検証77
本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。そして実際に日本人に対して勧誘が行われているサイトが確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証13」、「検証14」、「検証15」、「検証16」、「検証17」、「検証18」、「検証19」、「検証20」、「検証21」、「検証22」、「検証23」、「検証24」、「検証25」、「検証26」、「検証27」、「検証28」、「検証29」、「検証30」、「検証31」、「検証32」、「検証33」、「検証34」、「検証35」、「検証36」、「検証37」、「検証38」、「検証39」、「検証40」、「検証41」、「検証42」、「検証43」、「検証44」、「検証45」、「検証46」、「検証47」、「検証48」、「検証49」、「検証50」、「検証51」、「検証52」、「検証53」、「検証54」、「検証55」、「検証56」、「検証57」、「検証58」、「検証59」、「検証60」、「検証61」、「検証62」、「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」に続いて中国系と思われる詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証65ページ目です。「検証78」、「検証79」、「検証80」、「検証81」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭、さらにLINEのグループを利用する勧誘については「雑記2」を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証対象は順次追加の予定です。
●Forward Land Global Ltd. (フォワード ランド グローバル リミテッド https://forwardlandglobal.com/)
●Star Banner Global Ltd. (スター バナー グローバル リミテッド https://starbannerglobal.com/jp)
●DK Global Forex Limited (DKグローバル フォレックス リミテッド https://dkglobalfx.com/jp)
●Capital IM Limited (キャピタル IM リミテッド https://capitalimlimited.com/jp)
●RTGC Global Ltd (RTGC グローバル リミテッド https://index.rtgc.xyz/jp/)
●USDC Investment Limited (USDCインベストメントリミテッド https://www.usdc-vip.com/jp)
最初のフォーワード ランド グローバル リミテッドはYahoo知恵袋に複数の質問が出てきたサイトで「雑記2」で説明しているLINEグループ (オープンチャット) を勧誘の場として利用する手口で勧誘が行われているようです。2番目のスター バナー グローバル リミテッドはIPアドレスの解析から見つかってきたつまりこれまで検証してきたサイトと同じIPアドレス上にあることで見つかってきたサイトです。表題3~5番目の3つのサイトは最初のフォーワード ランド グローバル リミテッドのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトです。最後のUSDCインベストメントリミテッドというサイトはYahoo知恵袋に出てきた質問から見つかってきたサイトですが、既に閉鎖されているので参考程度に取り上げることにします。
そしてこれらのサイトは明らかに互いに似ており、同じグループによって同じテンプレートからコピペで量産されたサイトと考えられるのでまとめて検証します。
まず最初のフォーワード ランド グローバル リミテッドについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
おそらくWeb広告をクリックしてしまったことから横田昇と名乗る人物が先生役を務めるLINEのオープンチャットに加入することになり、フォーワード ランド グローバル リミテッドでの投資を勧められたようです。オープンチャットには他に佐藤雅子と名乗るアシスタント役、フォーワード ランド グローバル リミテッド所属の中村拓也と名乗る人物が運営側として登場しているようです。しかし検索してもフォーワード ランド グローバル リミテッドに関する情報が見つからなかったことから信頼できる投資先かどうか心配になり、この質問を投稿しているようです。こうした経緯はまさに「雑記2」で説明している中国系と思われる詐欺グループによる詐欺勧誘の手口に合致するように思われます。
きっかけは不明ですがLINEのグループに加入したところ、「Forward Land」での投資を勧められて入金してしまったようです。入金は個人名義の銀行口座を指定されての入金だったようです。さらにこの質問に対して寄せられた回答の中に以下のような投稿があり、質問の投稿者が返信しています。
先生役の横田昇、アシスタント役の佐藤雅子という名前は上で引用した2024年3月4日付の質問投稿に出てきた名前と一致しています。それ以外に「大先生」と称して上田幸成と名乗る人物もLINEグループに登場していたようです。これら2件の質問投稿に出てきた勧誘の経緯などはまさに「雑記2」で説明しているLINEグループ (オープンチャット) を勧誘の場として利用する手口に合致するように思われます。
次に表題2番目のスター バナー グローバル リミテッドの存在に気が付いた経緯ですが、これまで検証してきた多くの中国系と思われる詐欺サイトで共通のIPアドレス上に存在しているサイトがしばしば確認されていました。特に「ip: 34.233.14.55」というIPアドレスにはこれまで検証してきたサイトが集中していることが分かっていました。具体的には以下のようなサイトが同じIPアドレスを共有していることが確認されていて全てがFXなどを扱う取引所のサイトです。
WMグローバルフォレックスリミテッド (https://www.tradingpointuk.com/jp) [閉鎖済み]
Foyaリミテッド (https://foyavip.com/jp) [閉鎖済み]
Shunxinフォーチュンリミテッド (https://fxshunxin.com/en) [閉鎖済み]
パンドラファイナンスカンパニーリミテッド (https://fxpandorafx.com/) [閉鎖済み]
カウトレーディングウエルスリミテッド (https://www.cowtradingvip.com/jp) [閉鎖済み]
Xinkeリミテッド (https://xinkelimited.com/jp) [閉鎖済み]
Huixinリミテッド (https://www.huixinlimited.com/jp) [閉鎖済み]
XMグローバルリミテッド (https://www.xmusa.net/jp) [閉鎖済み]
XMグローバルリミテッド (https://www.xmusafx.com/jp) [閉鎖済み]
XMグローバルリミテッド (https://xmjp.cc/jp) [閉鎖済み]
XMグローバルリミテッド (https://www.fxglobalxm.com/en) [閉鎖済み]
XMグローバルリミテッド (https://www.xm-81jp.com/jp)
Arakaフィンテックリミテッド (https://arakaltd.com/jp) [閉鎖済み]
リライアンスキャピタルマーケッツリミテッド (https://reliancecapitalltd.com/jp) [閉鎖済み]
Ludaマーケッツリミテッド (https://www.ludamarkets.com/jp、https://www.ludamarkets.com/cjrl_jp) [閉鎖済み]
ライオンブローカーズ (https://libkrsgrr.com/jp、https://libkrsgrr.com/cjrl_jp) [閉鎖済み]
BUXファイナンシャルサービシーズ (https://bux-asia.com/jp) [閉鎖済み]
BUXファイナンシャルサービシーズ (https://buxasia.co/jp) [閉鎖済み]
FXコープリミテッド (https://www.fxcorpltd.com/jp) [閉鎖済み]
FTIコーポレーションズ グローバル (https://www.fticorporationsglobal.com/jp) [閉鎖済み]
ARLTインベストメン トリミテッド (https://www.arltinvestmentltd.com/) [閉鎖済み]
HYCM キャピタル マーケッツ (https://fxhycm.com/en)
ファーマックス プライム リミテッド (http://farmaxprime.com/)
BACERA カンパニー プロプライエタリ リミテッド (https://cfds1.chnthebcr.shop/en)
CKCF (https://www.ckcfnk.com/en)
CHANGYUANセキュリティーズリミテッド (https://hkchangyuan.com/en)
グレースケールフォレックス (https://grayfxcenter.com/)
同じIPアドレス上に偶然FX業者のサイトばかり集中するとは思えないこと、これらのサイトの多くが短期間で何の告知もなく閉鎖されていること、さらに「検証61」で検証したXMグローバルリミテッド (https://xmjp.cc/jp) など複数のサイトについては入金したら出金出来なくなったという被害が確認されていることなどを考えるとこれらは全て同一の詐欺グループによる詐欺サイトである疑いが極めて濃いです。
そしてこのIPアドレス上に新たに出現したサイトが表題2番目のスター バナー グローバル リミテッドのサイト (https://starbannerglobal.com/jp) です。以下はスター バナー グローバル リミテッドのサイトを基準にして同一IPアドレス上のサイトを検索した結果です。
「検証60」で検証したFoyaリミテッド (https://foyavip.com/jp) などのサイトと同じIPアドレス上にあることが示されています。当然同じグループによる危険なサイトである可能性が疑われました。さらにこのサイトについては表題最初のフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトからの画像検索でも引っかかってきて同じく画像検索で見つかってきた表題3番目以降の3つのサイトと共にフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトと非常によく似た、同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトである可能性が強く示唆されました。
次に既に閉鎖されている表題6番目のUSDCインベストメントリミテッドというサイトが見つかってきた経緯を説明します。このサイトは以下のYahoo知恵袋に出てきた質問から存在に気が付くことになりました。質問が出たのは2023年の8月でかなり前のことになります。
Facebookで知り合った女性 (外国人かどうかは不明) にUSDCというサイトでのFX投資を勧められて詐欺を疑っているという状況でサイトの信頼性を質問しています。勧誘してきた人物が外国人だったかどうかなど不明な点が多いのですが、「検証13」で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺勧誘の経過に似ているように思われます。しかしこの質問の投稿者はアプリをダウンロードしてアプリ経由でUSDCというサイトにアクセスするように指示されているということでUSDCというサイトのURLアドレスが分かりません。検索して出てきたサイトが表題6番目のUSDCインベストメントリミテッド (https://www.usdc-vip.com/jp) ということになります。
とにかく本項で検証対象とする6つのサイトについて互いに非常によく似ていることを示す為、まずは冒頭部の画像を以下に順に示していきます。
▼フォワード ランド グローバル リミテッド (https://forwardlandglobal.com/) [表示言語:英語、香港語、日本語、韓国語]
▼スター バナー グローバル リミテッド (https://starbannerglobal.com/jp) [表示言語:英語、日本語、香港語、韓国語]
▼DKグローバル フォレックス リミテッド (https://dkglobalfx.com/jp) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、ロシア語、スペイン語、アラビア語、ドイツ語、ポルトガル語、日本語、韓国語]
▼キャピタル IM リミテッド (https://capitalimlimited.com/jp) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、香港語、韓国語、タイ語]
▼RTGC グローバル リミテッド (https://index.rtgc.xyz/jp/) [表示言語:英語、日本語、香港語、韓国語]
▼USDCインベストメントリミテッド (https://www.usdc-vip.com/jp) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、香港語、韓国語、タイ語]
説明するまでもなくこれら6つのサイトは互いに非常によく似ています。さらに以下は冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を説明している部分の比較です。表題と同じ順、フォワード ランド グローバル リミテッド → スター バナー グローバル リミテッド → DKグローバル フォレックス リミテッド → キャピタル IM リミテッド → RTGC グローバル リミテッド → USDCインベストメントリミテッドという順で6枚の画像を示します。
この部分でも表題の6つのサイトが互いに非常によく似ています。表題が最初のフォワード ランド グローバル リミテッドの場合のみ「10年間の信頼できる取引」、それ以外の5つのサイトでは「だ」の1文字が付け加えられた「10年間の信頼できる取引だ」となっていることが目につく唯一の違いです。「だ」の1文字が付け加えられた「10年間の信頼できる取引だ」というタイトルは日本語として違和感があり、意味がよく分かりませんが、おそらくこれらのサイトが10年以上、サービスを提供してきた実績があるという主張だと思われます。しかしこれが事実かどうかは極めて疑わしいです。この点についてはまた後述します。
さらに以下は表題最初のフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトでやはりサイトの特長などを説明している部分の画像です。
他の5つのサイトにもサイト名の部分が入れ替わっているだけでほぼ同じ部分が存在しますが、以下には特に重要と思われる最初の2つの項目の部分だけを6つのサイトから抜き出して以下に示します。やはり表題と同じ順、フォワード ランド グローバル リミテッド → スター バナー グローバル リミテッド → DKグローバル フォレックス リミテッド → キャピタル IM リミテッド → RTGC グローバル リミテッド → USDCインベストメントリミテッドという順で6枚の画像を示します。
いずれのサイトでも左側の項目では米国に本社があって金融機関MSBによって金融サービスの資格と規制を受けているということが書いてあり、右側の項目では南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアにオフィスのネットワークを持っているといったことが書いてあります。しかし米国本社を始めとする世界のオフィスの具体的な住所とか電話番号といった連絡先情報はいずれのサイトでも見当たりませんし、米国の金融機関MSBから受けているという金融サービスの資格についても登録番号などの情報はありません。
但し最初のフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトの場合のみ、脚注部分に住所とメールアドレス、さらにライセンスに関する記述があります。その部分について日本語版と英語版の画像を以下に示します。
記述を以下に書き出します。
▼日本語版
>マーティン巷英国ロンドンWC 2 N 4 J
>メールアドレス:: support@forwardlandglobal.com
>Forward Landは米国NFAライセンスを保有しており、ライセンス番号は0562016
▼英語版
>Copyright © 2016-2024 Forward Land Global Ltd. All Rights Reserved.
>Company address:59 ST. MARTIN'S LANE LONDON UNITED KINGDOM WC2N 4J
>Email:support@forwardlandglobal.com
>Forward Land holds a US NFA license, license number 0562016
日本語版と英語版を比べると英語版にのみ
>Copyright © 2016-2024 Forward Land Global Ltd. All Rights Reserved.
と書いてあり、これはフォワード ランド グローバル リミテッドが2016年から事業を行っているという意味と思われますが、これが事実かどうかについては後述します。
そして上で示したようにフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトを含む、本項の検証対象となっている5つのサイトには
>米国に本社を置く
と書いてあるのにここに記されているのはイギリス・ロンドンの住所です。
さらに住所がロンドンなのに米国NFAのライセンスを保有しているとも書いてあります。記述が矛盾しているとしか思えませんが、イギリスの住所が書いてあるのでとりあえずイギリスの法人登録を探してみると以下に示したFORWARD LAND GLOBAL LTD (会社番号:15503163) の法人登録が見つかってきました。
この法人登録上の住所
>59 St. Martin's Lane, London, United Kingdom, WC2N 4JS
はサイトの脚注に記されていた住所 (英語版)
>59 ST. MARTIN'S LANE LONDON UNITED KINGDOM WC2N 4J
に一致しますし、法人登録に記されている業種も金融関係になっていて矛盾がありません。これが本項で検証しているフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトに対応する法人登録であると考えてまず間違いないでしょう。
但しこの法人登録には疑問点もあります。まず法人登録の日付が2024年2月19日となっていてこの検証を書いている2024年3月中旬時点でちょうど法人登録から1ヶ月という非常に新しい法人であるという点が気になります。サイトの英語版の脚注に記されていた
>Copyright © 2016-2024 Forward Land Global Ltd. All Rights Reserved.
という記述は2016年に創設された会社という意味としか思われないのですが、本社は例えばアメリカなどにあり、イギリスに進出したのがつい最近ということなのでしょうか?
またこの法人登録で経営者情報のページを見ると以下に示したDANG, Van Tieuというベトナム国籍、マレーシア在住の人物が唯一の経営者として登録されています。
唯一の経営者がマレーシア在住ということからすれば、イギリスの法人は登録だけの存在ではないかという疑いも生じます。その可能性をさらに指し示しているように思われるのが法人登録上のイギリスの住所です。
>59 St. Martin's Lane, London, United Kingdom, WC2N 4JS
という住所を検索してみるとかなり多くの法人がこの住所に存在することになっているようです。またDANG, Van Tieuというベトナム人経営者の情報を見るとフォワード ランド グローバル リミテッド以外に3つの法人の経営者を兼務していることになっています。兼務している3つの法人は以下のようになっています。
▼FUTURE FORTUNE GLOBAL LTD (会社番号: 15383727)
法人登録住所: 59 St. Martin's Lane, London, United Kingdom, WC2N 4JS
法人登録日付: 2024年1月3日
▼TRADITION SERVICES LIMITED (会社番号: 15362403)
法人登録住所: 59 St. Martin's Lane, London, United Kingdom, WC2N 4JS
法人登録日付: 2023年12月19日
▼STV GLOBAL LIMITED (会社番号: 14863185)
法人登録住所: 59 St. Martin's Lane, London, United Kingdom, WC2N 4JS
法人登録日付: 2023年5月11日
DANG, Van Tieuというベトナム人経営者はこれら3つの法人でも唯一の経営者として登録されています。そしてこの人物が経営者となっている4つの法人は全て同じ住所で法人登録されています。このフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトの脚注に記されていたイギリスの住所は架空住所の疑いが濃厚と考えざるを得ません。
次にフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトの脚注に記されていた米国NFAのライセンスを取得しているという記述についてです。
>Forward Landは米国NFAライセンスを保有しており、ライセンス番号は0562016
またメニューバーから選択できる「当社について」というサブページには以下のようなNFAの登録を証明するような証明書の画像が掲載されています。
NFAでライセンスを取得しているという主張は本サイトで検証してきたサイトでしばしば出てくる主張なので例によってNFAのサイト (https://www.nfa.futures.org/index.html) にある検索窓から登録番号「0562016」の登録確認を試みたところ、この登録番号で以下に示した「FORWARD LAND」の情報が出てきます。
しかしこの情報を見ると
>Not an NFA Member (NFAの会員ではない)
>Non-Member not subject to NFA oversight. (非会員は NFA の監督を受けません。)
と書かれています。これでNFAの監視下、規制下にあって信頼出来るとは言えないでしょう。また本サイトでは同じことを何度も書いていますが全米先物協会 (NFA)は金融ライセンスを管理する役目を負った公的組織ではなく、業界の自主規制団体のようです。NFAのサイトに何らかの情報登録があるとしても金融ライセンスを得ているとは言えません。
米国NFAで登録を得ているという主張は表題4番目のキャピタル IM リミテッドのサイトにもあります。以下はキャピタル IM リミテッドのサイトのメニューバーにある「わたしたちについてです」という項目からリンクされている会社紹介のサブページにある記述の画像です。
「私たちの目標です」というタイトルで3つの項目が挙げられていますが、右端の項目の文章がおかしいです。
>組織的売春と小売取引の違いに立ち会って経験した後、私たちの目標はこのギャップを埋め、公正な取引の場を提供することです。
「組織的売春」は何かの誤訳かと思って英語版を確認したのですが、英語版ではこの部分に資産保護に関する記述があって内容が全く異なります。何かの間違いではないかと思われるのですが、非常に違和感があります。
ともかく上の画像で「私たちの目標です」というタイトルに続いて以下のような記述があります。
>Capital IM Limited登録英国にあるCapital IM Limitedは米国先物協会(NFA)によって規制され、規制ID:0555620
フォワード ランド グローバル リミテッドの場合と同じでキャピタル IM リミテッドもイギリスに登録があってアメリカのNFAに登録があるという主張になっています。そこで同様にまずはイギリスの法人登録から確認を試みると確かに以下に示したキャピタルIMリミテッドの法人登録が見つかってきました。
この法人登録情報を法人登録の日付は2023年12月9日となっていてやはりかなり新しい法人です。そして住所は以下のようになっています。
>275 New North Road, London, United Kingdom, N1 7AA
この住所は「検証13」以降の一連の検証で何度も登場している住所です。具体的には以下のサイトのイギリスの法人登録上の住所が全く同じ住所になっています。
「検証15」:ETHBTC インベストメントリミテッド → 法人登録
「検証16」:Hui Deli グローバルリミテッド → 法人登録
「検証18」:ETHBTC インベストメントリミテッド → 法人登録
さらにこの住所はこれらのサイトの検証でも指摘しましたがN1 Mailboxというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致します。架空住所の疑いが濃厚です。
またこのキャピタル IM リミテッドの法人登録の経営者情報のページを見るとDANG, Van Tieuというベトナム国籍、アメリカ在住の人物が唯一の経営者として登録されています。
このDANG, Van Tieuという名前は上に示したフォワード ランド グローバル リミテッドの法人登録の経営者情報のページに記されていた名前と一致します。同姓同名であるというだけでなく、ベトナム国籍であること、1992年3月生まれであることも一致しています。居住地はマレーシアとアメリカで異なりますが同一人物である可能性が濃厚でしょう。
さらにキャピタル IM リミテッドについてもNFAでライセンス (登録番号:0555620) を取得しているという主張についても確認を試みました。NFAのサイト (https://www.nfa.futures.org/index.html) にある検索窓から登録番号「0555620」の登録を探してみると以下に示した情報が出てきました。
登録番号「0555620」で出てくるのはキャピタル IM リミテッドの情報ではなく、USDC INVESTMENT LIMITED (USDC インベストメントリミテッド) の情報です。つまり表題6番目のサイトの名称と一致します。またこの情報でも
>Not an NFA Member (NFAの会員ではない)
>Non-Member not subject to NFA oversight. (非会員は NFA の監督を受けません。)
となっていてNFAの監視下にあるという状況ではありません。登録番号が間違っている可能性も考えてCapital IM Limited (キャピタル IM リミテッド) という法人名でもNFAのライセンスを検索してみましたが該当がありません。
次に表題最初のフォワード ランド グローバル リミテッドと表題4番目のキャピタル IM リミテッドについてイギリスの法人登録があったということで他の3つのサイトについてはサイトにイギリスの住所が記されていたわけではなかったのですが、イギリスの法人登録を探してみました。すると表題3番目のDKグローバル フォレックス リミテッドと表題5番目のRTGC グローバル リミテッドについては相当すると思われる登録は見つかってきませんでしたが表題2番目のスター バナー グローバル リミテッドと表題6番目のUSDCインベストメントリミテッドについてはそれらしきイギリスの法人登録が見つかってきました。まず表題2番目のスター バナー グローバル リミテッドに対応すると思われるイギリスの法人登録の画像を以下に示します。
法人登録の登録日は2023年6月13日、業種は金融関係で矛盾はありません。そして住所が以下のようになっていますが
>PO Box 4385, 14931936 - COMPANIES HOUSE DEFAULT ADDRESS, Cardiff, CF14 8LH
この住所は当該法人の住所の情報を何らかの理由で表示できない場合に代わりに表示される、この法人登録情報を提供するサイトの運営者である「Company House」の住所 (Company House Default Address) のようです。
そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下に示すYAMASHITA, Akinaga という日本国籍、インドネシア在住の人物が唯一の経営者として登録されています。
そしてこの日本人の連絡先住所として以下の住所が記されています。
>48 Warwick Street, London, United Kingdom, W1B 5AW
この住所を検索すると右に示したRegusというシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点の住所と一致します。これはバーチャルオフィス業者を利用した架空住所でしょう。
経営者となっている日本人が実際にグループに加わっているのか、それとも詐欺に遭った人が送ってしまった身分証明書などが悪用された結果なのかは不明です。
次に表題6番目のUSDCインベストメントリミテッドのサイトに対応すると思われる法人登録情報を以下に示します。
法人登録の登録日は2023年3月16日、業種は金融関係で矛盾はありません。そして住所が以下のようになっています。
>Floor 1 Office 25 22 Market Square, London, England, E14 6BU
この住所も「検証13」以降の一連の検証で何度も登場している住所です。具体的には以下のサイトのイギリスの法人登録上の住所が全く同じ住所になっています。
この住所に実際に何があるのか分かりませんが、この住所も架空住所の疑いがあるものと考えざるを得ません。
そしてこのUSDCインベストメントリミテッドの法人登録の経営者情報のページを見ると以下に示すSUZUKI, Katsunobu という日本国籍、シンガポール在住の人物が唯一の経営者として登録されています。
さらに6つのサイトのいずれにも
>米国の金融機関MSBによって金融サービスの資格と規制を受けています。
という記述があったので確認を試みました。これまでに検証してきたサイトで同様の主張がしばしば出ていますが、これはアメリカのFinancial Crimes Enforcement Network (FinCEN https://www.fincen.gov/) という組織でMoney Services Businesses (MSBs) の登録を得ているという主張だと思われるのでFinCENのサイトに用意されているMSB Registrant Searchのページで各サイトの名称を検索してみましたが6つのサイトのいずれについても登録は見つかりません。例えば以下は表題最初のForward Land Global Ltd. (フォワード ランド グローバル リミテッド) を検索した結果です。
上の画像の左上に赤い文字で
>System could not find matching data. (該当するデーターが見つかりませんでした。)
という結果が出ています。
ここまでまとめると6つのサイトには本社がアメリカにあるという記述があるのにいずれのサイトでもアメリカ本社の住所は示されておらず、最初のフォワード ランド グローバル リミテッドのサイトにイギリスの住所が示されていたのみ。フォワード ランド グローバル リミテッド、スター バナー グローバル リミテッド、キャピタル IM リミテッド、USDCインベストメントリミテッドの4つについては対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかるが、いずれも住所は架空の可能性が高い。金融ライセンスについてはMSBの登録は確認出来ず、NFA (全米先物協会) の登録についてもフォワード ランド グローバル リミテッドとキャピタル IM リミテッドの2つについて情報は出てくるが、いずれもメンバーではない、監視下にはないという結果になります。連絡先情報についても金融ライセンスについても情報開示は明らかに不充分、示されている情報についても全く信用出来ません。
それ以外には各サイトにメールアドレスが記されています。一応以下にまとめておきます。
サイト名 メールアドレス
フォワード ランド グローバル リミテッド support@forwardlandglobal.com
スター バナー グローバル リミテッド support@starbannerglobal.com
DKグローバル フォレックス リミテッド service@dkglobalfx.com
キャピタル IM リミテッド support@capitalimlimited.com
RTGC グローバル リミテッド customer@rtgc.xyz
USDCインベストメントリミテッド support@usdcvip.com
さらに例によって各サイトのWho Is 情報も確認しました。サイトの登録・開設日と登録者の所在地を示します。また対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかったサイトについては比較の為に法人登録の日付もまとめて示します。
サイト名 登録・開設日 英・法人登録日付 登録者所在地
フォワード ランド グローバル リミテッド 2024年2月14日 2024年2月19日 オーストラリア
スター バナー グローバル リミテッド 2023年6月13日 2023年6月13日 アメリカ・イリノイ州
DKグローバル フォレックス リミテッド 2023年12月20日 --- 記載なし
キャピタル IM リミテッド 2023年12月8日 2023年12月9日 アメリカ・アリゾナ州
RTGC グローバル リミテッド 2023年12月18日 --- イギリス
USDCインベストメントリミテッド 2023年5月19日 2023年3月16日 記載なし
対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかった4つのサイトについてはサイトの登録・開設日とイギリスの法人登録の日付が近接しているようです。例えば2番目のスター バナー グローバル リミテッドはサイトの登録・開設日とイギリスの法人登録の日付が全く同じです。最初のフォワード ランド グローバル リミテッドの場合は5日違い、4番目のキャピタル IM リミテッドの場合は1日違いでしかありません。最も2つの日付が離れているのは最後のUSDCインベストメントリミテッドの場合ですが、それでも2ヶ月ほどの違いでしかありません。そしてサイトの登録・開設日にしても法人登録の日付にしても全て2023年の5月以降、この検証を書いている2024年の3月中旬時点で1年以内の日付です。上で示したように各サイトの特長を説明している部分のタイトルが
>10年間の信頼できる取引(だ)
となっていましたが10年間の実績があるとは全く思えません。
またこれだけ互いに非常によく似たサイトなのですから同じグループによって運営されているとしか思えませんが、登録者の所在地に関する情報についてもバラバラで全く信用出来ません。
改めて結論するまでもなく、これらのサイトは信用出来る投資先とは到底思えません。特に表題最初のフォワード ランド グローバル リミテッドについて「雑記2」で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺勧誘の手口に合致するようなやり口で勧誘が行われていること、表題最後のUSDCインベストメントリミテッドのサイトが何の告知もなく閉鎖されていることなど考えれば非常に危険なサイトとしか思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。