検証8

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには関東財務局から違法業者として警告が出ているサイトも含まれています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは以下を検証します。


●PrimeXBT (プライムXBT https://primexbt.com/jp)

●ASSETS HASH (アセッツハッシュ https://assetshash.com/)

●MESENTA (メセンタ https://www.mesenta.com/en-us)

●CXC markets (CXCマーケッツ https://www.cxcmarkets.com/jp/)

●Tech-fx (https://tech-fx.com/)

●MTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX https://mtlight-trading.com/#)

●FXTRADING.com (FXトレーディングドットコム https://fxtrading.com/jp/)

●ALTUM BROKERS (アルタムブローカーズ https://altumbrokers.com/ja/)

●M4Markets (M4マーケッツ https://www.m4markets.com/ja)

●M4Markets (M4マーケッツ https://www.m4markets.site/ja)


まず以下のサイトをまとめて検証します。

●PrimeXBT (プライムXBT https://primexbt.com/jp)

●ASSETS HASH (アセッツハッシュ https://assetshash.com/)

●MESENTA (メセンタ https://www.mesenta.com/en-us)

プライムXBTは日本の某スポーツ新聞のサイトでバナー広告を見かけたことで知った業者であり、日本語表示に対応しています。他の2つのサイト、アセッツハッシュとメセンタというサイトは日本語対応していないサイトなのですが、プライムXBTとかなり似ている部分があって同じグループによって運営されている可能性があるので比較、参考の為に検証対象にします。まずプライムXBTから検証を始めます。以下が2020年9月に見かけたバナー広告のキャプです。

このバナー広告からプライムXBTのサイトに行ってみました。以下がサイトの冒頭部のキャプでしっかり日本語対応しています。

このサイトの表示言語の選択肢はかなり多くてプルダウンメニューから表示される選択肢として国旗のアイコンが16個並んでいます (右のキャプを参照)。英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語など欧州圏の言語、中国語、日本語、韓国語、インドネシア語、ベトナム語などアジア圏の言語にも広く対応しているようです。

そしてサイト冒頭のキャプに「50以上の資産 一つの口座で」とあるのが確認出来ますが暗号資産 (仮想通貨)、株価指数、コモディティ、そして外国為替 (FX)の取引が可能となっているようです。サイト冒頭のキャプの一番下にはBTC/USD (ビットコイン/米ドル)、ETH/USD (イーサリアム/米ドル)、XAU/USD (ゴールド/米ドル)、SP500 (S&P500株価指数)、EUR/USD (ユーロ/米ドル)の5つの相場情報が見られます。但し50以上もあるという取引対象の具体的なリストは見当たりませんし、チャートも幾つかはあるのですがリアルタイムで動くものではないようです。さらにプライムXBTでは下のキャプに示したようにコピートレードが可能であると書いてあります。

しかし具体的なコピートレードの選択肢の数とかこれまでの実績といった情報はきちんと公開されていないようです。「covesting」というページには以下のキャプに示したこれまでの成績上位と思われるトレーダーの実績の表が一応あります。

例えば1位のMOSSSSEというトレーダーは利益総額が5398.7%という恐ろしい利回りになっているのですが、どれほどの期間でこれだけの利益を上げたのか説明がありません。一番下に「すべてを見る」と書いてあるのでトレーダーはこれらの10名以外にもいるのではないかと思われますが、すべてを見るにはログインが必要な設定になっています。また上の成績表でも「今日の利益」の欄を見るとプラス19.95%という大きな利益を出しているトレーダーがいる一方で首位のトレーダーでもマイナス4.10%となっていたり、中には1日でマイナス15.81%という大きな損失を出しているトレーダーもいるとなっていますからおそらくはかなりレバレッジを掛けて非常にリスクの高い取引を行っていると思われます。

次にプライムXBTの連絡先情報を探しましたが開示されている情報は充分とは言い難いです。会社概要のページに以下のキャプに示しましたがセーシェルとセントビンセント・グレナディーンの国旗がはためく画像が並んでいてその下に何かしらの文章が見えます。

国旗の下の活字が薄くて読みにくいので内容を以下に書き出します。

▼Prime Technology Ltd.

Seychelles company nr. 217308

▼PrimeXBT Trading Services LLC

St. Vincent and the Grenadines company nr. 222LLC2019

国旗の下に記されているので一見すると住所が2ヵ所記されているように見えますが、実際にはこれらは住所ではなく、セーシェルについてもセントビンセント・グレナディーンについても法人番号のようなものが記されているだけです。

この2つの国での法人番号が記されている横には左のキャプに示した表があります。

オフィスが3ヵ所と書いてあるのが気になります。その内の2ヵ所がセーシェルとセントビンセント・グレナディーンだとして3ヵ所目は何処にあるのでしょうか?

これ以外にはサイトの脚注部分にメールアドレスが記されています (右のキャプ参照)。

>一般情報: info@primexbt.com

>技術サポート: support@help.primexbt.com

つまり会社概要には住所も電話番号も見当たらず、法人番号らしきものとメールアドレスがあるだけになっています。これは明らかに情報開示不足でしょう。

サイトの脚注部分にはTwitterアカウントFacebookアカウントなどSNSアカウントへのリンクが幾つか並んでいます。これらのアカウントについても一応眺めてみましたが連絡先情報はやはり記されていないようです。

また金融ライセンスに関する情報や経営者情報も見当たりません。法人登録があるというセーシェルについてはセーシェルの金融ライセンスを管理しているセーシェル FSA (Seychelles Financial Services Authority)のFX業者の登録業者リストを探してみましたが該当がありません。同じく法人登録があると主張しているセントビンセント・グレナディーンについてはセントビンセント・グレナディーンのFSA (金融サービス機構)からFX業者やバイナリーオプション業者には金融ライセンスを認めていないという告知2018年3月29日付で出ています プライムXBTは日本の金融ライセンスがないだけでなく、いずれの国でも金融ライセンスを取得してない違法な無登録業者と思われます。

そしてここで表題に挙げたプライムXBT以外のアセッツハッシュとメセンタいうサイトについて説明することにします。2つのサイトは本項の最初にも書いたように日本語表示には対応していませんし、日本人向けに勧誘が行われているような事例も確認されていないのですが、プライムXBTと関連があるサイトである可能性が高いサイトです。これら2つのサイトは元々はプライムXBTの会社概要のページにあった上にキャプも掲載した国旗がはためく画像に既視感を感じたことで画像検索を行ったことで見つかってきたサイトです。まず画像検索に掛けたプライムXBTの会社概要のページにあった国旗の画像を再掲します。

そしてこれら2つの画像を画像検索に掛けて見つかってきたアセッツハッシュとメセンタのサイトにある国旗画像のキャプを以下に示します。まずアセッツハッシュのサイトにある2つの国旗の画像です。

明かにプライムXBTの国旗の画像と同じです。そしてまず右上のセントビンセント・グレナディーンの国旗の下には

>Assets Hash Trading Services LLC

>St. Vincent and the Grenadines company nr. 222LLC2019

と書いてあります。プライムXBTの場合と比べると社名はPrimeXBT Trading Services LLCからAssets Hash Trading Services LLCに変わっていますが法人登録番頭と思われる 222LLC2019は全く同じです。

また左上のセーシェルの国旗の画像の下には

>Prime Technology Ltd.

>Seychelles company nr. 217308

と書いてあります。これはプライムXBTのセーシェル国旗の下にあった記述と全く同じです。ここにはアセッツハッシュの会社名が記されていなければおかしいのにプライムXBTの運営会社名が書かれているのは明らかに異様です。プライムXBTのサイトをテンプレートにしてアセッツハッシュのサイトを作ったのではないかと思われます。

さらに以下がメセンタの「About Us」のページにある3つの国旗の画像です。

こちらは国旗の画像が3つありますが、左側は香港国旗のようです。中央と右側の国旗画像は順序は入れ替わっているだけでやはりプライムXBTのサイトにある2つの国旗の画像と全く同じにしか見えません。さらに中央のセントビンセント・グレナディーンの国旗と右側のセーシェル国旗の画像の下には以下の記述があります。

▼Mesenta Market Ltd is registered in the British Virgin Islands, FSC authorization number 2008372

▼Mesanda mesenta is registered with the financial authority of the Seychelles, FSA, Registration No. 20876

問題なのは中央の国旗の下の記述です。国旗は間違いなくセントビンセント・グレナディーンの国旗なのにメセンタマーケッツは英領バージン諸島に登録されていると書いてあります。オカシイなどというものではありません。また3つのサイトに共通して法人番号みたいなものが書かれているだけで住所とか電話番号といった連絡先情報は全く見当たりません。

さらにこうして見つかってきたアセッツハッシュとメセンタのサイトを見ていくとこれ以外にもプライムXBTのサイトとの類似性が多数見つかりました。アセッツハッシュとメセンタのサイトは日本語表示には対応していないので英語版で3つのサイトを比較していきます。まずサイト冒頭部の比較です。以下順にプライムXBT、アセッツハッシュ、メセンタのサイトの冒頭部を英語版で比較したものです。

いずれのサイトも冒頭部は背景がスライドショー形式で入れ替わる形になっていて背景の画像は互いに似ているようには見えませんが、書かれている文章を比較してみます。

▼プライムXBT

>50+ markets. One account

>Trade Cryptocurrencies, Stock Indices, Commodities and Forex from a single account

▼アセッツハッシュ

>30+ assets. One account

>Trade Cryptocurrencies, Stock indexes, Commodities and Forex with a single Bitcoin-based platform

▼メセンタ

>30+ assets. One account

>Trade Stock indexes, Commodities and Forex with a leading platform

文章が全く同じというわけではありませんが、いずれのサイトに書いてあることも30種類 (50種類) 以上のアセットを1つの口座で取引出来る、仮想通貨、株式指数、コモディティ、FXが1つの口座で取引出来る撮った内容が書かれている点は同じです。またいずれのサイトでもプルダウンメニューから表示言語を選べる形式になっているのですが、プライムXBTとアセッツハッシュでプルダウンメニューにある表示言語の選択肢は共に16種類でその16言語が全く同じです。それなのに非常に奇妙なのですが、アセッツハッシュのサイトでは英語以外の言語をプルダウンメニューから選んでも表示言語は変わりません。選択肢として示されている16言語の中には日本語も含まれているのですが、実際にはアセッツハッシュのサイトでは日本語表示は選ぶことが出来ません。アセッツハッシュのサイトで実際に表示言語に使えるのは英語だけなのです。何故こんな異様な未完成としか思えないようなことになっているのか全く理解出来ません。

以下の3つのキャプも3つのサイトに偶然とは到底思えないほどの類似性があることを示す為の3つのサイトからのキャプです。順にプライムXBT、アセッツハッシュ、メセンタのサイトにあったFXでは売りポジションを持って買い戻すことにより下落相場でも稼ぐことが出来るという説明の図なのですが、明らかに互いに似ています。特にプライムXBTとアセッツハッシュのサイトにみられる図は全く同じものでしょう。

3つのサイトで互いに明らかな共通性が複数見つかることからこれら3つのサイトは同じグループによって運営されている可能性が極めて高いとしか思えません。そしてこれらのサイトを運営しているのは中国系のグループである可能性が高いように思われます。最大の根拠は3つのサイトの中でメセンタのサイトには表示言語を英語にしても中国語の部分が多数みられるからです。例えば以下はメセンタのサイトでスライドショー形式で変わる冒頭部の部分のパターンの1つですが、英語表示を選んでいて右上にはイギリス国旗のアイコンが見えるのに明らかに中国語で表記されている部分が確認出来ます。

そもそも上のキャプで左上のメセンタのロゴの部分に「美勝達」と書いてあるのが見えます。少なくともMESENTAを運営しているのは中国系、中国語圏のグループではないかと思います。プライムXBTやアセッツハッシュのサイトにはこうした不自然な中国語表記は見つかりませんが、3つのサイトはやはり共通のグループによって運営されている可能性が高いのでやはり中国系である可能性は高いと思います。

こうした所在地情報が明確に開示されていないとか金融ライセンスも確認されない、そして3つの互いに酷似したサイトが存在するといった状況から考えてこれら3つのサイトは到底信頼出来るサイトとは思えません。しかし少なくともプライムXBTについては日本語サイトが存在しており、日本のスポーツ新聞のサイトにバナー広告が出ていたなど日本を標的に顧客勧誘を行っているのは確かです。そしてプライムXBTのサイトへのアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみるとまず以下のキャプに示したように1日当たりの独立訪問者が1日当たり19万5000人とかなり多いことが判明しました。

さらに以下のキャプに示したのは国別のアクセス状況です。プライムXBTのサイトへの独立訪問者、ページビューの実に30%超えが日本からという結果になりました。

残るアセッツハッシュ、メセンタの2つのサイトについてはこの検証を書いている時点でアクセス数はプライムCBTのサイトに遠く及ばず検出限界以下という結果が出るのですが、プライムXBTのサイトにおそらくバナー広告などの効果もあって多くの日本在住者がアクセスしているという状況には非常に危ういものを感じざるを得ません。これら3つのサイトでの取引は推奨出来ません。


●CXC markets (CXCマーケッツ https://www.cxcmarkets.com/jp/)

リンクはしませんがアフィリエイト報酬目的の比較・勧誘サイトで知った業者です。Twitterにも以下に示した勧誘投稿が出ていたことを確認しています。投稿のキャプと共に示します。

2020年4月24日投稿   投稿アカウント:CXC Markets 日本

2020年5月18日投稿   投稿アカウント: 

特に左上にキャプを示した2020年4月24日付の「CXC Markets 日本」というこの業者の公式らしき名称のアカウントからの投稿にはCXCマーケッツは「海外の有名なFX取引所」であり、シンガポール、オーストラリア、タイに支社があると書いてあります。さらにこの投稿の時点で「日本市場に参入したばかり」とも書いてあります。この点については後述します。

そしてこうしたTwitterでの勧誘投稿では高額のアフィリエイト報酬や入金ボーナスが強調されています。高額の勧誘報酬や入金ボーナスを出す業者という時点でこれまでの検証経験から危険を感じたので検証することにしました。高額の勧誘報酬や入金ボーナスを出しても事業として成り立たせる為にはそれらの負担をカバーする為に大きな収益を得るシステムが必ずあるはずだからです。

まず以下がサイトの冒頭のキャプです。

取引対象は上のキャプにも見えますが外国為替 (FX)だけでなく、商品 (コモディティ)、株式指数、仮想通貨なども扱っているようです。しかし具体的に取引対象になっている銘柄などは明確に示されておらず、かなり違和感があります。以下のキャプを見ると毎日取引されているはずの仮想通貨 (Crypto) でも週に5日の取引となっていることにも違和感を感じます。トレーディングソフトのMT-4をダウンロードするような指示が書かれているので取引銘柄についてはトレーディングソフト上に確認しろということでしょうか?かなり不親切な印象を受けます。

サイトの対応言語は上のサイト冒頭部のキャプの右上に選択肢が並んでいるのが見えますが日本語と英語だけのようです。これは最初に引用したCXC Markets 日本というアカウントからのTwitter投稿にあった「シンガポール、オーストラリア、タイに支社がある」という記述と矛盾しているように思います。シンガポールに支社があるなら当然中国語、タイに支社があるならタイ語に対応していなければおかしいでしょう。

そこで連絡先情報を確認しようとしましたが、これがまた複雑で奇怪なことになっています。まず日本語サイトの会社情報を見ると以下のような記述があります。

左上にはオンラインサポートとして24時間対応が可能であるとなっていて対応言語が英語、フランス語、日本語、韓国語となっています。フランス語や韓国語の人材がいるのにどうして公式サイトは英語と日本語だけの対応なのでしょうか?さらに右上の連絡方法にはメールアドレスが1つとオーストラリアと香港の住所があります。電話番号はありません。

>連絡方法

>Email:support@cxcmarkets.com

>Australia Office: 16/1 Bligh St, Sydney NSW 2000 Australia

>Hong Kong Office: FLAT/RM32 11/F Maxgrand Plaza 8 NG FONG STREET SAN PO KONG KL

香港にオフィスがあるのにどうして公式サイトもオンラインサポートも中国語や香港語に対応していないのでしょうか?全く理由が分かりません。

そして同じ会社情報のページを英語版サイトで見ると以下のキャプに示したさらに奇妙なことになっています。

左上の「support」という部分には24時間対応とあるのは日本語版と同じですが、その下の「language」という項目に「en, jp, zh」と書いてあります。これは英語、日本語、中国語の意味と思われます。日本語サイトでは英語、フランス語、日本語、韓国語の4ヵ国語だったのにどうして英語版サイトではフランス語や韓国語が消えて代わりに中国語なんでしょうか?

さらに右上のキャプに示した日本語サイトならメールアドレス1つと2つの住所 (オーストラリアと香港の住所) が書いてあった欄にメールアドレスがあるのは同じでそのメールアドレスも全く同じなのですが、オーストラリアと香港の住所は共に完全に消えています。どうしてこういうことになっているのか全く理解出来ません。

英語サイトと日本語サイトで内容が変わっているのはこれだけではありません。以下は順に日本語表示、英語表示を選んだ際のライセンスや所在地に関する情報が書いてある脚注の一番下の部分のキャプです。

キャプでは活字が小さすぎて読みにくいと思うので記述内容を書き出します。

【日本語サイト】

>CXC markets is in full compliance with the regulatory rules and regulations applicable to the financial services authority of Saint Vincent and the Grenadines (SVG FSA). Supervision No.: 20877 IBC 2017. The role of svgfsa is clearly defined by the Financial Services Authority Act No. 33 of 2011. The business of the authority is led by the board of directors. The FSA's mandate derives from its legal purpose and purpose. The Financial Services Authority (FSA) has the authority to "regulate, monitor and develop the non banking financial services sector in Saint Vincent and the Grenadines", as defined in the Financial Services Authority Act No. 33 of 2011. 

Australia Office:16/1 Bligh St, Sydney NSW 2000Australia.  Hong Kong Office:FLAT/RM32 11/F Maxgrand Plaza 8 NG FONG STREET SAN PO KONG KL 

【英語サイト】

>CXC markets is in full compliance with the regulatory rules and regulations applicable to the financial services authority of Saint Vincent and the Grenadines (SVG FSA). Supervision No.: 20877 IBC 2017. The role of svgfsa is clearly defined by the Financial Services Authority Act No. 33 of 2011. The business of the authority is led by the board of directors. The FSA's mandate derives from its legal purpose and purpose. The Financial Services Authority (FSA) has the authority to "regulate, monitor and develop the non banking financial services sector in Saint Vincent and the Grenadines", as defined in the Financial Services Authority Act No. 33 of 2011.

何が日本語サイトと英語サイトで違うかと言えば下線で強調した最後の文章、オーストラリアと香港の住所が記されている文章が日本語サイトにはあるのに英語サイトでは欠落しているのです。何故英語サイトでこの情報が欠落しているのか全く理解出来ません。

日本語サイトと英語サイトで共通して存在している文章には金融ライセンス関係の記述があります。セントビンセント・グレナディーンのthe financial services authority of Saint Vincent and the Grenadines (SVG FSA、セントビンセント・グレナディーン金融サービス局)で金融ライセンスを得ていると書いてあるのですが、CXCマーケッツの所在地で住所が公開されているのはオーストラリアと香港であってセントビンセント・グレナディーンではありません。何故セントビンセント・グレナディーンのライセンスなのか理解出来ません。また一連の検証で繰り返し取り上げていますが、セントビンセント・グレナディーン金融サービス局のサイト (svgfsa.com/) にはFX業者やバイナリーオプション業者には金融ライセンスを認めていないという告知 (2018年3月29日付) が出ています。以下はFSAのサイトで見つけた告知の冒頭部と同じ部分をGoogle翻訳で日本語に訳した結果のキャプです。 

そして一応セントビンセント・グレナディーン金融サービス局のサイトにあるライセンスを受けている金融機関のリストを探してみましたがCXCマーケッツと思われる登録は確認することが出来ません。

さらにオーストラリアと香港の住所についても調べてみました。

>Australia Office: 16/1 Bligh St, Sydney NSW 2000 Australia

>Hong Kong Office: FLAT/RM32 11/F Maxgrand Plaza 8 NG FONG STREET SAN PO KONG KL

まずオーストラリア・シドニーの住所ですが「1 Bligh」というのがシドニーにある30階建ての高層ビルであることが分かりました。そしてCXCマーケッツのサイトに書いてあった住所はこの高層ビルでの階数や部屋番号がない不完全な住所としか思われません。一方の香港の住所ですが不動産業者のサイトでMaxgrand Plaza (萬廸廣場) というのが香港に実在する26階建ての高層ビルであることは確認され、こちらは11階の32号室という部屋番号の情報まで明記されています。しかし電話番号がないことなど考えるとこれらの住所にCXCマーケッツが実在するかはかなり疑問であるように思われます。それというのもCXCマーケッツは海外業者を装っていても日本のグループが運営しているのではないかと思われる部分が多々見つかるからです。

まず既にCXCマーケッツのサイト冒頭のキャプを示しましたが日本語サイトはスライドショー形式で冒頭部の背景の画像が全部で4パターン切り替わるようになっています。以下に4つのパターンの内、2つを示します。

1つ目のキャプではちょうどこの検証を書いているクリスマスシーズン限定のキャンペーンということで総額300万円分のAmazonギフトを配布する口座開設キャンペーンが進行中であることを告知するものになっています。次のキャプが通常期間のものと思われ、口座開設すれば口座開設ボーナス5000円、初回入金については入金額に対して100%の入金ボーナス、次回入金では同じく30%のボーナスが出るとなっています。通常期間でもボーナス大盤振る舞いです。しかしここで気になるのはボーナスの金額が総額300万円、口座開設ボーナス5000円など全て円単位で示されていることです。これが日本国内の業者なら全く違和感はありませんが、CXCマーケッツはオーストラリアとか香港に拠点があるはずの海外業者のはずです。日本国内に拠点があるという話は全く出てきていません。それなのボーナスの金額が円単位というのは明らかに異様です。

そこで英語サイトの冒頭がどうなっているのか確認してみると日本語サイトがスライドショー形式で4つの背景パターンが出てくるのに対して英語サイトは背景の切り替わりがなく、口座開設や入金でボーナスが得られるという告知が全く見当たらないことが分かりました。以下が英語サイトのサイト冒頭部のキャプです。

これはこの検証項目の最初に示した日本語サイト冒頭のパターンの英語版です。口座開設や入金でボーナスが貰えるといった告知は一切見当たりません。何故日本人だけ極端に優遇されているのか全く理解不能です。そして上のキャプの背景ですがよく見ると黒一色ではなく何処かの夜景が背景画像になっていることが分かります。これは最初に示した日本語サイト冒頭のキャプでも同じ画像が使われていることが確認出来ますがよく見ると右側にタワーが見えます。これが確信は持てないのですが東京タワーとしか思えないのです。これが東京の夜景ならばオーストラリアとか香港を拠点とする海外のFX業者が東京の夜景をサイト冒頭の背景画像として使うというのは非常に異様なことのように感じます。

さらに以下はメニューバーの日本語版なら「取引」、英語版なら「Trading」という項目のプルダウンメニューから出てくる項目をみたキャプです。

日本語版と英語版を見比べると日本語サイトの「口座タイプ」に対応する「Account types」、日本語サイトの「取引商品」という項目に相当する「Trading products」という項目が英語サイトにあるのが確認出来ますが日本語サイトに存在する「入出金」という項目が英語サイトにありません。これも明らかにおかしいでしょう。

同様にメニューバーの「パートナー」、英語版なら「Partnerships」という項目にも日本語版にしかない項目があります。以下の2つのキャプで「パートナー」「Partnerships」から出てくるプルダウンメニューを示します。

日本語サイトにしか存在しないのは赤枠で囲って強調していますが「パートナー」→「リワードシステム」にある「MAM」の項目です。業者側が用意するトレーダーの運用をフォローするMAM (運用委託) 口座は日本語サイトでしか提供されていないということになります。そしてこの「MAM」の項目を選択すると選択可能なトレーダー6名が表示されます (以下のキャプ参照)。

下段中央の「Henry」を除く5名のトレーダーのハンドルネームは日本人のものとしか思われません。CXCマーケッツの活動は実質的に日本だけに限定されている疑いを抱かざるを得ません。

そこでさらにアクセス状況を解析出来るサイトでCXCマーケッツのサイトへのアクセスを調べると以下のキャプに示しましたがCXCマーケッツのサイトへのアクセスの100%が日本国内からという結果が出てきました。

CXCマーケッツはオーストラリアとか香港に拠点があり、多言語でのカスタマーサービスに対応しているなどとしながらも実際にはほぼ日本でしか活動していない業者であると結論せざるを得ません。

数々の不自然な記述、極めて怪しい連絡先情報、取得しているはずの金融ライセンスが確認出来ない、アクセスが日本からのみに限定されている状況など総合的に判断してこれは海外業者を名乗っていても実際には日本のグループが日本居住者を標的に運営している違法業者である可能性が極めて高いと考えられます。到底信用出来るとは思えず、取引は全く推奨出来ません。


※付記1

2021年3月5日付で関東財務局から無登録の違法業者であるとしてCXCマーケッツに警告が出ました (以下のキャプ参照)。

※付記2

CXCマーケッツのサイトに以下のような告知が出ていることに気が付きました。

Tech-FXという業者とブランド合併して合併後のブランドはTech-FXに統一するということでCXCマーケッツのサイトはこの告知以外は全て削除されています。また元々CXCマーケッツのサイトは日本語と英語に対応していたはずなのにこの告知は日本語版しかありません。顧客に日本語が分からない英語サイトで取引していたとすれば有り得ない処置でしょう。CXCマーケッツはやはり日本のグループによって運営されている日本人のみを標的としたサイトであったとしか思われません。

そしてこのTech-FXというサイトについては次項で検証します。こちらも日本のグループによって運営されている日本人のみを標的としたサイトとしか思われません。参照してください。


●Tech-fx (https://tech-fx.com/)

上で検証したCXCマーケッツのサイトがブランド合併したという主張で改称したサイトです。まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。CXCマーケッツのサイトと同様、表示言語の選択肢は英語と日本語のみです。以下は日本語表示を選択した場合のキャプ画像です。

メニューバーには「ホーム」「口座タイプ」「取引商品」「パートナー」「当社について」といった項目が並び、日本語表示を選択した状態であることを示す日本国旗のアイコンと「JA」という表示が出ています。そして

>前代未聞! 新規口座開設で即20,000円分のボーナスが貰える

>詳細はこちらをクリック

と書いてあります。

一方、以下は表示言語を英語にした場合のキャプ画像です。

この英語サイトは一見して異様です。英語表示を選択したことで右上にはアメリカ国旗のアイコンと英語を意味すると思われる「EN」という表示が出ていますし、メニューバーの項目は「Home」「Trading Type」「Commodities」「Partnerships」「About Us」と英語表示になっています。しかし英語表示を選択した状態でも驚いたことに口座開設ボーナスについて日本語で

>前代未聞! 新規口座開設で即20,000円分のボーナスが貰える

>詳細はこちらをクリック

と書いてあります。

さらに英語表示を選択した場合に日本語の文章が残るのは以下に示していきますがこの部分だけではありません。例えば「詳細はこちらをクリック」と書かれた部分をクリックして出てくる2万円のボーナスに関するサブページの説明は日本語版でも英語版でも全て日本語で記されています。以下は英語版のサブページの説明冒頭部分のキャプ画像です。

メニューバーの項目は「Home」など英語で書かれていますし、右上の表次言語を示す部分にはアメリカの星条旗のアイコンが表示されていますがボーナスに関する説明は全て日本語です。

トップページに戻って冒頭部に続いては取引対象に関する説明が出てきます。この部分についても日本語版 → 英語版の順でキャプを以下に示します。

取引対象は外国為替 (FX)、金属、商品、仮想通貨、CFDs、株式の6項目が挙げられていますが、英語版の赤枠で囲った部分の記述が日本語になっています。

それからこれら6つの取引対象の部分にマウスを持ってくるとそれぞれの項目への説明が書かれたサブページへのリンクが出てきます。例えば以下は「金属」という項目にマウスを持ってきた場合のキャプですが、「詳細を読む」特価れたサブページへのリンクが出現しています。

6つの取引対象それぞれに同様のリンクがあるのですが、奇妙なことに「外国為替」「金属」「商品」の3つの項目のリンクは全て同じ「外国為替」のサブページ (https://tech-fx.com/forex/) にリンクされています。これは英語版のサイトでも同じであり、「金属」「商品」の2項目について「詳細を読む」ことが出来るサブページは存在しないようです。

次に示すのは「MetaTrader4対応」と題された部分です。この部分についても日本語版 → 英語版の順で日本語版と英語版のキャプであることを示せるようにメニューバーの部分を含めたキャプを以下に示します。

メニューバーの部分を見れば確かに日本語版、英語版のキャプであることが確認出来ますが説明文はいずれの場合も完全に日本語です。つまりこのサイトは事実上日本語にしか対応していません。

そもそもTech-FXのサイトのURLアドレスは日本語版、英語版で以下のようになっています。

日本語版: https://tech-fx.com/

英語版: https://tech-fx.com/en/

英語版サイトのURLアドレスは日本語版のURLアドレスに英語を意味すると思われる「en」が付け加えられた形になっています。日本語サイトを先に作って後から一部を英語サイトを作った為にこうなっているとしか思えません。このサイトは海外のFX業者であると主張しているのですが、このサイトの前身であり、上で検証したCXCマーケッツの場合と同じで実際にサイトを立ち上げて運営しているのは日本のグループであると考えざるを得ません。

次に示すのはトップページにある「最新のコラム」「Tech-FXのお知らせ」と題された部分です。

2番目に「CXCMarketsとTech-FXブランド合併」という2023年5月24日付の項目がありますがなぜか英語サイトにはこの「最新のコラム」「Tech-FXのお知らせ」に相当する部分が存在しません。つまり英語サイトではブランド合併に関する情報が提供されていないようです。

この告知を読むと元々別会社として存在していたCXCマーケッツとTech-FXが合併したということのように思えますが、Tech-FXが元々存在していた会社なのかについては疑問があります。例えば上のキャプに見えるCXCマーケッツとTech-FXのロゴは互いに非常によく似ていますし、「合併」以前からTech-FXが存在していたことを示す様な情報が見つかりません。例えば上に示した「Tech-FXのお知らせ」という項目のバックナンバーをさかのぼろうとしても合併の告知以前の投稿は2023年5月3日付の「ゴールデンウィーク中に入出金対応の遅延につきまして」という投稿が1本あるだけです。

また以下はTech-FXの脚注のリンクなどが並んでいる部分のキャプです。

左側に書かれている文章の中に

>本ウェブサイト内の情報やサービスは日本国内の居住者向けに公開しているものではありません。

と書かれていますが、既に示したようにこのサイトが事実上は日本語にしか対応していないのに日本国内の居住者向けではないというのはおかしいです。海外在住の日本人とか日本語を理解できる日本以外に在住する人だけを顧客として想定しているとは思えません。

そしてこの文章の下にTwitter、Facebook、メールのアイコンが並んでいますが、Facebookのアイコンはリンクになっていません。メールのアイコンもTech-FXのサイト自体にリンクされていてやはりリンクになっていません。公式アカウントが存在するかのように見せかけているだけです。Twitterのアイコンだけはリンクになっていて以下に示したTwitterのアカウント (https://twitter.com/TechFX_JP) に繋がっています。

まずこのプロフィール欄でCXCマーケッツのサイトへのリンクがあるのにTech-FXのサイトへのリンクがないことが気になります。またこのアカウントからの投稿をさかのぼっていくとブランド合併が発表されたと思われる2023年5月24日前後の投稿を確認することが出来ます。まず以下が2023年5月25日付の投稿です。

この投稿ではブランド合併がアナウンスされています。

そしてこの投稿の直前の投稿は以下に示した2023年4月6日付の投稿です。

この投稿の内容は完全にCXCマーケッツからのアナウンスになっています。リンクもCXCマーケッツのサイトへのリンクになっています。ブランド合併発表以前の投稿がCXCマーケッツ名義でリンク先もCXCマーケッツのサイトというのは明らかにおかしいです。このTwitterアカウントは元々CXCマーケッツのアカウントだったのではないかと思われます。ブランド合併以前にTech-FXが存在していなったのだとすればこれはブランド合併ではなく、単なるサイト名の変更ということになると思われます。

次に連絡先情報ですが脚注部分に以下のような記述があるだけです。

事実上日本語にしか対応していないサイトなのにこの部分は日本語版でも英語版でも英語の文章になっています。

>Tech-fx is a brand name and registered trademark owned by TechnoFino Ltd, a subsidiary of ZuForex Limited.  Duly authorized to operate by the following companies in accordance with the laws and licenses obtained in each country:

>Ares Tradx Co., Ltd is an international company founded in St. Vincent and the Grenadines. (SVG IBC: 26693 BC 2022)

>ZuForex Limited is a company registered in Vanuatu, registered address: 1st Floor, Law Partners House, Kumul Highway, PortVila, Vanuatu. Registration number: 700634

これをGoogle翻訳に掛けると以下のようになります。

>Tech-fx は、ZuForex Limited の子会社である TechnoFino Ltd が所有するブランド名および登録商標です。 各国の法律および取得したライセンスに従って、以下の企業が運営することが正式に認可されています。

>Ares Tradx Co., Ltd は、セントビンセントおよびグレナディーン諸島で設立された国際企業です。 (SVG IBC: 26693 BC 2022)

>ZuForex Limited はバヌアツで登記された会社です。登録住所: 1st Floor, Law Partners House, Kumul Highway, PortVila, Vanuatu。 登録番号:700634


ZuForex Limited TechnoFino Ltd、Ares Tradx Co., Ltdという3つの法人名が登場していますが、

Tech-FXはTechnoFino Ltdのブランド名であり、TechnoFino LtdはZuForex Limitedの子会社であるとなっています。Ares Tradx Co., Ltdについてはセントビンセント・グレナディーンで設立された国際企業であるというだけTech-FXとどういう関係になるのか全く分かりません。またこれら3つの法人のサイトへのリンクはありませんし、連絡先情報が書いてあるのはZuForex Limitedだけです。それも「登録住所」が記されているだけで電話番号などの情報はありません。バヌアツやセントビンセント・グレナディーンが簡単にペーパーカンパニーを設立できる租税回避地 (タックスヘブン) であることを考えると「登録住所」は名目だけのペーパーカンパニーであることを意味する可能性が高いように思われました。

とにかく唯一連絡先情報として示されているZuForex Limitedのバヌアツの住所

>1st Floor, Law Partners House, Kumul Highway, PortVila, Vanuatu

を検索してみると「Law Partners」というのがバヌアツのオフショア会社であることが分かりました。Law Partnersのサイト (http://lawpartnersvanuatu.com/)  のサイトに記されている業務内容を見ると会社の設立、銀行口座の開設などまさにオフショア会社の業務が並んでいます。但しこのオフショア会社の住所は右のキャプに示したようにZuForex Limitedの住所と微妙に異なっています。ZuForex Limitedの住所は1st Floor (1階) ですがLaw Partnersの住所はTop Floor (最上階) です。しかしこの住所の1階にも別のオフショア会社があるとかペーパーカンパニーの為の私書箱が1階に設けられているといった可能性が考えられ、実際にこの住所にZuForex Limitedが実在する可能性は低いものと考えます。

総合的に判断してTech-FXは信頼出来る業者とは全く思えません。海外のFX業者を名乗っていますが、連絡先情報はオフショア会社を利用したと思われる住所が1ヵ所記されているだけで電話番号などは示されていません。明らかに情報開示は不充分、不適切ですし、そもそもTech-FXを運営しているのはサイトが事実上日本語にしか対応していないことなど考えれば上で検証した改称前のCXCマーケッツと同様、日本のグループとしか思えません。また金融ライセンスについてはサイトに記述もありませんし、全く確認出来ません。

このサイトでの投資は全く推奨できません。


※付記1

2023年12月22日付で関東財務局からTech-FXについて無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。

※付記2

上で指摘した英語版にかなりの日本語の文章が表示されているという状況はかなり修正されたようです。しかしトップページは修正されてもサブページには日本語の文章が残っています。例えば以下は仮想通貨取引に関する説明のある英語版のサブページ (https://tech-fx.com/en/cryptocurrency/) の一部です。表示言語が英語に設定されていることはメニューバーの星条旗アイコンで確認出来ます。

しかし

>レバレッジ100倍:レバレッジ100倍の仮想通貨オンライン取引

という文章が日本語のままですし、その右側の項目の文章も

>Fee of 0 yen: The fee is 0 yen in principle.

手数料無料であることを「Fee of 0 yen」と表現しています。これは英語圏の人に向けた文章とは思えません。やはりこのサイトを運営しているのは日本のグループである可能性が濃厚です。


●MTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX https://mtlight-trading.com/#)

これはYahoo知恵袋に出てきたFXの自動売買システムに関する質問から調べていく過程で見つかってきたFX業者です。まずその質問を引用します。

2021年8月20日投稿

アポロンという自動売買システムで本当に利益が出るのかという質問です。残念ながらこの自動売買しシステムを販売しているサイトへのリンクがないので検索してみると勧誘サイトのようなものは見つかってくるのですがアポロンを販売している投資顧問業者 (?) のサイトは見つかってきません。従って販売元が自動売買システムを販売したり、レンタルする業務を行うのに必要な金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録を得ているかどうかは不明です。ともかくアポロンという自動売買システムについて見つかってきた幾つかの勧誘サイトを見ると資金運用先として「MTL」というFX業者が指定されていることが判明しました。例えば敢えてリンクはしませんが以下のキャプもそうした勧誘サイトから取得したキャプで「MTL」というFX業者での口座開設方法について説明しています。

この「MTL」というFX業者が本項の検証対象です。そしてMTLという業者のURLアドレスが見当たらないのですが上のキャプで「無料でMTL口座を開設する」と書かれている青色のリンクボタンのリンク先URLが以下のようになっています。

>https://secure.mtlight-trading.com/register?reference=●●●●●●●●●●●●

「●●●」の部分は本来はアフィリエイターのIDと思われる文字列になっているのですが伏字にしてあります。

さらに検索していてアポロンという自動売買システムと無関係にこのMTLというFX業者での口座開設を勧めるランディングページ (https://mtl-trad.jp/) も発見しました。以下にそのランディングページの冒頭部のキャプを示します。

このランディングページは日本語のみですから日本人向けに勧誘が行われていることは確かです。入金ボーナスや最大レバレッジ500倍などを強調して口座開設を勧める内容になっていて上のキャプに示したようにやはり「無料口座開設はこちら」というリンクボタンがあります。このリンクボタンは上で引用したアポロンという自動売買システムについて説明している勧誘ページにあったリンクボタンとアフィリエイターのIDと思われる部分も含めて全く同じアフィリエイトリンクになっています。

そしてこれらのアフィリエイトリンクのURLアドレスからMTLのサイトを見つけてきました。以下にサイト冒頭のキャプ画像を示します。

表示対応言語は日本語と英語のみです。取引対象については以下のキャプに示したような説明があります。

「100以上の楽器」という不自然な日本語が気になりますが、これはおそらく英語の金融商品、取引対象を意味する「(Financial) Instrument」の誤訳ではないかと思われます。ともかく、取引対象は外国為替 (FX)、商品 (金、銀、プラチナなどの貴金属、石油や天然ガスなどのコモディティ)、株式、インデックスの4項目が取引対象として挙げられています。しかし取引対象についてこれ以上の具体的情報は公開されていません。例えば「外国為替」として取引されている具体的な通貨、通貨ペア、取引単位とかスプレッドなどFX業者のサイトならば必ず公表されているような基本情報が何もありません。株式とか先物についても具体的に取引されている銘柄の情報など何もありません。さらにはFX業者のサイトならばほぼ間違いなく提供されているリアルタイムの相場情報やリアルタイムのチャートなども見当たりません。かなり違和感があります。

次に連絡先情報を探しましたが殆ど開示がありません。お問い合わせのページに記されているのは以下のキャプに示した電話番号とメールアドレスのみです。

>お電話ください +44 1392 0577

>Eメール info@mtlight-trading.com

住所がないのは論外です。電話番号は[+44]というイギリスの国番号から始まっているのでイギリスの電話番号ということになります。そこでイギリスの法人登録リストを探してみましたがMTLで検索してもそれらしき法人登録は見つかりません。MTLで始まる名称の法人はいくつか出てくるのですが既に解散していた、業種が全く異なっていたりしてここで検証しているMTLのものとは思えないのです。さらに外国為替取引のページを見ると以下のキャプに示しましたがMTLight-FXと書いてある部分があります。

MTLというのは略称でMTLIGHT-FXあるいはMoutain Light-FXが正式名称なのかもしれないと考えてこれらの名称でもイギリスの法人登録を検索してみましたがやはり該当するような登録は見つかりません。

また脚注部分には以下のような記述があります。

>OS-Laugh Marketing Ltd.は、ライセンス番号LL1505のLabuanFSAによって認可および規制されています。

この「OS-Laugh Marketing Ltd.」がMTLを運営している法人の名称なのかと考えて「OS-Laugh Marketing Ltd.」でもイギリスの法人登録を探してみましたがやはり該当なしです。さらに「LabuanFSA」でライセンスを得ていると書いてありますがこの「LabuanFSA」はマレーシアの租税回避地として知られるラブアン島のLabuan Financial Services Authority (ラブアン金融サービス局 https://www.labuanfsa.gov.my/default.aspx) を意味すると思われます。租税回避地ですからここに登録があったとしても高い信頼性があるとは思えませんがとにかくラブアン金融サービス局で登録を得ているという記述を確認する為にこのラブアン金融サービス局のサイトで公開されている登録業者のリストを確認しましたが該当すると思われる登録を確認することが出来ません。FX業者ならば「Money Brokers」のリストに登録があるべきと思われるのですがMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) とか「OS-Laugh Marketing Ltd.」といった登録は見つかりません。

念の為にかつては登録があったが何らかの理由で登録が取り消された業者のリストも確認しましたがやはりそれらしき登録は見つかりません。そもそもマレーシアのラブアン島でライセンスを受けているならマレーシアに住所とか電話番号があるはずでしょう。しかし実際に開示されているのはイギリスの電話番号だけで住所は開示なしです。

これではMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) がどこの国に本拠があるのかさえ分かりません。しかしサーバーの情報など調べていくとこのサイトの運営本拠は日本にあるのではないかと思われる部分があるようです。まず以下がMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) のサイトのWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分に書いてあるサイトの登録開設日を見ると2021年3月29日となっています。この検証は2021年8月下旬に書いているのでサイトの開設から5ヶ月も経過していない新しいサイトということになります。そして緑色の枠で囲った部分を見るとネットオウル (https://www.netowl.jp/) という京都のネット関連業者からドメイン名を取得し、大阪のエックスサーバー (https://www.xserver.co.jp/) という業者のレンタルサーバーを使っていることが分かります。さらにこのサイトはレンタルサーバーを使っているから当然ですがIPアドレス (120.136.10.85) をかなり多くのサイトと共有してます。例えば以下のようなサイトが同じIPアドレス上にあるようです。

▼ダブル・フィールド株式会社 (映像制作) (https://wfield.co.jp/)

▼有限会社 中島精工 (愛知県の治具企業) (http://www.nakashima-seiko.co.jp/)

▼ぐんまYMCA (https://www.gunmaymca.org/)

▼鷹之羽ぶどう園 (群馬県のぶどう園) (https://www.takanohabudou.com/)

▼佐久間興業 (岐阜県の足場工事業者) (https://www.sakuma-ashiba.com/)

これでもごく一部ですが要するにIPアドレスを共有しているサイトは日本のサイトばかりです。一方でMTLのサイトにはサーバーに関して以下のキャプに示すような記述があります。

活字が小さくて分かりにくいかもしれませんが、要するに強力なサーバーを使っていて高い安定性とスピードを誇っているといったことが書いてあります。さらに金融市場の近くにサーバーを置いているという意味でしょうけどロンドンとニューヨークを含む世界6ヶ国にサーバーを保有していると記されています。それなのにサーバー情報を調べてみると格安レンタルサーバーを多くのサイトと共有しているのです。これはセキュリティ面から見ても問題ありでしょう。そしてドメイン名の取得に使った業者やレンタルサーバー業者が日本の業者であるとなればMTLの運営元は日本のグループである可能性が濃厚と考えざるを得ません。

さらに本項の最初に触れたアポロンという自動売買システムについて検索していたら勧誘目的と思われるサイトの1つに以下のキャプに示した記述を見つけました。かなり長いですが引用します。

「TRさん」という非常に成功しているトレーダーがいて、自動売買システムでの運用の為に自分で「MTLという証券会社」を立ち上げたと書いてあります。さらに

>ラブアン島の金融ライセンスは取得予定で、早ければ2021年7月には金融庁のHPに掲載されるそうです。

とも書いてあります。言い方を変えるならば無登録の違法業者のまま業務を始めてしまっているということでしょう。そして2021年8月になっても金融ライセンスの取得は確認出来ません。「TRさん」が日本人なのか外国人なのかについて特に記述はありませんが、普通にこの文章を読めば「MTLという証券会社」を立ち上げたのは日本のグループとしか思えません。

当初はMTLのサイトに書いてある日本語にしばしば違和感を覚える部分があったので日本のグループによるサイトの可能性は低いのではないかと考えていたのですが、こうして断片的な情報を集めてみるとやはりMTLのサイトを運営しているのは日本のグループである可能性が高いと考えます。そしてMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) はいずれの国でも金融ライセンスを取得していない無登録の違法業者と考えざるを得ません。

金融ライセンスを持っていないというだけでなく、運営者情報や連絡先情報を明らかにしていないなど非常に危険な業者の可能性が高いです。アポロンという自動売買システムについてもMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) についても投資先として全く推奨できません。

※付記1

アポロンライトのランディングページは相変わらず見つからないのですが、間接情報としてネット上の複数のサイトにそのランディングページの特定商取引法の記述が転載されていることに気が付きました。

>特商法 【Apollon Light(アポロンライト)】

>販売会社 日本清掃株式会社

>所在地 561-0884 岡町北二丁目12番27号 豊中市,大阪府

>電話番号 090-3016-5592

>メールアドレス info@os-goodlife.com ※お問い合わせはEメールでお願いいたします。

日本清掃というおよそ投資とは無関係としか思われない社名と電話番号が090の携帯の電話番号というのが気になります。そしてメールアドレスのドメイン名から日本清掃のものと思われるGood Lifeという清掃関係のサイト (https://os-goodlife.com/) を見つけてきました。

日本清掃という社名から予測されるように清掃関係の業務も行っているようです。そしてこのGood Lifeというサイトの運営会社情報は以下のようになっています。

記されている事業内容にFX関連の業務は含まれていません。

>会社法人等番号 1209-01-040916

>商号 日本清掃株式会社

>本店 大阪府豊中市岡町北二丁目12番27号

と法人番号らしきものが記されているので国税庁の法人番号公表サイトで法人登録を探してみましたがこれが簡単には見つかりません。散々探した挙句に法人名も住所も変更された以下に示す株式会社Seegrove Japanという会社の法人登録を発見しました。

>法人番号 1120901040916

>商号又は名称 株式会社Seegrove Japan

>商号又は名称(フリガナ) シーグルーヴジャパン

>本店又は主たる事務所の所在地 大阪府大阪市此花区高見1丁目6番21号408号室

Good Lifeのホームページ運営会社情報に記されていた商号 (社名) や住所はこの法人登録の旧住所に一致します。

法人登録の日付は平成31年 (2019年) 2月6日

住所変更の日付は令和元年 (2019年) 6月25日

となっていますから法人登録から5ヶ月も経過せずに転居しており、さらに令和3年 (2021年) 9月22日に法人名も変更しています。どうしてこの付記を書いている2022年3月になってもGood Lifeのホームページにある運営会社情報が変更されていないのか理解出来ません。そもそもGood Lifeのホームページに記されていた

>会社法人等番号 1209-01-040916

という法人番号らしき数字は実際に見つかってきた法人登録の法人番号 1120901040916 と微妙に異なります。法人登録や現在の社名、住所といった情報を隠しておきたいのではないかと疑いたくなります。そして新しい法人名、「株式会社Seegrove Japan」で検索してみましたが何も情報が出てきません。また自動売買システムを提供するのならば金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要なので金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストを一応探してみましたが該当すると思われる登録は見つかりません。信用出来る運営会社とは思えません。


※付記2

MTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) について証券取引等監視委員会から令和4年 (2022年) 12月9日付で金融商品取引法違反を告発する告知が出ていることに気が付きました。

以下に告知の冒頭部のみ示します。日本在住の山本絋士なる人物がMTL/MTLight-Fx (マウンテンライトFX) の運営者として取引の停止を命ずるよう申し立てが行われたとあります。やはり日本のグループによる運営だったようです。


●FXTRADING.com (FXトレーディング.コム https://fxtrading.com/jp/)

敢えてリンクはしませんが日本のアフィリエイトサイトで高額の入金ボーナスが得られるとして口座開設が推奨されていたサイトです。これまでは日本で本格的に活動していた気配もなく、知名度も低かったようですが高額の入金ボーナスを掲示して本格的に日本人顧客を獲得しようとしているように思われます。但し後述しますが本格的に進出したばかりだと思われるのに既に利益没収を宣言されたとか入金出来ないとか日本語非対応になったとかネガティブな情報がSNSなどに出ているようです。

とにかくまずは英語版、日本語版のサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

▼FXトレーディング.コム 英語版 (https://fxtrading.com/en/

FXトレーディング.コム日本語版 (https://fxtrading.com/jp/

英語版と日本語版は当然のことながら非常によく似ているのですが1つ違和感がある部分があります。すなわち英語サイトには上のキャプでも確認できるようにメニューバーに表示言語の選択メニューがあって英語の他に中国語、台湾語、ベトナム語、日本語から表示言語を選択出来るようになっています。しかし日本語版のメニューバーにはこの表示言語の選択メニューがありません。日本語版サイトからは他の表示言語を選択できないのです。どういうことなのか分かりません。

この冒頭部に続いては以下に示した取引対象について説明する部分が出てきます。

「FX取引」「仮想通貨CFD」「株式CFD」「コモディティ」「貴金属」「エネルギー」「株価指数」の7項目が取引対象となっています。しかし取引条件などに関する情報は全般に不足しています。例えば通貨ペア毎のスワップポイントの表が見当たりません。レバレッジは以下のキャプに示しましたが「取引条件」というサブページに「2000倍の最大レバレッジなど」と書いてあることから最大レバレッジが2000倍であることは分かります。

しかし「最大」という但し書きが付いていることから全ての取引対象で常に2000倍のレバレッジが掛けられるという訳ではないと思います。その適用範囲に関する説明が見当たりません。

トップページに戻って取引対象を説明する部分に続いて出てくるのは以下に示すサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分です。

ここで最も気になるのは右下の「複数の金融ライセンスを保有」という項目です。

>オーストラリアおよびバヌアツ金融庁の認可を受け安心できる取引環境を提供

とあります。金融ライセンスに関する記述だと思われるのですが具体性に欠けています。サイトを見回すと脚注部分にもう少し具体的な情報が記されているのに気が付きました。以下にキャプ画像を示します。

記述内容を以下に書き出します。

>規制:

>バヌアツ:

>FXTRADING.com は、バヌアツ金融委員会に登録する Gleneagle Securities Pty Ltd の商号となります。

>オーストラリア:

>FXTRADING.com は、バヌアツ金融委員会に登録する Gleneagle Securities Pty Ltd の商号となります。オーストラリアでオーストラリア証券投資委員会 (ASIC) により認可および規制登録を受け、オーストラリア金融サービスライセンス (AFSL No. 337985) を取得しています。

やはり今一つ具体性に欠けているのですがとにかくこれらの記述の確認を試みることにしました。まずバヌアツのVanuatu Financial Services Commission (バヌアツ金融サービス委員会) のサイト (https://www.vfsc.vu/) で「Gleneagle Securities Pty Ltd」の登録情報を探してみました。すると「Gleneagle Securities Pty Ltd」の登録は見つかりませんが「Gleneagle Securities Services Pty Ltd」という会社の登録が見つかってきました。「Services」の部分が加わった社名ということになります。以下にキャプを示します。

FXトレーディング.コムのサイトにはバヌアツの登録に関して登録番号などの情報が記されていないのでこれだけではこれがFXトレーディング.コムの登録かどうか確認することも出来ないのですが、これ以外に該当すると思われるような登録は見つかりません。

まず気になるのは事業内容を示すと思われる「Business Activity」の項目です。Administrative and support service activities (管理およびサポート サービス活動) となっているのですがFX業者の事業内容とは思えません。これで金融ライセンスを得ていると言えるかどうか非常に疑問です。

また登録の日付ですが2022年11月7日となっています。この検証は2023年2月上旬に書いているので登録から3ヶ月ほどしか経過していません。しかし一方でFXトレーディング.コムの「当社について」のページにある企業沿革を見ると以下のキャプ画像に見えるようにFXトレーディング.コムの前身であるRubix FXがオーストラリアのシドニーで設立されたのが2014年9月、ブランド名をRubix FXからFXトレーディング.コムに変更したのが2019年12月となっています。バヌアツの登録は設立からかなり時間が経って、最近になってから取得されたものということになります。

Rubix FXについて検索してみるとTwitterのアカウント (https://twitter.com/Rubix_FX) が見つかりました。

このTwitterアカウントにはRubix FXのサイト (https://www.rubixfx.com) が記されていますがこのURLアドレスにアクセスしてみるとFXトレーディングのサイト (https://fxtrading.com/jp/) にリダイレクトされます。Rubix FXのサイト (https://www.rubixfx.com) がFXトレーディングの前身的なサイトであったことは間違いないものと思われます。そして気になるのはこのTwitterアカウントが2015年1月に開設されていることです。このアカウントの開設時期については以下でまた触れることにします。

さらにバヌアツの登録情報の「Addresses (住所)」の項目を以下に示します。

>Registered Office Address

>Effective Date 07-Nov-2022

>Registered Office Address 1st Floor, Govant Building, Kumul Highway, Port Vila, Vanuatu

>Postal Address

>Effective Date 07-Nov-2022

>Postal Address P.O. Box 1276, Port Vila, Vanuatu

>Email Address

>Email ajcregistry@ajc-vanuatu.com

どういうことなのかよく分かりませんが「Registered Office Address (登録上の住所)」「Postal Address (郵便の宛先)」という2つの住所が記されています。加えてメールアドレスも示されています。

そして租税回避地として有名なバヌアツの住所ということで予測されてはいましたがこれはオフショア会社の住所で間違いありません。メールアドレスを見て気が付いたのですがこれは以前に「検証4」で検証したThreeTrader (スリートレーダー https://www.threetrader.com/jp/)、および「検証11」で検証したPRC Broker (PRCブローカー https://www.prc-brokers.com/jp/) でも使われていたAJC (https://ajc-vanuatu.com/) というオフショア会社の住所 (Govant Building, P.O. BOX 1276, Port Vila) に似ているのです (右のキャプ参照)。

さらにメールアドレスの方はドメイン名 (ajc-vanuatu.com) の部分がAJCのサイトのURLアドレス (https://ajc-vanuatu.com/) やメールアドレス (contact@ajc-vanuatu.com) のドメイン名と一致しています。 これはこのAJCというオフショア会社の連絡先で間違いないでしょう。

さらに登録情報の「Directors (経営者)」の項目についてもキャプを以下に示します。

Lance Michael ROSENBERG および Julie Elenoa TAKAU という共にバヌアツ在住の2人の人物が経営者となっていますが、「Director Consent」という項目があって

>This person has consented to act as a director for this company (この人物は、この会社の取締役として行動することに同意しました)

と書いてあります。これは名目上だけの経営者であることを意味しているように思われます。関連して登録情報の「Shares & Shareholders (株式と株主)」という項目の株主情報を見ると以下に示したように

経営者は株主ではなく、株主となっているのはGLENEAGLE SECURITIES PTY LIMITEDという法人であるとなっています。この法人名は上に示したFXトレーディング.コムのサイトの脚注にバヌアツ金融委員会登録を得ているとされていた法人名と一致します。 実際には登録を得ているのは「Gleneagle Securities Services Pty Ltd」であり、その100%株主がGleneagle Securities Pty Ltd」ということになっているようです。いずれにしろバヌアツの登録情報で開示されている2名の経営者は実質的な経営者ではなく、バヌアツにあるペーパーカンパニーの名目上の経営者に過ぎないというのが実態ではないかと思われます。そして実質的な経営者の情報は開示されていないようです。いずれにしろこうしたオフショアで何らかの登録があってもFXトレーディング.コムが安心できる業者であるとは言えないように思います。

次にこれも脚注に記されていた

>FXTRADING.com は、バヌアツ金融委員会に登録する Gleneagle Securities Pty Ltd の商号となります。オーストラリアでオーストラリア証券投資委員会 (ASIC) により認可および規制登録を受け、オーストラリア金融サービスライセンス (AFSL No. 337985) を取得しています。

という記述の確認を試みました。まずオーストラリアの法人登録情報を検索できるABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトで「Gleneagle Securities Pty Ltd」の登録を検索すると2件の登録が見つかりました。

Gleneagle Securities Pty Limited 

法人番号: ABN 34 262 182 144

登録日: 2017年4月19日

GLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED

法人番号: ABN 58 136 930 526

登録日: 2009年5月5日

FXトレーディング.コムのサイトの脚注にはオーストラリアの法人番号か記されていないのでどちらがFXトレーディング.コムの法人に相当するのかこれだけでは分かりません。しかしこれら2つの法人登録で開示されている情報を見るとどうやら後者がFXトレーディングに対応する法人登録のようです。以下にその法人登録情報の一部を示します。

上のキャプ画像の一番下にBusiness name(s) として「fxtrading.com」が登録されていることからこれが本項で検証しているFXトレーディング.コムのサイトに対応するオーストラリアの法人登録で間違いないと判断しました。法人登録の日付は既に書きましたが2009年5月5日、所在地は「NSW 2000」とだけ記されていてこれはニューサウスウェールズ州・シドニーを指すようです。

そしてこの法人登録の「Hitorical details (過去情報)」のページのキャプを以下に示します。

この法人は2009年5月5日に設立されていますが設立直後の短期間に2度の法人名変更が行われています。

法人名 利用期間

Blue Sky Financial Services Pty Limited 2009年5月5日~2009年5月15日

GLENEAGLE FINANCIAL SERVICES PTY LIMITED  2009年5月15日~2009年6月4日

GLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED 2009年6月4日~

最初の「Blue Sky Financial Services Pty Limited」という法人名はわずか5日後に変更されています。さらに2番目の「GLENEAGLE FINANCIAL SERVICES PTY LIMITED」という法人名も20日ほどで変更されて以降は現在まで「GLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED」という法人名が使われているようです。また法人設立から現在まで同じシドニー市内で3回転居があったことになっています。

さらに気になるのはBusiness names (商号) の変遷です。

商号 利用期間

Rubix FX 2017年10月25日~2018年8月21日

Rubix FX 2018年7月20日~2022年1月13日

Ditto Trade 2021年9月17日~2022年6月13日

fxtrading.com 2019年3月11日~

「Rubix FX」という商号が2回に渡って使われていることになっています。そして2つのRubix FX、Ditto Trade、計3つの商号は全てCancelled (キャンセル済み) となっています。「Rubix FX」という商号については上に示した「当社について」のページにある企業沿革で言及がありましたが「Ditto Trade」という商号については情報がありませんでした。なぜこの商号について触れられていないのか疑問を感じます。

そしてこれらかつて使われていた商号については例えば以下が法人登録情報からリンクされている2017年10月25日~2018年8月21日に使われていた最初のRubix FXに関するAustralian Securities and Investments Commission (ASIC、オーストラリア証券取引委員会) の登録情報です。

2017年10月25日に登録され、本来ならば3年後の2020年10月25日まで有効だったはずの商号が2018年8月21日付で「Cancelled (キャンセル済み)」になっています。どういう理由でキャンセルになったのか理由は開示されていません。但し同じRubix FXという商号が1回目のRubix FXの商号がキャンセルになる直前の2018年7月20日に再度登録されて2022年1月13日まで有効であったことを考えれば「GLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED」の側にRubix FXという商号の使用を自ら取りやめる理由があったという可能性は低いように思われます。また上でRubix FXTwitterアカウント (https://twitter.com/Rubix_FX) が2015年1月に開設されて現在でも閉鎖されずに残っていることを示しましたが、ここで示しているRubix FXの商号がASICに登録されたのは2017年10月ですから登録が有効な時期によりもかなり前にTwitterのアカウントが開設されていたことになります。この点についてはまた後述します。

そして以下にはこれも法人登録情報からリンクされているfxtrading.com (FXトレーディング.コム) という商号に関するASIC (オーストラリア証券取引委員会) の情報のキャプを示します。

確かにfxtrading.com (FXトレーディング.コム) という商号についてASIC (オーストラリア証券取引委員会) 何らかの登録があることは確認されたということになると思います。そしてこの開示情報には以下のシドニーの住所が記されています。

>Level L27 25 BLIGH St SYDNEY NSW 2000

一方でFXトレーディング.コムのお問い合わせのページにもこのシドニーの住所に加えてブリスベンの住所が記されています。但し電話番号はどちらの拠点のものなのか分かりませんが1ヵ所分だけが記されているだけです。

住所:Level 27, 25 Bligh Street, Sydney NSW 2000, Australia

住所:Level 18, 175 EAGLE STREET, BRISBANE CITY, QLD 4000, Australia

電話番号 (国際電話):+61 (0) 2 8039 7366

そこでこれら2つの拠点の住所について検索してみました。まず2番目のブリスベンの住所ですが、検索するとVictory Offices というシェアオフィスの業者の拠点の住所と一致するようです。以下は不動産の情報サイトからのキャプ画像です。

このシェアオフィスを提供しているVictory Officesという会社について調べるとTwitterアカウント (https://twitter.com/victoryoffices) は確認出来るのですが、公式サイト (https://victoryoffices.com.au/) が閉鎖されているようです。調べてみると2022年の秋に経営破綻しているようなのでこの住所に現在でもFXトレーディング.コムの拠点が実在するかどうか、そもそもシェアオフィスを使っているという状況ならばシェアオフィス業者の破綻以前でも拠点が実在していたかどうか疑問があるように思います。

もう一方のシドニーの住所も検索してみましたが、こちらは同じ住所を使っている特に金融関係の会社のサイトが多数見つかります。その中にはFXトレーディング.コムの商号を使っているGLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED の公式サイト (https://gleneagle.com.au/) も含まれています。 いかにその公式サイト冒頭部のキャプを示します。

このGLENEAGLE SECURITIESのサイトを見るとどうやら企業向けなどの投資サービスを提供する会社という説明になっているようなのですが、どういう訳かFXトレーディング.コムに関する記述が見当たりません。どうして一切の説明がないのか、関係は隠しておきたい存在なのか疑問があります。そしてContactのページには2ヵ所の拠点の連絡先情報があります。一方はFXトレーディング.コムのサイトに記されていたシドニーの住所に一致しますが、他方はブリスベンではなくメルボルンの住所になっています。以下にキャプを示します。

▼SYDNEY OFFICE

Phone +61 2 8277 6655

Address Level 27, 25 Bligh Street, Sydney NSW 2000, Australia

▼MELBOURNE OFFICE

Phone +61 3 9900 7700

Address Level 39, 55 Collins Street, Melbourne, 3000, Australia

メルボルンの住所も検索してみましたがやはり金融関係の複数の企業がこの住所を所在地としているらしいことだけが分かっただけです。

ここまで検証してきて決定的と言えるような問題は見つからないものの違和感のある点も幾つか出てきました。特に気になったのは商号が何度も変わっていることです。普通に考えれば商号を変更すればそれまで築いてきた知名度を捨てることになるのですから頻繁な商号変更はマイナスのはずです。特に顧客から高い評価を得ていれば商号変更はマイナスでしかないように思います。しかし例えば逆に顧客の評価が低ければ商号を一新することによって低い評価を避けることを考えるのは有り得る話です。

そこで「FXトレーディング.コム」だけでなく、以前に使われていたことが判明した「Rubix FX」および「Ditto Trade」という商号についても検索して口コミサイトなどでの評価を探してみました。ちなみにFXトレーディング.コムのサイトのトップページには以下のキャプに示したような部分があります。

>私たちは、世界100の国と地域における6万人以上のお客様に対し、透明性の高い安心できる取引環境を提供しております。

と書いてあり、さらに右側の画像はTrustpilot (https://www.trustpilot.com/) というサイトで5点満点の4.8点という高評価を得ているということを示しているようです。そこでまずこのTrustpilotというサイトでの評価を見てみるとこの検証を書いている2023年2月中旬時点でFXトレーディング.コムの評価以下のようになっています。

86件のレビューが投稿されているのですが、非常に極端な評価分布になっています。86件のレビューの内、4件が1つ星、1件が4つ星で他の81件が5つ星評価になっているのです。3つ星、2つ星の評価は1件もありません。4件の1つ星評価の投稿はアラブ首長国連邦、イタリア、パキスタン、オーストリアから寄せられていて出金できないとか、詐欺だとかカスタマーサービスが全く繋がらないといった内容になっています。86件のレビューが本当の顧客から自由な立場で投稿されたものかどうか疑問を感じます。このTrustpilotというレビューサイトには Rubix FXDitto Tradeに関するレビューは見つかりません。

次に確認したのは本サイトで何度か引用しているForex Peace Army (https://www.forexpeacearmy.com/) という口コミレビューサイトです。 以下にこのForex Peace ArmyにおけるFXトレーディング.コムのレビューの冒頭部を示します。

全部で21件のレビューが投稿されていて評価は5点満点の1.745点というかなりの低評価になっています。21件のレビューの中には満点の5つ星のレビューが12件も含まれているのですが、他は1つ星のレビューが3件ある他、6件の5つ星レビューがForex Peace Armyの運営によってスパムであると判断されて無星扱いになっている為に低評価になっているのです。例えば以下は運営が5つ星評価を取り消して無星扱いとなったレビューの1つです。

このレビューはフィリピンのマニラ在住の「snchzecome」と名乗る投稿者が2022年8月23日に投稿したことになっており、初心者でも非常に使いやすいといったことが書いてありますが、Forex Peace Armyによって5つ星評価を取り消されて無星扱いになった理由が述べられています。説明されている取り消しの理由は2022年8月22日にフィリピン在住と称するSherwin Sanchez名義で投稿された5つ星レビュー、2022年8月24日にフィリピンのQuezon City在住と称するShaneBarcelon名義で投稿された5つ星レビュー、そして2022年8月23日にフィリピンのマニラ在住のsnchzecome名義で投稿されたこの5つ星レビューの3つのレビューは全て同じIPアドレスから投稿されており、さらに2022年8月25日にFXトレーディング.コムの代表者が使用したIPアドレスとも一致するからであるとなっています。つまり2022年8月22~24日の3日間に立て続けに投稿された3件の5つ星レビューはFXトレーディング.コムによる自作自演であると断じているということでしょう。

これ以外にも2020年9月21~24日にいずれもオーストラリア在住と称する人物から投稿された3件の5つ星レビューがやはりFXトレーディング.コムのIPアドレスから投稿されていたという理由で無星扱いになっています。

さらに以下の1つ星レビューには興味深いことが書かれています。原文とGoogle翻訳の結果を続けて示します。

このレビューはオーストラリア在住の人物から投稿されており、FXトレーディング.コムの前身であるRubix FXで取引していた人のようです。そしてこの投稿者によればRubix FXでは利益を上げることが出来ていたがFXトレーディング.コムになってからはスプレッドとスワップが劇的に改悪されてしまったとなっています。そして確認された情報なのかどうか分かりませんが、これは経営者が中国人になったことに伴う改悪であると主張していてFXトレーディング.コムでの取引は避けるべきとしています。

しかし買収されるなどして経営者が中国系に変わったかどうかについて裏付けがある話なのかどうかがこれだけでは全く分かりません。但しこのレビュー投稿には以下に示すFXトレーディング.コムからの返信が寄せられていて満足していただけなかったことには申し訳なく思うとだけ記されているだけです。経営陣の交代を特に否定していないということは経営陣交代を認めているとも解釈出来るように思います。

一方で既に書いたようにFXトレーディング.コムのサイトには経営陣に関する記述が何も見つかりませんし、親会社であるというGLENEAGLE SECURITIES (AUST) PTY LIMITED の公式サイト (https://gleneagle.com.au/) も確認しましたがAbout Usのページにある「企業沿革」を見ても買収されたとか中国系に経営陣が交代したといった記述は見つかりません。創業者とか現在の経営者に関する記述も見当たりません。確かに普通ならば経営者に関する情報などあってしかるべきではないかと思われるのに一切開示されていないというのは隠しておきたい情報だからという可能性はあるかもしれません。

一方、Forex Peace ArmyにはRubix FXのレビューも存在します。以下に冒頭部を示します。

17件のレビューが投稿されていて評価は5点満点の4.418点となっています。評価は高いのですが気になる点が2つあります。1つは上のキャプの一番下に書かれている文章です。

>Feb 2015:  Multiple highly suspicious positive reviews submitted.

2015年の2月に極めて疑わしい高評価のレビューが複数投稿されたと特記されています。自作自演など何らかの不正が行われた可能性があるということでしょう。疑わしい高評価も排除されてはいないので4.418点という高評価も怪しくなってきます。

2つ目の気になる点はここに投稿されているレビューの投稿時期です。現在閲覧可能な17件のレビュー投稿の投稿時期を見るとその不正が疑われている2015年2月の投稿が最も古く、2015年末までに12件、2016年に2件、2017年に3件のレビューが投稿されています。最後の投稿は2017年8月に投稿されています。ところが上に示したオーストラリアの法人登録でRubix FXの商号が登録されていたのは以下の時期です。

Rubix FX 2017年10月25日~2018年8月21日

Rubix FX 2018年7月20日~2022年1月13日

17件全てのレビュー投稿がこの登録されていた時期よりも前ということになります。上でRubix FXのTwitterアカウント (https://twitter.com/Rubix_FX) が2015年1月に開設されていることを示しましたが、これもForex Peace Armyの最初のレビュー投稿時期とほぼ一致します。Rubix FXが2015年の1月とか2月には営業を開始していたのだとすればその際にいかなるライセンスの下で営業していたのか非常に気になるところです。  オーストラリアの別法人が運営するRubix FXのライセンスが登録されていたのか、あるいは別の国で登録があったのかとも考えてみましたが痕跡は見つかりません。

次にやはり本サイトでの検証で何度か引用したことのあるWikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) というレビューサイトでのFXトレーディング.コムおよびRubix FXの評価について引用します。

FXトレーディング.コムのレビュー

スコア:7.64/10点満点

被害報告:2件

Rubix FXのレビュー

スコア:0.36/10点満点

被害報告13

このWikiFXというサイトの「スコア」は金融ライセンスの有無やその信頼性などを重視しているようなのですが、Forex Peace Armyでは評価が高かったRubix FXについて13件もの被害報告が出ており、スコアも非常に低くなっています。Rubix FXについては有効な規制情報 (金融ライセンス) は確認されていないとも記されています。Rubix FXについては2015年1月ごろには設立されていて2017年10月25日にASICの登録を得るまでライセンスなしで営業していた可能性があることを上で指摘しましたがライセンスの有無を重視するWikiFXの評価ではこれが非常に低い評価の要因になったということなのかもしれません。加えて13件もの被害報告が出ていることもおそらく低評価の一因でしょう。ちなみに13件の被害報告は全て香港から投稿されているようです。

一方でFXトレーディング.コムについても2件の被害報告が出ていますが、スコアは比較的高くなっています。オーストラリアのASICのライセンスを得ていることを高く評価しているのかと思われます。

そして本項の最初で書いたように日本に本格進出して間もないと思われるのにSNS上には既にFXトレーディング.コムについてかなり多くの批判的な投稿が出ているようです。かなり数が多いので全てを網羅することは出来ませんが、いくつか取り上げます。

2023年1月4日投稿

これら2つのTwitter投稿によればFXトレーディング.コムから最初は出金できたものの、2度目の出金が不正行為の疑いがあるという理由で拒否されてしまったようです。その後、提出を要求された身分証明書などを提出して再度出金を要求したところ出金がようやく認められたようです。

2023年1月24日投稿

この投稿も2023年1月24日付です。そしてFXトレーディング.コムから送られてきた文面は少し違っていて不正があったから利益分を没収するという告知になっていますがこの投稿の発信者には不正を行った自覚がないようです。この投稿者のアカウント (https://twitter.com/fx_maind) を確認しましたが2023年2月中旬現在で問題が解決したという投稿は確認出来ません。問題が解決していない可能性が高いです。

またこの投稿に反応して別のFXトレーディング.コム利用者からやはり同じ2023年1月24日に自分も同じ利益没収通知を受け取ったというリプライが出ています。

2023年1月24日投稿

いわゆる両建てを行ったと認められたので利益を没収すると宣告されたようですがそんな覚えはないようです。このケースもこの検証を書いている2023年2月中旬時点でその後の報告がなく、解決したかどうか不明です。

こうした報告が他にも幾つか見つかります。さらに引用はしませんが2023年1月末までに入金すれば入金額の100%ボーナスというキャンペーンを行っていたが、その期限である2023年1月末まで入金出来ない状況が続いていて入金ボーナス目当てに口座開設したが無駄に終わったといった報告も複数出ているようです。要するにSNS上でのFXトレーディング.コムの評判は決して芳しいものではないようです。

例えば評価サイトでの自作自演疑惑、情報開示も中途半端、サイト名を繰り返し変更したり金融ライセンスの取得の経緯などにも疑問があるなど総合的に判断してこの業者の信頼性は高く評価することは難しいです。さらに本格的な日本進出の直後の時期にトラブルが多発しているとなればこの業者での取引は推奨し難いです。


●ALTUM BROKERS (アルタムブローカーズ https://altumbrokers.com/ja/)

敢えてリンクはしませんが、アフィリエイト報酬狙いと思われる少なくとも3つの比較サイトで取り上げられていたサイトです。以下はそうした比較サイトの1つの記述を以下に示します。

キプロス発の海外業者でクリプトアルタムという仮想通貨取引所とAltumFX (アルタムFX) というFX業者から誕生したといったことが書いてあります。他の比較サイトでも似たような記述があります。しかしサイトを調べてみるとこれらの記述には違和感を感じる部分もあるのです。

とにかくまずサイト冒頭の画像を示します。

まず表示言語の選択肢は英語と日本語のみです。メニューバー部分に表示言語の切り替え示すイギリス国旗と日本国旗のアイコンが見つかります。一方で本項の最初で触れたように複数のアフィリエイト報酬が目的と思われるFXの比較サイトではアルタムブローカーズの本社はキプロスにあるという記述があります。比較サイトによってはさらに本社はキプロスの南部に位置するLimassol (リマソール) にあるという記述になっている場合もあります。しかし後述しますが、このサイトに記されている連絡先住所はセントヴィンセント・グレナディーンになっていますし、Wikipediaによればキプロスの公用語はギリシャ語、トルコ語となっていてリマソールの位置する南部はギリシャ語圏のようです。本当にアルタムブローカーズの本社がキプロスのリマソールにあるのならば少なくともギリシャ語に対応していないのはおかしいように思います。またキプロスに本社があるなら地理的に近い欧州圏の言語にも対応するのが自然でしょう。キプロスに「本社」があるとしてもそれは名目だけの「本社」であって実質的な本社は別の場所にあるのではないかと疑わざるを得ません。

この冒頭部に続いては以下に示す「ALTUM BROKERSのメリット」と題された部分が出てきます。

この部分で最も気になるのは「コピートレード」という項目です。「取引はプロに任せよう!」と書いてありますが、コピートレードでどれほどの実績があるのかはおそらくサイトが開設されて間もないこともあるのでしょうけど全く情報がありません。実績が示されていない状況でコピートレードを依頼する人がどれほどいるのでしょうか?

またこの部分では「入金&出金プラットフォームでダイレクト送金」という入出金が簡単に出来ることを説明している部分も気になりますが、サブページにある入出金の説明を見ると入出金共に仮想通貨建ての送金のみのようです。利便性が良いとは言い難いです。

次に出てくるのは以下に示す取引対象の説明です。

FX、コモディティ、仮想通貨、株価指数の4項目が取引対象とされているようです。

さらに以下は「なぜ選ばれるのか?」と題された取引条件に関する簡単な説明の部分です。

この部分で気になるのは左上の「FX&仮想通貨のレバレッジ」という項目です。その下に「1:500」と書いてあってFXや仮想通貨を500倍のレバレッジを掛けて取引できるという意味としか思われません。これと似たような記述が以下にキャプを示しましたがメニューバーの「マーケット」という項目から選択出来る「FX」と題されたサブページの「FXをする理由」という項目にもあります。

「FXをする理由」として4つの項目が挙げられていますが、その第1項が「1:500 LEVERAGE」となっていてやはり500倍のレバレッジが掛けられることを意味しているとしか考えられません。

しかし一方でこの「FX」と題されたサブページには取引可能な通貨ペアの情報があります。メジャー、マイナー、エキゾチックの3つのカテゴリーに分けて取引出来る通貨ペアの表が示されているのですが以下に示すのはメジャーな仮想通貨ペアの表の一部です。メジャーのカテゴリーでは全部で15の通貨ペアが示されているのですが、以下に示すのは8つの通貨ペアに関する情報です。

カナダドル/スイスフラン、カナダドル/日本円、スイスフラン/日本円、ユーロ/カナダドル、ユーロ/スイスフラン、ユーロ/英国ポンド、ユーロ/日本円、ユーロ/米ドルという8つの通貨ペアの情報が並んでいるのですが、「最大レバレッジ」という欄を見ると全て「1:50」あるいは「1:100」になっています。これらの通貨ペアの中に500倍のレバレッジが掛けられる通貨ペアは存在しないようです。同様にこのメジャーのカテゴリーにリストされている残りの7つの通貨ペアについても最大レバレッジは50倍あるいは100倍です。さらにマイナーのカテゴリーには31個の通貨ペアがリストされていますが、最大レバレッジは10倍、20倍あるいは50倍のいずれかです。同様にエキゾチックのカテゴリーには22個の通貨ペアがありますが最大レバレッジは5倍、10倍、20倍のいずれかです。まとめるとアルタムブローカーズでは計68の通貨ペアを扱っているようですがそれらの最大レバレッジは5倍~100倍の範囲であり、500倍のレバレッジを掛けて取引出来る通貨ペアは1つとして見当たりません。

また仮想通貨のサブページに記されている取引条件の表を見るとレバレッジは全ての場合で5倍になっています。「FX&仮想通貨のレバレッジ 1:500」という記述とサブページに記されているそれぞれの通貨ペアや仮想通貨の取引条件は明らかに矛盾しているのです。どうしてこれほど基本的な部分で明らかな矛盾があるのか全く分かりません。またおそらく実際の最大レバレッジはサブページに記されている最大5倍~100倍が正しいのだと思われます。海外のFX業者にとにかく高いレバレッジを求める傾向の強い日本の投資家にとっては少なくとも要確認事項でしょう。

次に連絡先情報ですが、連絡先情報らしきものはサイトの脚注部分に記されている住所とメールアドレスだけのようです。以下に脚注部分のキャプを示します。

>お問い合わせ

>support@altumbrokers.com

>Amsa LLC, Euro House, Richmond Hill Road, Kingstown, St Vincent and the Grenadines VC0 100

まず電話番号がないのが非常に気になります。そして住所は租税回避地として有名なセントヴィンセント・グレナディーンになっています。そしてこの住所を検索してみるとセントヴィンセント・グレナディーンのFINANCIAL SERVICES AUTHORITY (FSA) のサイトで公開されているオフショア会社を意味すると思われるSERVICES PROVIDERSの登録リストにあるEURO-CARIBBEAN TRUSTEES LTD (https://www.ectl-svg.com/) の登録住所と似ていることが判明しました。右にそのオフショア会社の登録情報のキャプを示します。アルタムブローカーズのセントヴィンセント・グレナディーンの住所はこのオフショア会社を利用した架空住所の疑いがあります。

連絡先情報については例によってサイトのWho Is 情報も確認してみましたが登録者に関する情報は何も示されていません。Who Is 情報に記されているサイトの登録・開設日は20221125日になっています。

さらにアルタムブローカーズのサイトには以下のキャプに示したような部分があります。「今からスタート」と書かれた口座開設ページへのリンクがあってその下にFacebookとかTwitter、Youtube、Linked Inなどのアイコンが並んでいてSNSの公式アカウントへのリンクになっているように見えます。

SNSの公式アカウントがあるならそれらに連絡先情報などが示されているかもしれないと考えてそれぞれのアイコンをクリックしてみましたが、これらは単なる画像であってリンクになっていません。SNSのアカウントが存在するように見せかけているだけです。

次に金融ライセンスに関する記述を探しましたが、何の記述もないようです。住所とされているセントヴィンセント・グレナディーンのFSAは本サイトで何度も指摘しているようにFX業者やバイナリーオプション業者に金融ライセンスを発給しないという告知を出しているぐらいなのでアルタムブローカーズがセントヴィンセント・グレナディーンで金融ライセンスを取得しているとは思えません。比較サイトに本社がキプロスにあるという記述があったのでキプロスのCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) のサイト (https://www.cysec.gov.cy/home/) でもアルタムブローカーズの登録を探してみましたが該当すると思われる登録は見つかりません。アルタムブローカーズは日本の金融庁で登録を得ていない無登録業者であるというだけでなく、いずれの国でも全くライセンスを取得していない無登録の違法業者ということになると思われます。

そこで本項の最初で引用した比較サイトの記述にアルタムブローカーズは

>クリプトアルタムという仮想通貨取引所とAltumFX (アルタムFX) というFX業者から誕生した

とあったことからクリプトアルタムやアルタムFXについて調べてみました。

まずアルタムFXについて検索してみると確かにAltumFX (アルタムFX https://jp.altumfx.com/jp/home) というサイトが存在していてしかも日本語に対応していた形跡が見つかります。例えばWiki FX (https://www.wikifx.com/ja/) という口コミ情報サイトにはアルタムFXの情報が見つかります。但しこのアルタムFXのサイトは既に閉鎖されているようです。

一方のCryptoAltum (クリプトアルタム https://cryptoaltum.com/en/home) というサイトについては現在でもアクセス可能です。以下にサイト冒頭のキャプを示します。

このサイトは英語にしか対応しておらず、このサイト冒頭部を見ただけではアルタムブローカーズのサイトと似ているようには思われません。しかしよく見るとアルタムブローカーズのサイトと似ている部分も見つかります。例えばサイトのセキュリティの高さを説明する部分についてアルタムブローカーズ (日本語版) → アルタムブローカーズ (英語版) → クリプトアルタム の順でキャプを示します。

この資産の安全性について説明している部分をアルタムブローカーズ (英語版) とクリプトアルタムで比較すると盾を意味していると思われるイラスト部分も似ているように思われますし、文章はかなり一致しているようです。

例えばチェック印が付いている5項目が挙げられていますが、それぞれのサイトの文章を書き出してみます。

アルタムブローカーズ (英語版)

>Multi-signatories required for access to all company wallets

>Offline storage in four different locations

>Advanced antivirus, anti-malware and anti-keylogging software

>Private keys securely backed up

>Segregated bank accounts

▼クリプトアルタム

>Multi-signatories required for access to all company e-Wallets

>Offline Storage in four different locations

>Advanced antivirus, anti-malware and anti-keylogging software

>Private Keys securely backed up

>Daily back up of all company e-Wallets

それぞれ5項目が挙げられている内、最後の5項目目だけは2つのサイトで全く異なりますが、それ以外の4つの項目の文章は全く同じです。これだけ似ているとなれば2つのサイトは同じグループによるサイトの可能性も充分考えられます。

しかし気になるのはアルタムブローカーズがクリプトアルタムという仮想通貨取引所とAltumFX (アルタムFX) というFX業者から誕生したという記述は最初に引用したようなアフィリエイト報酬目的と思われる海外FX業者の比較サイトにしか見つからない情報であるということです。つまりアルタムブローカーズのサイトやクリプトアルタムのサイトには互いのサイトに関する記述が見つかりません。さらにクリプトアルタムにはTwitterの公式アカウント (https://twitter.com/cryptoaltum) が存在します。

このアカウントからは2166件もの投稿が出ているので全ての投稿を確認する気にはならないのですが、このクリプトアルタムのサイトを元に新たにアルタムブローカーズのサイトが立ち上げられているなら当然アルタムブローカーズのサイトを立ち上げた件について言及があるとか、アルタムブローカーズのサイトへのリンクが用意されていてしかるべきでしょう。しかしそんな情報とかリンクはこのクリプトアルタムのTwitterアカウントには見つかりません。本当にクリプトアルタムの後継的なサイトとしてアルタムブローカーズのサイトが立ち上げられている、同じグループによるサイトなのか判断が出来ません。


総合的に判断してアルタムブローカーズは信頼できる業者とは思われません。情報開示は明らかい不充分、不適切であり、サイトの記載内容には矛盾する点も見つかるなど信頼性に明らかに欠けています。所在地とされているセントヴィンセント・グレナディーンについてはオフショア会社を利用した架空住所と思われます。また金融ライセンスは一切確認出来ません。さらに

>クリプトアルタムという仮想通貨取引所とAltumFX (アルタムFX) というFX業者から誕生した

という情報も全く確認出来ません。さらに海外のFX業者が国内業者に対して有利と主張することの多いレバレッジは最大100倍と思われ、海外業者の中ではかなり低い部類です。英語と日本語にしか対応していないという点から考えて日本人を主な行的としている可能性が高いと思われますが、この業者を好き好んで取引先にする人はおそらく非常に少ないものと思われますし、勧誘など受けても応じるべきではないと考えます。


●M4Markets (M4マーケッツ https://www.m4markets.com/ja)

●M4Markets (M4マーケッツ https://www.m4markets.site/ja)

どういうことなのか全く分からないのですが、M4マーケッツという名称のURLアドレスが異なるだけで見かけも互いに非常によく似たサイトが2つ存在するのでまとめて検証することにします。1つ目のM4マーケッツはTwitterに投稿が出ていて知ったサイトです。まずそのTwitter投稿を引用します。

2023年1月31日投稿

この投稿には表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) へのリンクが付いており、しかもそれは以下に示したようなアフィリエイターのIDと思われる部分が付加されたアフィリエイトリンクになっています。

>https://www.m4markets.com/ja?lid=●●●●&pid=●●●●● (IDと思われる部分を伏字にしています。)

投稿内容自体はM4マーケッツを絶賛する内容となっていますが、アフィリエイト報酬の為の投稿となればその内容をそのまま信用するのは危険です。

とにかくこの投稿から見つかってきたM4マーケッツのサイト、検索して見つかってきた表題2番目のM4マーケッツのサイトのサイト冒頭部を以下に順に示します。

▼M4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja)

▼M4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja)

さらに調べてみるともう1つM4マーケッツというサイト (https://www.m4markets.eu/) が見つかりました。但しこの第3のM4マーケッツのサイトは日本語に対応していないこともあって本項では正式な検証対象とはせずに参考として取り上げるだけにします。この第3のM4マーケッツのサイトについてもサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

▼M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/)

これら3つのM4マーケッツのサイトは互いに非常によく似ています。特に本項の検証対象である2つの日本語表示に対応したM4マーケッツのサイトは互いに区別出来ないほど似ています

以下は左下がM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) の言語選択メニュー、右下がM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) の言語選択メニューですが、選択肢はいずれのサイトでも英語、中国語、香港語、インドネシア語、マレー語、ベトナム語、タイ語、メキシコ (スペイン) 語、ポルトガル語、ペルシャ語、日本語、アラビア語、韓国語の13言語で共通です。尚、第3のM4マーケッツのサイトは英語にしか対応していません。

さらにこれらのサイトの相互比較を続けます。まず以下ではスプレッドが狭いことを説明している部分についてM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) M4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) の順でキャプを示します。

この部分でも2つのM4マーケッツのサイトは互いに極めてよく似ています。尚、3つ目の日本語非対応のM4マーケッツのサイト (https://www.m4markets.eu/) にはこれに相当する部分は存在しません。

次は取引対象を説明している部分の比較です。この部分についてはM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) → M4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) → M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の順で3つのキャプを示します。

いずれのM4マーケッツのサイトでもFX、コモディティ、仮想通貨、株式指数、株式CFDの5項目が取引対象になっているようです。

同様にサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分についても3つのM4マーケッツのサイトを比較します。やはりM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) → M4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) → M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の順で3つのキャプを示します。

やはりこの部分でも3つのM4マーケッツのサイトは互いに非常によく似ています。

次に各サイトの連絡先情報をまとめます。まず最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) の場合ですが、問い合わせ」のサブページにメールアドレスとセーシェルの住所が記されています。

>メールでのお問い合わせ support@m4markets.com

>JUC Building, Office No.F4, Providence Zone 18, Mahé, Seychelles

示されているのはメールアドレスとセーシェルの住所だけで電話番号はありません。

次に表題2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) の場合です。やはり「お問い合わせ」のサブページに以下に示したメールアドレスとセーシェルの住所が記されています。

>メールでのお問い合わせ support@m4markets.com

>JUC Building, Office No.F4, Providence Zone 18, Mahé, Seychelles

記されているメールアドレスと住所は上に示したばかりの最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) のサイトに記されていたメールアドレスと住所と全く同じです。連絡先が同じサイトが2つ存在することの意味がますます分かりません。

次に参考として取り上げている第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の「Contact Us」のサブページに記されている連絡先情報を以下に示します。

>Email us at support@m4markets.eu

>CYPRUS Magnum Business Center, 78 Spyrou Kyprianou Avenue, 3076 Limassol Cyprus

メールアドレスは本項の検証対象の2つのM4マーケッツのサイトのメールアドレスとは異なります。住所もセーシェルではなく、キプロスになっています。電話番号はやはりありません。

次に各サイトの脚注部分に記されている金融ライセンス情報を示します。まず表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) → 2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) の順でキャプを示します。

記されている文章は2つのサイトで全く同じです。以下に書き出します。

>M4Markets.com は、セイシェル金融サービス機構により証券ディーラーとして規制されている会社、Trinota Markets (Global) Limited(ライセンス番号SD035)により運営されています。カード取引は、Oryx Groupの会社であるVHTM Services Limited(住所はArchiepiskopou Makariou III, 160, 1st Floor, 3026 Limassol Cyprusで、登録番号はHE 323720)によって処理されています。

いずれのサイトでも主語が「M4Markets.com」となっています。2つ目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) の場合は主語が「M4Markets.site」になっていなければおかしいでしょう。

そしてこれら2つのサイトでは住所となっていたセーシェルの金融ライセンスを運営会社であるTrinota Markets (Global) Limited の名義で取得しているとなっています。そこでセーシェルの金融ライセンスを管理しているFinancial Services Authority Seychelles (FSA) のサイトで公開されている登録業者のリストを確認したところ、「Capital Markets」のページにある「Securities Dealer」のカテゴリーの中に確かにに示した運営会社のTrinota Markets (Global) Limited の登録情報を確認しました。

しかしこの登録情報を見るとURLアドレスも登録情報に含まれており、登録されているURLアドレスは1つのみ、表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) のURLアドレスのみです。逆に言えば2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) についてはライセンス対象になっていないということになります。

またこのライセンスに示されているセーシェルの住所ですが、電話番号がなく、租税回避地として有名なセーシェルの住所ではオフショア会社などを利用した架空住所の可能性は充分に考えられます。実は「検証4」で検証したブラックブルマーケッツ (https://blackbullmarkets.com/ja/) というFX業者の運営業者であるBBG Limited という会社のセーシェルの金融ライセンスの登録情報を右に示しましたが、住所が以下のようになっています。

>JUC Building, Office No. F7B, Providence Zone 18, Mahe, Seychelles

これは2つのM4マーケッツのセーシェルの住所

>JUC Building, Office No.F4, Providence Zone 18, Mahé, Seychelles

と比べるとオフィスの部屋番号が異なるだけでかなり似ています。

次に参考として取り上げている第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) のサイトの脚注部分に書いてあるライセンス情報を以下に示します。英語原文とGoogle翻訳による日本語訳を順に示します。

最初の文章の英文原文と日本語訳を以下に書き出します。

>M4Markets.eu is operated by Harindale Ltd (Formerly named ICC Intercertus Capital Ltd and trading as Axiance), authorised and regulated by the Cyprus Securities and Exchange Commission (CySEC), with license number 301/16.

>M4Markets.eu は Harindale Ltd (旧名 ICC Intercertus Capital Ltd、Axiance として取引) によって運営されており、キプロス証券取引委員会 (CySEC) によって認可および規制されており、ライセンス番号は 301/16です。

第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の運営会社である Harindale Ltd (旧名 ICC Intercertus Capital Ltd) はキプロスの金融ライセンスを監理しているCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC、キプロス証券取引委員会 https://www.cysec.gov.cy/en-GB/home/) から金融ライセンスをライセンス番号:SD035取得していると記されています。

さらに上のキャプの一番下の部分の文章も英文原文と日本語訳を以下に書き出します。

>Other Group companies:

>M4Markets.com is operated by Trinota Markets (Global) Limited, a company regulated as a Securities Dealer by the Financial Services Authority of Seychelles with license number SD035. The card transactions are processed by VHTM Services Limited, an entity of the Oryx Group, with registration no. HE 323720, which is located at Archiepiskopou Makariou III, 160, 1st Floor, 3026 Limassol Cyprus.

>その他のグループ会社:

>M4Markets.com は 、ライセンス番号 SD035 でセイシェル金融サービス局によって証券ディーラーとして規制されている会社、Trinota Markets (Global) Limited によって運営されています。カード取引は、オリックス グループの事業体である VHTM Services Limited によって処理されます。HE 323720。住所は Archiepiskopou Makariou III, 160, 1st Floor, 3026 Limassol Cyprus です。

Other Group companies (その他のグループ会社)」に関する情報として表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) がセーシェルで金融ライセンスを取得していることを説明しています。この文章によって表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) とキプロスでライセンスを得ていて日本語には非対応の第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) が同じグループのサイトであることが確認されたことになります。しかし表題2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) については言及がありません。表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) と表題2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) はURLアドレスが異なること以外には全く同じにしか見えないのですが、同じグループによるサイトかどうか確認出来ません。

とにかく、まずは参考として取り上げている第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の登録情報について確認を試みました。キプロスのキプロス証券取引委員会 (CySEC) のサイト (https://www.cysec.gov.cy/en-GB/home/) を探すと確かに以下に示したM4マーケッツの登録情報が見つかりました。

登録内容を整理して以下に書き出します。

登録社名: Harindale Ltd (旧社名:ICC Intercertus Capital Ltd)

登録住所: Spyrou Kyprianou78, MAGNUM BUSINESS CENTER, 3076, Limassol, Cyprus

ライセンス番号: 301/16

登録年月日: 2016年4月27日

法人番号: 346662

電話番号: +357 25 885 000

FAX番号: +357 25 885 001

国名: キプロス

メールアドレス: support@m4markets.eu

登録ドメイン: www.m4markets.eu/

登録商号: M4Markets

旧社名: ICC INTERCERTUS CAPITAL LTD

キプロスの金融ライセンスは確かに確認出来ましたが、やはりApproved domain (登録ドメイン) という項目に記されているのは第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) のURLアドレスに一致する「www.m4markets.eu」というドメインのです。別の言い方をすれば日本語に対応していて本項で検証対象としている2つのM4マーケッツのサイトはいずれもキプロス金融ライセンスの登録対象ではないということになります。

こうした状況を整理するとおそらくキプロスに本拠があり、キプロスの金融ライセンスを得ている第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) がいわば本家であり、キプロスのライセンスでは顧客を受け入れられない日本などの国からも顧客を受け入れる為にセーシェルペーパーカンパニーを作って立ち上げたのが表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) ではないかと思われます。しかしやはり表題2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) については誰が何の目的で立ち上げているサイトなのかはっきりしません。同じグループによるサイトの可能性も勿論ありますが、全く無関係のグループが表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) をコピーして作っただけの偽サイトという可能性も捨てきれません。いずれにしろ本項の検証対象である2つのM4マーケッツのサイトはキプロスの金融ライセンスの対象外です。

そしてこれらのM4マーケッツというサイトについて調べてみるとネット上の評価はあまり芳しくないようです。例えばForex Peace Army (https://www.forexpeacearmy.com/) というFX業者の口コミ情報サイトにはM4マーケッツのレビューが25件投稿されています。このレビューでは現時点では満点が5つ星のところ、2.77星という高評価とは言い難い平均点になっています。

ちなみにこのレビューまとめでは複数のM4マーケッツのサイトが区別されずに評価されているようで、上のキャプをよく見ると表題最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) の運営会社名である「Trinota Markets (Global) Limited 」、第3の M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/) の運営会社名である「Harindale Ltd」、さらに「Also M4Markets.eu」といったキーワードが示されています。

そしてレビューの内容ですが、例えば最初に出てくる以下の投稿は大問題と感じます。

このレビューの「Tods_1980」という投稿者はタイ在住と自称しており、出金は容易で素早く、スプレッドは狭いしスリッページもないと絶賛して満点の5つ星評価をしていたようですが、Forex Peace Armyの運営がこの投稿はタイではなく、キプロスのM4マーケッツの代表者が使っているのと同じIPアドレスから投稿されていることを指摘し、Forex Peace Armyの規定に基づいて5つ星評価を取り消して無星の評価としています。つまりこれは自作自演の投稿と判断されているということです。上で検証しているFXトレーディングドットコム (https://fxtrading.com/jp/) でもForex Peace Armyから自作自演と判断された5つ星評価の投稿の5つ星評価が取り消されて無星扱いとなっていたのと同じ構図です。また同じIPアドレスから別のアカウントを使いForex Peace Armyのフォーラムに勧誘目的と思われるスパム投稿が行われていることも指摘されています。M4マーケッツ運営のモラルを疑わざるを得ません。

さらに25個のレビュー投稿の内、18個は5つ星の満点評価なのに一方で以下に示したような出金できないし、連絡しても何の返信もないとか最初は問題なかったがスリッページがある時から非常に大きくなったといった状況を説明して最低の1つ星評価を付けている投稿も出ています。

うした高評価、低評価の平均が2.77という評価になっています。最高点と最低点の評価のレビューに偏っていて、2~4つ星の評価が殆どないという状況は極めて怪しいとしか思えません。つまり低評価を打ち消す為に自作自演的な最高点評価のレビュー投稿が繰り返されているのではないかと疑いたくなります。少なくとも5つ星評価のレビューをそのまま信じる気になりません。

さらにこちらも時々引用しているWikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) という口コミ情報サイトにもM4マーケッツに関する記事があります。こちらは3つのM4マーケッツのサイトがそれぞれ別個に評価ページが設けられています。

▼M4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) → 評価記事 (スコア:3.51点/10点満点)

M4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) → 評価記事 (スコア:0.20点/10点満点)

M4マーケッツ (https://www.m4markets.eu/)  → 評価記事 (スコア:4.77点/10点満点)

信頼性を示す「スコア」という数字を見ると2番目のM4マーケッツ (https://www.m4markets.site/ja) が有効な金融ライセンスが全く確認出来ないということで0.20点という最低レベルになっています。

一方で最初のM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) については

1. 金融ライセンスが信頼性の低いオフショアのセーシェルのライセンスである。

2. WikiFXが受け取ったクレーム数が過去3か月間で7件に達しています。

という2つの理由により、低評価となっており、

>WikiFXでの評価が低すぎます、利用しないでください

という注意書きが添えられています。そしてM4マーケッツ (https://www.m4markets.com/ja) について寄せられたクレームのページを見るとクレームはさらに増えて8件になっており、出金出来ない、ログインできなくなった、利益を正当な理由なく没収されたといった事実ならば論外のクレームが並んでいます。尚、クレームの投稿は6件が香港、残りの2件は南アフリカとパキスタンからの投稿になっています。

総合的に判断して本項で検証対象とした2つのM4マーケッツのサイトは信頼できる投資先とは思えません。これらのサイトでの投資は推奨しません。