本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには関東財務局から違法業者として警告が出ているサイト、被害報告が確認されているサイトも含まれています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
本ページでは以下を検証します。
●EBE Inc. (https://ebeinc.net/)
●INSTANTRADE (インスタントレード https://instan-trade.com/home)
●Pocket Trade (ポケットトレード https://pocket-trade.com/home)
●Commit Trade (コミットトレード/コミトレ https://pocket-trade.com/)
●BA CAPITAL (BAキャピタル https://bacapitalpty.com/)
●BA CAPITAL (BAキャピタル http://bacapital-bank.com/)
●NEXTART (ネクストアート https://www.nextartfx.com/jp/)
●TASNIC-CAPITAL (タスニックキャピタル https://tasnic-capital.com/)
●WeekendFX (ウィークエンドFX https://weekend-fx.com/ja/ホーム/)
●Jade FOREX (ジェイドフォレックス https://jade-forex.com/ja/)
●Axon Markets (アクソンマーケッツ https://www.axonmarkets.com/ja)
●SAMURAI FX (サムライFX https://samuraifx-asia.com/)
まず以下のサイトから検証します。
●EBE Inc. (https://ebeinc.net/)
これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたFX業者です。まず知恵袋に出てきた2件の投稿から引用します。いずれの投稿でもシステムリンクという会社に投資勧誘されたという経緯になっており、この検証ではシステムリンクについても関連会社として触れることにします。
▼2020年11月10日投稿 (こちらは2件の回答でも被害が報告されているのでそれらの回答も引用します。)
EBEというここで検証するFX業者の名前が出ているのは1件目の投稿だけですが、システムリンクというFX投資会社から運用を持ち掛けられたという経緯は一致しているので同じEBEというFX業者が運用先として指定されていた可能性は高いものと思われます。まずEBEというFX業者のサイトを検索して見つけてきました。以下がそのEBEのサイトの冒頭部のキャプです。
表示言語の選択肢は英語と日本語だけです。しかし英語表示を選ぶと非常に奇妙なことになります。まず日本語表示の場合のメニューバーのキャプを以下に示します。メニューバーには「ホーム」「プラットフォーム」「口座タイプ」「取扱商品」「サポート」と5つの項目が並んでおり、さらに黄色の「ログイン」と書かれたボタンがあるのが見えます。
次いで英語表示を選んだ場合の同じメニューバー部分のキャプを以下に示します。何故か理由は全く分かりませんが、日本語表示では5項目あったメニューバーの項目が「Home」の1項目だけになってしまいます。さらにその右には黄色のボタンがあるのですがそのボタンに日本語で「ログイン」と書かれています。これは異様です。
要するに一見すると英語表示が可能になっているように見えますが、英語版のサイトは明らかに機能が足りていません。日本語版にある項目の多くが英語サイトでは欠落しているのです。「ログイン」と日本語で書かれたボタンが英語表示で残るのも異様です。さらに日本語表示の場合と英語表示の場合ではURLアドレスが変わることにも気が付きました。
日本語表示: https://ebeinc.net/
英語表示: https://ebeinc.net/en-gb/homepage/
英語表示のURLアドレスは日本語表示の場合のURLアドレスに「en-gb/homepage/」の部分が付け加わった形になっています。これは日本語サイトが先に作られて、後から英語サイトが付け加えられたものとしか思われません。これらの奇妙な状況からこのEBE Incのサイトは海外業者のサイトを名乗っていても実際にサイトを運営しているのは日本のグループなのではないか疑わざるを得ません。
ところが一方でこのサイトの連絡先はイギリスになっているようです。連絡先情報を探すとサイトの2ヵ所にそれらしき情報が見つかりました。まずサイト冒頭部のキャプの左上、メニューバーの上に住所とメールアドレスが見つかります。上のキャプでは活字が小さくて読みにくいのでその部分だけ拡大したキャプを以下に示します。
アイコンから判断して左から住所、電話番号、メールアドレスが並んでいるものと思われます。これらを以下に書き出します。
>109 High Street Billericay Essex CM12 9AN UNITED KINGDOM
>TBA
>info@ebeinc.net
住所はイギリスのエセックスになっています。電話番号が「TBA」となっていますがこれは「To Be Announced (後日発表)」の意味と思われます。つまり電話番号は現時点で非開示ということになります。
連絡先情報は「お問い合わせ」のページにもあります (右のキャプ参照)。
>4 Lombard Street, London, EC3V 9HD, United Kingdom
>INFO@EBEINC.NET
こちらにも電話番号はなく、メールアドレスはサイトの左上に書いてあったものと同じですが、住所は同じイギリスでもロンドンになっており、全く異なる住所です。
何故住所が2つあるのか全く分かりませんがとにかくこれら2つの住所を検索してみました。まずサイトの左上にあったエセックスの住所 (109 High Street Billericay Essex CM12 9AN UNITED KI) ですが検索するとHSBC銀行の支店の住所と一致するようです。Google ストリートビューでこの住所を見ると右のキャプに示したように銀行の支店、看板が確認出来ます。EBE Incがこの住所にあるようには全く思えません。
もう一つのロンドンの住所 (4 Lombard Street, London, EC3V 9HD, United Kingdom)についても検索してみるとServiced Office Spaceというレンタルオフィス業者の拠点の住所と一致するようです (以下のキャプ参照)。セキュリティ管理が極めて重要なFX業者がレンタルオフィスに本拠を置いているなんて非現実的としか思えません。この住所は架空住所の疑いが濃厚です。
さらにイギリスに本拠があるならばイギリスの法人登録や金融機関登録がなければならないはずということでそれらの確認を試みました。ます法人登録を検索出来るサイトで「EBE Inc」を検索してみましたが該当するような登録は見つかりません。さらに法人登録がないのですから当然ですがイギリスの金融機関登録を管轄するFINANCIAL CONDUCT AUTHORITY (FCA、金融行動監視機構) のサイトでEBE Incの登録を検索してみましたがやはり該当がありません。イギリスに何の登録も見つからないということからもEBE Incを実際に運営しているのは日本のグループではないかという疑いがさらに強くなったように思われます。
次に最初に引用したYahoo知恵袋の2件の投稿にあったシステムリンクという会社について調べてみました。システムリンクを検索するとそれらしきサイト (https://system-link.com/) が簡単に見つかってきましたが、この検証を書いている2020年12月上旬には既にサイトが閉鎖されているようです。しかしこのサイトのプロフィールを見ると以下のキャプに示したように「FXの新しいトレードシステム」といった説明があるのでこれが知恵袋の質問に出てきたシステムリンクで間違いないでしょう。
サイトが閉鎖される前に取得しておいた以下のキャプを見ると東京都港区愛宕の住所が記されていますが、電話番号はありません。代表取締役は雨宮という人物になっています。
しかし国税庁の法人番号公表サイトでこのシステムリンクという会社の法人登録を探しましたが見つけることが出来ません。さらに「FXの新しいトレードシステム」を提供しているならば金融商品取引業者 (投資助言代理業)の登録が必要ではないかと思われますが、金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを見ても該当がありません。また上のキャプの会社情報には設立が2013年2月と書いてありますが、以下に示したサイトのWho Is情報を見るとサイトの登録・開設日 (Creation Date)が2020年6月25日とつい最近になっています。会社設立から7年以上も公式サイトなしでやっていたのかそれともサイトのURLを最近になって変更したことになってしまいます。非常に違和感があります。
結論としてシステムリンクが勧誘していたEBE IncというFX業者は全く信用出来ません。最初に引用したYahoo知恵袋の投稿で既に出金出来ない事態が報告されているだけでなく、EBE IncというFX業者はイギリスのFX業者ということになっていますが、法人登録も金融機関登録も確認出来ず、さらには英語サイトが見かけだけの存在であるといったことからも日本のグループによって設立された幽霊FX業者である疑いが極めて濃いです。当然システムリンクと同じグループがEBE Incも運営している可能性が考えられます。勧誘を受けても絶対に応じないことを強く推奨します。
※付記1
2021年2月9日にYahoo知恵袋に以下のキャプに示した質問投稿が出てきました。
状況がよく分かりませんが閉鎖されたシステムリンクの代わりにマネークリプトという会社が立ち上げられてEBEでの投資を持ち掛けられている可能性が考えられました。さらに2021年3月末にはマネークリプトとEBEの組み合わせで不正と思われる取引で全損させられたという投稿も出てきました。同様の扱いでやはり全損になったという回答も出ています。
さらに2021年4月末にも同様にマネークリプトからEBEでの運用を持ち掛けられて損失を負っているという投稿が出てきました。
以下もマネークリプトにEBEでの投資運用を勧誘されて資金を溶かされたという投稿です。
システムリンクのサイトが閉鎖された時点でシステムリンクの代わりになるサイトが立ち上げられて同様の違法な投資勧誘が行われる可能性は予期されていたので早速検索してマネークリプトのサイト (https://moneycrypt.net/)を見つけてきました。以下が見つかってきたサイトの冒頭部のキャプです。
上のキャプに見えるように「あなたに最適のInvestment Lifeをご提案します」とありますが具体的な投資対象とか運用方法、過去の実績などに関する記述は見当たりません。しかし「サービス」という項目には右のキャプに示しましたが「投資システムの開発、運営およびシステムの一般販売」などとあるので金融商品取引業者(投資助言代理業)の登録が必要な業務を行っている可能性が高いです。しかし金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストの中にマネークリプト社の登録は見つかりません。
「サービス」の項目に続いては削除されたシステムリンクのサイトの場合と同様に経営者の紹介が出てきます。
代表者の名前は高田泰弘となっていてシステムリンクの経営者とは別人です。この代表者のプロフィールによれば大手証券会社勤務の経験があり、
>2009年に「マネークリプト株式会社」を設立。
とあります。
さらに会社概要の項目には以下のキャプに示した一通りの連絡先情報が書かれています。
>所在地 〒158-0094 東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズオフィス13F
>会社名 マネークリプト株式会社
>代表取締役 高田泰弘
>設立 2009年7月
>資本金 5000万円
>お問い合わせ先 03-5927-8152
しかしこれら会社設立年度や連絡先情報についてはかなり疑問があります。
まずシステムリンクの場合と同様に国税庁の法人番号公表サイトでマネークリプト社の法人登録を探しましたが該当がありません。マネークリプトという名称で法人登録を探しても見つからないだけでなく、住所で法人登録を探してみても同じ「 東京都世田谷区玉川2-21-1」という住所には20の法人登録が確認されるのですがその中にマネークリプトは見つかりません。さらに不動産業者の物件情報によれば二子玉川ライズオフィス13Fは以下のキャプに示しましたが558.46坪というかなり広い13階のワンフロアが1区画として賃貸に出されているようです。
さらにこの住所を検索してみるとネット企業大手の楽天のサイトで全く同じ双子玉川ライズオフィス13階の住所に会社の受付があると記されているのを発見しました (右のキャプ参照)。
この住所にマネークリプト社が実在するかどうかは極めて疑わしいと考えざるを得ません。
さらに「03-5927-8152」という電話番号をそのまま検索してみると幾つかのサイトでこの電話番号が詐欺に使われているという情報を見つけました。
これらはネット上の口コミ情報ですから全面的に信頼は出来ませんがワンクリック詐欺とか実体なき闇金とか決して芳しい評判とは言い難いです。またどういう根拠があるのか分かりませんが電話を掛けてきたのは東京都文京区からの電話であるとされています。
無登録で投資助言代理業を営んでいる可能性が高いこと、連絡先情報が全く信頼できないことなどを考えるとマネークリプトは信頼出来る会社とは全く思えません。勧誘されても応じないことを推奨します。
※付記2
2021年8月11日付で関東財務局より以下のキャプに示しましたがEBE Inc に対して無登録の違法業者であるという警告が出てきました。
●INSTANTRADE (インスタントレード https://instan-trade.com/home)
既に閉鎖されているサイトで以下の内容も旧サイトからの転載ですが以下で取り上げるポケットトレードと関係しているサイトなのでここで取り上げます。これはYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示した質問から検証対象にしたものです。
但しこれはサイトにアクセスしてみてもFX業者なのかどうかよく分かりません。プロのトレーダーの取引をそのまま自分の取引に反映させれば何もしなくても利益が勝手に出るといった勧誘文句が並んでいます。
以下は2018年3月にネットで見かけたバナー広告のキャプですがプロのトレードをフォローするだけで勝手にプロのようなトレードが出来ると主張していました。「今話題のソーシャルトレード!」と書いてありますがいわゆるコピートレードとかミラートレードと呼ばれるシステムと思われます。
まず連絡先情報を探すと会社概要に運営会社名 (JT BRIDGE LIMITED)、インド洋に浮かぶ島国で租税回避地として有名なセーシェルの住所、バヌアツの金融ライセンス番号が記されていました。電話番号はありません。
>会社概要
>会社名 JT BRIDGE LIMITED
>所在地 Suite 309, Capital City Building, Independence Avenue, Victoria, Mahe, Republic of Seychelles
>金融商品取扱 FAS No. 40160 S.T. S.LTD REPUBLIC OF VANUATU
このセーシェルの住所を検索するとセーシェル金融サービス局(Financial Services Authority Seychelles)のサイトでfiduciary (オフショア会社)のリストに含まれているFIRST ISLAND TRUSTという会社の住所と一致することが分かりました (以下のキャプ参照)。セーシェルは代表的な租税回避地として知られていますし、これはこのオフショア会社を利用した架空住所の可能性が高いです。
また会社情報にはバヌアツで金融商品取り扱いの登録を得ているような記述がありますが、バヌアツの金融関係登録を扱っているVanuatu Financial Services Commissionのサイトでインスタントレードの運営会社となっていた「JT BRIDGE」あるいは「INSTANTRADE」の登録を探しましたが該当が見つかりません。そもそも住所がセーシェルなのに何故金融機関登録がバヌアツなのか不審を抱かざるを得ません。
また改めて言うまでもありませんがインスタントレードや運営会社であるJT BRIDGE LIMITEDは日本の金融庁でも金融商品取引業者の登録を得ておらず、違法な無登録業者です。以下のキャプに示しましたが2018年7月31日付で関東財務局から警告が出ています。
さらにインスタントレードのサイトは英語版と日本語版がありますが、そのURLは以下のようになっています。
英語サイト https://instan-trade.com/home_en
日本語サイト https://instan-trade.com/home
英語サイトのURLは日本語サイトのURLに「_en」の部分が付け加わった形になっています。これは日本語サイトが先に作られて英語サイトが後から付け加えられているように思われます。つまり海外業者を名乗っていても実際には日本語サイトが先に作られていると思われることから日本のグループが運営しているサイトであることが疑われます。日本のグループが運営しているのではないかという疑いを示唆するような情報は他にもあります。以下はインスタントレードのサイトのWho Is情報のキャプですが、ドメインネームをお名前.comという日本の業者から取得していますし、登録者もGMOインターネットになっています。
さらにアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると2017年11月時点でページビューの94.1%が日本からのアクセスと圧倒的です。
これはやはり海外業者を名乗っていても日本のグループによるサイトとしか思えません。そしてYahoo知恵袋にはインスタントレードによる被害報告がかなり出ています。
さらに2019年9月、matomaというサイトでインスタントレードに対する集団訴訟の呼びかけが行われています。この呼びかけでも全く利益が出ることはなく、損失が増えるばかりだったと報告されています。
これだけ多くの被害報告が出ていることからインスタントレードは単に無登録の違法業者であるというだけでなく、非常に危険な業者であって詐欺業者と断じてもよいかと思います。そして定着した悪評を避ける為かと思われますが、インスタントレードのサイトはほぼ閉鎖され、アクセスすると以下のようなサービス名変更の告知が出るだけとなっています。名称変更後のPocket Trade (ポケットトレード) については次項で検証します。
●Pocket Trade (ポケットトレード https://pocket-trade.com/home)
●Commit Trade (コミットトレード/コミトレ https://pocket-trade.com/)
これは上で検証した多数の被害報告が出ているインスタントレードが改称したサイトで当初はポケットトレード、その後、時期は不明ですがURLアドレスを変更せずにサイトの名称だけコミットトレードに変更したようです。コミットトレードへの解消については付記で説明することにしてまずポケットトレードとしてのサイトを以下で説明します。インスタントレードの検証とも併読してください。インスタントレードからポケットトレードへの改称が行われたことは2020年5月にYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプの質問で知ることになりました。
インスタントレードの検証の最後に触れましたが閉鎖されたインスタントレードのサイトにポケットトレードのサイトへのリンクが貼られていたのでそのリンクからポケットトレードのサイトに行くことが可能になっていました。さらにサーバー情報を調べられるサイトで調べてみるとポケットトレードとインスタントレードのサイトは同じIPアドレス (137.116.171.226) 上にあることが確認されました (以下のキャプ参照)。2つのサイトの運営は間違いなく同じでしょう。
但しインスタントレードがポケットトレードに改称した告知があるのはインスタントレードのサイトだけでポケットトレードのサイトにはインスタントレードが前身であることを示すような記述は見当たりません。
ともかく以下がポケットトレードのサイトの冒頭部のキャプです。
>フォローするだけのかんたんFX
>ポケトレは勝っているトレーダーを見つけてフォローするだけ
といった記述があってインスタントレードの場合と同じでコピートレードを売り物にしていることが分かります。一方でFX業者のサイトならばまず間違いなく表示されているリアルタイムの為替相場情報などは全く見当たりません。扱っているのはコピートレードだけで自分で取引する通常のFX取引は扱っていないのかもしれませんが非常に違和感があります。
表示言語の切り替えは何故か脚注にあって選択肢は日本語と英語だけです。以下が英語表示を選んだ場合にサイト冒頭のキャプです。
この冒頭部に続いてはインスタントレードとポケットトレードに共通する売り物のコピートレードでフォローするトレーダーのリストが出てきます。最初の3人のトレーダー紹介の部分をまず日本語表示を選んだ場合でキャプを示します。
このトレーダーの紹介部分は英語表示を選ぶと以下のキャプのようになります。
改めて指摘するまでもないかと思いますが英語表示にしても上のキャプの範囲に見える記述の大半が日本語のままです。英語化されたのは「収益額」→「Profit」の部分だけで「最上幸次郎」「戦う投資家」「藤堂」というトレーダーの名前や「注目トレーダー」の表示が日本語のままですし、収益額が日本円単位で表示されたままになっています。このサイトは一応英語表示に対応しているように見えても実際には英語圏の人に閲覧されることなど何も考えていないとしか思われません。
そして日本語表示、英語表示を切り替えると上で検証したインスタントレードと同じでURLアドレスが変わることに気が付きました。そのURLは以下のようになっています。
英語サイト https://pocket-trade.com/home_en
日本語サイト https://pocket-trade.com/home
要するに上で検証した前身のインスタントレードの場合と同じで英語サイトのURLは日本語サイトのURLに「_en」の部分が付け加わった形になっています。これは日本語サイトが先に作られて英語サイトが後から付け加えられているように思われます。海外業者を名乗っていても実際には日本語サイトが先に作られていると思われることからインスタントレードの場合と同じで日本のグループが運営しているサイトであることが強く疑われます。
次に連絡先情報です。以下に会社概要のページのキャプを示します。
>会社概要
>会社名 MARKET PROFILE LTD
>所在地 Oliaji Trade Centre - 1st Floor, Victoria, Mahe, Seychelles.
>金融商品取扱 FSA No.40160 S.T.S.LTD REPUBLIC OF VANUATU
>営業時間 10:00~19:00 (GMT+9:00) 取引は24時間対応
会社名はインスタントレードのJT BRIDGEからMARKET PROFILE LTDに変更になっています。住所もインスタントレードと同じセーシェル国内ですが異なる住所です。電話番号はやはり開示されていません。金融ライセンスはバヌアツで取得しているとなっていてその登録番号と思われる「FSA No.40160」はインスタントレードのサイトにあった登録番号と全く同じです。
まずセーシェルの住所 (Oliaji Trade Centre - 1st Floor, Victoria, Mahe, Seychelles.) を調べてみましたが、セーシェル金融サービス局(Financial Services Authority Seychelles)のサイトでfiduciary (オフショア会社)のリストに含まれている5件のオフショア会社の住所と矛盾しないことが判明しました。以下は住所が矛盾しない5件のオフショア会社の内、2件の登録情報です。
この住所はオフショア会社を利用した架空住所で間違いないでしょう。さらにバヌアツの金融ライセンスですがバヌアツの金融関係登録を扱っているVanuatu Financial Services Commissionのサイトでポケットトレードの運営会社となっていた「MARKET PROFILE 」あるいは「Pocket Trade」の登録を探しましたが該当が見つかりません。そもそもインスタントレードの項目でも同じことを書きましたが住所がセーシェルなのに何故金融機関登録がバヌアツなのか不審を抱かざるを得ません。
ポケットトレードは日本の金融庁で金融商品取引業者の登録を得ていないだけでなく、何処の国でも金融ライセンスを得てない違法業者としか思われません。前身であるインスタントレードでかなりの被害報告が出ていること、海外業者を名乗っていても実際の運営は日本のグループとしか思われないことなどからも非常に危険な業者としか思えません。取引は全く推奨できません。
※付記
2022年8月にYahoo知恵袋に出てきた質問投稿でポケットトレードがコミットトレードに改称したことを知ることになりました。
この質問投稿を見てポケットトレードのサイトを再訪してみると確かにサイトの名称がコミットトレード (コミトレ) に変更になっていました。以下にサイト冒頭のキャプ画像を示します。
この冒頭部は以下に再掲した解消する前のポケットトレードのサイト冒頭部と酷似しています。
さらに以下は会社概要のページのキャプです。
記されている連絡先情報はサイト名がポケットトレードだった時と全く変わっていません。これ以外の部分についてもポケットトレードからコミットトレードへの改称を経てもサイト全体で何が変わったのかさっぱり分かりません。以前のポケットトレードからコミットトレードに改称したことについての説明もありません。何よりURLアドレスが
のままでサイトの名称だけコミットトレードに変更したというのは異様です。改称の理由は不明ですが不審を抱かざるを得ません。このサイトでの投資は全く推奨できません。
●BA CAPITAL (BAキャピタル https://bacapitalpty.com/)
●BA CAPITAL (BAキャピタル http://bacapital-bank.com/)
互いに非常によく似た2つのサイトがありますが、1つ目のBAキャピタルはネット検索していて偶然見つけたサイト、2つ目のBAキャピタルは1つ目のBAキャピタルからの画像検索で見つけたサイトです。運営者に関する情報が殆ど皆無なのですが、おそらく中国あるいは日本のグループが運営しているサイトのように思われます。まずはサイト冒頭のキャプ画像を順に示します。
2つのサイトはURLアドレスが異なるだけで背景画像、メニューバーの項目、記されている文章など全く同じに見えます。そして背景画像の中央やや右寄りの高層ビルには見覚えがあります。これは栓抜きに似ていることで有名な上海ワールド・フィナンシャル・センター(上海環球金融中心)という高層ビル、画面右端に見えるのはジンマオタワー (金茂大厦) という高層ビルと思われます。つまり背景画像は中国の上海の風景と思われます。
さらに2つのサイトで表示言語の選択肢も中国語、香港語、英語、日本語の4つで共通しています。そしてこれらのサイトの冒頭部には
>口座開設ボーナス10000円!
>初回入金で150%ボーナス!
>120%入金ボーナス!
>初回入金で100%ボーナス!それ以降の入金も30%ボーナス付与!
とやたらとボーナスが付くことを強調する文言が並んでいます。しかしこれだけボーナスに関する情報が並んでいるのにそれ以外の情報は極めて限定されています。まず連絡先情報を探しましたがメニューバーの「サポート」という項目の中にメールアドレスが記されているだけです。以下に2つのサイトからのキャプ画像を示します。
添付されている画像も文章もさらにはそれぞれ2つ示されているメールアドレスも2つのサイトで全く同じです。そのメールアドレスを下に書き出します。
>Email:BACapitalFX@gmail.com 、 BAC@bacfx.com
2つのメールアドレスが記されていますが1つ目のメールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。まともな取引所の連絡先とは思えません。そして2つのサイトの連絡先となっているメールアドレスが全く同じということはどちらかのサイトが他方を真似て作った偽サイトというわけではなく、同じグループが2つのサイトを立ち上げて運営しているとしか考えられません。但しなぜ区別も難しいような2つのサイトを立ち上げているのか意味は全く不明です。非常に違和感があります。
サイト自体に記されている連絡先情報はこの2つのメールアドレスしかないという状況なのでさらに探してみると2つ目のBAキャピタルのサイト (http://bacapital-bank.com/) に限ってですが以下に示したWho Is情報に断片的な情報があるのを見つけました。
問題は赤枠で囲った部分です。登録機関名はBACAPITAL GROUP PTY LTD、所在地はGuangxi, CNと記されています。これは中国の広西チワン族自治区 (広西壮族自治区) を意味すると思われます。この記述が事実ならばBAキャピタルを運営しているのは中国のグループということになります。上で指摘しましたがサイト冒頭の背景画像として中国・上海の風景が使われていたのは運営が中国のグループだからと考えれば納得できるような気もしますが、広西チワン族自治区と上海では同じ中国国内であっても全く別の場所ですし、広西チワン族自治区という少数民族の自治区にFX業者の本拠があるというのは信用出来る情報とは思えません。
そしてさらに調べてみるとBAキャピタルを運営しているのは実際には日本のグループではないかと疑いが生じることになりました。まず以下は英語表示を選択した場合のサイト冒頭のキャプです。2つのBAキャピタルのサイトからのキャプを順に示します。
英語表示にしても2つのサイトは互いに区別出来ないほど互いに似ているのは同じなのですが、日本語版と比較すると明らかな違いがあります。すなわち日本語表示の場合には
>口座開設ボーナス10000円!
>初回入金で150%ボーナス!
>120%入金ボーナス!
>初回入金で100%ボーナス!それ以降の入金も30%ボーナス付与!
といった高額のボーナスに関する記述ばかり並んでいたのですが、英語版にはそういった記述が全く見当たらないのです。キャプは省略しますが中国語や香港語表示を選択した場合にもボーナスに関する記述は全く見当たりません。さらに1つ目のBAキャピタルのサイト (https://bacapitalpty.com/) で日本語表示の場合、メニューバーから「新着」という項目を選択するとやはり以下のキャプに示しますが「入金ボーナス」など日本語混じりの簡単なイラスト付きでボーナスに関する説明が出てきます。
ところが表示言語を英語に変更して「新着」に相当すると思われる「Bulletin」という項目を見ると以下のようになっています。
日本語が混じるイラストの部分は同じでボーナスに関する説明文だけ消えているのです。さらに中国語や香港語表示を選択した場合もほぼ同じ状況になります。以下は中国語表示を選択した場合ですが、左上のタイトルが「平台公告」と中国語になっているだけで日本語交じりのイラストだけが残り、説明文が欠落しているという状況は全く同じです。
キャプ画像は省略しますがこういった異様な状況は2つ目のBAキャピタルのサイト (http://bacapital-bank.com/) でも全く同じです。さらに他の項目についても表示言語を切り替えて表示させてみると続々と異様な部分が見つかってきました。まず以下は1つ目のBAキャピタルのサイト (https://bacapitalpty.com/) で日本語表示の状態でメニューバーから「サービス概要」という項目を選択すると出てくる入金&出金に関する説明の文章です。
そして同じサイトで英語表示を選んだ状態でメニューバーから「NEWS」という項目を選択すると以下のような項目が出てきます。
英語表示を選択しているのに日本語で「入金&出金」と書かれた項目が出てくるのです。但し出てくるのは日本語タイトルの部分のみで説明文は欠落しています。つまり英語表示にすると入金&出金の説明が出てこないことになります。
同様に中国語あるいは香港語表示を選んだ状態ではメニューバーから「新聞中心」という項目を選択すると以下に示したように日本語での「入金&出金」という項目がそのまま出てきます。
明らかに異様な状態なのですがこの異常な状態は1つ目のBAキャピタルのサイトだけでなく、2つ目のBAキャピタルのサイト (http://bacapital-bank.com/) でも確認されます。要するに一応破綻しないサイトになっているのは日本語版だけであって英語、中国語、香港語のサイトはいずれも異様な部分が見つかるのです。
さらに日本語版の場合のみ、上に示した「入金&出金」という項目をクリックすると入金&出金の方法を詳しく説明する表が出てきます。以下に1つ目のBAキャピタルのサイト (https://bacapitalpty.com/) にある表のリンクとキャプ画像を示します。キャプは省略しますが2つ目の2つ目のBAキャピタルのサイト (http://bacapital-bank.com/) にも全く同じ表が存在します。
入金手段、出金手段がそれぞれ5つ用意されていますが例えば銀行送金による入金は円建てあるいはドル建てとなっています。さらに出金の方を見ても銀行出金は円建てしか選択肢がありません。どこの銀行に口座があるのかこれだけでは不明ですが、円建ての口座があるというのは海外の銀行ではなく、日本国内の銀行を使っている可能性が高いように思います。また入出金双方でbitwallet (ビットウォレット) という海外送金業者が利用可能となっていますが、このビットウォレットというのは以前に旧サイトに書いたまとめにあるように日本のグループが運営する海外送金業者です。
さらにBAキャピタルはトレーダーの取引をそのままフォローできるMAM口座を提供しているようです。そして日本語版ならばメニューバーの「取引シグナル」という項目に7名のトレーダーの実績が紹介されています。以下に3名のトレーダーの情報のキャプを示します。
ここで気になるのはトレーダーのハンドル名です。「忍び」「黄金騎士」「相場師」となっていますがこれ以外の4名のトレーダーのハンドル名も「波乗りsin」「Fujiyama」「Nakagawa」「めんこたん」となっています。いずれも日本人としか思われないハンドル名です。さらに表示言語を日本語以外の言語にした場合でもトレーダーとして紹介されているのは同じ7名のトレーダーであり、以下に示した英語版でも「忍び」「黄金騎士」「相場師」といったハンドル名が漢字でそのまま紹介されています。英語圏の人たちがこのハンドル名を理解できるとは思えません。
口座開設や入金でボーナスが出るといった文章が日本語サイトにしか存在しないという状況になっていることから始まり、どうやらBAキャピタルのサイトは日本のグループが日本人のみを勧誘対象として想定し、作ったサイトである可能性が極めて濃いと判断します。そもそもまったく同じにしか見えない2つのサイトが異なるURLアドレスで共存しているというだけで明らかに怪しいです。
この業者について被害報告などが確認されているわけではありませんが、連絡先情報が殆ど開示されておらず、金融ライセンスの情報も皆無、さらに海外業者を名乗っていても日本のグループが日本人を標的にして作ったサイトの可能性が濃厚となれば全く信用出来る業者とは思えません。この業者での取引は推奨しません。
●NEXTART (ネクストアート https://www.nextartfx.com/jp/)
これはYahoo知恵袋に複数の質問が出てきたことで知ったFX業者です。この検証を書いた後にも質問が出てきています。それらも含めて引用します。
説明が明確ではなく、状況がよく分からないのですが元々親交があった信頼していた人物からFXの自動売買の勧誘を受け、自動売買ツールの代金も当初の証拠金3万円も口座開設のボーナス (?) として供与されるのでリスクゼロという説明で取引を始めたということのようです。但し利益の多くが何らかの経費として差し引かれて実際に出た利益はわずかという状態に疑問を持っているということかと思われます。状況から考えると怪しげな投資案件のマルチ商法での勧誘である可能性が充分に考えられます。
この投稿でも「The Gold」という名称の自動売買のEAを知人から紹介され、資金運用先として指定されたNEXTARTに入金してしまったようです。マルチ商法での勧誘が行われている可能性があります。そして自動売買の運用中を理由に出金を拒否されているようです。
ほったらかしFXというところからブーティーという自動売買のEAを入手したということでほったからかしFXのサイト (https://hotta-fx.com/) を探してきました。このサイトには以下のような記述があります。
このほったらかしFXのサイトの連絡先情報は以下にあるだけです。
どういう経緯で始めてしまったのか不明ですがネクストアートでの自動売買を始めるにあたり、キャッシュカードを3枚作らされて8万円ずつ、計24万円を投資してしまったようです。そして利益は出ていない、連絡したところ対応に恐怖を感じたということのようです。
「副業サイト」に登録してしまったところ、ネクストアートで口座を開設させられ、さらに何の代価なのか分かりませんが2万円の支払いを裁判沙汰までちらつかされるような形で要求されているようです。友好的とは言い難い状況のようです。
状況がよく分かりませんが「マニュアル」というおそらく情報商材の購入をキャンセルできないといった状況になっているようです。また出金にも障害が生じているように思われます。
具体的なきっかけ、勧誘された経緯など分かりませんが100万円投資して運用まで任せたけど全損状態になり、さらに8万円余りの追証が発生して追加入金を要求されているようです。
とにかくこういった質問から表題のネクストアートというFXのサイトを見つけてきました。以下がそのサイトの冒頭部のキャプです。
>世界市場対応の世界基準ブローカー
>NEXTARTでは100ヵ国以上のお客様に弊社サービスを提供しています。また弊社の経験豊富なサポートがFX取引時間中、いつでも皆様からのご質問にお応え致します
といった文章が書いてあるのですが、表示対応言語は日本語と英語だけで100ヵ国以上の国から顧客を集めているにしては明らかに対応言語が少なすぎると感じます。また上のキャプに示したサイト冒頭部の背景はほぼ間違いなく日本の風景でしょう。日本の道路標識とか日本のタクシーと思われる自動車と思われるものが見られます。この背景画像はスライドショー形式で幾つか入れ替わるようになっているのですが、他の背景画像も確実とは言えませんが日本の風景ではないかと思われます。例えば以下の背景画像もおそらく日本、それも東京の夜景ではないかと思われます。一番奥に東京スカイツリーらしきものが写っているように見えます。
表示対応言語が英語と日本語だけという点から考えてもこのサイトは100ヵ国以上から顧客を迎えていると言いながら特に日本との関連が強いのではないかと考えられます。実際には日本のグループによって運営されているという可能性も疑いたくなります。
ともかく会社概要を見ると以下のキャプに示したようになっています。
>会社概要
>Company NEXTART CO.,LTD.
>Witness Mr.Nickey Antat
>Address Suite 23,1st Floor,Eden Plaza,Eden Island Mahe,Republic of Seychelles.
電話番号はなく、住所は租税回避地のセーシェルになっています。そして租税回避地のセーシェルの住所ということで予測は出来ましたがこのセーシェルの住所を検索すると以下のキャプに示しましたがVISTRA (https://www.vistra.com/) というオフショア会社のセーシェルの拠点の住所と部屋番号 (Suite 23) まで一致することが分かりました。上に示したネクストアートの会社概要にはCEO (最高経営責任者) とかDirector (社長)ではなく、Witness (目撃者?証人?)という肩書でMr.Nickey Antatという人名が記されていますがこれはオフショア会社の担当者の名前かもしれません。
セーシェルの住所は名目だけの住所である可能性が濃厚であり、セーシェルに事業実体が存在するとは全く思えません。またセーシェルの住所ということでセーシェルのSeychelles Financial Services Authority (FSA、金融サービス局)の公式サイト (https://www.fsaseychelles.sc/) でネクストアートの金融ライセンスを探しましたが該当がありません。特に金融ライセンスに関する記述も見当たりませんし、ネクストアートは日本で金融ライセンスがないだけでなくいずれの国でも登録のない無登録の違法業者ということになると思われます。
さらにネクストアートのサイトを見て違和感を感じるのはFX業者のサイトならば必ず用意されているリアルタイムの相場情報とかチャートの類が全く見つからないことです。登録してログインしないと見られない設定になっているのでしょうか?サイトの記述によればFX (外国為替証拠金取引)だけでなく、世界の株価指数CFD取引、金、銀、プラチナ、パラジウムという貴金属の取引が出来るとなっているのですが本当に取引が行われているのか疑いを感じずざるを得ません。
さらにアクセス状況を解析出来るサイトでネクストアートのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように1日当たりの独立訪問者数がわずか148人という結果になります。
サイトの冒頭に記されていた「NEXTARTでは100ヵ国以上のお客様に弊社サービスを提供しています。」という記述はやはり到底信用出来るとは思えません。
結論としてネクストアートは金融ライセンスがないだけでなく、連絡先情報が信用出来ない、実際にFXなどの取引が行われているかどうかも不明瞭など非常に危ない業者と考えざるを得ません。最初に引用したYahoo知恵袋の投稿によれば自動売買での運用中を理由に出金出来ないという実態があるようですし、複数の被害報告が出ている状況です。取引は絶対に推奨出来ません。
※付記
2021年1月15日付で関東財務局から無登録の違法業者であるとしてネクストアートに対して警告が出ています (以下のキャプ参照)。
●TASNIC-CAPITAL (タスニックキャピタル https://tasnic-capital.com/)
画像検索していて偶然見つけたサイトです。香港の業者ということになっていますが実際には日本の業者である可能性が高いように思われます。まずサイト冒頭部のキャプ画像を示します。
表示言語の選択肢は日本語、英語、スペイン語、中国語、アラビア語、ロシア語、フランス語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語の10言語です。なぜか分かりませんが他の言語は国旗のアイコンが示されているのに日本語だけ日本国旗ではなく[字]という漢字のアイコンになっています。
上のキャプの中に
>TASNIC-CAPITALが実現した暗号通貨ユーザーも待望の機能搭載のFX TRADE by MT4
と書いてありますが暗号通貨 (仮想通貨) 建ての入出金に対応しているほか、仮想通貨のトレードも可能なようです。但し、具体的にどんな仮想通貨が取引できるのかに関しては情報が見つかりません。よくある質問のページには以下のような記述があります。
取引できるのは「さまざまな暗号通貨ペア」とあるだけで具体的な情報がありません。
同様に外貨FXについても取引可能な通貨ペアの情報も見当たりませんし、スワップ金利などの情報もありません。勿論、口座開設してログインすればそうした情報も出てくるのかもしれませんがそうした情報は口座開設するかどうか判断するにも重要な要素のはずで以前から提供されるべき情報でしょう。かなり違和感があります。
さらによくある質問のページには以下のような項目もあります。
どうやらプロのトレーダーと同じ運用が可能なMAM (マルチアカウントマネージャー) 口座が用意されているようなのですが過去の実績など詳細が明かされていません。このMAM口座についてはまた後述します。
次に連絡先情報を探しましたが開示されている連絡先情報は以下にあるだけのようです。
>HongKong head office
>Tasnic Capital co., ltd
>Unit 05, 15/F, Austin Tower, 22-26 Austine Avenue, Tsim Sha Tsui, Hong Kong
>(TEL)+852 3480 0232 (FAX)+852 3112 6226
>(MAIL)info@tasnic-capital.com
最初に「HongKong head office」と書いてあるのでこれ以外にも拠点があるのかもしれませんがこれ以外に拠点があるとしても記述はありません。社名は「Tasnic Capital co., ltd」となっています。そして香港の住所と香港の国番号[+852]から始まる電話番号とFAX番号、それにメールアドレスが記されています。経営者情報などは見当たりません。
さらによくある質問の中に以下のキャプに示すような項目があります。
香港で金融ライセンスを取得しているという意味としか思われないのですが、本当に香港でライセンスを得ているかどうかについて疑問があります。残念ながら香港で金融ライセンスを得ている業者のリストが見つからないのですが、金融ライセンス以前にまず香港に法人登録があるはずと考えて法人登録の確認を試みました。上で引用した連絡先情報の項目によれば社名は「Tasnic Capital co., ltd」と記されていたので香港の法人登録を検索できるサイトでこの社名を検索してみましたが該当がありません。
「Tasnic Capital co., ltd」ではなく、「TASNIC CO., LIMITED (太仁國際通商有限公司)」という法人の登録ならば見つかるのですが、太仁國際通商有限公司という漢字の社名からするとFX業者というよりも貿易関係の会社である可能性が高いように思われます。他には「TASNIC」という単語を含む名称の香港法人は確認出来ません。この「TASNIC CO., LIMITED (太仁國際通商有限公司)」という法人は2011年5月24日に法人登録されているのですがタスニックキャピタルのサイトのWho Is 情報を見ると以下のキャプに示したように黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日が2020年4月3日になっています。
2011年5月24日に法人登録された法人のサイトが9年後の2020年4月3日まで開設されないでいたという状況は考えにくいので「TASNIC CO., LIMITED (太仁國際通商有限公司)」という法人とタスニックキャピタルとは別個としか思えません。つまりタスニックキャピタルの香港における法人登録を確認することは出来ませんでした。
また上のWho Is 情報で緑色の枠で囲った部分を見るとドメイン名の登録を代行した業者としてお名前.com (https://www.onamae.com/) とGMOインターネット (https://www.gmo.jp/) という2つの日本企業の名前が確認出来ます。さらにタスニックキャピタルのサイトはかなり多くのサイトとIPアドレスを共有しているようで、以下にそのIPアドレスを共有しているサイトの一部を示します。
既に閉鎖されていると思われるサイトもあるのですが、調べてみると兵庫県の眼科クリニック (http://hoshinaeyeclinic.com/index.html)、名古屋の歯科医院 (https://www.nanyoudori-dental.com/)、名古屋のクリニック (https://kanayama-kaneko.com/index.html)、大阪のレコード買取センター (https://goodrecord.jp/) などなど要するに日本語のサイトばかりです。上のリストには含まれていませんが愛知県の自動車学校 (https://www.toyota-ds.jp/)、東京都中野区のスッポン・フグ料理店 (https://suppon-fugu-hisamatu.jp/)、千葉県のグループホーム (https://ik-rise.com/) なども同じIPアドレス上にあるサイトのようです。いずれも日本のサイトです。さらに後に気が付きましたが、「検証2」で検証しているTrading Forex (トレーディング フォレックス) の関連サイトで投資顧問的な業務を行っているpocket-partner(ポケットパートナー https://pocket-partner.site/index.html) というサイトも同じIPアドレスを共有しているようです。タスニックキャピタルとポケットパートナー/トレーディング フォレックスの間には組織的な繋がりがある可能性も排除は出来ません。
ともかくこれらのサイトと香港を本拠とするはずのFX業者のサイトが同じIPアドレスを共有しているというのは異様です。タスニックキャピタルは実際には香港に本拠があるのではなく、日本のグループによって運営されていることを疑わざるを得ません。
さらにタスニックキャピタルについて検索していて気が付きましたが、香港に法人登録が見つからないのに日本にそれらしき法人登録があるようです。以下に見つかってきた株式会社タスニックキャピタルの法人登録を示します。
法人登録の日付は2020年7月9日となっており、2021年3月3日付で
大阪府大阪市中央区南船場2丁目10-30心斎橋アースビル203号
から
大阪府大阪市北区中崎西1丁目8番24アインズビル梅田901号
に転居しています。またこの法人登録とは別に株式会社TASNIC (タスニック) という法人の登録が存在します。こちらの法人登録は2015年10月5日以前に登録されており、当初の法人名は株式会社バリュースプランニングであり、現在の住所はタスニックキャピタルの法人登録の法人登録上の住所と部屋番号まで全く同じです。これらの法人登録がここで検証しているタスニックキャピタルと関連しているかどうか確証はありませんが、その可能性を否定することも出来ません。仮に名称が同じでも別個の法人ならば検索してそれぞれの痕跡が見つかりそうなものなのですが、タスニックキャピタルという別個の法人が存在しているという痕跡は見つかってきません。
さらにタスニックキャピタルについて検索していて気が付きましたがプロのトレーダーと同じ運用が可能と称するMAM (マルチアカウントマネージャー) 口座の資金運用先のFX業者としてタスニックキャピタルを指定していると思われる情報がネット上に見つかります。そういった情報が記されているのは怪しげなサイトである場合が多いので敢えてリンクはしませんが例えば以下のキャプに示した情報では「COBRAシリーズ」という自動売買とかMAMの類と思われる運用に資金を委ねれば月利5~15%という信じる気には到底ならない高利回りの運用が可能となっていてその内、月利15%という最も高利回りでの運用が可能な「Hydra」および月利10%と称する「GOLDEN KING COBRA」の場合にはタスニックキャピタルが運用先として指定されているようです。
しかしこれらの運用システムでどれほどの運用利回りが実現できたのかについては情報が見つかりません。何しろこの「COBRAシリーズ」の公式サイトらしきものが見つからないのです。従って誰がどういった形で提供していたシステムなのかも分かりません。また有料だったのか無料だったのか、有料だったとすれば幾らで提供されていたのかといったことも分かりません。
さらに同じくタスニックキャピタルを運用先とするJubilationTrade(ジュビレーショントレード) という運用システム (?) が存在していて勧誘が行われていたようです。しかしこのジュビレーショントレードについても公式サイトのようなものは見つからず、勧誘目的のサイトも閉鎖されているようです。例えば「鈴木もあ」という自称・主婦が運営する「投資初心者のアラフォー主婦がFXやバイナリーオプションで稼ぐ」というタイトルのブログ (https://moaline.net/) が存在していてジュビレーショントレードの勧誘の窓口となっていた形跡がネット上に見つかります。
しかしこのブログも閉鎖されているようです。
さらに検索してみるとTwitterに2021年の7月にジュビレーショントレードで運用していた資金が非常に大きな損失が出て溶けたといった投稿が複数見つかります。
以下のキャプに示した「【代理店】ジュビレーショントレード」という勧誘目的と思われるTwitterアカウント (https://twitter.com/cvtqe0hhf3kkzyx) はまだ残っていますが連絡先情報はLINEのアカウントのみで2021年7月2日の投稿を最後に投稿が停止しています。
そもそもジュビレーショントレードというのは金融商品取引業者の登録なしに違法な形で提供されていた可能性が高いです。運用資金が失われたというのも単に運用の失敗なのか、それとも運用の失敗を言い訳にして運用資金を根こそぎ搾取する為の計画的な破綻だったのか分かりません。本サイトの前書きでも引用しましたが国民生活センターのサイトには海外のFX業者と自動売買システムやコピートレードのシステムを組み合わせた詐欺の疑いがある手口についての説明記事があります。
タスニックキャピタルについては少なくとも「COBRAシリーズ」と「JubilationTrade(ジュビレーショントレード)」という2つの運用システムについて勧誘が行われた形跡がありますが、これからもまた別の怪しげな運用システムの資金運用先として指定されて投資勧誘が行われる可能性は充分にあると思われます。仮にそうした投資の勧誘を受けても信頼性は極めて疑わしいと思われ、応じないことを強く推奨します。
●WeekendFX (ウィークエンドFX https://weekend-fx.com/ja/ホーム/)
他のサイトについて検索していて偶然見つけたサイトです。具体的には自動売買のEAを無料提供するというEA村というサイトの設定方法の説明のページで運用先として指定されている3つの海外業者の1つがここで検証するウィークエンドFXになっています。以下のキャプを参照してください。
ちなみに他の2つのFX業者はIronFX (アイロンFX https://www.ironfx.com/ja/) とFX Giants (FXジャイアンツ https://www.giants-forex.com/) になっています。これら2つのサイトについては本サイトの旧サイトで検証しています。アイロンFXについては「海外FX業者検証5」、FXジャイアンツについては「海外FX業者検証3」に検証がありますが、海外の評価サイトでも詐欺サイトと断定されているようなサイトであり、FX Suit (FXスーツ https://www.fxsuit.com/en) と共に同じグループによって運営されているサイトであることが分かっています。FXジャイアンツについて検索していてこのEA村というサイトでアイロンFXやFXジャイアンツと並んで運用先として指定されているウィークエンドFXというサイトの存在に気が付いたということになります。
さらにこの検証を書いた後ですが、Yahoo知恵袋にウィークエンドFXに関する質問が出てきました。幾つか引用します。
キャッシュバック目当てでGARIGARIというサイトに登録したらウィークエンドFXで口座開設してしまったような形になってしまったようで実際にはキャッシュバックは受け取れていないようです。悪質なアフィリエイターに騙されてしまった可能性が高いようです。
インスタグラムで知り合った人物に勧誘されてウィークエンドFXでのコピートレード運用をする為にビットトレードという仮想通貨取引所の口座から仮想通貨建てでウィークエンドFXに入金しようとしたところ、ビットトレードから警告と送金ストップが掛かって目が覚めたとあります。ビットトレードで被害事例を認識していたのかもしれません。
状況がよく分かりませんが、ウィークエンドFXで詐欺に遭ったということでお金の回収は諦めて個人情報を守りたいという質問になっています。
この質問の投稿者もインスタグラムで知り合った人物にウィークエンドFXでのコピートレードでの運用を勧められ、登録してしまってからウィークエンドFXの信頼性に疑わしい部分があるというネット情報を見て入力してしまった個人情報を悪用される可能性を心配しているようです。
他にもウィークエンドFXに関する質問として以下の2件が見つかりますが、2件の質問が短時間で投稿されていること、質問投稿から回答の投稿までも短時間で完了していること、そして質問者と回答者が2つの投稿で入れ替わっていることからまず間違いなく自作自演の投稿だと思われます。回答はいずれも出金に何の問題もないという内容になっていますが事実かどうか極めて疑わしいです。
▼2024年3月22日投稿 (15時58分投稿、質問投稿者:1152816198さん、回答者:you********さん)
▼2024年3月22日投稿 (16時11分投稿、質問投稿者:you********さん、回答者:1152816198さん)
とにかくこのEAを提供するサイトのリンクのURLアドレスからウィークエンドFXというサイトに行ってみました。以下にサイト冒頭部のキャプを示します。
表示言語の選択肢は英語と日本語のみです。そしてこのサイトでまず非常に気になったのがURLアドレスです。英語版と日本語版のURLアドレスは以下のようになっています。
日本語版: https://weekend-fx.com/ja/ホーム/
海外FX業者のサイトのはずなのに日本語サイトのURLアドレスに「ホーム」という日本語が含まれています。しかもURLアドレスに日本語が含まれるのはトップページだけではありません。例えば以下で取り上げますが、連絡先情報が記されている「お問い合わせ」のページのURLアドレスは以下のようになっています。
英語版: https://weekend-fx.com/contact-us/
日本語版: https://weekend-fx.com/ja/お問い合わせ/
これはかなり違和感があります。表示言語の選択肢が英語と日本語のみということもあり、この時点でこのサイトを運営しているのは日本のグループではないのかという疑いを持つことになりました。
サイトの検証に戻りますがこの冒頭部に続いてはサイトの特長などを説明する部分があります。以下にキャプ画像を示します。
ここで強調されているのは週末を含む365日取引可能であるという点と顧客の注文をそのままインターバンク市場 (銀行間取引市場) に流すNDD (No Dealing Desk) 方式を採用しているという点です。ウィークエンドFXというサイト名も週末にも取引可能であるということを強調したサイト名なのだと思われます。しかしインターバンク市場は週末には休みのはずです。
▼土日祝日のFXは可能?週末の過ごし方と取引における注意点 (SBIFXトレード)
▼月曜オープン時の約定ルール (マネックスFX)
>24時間休みなく世界の各市場をめぐる外国為替取引ですが、土曜日・日曜日は全世界の為替市場が休場となり、取引が一旦停止します。
週末にはインターバンク市場が休場なのにどうやってNDD方式での取引を可能にするのでしょうか?インターバンクが休場の週末や元日にも独自の為替レートを用意して取引を可能にすることは出来るかもしれませんが、それはNDD方式ではないでしょう。このサイトを運営している人物はインターバンク市場の仕組みなど本当に理解しているのかとさえ疑いたくなります。
次に取引対象に関する説明が出てきます。以下にキャプを示します。
FX (外国為替)、仮想通貨に加えて株価指数やコモディティが取引可能であるとなっています。その内、FXについては取引可能な通貨ペアの一覧が示されています。
示されている通貨ペアは16種類のみです。これで取引できる通貨ペアの全てなのだとすれば決して多い方ではありません。またいずれの通貨ペアでもレバレッジが100:1になっています。高いレバレッジを掛けられることを強調する場合が多い海外業者の中では最も控えめな部類でしょう。以下に示したように「WeekendFXの特徴」という部分には
>ハイレバレッジ
>少額でもできる。投資効率を最大まで引き上げる
といった記述もあるのですが、他の海外業者と比較して特に「ハイレバレッジ」と言えるようなものではありません。
次に連絡先情報を探しましたが開示されている情報は明らかに不充分です。
まずサイトの脚注に以下のような記述があります。
>About WeekendFX: WeekendFX is a trade name of Shogun Consultants Limited. Shogun Consultants Limited with registration number 1944214 is a company registered in the British Virgin Islands.
ウィークエンドFXは「Shogun Consultants Limited」の商号であり、「Shogun Consultants Limited」は英領バージン諸島で登録された法人であるといったことが書いてあります。さらに「お問い合わせ」のページ (https://weekend-fx.com/ja/お問い合わせ/) に記されている連絡先情報を以下に示します。
>メールアドレス: info@weekend-fx.com
>登録住所: 19 Waterfront Drive PO Box 3540, Road Town TORTOLA, VG 1110., British Virgin Islands
電話番号はなく、メールアドレスが1つと簡単にペーパーカンパニーが作れる租税回避地で有名な英領バージン諸島の住所が1つ記されているだけです。そして英領バージン諸島の住所ということで予想されましたが住所はTOTALSERVEというオフショア会社の拠点の住所に一致します。
「3540」という私書箱番号まで一致していますからこれはオフショア会社を利用した架空住所で間違いないでしょう。さらに運営会社であると脚注に書いてある「Shogun Consultants Limited (ショーグンコンサルタンツリミテッド)」について検索してみると以下に冒頭部のキャプを示したサイト (https://www.shogunconsultants.trade/ja/ホーム/) が見つかってきました。
表示言語の選択肢はウィークエンドFXの場合と同じで英語と日本語です。そしてこのサイトは「Shogun (将軍?)」というサイト名や冒頭に示されている戦国時代の鎧武者の画像など明らかに日本的な要素のあるサイトになっています。日本語サイトのURLアドレス (https://www.shogunconsultants.trade/ja/ホーム/) もウィークエンドFXのURLアドレスの場合と同様に「ホーム」という日本語が含まれています。
そしてこのサイトは一見して殆ど何の情報もないサイトです。連絡先情報とかライセンス情報、事業内容、経営陣に関する情報など何も記載がありません。ところが調べてみるとこのサイトにはトップページにリンクのない、裏ページのようなものがあることが分かりました。以下にその裏ページ (https://www.shogunconsultants.trade/ja/weekendfx-jp/) のキャプを幾つか示します。
全面的に日本語で書かれたウィークエンドFXの勧誘広告みたいなものになっています。何やらよく分かりませんがお金を保証金として (?) 預けておくだけで0.098%という金利が得られるということになっています。ウィークエンドFX / ショーグンコンサルタンツリミテッドの運転資金として流用されるということでしょうか?
さらに以下のような記述もあります。
海外FX業者は透明性が不充分で信用できないという評価が多かったけどウィークエンドFXは「以下のポイントを明らかにします。」と宣言しています。そして明らかにするポイントとして「会社経営者の氏名」「ライセンス登録情報」「売上元の明記」の3項目が挙げられています。しかし実際にはこれら3つの情報は全く見当たりません。どこにこれらの情報が示されているのか全く分かりません。そしてこの部分には
>これまでも、そして今後も日本人投資家の皆様の信頼を得るため、弛まぬ努力を続けていきます。
と書いてあります。どう見ても日本人を積極的に勧誘しているとしか思われません。さらに「無料で口座開設はこちら」というリンクが用意されています。
ところがこの全面的に日本語で書かれたページの最後、脚注部分には小さな活字でこれと全く正反対としか思えない以下に示した記述があります。
一体ウィークエンドFXは日本居住者の口座開設を受け入れているのかいないのか明らかに矛盾しています。この脚注の小さな活字で書かれた記述は日本の金融庁に金融商品取引業者の登録がないことからの規制逃れの為であり、実際には日本からの口座開設をむしろ積極的に受け入れているとしか思われないのです。
さらにこの日本語で書かれた勧誘ページの一番下には以下のような部分があります。
「特定商取引法の表記」「プライバシーポリシー」「利用規約」という項目が並んでいてこれらの項目をクリックすればそれぞれの項目を見ることが出来るリンクになっているようになっているように見えますが、これらは実際には単なるテキストデーターでリンクになっていません。つまり「特定商取引法の表記」「プライバシーポリシー」「利用規約」は実際には存在しないのです。これでは「透明性が不充分」などというものではありません。情報開示は全くされていないのと同じです。
改めて結論するまでもなく、ウィークエンドFX / ショーグンコンサルタンツリミテッドは明らかに情報開示が不充分、不適切であり、全く信頼出来ません。URLアドレスに日本語が含まれていること、日本語で書かれた部分が非常に多くてしかも日本語に違和感がないこと、「ショーグン」という社名や明らかに日本を意識した画像など考えるとこれは海外業者を名乗っていても実際には日本のグループによるサイトであってもおかしくはないという印象を受けます。ともかくこのサイトでの口座開設は全く推奨出来ません。
※付記1
ウィークエンドFXの日本語サイトでメニューバーの「会社案内」という項目の中に「ライセンスと監査機関」という項目があってサブページへのリンクになっていることに気が付きました。以下にメニューバー部分の画像を示します。
メニューバーの「会社案内」とい項目をクリックするとブルダウンメニューで選択出来る4つの項目が出てきます。2番目の項目が「ライセンスと監査機関」となっています。ところが表示言語を英語にすると以下のようになります。
表示言語を英語にするとメニューバーから選択出来る項目の中で日本語のメニューバーの「会社案内」に対応すると思われるのは「About Us」だと思われますが、その中に「ライセンスと監査機関」に対応すると思われる項目がありません。つまり日本語のサイトにはライセンスに関する記述があるのに英語版サイトにはライセンスに関する記述がないということになります。非常に違和感があります。さらにその日本語サイトにしかないライセンスに関する記述を以下に示します。
FinCEN (Financial Crimes Enforcement Agency、米国財務省傘下の金融犯罪執行機関) から米国MSB (Money Services Business のライセンスを得ている。さらにNational Futures Association (NFA全米先物協会) で登録を得ているという主張になっています。そして登録番号が示されています。
MSB:M22538696
NFA:0552706
そこでこれらの登録の確認を試みました。
まずアメリカのFINCENという組織でMoney Service Business (MSB) の登録を取得しているという主張なのでFINCENのサイト (https://www.fincen.gov/) にあるMSB Registrant Searchという登録者を検索できるページで「M22538696」という登録番号を入力して検索してみました。結果を以下の画像で示します。
上の画像の一番上、赤文字で示されている部分を以下に書き出します。
>MSB Registration Number/DCN must be 14 digits number.
>System could not find matching data.
要するにMSBの登録番号は14桁の数字なので「M22538696」という登録番号にマッチする登録は存在しないという結果になります。
さらにNational Futures Association (NFA全米先物協会) で登録を得ているという主張を確認する為にNFA (https://www.nfa.futures.org/index.html) のサイトにある登録検索のページ (https://www.nfa.futures.org/basicnet/#profile) で「0552706」という登録番号を検索すると以下のような結果になります。
「0552706」という登録番号出てくるのはウィークエンドFXの運営会社として登場していた「Shogun Consultants Limited (ショーグンコンサルタンツリミテッド)」です。しかし何らかの情報は出てくるものの上の画像に示されているように「Shogun Consultants Limited (ショーグンコンサルタンツリミテッド)」は
>Not an NFA Member (NFAの会員ではない)
>Non-Member not subject to NFA oversight. (非会員は NFA の監督を受けません。)
となっています。NFAのメンバーが何を意味するのかよく分かりませんが、これでNFAの登録を得ているとか、NFAの監視を受けているから信頼出来るとは到底言えません。
さらに本サイトでは繰り返し同じことを書いていますが、FinCENとかNFAは金融ライセンスを審査・付与する組織ではなく、何らかの登録があったとしてもそれは金融ライセンスと言えるようなものではありません。NFAのサイトの「About」のページによれば「アメリカのデリバティブ業界の自主規制団体」となっています。
※付記2
2025年1月29日付で関東財務局からウィークエンドFXについて無登録の違法業者であるとして以下に示した警告が出ました。
この警告には所在地又は住所としてキプロスの2つの住所が記されています。以前は英領バージン諸島の住所が記されていましたからいつの間にか変更になったようです。
まずサイトの脚注の記述を以下に示します。
以前は上に書いたように脚注にウィークエンドFXは「Shogun Consultants Limited」の商号であり、「Shogun Consultants Limited」は英領バージン諸島で登録された法人であるといったことが記されていましたが「Shogun Consultants Limited」が消えて住所も以下に変更になっています。
>オフィス: 4, Riga Fereou str., Omega Busines center , 3rd Floor,office 31& 32,3095 Limassol, Cyprus
この住所に出てくる「Omega Busines center」は「Omega Business center」のスペルミスだと思われますが、検索してみると以下に示したECASTICA BUSINESS CENTERS (https://www.ecasticaoffices.com/) というシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点の1つのようです。
1ヶ月当たり25ユーロでバーチャルオフィスのサービスが受けられるようです。ウィークエンドFXがこのシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点に実在するかどうかは極めて疑問でしょう。さらに「お問い合わせ」のページに記されている連絡先情報も変更になっています。
メールアドレス: customer@weekend-fx.com
登録住所: Vailiou Vrionidi 6 office 501-2, Gala Court Chambers 5th floor, 3095 Limassol, Cyprus
以前に検証を書いた際には
>メールアドレス: info@weekend-fx.com
>登録住所: 19 Waterfront Drive PO Box 3540, Road Town TORTOLA, VG 1110., British Virgin Islands
となっていましたからメールアドレスも変更になっています。電話番号は相変わらず記されていません。この住所は「登録住所」となっていますから実際のオフィスの住所ではない可能性が高いです。この住所も検索してみましたが、この住所に何があるのかは不明です。
「知人」という人に紹介されたということなのですが勧誘された経緯の詳細は不明です。しかし10ヵ月で80%の利益が得られるという異様な高利回りの運用が現実的なものかなど疑問があってこの質問をしているようです。自分で調べてみると金融ライセンスがないという情報が出てきたことにも不安を抱いているようです。
とにかく質問に示されているURLアドレス (https://jade-belfort.com/portal/accounts) に行ってみると以下のキャプに示す登録を要求する画面が出てくるだけです。この登録画面には表示言語を切り替える選択肢は用意されておらず、日本語のみに対応です。
これだけでは話にならないのでトップページを探してURLアドレスの一部を削って
というURLアドレスにアクセスしてみると今度は以下のようなエラーメッセージだけが出てきます。
何だか分かりませんが、このエラーメッセージの「TOPページ」をクリックしてみると以下にキャプを示すジェイドフォレックスのトップページに繋がっています。
表示言語の選択肢は日本語と英語だけです。そして日本語サイトの場合にはこの冒頭部で3つのパターンの背景画像がスライドショー形式で入れ替わりで表示される設定になっています。上に示したパターン以外の2つのパターンについても以下にキャプを示します。
1つ目のパターンでは仮想通貨建ての入金を受け付けるようになったことが告知されていましたが、2番目、3番目のパターンでは最大100万円のキャッシュバックとか新規口座開設と本人確認書類の提出で3000円のキャッシュバックが得られるといったことが強調されています。活字が小さいですが3つ目のパターンでは以下のような記述も確認出来ます。
>円建て口座の場合は3000円、ドル建て口座の場合は30ドルをお取引口座に反映します。
>本キャンペーンはいわゆるボーナス (クレジット) ではなく、出金が可能な現金をお取引口座に反映します。
口座を開設して本人確認書類を提出するだけで3000円 (30ドル) 貰えるとなればそれだけで関心を惹かれる人もいるかもしれません。そしてこの冒頭部に続く部分にある告知項目が並んでいる部分には口座開設キャンペーンなどの詳細を説明する3つの告知項目が並んでいます。ここに見える告知はいずれも2022年9月2日に出ているようです。
さらにこれらの告知項目の内、まず最初の「口座開設キャンペーンのご案内」という項目の内容の一部を抜粋して以下に示します。
新規に口座を開設して本人確認書類を提出すれば3000円、ドル建て口座の場合には30ドルを口座に反映するというサイト冒頭部に記されていたのと同じ内容が詳しく説明されています。
さらに告知の2つ目の項目、「最大100万円、お取引量に応じたキャッシュバックキャンペーンのご案内」についても内容の一部を以下に示します。
1万ロット以上の取引があれば最大100万円がキャッシュバックされるとあります。1万ロットのとりひきがあればもれなく100万円がキャッシュバックされるのか、それとも抽選とか先着で条件を満たした一部の人にキャッシュバックされるのかは不明です。そしてこのキャッシュバックの金額についてはドル建て口座の場合にはどうなるのかについては説明がありません。
そこで表示言語を英語に切り替えて口座開設キャンペーンとかキャッシュバックの説明がどうなっているのか確認しようとしました。ところがこのサイトで英語表示を選択すると冒頭部の背景画像は以下に示す1つのパターンしか用意されていないようで、口座開設キャンペーンとかキャッシュバックに関する説明が見当たらないのです。
さらにこの冒頭部に続く部分にある告知の部分についても以下にキャプを示します。
どういう訳なのか全く理解できませんが、英語版には日本語サイトで2022年9月2日付で出されていた
1, 口座開設キャンペーン
2. 最大100万円のキャッシュバック
3. 仮想通貨建ての入金受け入れ開始
という3項目の告知がいずれも存在しません。最新の告知は同じ2022年9月2日付なのですが取引時間の変更という項目になっています。口座開設キャンペーンや最大100万円のキャッシュバックは日本人だけに向けられた特典なのでしょうか?どういうことなのか全く理解できません。
さらに上に示したばかりのジェイドフォレックスの英語サイトの冒頭部には「SIGN UP」という項目が見えますが、この部分をクリックすると以下に示した口座開設画面が出てきます。これは本項の最初に示したのと同じ日本語にしか対応していない口座開設画面です。
これでは英語サイトを用意している意味がありません。日本語を理解できない英語圏の人はどうやって口座開設しろというのでしょうか?ジェイドフォレックスは日本語と英語に対応していても英語圏からの顧客を全く想定していないとしか思えません。同時にジェイドフォレックスを運営しているのは日本のグループではないかと疑わざるを得ません。しかし告知が並んでいる部分に続いては以下のキャプに示した「WHY TRADE WITH Jade FOREX (なぜジェイドフォレックスで取引するのか)」という項目があってその中に「法律を順守した運営」という項目があります。
>法律を遵守した運営
>私たちはセーシェル共和国の法律に従い、健全な事業運営に努めます。
と書いてあってセーシェルの業者であることが示唆されています。さらに「お問い合わせ」のページには以下に示した連絡先情報があって住所はセーシェルになっています。
>会社所在地
>Jade Belfort Limited(IBC : 227736)
>Nobel Capital Group Limited of Room B11, First Floor, Providence Complex, Providence, Mahe, Seychelles.
>support@jade-forex.com
>FOR PUBLIC INQUIRIES
連絡先情報に電話番号はなく、記されているのはセーシェルの住所とメールアドレスのみです。そこでこのセーシェルの住所について調べてみるとペーパーカンパニーが簡単に作れる租税回避地として有名なセーシェルの住所ということで予測は出来ていましたが、これはオフショア会社の住所であることが判明しました。具体的には住所が「Nobel Capital Group Limited」から始まっていますが、セーシェルの金融ライセンスを管理するFinancial Services Authority Seychelles (https://fsaseychelles.sc/) のサイトにあるオフショア会社のリストの中に右のキャプに示したNobel Capital Group Limited (https://nobel.capital/) の情報を見つけました。このNobel Capital Group Limitedのサイト (https://nobel.capital/) は最近閉鎖されたのかアクセス出来ませんがオフショア会社であったことは間違いないのでこのセーシェルの住所にジェイドフォレックスが実在するとは全く思えません。架空住所で間違いないと判断します。
さらに最初に引用したYahoo知恵袋に出てきた勧誘された人からの投稿には幾つかリンクがあるのでアクセスしてみました。まず口座開設マニュアルというリンク (https://bit.ly/lis-jade-manual) にアクセスしてみると以下に示しますが、日本語で書かれたまさに口座開設マニュアルであることが分かりました。
実はジェイドフォレックスのサイトの脚注部分には「リスク警告」と題して以下のような記述があります。
最後の部分に
>JADE FOREXは日本の金融庁の監督下にないため、金融商品提供や金融サービスへの勧誘と考えられる業務には携わっておらず、本ウェブサイトは日本居住者を対象としたものではありません。
と書いてありますが日本語の口座開設マニュアルまで準備していること、英語サイトから口座開設しようとすると口座開設画面が日本語にのみ対応になっていること、口座開設キャンペーンなども日本語でしか告知されていないことなどから日本人を主たる顧客のターゲットしていることは間違いありません。「日本居住者を対象としたものではない」という記述は摘発逃れの為の記述としか思えません。ジェイドフォレックスはやはり無登録の違法業者と考えるのが妥当だと思われます。
さらに最初に引用したYahoo知恵袋の質問投稿に記されていたリンクの中には以下のような項目もありました。
>FX自動売買システムもサービスの一つになるため、会員登録が必要
どうやらジェイドフォレックスでは自動売買システムの利用が可能でその自動売買システムを手に入れるにはこのサイトでの登録が必要ということのようです。そしてこのサイトにアクセスしてみるとLIS (LAY IN STOCK)というサイトであることが分かりました。以下にサイト冒頭部を示しますが、表示言語は日本語のみのようです。このサイトを運営しているのは日本のグループとしか思えません。
そして現状では以下に示す「DOLPHIN」という自動売買システム1種類を提供しているとなっていて10ヵ月の運用利回りが87..32%となっています。
しかし一般論として相場が大きく一方的に動く相場では悲惨な結果になることが避けられないナンピン戦略で本当にこれだけの高利回りが安定して得られるかどうかは極めて疑問です。尚、このサイトのFAQには以下のような項目があります。
どうやらこのLISという会社は自動売買システムを価格は記載がありませんが、有料で提供しているようです。またLISのサイトは既に指摘したように全面的に日本語で書かれており、LISは日本の企業としか思われません。だとすればLISは日本の金融庁に金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要であるはずですが金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを見てもLISのものと思われる登録は見つかりませんし、LISのサイトにも金融ライセンスに関する記述はありません。ジェイドフォレックスと同様にLISも違法な無登録業者ということになると思われます。
次に連絡先情報を探しましたが開示されているのは以下に示すLINEのQRコードのみです。これは話になりません。
ジェイドフォレックスについてもLISについても連絡先情報の開示が不充分なので例によって各サイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何もありません。サイトの登録・開設日は以下のようになっています。
サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日
Jade FOREX (https://jade-forex.com/ja/) 2021年2月18日
LIS (https://f-lis.com) 2021年12月19日
総合的に判断してジェイドフォレックスは信頼できる業者とは思えません。このサイトでの投資は推奨できません。
※付記
ジェイドフォレックスと同じセーシェルのNobel Capital Group Limited (https://nobel.capital/) の住所を所在地としているApril Investors (エイプリルインベスターズ https://april-investors.com/) というサイトが見つかってきました。ジェイドフォレックスと同様、エイプリルインベスターズも海外業者を自称しているのに日本語表示にしか対応していません。同じオフショア会社の住所を使っている、日本語にしか対応しておらずおそらく日本のグループによって運営されているという2点だけでは組織的繋がりがあるとは言えませんが、「検証9」にエイプリルインベスターズの検証を書きましたから関心があれば参照してください。
●Axon Markets (アクソンマーケッツ https://www.axonmarkets.com/ja)
●SAMURAI FX (サムライFX https://samuraifx-asia.com/)
1件目のアクソンマーケッツは関東財務局から無登録の違法業者であるとして警告が出たサイト、2件目のサムライFXはネット検索していて偶然見つけたサイトです。そしてこれら2つのサイトの運営会社はいずれもセーシェルの同じ住所を所在地とするLittle Black Diamond Ltdとなっており、同じグループによるサイトと考えられます。但し後述するようにアクソンマーケッツについては日本語に対応しなくなっているので簡単に触れるだけにします。
まずアクソンマーケッツについて2024年10月25日付で関東財務局から出た警告を引用します。
>業者名等 Little Black Diamond Ltd
>所在地又は住所 Attic Suites, Room 1, 3rd Floor, Oliver Maradan Building, Victoria, Mahe, Seychelles
>内容等 インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの
>備考 当該業者が提供するサービスの名称は「Axon Markets」である。
「Little Black Diamond Ltd」という業者、運営会社の名称、セーシェルの住所が記されています。そしてこの警告が出た当時に取得したアクソンマーケッツのサイト冒頭部の画像を以下に示します。
▼アクソンマーケッツ (https://www.axonmarkets.com/ja) [表示言語:日本語、英語、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、マレー語、中国語、香港語、タイ語、ベトナム語、フィリピン語]
上の画像で明らかなように日本語を含む12言語から表示言語を選択可能になっていました。しかしその後、同じサイトを確認するといつの間にか日本語が表示言語の選択肢から外れました。以下に再び画像を示します。
▼アクソンマーケッツ (https://www.axonmarkets.com/ja) [表示言語:英語、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、マレー語、中国語、香港語、タイ語、ベトナム語、フィリピン語]
プルダウンメニューに並んでいる表示言語の選択肢が以前は日本語を含む12言語だったのに、日本語が除外されて選択肢が11言語になっています。さらにこの冒頭部に続く部分でも以前は日本語に対応していたのに現在は日本語での表示が出来なくなっています。例えば以下は冒頭部に続いて出てくる「安心の業界スタンダード取引プラットフォーム」と題されたアプリをダウンロードするリンクが用意されている部分の画像です。以前に取得した日本語版の画像 → 現在の日本語表示が出来なくなったサイトの英語版の画像という順で以下に示します。
日本語表示に対応しなくなったのは上に示した2024年10月25日付で関東財務局から出た警告に対応した措置なのかもしれません。日本語対応を中止することで日本在住者に対応しないという姿勢を見せたということなのかもしれません。
さらにこのアクソンマーケッツのサイトは単に日本語表示が選択できなくなっただけでなく、連絡先情報も変更になったようです。残念ながら日本語に対応していた時期の画像が残っていないので以下には現在のサイト脚注の連絡先情報やライセンス情報などが記されている部分の画像のみ示します。
記されている文章を書き出し、さらに日本語訳も示します。
▼英語原文
Axon Markets is a registered brand name of Little Black Diamond Ltd, a company authorised and regulated by the Seychelles Financial Services Authority (FSA) under Securities Dealer’s License number SD115. Registered Address:IMAD Complex, Office 12, 3rd Floor,Ile Du Port, Mahe, Seychelles. The payment and software services for www.axonmarkets.com are facilitated by HDZ Capital Ltd, a corporation based in Cyprus with registration number HE422545. Registered Address: Kimonos 2, 1st floor, Office 1, 3095, Limassol, Cyprus.
Regional Restrictions: Axon Markets does not offer its services to residents of certain jurisdictions including but not limited to the United States, Afghanistan, Belarus, Burma, Central African Republic, Congo, Cuba, Guinea, Iran, Libya, Mauritius, North Korea, Somalia, Syria, Venezuela, and Zimbabwe.
▼日本語訳
Axon Markets は、証券ディーラー ライセンス番号 SD115 に基づき、セイシェル金融サービス機構 (FSA) によって認可および規制されている会社、Little Black Diamond Ltd の登録ブランド名です。登録住所: IMAD Complex, Office 12, 3rd Floor,Ile Du Port, Mahe, Seychelles。www.axonmarkets.com の支払いおよびソフトウェア サービスは、登録番号 HE422545 でキプロスに拠点を置く企業、HDZ Capital Ltd によって提供されています。登録住所: Kimonos 2、1st floor, Office 1, 3095, Limassol, Cyprus。
地域的制限: Axon Markets は、米国、アフガニスタン、ベラルーシ、ビルマ、中央アフリカ共和国、コンゴ、キューバ、ギニア、イラン、リビア、モーリシャス、北朝鮮、ソマリア、シリア、ベネズエラ、ジンバブエを含むがこれらに限定されない特定の管轄区域の居住者にはサービスを提供していません。
まず「Regional Restrictions (地域的制限)」の項目を見ると日本の居住者はサービス提供対象外とはされていません。日本語には対応しなくなりましたが、日本からの口座開設は可能ということになります。
そして所在地情報に関してですが、上で示したように関東財務局から出た警告では運営業者名と所在地が以下のようになっていました。
>業者名等 Little Black Diamond Ltd
>所在地又は住所 Attic Suites, Room 1, 3rd Floor, Oliver Maradan Building, Victoria, Mahe, Seychelles
しかし現在の脚注の記述では運営会社名は「Little Black Diamond Ltd」のままですが、住所は同じセーシェルのMahe市内でも以下の住所に変更になっているようです。
>IMAD Complex, Office 12, 3rd Floor,Ile Du Port, Mahe, Seychelles
さらにSeychelles Financial Services Authority (FSA、セイシェル金融サービス機構) で認可を受けている、ライセンス番号は「SD115」であると記されています。このライセンス番号についてはまた後述します。そこでFSAのサイト (https://fsaseychelles.sc/) でアクソンマーケッツの登録情報を探してみました。すると確かに「Capital Markets」という項目の中にある「Securities Dealer」というカテゴリーのページで以下に示したアクソンマーケッツの登録情報を確認することが出来ました。
確かにセーシェルで金融ライセンスを取得していることは確認されたのですが、租税回避地 (タックスヘイブン) として広く知られるセーシェルでどれほど厳格な審査が行われているかは疑問です。
次に表題2番目のサムライFXについて説明します。まずサイト冒頭部の画像を以下に示します。
このサイトは日本語表示にしか対応していません。また
>日本生まれの海外FXプラットフォーム
>SAMURAI FXは「強い日本人を作る。 」という使命のもと、業界最高のトレーディング環境を提供する日本人のための海外FX取引所です。
といった記述があるので日本人向けのサイトであることは確かでさらに「日本生まれの海外FX」という記述からは運営も日本のグループであるということを意味しているようにも思われます。
さらに以下は「選ばれる理由」と題された部分の画像です。
「狭いスプレッド」「500倍の高レバレッジ」「ゼロカット」といった取引条件に加えてAI (アルゴリズム)トレードあるいはプロトレーダーが運用すると称するMAM/PAMM管理口座 (コピートレード) での高利回り運用が可能であることを売り物にしているようです。AI (アルゴリズム)トレードについては風林火山と称する4つのコースから選択するになっているようで4つのコースそれぞれについて1年ROI、5年ROIなる数字がそれぞれ示されています。ここでROIの説明がありませんが、おそらく「Return On Investment」の略だと思われます。要するに1年あるいは5年でどれほど増えたのかという数字と考えられます。1年ROIは14.65%~35.51%、5年ROIは33.15%~136.10%となっています。5年ROIの数字が示されているのですから少なくとも5年以上の運用実績があるはずですが、これ以上の説明は見当たりません。MAM/PAMM管理口座についての実績についても情報がありません。
そして実際に5年以上の運用実績があるかどうかについては疑問があります。以下はこのサムライFXのサイトのWho Is 情報です。
このWho Is 情報には登録者に関する情報は何もありません。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2024年5月31日となっています。この検証を書いている2025年3月中旬時点でサイトの登録・開設から10ヵ月未満ということになります。サムライFXの提供するAI (アルゴリズム)トレードには5年どころか1年の運用実績もあるかどうか極めて疑わしいです。1年ROI、5年ROIといった数字も信用出来るようには思われません。
次にサムライFXのサイトの脚注部分に示されている運営業者の情報、連絡先情報、金融ライセンス情報の部分を以下に示します。
まず運営業者の情報、連絡先情報、金融ライセンス情報の部分を書き出します。
>SAMURAI FXは、Little Black Diamond Ltdの関連会社であるNOVA CAPITAL LIMITEDの商号です。Little Black Diamond Ltdは、証券ディーラー ライセンス番号SD115に基づき、セイシェル金融サービス機構(FSA)により認可および規制されている会社であり、登録住所はRoom B11, 1st Floor, Providence Complex, Providence, Mahe, Seychellesです。本社住所はAttic Suites, Room 1, 3rd Floor, Oliver Maradan Building, Victoria, Mahe, Seychellesです。
サムライFXのサイトを運営しているのは「Little Black Diamond Ltd」の関連会社である「NOVA CAPITAL LIMITED」となっています。さらに「Little Black Diamond Ltd」はセーシェルのFSAからライセンス番号、SD115で金融ライセンスを取得しているとなっています。さらに以下の2つの住所が記されています。
>登録住所:Room B11, 1st Floor, Providence Complex, Providence, Mahe, Seychelles
>本社住所:Attic Suites, Room 1, 3rd Floor, Oliver Maradan Building, Victoria, Mahe, Seychelles
この記述を見て気が付きましたが、ここに出てきた運営会社名の「Little Black Diamond Ltd」、セーシェルのFSAから取得している金融ライセンスのライセンス番号「SD115」は上で示したアクソンマーケッツのサイトの脚注に記されていた運営会社名やセーシェルの金融ライセンスのライセンス番号と同じです。
さらに本社住所 (Attic Suites, Room 1, 3rd Floor, Oliver Maradan Building, Victoria, Mahe, Seychelles) は本項の冒頭で引用したアクソンマーケッツに対して2024年10月25日付で関東財務局から出た警告に記されていた住所と同じです。おそらく「Little Black Diamond Ltd」の住所は2024年10月以降に変更になったものと考えられます。つまり、サムライFXとアクソンマーケッツの運営会社はいずれも「Little Black Diamond Ltd」ということになり、サムライFXとアクソンマーケッツは同じ運営会社が運営する兄弟サイトということになります。厳密に言えばアクソンマーケッツは「Little Black Diamond Ltd」が直接運営しているサイトであり、サムライFXは「Little Black Diamond Ltd」の傘下にある「NOVA CAPITAL LIMITED」が運営しているということになっていますが、同じ系列であることは確かです。
さらにサービスを提供していない国、地域に関する記述もサムライFXとアクソンマーケッツで似ているようです。
▼サムライFXの記述
Little Black Diamond Ltdは、米国、アフガニスタン、ベラルーシ、ビルマ、中央アフリカ共和国、コンゴ、キューバ、ギニア、イラン、リビア、ウクライナ、ロシア、モーリシャス、北朝鮮、ソマリア、シリア、ベネズエラ、ジンバブエなどの特定の管轄区域の居住者にはサービスを提供しておりません。
▼アクソンマーケッツの記述 (日本語訳)
地域的制限: Axon Markets は、米国、アフガニスタン、ベラルーシ、ビルマ、中央アフリカ共和国、コンゴ、キューバ、ギニア、イラン、リビア、モーリシャス、北朝鮮、ソマリア、シリア、ベネズエラ、ジンバブエを含むがこれらに限定されない特定の管轄区域の居住者にはサービスを提供していません。
サービスを提供していない国、地域が2つのサイトで殆ど重複しています。サムライFXでウクライナとロシアの2ヵ国が付け加えられているだけでそれ以外の16ヵ国については並び順まで含めて完全に同じなのです。
そこでアクソンマーケッツとサムライFXのサイトで同じグループに属すると思われる互いのサイトに関する記述が見つからないか探してみるとアクソンマーケッツのサイトではサムライFXに関する記述は確認出来ませんが、サムライFXのサイトの「お客様サポート」のサブページにある「よくある質問 (FAQ)」の中に以下の質問を見つけました。
「Little Black Diamond Ltd」が運営するアクソンマーケッツがセーシェルで金融ライセンスを得ていることが記されていてこのライセンスがサムライFXについても適用されるといったことが書いてありますが、これは明らかにおかしいです。既に説明したようにサムライFXは「Little Black Diamond Ltd」の傘下にある「NOVA CAPITAL LIMITED」が運営しているということになっていて「Little Black Diamond Ltd」が直接運営しているアクソンマーケッツのライセンスがサムライFXにも適用されるというのはおかしいです。上で示したようにFSAのサイト (https://fsaseychelles.sc/) で確認したライセンスはアクソンマーケッツのライセンスであって「Little Black Diamond Ltd」のライセンスではないのです。
サムライFXは日本の金融庁のライセンスも確認出来ませんし、セーシェルのライセンスもサムライFXのライセンスではありません。いずれの国でも有効なライセンスを取得していない無登録業者ということになります。おそらく関東財務局からアクソンマーケッツに対して無登録の違法業者であるという警告が出たことに対応してアクソンマーケッツでの日本語表示が取り下げられた一方で新たに日本在住者向けのサムライFXが立ち上げられたということではないかと推測されますが、無登録の違法業者であることに違いはありません。この業者での取引は推奨できません。
※付記
2025年4月25日付で関東財務局からサムライFXについて無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。