検証47

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証13」「検証14」「検証15」「検証16」「検証17」「検証18」「検証19」「検証20」「検証21」「検証22」「検証23」「検証24」「検証25」「検証26」「検証27」「検証28」「検証29」「検証30」「検証31」「検証32」「検証33」「検証34」「検証35」「検証36」「検証37」「検証38」「検証39」「検証40」「検証41」「検証42」「検証43」「検証44」「検証45」「検証46に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証35ページ目です。「検証48「検証49「検証50「検証51「検証52「検証53」「検証54「検証55」「検証56「検証57「検証58「検証59「検証60「検証61「検証62「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証項目は順次追加の予定です。


●Estarlnternational Investment limited (Esterインターナショナルインベストメントリミテッド http://www.estarlnternational.com/Jp.htm)

●Estarlnternational Investment limited (Esterインターナショナルインベストメントリミテッド https://rifatechnologymt5.com/Jp.htm)

●Estarlnternational Investment limited (Esterインターナショナルインベストメントリミテッド https://anandkoundalinvestmentlimited.com/Jp.htm)

●EOS Global Investment limited (EOSグロバールインベストメントリミテッドhttps://www.eosglobalinvesting.com/Jp)

●GSM (https://www.gsmfx.net/En)

これらのサイトは「検証13」で検証したMKNDYリミテッド (https://www.mkndy.com/Jp) のサイトにあった画像を画像検索に掛けてみつかってきたサイトです。具体的にはMKNDYリミテッドのサイトにあった以下のメタトレーダー5の説明に使われていたスマホ、タブレット、パソコンモニター、ノートパソコンが並ぶ画像を画像検索に掛けた結果として見つかってきたサイトです。

ここで検証対象とするサイトには確かに同じ画像が使われているのですがサイト全体としてはMKNDYリミテッドのサイトに特に似ているというわけではありません。画像検索に掛けた画像はMKNDYリミテッドのサイトのサイトではトップページにあるのですが本項で検証する5つのサイトではトップページではなく、サブページにあるし、画像の周囲にある説明分も変わっています。例えば以下は最初のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイト (http://www.estarlnternational.com/Jp.htm) のメタトレーダー5を説明するページにある画像検索で引っかかってき画像のキャプです。確かに同じ画像ですが、周囲の説明文などは同じではありません。

どうやらこの画像は他にも見かけがかなり異なる詐欺目的ではないかと思われるサイトで繰り返し使われているようであり、MKNDYリミテッドのサイトと本項で検証する5つのサイトの間には組織的な繋がりがあることを示唆しているように思います。

ここで検証するサイトが見つかってきた経緯の説明はここまでにして検証を始めます。ここで検証する5つのサイトの中にはEsterインターナショナルインベストメントリミテッドという名称のサイトが3つあって互いに非常によく似ていますがURLアドレスは明らかに異なっていて別個のサイトです。まず本項で検証する5つのサイトの冒頭部のキャプを以下に順に示します。

Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (http://www.estarlnternational.com/Jp.htm)

本項で検証する5つのサイトでは冒頭部で2つの背景画像パターンがあり、スライドショー形式で入れ替わるような設定になっています。上の2枚のキャプ画像はのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイトの2つの背景画像のパターンです。アクセス直後あるいはサイトのリロード直後に表示される1つ目のパターンは男性がモニターを覗き込む姿、スライドショー形式で入れ替わりで表示される2つ目のパターンがイギリスのウエストミンスター宮殿の画像になっています。実はこの2つの背景画像パターンは以下の4つのサイトでも使われているのですが表示順は最後のGSMの場合を除いて逆になっており、ウエストミンスター宮殿の画像の方が1つ目の背景パターンになっています。表示言語は英語、香港語、日本語、ロシア語の4つです。

Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (https://rifatechnologymt5.com/Jp.htm)

表題2番目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイト冒頭は上に示した最初のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイト冒頭と極めてよく似ています。但し既に説明したように2つの背景画像パターンの登場順が最初のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドの場合と逆になっていて上に示したウエストミンスター宮殿の画像がアクセス直後あるいはリロード直後の表示される1つ目のパターンになっています。そしてキャプは省略しますが最初のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドの1つ目の男性がモニターを覗き込む背景パターンが2番目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドでは2つ目の背景パターンになっています。表示言語の選択肢は英語、香港語、日本語、ロシア語の4つで1つ目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドと同じです。

Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (https://anandkoundalinvestmentlimited.com/Jp.htm)

表題3番目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイト冒頭も表題2番目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイト冒頭と同じです。2つの背景画像パターンが入れ替わりで表示されますが、その順序は1つ目のEsterインターナショナルインベストメントリミテッドの場合と逆です。表示言語の選択肢は英語、香港語、日本語、ロシア語の4つで上の2つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドの場合と同じです。

EOSグロバールインベストメントリミテッド (https://www.eosglobalinvesting.com/Jp)

サイト名は異なりますが上に示した3つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイトと非常によく似たサイトです。表示言語の選択肢も英語、香港語、日本語、ロシア語の4つで3つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイトと同じです。

最後のGSMというサイトの表示言語の選択肢は英語と中国語のみです。日本語には対応していませんがやはり2つの背景画像パターンが入れ替わりで表示される設定になっていて上に示した1枚目のパターンではモニター画面をのぞき込む男性の画像が背景画像に使われています。そして以下に示した2つ目のパターンでウエストミンスター宮殿の画像が背景画像になっています。つまり2つのパターンが両方とも上に示した4つのサイトと非常によく似ています。

そしてこれら5つのサイトの冒頭部にはキャプでは活字が小さくて分かりにくいですがキャプの左上の部分にメールアドレスが書かれています。5つのサイトの冒頭部に記されているメールアドレスをまとめておきます。

▼Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (http://www.estarlnternational.com/Jp.htm)

メールアドレス:naxiao500@gmail.com

▼Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (https://rifatechnologymt5.com/Jp.htm)

メールアドレス:naxiao500@gmail.com

▼Esterインターナショナルインベストメントリミテッド (https://anandkoundalinvestmentlimited.com/Jp.htm)

メールアドレス:naxiao500@gmail.com

EOSグロバールインベストメントリミテッド (https://www.eosglobalinvesting.com/Jp)

メールアドレス:support@eosglobalinvesting.com

GSM (https://www.gsmfx.net/En)

メールアドレス:info@gsmfx.net

実はこれらのサイトにはいずれも住所とか電話番号といった連絡先情報は一切見当たりません。これらのメールアドレスがほとんど唯一の連絡先情報なのです。さらに3つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドという同名のサイトに記されているメールアドレスは全く同じアドレスであり、しかも無料登録できるgmailのアドレスです。これでは明らかに情報開示として不適切です。

これらのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下は冒頭部に続く部分にあるサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分のキャプの比較です。表題と同じ順で5つのサイトからのキャプを並べてあります。

5つのサイトからのキャプ画像は互いに非常によく似ています。但しよく見ると最後の日本語に対応していないGSMのサイト場合だけは特長として挙げられている3項目の内容が他の4つのサイトの記述と全く異なるようです。日本語対応している4つのサイトで挙げられている3つの特長は以下のようになっています。

▼安定した取引プラットフォーム

▼マンツーマンサービス

▼資金の安全

一方で日本語対応していないGSMのサイトで挙げられている3つの特長は以下のようになっています。

▼Strict security protocol

MSD license certification

Strict security protocol

Strict security protocol」というセキュリティに関する項目が重複していて意味が分かりません。さらに2番目の項目をタイトルだけでなく説明文を含めて以下に書き出し、Google翻訳の結果も示します。

>MSD license certification (MSDライセンス認証)

>GSM is jointly regulated by fintrac and Canadian Securities Agreement. The Company also regularly submits reports to prove its financial stability and strictly comply with regulatory requirements. (GSMは、fintracとCanadian SecuritiesAgreementによって共同で規制されています。 当社はまた、財務の安定性を証明し、規制要件を厳格に遵守するために、定期的に報告書を提出しています。)


GSMはカナダのfintrac および Canadian Securities Agreement から金融ライセンスを取得しているといった意味と思われます。しかし金融ライセンスの登録番号などは記されていません。この金融ライセンスについてはまた後述することにします。

さらに各サイトにある会社概要という項目について冒頭部のキャプを以下に順に示します。

3つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイトおよび表題4番目のEOSグロバールインベストメントリミテッドのサイトの会社概要にはいずれも「英国で設立され」と書いてあります。しかし最後のGSMの場合のみは「2015年にカナダで設立され、本社はカナダにある」と書いてあります。これら5つのサイトはどう見ても互いに非常によく似ていて同じグループが運営している可能性が高いように思われるのですが設立がイギリスとカナダに分かれているというのは信頼できる情報かどうか疑問を感じざるを得ません。

ともかくEsterインターナショナルインベストメントリミテッドとEOSグロバールインベストメントリミテッドについてはイギリスで設立と書いてあるので例によってイギリスの法人登録を探してみました。またそれぞれのサイトのWho Is 情報も調べてみました。まず3つのEsterインターナショナルインベストメントリミテッドのサイトについてはそれらしい法人登録が見つかりませんし、Who Is 情報にも登録者に関する情報は全くありません。サイトの登録開設日だけ以下にまとめておきます。

URLアドレス 登録・開設日

http://www.estarlnternational.com/Jp.htm 2021年8月14日

https://rifatechnologymt5.com/Jp.htm 2021年6月16日

https://anandkoundalinvestmentlimited.com/Jp.htm 202166日

いずれもやはりかなり新しいサイトです。

一方でEOSグロバールインベストメントリミテッドについてはイギリスの法人登録を探すと以下に示したEOS GLOBAL INVESTING LIMITED (EOSグロバールインベスティングリミテッド) というかなり似た名称の法人登録が見つかってきました。

サイト名: EOS Global Investment Limited (EOSグロバールインベストメントリミテッド)

法人登録名: EOS Global Investing Limited (EOSグロバールインベスティングリミテッド) 

となっていてサイト名と法人登録の名称が微妙に異なります。

法人登録の日付は2021年7月20日になっています。そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下に示す中国国籍、中国在住のZHANG, Yifeiという人物が経営者になっています。

この中国人経営者については1992年8月生まれとなっていますが、同じ1992年8月生まれでZHANG, Yifeiという人物がこれまでに検証した以下のサイトに対応すると思われるイギリスの法人登録の経営者になっています。

「検証25」 スマートコントラクトグループ → 法人登録経営者情報

「検証29」 XINHAOインターナショナル → 法人登録経営者情報

これらは同一人物が経営者になっている可能性があるということになり、当然EOSグローバルとこれらのサイトが同じ組織によって運営されている可能性が考えられます。そしてこの人物の中国の住所が以下のようになっています。

>No.10, Group 1, Wei Village, Taiping Town, Jingyang County, Shanxi Province, China, 713707

この住所は中国の陝西省 (せんせい-しょう) 咸陽市 (かんよう-し) 涇陽県 (けいよう-けん) 太平镇という地域の住所のようです。そしてこの住所は一連の中国系と思われる詐欺サイトの法人登録上の経営者の住所とかなり違い場合が確認されます。

例えば「検証28」で検証したMISNEAグローバルリミテッド (http://www.misneaglobal.com/Jp) の法人登録上の経営者となっているMA, Youhongという中国人経営者の住所

>No.10, Group 2, Wei Village, Taiping Town, Jingyang County, Shanxi Province, China, 713707

あるいは「検証40」で検証したブリリアンスファイナンス (https://www.brilliancefx.com/en/) に対応すると思われる法人登録経営者となっていたOU, Fanglingという人物の住所

>No.38, Group 2, Wei Village, Taiping Town, Jingyang County, Shanxi Province, China, 713707

はかなり近いです。これも偶然とは思えません。やはり組織的な繋がりが考えられます。

そしてサイトの名称 (EOSグロバールインベストメントリミテッド) とイギリスの法人登録の法人名 (EOSグロバールインベスティングリミテッド) が微妙に異なると書きましたがサイトのWho Is 情報を見ると以下のキャプのようになっています。

赤枠で囲った登録者の情報が以下のようになっています。

登録者: wan san (EOS Global Investing Limited)

メールアドレス: wansan10000@gmail.com

電話番号: +86.13899925554

登録者はEOS Global Investing Limited (EOSグロバールインベスティングリミテッド) に所属する「wan san」という中国系かと思われる個人名になっています。所属機関名はここではイギリスの法人登録に一致しているのです。そして登録者のメールアドレスと電話番号が記されていますが電話番号は[+86] という中国の国番号から始まっています。メールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。

さらに上のWho Is 情報の黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2021年7月20日となっています。これは上に示したイギリスの法人登録の日付と完全に一致しています。やはりここで検証しているEOSグローバルのサイトとイギリスの法人登録は対応している可能性が高いと考えます。そして会社概要に「英国で設立され」と書いてあっても、イギリスに法人登録があってもそれは名目だけで実質的な運営は中国にある可能性が濃厚と考えます。


最後はGSMの場合ですが、「GSM」だけではイギリスの法人登録を検索しても該当が見つかりませんでした。しかしサイトのWho Is 情報を確認してみるとGSMの正式な社名らしきものが記されていることに気が付きました。以下にWho Is 情報のキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2019年10月23日となっています。一連の中国系と思われるサイトの中では最も古い部類のサイトということになります。そして赤枠で囲った部分にある記述が問題です。

登録機関名: Grand Signal Markets Limited

所在地: 香港

所在地が香港となっているのが気になりますが、ここに記されている「Grand Signal Markets Limited」がGSMの正式名称かもしれないということが考えられました。そこで改めてイギリスの法人登録で探してみると以下に示した「Grand Signal Markets Limited」の法人登録が見つかってきました。

まず法人登録の日付を見ると2019年10月22日となっています。これはサイトのWho Is 情報に記されていたサイトの登録・開設日である2019年10月23日と1日違いでしかありません。さらにこの法人登録に記されている業種も金融関係になっています。この法人登録とGSMのサイトが対応している可能性が高いように思われます。そして法人登録上の住所は以下のようになっています。

>69 Aberdeen Avenue, Cambridge, England, CB2 8DL

この住所は「検証21」で検証したOdinサービスグループ (https://odinforex.com/en/) に対応すると思われるイギリスの法人登録に記されていた住所と同じです。またこの住所には少なくとも数百の単位で法人が登録されているようです。オフショア会社などを利用した架空住所の可能性が濃厚です。そしてこの法人登録で経営者情報のページを見ると2019年10月の法人登録の後、2020年7月に経営者が交代していることが分かりました。まず以下に現経営者の情報を示します。

現在の経営者はHIDALGO, Murley Desneyという人物であり、国籍も居住地も南米のスリナムという国になっています。しかし上に示したこの人物の情報では居住国がスリナムとなっている一方でCorrespondence address (連絡先住所) が以下のようになっています。 

>5015 East Shennan Rd, Shenzhen, China, 518001

これは中国の深圳の住所です。そしてこの住所は「検証21」で検証したOdinサービスグループ (https://odinforex.com/en/) に対応すると思われるイギリスの法人登録経営者となっていたZHOU, Yiという人物の連絡先住所と同じです。Odinサービスグループの経営者はその後、短期間で2回交代して現在はDONGGAY, Danilo Jr. Ompocoというフィリピン国籍、フィリピン在住の人物が経営者になっています。ここでもOdinサービスグループとの関連が出てきたことになります。状況が不可解としか思えませんが、このHIDALGO, Murley Desneyというスリナム国籍の人物が中国と何らかの関係を持っていることは確かでしょうし、ここで調べている「Grand Signal Markets Limited」とOdinサービスグループの間に組織的な繋がりがある可能性も濃厚と考えます。

さらに「Grand Signal Markets Limited」の法人登録上の旧経営者についてですが以下のキャプに示すFENG, Yunという中国国籍、中国在住の人物になっています。

この人物は法人登録時の提出書類を見ると「Grand Signal Markets Limited」の100%の株主ともなっており、中国の住所が記されています。

>NO. 4, LINGSHANG XIAOZU TANGXIA VILLAGE, WANGQIAO TOWN, DONGXIANG DISTRICT, FUZHOU CITY,  JIANGXI PROVINCE, CHINA 

この住所は中国の江西省撫州市東郷区 (とうきょう-く) 王桥镇という地域の住所のようです。

こうして調べてみるとこの「Grand Signal Markets Limited」の法人登録はここで検証しているGSMのサイトに対応するものである可能性がかなり高いように思われます。さらにGSMも結局は中国のグループによって運営されている可能性が極めて濃厚と考えます。

そしてGSMのサイトには「GSMはカナダのfintrac および Canadian Securities Agreementから金融ライセンスを取得している」という記述があった件ですが、まず「 Canadian Securities Agreement」については検索してもそれらしき組織のサイトが見つかってきません。一方でFINTRAC (https://www.fintrac-canafe.gc.ca/intro-eng) については「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で何度かライセンスを取得しているといった記述が出てきています。そこで以前にも試したようにFINTRACのサイトにある登録業者の検索ページから「GSM」の登録を探してみましたがそれらしい登録は見つかりません。しかしWho Is 情報から出てきた「Grand Signal Markets Limited」で登録を探してみると以下のような登録情報が見つかってきました。

この登録情報を見るとこの「Grand Signal Markets Limited」という法人はカナダではなくアメリカの法人ということになっています。会社設立の日付は2019年10月15日となっており、サイトのWho Is 情報に記されていたサイトの開設日、2019年10月23日と近いです。しかしイギリスに法人登録が見つかっており、Who Is 情報には所在地が香港と書いてあったのですからその点では同一の法人と考えるのには無理があるようにも思われます。またそもそもこのFINTRACという組織は以前にも他のサイトの検証で触れましたが金融ライセンスを管理する機関ではなく、マネーロンダリングの防止やテロ組織への資金供給を抑制することと思われます。ちなみに日本の金融庁のサイトにある「主要国金融監督当局」というリンク集でカナダの金融監督当局として取り上げられているのはfintracでもCanadian Securities Agreementでもなく、OSFI [Office of the Superintendent of Financial Institutions (金融機関監督庁) http://www.osfi-bsif.gc.ca/Eng/Pages/default.aspx] という組織です。

このFINTRACにおける登録が本当にGSMのサイトに対応する登録なのかもよく分かりませんが、仮にこの登録がGSMのサイトに対応する登録であってもこの登録があれば信頼出来るとは到底思えません。

本項の最初に書いたようにこれらのサイトは画像検索で見つかってきたサイトであり、これらのサイトでの投資を勧誘されたとか、出金出来なくなったといった報告が確認されている訳ではありません。しかし連絡先情報などの開示が明らかに不充分であるとか、他の詐欺目的と思われるサイトとの組織的に繋がっている可能性が高いといった点を考慮すると到底信用出来るサイトとは思われません。仮にこれらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。