示します。

これもカナダのFINTRACと同様でマネーロンダリング、テロ組織への資金提供などを防止する為の組織となっています。クワコルマーケッツがFINCENで登録を得ているとしてもそれは金融ライセンスに相当するものではないということです。

最後のNFA (National Futures Association) から発行されたNFAライセンスを持っていてNFA ID番号:0541103であるという記述についてもNFAのサイトにある検索窓からMokFXグローバルの登録確認を試みたところ、以下のキャプに示したようにクワコルマーケッツについて何らかの情報がNFAに存在するものの「Not an NFA Member (NFAのメンバーではない)」という結果が出てきます。

そもそもこのNFAという組織の役割についてもFINTRACやFINCENの場合と同じで金融ライセンスの管理・認定ではないと思われるのでNFAのメンバー登録があったとしてもどれほど意味があるかは極めて疑問です。

カナダのFINTRAC、アメリカのFINCENおよびNFAからライセンスを得ているという主張は例えば「検証54」で検証したMONFXグローバル (https://myforexp2p.com/) でも使われています。MONFXグローバルのサイトは既に閉鎖されており、確認されている勧誘されたといった情報からも中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの可能性が濃厚と思われるのですが、本項で検証したクワコルマーケッツの場合には果たして中国系のサイトかどうかもよく分かりません。ナイジェリアの運営グループについては異様に若い経営者やナイジェリアの本拠についても確認出来る情報が見つからないといった点で疑わしいことは確かです。最初に説明したようにIPアドレスを中国系と思われるサイトと共有しているといったことから考えてもナイジェリアの経営陣はダミーで実質的にはやはり中国系のサイトという可能性は残るものの結論を出すだけの判断材料もありません。しかし同時にこのサイトが信頼できるサイトとは全く思えません。記述内容は不明確、不充分であり、信頼出来る金融ライセンスも確認出来ません。中国系の組織の関与があるかどうかはどうかよく分かりませんが、やはりこのサイトでの取引は推奨出来ません。


※付記

WikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) という海外のFX業者口コミ情報サイトにクワコルマーケッツで出金できなくなっているという被害報告が2件出ています。どれほど信頼出来る情報なのか分かりませんが、参考にしてください。


●Mathews (マシューズ https://www.mathewslcd.com/#/home)

●Mathews (マシューズ https://www.mathewstop.com/#/)

●Dynamics Finance (ダイナミクスファイナンス https://www.dmfnclcd.com/#/)

●Radian (ラジアン https://www.radianlcd.com/#/)

●ECG (https://www.ecglcd.com/#/)

●PAWNFI (https://www.pawnfitrading.com/#/)

●SOLanding (https://www.solandingmarket.com/#/)

2つのマシューズというサイトはいずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、残りの5つのサイトは画像検索で見つけてきた同じテンプレート由来と思われるサイトです。まず表題最初のマシューズというサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2022年11月17日投稿 [マシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) に関する投稿]

SNSで知り合った外国人に投資勧誘されたといういわばお馴染みの勧誘パターンで勧誘が行われている可能性があるようです。さらにこの検証を書いた後ですがやはり同じマシューズのサイトについてYahoo知恵袋に以下の質問投稿が出てきました。

2022年12月16日投稿 [マシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) に関する投稿]

インスタグラムで知り合った外国人に勧誘されてマシューズでのFXを始めてしまい、最初は利益が出ていてしかもすんなり出金できたことで安心してしまい、資金を続々と追加してしまったようです。しかしさらに投資を勧める勧誘役と喧嘩したことで投資を止めようと決心して出金しようとしたところ、口座が凍結されたようで、凍結を解除する為に口座残高と同額の資金を追加入金するように要求されてしまったということのようです。しかも入金方法が日本国内の銀行の日本人の個人名義の口座への入金だったようです。これはまさに「検証13」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致するように思われます。

次にさらに遅れて出てきた表題2番目のマシューズに関する質問投稿を引用します。

2023年5月2日投稿 [マシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) に関する投稿]

どういった経緯だったのか全く分かりませんが投資を勧誘されたようです。

さらに同じサイトについてもう1件質問が出てきました。

2023年6月1日投稿 [マシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) に関する投稿]

Instagram経由で知り合った自称・タイのバンコク在住の人物にマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) での投資を勧誘されたようです。しかしイオン銀行ミモザ支店の個人名義の口座への入金であったことなどから不審を抱いてこの質問をしているという状況のようです。実際には入金までしてしまうところだったものの運よく暗証番号が分からなくなった為に入金に失敗して入金しなかったようです。

とにかくこれらの質問投稿に記されていたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。まず以下が表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) のサイト冒頭のキャプ画像です。

▼マシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、トルコ語、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語]

このサイトは英語、日本語を含む10ヵ国語に対応しています。比較の為に英語表示を選択した場合の同じ冒頭部のキャプも以下に示します。

英語版には日本語版にない、3つの小さな画像が並んでいる部分があります。

同様に表題2番目のマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) についても日本語版、英語版のサイト冒頭部のキャプ画像を以下に示します。

マシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、トルコ語、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語]

日本語サイトの比較では2つのマシューズのサイトは非常によく似ていて表示言語の選択肢も全く同じです。但し2つ目のマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) のサイトにはリアルタイムの為替相場の情報を示す部分が存在しないようです。また英語サイトを見ると表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) の英語サイトの場合のみ日本語版にない、3つの小さな画像が並んでいる部分があります。

次に画像検索で見つかってきた表題3~7番目の5つのサイトについてもサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

▼ダイナミクスファイナンス (https://www.dmfnclcd.com/#/) [表示言語:英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、トルコ度、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語、香港語]

▼ラジアン (https://www.radianlcd.com/#/) [表示言語:英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、トルコ度、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語]

▼ECG (https://www.ecglcd.com/#/) [表示言語:英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、トルコ度、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語]

▼PAWNFI (https://www.pawnfitrading.com/#/) [表示言語:中国語、英語]

▼SOLanding (https://www.solandingmarket.com/#/) [表示言語:中国語、英語]

日本語に対応しているのはYahoo知恵袋に質問が出てきた2つのマシューズのサイトだけですが、画像検索で見つかってきた5つのサイトは明らかに2つのマシューズのサイトに似ています。特に似ているのは表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) を英語表示にした場合で、冒頭部中央に3つの小さい画像が出現するのですが、ダイナミクスファイナンス、ラジアン、ECG、PAWNFISOLandingの各サイトではいずれの言語を選択しても冒頭部中央に似たような3つの小さな画像が示されます。

さらにこれら7つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。まず冒頭部に続く部分に出てくるサイトの安全性について3項目にまとめて説明している部分を比較します。まず以下には表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home)  の日本語版 → 同じく英語版 → 表題2番目のマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) の日本語版 → 同じく英語版の順で計4枚のキャプ画像を示します。

さらに以下には画像検索で見つかってきた5つのサイトからのキャプをダイナミクスファイナンス → ラジアン → ECG → PAWNFI → SOLandingの順で示します。

これらサイトの安全性について説明している部分は7つのサイトで背景画像も一致していますし、英語版の文章も完全に一致しているようです。そして既に書いたように2つのマシューズのサイトだけ一応は日本語に対応しているのですが日本語表示を選択しても日本語にならず、英語表示になる部分が多、さらには日本語訳はかなりレベルが低くてよく意味が分かりません。例えば2つのマシューズのサイトの右側の最後の項目について日本語版と英語版は以下のようになっています。

日本語:グローバルな生態系 良質の取引ユーザーコミュニティ|百段

英語:global ecological layout high quality trading community | millions of users precipitation

日本語版の最後に「百段」と書いてありますがこれでは全く意味不明です。英語版を見るとどうやら数百万人のユーザーがいるといったことが書いてあるようです。しかし後述しますがこれらの全く聞いたこともないようなサイトにそれぞれ数百万人単位のユーザーがいるとは到底思えません。

7つのサイトで次に出てくるのはサイトのマルチプラットフォーム対応を説明する部分です。その部分についてもまず比較の為にマシューズ (日本語版) → マシューズ (英語版) → ダイナミクスファイナンス → ラジアン の順で以下に4枚のキャプ画像を示します。表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) の日本語版 → 同じく英語版 → 表題2番目のマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) の日本語版 → 同じく英語版の順で計4枚のキャプ画像を示します。

さらに以下には画像検索で見つかってきた5つのサイトからの相当部分のキャプを表題と同じダイナミクスファイナンス → ラジアン → ECG → PAWNFI → SOLandingの順で示します。

やはりこの部分でも計7つのサイトは互いに非常によく似ています。

次に各サイトで連絡先情報や金融ライセンスに関する記述を探しましたが殆ど情報がありません。まず以下は表題最初のマシューズのサイト (https://www.mathewslcd.com/#/home) 「概要」というサブページにある「私たちに関しては」という項目の記述の冒頭部のキャプです。日本語表示を選択しているのですがキャプで明らかなように日本語で表示されるのはタイトル部分のみで本文は英語になっています。

活字が小さいので記述を以下に書き出します。

>Introduction to Mathewslcd Company

>As the world's leading online investment trading platform, Mathewslcd was founded in 2014 by Mr. Tony Taylor with a registered capital of US$ 200 million. The company is headquartered in London, United Kingdom, and has branches in major cities such as new york, Toronto, Sydney and Tokyo.

Mathewslcd社は2014年にMr. Tony Taylorという人物によって設立され、イギリスのロンドンに本社、ニューヨーク、トロント、シドニー、東京に支店があると書いてありますが、それら本社や支店の住所や電話番号といった連絡先情報は何も示されていません。そして2014年設立とありますから既に8年経過していることになります。イギリス・ロンドンに本社があるというのでイギリスの法人登録を探してみましたが、当てはまるような法人登録が見つかりません。

次は表題2番目のマシューズ (https://www.mathewstop.com/#/) の場合ですが、このサイトでも脚注部分「概要」と書かれたサブページへのリンクがあるのですが、そのサブページには以下に示すように何も情報が示されていません。

次は表題3番目のダイナミクスファイナンスのサイトの「About Us」のページの冒頭部を以下に示します。

>Company profile:

>Dynamics Finance provides a highly liquid trading environment. It is the most efficient and safe online foreign exchange trading platform. Founded in 2013, located in Seattle.

>Founded by Gail Smith, the president of the company, the company has a startup capital of 300 million US dollars and the company is operating normally.

こちらは2013年に(アメリカの) シアトルで設立されたと書いてあります。創設者はGail Smithとなっています。

次は表題4番目のラジアンのサイトの「About Us」のページの冒頭部のキャプを以下に示します。

>RaDianlcd is the world's leading provider of online foreign exchange (FX) trading, stock, post contract trading, encryption and related services, and is a leader in zero commission trading platforms.

>RaDianlcd's headquarters is located in London, United Kingdom. It was established in 2012 and has been founded by the company's president, Lanny Miller. The company's start-up capital is US$ 500 million and the company operates normally.

ラジアンについては本社がロンドンで会社設立は2012年、創設者はLanny Millerとなっています。本社がロンドンということでイギリスの法人登録を探してみましたが、マシューズの場合と同じで該当すると思われるイギリスの法人登録は見つかりません。

次は表題5番目のECGのサイトの「About Us」のページの場合です。

>Since  ECGlcd  was established in Toronto, Canada in 2020, Registered company address: 23 Sherbourne St #45, Toronto, ON M7B 3T1 Canada,it has successfully expanded to serve retail and institutional customers in more than 170 countries–and continues to grow.

ECGはカナダのトロントで2020年に設立されたとあり、カナダの住所が記されています。

>23 Sherbourne St #45, Toronto, ON M7B 3T1 Canada

この住所は調べてみると本サイトの姉妹サイトの「検証131」で検証しているwetuoke (ウェットオーク https://www.wetuoke.com/#/、スマホ用サイト:https://net.wetuoke.com/#/) というサイトで所在地とされていた住所と全く同じです。

ECGとウェットオークの記述は住所が一致しているだけでなく、2020年にカナダのトロントで創設されたといった記述も一致しており、文章が使い回しされている可能性が高いです。

次は表題6番目のPAWNFIと7番目のSOLandingのキャプをまとめて示します。PAWNFIの「About us」のページについてもSOLandingの「About us」のページについても非常に長い文章が書いてあります。以下には冒頭部のみキャプを示します。

非常に長い文章なのですが、仮想通貨の取引システムのことが長々と説明されているだけでいずれの場合も所在地など連絡先情報や運営陣に関する情報は何も書かれていないようです。これでは「About us」という題目が記されていても実際のところ「About us」にはなっていません。

7つのサイトに記されていたこれらの情報を以下にまとめてみます。

サイト名 設立年 本社 創設者

マシューズ (www.mathewslcd.com) 2014年 イギリス・ロンドン Tony Taylor

マシューズ (www.mathewstop.com) 記載なし 記載なし 記載なし

ダイナミクスファイナンス 2013 アメリカ・シアトル Gail Smith

ラジアン 2012年 イギリス・ロンドン Lanny Miller

ECG 2020年 カナダ・トロント 記載なし

PAWNFI 記載なし 記載なし 記載なし

SOLanding 記載なし 記載なし 記載なし

最初のマシューズとラジアンの本社が共にイギリス・ロンドンで共通していますがそれ以外の項目は全て互いに異なります。そしてこれら7つのサイトは上で示したように互いに明らかに酷似しており、同じグループによるサイトとしか思われません。具体的な住所や電話番号はいずれのサイトでも開示されていません。

そこでさらに各サイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報はいずれのサイトでも殆ど開示されていません。以下に表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) のWho Is 情報のキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分に示されているサイトの登録・開設日は2022年10月16日となっています。そして赤枠で囲った部分に登録者の情報が記されているのですが、殆どの項目が非開示となっていて開示されているのは登録者の所在地が「HK, CN」であるということだけです。これは中国の香港を意味すると思われます。

本項で検証した6つのサイトのWho Is 情報に記されている内容を以下にまとめます。

サイト名 登録・開設日 登録者所在地

マシューズ (www.mathewslcd.com) 2022年10月16日 香港

マシューズ (www.mathewstop.com) 2023年3月9日 香港

ダイナミクスファイナンス 2022年10月11日 香港

ラジアン 2022年10月4日 香港

ECG 2022年9月20日 香港

PAWNFI 2022年12月1日 イギリス・ロンドン

SOLanding 2022815日 イギリス・ロンドン


最後の2つのサイトだけPAWNFIだけ所在地がイギリス・ロンドンとなっているのでイギリスの法人登録を検索してみましたがいずれも該当なしです。

各サイトの「About Us」の記述によれば表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) は2014年、ダイナミクスファイナンスは2013年、ラジアンは2012年、PAWNFIは2020年となっていましたが、これら7つのサイトは2022年8月から2023年3月までの間に開設されていて創立年度よりもかなり新しいです。そしていずれのサイトもこれだけ新しいサイトということになればサイトの安全性について3項目にまとめて説明している部分に記されていた

>millions of users precipitation (数百万人のユーザー)

を抱えているといった記述はとてもではありませんが、真実とは思われません。実際問題これらのサイトについて検索しても殆ど情報が見つからないということからも「数百万人のユーザー」がいるとは到底思えません。これらのサイトの記述の信頼性は著しく低いものと考えざるを得ません。また所在地などの連絡先情報といった当然示されているべき情報が殆ど何も開示されていないことは情報開示として著しく不適切です。

これらのサイトが信用できるサイトとは到底思われません。少なくともマシューズについては最初に引用したように出金出来ないという事例が報告されていることからもこれらのサイトは非常に危険としか思われません。これらのサイトでの投資は全く推奨できません。


※付記

以下は2023年2月20日付でMetaverse321 (https://twitter.com/Anfaoplatform) というTwitterアカウントから投稿されていた表題最初のマシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home)  のサイトに関する宣伝目的と思われる投稿です。

2023年2月20日投稿 [マシューズ (https://www.mathewslcd.com/#/home) に関する投稿]

このTwitterアカウント、Metaverse321 (https://twitter.com/Anfaoplatform) からは本項の表題3番目のダイナミクスファイナンス、4番目のラジアン、5番目のECGに関する宣伝目的と思われる投稿も出ています。

2022年10月26日投稿 (ダイナミクスファイナンスに関する投稿)

2023年1月4日投稿 (ラジアンに関する投稿)

2022年10月26日投稿 (ECGに関する投稿)

さらにこのMetaverse321 (https://twitter.com/Anfaoplatform) というTwitterアカウントからは本サイトの姉妹サイトで検証したかなり多くのサイトに関する同様の宣伝目的と思われる投稿が出ています。

■姉妹サイト「検証125」で検証したサイト

▼Zire (https://www.zireworld.com/#/index) → Twitter投稿

▼Beulah (https://www.beulahlcd.com/#/index) → Twitter投稿

▼Coingrid (コイングリッド https://www.coingridltd.com/#/index) → Twitter投稿

Constance (https://www.constancelcd.com/#/index) → Twitter投稿

▼Beoscoin (Beosコイン https://www.beoscoin.com/#/index) → Twitter投稿

▼AANRENT (https://www.aanrent.com/#/index) → Twitter投稿

▼Bereajoy (https://www.bereajoy.com/#/index) → Twitter投稿

▼KraUkonge (https://www.kraukonge.com/#/index) → Twitter投稿

▼MilanPavilion (ミランパビリオン https://www.milanpavilionlcd.com/#/index) → Twitter投稿

▼Franziska (https://www.franziskalcd.com/#/index) → Twitter投稿

■姉妹サイト「検証131」で検証したサイト

▼Royalqatarlcd (https://www.royalqatarlcd.com/#/) → Twitter投稿

▼wetuoke (ウェットオーク https://www.wetuoke.com/#/) → Twitter投稿

■姉妹サイト「検証132」で検証したサイト

▼Ezopr (https://www.ezopr.com/#/index) → Twitter投稿

▼Zapth (https://www.zapth.com/#/index) → Twitter投稿

▼zztown (https://www.zztown.com/#/index) → Twitter投稿

▼hderke (https://www.hderke.com/#/index) → Twitter投稿

これらのサイトは本項で検証したサイトと組織的な繋がりがある可能性が考えられます。

上でECGのサイトの「About Us」のページに記されていた住所が姉妹サイト「検証131」で検証したウェットオーク (https://www.wetuoke.com/#/) のサイトの「About Us」のページに記されていた住所と完全に一致すること、前後の文章も非常によく似ていることを指摘して同じグループによるサイトの可能性があることを説明しましたが、同じTwitterアカウントから似たような宣伝投稿が出ているという点でも組織的な繋がりの可能性が示されたように思われます。

ちなみに以下のTwitterアカウントも同じグループのアカウントと考えられ、同様の宣伝目的と思われる投稿が繰り返されています。

▼Metaverse (https://twitter.com/m15927193) [2022年10月開設]

▼Metaverse654 (https://twitter.com/fusionuk3) [2022年7月開設] 

▼Metaverse789 (https://twitter.com/Bitmelcd) [2022年7月開設]

これらのTwitterアカウントおよびこれらのアカウントから宣伝目的と思われる投稿が出ているサイトについては姉妹サイトの「検証125」「検証131」「検証132」を参照してください。