本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには関東財務局から違法業者として警告が出ているサイト、多数の被害報告が出ているサイトも含まれています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
本ページでは以下を検証します。
●FX-NOVEL (FXノベル https://novel-fx.com/)
●Trading Forex (トレーディング フォレックス http://www.trading-forex.asia/ja/index.php)
●FX Beyond (FXビヨンド https://beyond-ss.com/jp/home)
●AssassinFX (アサシンFX https://assassin-fx.com/home)
●FX Fair (FXフェア https://fxfair.com/jp/home)
●BDFX (http://www.bd-fx.com/jp/)
●BLUE DRAGON (ブルードラゴン https://www.bd-fx.com/jp/)
●GSTrade (GSトレード https://gs-ltd.hk/ja/)
●Milton markets (ミルトンマーケッツ https://miltonmarkets.com/ja/)
まず以下のサイトを検証します。
●FX-NOVEL (FXノベル https://novel-fx.com/)
これは以下のキャプに示したYahoo知恵袋の質問に出てきたことで知ったサイトです。
詳細は不明ですがTwitterで知り合った人から勧誘されたといった情報があるので口コミ的な勧誘が行われているものと思われます。検索しても勧誘サイトの様なものは見つかってきません。とにかく検索してこれらの投稿に出てきたFXノベルというサイトを探してきました。以下は出てきたサイトの冒頭部のキャプです。
このサイトを見て直ぐに非常に強い違和感を感じました。これは後述するように海外のFX業者のサイトのはずなのに日本語表示にしか対応していないのです。表示言語を切り替えるメニューなど探しましたが全く見当たりません。これはこれまで検証してきた「海外FX業者」の中では特に珍しいことではありませんが、海外業者を名乗っていても実際に運営しているのは日本のグループではないかと疑われました。そこでさらにサイトを見ていくと口座の種類を説明しているページにも違和感を感じる部分を見つけました。以下がその3種類の口座を説明する表のキャプです。
FXノベルでは上の表に示したスタンダード口座、PAMM口座、MAM口座の3種類の口座を用意しているようです。ここでPAMMは「Percentage Allocation Management Module」、MAMは「Multi Account Manager」の略と思われ、いずれもFXノベル側に資産運用を一任する口座のことと思われます。FXノベルにおけるPAMM口座、MAM口座にどんな違いがあるのかは不明です。過去の運用成績などについても情報は見つかりません。
しかしこの表で最も気になるのは過去の運用成績ではなく、この表が海外のFX業者のものとは思えない点があることです。具体的には例えば一番上の「基本通貨」という項目を見ると3種類の口座でいずれも「JPY」となっています。このJPYは日本円 (Japanese Yen) のこととしか思えませんが、海外のFX業者の口座で基本通貨が日本円ということはまず有り得ないでしょう。さらに最低入金額は1万円あるいは10万円、PAMM口座とMAM口座の手数料が1500円あるいは1000円などと書いてあり、ますますこれは海外の業者の口座の説明とは思えません。
サイトを見る限り、到底海外のFX業者のサイトとは思えない状況ですが一方でサイトの脚注部には以下のキャプウに示した記述があります。
活字が小さくて読みにくいので記されている文章を以下に書き出します。
>FX-NOVELは、証券ディーラーライセンス番号SD010の下、セーシェル金融庁(FSA)により規制されています。
>TPS Management Limitedの所在地は、Steliou Mavrommati 80B, Agios Pavlos, 2364, Nicosia, Cyprusです。 TPS Management LimitedはTradexfin Limitedが完全に所有しています。
>リスク警告: FXおよびCFD商品取引には投資元金を失う非常に高いリスクが伴います。弊社のリスク開示を読み、完全に理解するようにしてください。
>FX-NOVELはJFSA(日本金融庁)の監視下にないため、金融商品提供や金融サービスへの勧誘と考えられる業務には携わっておらず、本ウェブサイトは日本居住者を対象としたものではありません。
全面的に日本語で書かれていてそれ以外の言語での表示に対応していないサイトなのに最後の行に「本ウェブサイトは日本居住者を対象としたものではありません。」と書いてあるのは異様でしょう。日本の金融庁で登録を得ていないことの違法性を指摘されたくないという意味だと思われますが、最初に引用した知恵袋の投稿で確認されるように実際には日本人に対して勧誘が行われている上に日本語にしか対応していないなど日本人に向けてサイトが作られているのは明白であり、実際とは真逆だと考えます。
そして「証券ディーラーライセンス番号SD010の下、セーシェル金融庁(FSA)により規制されています。」とある一方でセーシェルの住所は書かれていません。住所が記されているのはキプロスだけでキプロスの住所はFXノベルとの関係性が全く分かりませんけどTPS Management Limitedというキプロスにある法人のものということになっています。さらにTPS Management Limitedの親会社がTradexfin Limitedということのようです。
とにかく金融ライセンスを確認するためにセーシェル金融庁 (Seychelles Financial Services Authority) のサイト(www.fsaseychelles.sc/)で登録を探しましたがFX-NOVELとかTPS Management Limited名義での登録は見つかりません。唯一見つかってきたのは右のキャプに示したTRADEFIXIN LIMITEDの登録でSecurities Dealerの登録リストの中に登録が確認されます。
しかし右のキャプを見れば分かるように登録上でTRADEXFINの運営するウェブサイトはFXノベルのサイト (novel-fx.com/)ではなく、「www.xmtrading.com/」となっています。これはアクセスしてみれば分かりますがXMという全く別のFX業者のサイトです。さらにTRADEXFINの登録上のメールアドレス (dd@xmtrading.com)も明らかにXMのメールアドレスです。
これ以外の登録業者が運営するウェブサイトとしてFXノベルのURLが登録リストにないか探してみましたが見つかりません。要するにFXノベルの登録はセーシェル金融庁で確認することが出来ません。セーシェルで金融ライセンスを得ているというFXノベルのサイトの記述は全く確認できないという結論になります。
また開示されている連絡先情報も脚注にあったキプロスの住所だけです。電話番号もありませんし、メールアドレスさえ公開されていないようです。メニューバーに「Contact Us」という項目があるのでクリックしてみると右のキャプに示したメール送信用の窓が出てくるだけという設定になっています。経営者に関する情報も開示されていません。
FXノベルは海外業者を名乗っていますが、何しろ日本語表示にしか対応しておらず、金額表示が日本円単位になっている点などからも実際には日本のグループによって運営されている可能性が極めて濃厚と考えられます。金融ライセンスも確認できず、全く信用に値するとは思えません。取引は絶対に避けるべきと結論します。
●Trading Forex (トレーディング フォレックス http://www.trading-forex.asia/ja/index.php)
これは2020年10月、11月にYahoo知恵袋に相次いで出てきた以下の質問、回答から知ったサイトです。質問自体はFX業者についてではなく、Arrows Project (アローズプロジェクト)という投資顧問会社 (?)に関するものです。このアローズプロジェクトについても関連ということで検証を加えます。
1つ目の投稿への回答、2つ目の質問者と回答者のやり取りによれば出金に支障が生じているようです。また2つ目の質問投稿によればアローズプロジェクトの提供するMAMトレードでは具体的な状況はよく分かりませんが一時的に利益が出たものの大きなドローダウンがあって資金が失われたようです。その他に(株)リグロスというおそらく海外送金を代行する業者も関係しているようです。
さらに「アローズプロジェクト」を検索すると複数の電話番号口コミサイトでアローズプロジェクトを名乗る営業電話でFXの無料モニターに当選したと称して投資を勧誘された、投資したら大損させられたといった書き込みがあることが判明しました。リンクと口コミ情報の一部を以下に示します。
明かに危険としか思われませんがまずTrading Forexを検索して表題のサイトを見つけてきました。そのURLアドレスがまず問題です。
http://www.trading-forex.asia/ja/index.php
このURLアドレスは暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されてないことを示す「http」で始まっています。FX業者のサイトが暗号化されてないなんて絶対に有り得ません。これだけでマトモなFX業者とは言えません。
ともかく見つかってきたサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。
このサイトは第一印象からして違和感があります。FX業者のはずなのに相場情報とかチャートの類が何もありません。FX業者として有り得ないでしょう。表示言語の選択肢は日本語と英語のみです。英語は翻訳ソフトを使って訳したのではないかと思われるレベルで明らかにおかしな文章が目につきます。一方で奇妙なことに日本語表示に対応しているのにサイトの脚注には以下のキャプの一番下の行に見えるように
>本WEBサイトは、日本国内居住者向けに公開しているものではございません。
という記述があります。
しかし日本語表示に完全対応しているのに日本居住者向けに公開しているものではないなどと書かれても説得力が全くありません。さらに「よくある質問」の中に以下のキャプに示した項目を発見しました。
>円口座では入出金それぞれに2000円、ドル口座では入出金にそれぞれ20ドルかかります。
どうやら円建ての口座を選択出来るようですし、入出金手数料も円建てで示されてます。日本居住者向けに公開しているものではないと書いてあっても日本居住者の口座開設を受け入れていないとは全く思えません。最初に引用したYahoo知恵袋の質問投稿でもトレーディングフォレックスを運用先として指定されたようですし、むしろ日本居住者を主な標的としているとしか思えません。
そして解説出来る口座は以下のキャプに示した説明によればスタンダードアカウントとプレミアムアカウントの2種類あるようです。
アカウントに関する説明はこれしか見当たらないので明らかに情報が足りませんが2種のアカウントではプレミアムにMAM (マム)トレード (Multi Account Manager)、要するに業者側に運用を任せる機能があるかどうかが大きな違いのようです。但しMAM口座で運用を頼んだ場合にどれほどの運用実績があるのかは全く情報がありません。明らかに不適切と考えます。
次に連絡先情報を探しましたが開示されている情報は非常に限定されています。まず「会社について」という項目のキャプを左下に示しますがインド洋の島国で租税回避地として知られるセーシェルの住所が記されています。これ以外の連絡先情報としてはメニューバーにある「お問い合わせ」という項目をクリックするとメール送信用の窓と右下のキャプに示したメールアドレス (support@trading-forex.asia ) が出てきます。電話番号とか運営者情報などは全く見当たりません。
セーシェルの住所はセーシェルが租税回避地として有名であることを考えるとオフショア会社とかバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の可能性が最初から疑われましたが記されている以下の住所を調べてみました。
>Third floor, Unity House, Palm St, Victoria, Mahe, Seychelles
この住所をそのまま検索してみると「Unity House」というのはセーシェルに実在するショッピングモールであることが分かりました。このショッピングモールはSeychelles Pension Fund (セーシェル年金基金?)が投資案件として保有する不動産の1つのようで以下はそのSeychelles Pension Fundのサイトの保有資産のページから取得したキャプ画像です。
住所が実在するらしいことは分かりましたがこの住所にトレーディングフォレックスの運営実体が存在しているかどうかはまた別の問題でしょう。セーシェルの金融機関登録を管理しているFinancial Services Authority of Seychelles (FSA)のサイト (www.fsaseychelles.sc/) にある金融機関登録リストにトレーディングフォレックスが含まれているかどうか探してみましたが見つけることが出来ません。FX業者はCapital Marketsというリストに含まれているはずなのですが該当はありません。トレーディングフォレックスは所在地になっているセーシェルでも金融機関登録を得ていない違法業者ということになりそうです。さらにFSAのサイトにはオフショア会社のリストもあるのでトレーディングフォレックスの住所と一致するオフショア会社を探しみましたがやはり該当がありません。
一方でトレーディングフォレックスの所在地に関して断片的な情報をWho Is情報の中に見つけました。以下がトレーディングフォレックスのサイトのWho Is情報のキャプで重要と思われる部分を色枠で囲ってあります。
まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が2020年3月26日と記されています。この検証を書いている2020年11月末現在で8か月ほどしか経過していない新しいサイトであることが分かります。そして赤枠で囲った部分を見ると登録者の所在地がアフリカにあるガーナという国の首都・アクラになっています。登録機関名の欄は空欄です。何故日本語表示に対応しているFX業者の所在地がガーナのアクラなのか想像もつきません。この情報もそのまま信用する気にはなりません。
次に最初に引用したYahoo知恵袋の投稿に出ていたArrows Project (アローズプロジェクト)について調べてみました。検索して見つかってきたアローズプロジェクトのサイト (https://arrows-project.info/) の冒頭部のキャプを以下に示します。
この冒頭部に続く部分には以下のキャプに示した業務内容の紹介があります。
▼使いやすいEAの提供
▼MAMを用いた資産運用
▼オリジナルシステムの制作
の3項目が挙げられています。最初に引用したYahoo知恵袋の投稿ではアローズプロジェクトから勧誘を受けて運用先として指定されたトレーディングフォレックスに入金したという流れのようなのですが、トレーディングフォレックスは単にFX業者への勧誘を行うだけではないようです。既に書いたようにトレーディングフォレックスにもプレミアムという名称のMAM口座があるようなのですが、アローズプロジェクトに勧誘されてトレーディングフォレックスに口座を作った人が使うMAM口座はアローズプロジェクトとトレーディングフォレックス、いずれが提供するMAM口座なのでしょうか?全く分かりません。
いずれにしろEAの提供とかMAM口座を用いた資産運用といった事業を行うなら金融庁に金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要でしょう。一応、金融庁が公表している金融商品取引業者の登録リストを探してみましたがアローズプロジェクトの登録は見つかりません。トレーディングフォレックスだけでなくアローズプロジェクトも違法な無登録業者で間違いないでしょう。さらにアローズプロジェクトのサイトには連絡先情報が全くありません。会社概要のページを見ると以下のキャプに示した通り、
>この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。「ログイン」してください。
とあるだけです。情報開示を義務付けている特定商取引法違反の疑いが濃厚です。
最初に引用したYahoo知恵袋への投稿では「東京都文京区水道のarrows project」とあったのでメンバー登録してログインするとそういった住所が出てくるのかもしれませんが、どれ程信頼出来るかは疑問でしょう。国税庁の法人番号公表サイトで「Arrows Project」あるいは「アローズプロジェクト」の法人登録がないか探してみましたがこちらも該当なしです。
そしてこのアローズプロジェクトのサイトを調べていて気が付きましたが同じIPアドレス (183.181.82.153)上に他に2つのサイトが存在しています (以下のキャプ参照)。
これら2つのIPアドレスを共有するサイトを調べてみると「captjpn.site」というサイトは既に閉鎖されているようですが、もう1つの「unity-support.info」というサイトはアローズプロジェクトのサイトと似たEAやMAMのシステムを提供する投資顧問的なサイトであることが判明しました。当然アローズプロジェクトと組織的に関連のあるサイトであることが考えられます。以下にその関連の可能性があるUnity (ユニティ http://unity-support.info/ )というサイトの冒頭部のキャプを示しました。
>ユニティの提供するEA、MAMシステムは業界の中での安定性・パフォーマンス性が優れていると好評を頂いております。
とあり、EAやMAMシステムを扱っていることが分かります。さらにこの冒頭部の直下には以下に示した業務内容の説明があります。
どうやらこちらはFXだけでなく株や仮想通貨の自動売買のEAなども扱っているようですし、MAMシステムも提供しているようです。そしてQ&Aの項目を見ていくと以下のキャプに見えるように月間の利益が平均20%というおよそ考えられないレベルの利回りが達成出来ているという主張が書かれています。
そしてこのユニティというサイトでも連絡先情報を探してみると脚注部分に以下のキャプに示したように「会社概要」とか「お問い合わせ」という項目へのリンクが見つかりました。
しかし「会社概要」をクリックしてみると
>お探しのページは見つかりませんでした。
という冗談としか思われないメッセージが出てくるだけですし、「お問い合わせ」のリンク先にあるのはメール送信用の窓だけです。要するにこのユニティというサイトについても連絡先情報の類は全く開示されていません。このユニティについて検索してみましたがユニティから勧誘されたとか特定のFX業者を運用先として指定されたといった情報はこの検証を書いている2020年11月末の時点で見つかってきません。しかしアローズプロジェクトのサイトと同じIPアドレス上にあるサイトで業務内容も似ているとなればいずれアローズプロジェクトと同様に違法な投資勧誘に使われる可能性は充分にあると考えられます。
かなり横道に逸れましたが本項の結論としてトレーディングフォレックスというFX業者、トレーディングフォレックスを運用先として指定するアローズプロジェクトについては既にかなりの被害者が出ていると思われ、全く信用出来るとは思えません。投資勧誘されても決して応じないことを推奨します。
※付記1
2021年になってYahoo知恵袋にトレーディングフォレックスでの被害報告と思われるものが相次いで2件出てきました。
参加者が10人で被害額が5000万円近いということで1人当たり平均500万円近い被害が出ていることになります、参加者の声という項目には被害の経緯が記されています。一部抜粋して引用します。
(中略)
トレーディングフォレックスでの自動売買で利益が出ると勧誘されて210万円をふりこんでしまっているようです。但し、勧誘してきた業者はアローズプロジェクトではなく、「connect.jp(コネクトドットジェイピー http://connect-jp.info/)」という業者だったということです。
さらにトレーディングフォレックスとコネクトドットジェイピーでの被害例と思われる投稿が2021年4月にも出てきました。
そこで調べてみると上に記したトレーディングフォレックスへの入金を勧誘していたアローズプロジェクトのサイト (https://arrows-project.info/) が既に閉鎖されていることが判明しました。さらにアローズプロジェクトのサイトと同じIPアドレス上にあって関連が疑われたUnity (ユニティ http://unity-support.info/ )というサイトも閉鎖されたようです。アローズプロジェクトについて悪評が拡大し、集団訴訟が呼び掛けられるような事態になった為に看板を掛け変えたことが考えられるのでこの質問投稿に出てきたconnect.jp(コネクトドットジェイピー http://connect-jp.info/)というサイトについて調べてみることにしました。
まず以下が問題のコネクトドットジェイピーというサイトの冒頭部のキャプです。
以下は簡単な業務内容の説明です。
この業者は上のキャプにも見える通り、EAを販売したり、MAMシステムを提供しているとありますが、販売しているというEAの価格などについては情報がありません。そしてEAを販売したりするならば金融商品取引業者 (投資顧問代理業)の登録が必要と思われますが、金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者の登録リストに該当がありません。無登録の違法業者と思われます。
この業者の連絡先情報は以下に示した会社概要の項目にあります。
>会社概要
>運営会社 Connect.jp
>代表取締役 久田 守
>所在地 東京都港区西新橋1-19-6 桔梗備前ビル202
まず電話番号がありません。情報開示は不充分で特定商取引法に抵触の可能性があります。また住所は東京都港区西新橋となっていますがこの住所を検索すると「あなたの街の情報屋さん。」というサイトで以下のキャプに示した情報を見つけました。
この一般社団法人全国企業共済金融機構 東京支部の住所は入居している桔梗備前ビルという建物の名前も部屋番号 (202)もコネクトドットジェイピーの住所と完全に一致しています。さらにこの一般社団法人全国企業共済金融機構のサイト (http://www.accm.xyz/)を検索して見つけてきましたが連絡先情報は右のキャプに示したようになっています。ビルの名称とか部屋番号は書かれていませんが同じ住所で令和2年 (2020年)4月1日設立とかなり新しい法人であることから考えても転居したとも考えにくいです。
この住所にコネクトドットジェイピーと全国企業共済金融機構 東京支部は同居しているのでしょうか?異様な状況であることは確かです。
コネクトドットジェイピーは合法性に問題がありますし、既に1件だけですが被害報告が確認されていること、運用先として指定されているトレーディングフォレックスではさらに被害報告が確認され、集団訴訟まで呼びかけられていることなど考えると明らかに危険な業者と考えざるを得ません。投資勧誘を受けても決して応じないことを推奨します。
※付記3
上で説明したアローズプロジェクト (閉鎖済み) やコネクトドットジェイピーと同様にTotal Next (トータルネクスト http://total-next.info/)という投資顧問業者 (?)が自動売買システムを提供すると称してトレーディングフォレックスに誘導している可能性があるようです。まずトータルネクストについて知ることになったYahoo知恵袋の質問を引用します。
この質問によればトータルネクストという会社から突然営業電話が掛かってきて初期費用15万円で毎月2万5000円の利益が出る?という投資勧誘を受けたようです。この質問だけでは何も分かりませんがベストアンサーに選ばれた回答にトータルネクストのURLアドレスとトレーディングフォレックスとの結びつきが出てきます。
どうやらトータルネクストの勧誘する投資ではトレーディングフォレックスが運用先として指定されているようです。さらに同じトータルネクストの被害者からと思われる投稿がもう1つ出てきました。
とにかく投稿にあったURLアドレスからトータルネクストのサイト (http://total-next.info/) にアクセスしてみました。以下がサイト冒頭のキャプです。
システム運用とありますから投資顧問的な業務を行っているらしいことは分かります。さらに以下のキャプに示した業務内容の説明的な部分があって「デリバティブ投資システムを開発」などと書いてありますが具体的な投資対象とかこれまでの実績、そして運用先となる業者名などについては情報がありません。トレーディングフォレックスという業者名も出てきません。
さらにトータルネクストの連絡先情報を探しましたが以下のキャプに示した通り、Company (会社概要) のページはメンバーに限定されているとあって会員登録してログインしないと見ることが出来ない設定の様です。
連絡先情報が一般に非公開となっているので国税庁の法人番号公表サイトで「トータルネクスト」とか「Total Next」という法人登録がないか探してみましたがいずれも該当がありません。さらに投資顧問的な業務を行っていると考えられるので金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストを確認してみましたがやはり「トータルネクスト」とか「Total Next」という登録はありません。投資助言代理業に該当する自動売買システムの販売あるいはレンタルといった業務を行っているのだとすれば違法業者ということになると思われます。
この業者の勧誘、特にトレーディングフォレックスでの投資勧誘には応じないことを強く推奨します。
以下もおそらく同じ案件です。
1件目の投稿では電話が掛かってきて月利10%で運用するという勧誘を受け、運用先としてトレーディングフォレックスを指定されたようです。早速検索してオーシャンプロジェクトのサイト (http://ocean-prj.info/ocean2020/)を見つけてきました。以下がサイト冒頭のキャプです。
営業電話では「月利10%で運用する」という話だったようですがこちらには「何もしなくても月利30%!?」とさらに非現実的としか思えない運用利回りが書いてあります。しかしこのオーシャンプロジェクトのサイトを見てもどんな「ビジネス」で月利30%なのか、投資であるとすれば何に投資するのかといった具体的な情報は全く示されていません。投資先になっているらしいトレーディングフォレックスの名前も全く出てきません。
さらに特定商取引法のページには以下のキャプに示しただけの情報しかありません。
>特定商取引法に基づく表記
>社名 OCEAN PROJECT
>設立 2015年9月9日
>TEL 050-3161-1721
>事業内容
>会員様の『豊かな生活』へのサポ-ト
>インターネットのホームページの企画制作並びに運営管理
>広告宣伝及び販売促進及び印刷物に関する企画、制作、実施
>飲食店の経営、企画及び経営のコンサルティング
>前各号に附帯又は関連する一切の業務
住所が記されておらず、連絡先情報は050局番から始まるIP電話の電話番号です。これでは市外局番も分からないので日本の何処にオーシャンプロジェクトがあるのか全く分かりません。連絡先情報の開示を不義務付けている特定商取引法違反でしょう。さらに「事業内容」を見てもどんな資金運用で「月利10%」とか「月利30%」を達成するのか全く不明です。
「設立 2015年9月9日」と書いてあるのでサイトのWho Is 情報を確認すると以下のキャプに示しましたが黄色の枠で囲った部分に見えるようにサイトの登録・開設日は2020年11月30日になっています。
「設立 2015年9月9日」の会社が2020年11月30日になるまでサイトを開設していなかったのでしょうか?本当に2015年9月設立の会社なのかについても疑問を感じます。
そして一応金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを確認してみましたがオーシャンプロジェクトに該当すると思われる登録は見当たりません。これで自動売買システムの提供とか資産運用を行っているなら明らかに無登録の意表業者です。
全く信用出来ません。勧誘されても絶対に応じないことを推奨します。
※付記5
以下に示したYahoo知恵袋への質問投稿も取引することになった経緯など一切情報がありませんがトレーディングフォレックスから出金出来なくなっているという状況のようです。一度出金出来たことで信頼してしまったようですが最初は少額の出金には応じて安心させるというのはこの手の詐欺の常套手段です。
※付記6
さらにトレーディングフォレックスに関する質問がYahoo知恵袋に2件相次いで出てきました。それぞれ別の業者、Universe system pro (ユニバースシステムプロ) と株式会社IRIS (アイリス) から自動売買システムでのFX投資を勧誘されて運用先として指定されたFX業者がトレーディングフォレックスだったようです。まずユニバースシステムプロに関するYahoo知恵袋への投稿を引用します。
どういう経緯でかは全く情報がありませんがUniverse system pro (ユニバースシステムプロ https://universesystempro.com/) という自動売買システムを使った運用を考えており、運用先として指定されるFX業者がトレーディングフォレックスということのようです。早速この投稿にあったユニバースシステムプロのサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭のキャプです。
このサイトは具体的な情報に非常に乏しいのですが一応の運用実績が以下のように示されています。
2019年10月~2020年10月の実績として
>平均月利:20%前後を推移
>勝率80%強
となっています。非現実的な運用利回りとしか思えませんし、この実績は2019年10月~2020年10月の1年ほどのものであるとなっていますがサイトのWho Is 情報を見ると黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日 (Creation Date) が2021年3月31日になっています。
示されている運用実績を記録したのが2019年10月~2020年10月でサイトの開設日が2021年3月末というのはどういうことなのか分かりません。運用実績は自分たちだけ運用した期間で記録した運用実績で誰も確認していないということでしょうか?
そしてこのサイトには連絡先情報が全く見当たりません。「特定商取引法に基づく表記」が見当たらないのです。連絡方法はラインだけということのようです。また金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録に関する情報もありません。無登録の違法業者で間違いないでしょう。これで運用先として指定されるのが多数の被害報告が出ているトレーディングフォレックスというYahoo知恵袋の投稿にあった情報が本当なら非常に危険な詐欺サイトでいよいよ間違いないと考えざるを得ません。
次に株式会社IRIS (アイリス) についてです。こちらもYahoo知恵袋に出てきた質問から引用します。
投稿者は友達からFXの自動売買システムについて勧誘を受けており、友達は誰かを勧誘することで得られる「ボーナス」を目当てに投稿者を勧誘している模様です。マルチ商法による勧誘が行われている可能性が高いです。そして運用先がトレーディングフォレックスであるとなっています。さらに自動売買システムを提供している会社のURLアドレスが記されているので早速アクセスしてみました。それが以下のキャプに示す株式会社IRIS (アイリス) という会社のサイト (https://iris-company2005.com/index.php) です。
このサイトのトップページある「事業内容」を見ていくと以下のキャプに示すような項目が出てきます。
>人工知能を使った資産運用システムの開発、運営及びシステムの販売
と書いてあるので投資顧問業に該当するような事業を行っていると思われますがシステムの名称とか運用実績あるいは価格といった情報は見つかりませんし、トレーディングフォレックスが運用先であるという記述も見当たりません。金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要と思われる事業内容ですが登録番号なども見当たりません。
さらに以下が連絡先情報が記されている「概要」のキャプです。
>概要
>会社名 株式会社IRIS
>設立年月日 2005年
>所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号新宿センタービル46F
>代表取締役 杉田貴文
まず電話番号がありません。メールアドレスも無料登録できるgmailのアドレスでこれだけでまともな会社とは思えません。さらに設立年月日が2005年とありますが、国税庁の法人番号公表サイトで東京都新宿区西新宿1丁目の株式会社IRISを探しても該当がありません。またこのサイトについてもWho Is 情報を調べてみると以下のキャプの黄色の枠で囲った部分にあるようにサイトの登録・開設日が2020年11月24日になっています。2005年に会社が設立されたという記述は信用出来るかどうか極めて疑問です。
Universe system pro (ユニバースシステムプロ) と株式会社IRIS (アイリス) についても到底信用出来るとは思えません。勧誘されても決して応じないことを推奨します。
※付記7
ネット検索していて偶然見つけたサイトなのですがMAXトレード (https://global-fx.gold/) というサイトもトレーディングフォレックスと結びついている可能性があるように思われます。以下にサイト冒頭のキャプを示します。
月利20%以上の爆益が得られるシステムとなっていますが非現実的としか思えません。そしてこのMAXトレードのサイトには運用先に関する情報がないのですが、左下に示した最近の実績を示すと思われる画像があります。6月~9月の利益と称する数字が示されています。そしてこの画像を見て既視感を感じたので調べてみるとこの画像と極めてよく似た画像が上の「※付記6」に書いたUniverse system pro (ユニバースシステムプロ https://universesystempro.com/) というサイトにあった右下の画像と極めてよく似ていることに気が付きました。
6月の利益が286,310円から始まって7月が282,092円、8月が514,792円、9月が738,000円と完全に一致しています。スマホに映る画像の部分も上の左右の画像を比較すると極めてよく似ているようです。これは同じ画像の使い回しでしょう。MAXトレードとユニバースシステムプロのサイトは同じグループによるサイトの疑いが濃厚であり、このMAXトレードという自動売買システムの利用を申し込むとトレーディングフォレックスを運用先として指定される可能性が高いです。
ちなみにMAXトレードのサイトには特定商取引法に基づく表記がありません。左のキャプに示したように本来48000円で販売しているMAXトレードを現在は無料で配布しているということで連絡先情報などを開示する義務がないという主張なのかもしれませんが危険なサイトとしか思えません。
※付記8
関東財務局からトレーディングフォレックスについて無登録の違法業者であるとして2021年10月28日付で以下のキャプに示す警告が出ました。
pocket-partner(ポケットパートナー https://pocket-partner.site/index.html)という投資顧問業者 (?) から無料モニターの申し出があって資金運用先として指定されたトレーディングフォレックスに入金したところ、3ヵ月終了後に出金出来るという説明があったものの結局は出金出来なかったようです。指定されたFX業者がトレーディングフォレックスであったということ、結局出金出来なかったという点から当然ポケットパートナーも上で検証してきたアローズプロジェクトなどと似たような役割を担っている業者ではないかと疑わざるを得ません。そこでこのポケットパートナーについて調べてみました。
まず以下が知恵袋に出てきたポケットーパートナーのサイトの冒頭部のキャプ画像です。
このサイトの事業内容というカテゴリーには以下の4項目が挙げられています。
表現が曖昧ですがやはり投資関連のシステム開発とかコンサルティングなどとあるので投資助言代理業に該当する可能性が高いように思われます。さらにここにリンクがあるPocketBusiness (ポケビジ) というソフトの説明書を見ると以下のキャプに示すような記述があります。
>安定的月利3%~10%
>プロのトレーダーの監視下の基、マムトレードで運用ができる為プロトレード同様の取引が可能。
といった記述があるのでこのPocketBusiness (ポケビジ) というソフトは自動売買ソフトの類としか思われません。こうしたソフトを提供するならば金融庁に金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要なはずですが、金融庁のサイトで公開されている金融商品取引業者の登録リストにポケットパートナーは見当たりません。無登録の違法業者の疑いがあります。
そしてポケットーパートナーのサイトに示されている連絡先情報は以下のようになっています。
>商号 PocketPartner株式会社
>所在地 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー20階
>代表者 代表取締役 田島 修二
>設立 2013年4月1日
電話番号がないのが非常に気になります。また国税庁の法人番号公表サイトでPocketPartner株式会社の法人登録を確認しようとしましたが、社名と住所が一致する法人登録が見つかりません。PocketPartnerあるいはポケットパートナーという名称で検索するとPocketPartne株式会社という法人の登録 (法人番号:8130001060824) が1件だけ見つかるのですが、住所は大阪になっています。
>大阪府大阪市浪速区日本橋東2丁目3-12文信マンション102
またこの法人の法人登録の日付は平成29年 (2017年) 11月16日となっていて設立の日付が異なっています。これは全く無関係の法人登録なのかもしれませんが気になる点です。さらにサイトには代表取締役 田島修二と思われる人物の画像があるのですが左下に示したように顔が映っていません。さらにこの画像を画像検索に掛けてみると右下に示した記事の例のように同じ画像と思われる画像がネット上に複数見つかります。これはネットから拾ってきたイメージ画像の類でしょう。
それからポケットーパートナーのサイトには
>設立 2013年4月1日
と書いてあることを指摘しましたが以下に示したサイトのWho Is 情報を見るとサイトの登録・開設日 (Creation Date) が2021年3月22日となっています。設立日とされている2013年よりずっと新しいサイトなのです。
さらにWho Is 情報を調べていて気が付きましたがポケットパートナーのサイトと同じIPアドレス (118.27.95.214) 上に多数のサイトが存在しており、その中には「検証6」で検証しているTASNIC-CAPITAL (タスニックキャピタル https://tasnic-capital.com/) のサイトが含まれているようです。以下のキャプはポケットパートナーのサイトを基準にして同じIPアドレス上にあるサイトのリストの一部なのですが上から2番目にタスニックキャピタルのURLアドレス (https://tasnic-capital.com/) が出ています。このIPアドレス上には非常に多くのサイトが存在しているために断言は全く出来ませんが2つのサイトには組織的な繋がりがあるかもしれません。
とにかくポケットパートナー社は違法な無登録業者の疑いが濃厚ですし、開示されている情報には疑問を抱かざるを得ない部分が非常に多くて到底信用出来る業者とは思えません。この会社からの勧誘を受けて応じないことを推奨します。
※付記10
検索していて偶然Ocean system (オーシャンシステム https://ocean-fx.net/) というサイトを発見しました。以下にサイト冒頭のキャプを示します。
「月利10~15%でのオンライン自動増殖が可能となる資産運用システム」を無料配布しているとなっています。そしてこのサイトにある「口座開設方法」というページ (https://ocean-fx.net/lp2/#d-box) を見るとこのオーシャンシステムを使うのに必要なFX業者の口座を開設する方法の手順が記されています。その手順の説明の中に出てくる画像の1つのキャプを以下に示します。
分かりにくいですが青の点線で囲った2ヵ所にトレーディングフォレックスのロゴが確認出来ます。さらにこの説明を読んでいくと以下のキャプに示しましたがログイン用のURLアドレスが出てきます。再びキャプ画像を示します。
ここに記されているログイン用のURLアドレス
>http://secure.trading-forex.asia/login.php
はトレーディングフォレックスのURLアドレス
>http://www.trading-forex.asia/ja/index.php
とドメイン名の部分「trading-forex.asia」で完全に一致しています。
尚、このオーシャンシステムのサイトには運営元に関する情報が何もありません。
このオーシャンシステムのサイトも無料の自動売買システムを餌にトレーディングフォレックスに誘導して運用資金を入金させる詐欺サイトである疑いが濃厚です。勧誘されても絶対に応じるべきではありません。
※付記11
Yahoo知恵袋にトレーディングフォレックスでの運用を条件として高利回りでの運用実績があると称するRISE Partner (ライズパートナーhttps://rise-partner.net/index.html) という業者に関する被害報告が出てきました。
早速ライズパートナーという業者について検索してサイトを見つけてきました。以下はサイト冒頭部のキャプです。
この冒頭部は英語で書かれていて一見すると海外 (英語圏) の業者のように見えますが、これ以降の部分は全て日本語の文章になっています。明らかに日本人を対象とするサイトです。
上のキャプに示すように資産運用はすべてプロに「おまかせ」とありますから金融庁に金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要な業務を行っていると思われますが、金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを見てもライズパートナーは該当がありません。無登録の違法業者としか思われません。
さらにメニューバーの「EVIDENCE」という項目を見ると過去の運用実績を示す以下のような右肩上がりのチャートが出てきます。
2017年から2019年の2年間で100万円の資金が381万円となり年間利回り190%、2019年から2021年の2年間で100万円の資金が407万円となり、年間利回り200%となっています。ここで重要なのは少なくとも2017年1月5日からの実績、この検証は2022年3月下旬に書いているので少なくとも5年以上の運用実績があることになっているという点です。しかしこれほどの運用利回りの実績が本当にあるかどうかは極めて疑問です。
以下にはこのライズパートナーのサイトのWho Is 情報を示しました。
残念ながらこのWho Is 情報では登録者に関する情報は何も開示されていません。しかし黄色の枠で囲った部分にこのライズパートナーのサイトの登録・開設日が記されており、2021年9月24日となっています。この検証を書いている2022年3月下旬の時点でサイトの開設から半年しか経過していません。サイトが開設から半年しか経過していないのに少なくとも2017年1月5日から5年以上の運用実績があるというのはどういうことなのでしょうか?全く理解不能です。さらに最初に引用したYahoo知恵袋への投稿によれば出金を請求したところ、運用が失敗したことになって資金が失われたとありますが、そうした運用の失敗があったことに関してライズパートナーのサイトには何の記述もありません。5年以上、高利回りでの運用実績が本当にあるのか極めて疑わしいと考えざるを得ません。
次にライズパートナーの連絡先情報ですが、メニューバーの「COMPANY」という項目に一応「会社概要」があります。以下にキャプを示します。
会社概要の記述を以下に書き出します。
>会社名 RISE Partner
>電話番号 03-5944-8545
>メールアドレス info@rise-partner.net
>設立日 2017.4.10
>(住所) 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目3-1 城山トラストタワー 27f
まず設立日が2017年4月10日となっていますが、上で示した運用実績では少なくとも2017年1月5日の時点で運用が開始されていたとなっていて自己矛盾しているとしか思えませんし、Who Is 情報ではサイトが2021年9月24日に開設されたとなっているのですから明らかにおかしいです。
そして電話番号と住所は東京になっていますがこの住所は検索してみると以下にキャプを示したSERVCORPというレンタルオフィス / バーチャルオフィスの業者の拠点の住所と一致します。
この住所にライズパートナーの事業実体が存在するかどうか極めて疑問と考えざるを得ません。この業者での投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記12
2022年3月23日にFX投資詐欺で架空の投資会社である「オーシャンプロジェクト」の社員を名乗って全国の50人から1億5000万円をだまし取った金田祐輔容疑者 (35)、阿部剛容疑者 (36) 、高木汰以蔵容疑者 (25) ら8人を逮捕したという報道が出ました。
▼FX投資詐欺で8人逮捕 全国で1億5000万円詐取か―警視庁 (時事ドットコムニュース)
▼「インド洋の証券会社が…」FX投資うたう詐欺容疑、逮捕者8人に (朝日新聞デジタル)
▼FX投資詐欺疑いで8人を逮捕 1億5千万被害か (産経新聞)
▼FX投資名目で現金詐取疑いの8人逮捕 被害総額は1.5億円か (毎日新聞)
▼「絶対に損はさせません」FX投資詐欺か… 男8人逮捕 (テレ朝 news)
▼【男8人逮捕】架空のFX投資で1億5000万円だましとったか (日テレNEWS Youtube動画)
▼FX投資詐欺で男8人逮捕 アプリで嘘の運用実績(2022年3月24日) (ANNnewsCH Youtube動画)
これらの記事に「トレーディングフォレックス」の名前は出てきませんが「オーシャンプロジェクト」は上で説明したトレーディングフォレックスに誘導していると思われる投資会社の名前と一致していますし、「インド洋セーシェル諸島の証券会社 」への投資を勧誘していたとあります。トレーディングフォレックスの名目上の所在地は上に示したようにセーシェルになっていますからこの件が一連のトレーディングフォレックスを巡る詐欺案件の一角に関するものであると考えて矛盾はないように思います。
その後、摘発されたオーシャンプロジェクトの運用先がトレーディングフォレックスであったことは以下の記事で確認されました。
▼「FXで稼ぎませんか」という詐欺、その巧妙な手口とは 2020年から被害急増、背景にアプリとSNS(47NEWS / Yahooニュース)
この記事には以下のような部分が出てきます。
>逮捕された男らは架空の証券会社代理店「オーシャンプロジェクト」の社員を名乗っていた。彼らの手口はこうだ。
>まず、勧誘した人に「Trading Forex(トレーディングフォレックス)」という海外の証券会社で口座を開設すれば「取引で使えるポイントが付与される」と持ちかける。
やはり本項で検証していたトレーディングフォレックスに関わる詐欺で間違いないものと思われます。
さらに2022年4月18日、19日にはこの件で既に逮捕、起訴されていた鈴木龍斗被告 (21) の再逮捕と同じ詐欺グループに加わっていたとされる実田真容疑者 (34) が逃亡先の福岡県で逮捕されたという続報も出てきました。これで逮捕者は9人目です。
▼「確実に利益出る」 FX投資詐欺容疑で2人逮捕 警視庁 (毎日新聞)
▼架空のFX投資持ちかけ…50人から1億5000万円詐取か 詐欺グループの34歳男を逮捕 (テレ朝news)
さらにこの続報が以下にあります。
▼1千万円の利益、十数万円に「暴落」 FX投資が実は… (朝日新聞DIGITAL)
この記事にも「トレーディングフォレックス」が詐欺に使われていたことが記されています。さらに気になるのは以下の部分です。
>9人は詐欺グループの中で投資家を募るための電話役だったとみられる。
逮捕された9人は「電話役」となっています。だとすると詐欺グループの中核メンバーはまだ摘発されていないのかもしれません。
▼FX詐欺で10人目を逮捕 かけ子の指導役か 警視庁 (産経新聞)
逮捕者が10人になったようです。但し
>白川朋孝容疑者(37)を逮捕した。白川容疑者は詐欺電話をかける「かけ子」とみられ、電話のかけ方の指導もしていたという。事件をめぐる逮捕者は10人目で、捜査2課は認否を明らかにしていない。
とありますからやはり電話勧誘が役割だったようで詐欺グループの主要メンバーかどうか疑わしいです。
そしてこれらの記事を見て確認してみるとトレーディングフォレックスのサイトが閉鎖されているようです。2022年3月下旬現在でトレーディングフォレックスのサイトにアクセスしてみると以下のような画面が表示されるだけになっています。
※付記13
2022年10月下旬にオーシャンプロジェクト/トレーディングフォレックスに関して続報が出てきました。
▼滅びの呪文「バルス」は暴落の合図 詐欺グループ、アプリを操作か (朝日新聞デジタル)
一部抜粋引用します。
>捜査2課によると、男は昨年7月、架空の投資会社「オーシャンプロジェクト」の社員を名乗り、神奈川県の40代男性に電話。「月利は10~15%」などとうそをつき、FX投資名目で約500万円を詐取した疑いがある。
▼暴落の合図は「バルス」 FX投資詐欺で新たに逮捕 警視庁 (産経新聞)
この記事からも一部を引用します。
>詐欺グループは表示を自由に操作できたとみられ、被害者から出金を求められるなどとすると、「バルスお願いします」などと合言葉を伝え、暴落させることで返金を免れようとしていたという。
運用の失敗という形にして出金に応じない、入金した金額を全て奪い去るというのが手口だったと思われます。
●FX Beyond (FXビヨンド https://beyond-ss.com/jp/home)
敢えてリンクはしませんがアフィリエイト報酬目的と思われる複数の海外FX業者を比較するサイト、ランキングサイトで取り上げられていたサイトです。さらにTwitterにも同じくアフィリエイト報酬目当てと思われますが左下のキャプに示したような宣伝投稿や右下のキャプに示したアカウント名からFX Beyond宣伝中を名乗るTwitterアカウントまで存在することを確認しました。
いずれのTwitterアカウントでも旧サイトの「海外FX業者検証4」で検証したGEM FOREX/GEM Trade (GEM フォレックス/GEM トレード https://gforex.asia/)など海外業者を名乗っていても実際には日本のグループによる運営ではないかと思われるFX業者と一緒に宣伝対象になっているようです。
そして結論から言えばFXビヨンドも海外業者を自称していますが、実際に運営しているのは日本のグループである可能性が高いです。まずはサイト冒頭部のキャプを以下に示します。
表示対応言語は上のキャプの右上に見えるプルダウンメニューに国旗アイコンが並んでいますが英語、日本語、中国語、スペイン語の4つです。
取引対象は右のキャプに示したメニューバーの選択項目に見えますが外国為替 (FX、通貨ペア29種) だけでなく、貴金属/エネルギー (金、銀、原油)、暗号通貨 (ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップルの4つのみ)、株式 (アメリカ株 13銘柄のみ?)、株価指数 (アメリカダウ30種平均、ナスダック指数、日経225の3項目)も取引できるとなっています。全般に広く浅くという印象でアメリカと日本の市場に偏った取引対象となっている印象です。例えば株式を取引したいならアメリカ株13銘柄だけしか取引されていない証券会社を使いたいと思う人は少ないと思います。
またリアルタイムの相場情報とかリアルタイムのチャートが見当たりません。口座を開設してログインすれば相場情報やチャートが見られるようになるのかもしれませんが違和感があります。
次に連絡先情報や金融ライセンスに関してですがまずはサイトの脚注部分に以下の記述があります。パナマとセーシェルに拠点があって金融ライセンスはパナマで取得していると書いてあります。
日本の金融庁の登録は得ていないので「本サイトは日本居住者を対象としたものではない」とも書いてありますが何しろ日本語表示に対応していますし、最初に引用したようにネットで日本人に向けた勧誘が行われていることは確かなので日本の金融ライセンスを取得せずに日本人を受け入れている違法業者と考えざるを得ません。
さらに運営会社情報のページには以下のキャプに示した連絡先情報のまとめがあります。
>運営会社 Beyond Systems Inc
>登録番号: 155699908
>所在地: Azuero Business Center Suite 918, Avenida Perez Chitre Panama, 0395, Republic of Panama
>関連会社 Beyond Solutions Ltd
>登録番号: 224756
>所在地: 102 Aarti Chambers, Mont Fleuri, Victoria, Mahe, Seychelles
>ベトナムオフィス
>所在地: The Golden Palm Building, 21 Le Van Luong Street, Thanh Xuan Ward, Hanoi, Vietnam, 100000
>金融ライセンス AVISO LICENCE: 15569908-2-2020-2020-4294967296
>電話番号 (+507) 202-7930 (日本からの場合010をつけておかけください)
パナマとセーシェルに加えてベトナムにもオフィスがあるとなっていますが、金融ライセンスはパナマのものだけ、電話番号も拠点が3つあるのに[+507]というパナマの国番号から始まる電話番号が1つあるだけです。セーシェルとベトナムの拠点には電話がないのでしょうか?
住所についてもまずセーシェルの住所についでは租税回避地として知られるセーシェルの住所ということで最初からオフショア会社の住所の可能性が高いと考えてセーシェルの Financial Services Authority (FSA, 金融サービス機構)のサイトでセーシェルにあるオフショア会社のリストを調べてみると予想通りFXビヨンドのセーシェルの拠点の住所に一致するオフショア会社が見つかってきました。以下はFSAのサイトにあるそのオフショア会社、International Corporate Agents Limitedの連絡先情報のキャプです。
>Suite No. 102, Aarti Chambers, Mont Fleuri P.O. Box 870, Victoria, Mahé, SEYCHELLES
という住所は部屋番号までFXビヨンドの関連会社、Beyond Solutions Ltdの住所と一致しています。またこのInternational Corporate Agents Limitedという業者のサイト (https://www.ibcagent.com/) を見ると法人の設立、銀行口座の開設、バーチャルオフィス (郵便物の受け取り代行など)を業務としているようです。このBeyond Solutions Ltdというセーシェルの関連会社の事業実態がセーシェルに実在するとは思えません。またセーシェルに拠点があるということからセーシェルの金融ライセンスを得ている可能性を考えてFSAのサイトでFX業者が認可を得ているならば含まれているはずのCapital Marketsのリストを調べてみましたがFXビヨンドとかそのセーシェルにおける関連会社であるというBeyond Solutions Ltdは見つかりません。対応する電話番号がないことも考え合わせるとセーシェルのBeyond Solutions Ltdは単なるペーパーカンパニーの可能性が高いように思われます。
次にベトナムの住所も検索してみましたが住所の「The Golden Palm Building」は不動産会社の情報によれば27階建てのかなり大きなビルのようです。しかしFXビヨンドのサイトに記されている住所では階数とか部屋番号が明記されておらず、どうやら不完全な住所のようです。このベトナムの拠点についても対応する電話番号がありませんし、さらにベトナムに本当に拠点があるならFXビヨンドのサイトの表示対応言語が英語、日本語、中国語、スペイン語の4つだけでベトナム語表示に対応していないというのは明らかに異様です。本当にベトナムに何らかの拠点があるかどうか極めて疑問です。
そして最後が本拠となっているパナマについてですが、サイトに記されている住所やパナマの金融ライセンスを得ているという記述を確認しようとしましたが非常に困難です。最大の障壁はパナマの公用語がスペイン語であり、政府関係のサイトについてもスペイン語で書かれた情報しかないことです。スペイン語は全く分からないのでライセンスの番号をそのまま検索するなどして確認を試みましたが残念ながらFXビヨンドが本当にパナマでライセンスを得ているとも得ていないとも結論出来ません。
しかしFXビヨンドの運営の本拠が本当にパナマにあるかどうかについてはかなり疑問を感じます。むしろサイトを丹念に見ていくとこのサイトを実際に運営ているのは日本のグループではないかと疑わざるを得ない部分が見つかります。例えば以下はFXビヨンドのページソース冒頭のキャプです。
ページソースの冒頭にいきなり
>業界最高水準のトレード環境、豊富なボーナスキャンペーンや初めての方でも安心な日本人サポートデスクを完備しているFX業者です。
という日本語の文章が出てきます。このサイトを書いたのは日本人としか思えませんし、脚注にあった「本サイトは日本居住者を対象としたものではない」という記述とも完全に矛盾しています。サイト開設当時は日本人サポートデスクを完備してまで日本人の顧客獲得に力を入れていたけれども途中で日本の居住者を受け入れないという方針変更があったのでしょうか?
また以下は日本語表示を選択した場合の入金方法の説明の冒頭部のキャプです。
まず日本以外では殆ど使われていないはずのJCBカードが利用可能になっています。さらに
>手数料:無料(入金額が20,000円以下の場合は手数料が1,000円となります)
その下の銀行振込の項目でも
>最低入金額:5000円
>最高入金額:1000万円
>手数料:無料(入金額が20,000円以下の場合は手数料が1,000円となります)
と金額の説明が全て円単位になっています。
ここまではまだ許せるとしても同じ入金方法に関する説明の冒頭部を英語版で見ると以下のキャプに示したようになっています。
英語版の説明でもJCBカードが使えることが説明されていますし、さらに日本語版で
>手数料:無料(入金額が20,000円以下の場合は手数料が1,000円となります)
となっていた部分が以下のようになっています。
>Fee: Free (If the deposit amount is 20,000 yen or less, the fee will be 1,000 yen)
注目するべきは金額が相変わらず「20,000 yen 」とか「1,000 yen」とか円単位になっていることです。
さらにその下の銀行振込の説明でも
>Minimum deposit: 5,000 yen
>Maximum deposit amount: 10 million yen
>Fee: Free (If the deposit amount is 20,000 yen or less, the fee will be 1,000 yen)
となっていて金額の説明が「5,000 yen」「10 million yen」「1,000 yen」と全て円単位です。
さらにスペイン語圏のパナマに本拠があるということになっているのでスペイン語表示を選択した場合の入金方法の説明冒頭部についても以下にキャプを示します。
なぜかイラスト部分が表示されませんがスペイン語の説明文をそのまま以下に書き出し、さらにGoogle翻訳で日本語訳した結果も示します。
>Aceptamos VISA, Mastercard,Sin comisiones por depósito o retiro,Transacciones en dólares estadounidenses, yenes japoneses, dólares de Singapur o euros
(VISA、Mastercard、入出金手数料なし、米ドル、日本円、シンガポールドルまたはユーロでの取引を受け付けています)
>Monto mínimo: 100,000 JPY,Monto máximo: 10,000,000 JPY (por transacción),Sin cargo,Tiempo de procesamiento: 1 hora ~ 1 día laboral,Aceptado solo JPY
(最小金額:100,000円、最大金額:10,000,000円(1回の取引あたり)、無料、処理時間:1時間〜1営業日、受付のみJPY)
スペイン語版の説明にはJCBカードは登場しませんが、やはり金額の説明は全て円単位になっているようです。これは明らかに異様でしょう。
さらに以下はスタンダード口座、ゼロスプレッド口座という2種類の口座の違いについて日本語版の説明の部分のキャプです。いずれの口座でも赤枠で囲った部分に「最低5000円から入金可能」と書いてあります。
そしてこの説明部分を英語版で見ると以下のキャプのようになっています。
ここでも赤枠で囲いましたが英語版では
>You can deposit from a minimum of 5,000 yen
となっています。なぜ英語の説明なのに説明文が円単位の表記なのか明らかにおかしいです。また英語としてもかなり違和感があるように思います。キャプは省略しますがスペイン語版では同じ部分が以下のような説明になっています。
>$ 200 saldo mínimo de apertura de cuenta
これをGoogle翻訳で訳してみると「$ 200の最低口座開設残高」となっているようです。スペイン語なのにドル単位になっているようですし、金額が明らかに異なります。非常に違和感があります。
こうした明らかに奇妙な部分が幾つも目に付くことを考えるとやはりFXビヨンドの運営は日本のグループである可能性が非常に高いと思われます。そして運営者に関する情報を適切に開示していないFX業者を信頼することは全く出来ません。この業者での取引は危険と判断せざるを得ず、到底推奨出来ません。
※付記1
この検証を書き終えた後ですがYahoo知恵袋に以下のような投稿が出てきました、
LINEで「g.m.trade」という業者に勧誘されてFXビヨンドでのミラートレードを始めたところ、ポジションを保有しているから出金出来ないという状況が続いているようです。この「g.m.trade」について検索してみると公式サイトのようなものは見つからないのですが以下にキャプを示した勧誘用と思われる「森田 FX trader」というTwitterアカウントを発見しました。
>EAによる自動売買、裁量ミラートレードまで総合的に案内してます
と記されているだけで具体的にどこのミラートレードやFX業者を案内しているのか分かりませんが、これがFXビヨンドでのミラートレードの勧誘窓口の1つではないかと思われます。
ポジションを保有していることを理由に出金出来ないというのは極めて危険な状況としか思われません。また「g.m.trade」については連絡先情報なども見つかりませんし、金融商品取引業者の登録を得ているとも思えません。「g.m.trade」がどういう形でミラートレードのシステムを提供しているのか不明ですが仮に有料でミラートレードを提供しているのだとすれば違法性が疑われます。
さらに検索してみると「しあわせのかたち」というサイト (https://prime-fx.work/) でミラートレードではなくibis (アイビス) という自動売買システムを無料で提供するという勧誘記事 (https://prime-fx.work/fx-beyond-3/) を見つけました。
このibis (アイビス)は「月利100%を達成したイチオシの優良EA」と書いてありますが、月利100%が可能ならば1ヵ月で運用資金が2倍、2ヶ月で4倍と増え続け、半年で64倍、1年で4096倍になる計算です。10万円から始めると1年で税引き前で4億円の資産を得ることになります。どう考えても眉唾としか思えません。
FXビヨンドでのミラートレード、自動売買による運用を勧誘されても応じないことを推奨します。
マッチングアプリで知り合った日本人と思われる女性に勧誘され、MT4でAIが勝手に運用システムがあるからと運用先として指定されたFXビヨンドに30万円入金して運用していたところ、最初の3ヶ月ほどは順調に増えているように見えたものの突然全損のような形になってしまったということのようです。尚、入金方法は「(株) タイムジャパン」名義の銀行口座への振込を指定されたようです。
情報が断片的ですが、やはりこの経緯は本サイトの前書きのページでも紹介した海外FX業者を利用した手口の詐欺を疑わせるように思われます。そして入金先として指定された銀行口座の名義「(株) タイムジャパン」について調べてみると以下の3件の法人登録が見つかってきました。
▼株式会社タイムジャパン (法人番号:7010401081383)
法人登録日付: 平成27年 (2015年) 10月5日以前
住所: 東京都港区六本木3丁目3番3号
▼株式会社タイムジャパン (法人番号:9010401096867)
法人登録日付: 平成27年 (2015年) 10月5日以前
住所: 東京都豊島区北大塚1丁目19番12号コルティス大塚5F
▼株式会社Time Japan (法人番号:4140001119235)
法人登録日付: 令和2年 (2020年) 10月26日
住所: 兵庫県加古川市志方町廣尾1110番地
日本では法人名義の銀行口座の口座開設には原則として法人登録が必要なはずですから、これらの法人登録のいずれかが入金先として指定された銀行口座に対応する可能性が高いように思われます。しかしいずれが問題の銀行口座に対応する法人なのかは分かりません。それぞれ検索してみると最後の兵庫県加古川市の株式会社Time Japanの場合のみ公式らしきサイト (https://time-japan-inc.business.site/) が見つかってきました。情報の少ないサイトですが業種が「車体部品製造業者」と記されています。別サイトの情報では「建築工事業、土木工事業、舗装工事業、解体工事業、産業廃棄物処理業」となっています。業種的にはFX業者の入金先になるとは思えませんが、銀行口座だけ出回っているような可能性も否定は出来ません。
個人的に気になるのは豊島区北大塚が住所になっている2番目の株式会社タイムジャパンという法人です。この法人登録を見ると法人登録以降、少なくとも2回、転居が行われています。
▼平成28年 (2016年) 9月30日住所変更
旧住所:東京都目黒区緑が丘3丁目6番16号-102 (ホワイトマンション・30平米ほどの2kの部屋)
新住所:東京都品川区東五反田1丁目9番7-604 (東建東五反田マンション・20平米台の1kあるいは1Rの部屋)
▼令和2年 (2020年) 2月13日住所変更
旧住所:東京都品川区東五反田1丁目9番7-604
新住所:東京都豊島区北大塚1丁目19番12号コルティス大塚5F (BIZcomfort大塚)
以前の2つの住所はいずれも狭小のマンションの一室であり、現在の住所はBIZcomfort大塚 (https://bizcircle.jp/otsuka/) というレンタルオフィス/シェアオフィス業者の住所に一致します。ペーパーカンパニーの可能性が考えられるかもしれません。いずれにしろ日本国内の銀行口座への入金を指示しているとすればやはりFXビヨンドは海外業者を装っていても実際には日本国内のグループが運営している可能性が高いように思われます。
また関連してFX Beyond 【Japan Official】という宣伝用のTwitterアカウント (https://twitter.com/FX_Beyond_JP) の存在を確認しました。このアカウントからの投稿は全て日本語のようです。これもFXビヨンドが実際には日本のグループによるサイトであることを示しているように思われます。
板垣至というFXトレーダーについて検索してみると以下に示す「板垣 至@FX自動売買ツール」という名義のTwitterのアカウントが見つかってきました。
FXビヨンドでの取引を条件に「新型トレーダー介入型EA」を配布するという形で勧誘を行っているようです。連絡先情報はLINEのアカウントのみで到底信用出来るようには思われません。
さらに以下もYahoo知恵袋に出てきた質問投稿で出金出来なくなっているようです。
ポジションがあるから出金出来ないというのはこの手の詐欺での定番の言い訳かと思います。やはり非常に危険です。
※付記4
FXビヨンドのサイトと非常に類似点が多く、同じグループによって運営されている可能性が高いAssassinFX (アサシンFX)というサイトが見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。尚、アサシンFXの検証を書くにあたってFXビヨンドのサイトを再訪したところ、アカウントのタイプが2種類から3種類に増えていました。以下にキャプを示します。
※付記5
おそらく2022年の秋頃にFXビヨンドのサイトが閉鎖されたようです。2022年10月下旬現在で以下のような告知が出ています。
お問い合わせフォームなるものだけが用意されていますが、連絡先などの情報は全く残されていませんし、閉鎖の理由も説明されていません。さらに
>本お問い合わせページでの対応は予告なしに終了する場合がございます。
と書いてあって取引していた人たちに充分な配慮をしているようには思われません。実はこの告知が出る直前、2022年10月中旬ごろにはFXビヨンドのサイトにアクセスすると同じグループによる後継サイトと思われるFX Fair (FXフェア https://fxfair.com/jp/home) というサイトに強制的にリダイレクトされる設定になっていたことを確認しています。このFXフェアというサイトについては次々項に検証を書きましたので参照してください。
※付記6
時期は不明ですが閉鎖されたFXビヨンドのサイトが海外FXドットコム (https://beyond-ss.com/) という海外FX業者の比較サイトに再編されたようです (2023年5月確認)。
以下はこの海外FXドットコムというサイトのトップページ (https://beyond-ss.com/) 冒頭のキャプです。
FXビヨンドは海外のFX業者を自称していても日本国内のグループによる運営であった可能性が濃厚であり、この海外FXドットコムというサイトを運営しているのも同じグループである可能性が充分に考えられます。尚、この海外FXドットコムというサイトについては運営者に関する情報が何も開示されていません。
●AssassinFX (アサシンFX https://assassin-fx.com/home)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。そして結論から言えばこれも上で検証したFXノベル、トレーディング フォレックス、FXビヨンドなどと同じく海外業者を名乗っていてもおそらくは日本のグループによるサイトと思われ、特にFXビヨンドと同じグループによるサイトの疑いがあるように思われます。以下で検証しているFXフェアやBDFX/ブルードラゴンも同じグループによるサイトの可能性があります。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
何の情報もありませんがおそらく勧誘を受けているのではないかと思われます。この質問から検索して見つけてきたのが表題のサイトです。
さらにこの検証を書き終えた直後にも以下の質問が出てきました。
こちらの投稿にはURLアドレスが記されており、友人から勧誘されたということのようです。マルチ商法での勧誘が行われている可能性が考えられます。
さらにこの検証を書き終えた後ですが以下の質問投稿が出てきました。
Instagramで募集していた投資サロンに登録したところ、アサシンFXに口座を作るように誘導され、数字の上では利益が出ていることになっているが出金出来ないという事態に陥っているようです。
Twitterで佐々木誠と名乗る人物から勧誘されて入金したとあります。それが以下のキャプに示したTwitterアカウント (https://twitter.com/CASINOMaKoT) のようです。
>特別に【最初のFX資金として5万円を支援】します。
といった記述が確認出来ます。5万円に釣られて申し込むとAssassin FXに誘導されて出金出来なくなるというパターンではないかと思われます。ちなみに無登録の違法業者に勧誘する行為も違法のはずです。
どういう経緯でAssassin FXで取引することになったのか何の情報もありませんが出金出来ないようです。
上の投稿にも登場した佐々木誠なる人物のTwitterから100万円をコピートレードでの運用に投じていたけれど7月3日に急に全額を失うような損失が発生したことになったようです。また佐々木誠なる人物のTwitterやInstagramのアカウントも削除されていたようです。投資詐欺に遭った可能性が濃厚と考えざるを得ません。
さらにTwitterにも被害報告と思われる投稿が出ているようです。
Instagramから勧誘されたようです。ここに記されている「daichan001」というアカウントのキャプを以下に示します。
これらの投稿が全て正しいかどうか確認は出来ませんが、これだけ多くの被害報告が出ているとなればこれはやはり詐欺目的のサイトである疑いを持たざるを得ません。(2024年7月1日にSNSで知った自称・5600万円を稼いだ女性トレーダーにアサシンFXでのコピートレード運用を勧められて数百万円を騙し取られたという被害事例に関する記事が出てきました。本項末の「付記2」で引用していますので参照してください。)
とにかく最初の投稿から検索して見つかってきたサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。
表示言語の選択肢は日本語と英語のみです。そしてこの冒頭部を見ただけでは特に他のサイトと似ているようには思わなかったのですが、この冒頭部に続く部分を見ていくと上で検証したFXビヨンドのサイトとの類似を感じさせる部分が出てきます。まずサイトの特長を5項目にまとめて簡単なイラスト付きで説明している部分があるのですがその部分のキャプ画像を以下に示します。
そしてFXビヨンドのサイトにも非常によく似た部分があります。以下にキャプを示します。
5つの簡単なイラストは白黒反転しているだけで配置まで含めて同じに見えますし、テキスト部分も5項目全てが同じです。イラストとテキスト部分の組み合わせが1ヵ所入れ替わっているだけです。これは偶然とは思えません。
さらにアサシンFXのページには「主な取扱商品とその条件」という題目が付いた以下の説明図があります。
「外国為替」「貴金属・エネルギー」「暗号」「株価指数」「株式」の5項目が取引可能となっていてそれぞれの取引でのスプレッドやレバレッジ上限を示しているようですが、この説明図と非常によく似た説明図がFXビヨンドのサイトにもあるのです。以下にキャプを示します。
背景になっている欧州旗とアメリカ国旗の組み合わせなど明らかに似ています。同じテンプレートから作られた説明図としか思われません。さらにアサシンFXのサイトでは3つの口座タイプを選択出来るようになっていて以下のようなまとめがあります。
以前にFXビヨンドのサイトを検証した際には2つの口座タイプしか用意されていなかったと思われるのですがこの検証を書いている2022年3月初めに再度FXビヨンドのサイトを確認してみると口座タイプが3つに増えていました。以下にキャプを示します。
2つのサイトを比較すると全く同じではないもののやはり偶然とは思われないほどに似ているようです。例えば最初の「STANDARD」の説明は以下のようになっています。
アサシンFX: 最低1,5pips〜のスプレッドで、一般的な取引ができる口座
FXビヨンド: 最低1,5pipsのスプレッドで、一般的な取引ができる口座
「~」の有無が違うだけでそれ以外は同じです。
2番目の「ZERO SPREAD」の説明も比較してみます。
アサシンFX: 極狭スプレッドを用いた、スキャルピング等に最適な外付け手数料口座
FXビヨンド: 極狭スプレッドを用いた、スキャルピング等に最適な外付け手数料口座
こちらは一字一句同じです。到底偶然とは思われず、2つのサイトが同じグループによるサイトである可能性が非常に高いように思われます。さらにFXビヨンドの検証で英語表示にすると違和感のある部分が見つかることを指摘しましたが、アサシンFXのサイトでも英語表示を選択してみるとやはり違和感のある部分が見つかるようです。3つの口座タイプの説明の部分を英語表示にした場合のキャプを以下に示します。
注目すべきは赤枠で囲った部分です。
>You can deposit from a minimum of 5,000 yen (最低5000円から入金可能)
と書いてあります。英語圏の人にとって最低入金額が円建てで示されているというのは異様でしょう。さらに入金方法の部分の記述も以下のようになっています。日本語版と英語版を比較します。
銀行振込と仮想通貨建ての入金が可能となっていますが最低入金額、最高入金額が日本語版でも英語版でもぞれぞれ5,000円 (5,000 yen) と 1000万円 (10 million yen) になっています。また入金額が2万円以下の場合は1000円の手数料がかかるという記述も同じです。これはおかしいでしょう。アサシンFXの運営も日本のグループではないかと考えざるを得ません。
しかしアサシンFXの会社概要の項目にある連絡先情報は以下のようになっています。
>運営会社 ASN-FX LTD
>登録番号:26009
>所在地:St. Vincent and the Grenadines inds Building, Kingtown, St. Vincent and the Grenadines
電話番号がなく、住所は租税回避地として知られるセントビンセント・グレナディーンとなっています。そしてこの住所にはスペルミスと思われる部分が2ヵ所もあります。まず「Kingtown」は「Kingstown」の間違いでしょう。Kingstown (キングスタウン) はセントビンセント・グレナディーンの首都です。また「inds Building」はおそらく「Hinds Building」の誤りと思われます。そして2ヵ所のスペルミスと思われる部分を修正すると「検証10」で検証したBitterz (ビッターズ https://bitterz.com/ja) というFX業者の本社住所と同じになります。以下がビッターズの本社住所のキャプ画像です。
さらに「検証10」のビッターズの検証で説明しましたがこの住所はDELANY & ASSOCIATES CORPORATION SERVICES LTD.というオフショア会社の住所と一致します。何しろ「Hinds Building」という建物の名前までは一致していても部屋番号などの情報がないのでこのオフショア会社が使われているかどうかは確実ではありませんがやはりこの住所はオフショア会社を利用した架空住所の疑いが濃厚と考えます。セントビンセント・グレナディーンの住所は名目だけで実際には日本のグループが運営しているサイトであるという可能性と矛盾しません。そして運営している日本のグループは上で検証したFXビヨンドを運営していると思われるグループと同一である可能性が高いです。FXビヨンドについては上の検証で示したように被害事例と思われる報告が確認されており、非常に危険な業者と考えざるを得ません。アサシンFXがFXビヨンドと同じグループによるサイトである可能性が濃厚ということになればすなわちアサシンFXも非常に危険なサイトと考えざるを得ません。
そして最初に引用しましたがこの検証を書き終えた後でYahoo知恵袋に出てきた2022年5月15日付の投稿ではInstagramで勧誘されてアサシンFXで投資したところ出金出来ないという事態が報告されています。
このサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨したいと思います。
※付記1
上で検証した同じ系列のFXビヨンドが閉鎖されて代わりに後継サイトと思われるFXフェアというFXビヨンドに非常によく似たサイトが立ち上げられたようです。アサシンFXと明らかに似ている部分も認められます。さらに同じ系列である可能性があるBDFXというサイト (http://www.bd-fx.com/jp/) も見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。
※付記2
2024年7月1日にX (旧Twitter) 経由で知った自称・5600万円を稼いだ「Manaka」と名乗る女性トレーダーにアサシンFXでのコピートレードを勧められて最初は順調に口座残高が増えているように見えたが突然、全損になって数百万円を失った (騙し取られた)というニュース記事が出てきました。一部抜粋引用します。
▼Xで知り合った「投資の先生」に従い、海外FXで月利10% 信じた女性を待っていたSNS型投資詐欺の手口とは (2024年7月1日付 47NEWS (共同通信) /Yahooニュース)
今後もFX業者のサイト、勧誘者の名前などを変えて同様の詐欺勧誘が行われる可能性が濃厚です。
●FX Fair (FXフェア https://fxfair.com/jp/home)
これはYahoo知恵袋に出てきた複数の質問で知ったサイトであり、上で検証したFXビヨンドやアサシンFXと同じグループによる、特にFXビヨンドの後継サイトと思われます。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
▼2022年10月10日投稿 (その後、削除)
▼2022年10月10日投稿 (その後、削除)
少なくとも4件の質問投稿を確認したのですが、異様なのは全ての投稿が2022年10月10日に投稿されていることです。投稿者の投稿IDは全て異なるのですが同一人物あるいは同一グループによる投稿の可能性は充分に考えられます。そして確認した4件の投稿の内、2件についてはその後削除され、残っている2件については非常に好意的なベストアンサーが選択されています。これは自作自演のステマ投稿の可能性も有り得る状況と思われます。削除された2件の質問には質問者にとって都合が悪い回答が寄せられていたのかもしれません。そして上の4件の質問投稿の内、最初の質問投稿が
>なぜFXBeyondは名前がFXFairに変わったのでしょうか?
という質問になっています。そしてこの質問投稿を見て上で検証したFXビヨンドのサイトにアクセスしてみたところ、強制的にここで検証するFXフェアのサイトにリダイレクトされることを確認しました。しかしこの検証を書いている2022年10月下旬現在ではFXビヨンドのサイトには上のFXビヨンドの検証の付記5に示した閉鎖の告知が出ていてFXフェアのサイトにリダイレクトされることはなくなっています。ともかくここで検証するFXビヨンドの後継サイトであることは間違いありません。そしてまずはFXフェアのサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。
そしてこのFXフェアのサイト冒頭部はFXビヨンドのサイト冒頭部と極めてよく似ています。以下に比較の為にFXビヨンドのサイト冒頭部のキャプを再掲します。メニューバーの項目数が増えているなど違いがないわけではありませんが、明らかに酷似しています。表示言語の選択肢も英語、日本語、中国語、スペイン語の4つで同じです。
以下ではメニューバーの「取引」という項目のプルダウンメニューから見ることが出来る取引対象の項目を比較します。左下がFXフェア、右下がFXビヨンドの取引対象を示すキャプです。FXビヨンドの場合のみ「株式」という項目が取引可能となっていますが互いに非常によく似ているのは間違いありません。
さらに本サイトの検証対象外になりますが、以下はYahoo知恵袋に出てきたNextBinary (ネクストバイナリー https://www.next-binary.com/top) というビットコインのバイナリーオプション業者に関する質問投稿です。この質問投稿も単なる偶然なのか解釈に苦しむのですが、上で引用した4つのFXフェアに関する4つの質問投稿と同じ2022年10月10日に投稿されています。
出金申請しても出金出来ないという状況に陥っているようなのですが、以下にキャプを示したこのネクストバイナリーというサイトの冒頭部がFXフェアやFXビヨンドのサイトの冒頭部に似ているように思われるのです。
このサイトではバイナリーオプションのサイトは守備範囲外としていますし、この冒頭部以外の部分を見てもFXビヨンドやFXフェアと明確に似ている部分があるわけではないのでここでこれ以上追求はしませんが、連絡先情報とか金融ライセンスに関する情報など一切開示されていないこのサイトが信頼出来るとは全く思えません。
FXフェアのサイトに戻って検証を続けます。以下にはFXフェアのサイトの特長を説明する部分のキャプです。
これと極めてよく似た部分が上で検証したFXビヨンドおよびアサシンFXのサイトに存在します。FXビヨンド → アサシンFXの順でキャプを示します。
FXフェアのサイトで5つの項目が1段に配置されているのに対してFXビヨンドでは2段に配置されている、アサシンFXでは白黒が反転しているというだけの違いしかありません。イラストや項目名は全く同じに見えます。
さらに以下はFXフェアのサイトにある取引対象別のスプレッドを説明している部分のキャプです。
この部分についてもFXビヨンドおよびアサシンFXのサイトの相当部分のキャプをFXビヨンド → アサシンFXの順で示します。
スプレッドの数字とか配色に細かな違いはありますが、EUの欧州旗とアメリカの星条旗を組み合わせて背景に使っている点など明らかな共通点が認められます。
さらに以下はFXフェアの3種類のアカウントの説明です。
この部分についてもFXビヨンドおよびアサシンFXのサイトの相当すると思われる部分のキャプをFXビヨンド → アサシンFXの順で示します。
この3種類の口座を説明している部分についてはFXフェアとFXビヨンドの2つのサイトは全く同じに見えます。アサシンFXについても背景が黒になって印象はかなり異なりますが、記されている文章は非常によく似ています。例えば左側の「STANDARD」口座の説明の最初の部分を3つのサイトで比較してみます。
▼FXフェア
>最低1,5pipsのスプレッドで、一般的な取引ができる口座
>スプレッド最小1.5pips~
>最大レバレッジ1111倍
>MT4プラットフォーム採用
▼FXビヨンド
>最低1,5pipsのスプレッドで、一般的な取引ができる口座
>スプレッド最小1.5pips~
>最大レバレッジ1111倍
>MT4プラットフォーム採用
▼アサシンFX
>最低1,5pips〜のスプレッドで、一般的な取引ができる口座
>スプレッド最低1.5pips~
>取引手数料無料
>最大レバレッジ500倍
>MT4プラットフォーム採用
FXフェアとFXビヨンドの文章は全く同じです。アサシンFXの場合も最大レバレッジの数字が異なるだけです。
次にFXフェアの「運営会社情報」のページにある連絡先情報を示します。
この連絡先情報も以下に再掲するFXビヨンドの連絡先情報と非常によく似ています。
FXフェアの連絡先情報を以下に書き出します。
>運営会社 Fair Systems Inc
登録番号:155699908
所在地:Azuero Business Center Suite 918, Avenida Perez Chitre Panama, 0395 Republic of Panama
>関連会社 FXFair Ltd.
所在地:Beachmont Business Centre, 358, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines
>ベトナムオフィス 所在地:CAPITAL PLACE No. 29 Lieu Giai, Ba Dinh District Ha Noi Vietnam
>電話番号 +84 969986491
>メールアドレス support@fxfair.com
>営業日 平日24時間
住所がパナマ、セントビンセント・グレナディーン、ベトナムの3ヵ所書いてあります。まずパナマの住所ですが、これはFXビヨンドの連絡先情報に記されているパナマの住所と同じです。この住所に何があるのかは確認出来ません。奇妙なのはこのパナマの住所と並んで示されている「登録番号」です。「155699908」という登録番号はFXフェアとFXビヨンドで全く同じです。
次はセントビンセント・グレナディーンの住所です。「Beachmont Business Centre」を検索しましたが全く情報が見つかりませんが、租税回避地として知られるセントビンセント・グレナディーンという住所から判断してこの住所はオフショア会社などを利用した架空住所の可能性が高いように思われます。
最後はベトナムの住所ですが、「CAPITAL PLACE」は公式サイト (https://capitalplace.com.vn/) によればベトナム・ハノイに実在する37階建てのオフィスビルであることを確認しました。住所が3つある一方で電話番号は1つだけしかありませんが、この唯一の電話番号はベトナムの国番号である[+84] から始まっています。さらにこのFXフェアのサイトの「運営会社情報」のページには以下のような画像があります。まず1枚目の画像は従業員かと思われる9名の人物の背後に住所と一致する「CAPITAL PLACE HANOI」と背後にロゴが見える画像になっています。
さらに以下に示す2枚目の画像はFXフェアのロゴの前でやはり従業員かと思われる5人の女性の画像です。1枚目の画像の9人の人物の内、3名の女性が2枚目の画像にも登場しているようです。
そして2枚の画像のいずれか、あるいは両方に登場している人物は確かに東南アジア系、ベトナム人であってもおかしくないように思います。こうした画像まである、唯一の電話番号もベトナムの電話番号となればFXフェアの事実上の本拠がベトナムにあるのかとも思われます。しかし仮に本拠がベトナムにあるのならばFXフェアのサイトの表示言語の選択肢が英語、日本語、中国語、スペイン語の4つでベトナム語には対応していないという点に非常に違和感があります。またFXフェアのURLアドレス「https://fxfair.com/」をそのままGoogle検索に掛けてみると見つかってくるサイトで最も多いのは日本語のサイト、次に英語のサイトが多くてベトナム語のサイトは全く見つかってきません。本当にFXフェアの事業の本拠がベトナムにあるのならばこれはおかしいでしょう。またそもそもFXフェアは上で検証したFXビヨンドやアサシンFXと明らかに似ており、同じグループによるサイトである可能性が極めて濃いです。そしてFXビヨンドやアサシンFXはそれぞれの検証で説明したようにそれぞれ海外業者を名乗っていても日本のグループによるサイトである可能性が高いです。
こう考えてくるとやはりFXフェアも日本のグループによるサイトである可能性が充分に有り得るように思います。さらにFXビヨンドやアサシンFXについて上の検証で書いたように被害報告が出ていることや情報開示が明らかに不適切であることなどを考えるとFXフェアでの投資も到底推奨出来ません。
※付記1
Yahoo知恵袋にFXフェアに関する質問投稿が出てきています。
高校時代の同級生に勧誘されているということでマルチ商法、いわゆるモノなしマルチ商法で勧誘が行われている可能性があるように思われます。
「2億円かけて開発した「安定型EA」を完全無料で配布する」という誘い文句で勧誘が行われているようです。
入金しても反映されない、出金出来ないという非常に深刻な状況になっているようです。やはりFXフェアも危険なサイトと考えざるを得ません。
この事例ではおそらく自動売買あるいはコピートレードで運用を選択してしまい、ポジションを保有中であることを理由に出金を拒否されているようです。被害事例と思われます。
状況がよく分かりませんが「FXミリオンカレッジ」なるものに申し込み、さらに「ゴールドストリーム」という自動売買システムを10万円で購入してしまったようです。上の添付画像には
>10万円の運用資金で月利30~40%も出ているのに安全運用できるシステム
と書いてありますが、夢物語としか思えません。そして勧誘に使われているのがVISIONARY INVESTORS ACADEMY というYoutubeアカウントからのオンラインセミナーのようです。
この補足投稿でFX業者はFXフェアであることが判明しました。さらにゴールドストリームという自動売買システムの提供に関わっている組織のリンクが出てきました。
▼【Visionary Investorsブログ】 (https://news.visionaryinvestors.co.jp/)
▼ビジョナリーインベスターズアカデミーご参加方法 (https://millioncollege.site/lp/zero-via/)
Youtube動画にも登場している「らいちゃん」と名乗る女性が公式アンバサダーとなっているようです。しかしこのビジョナリーインベスターズアカデミーご参加方法 (https://millioncollege.site/lp/zero-via/) というサイトには連絡先情報が何もありません。「いけちゃん」と名乗る女性についてもそれ以上の情報がありません。代表は「ぶる」という人物ということになっていますが、この人物についても同様です。そしてこのサイトでは以下の「よくある質問」の記述を読むと有料で自動売買システムを提供しているようです。
「毎月10万円稼ぐことが可能」などと書いてありますが、Yahoo知恵袋に出てきた質問投稿では資金が減り続け、しかもシステムを止めることも出来ないという状況のようです。
連絡先情報が開示されていない点については特定商取引法違反が強く疑われますし、有料で自動売買システムを提供しているのにおそらく金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録を得ていない点についても金融商品取引法違反が疑われます。少なくとも金融商品取引業者の登録番号は示されていません。
FXフェアということでこれらの自動売買システムを提供する組織もFXフェアと結びついている可能性も考えられるかもしれません。
※付記2
FXビヨンド、アサシンFX、FXフェアと同じグループによる可能性があるBDFXというサイトが見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。
※付記3
2023年4月21日付で関東財務局からFXフェアに関して無登録の違法業者であるとして警告が出ました。
●BDFX (http://www.bd-fx.com/jp/)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでこれも上で検証してきたFXビヨンド、アサシンFX、FXフェアといったサイトと同じグループによるサイトの可能性があります。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
質問はこれだけで何の情報もありません。URLアドレスも示されていないので検索して表題のサイトを見つけてきました。まずサイト冒頭のキャプを示します。
表示言語の選択肢は日本語と英語のみです。この冒頭部に続いてはサイトの特長を7項目にまとめて説明している部分が出てきます。
ここまでは特に違和感を感じる部分はありませんし、過去に検証してきたサイトと似ているようにも思いません。しかし次に出てくる「お知らせ」と題された部分には違和感を感じる部分があります。まずその「お知らせ」の部分についてかなり長いですが日本語版のキャプを示します。
2021年10月から2022年11月現在まで7件の「お知らせ」が出ています。一方で英語版でこの部分に相当する「Notification」の部分は以下のようになっています。
2021年11月22日付でBDFXがグランドオープン (正式開業) したという1件のお知らせがあるだけです。これは異様です。日本語版のお知らせの最初の1件は2021年10月22日ですから英語版に記されているグランドオープン (正式開業) の日付のちょうど1ヵ月前に出たお知らせということになります。これは意味がよく分かりません。日本語サイトの方が英語サイトよりも少なくとも1ヶ月先立ってオープンしたということになるのでしょうか?そして7件のお知らせはどうして日本語サイトにしか出ていないのでしょうか?英語サイトは存在していても実質的に運営されておらず、日本語サイトだけが運営されているのではないか、だとすればこのサイトは後述するように海外のFX業者を自称していても実は日本のグループによるサイトなのではないかという可能性を考えざるを得ません。
さらにこのサイトの運営が日本のグループなのではないかという疑いに繋がるような部分がメニューバーの「お取引」という項目にある口座タイプの説明にあります。このBDFXには4種類の口座が用意されているようです。以下にまず日本版の4種の口座タイプの説明のキャプを示します。
STANDARD、ECN、PRO、MAMという4つの口座タイプがあっていずれの場合も赤枠で囲った部分に
>最低10,000円から入金可能
と書いてあります。
これに対して英語版の同じ部分は以下のようになっています。
非常に奇妙なことに英語版では
>can deposit from a minimum of 5,000 yen (最低入金額5000円)
と書いてあります。日本語版で1万円だったのに英語版では5000円なのです。金額が異なるのも奇妙ですが、それ以上に奇妙なのは英語版なのに最低入金額が円建てで示されていることです。このサイトを運営しているのは日本のグループであることを再び疑わざるを得ません。そしてこのアカウントの種類の説明内容、英語サイトなのに最低入金額が円単位で示されている点など見て気が付きましたが、この部分は上で検証したFXビヨンド、アサシンFX、FXフェアの3つのサイトの相当部分と似ているのです。いずれのサイトでもSTANDARD (スタンダード) という名称の口座があるので比較対象にします。以下には左下から右下にFXビヨンド → アサシンFX → BDFXのスタンダード口座の日本語版の説明部分を並べてみます。FXフェアはFXビヨンドが改称したサイトで口座の条件もほぼ同じなのでここでは省略します。
3つのサイトの記述内容が完全に一致しているわけではないのですが、互いに非常に似ていることは確かです。いずれもSTANDARDという口座の名称が同じであるだけでなく、いずれのサイトでもこのスタンダード口座を
>最低1,5pips~のスプレッドで、一般的な取引ができる口座
と説明しています。
さらに
>スプレッド最小/1.5pips~
>24時間スピード入出金
>口座開設費用・口座維持費用なし
といった項目は3つのサイトで記述の順番まで含めて完全に同じです。
さらに3つのサイトの同じ部分の英語版をやはりにFXビヨンド → アサシンFX → BDFXの順で以下に示します。
英語版で比較してもこれら3つのサイトの記述は互いに非常によく似ています。そして英語版なのに最低入金額がいずれも「5,000円」と円建てで示されているという奇妙な点で一致しているのです。
こういう奇妙な一致が確認されたことでFXビヨンドが改称したFXフェアを含めた4つのサイトは同じグループによるサイトの可能性がかなり高いと考えるのは殆ど必然だと思います。
次にBDFXの連絡先情報を探すとメニューバーの「BDFXについて」という項目に以下のような記述がありました。
活字が小さいので以下に書き出します。
>BDFXとは
>BDFXは「Blue Dragon LCC」 によって運営されております。 「Blue Dragon LCC」はSAINT VINCENT AND THEGRENADIESに登記しており、登録番号は1438 LCC 2021 です。 BDFXは、すべてのお客様に透明性の高い最高の取引条件を提供することを約束のもと、技術革新への絶え間ない投資を通じてをこれを実現しました。 ブローカーの選択が困難な中、当社がパートナー及びトレーダーにとって最も魅力的な条件を提供していると自負しており、お客様からも同じ評価をいただけるものと確信しています。
>運営会社
>社名:Blue Dragon LLC
>住所:Suite 305, Griffith Corporate Centre,P.O. Box 1510, Beachmont, Kingstown,Saint Vincent and the Grenadines
>香港オフィス:Room2501, 38 Wong Chuk Hang Road, Wong Chuk Hang, Hong Kong
まず運営会社の「Blue Dragon LCC」がSAINT VINCENT AND THEGRENADIESで登記している、登録番号が「1438 LCC 2021」であるという記述を確認しようとしましたが確認出来ません。
住所はセントビンセント・グレナディーンと香港になっていますが香港にオフィスがあるなら中国語とか香港語にサイトが対応していない、対応言語が英語と日本語だけというのはおかしいでしょう。この時点で強い違和感があります。
またセントビンセント・グレナディーンの住所は一見して気が付きましたが、海外の怪しげなFX業者などの住所として頻繁に出てくる住所であり、左に示したWILFRED SERVICES LTD (https://www.wilfredinternationalservices.com/) というオフショア会社の住所に一致します。そして住所の一部になっているGriffith Corporate Centre (https://griffithcorporatecentre.com/) もシェアオフィス / バーチャルオフィス業者であり、WILFRED SERVICES LTDはその一角に入居している店子という状況なのですが、Griffith Corporate Centre からWILFRED SERVICES LTDについて非常に多くの問い合わせや苦情が寄せられているという告知が出ています。以下にその告知の冒頭部を示します。
おそらくこの住所を架空住所として使った詐欺などが頻発しており、被害者などから苦情などが多数寄せられているという状況なのだと思われますが、自分たちは無関係と主張しているだけの告知です。責任逃れとしか思われません。そして本サイトで検証しているサイトでも部屋番号まで同じ住所が所在地としてしばしば登場しています。具体的には以下のサイトで同じ住所が所在地であるという記述が確認されています。
「検証4」 フォレックスランド https://www.forexland-fx.com/ja/)
「検証9」 アメージングティック (https://www.amazingtick.com/amt/ja/)
「検証12」 ジャストフォレックスゴー (https://justforexgo.com/jp)
「検証12」 HFマーケッツ (https://www.hfm.com/int/jp/)
「検証12」 ブビンガ (https://bubinga.com/ja)
「検証12」 ザ・オプション (https://jp.theoption.com/)
「検証21」 スパークグローバルリミテッド (https://japanese.sglfd.com/index.html)
「検証59」 モガFX (https://www.mogafx.com/)
「検証60」 IFSマーケッツ (https://ifsmarkets.vc/)
「検証85」 ユートラダ (https://www.utrada.com/ja)
この住所は架空住所でほぼ間違いありません。
次に香港オフィスの住所
>Room2501, 38 Wong Chuk Hang Road, Wong Chuk Hang, Hong Kong
についても検索してみるとSpaces (https://www.spacesworks.com/ja/) というシェアオフィス / バーチャルオフィス業者の香港にあるAxa Southsideという拠点の住所に一致していることが分かりました。左にキャプを示しますが入居しているビルの1階、2階、25-27階を占めているようでRoom 2501 はおそらく25階にあるものと思われます。
またこの業者は日本にも拠点があって左のキャプの下端には日本からの連絡先として日本の国番号である [+81] から始まるフリーダイヤルの電話番号 (+81 120-974-669) が問い合わせ先として示されています。この住所も架空住所の可能性が高いように思われます。
連絡先情報を探して例によってWho Is 情報も確認しましたが、セントビンセント・グレナディーンのオフショア会社の住所が記されているだけです。サイトの登録・開設日は2021年8月30日になっています。
結論としてこのサイトについても信頼できるサイトとは思われません。日本の金融庁で金融商品取引業者の登録を得ていないだけでなく、それ以外の国でも金融ライセンスを得ていることは一切確認出来ません。サイトの記述内容には疑わしい点が少なからず見つかりますし、上で検証したFXビヨンド / FXフェア、アサシンFXといったサイトと同じグループによるサイトの可能性もあるように思われます。このサイトでの投資は推奨できません。
※付記
時期が不明なのですが、BDFXというサイト名がBLUE DRAGON (ブルードラゴン) に改称されたことに気が付きました。改称に伴ってサイトの見かけも少なからず変化しているようです。以下で改称後のサイトについてまとめているので参照してください。
●BLUE DRAGON (ブルードラゴン https://www.bd-fx.com/jp/)
関東財務局から2025年1月29日付で無登録の違法業者であるとして警告が出た業者ですが、上で検証したBDFX (http://www.bd-fx.com/jp/) が改称しただけのサイトでURLアドレスが同じです。まず関東財務局から出た警告を以下に示します。
そしてこの警告から「Blue Dragon」を検索して見つけてきたサイトの冒頭部の画像をまず以下に示します。
▼ブルードラゴン (https://www.bd-fx.com/jp/) [表示言語:日本語、英語]
比較の為に上で検証したBDFX (http://www.bd-fx.com/jp/) のサイト冒頭部の画像を再掲します。
▼BDFX (http://www.bd-fx.com/jp/) [表示言語:日本語、英語]
この冒頭部の相互比較では改称前後で大きく変わっていて同じサイトとは思えません。しかし以前のサイトの形跡が全く残っていないわけではないようです。以下はブルードラゴンのサイトにある「STRENGTHS Blue Dragonの強み」と題されたサイトの特長を7項目にまとめて説明している部分の画像です。
そして上のBDFXの検証でも示しましたがBDFXのサイトにもサイトの特長を7項目にまとめて説明している部分があります。以下に画像を再掲します。
例えば最初の項目を比較してみます。
▼ブルードラゴン
>口座開設費用なし!高い取引品質
>低スプレッド、高い約定力。安定したレート配信に自信があります。
▼BDFX
>高い取引品質
>低スプレッド・高い約定力、安定したレート配信
明らかに似ています。他の6つの項目の文章も互いに明らかに似ていてブルードラゴンの記述はBDFXの記述に多少の付け加えがあって強調されたような文章になっているようです。
さらに以下に示したのはメニューバーの「お取引」という項目からリンクされているサブページにある「ACCOUNT TYPE 口座タイプ」と題された部分の画像です。
4つの口座タイプが用意されているようですがこの部分には気になる記述があります。4つの口座タイプのいずれについても緑の丸が3つ並んでいる部分の中央の丸の中に以下の記述があります。
>最低10,000円から入金可能
そしてこの部分について表示言語を英語にすると以下のようになります。
日本語版で
>最低10,000円から入金可能
と書いてあった部分の英語版の記述を見ると
>can deposit from a minimum of 10,000 yen
と書いてあります。英語版でも最低入金額が1万円なのです。後述するようにブルードラゴンの運営は海外にあるとなっていますが、英語版でも最低入金額を円建てで示していることに非常に違和感があります。前身であるBDFXのサイトの検証でも指摘しましたが、ブルードラゴンのサイトを運営しているのは日本のグループである可能性が高いと考えます。またBDFXの検証でも書きましたがこうした英語版でも複数の口座タイプの最低入金額が円建てで示されているという奇妙な記述は上で検証したFXビヨンドおよびアサシンFXでも確認されています。BDFX/ブルードラゴンはFXビヨンドやアサシンFXといったサイトと同じ系列、同じグループによるサイトである可能性も考えられます。
次にブルードラゴンのサイトで連絡先情報や金融ライセンス情報を探してみました。以下は「ABOUT BLUE DRAGON Blue Dragonについて」と題されたサブページにある連絡先情報の画像です。
記述を以下に書き出します。
>社名 Blue Dragon LLC
>登録番号 1438 LLC 2021
>住所 Suite 305, Griffith Corporate Centre, Beachmont, Kingstown,Saint Vincent and the Grenadines
Vietnam Office:
22nd Floor, Ngoc Khanh Plaza Building, No. 1 Pham Huy Thong Street,
Ngoc Khanh Ward, Ba Dinh District, Hanoi City, Vietnam.
>E-mail info@bd-fx.com
まず住所が2つあるのに電話番号がありません。1つ目のセントビンセント・グレナディーンの住所はBDFXの検証で書きましたが、WILFRED SERVICES LTD (https://www.wilfredinternationalservices.com/) というオフショア会社の住所です。この住所にブルードラゴンの運営会社である「Blue Dragon LLC」が実在するとは到底思えません。
2つ目のベトナム・ハノイ市の住所には確かに「Ngoc Khanh Plaza Building」という30階建てのビルが存在しているようですが、その22階にブルードラゴンの運営が実在しているかどうかは確認出来ません。
そしてブルードラゴンのサイトには金融ライセンスに関する情報は見当たりません。日本の金融庁のライセンスを得ていたにことは本項で最初に引用した関東財務局からの無登録の違法業者としての警告から間違いありませんが、海外でもライセンスは得ていないものと考えざるを得ません。
ブルードラゴンでの取引は推奨できません。
●GSTrade (GSトレード https://gs-ltd.hk/ja/)
関東財務局から無登録の違法業者であるとして警告が出ている業者です。以下に警告の画像を示します。警告の日付は令和2年 (2020年) 3月9日となっています。
>業者名等 Global Seek Limited
>所在地又は住所 3/F, World Trust Tower, 50 Stanley Street, Central, Hong Kong
>内容等 インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの
>備考 当該業者が提供するサービスの名称は「GSTrade」である。
この警告では所在地が香港になっています。この香港の住所についてはまた後述します。
またこの業者についてはYahoo知恵袋に質問が出ています。幾つか引用します。
この質問に対して2つの回答が寄せられています。投稿順に示します。
2件の回答はいずれも手放しでGSトレードを推奨するような内容になっていて2件目の回答がベストアンサーに選ばれています。しかしこの質問、回答には違和感を感じます。まず投稿の日時を見ると以下のようになっています。
質問投稿: 2024年5月23日16時55分
回答1投稿: 2024年5月23日17時00分
回答2投稿: 2024年5月23日17時02分
質問投稿から5分後に1件目、7分後に2件目の回答が投稿されています。また1件目の回答を投稿している「忠司さん」という投稿ID、2件目の回答を投稿している「KKKさん」という投稿IDはいずれもこの質問の当日 (2024年5月23日) に取得されており、しかもいずれの投稿IDについても投稿はこの1件のみです。
さらにこの質問の翌日、2024年5月24日にも同様の質問&回答が出ています。
この質問に対しても2件の回答が寄せられています。投稿順に2件の回答を示します。1件目がベストアンサーになっています。
いずれの回答も出金に問題なしという内容になっています。この質問についても投稿時間をまとめてみます。
質問投稿: 2024年5月24日15時10分
回答1投稿: 2024年5月24日15時16分
回答2投稿: 2024年5月24日15時27分
やはり質問の投稿から17分という短時間で2件の回答が投稿されています。また1件目の回答の「武田さん」という投稿IDは2024年5月23日、つまりこの投稿の前日、2件目の回答の「miさん」という投稿IDは2024年5月24日、つまりこの投稿の当日に登録されていていずれもこの投稿1件しか投稿がありません。
さらに似たような投稿が他にも立て続けに投稿されています。
2024年5月23日から28日までのわずか6日間に5件の似たような質問投稿があり、いずれも質問の投稿者はID非開示、質問から回答までの時間が短く、回答者の投稿IDは使い捨て状態といった共通点があります。あまりにも不自然と考えざるを得ません。
一方で以下の様な質問も出てきました。
ネットに知り合った人にGSトレードで口座を開設してMAM/PAMM (コピートレード) で運用することを勧められたということで信頼性を質問しています。プロのトレーダーの売買注文をそのまま模倣したコピートレードを行えば大儲け出来るという勧誘ですが、信頼出来るかどうかは極めて疑問です。
ともかくGSトレードのサイトの冒頭部の画像から以下に示していきます。
▼GSトレード (https://gs-ltd.hk/ja/) [表示言語:日本語、英語、中国語、タイ語、韓国語、アラビア語、ロシア語、フランス語]
このサイトでは表示言語の選択肢として日本語、英語、中国語、タイ語、韓国語、アラビア語、ロシア語、フランス語の8言語を選択出来るようになっているのですが、日本語と英語以外の言語を選択した場合はサイト全体が選択した言語での表示になるわけではないようです。
例えば以下に英語版のサイト冒頭と中国語版のサイト冒頭の画像を順に示します。
それぞれこの冒頭部の範囲では選択した言語で表示されています。
しかしこの冒頭部以降の部分については選択した言語で表示されるとは限らないようです。以下には冒頭部に続いて出てくる部分ついて日本語版、英語版、中国語版の画像を順に示します。
この部分は日本語表示を選択すれば日本語、英語表示を選択すれば英語で表示されるのですが、中国語表示を選択すると中国語ではなく英語で表示されるようになっています。さらに表示言語選択のプルダウンメニューから選択可能なこれ以外の言語、すなわちタイ語、韓国語、アラビア語、ロシア語、フランス語を選択した場合でも中国語表示を選択した場合と同じでこの部分は英語で表示されます。日本語と英語以外の表示言語対応は不完全ということです。しかしこれは考えてみればおかしなことです。最初に引用した関東財務局から出ている警告に記されているようにGSトレードの所在地は香港となっています。所在地情報についてはまた後述します。所在地が香港ならば中国語表示に完全対応していないというのはおかしいでしょう。香港所在ならば少なくとも香港や台湾で使われている香港語 (繁体字) に対応しているのが当然ではないかと思われますが、表示言語の選択肢に香港語 (繁体字) が存在せず、中国本土で使われている中国語 (簡体字) しかないという状況もおかしいと考えます。
さらにトップページではなく、サブページについても表示言語対応を確認してみるとさらにおかしな部分があることに気が付きました。以下にはメニューバーの「パートナー (Partner)」という項目から選択出来るサブページの冒頭部の日本語版 (https://gs-ltd.hk/ja/partner/)、英語版 (https://gs-ltd.hk/partner/)、中国語版 (https://gs-ltd.hk/zh/partner/) の画像です。
それぞれの日本語表示、英語表示、中国語表示が選択されていることはそれぞれの画像の上端、メニューバーの部分の言語と右上の国旗アイコンで確認することが出来ます。しかし上の3枚の画像で確認出来るようにいずれの表示言語を選択してもこのサブページの文章は全て日本語になっています。画像は省略しますが、他の5つの表示言語の選択肢 (タイ語、韓国語、アラビア語、ロシア語、フランス語) を選んだ場合でもこのサブページの文章は全て日本語で表示されることを確認しました。このサイトを運営しているのは実は海外のグループではなく、日本のグループではないかと疑わざるを得ない状況です。
そこで連絡先情報を探してみましたが、メニューバーから選択出来る「お問い合わせ」のページ (https://gs-ltd.hk/ja/contact/) とか「会社概要」のページ (https://gs-ltd.hk/ja/about-us/) には何の情報もありません。以下は「お問い合わせ」のページの画像ですが、メール送信用の窓があるだけです。
以下に画像を示した会社概要のページにも会社概要に関する情報は何もありません。
そこでさらにサイトを見回してみると「よくある質問」のサブページ (https://gs-ltd.hk/ja/faq/) で連絡先情報を見つけることが出来ました。「どのような入金・出金方法が利用可能ですか?」という項目に連絡先情報が記されているのです。以下に画像を示します。
>現在、次の資金の入金および出金方法からお選びいただけます:銀行振込
銀行名/Bank Name: HSBCHK支店名/Branch Name: Hong Kong Office支店番号またはABA番号/Branch Code: 033銀行スイフトコード/SWIFT Code: HSBCHKHH銀行口座番号またはIBAN/Bank Account Number: 033182122838銀行支店所在地/Bank Address: Level 6, HSBC Main Building,1 Queen’s Road Central, Central 口座名義人名/Account Holder Name: GLOBAL SEEK LIMITED口座名義人住所/Account Holder Address:3/F,World Trust Tower,50 Stanley Street,Central,Hong Kong
重要なのは最後の部分です。
>口座名義人住所/Account Holder Address:3/F,World Trust Tower,50 Stanley Street,Central,Hong Kong
この香港の住所は最初に引用した関東財務局から出た無登録業者への警告に記されていた住所と同じです。そこでこの住所について検索してみると左に示したMORIBASHI INTERNATIONAL (https://moribashi.com.hk/) という日系のオフショア会社の住所と一致することが分かりました。
このMORIBASHI INTERNATIONAL (https://moribashi.com.hk/) のサイトの冒頭部には以下の画像の左下に確認出来るように
>New services for Hong Kong Company March 2022
>香港ネット銀行口座開設サポート、香港渡航不要!!
という記述があります。香港に出向かなくても香港の銀行口座が開設できるようです。
GSトレードの銀行口座はこの日系のオフショア会社が開設したものである可能性が極めて高いものと考えます。香港の住所もこのオフショア会社のものでしょう。
日系のオフショア会社を使っていることからもGSトレードはやはり日本のグループによるサイトである可能性が極めて濃厚と考えます。また関東財務局から警告が出ていることで確認出来るようにGSトレードは日本の金融商品取引業者の登録を得ていませんし、海外の金融ライセンスを得ているという情報もありません。全くの無登録業者ということになりますし、連絡先情報も全く信用出来ません。
このサイトでの投資は推奨できません。
●Milton markets (ミルトンマーケッツ https://miltonmarkets.com/ja/)
かなり前から存在していたサイトですが、いつの間にかサイトのデザインや記述がかなり改編されていることに気が付いたので改めて検証することにします。尚、この業者については関東財務局から平成30年 (2018年) 1月に無登録の違法業者であるという警告が出ています。
後述しますがこの業者は海外業者を名乗っていても日本のグループによって運営されている可能性が高いです。そしてこのサイトについてはYahoo知恵袋に出金出来ないという質問投稿が出ています。
どういう経緯でミルトンマーケッツでの取引を始めてしまったのか分かりませんが、出金手続きをして3週間経過しても着金しないという状況のようです。まずはこのミルトンマーケッツというサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼ミルトンマーケッツ (https://miltonmarkets.com/ja/) [表示言語: 英語、日本語]
表示言語の選択肢は英語と日本語だけです。このサイト冒頭部を見ると「入金ボーナス」、「1万円チャレンジ」、「口座開設ボーナス」といった項目が並んでいてボーナス支払いを強調して口座開設を促しているようです。上の画像で例えば「入金ボーナス」という項目をクリックすると以下の画像に示したように背景画像の代わりに最大40%、最大40万円までの入金ボーナスが得られるとなっていう説明が出てきます。
「最大」となっていて無条件で40%ものボーナスが得られるわけではないのかもしれませんし、サブページにある入金ボーナスの説明を読むとこの手のFX業者のボーナスにありがちですがボーナスは出金に制限が掛かっているようで現金と同じように使えるわけではないようです。
この冒頭部に続いて出てくるのは3種類の取引口座の説明です。以下に画像を示します。
どういう意図で3種類の取引口座が用意されているのか、どういう使い分けを想定しているのかよく分かりませんが、最大レバレッジが1000倍と異様に高い「スマート」口座は短期売買向け、最大レバレッジが100倍と低い「フレックス」口座は例えばスワップ金利狙いなどの長期保有向けでしょうか?
次に連絡先情報ですがメニューバーにある「当社について」という項目から選択出来る「ミルトンについて」という項目からリンクされているサブページに連絡先情報があります。
記述を書き出します。
>Milton Markets Ltd.はSt. Luciaにおいてインターナショナル・ ビジネス・コーポレーション(IBC)として正式に登録を受けた国際金融サービス提供会社です。
>Milton Markets社は、当サイトの元、欧州経済領域(EEA)外で特定の国/所轄区域に向けたサービスを提供しています。
>会社名 MILTON MARKETS LTD
>住所 1st Floor, The Sotheby Building, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia P.O. Box 838, Castries, Saint Lucia
>登録番号 2023-00166
>会社設立日 2023年5月10日
電話番号の記載はなく、住所は簡単にペーパーカンパニーが作れる租税回避地として知られるセントルシアになっています。さらにこのセントルシアの住所を検索してみるとこの住所はFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の拠点の住所に一致することが分かりました。以下にFORTGATEの連絡先情報の画像を示します。
私書箱の番号 (P. O. Box 838) までミルトンマーケッツの住所と一致しているので間違いなくミルトンマーケッツの住所はこのオフショア会社の住所です。またこのセントルシアの住所を検索するとミルトンマーケッツ以外にも同じ住所を所在地としている多数のFX業者のサイトが見つかってきます。本サイトで検証した以下のサイトも同じ住所(但し私書箱番号の記載は無し)を所在地としています。
「検証4」 ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
「検証83」 ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
「検証84」 Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
Lukインベスト (https://lukinvest.com/ja/)
「検証85」 パークウェイマーケット (https://www.parkway-market.com/)
この住所は間違いなくFORTGATEというオフショア会社を利用した架空住所でしょう。
次に出てくるのは「ミルトングループの沿革」と題された部分です。以下に画像を示します。
毎年のように法人が設立されているようなので法人設立に関する記述を抜粋して以下に書き出してみます。
設立年 法人名 設立国
2014年 WSM Invest Ltd. ニュージーランド
2015年 GCM Prime イギリス
2016年 Milton Markets Ltd. セントビンセント・グレナディーン
2017年 Milton Markets Ltd. バヌアツ
2019年 Milton Markets Ltd. セーシェル
2021年 Milton Markets Ltd. セントビンセント・グレナディーン
2023年 Milton Markets Ltd. セントルシア
一体どういう理由で頻繁に法人が設立されているのか、それらの法人は現時点でどういう状況にあるのかこれでは分かりません。連絡先情報が示されているのは最後のセントルシアの法人のみですし、しかもセントルシアの住所はオフショア会社を利用した名目だけの架空住所である疑いが濃厚ということでこれら過去に設立された法人の幾つかについて情報を探してみました。まず最初のニュージーランドについて調べてみると以下に示したWSM Invest Ltd.の法人登録が見つかってきました。
記載内容を抜粋、整理して以下に書き出してみます。
会社番号: 4873239
設立日: 2014年1月3日
登録: 2014年1月3日~2018年5月15日
登録取消: 2018年5月15日~2019年4月5日
登録: 2019年4月5日~2021年3月30日
住所: NZBCS, 8 Diana Street, Lumsden, Lumsden, 9730 , New Zealand
経営者: Jiri KUBICEK (Hviezdna 1404/2, Nitra , Slovakia 在住)
Michael REPS (12 Douglas Avenue, Arrowtown, Arrowtown, 9302 , New Zealand 在住)
この法人は2014年1月3日に設立されていますが、2018年5月15日付で登録が取り消され、2019年4月5日付で登録が復活、しかし2021年3月30日付で再度登録取り消しとなって現在は登録が取り消されたままとなっています。経営者はスロバキアのNitra (ニトラ) という町に住むJiri KUBICEKという人物とニュージーランド国内に住むMichael REPSという人物の2名となっています。残念ながら登録が2度に渡り、取り消された理由など分かりませんが、とにかく現状では登録が取り消しになった状況であることは間違いありません。
次にイギリスでの法人登録を探してみました。沿革によれば2015年に登録された「GCM Prime」というイギリス法人が存在するはずなのですが、この条件を満たす法人登録は見つかりません。しかし代わりに以下に画像を示しましたが2016年に登録された「Milton Markets UK Limited」という法人登録が見つかってきました。
法人名は沿革に書いてあった「GCM Prime」ではなく、「Milton Markets Limited」となっており、沿革に記されていた2015年ではなく、2016年7月12日に登録されています。さらにこの法人は2018年12月18日に既にDissolved (解散) となっています。しかしこの法人登録情報の経営者の情報のページを見ると唯一の経営者として以下の画像に示したチェコ国籍、チェコ在住のJiri KUBICEKという人物が登録されています。
Jiri KUBICEKという経営者の氏名は上で示したニュージーランドの法人登録で登場していたスロバキア在住の経営者の名前と同じで偶然とは思えません。この「Milton Markets Limited」というイギリス法人は本項で検証しているミルトンマーケッツのサイトと関連があるものと考えざるを得ません。いずれにしろこのイギリス法人も法人登録から2年半ほどで既に法人登録が取り消されている状況ですからミルトンマーケッツのサイトに連絡先情報が示されていなかったのはある意味で当然ということかもしれません。
次はバヌアツの場合です。バヌアツの金融ライセンスを管理するVanuatu Financial Services Authority (VFSC https://www.vfsc.vu/) にサイトにある「Register Search」を利用して沿革にある「Milton Markets Ltd.」という法人名を検索してみると以下の法人名に「Milton」を含む2件が見つかってきました。
▼MILTON INVESTMENTS LIMITED (4867)
登録日付:1993年2月26日
登録取消:1993年7月1日
▼MILTON LIMITED (4173)
登録日付:1990年6月26日
登録取消:1993年6月4日
いずれも1990年代前半に登録され、短期間で登録取り消しになっています。また既に解散済みとなっています。ミルトンマーケッツは沿革の記述によれば2014年に創業したとなっていますから1990年代に登録され、登録取消になっているこれら2つの法人と関係があるとは思えません。つまりセーシェルにミルトンマーケッツ関連の法人が存在しているあるいはかつて存在していたという形跡は見つからなかったという結論になってしまいます。
次にセーシェルの金融ライセンスを管理するFinancial Services Authority (FSA) のサイト (https://fsaseychelles.sc/) でミルトンの登録情報を探してみました。「Capital Markets」> 「Securities Dealer」の登録リストで見つかったのが以下の画像の「MILTON GLOBAL LTD」の登録情報です。
住所: Office 1, Unit 2, 2nd Floor Dekk House, Plaisance, Mahé, Seychelles
サイト名: MILTONPRIME
電話番号: 4344573
メールアドレス: hiro@holiwayltd.com
公式サイト: https://www.miltonprime.com
これは本項で検証しているミルトンマーケッツの登録情報ではなく、MILTONPRIME (ミルトンプライム https://www.miltonprime.com) という別個ではないかと思われる業者の登録情報です。ところがこのミルトンプライムというサイトにアクセスしてみるとミルトンマーケッツと無関係とも言えないサイトであることが分かりました。以下にミルトンプライムのサイトの冒頭部の画像を示します。
▼ミルトンプライム (https://www.miltonprime.com) [表示言語:英語、スペイン語]
ミルトンマーケッツとミルトンプライムのサイトを比較してサイト全体としては特に似ているようには思えないのですが、上の画像の左上に見えるロゴの部分だけは明らかに似ているように思われるのです。2つのサイトのロゴの部分だけを切り出して比較してみます。左下がミルトンマーケッツ、右下がミルトンプライムのロゴです。到底偶然とは思えないほど2つのサイトのロゴは互いに似ているように思われます。
しかしこれら2つのサイトをざっと眺めてみても互いのサイトに関する言及は無いようです。サイトのWho Is 情報を調べてみるとサイトの登録・開設日はそれぞれ以下のようになっています。
サイト名 登録・開設日
ミルトンマーケッツ 2015年10月29日
ミルトンプライム 2020年3月6日
ミルトンマーケッツのサイトの方が4年半近く先立って開設されています。ミルトンマーケッツを運営しているグループがミルトンプライムを立ち上げているのでしょうか?ちなみにミルトンプライムについても日本語対応していないのでここでは詳しく検証しませんが、住所がオフショア会社の住所である可能性が高いといった理由により、信頼できる業者とは思えません。
それから現在のミルトンマーケッツのサイトでは確認出来ないのですが、以前にミルトンマーケッツのサイトを確認した際にはミルトンマーケッツを運営しているのは日本のグループではないかと思われる部分がありました。例えば以下は2017年2月に取得したミルトンマーケッツのサイトのWho Is 情報の画像です。
まず黄色の枠で囲った部分には既に示したようにサイトの登録・開設日が2015年10月29日であることが示されています。そして問題は赤枠で囲った部分に示されている登録者の情報です。
登録者名: PETER TAKAC
登録者所属: MILTON MARKETS LTD.
登録者住所: SUITE 305, GRIFFITH CORPORATION CENTER, P.O. BOX 1510, BEACHMOTH, KINGSTOWN, VC1410, VC
登録者電話番号: +81. 345888703
登録者メール: RND@GCMFX.COM
登録者の所在地の「VC」というのはセントビンセント・グレナディーンというペーパーカンパニーが簡単に作れる租税回避地として有名なカリブ海に浮かぶ島国を意味します。さらにこの住所は本サイトにおける検証で頻繁に登場している住所であり、例えば上で検証しているBDFX (http://www.bd-fx.com/jp/) でも所在地とされている住所です。またこの住所をそのまま検索するとこの住所を所在地としているFX業者が山のように見つかってきます。そしてBDFXの検証で書いていますがこの住所はWILFRED SERVICES LTD (https://www.wilfredinternationalservices.com/) というオフショア会社の住所であることが分かっており、間違いなく架空住所です。
そしてこの連絡先情報で異様なのが電話番号です。
>+81. 345888703
この電話番号は日本の国番号である[+81]から始まり、次が[3]となっています。この電話番号は日本の市外局番が[03]の地域、つまり東京の電話番号ということになります。また以下は2018年9月に取得したミルトンマーケットのサイトの連絡先情報部分の画像です。
>電話でのお問い合わせ
>電話番号:03-4586-4741
>FAX番号:03-4243-2445
>Eメール
>support@miltonmarkets.com
>会社住所
>ニューヨーク本社
>85 Broad St, 16th Fl., New York, New York, 10004
>Milton Markets Ltd.
>Suite 305, Griffith Corporate Centre, P.O. Box 1510, Beachmont, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines
ここに記されている住所はアメリカのニューヨークとセントビンセント・グレナディーンの架空住所ですが、電話番号、FAX番号はいずれも東京の03局番から始まっていて日本国内、東京の電話番号としか思えません、但しここに記されている電話番号はWho Is 情報に記されていた「+81. 345888703」という電話番号とは異なる電話番号です。
さらに以下は表示言語を英語にした場合の連絡先情報です。これも2018年9月に取得した画像になります。
ここでも電話番号は東京の03局番の電話番号になっています。日本にも拠点があって日本語版の電話番号だけ日本の拠点の電話番号になっているのならまだ分かりますが、英語版のサイトでも連絡先の電話番号が日本の電話番号という状況は明らかにおかしいです。英語版で示されている住所はセントビンセント・グレナディーンの架空住所だけで日本語版で示されている「ニューヨーク本社」の住所が英語版サイトに存在しないというのも明らかにおかしいです。
さらにミルトンマーケッツのサイトへのアクセス状況を調べた結果を以下の画像に示します。
アクセス回数は1ヶ月に2万回前後のようです。問題なのは国別のアクセス状況でアクセスの100%が日本国内からのアクセスとなっています。これは明らかに異様です。実は2018年の2月にも国別のアクセス状況を調べており、その際にもアクセスのほぼすべてが日本国内からであるという結果になっています。
ミルトンマーケッツは海外業者を名乗っているものの海外の住所はオフショア会社を利用した架空住所と思われ、一方で電話番号が日本の電話番号でアクセスの全てが日本国内からという状況から実際に運営しているのは日本国内のグループである可能性が強く疑われます。ミルトンマーケッツでの取引は推奨できません。
※付記
ミルトンマーケッツのサイトと非常によく似たQuickCashFX (クイックキャッシュFX https://quickcashfx.com/) というサイトが見つかってきました。おそらくミルトンマーケッツの運営グループとは別個の海外のグループによるサイトだと思われ、ミルトンマーケッツのサイトの画像、デザイン、文章を盗用しているものと考えられます。「検証87」で検証しているので参照してください。