検証5

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには関東財務局から違法業者として警告が出ているサイト、被害報告が出ているサイトも含まれています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは以下を検証します。


●ATLAS FOREX (アトラスフォレックス https://www.atforex-markets.com/http://atforex-markets.com/jp/index.html)

MILLION FX (ミリオンFX https://millionfxtrade.com/jp/)

●Forex Bz (フォレックス Bz https://www.forexbz.com/?locale=ja)

●Aroon Prime Trader (アルーンプライムトレーダー https://aroon-tc.com/lang/jp/index.php)

●FOREX PRICE MARKET LTD (フォレックスプライスマーケットリミテッド https://forexpricemarkets.com/index.php)

●FRM DEALING (FRM ディーリング https://frmdealing.com/)

●AHEAD (アヘッド https://ahead-fx.com/)

●HAST FOREX (HASTフォレックス https://hastforex.com/)

●SIXAMO FX (https://sixamo.forex/)

●CRYPTOGRAPH LIMITED (クリプトグラフリミテッド https://cryptograph.finance/)


まず以下から検証します。

●ATLAS FOREX (アトラスフォレックス https://www.atforex-markets.com/http://atforex-markets.com/jp/index.html)

表題に示したようにこのアトラスフォレックスというサイトにはトップページらしきものが少なくとも2つあります。それぞれのURLアドレスは以下のようになっています。

短いURLのサイト https://www.atforex-markets.com/

長いURLのサイト http://atforex-markets.com/jp/index.html

前者のURLは暗号化されていることを示す「https」から始まっていますが、後者は暗号化されていないことを示す「http」で始まるURLアドレスです。何故2つのURLアドレスが共存しているのか理由は不明です。後述するように記載内容も微妙に異なるので別々に説明せざるを得ませんが、特に記載がなければ暗号化されている方が新しいサイトと考えて短いURLのサイトを基本的に検証対象にしています。

まずこれは2020年5月にYahoo知恵袋に出てきた以下の質問で知ることになった業者です。Pay Walletという入金手段が出てきていますがこの件についても後述します。

さらにこの投稿の翌月にはやはりYahoo知恵袋に出金出来ないという投稿が出てきました。

全く聞いたことのなかった業者だったので早速サイトを検索してみると本項の最初に書いたように同じドメイン名を使っているのですが2つのトップページが見つかってきました。まず以下が短いURLアドレス (https://www.atforex-markets.com/) のサイトの冒頭部のキャプです。表示対応言語はプルダウンメニューに見えるように日本語と英語だけです。

次いで以下が長いURLアドレスのサイト (http://atforex-markets.com/jp/index.html) の冒頭部のキャプです。こちらも表示言語の選択肢は日本語と英語だけで短いURLアドレスのサイトと比較するとメニューバー部分が白と黒とか明らかな違いがある一方で非常に互いに似ていることも間違いありません。

最初はどちらかが偽サイトなのかとも考えましたが2つのURLアドレスのドメイン名は同じなのでやはりアトラスフォレックスには2つのトップページが存在しているとしか考えられません。どのような使い分けがあるのかは不明です。そして見かけが少々異なるトップページが2つあるだけなら大した問題ではないのですが、連絡先情報を探してみると問題が生じました。要するに2つのトップページのメニューバーから会社概要を見ると会社の所在地情報が異なることが判明しました。

まず短いURLアドレスのサイト (https://www.atforex-markets.com/) のメニューから出てくる会社情報のページ (https://www.atforex-markets.com/about_atlas)は以下のキャプのようになっています。

>会社情報

>名称 Atlas Fx Ltd.

>本社 中国上海市嘉定区?源路518弄19号

>ライセンス所在地 Belize IFSC (International Financial Services Commission).

>お問い合わせ先 support@atforex-markets.com

住所は中国の上海になっています。電話番号はなく、金融ライセンスはベリーズで得ているとあってメールアドレスが記されています。

一方で長いURLアドレスのサイト (http://atforex-markets.com/jp/index.html) のメニューバーから出てくる会社情報のページ (http://atforex-markets.com/jp/about.html#page-ank) は以下のキャプのようになっています。

>会社情報

>名称 Atlas Fx Ltd.

>本社 33 Canton Rd, Tsim Sha Tsui, HongKong

>ライセンス所在地 16 Hutson Street, Suite 304, Belize City, Belize C.A. It is licensed and regulated by IFSC (International Financial Services Commission).

こちらの住所は上海ではなく、香港になっています。さらにライセンスをベリーズで得ているという点は同じですがベリーズの住所が書いてあります。しかしこちらにはメールアドレスがありません。

そしてここにある香港の住所は不完全な住所のようです。すなわちこの住所にはロイヤルパシフィックホテルというホテルが入居するザ ロイヤル パシフィック ホテル & タワーズ (香港皇家太平洋酒店)という高層ビルがあり、住所を書くなら階数や部屋番号が必須と思われます。

2つの会社情報で本社の住所が一方は中国の上海、他方は香港と書いてあってどちらが本当なのかそれともどちらもデタラメなのか分かりませんが電話番号がないといった点からも会社情報の開示は明らかに不充分、不適切です。そもそも中国あるいは香港に本社があるならサイトの表示言語の選択肢が英語と日本語だけというのは明らかにオカシイです。少なくとも中国語 (香港語)には対応していなければならないはずです。これら2つの会社情報はいずれも信用する気になりません。

さらに2つの会社情報に共通して金融ライセンスをベリーズの IFSC (International Financial Services Commission、国際金融サービス委員会)で得ているとあったのでIFSCのサイト (www.ifsc.gov.bz/) で確認を試みました。しかし「Licensed Service Providersのリスト」を見ていくと他のFX業者の登録は複数確認出来ますがその中にアトラスフォレックスの登録は見つかりません。アトラスフォレックスは日本の金融庁で登録がないだけでなく、いずれの国でも登録のない無登録の違法業者ということになると思われます。

会社情報には本社所在地が中国の上海あるいは香港と記されていてもサイトが中国語表示に対応していないことから信用出来ないと書きましたが、それならばアトラスフォレックスが何処に本拠があるのかという問題が残ります。表示対応言語は英語と日本語だけなのですから英語圏かあるいは日本国内に本拠がある可能性が高いように思われますが、結論から言えばアトラスフォレックスは英語圏の業者とは思えません。消去法で海外業者を名乗っていても実際には日本のグループによって運営されている可能性が高いという結論になります。何故英語圏の業者ではないのかと言えば表示言語を英語にしてサイトを見ていくと非常に不自然な部分が幾つも目につくからです。

例えば英語表示のサインイン画面のキャプを以下に示しますが「アカウント登録もしくはログインしてください」という日本語の文章が混じっています。

さらに以下は英語表示でみた入金方法のページのキャプですが英語の文書の中に突然「銀行送金」という4文字が登場しています。

さらにFAQ (よくある質問)のページを日本語版と英語版で比較してみると非常におかしなことになっています。まず日本語版のFAQの1つのキャプです。英語が話せなくてもサーポートチームは英語、日本語、中国語に対応しているから安心であるという回答になっています。右下にはサポートからチャットで対応するというポップアップが表示されています。

しかしこのFAQのページを英語表示にしてみると異様なことになります。英語が話せないけど問題ないかという質問がそのまま直訳されて英語になっています。英語が不得手な人向けの案内が英語で書かれているというのは明らかにオカシイです。一体この項目どんな人向けに書かれたものなのでしょうか?また右下に見えるポップアップは日本語表示のままです。

さらに日本語表示、英語表示を切り替えていて気が付きましたが、URLアドレスにもおかしな部分があります。この検証の冒頭でアトラスフォレックスのURLが2つあることを指摘しましたが例えば短いほうのURLアドレスにアクセスしてみます。

https://www.atforex-markets.com/

このURLにアクセスすると日本語表示になります。そこで英語表示に切り替えるとURLが以下のように変わります。

https://www.atforex-markets.com/index.html?locale=en

つまりアトラスフォレックスの表示言語のデフォルトは日本語のようで英語表示がオプションになっています。こうした言語表示に関する数々の異様な状況を考えるとアトラスフォレックスの運営元は中国や香港でも、英語圏の国でもなく、日本のグループである可能性が非常に高いと考えざるを得ません。そしてアクセス状況を解析出来るサイトでアトラスフォレックスのサイトへのアクセス状況を調べると以下のキャプに示したようにアクセスの100%が日本国内からのアクセスであるという結果が出ます。

アトラスフォレックスは日本のグループが日本人を標的にして立ち上げられ、運営されているサイトで間違いないでしょう。さらにこの運営グループはアトラスフォレックス以外にも複数のFXのサイトを立ち上げている可能性があります。以下はHYPESTATというサーバー情報を解析出来るサイトでアトラスフォレックスとIPアドレスを共有するサイトを調べた結果です。

アトラスフォレックスのサイトは他に4つのサイトと同じIPアドレス (173.247.224.136)を共有していることが分かります。それら4つのサイトを調べてみました。

▼MILLION TRADE (ミリオンFX https://millionfxtrade.com/jp/) 日本語対応のFX業者 (所在地不明)

▼TOTALLY RELAX (http://www.totallyrelax.net/index.html) 香港のマッサージサロン

▼DRME (https://www.drme.biz/) シンガポールのスニーカーを扱う通販業者

▼GOTHAM FX (https://gothamfxtrading.com/) 日本語非対応のFX業者 (所在地不明)

これら4つのサイトの中で最初の日本語表示にも対応しているミリオントレードのサイトは以下で検証しています。そしてこれら4つのサイトの中で最も気になったのは2番目のTOTALLY RELAXという香港のマッサージサロンのサイトです。このサイトは以前に検証したForexExpress (フォレックスエクスプレhttps://forexexmarkets.com/) TritonFx (トリトンFX https://www.triton-fx.com/) という2つのサイトと同じIPアドレス上にあるということで登場していたサイトです (以下のキャプ参照)。フォレックスエクスプレスとトリトンFXの検証はそれぞれ旧サイトの「海外FX業者検証2」「海外FX業者検証8」を参照してください。

そこで同じIPアドレス上のサイトを別の方法、具体的にはBing (https://www.bing.com/) という検索サイトの機能を使って同じIPアドレス上のサイトを検索してみました。するとアトラスフォレックスとIPアドレスを共有するサイトをHYPESTATで調べた結果として見つかってきた4つのサイトに加えて以下の3つのサイトが出てきました。

▼Forex Express (フォレックスエクスプレhttps://forexexmarkets.com/)

▼TritonFX (トリトンFX https://www.triton-fx.com/)

▼Olecrypto (http://olecrypto.com/) サモアの仮想通貨関連サイト

複数の方法(サイト)で調べてどうして異なる結果になるのか仕組みが分かりませんがやはりアトラスフォレックスのサイトとトリトンFXやフォレックスエクスプレスは同じIPアドレス上にある可能性があるようです。となればこれらのFX業者の間には組織的な繋がりがある可能性もあるように思われます。

さらにアトラスフォレックスとトリトンFXやフォレックスエクスプレスの関係性を示唆する糸はこれだけではありません。アトラスフォレックスの入金手段を説明するページには4つの方法が挙げられています。

「銀行送金」 (銀行口座情報は非開示)

「海外送金」(具体的な手段の詳細は非開示)

「PayWallet間送金」

「クレジット決済」(クレジットカードのロゴが並んでいるが現在準備中とある)

何故銀行口座情報を開示出来ないのか、「海外送金」の中身も何故秘密なのかといった疑問がありますがここで取り上げたいのは3番目の「PayWallet間送金」というものです。アトラスフォレックスのサイトにあるこのPayWallet (ペイウォレット) に関する記述を以下のキャプに示します。

この説明も具体性を欠いていてよく分かりませんが最後にある「こちらから」のリンクはペイウォレットの口座開設申し込みのページに繋がっています。以下がそのページのキャプです。表示言語は日本語の他に英語と中国語、香港語からの選択になっています。

サイトが日本語対応しているということは日本で海外送金業務を担っていると考えざるを得ませんがペイウォレットには海外送金業務を担うのに必要であるはずの銀行とか資金移動業者の登録があるようには思えません。一応金融庁のサイトで公開されている資金移動業者の登録リストを確認してみましたがペイウォレットと思われる登録は見当たりません。ペイウォレットは違法な地下銀行の可能性があると思われます。

そして以下はこのペイウォレットのサイトの「会社案内」のページから事業形態と会社概要の項目のキャプです。

「アジア、東南アジアを主とし、常駐スタッフが皆様をフォロー」しているにしては表示対応言語に東南アジア圏の言語が全く含まれていないことがまず気になります。さらに開示されている会社概要は明らかに不充分です (以下のキャプ参照)。

>会社名 Forex Price Markets Ltd.

>住所 16 Hutson St., Suite304, Belize City, Belize

電話番号もなく住所はベリーズです。そしてこのベリーズの住所はアトラスフォレックスのライセンス上の所在地とされていた住所と全く同じです。アトラスフォレックスとペイウォレットは実質的には別個の存在ではなく、同じグループによって運営されているのではないかと疑わざるを得ません。アトラスフォレックスは実際には日本に本拠がある可能性がありますからPay Walletは海外送金など実際には行っていないという可能性も充分に考えられます。さらにアクセス状況を解析出来るサイトでペイウォレットのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないことが分かりました、

さらにペイウォレットが送金に使われている事例がどれほどあるのか知ろうとして「PAY WALLET」やそのURLアドレスを検索しても殆ど何も出てきません。アジア、東南アジアを中心に現地駐在を置いて手広く送金業務を行っている会社という主張を裏付けるような情報は殆ど見つかってこないのです。その中で


Pay WalletのURLアドレスを検索していて気が付きましたがここまでの検証で既にアトラスフォレックスとの関係が疑われていたForexExpress (フォレックスエクスプレス)のサイト、「Partner」のページに以下の記述を見つけました。フォレックスエクスプレスはペイウォレットとパートナーシップを結んだとあってペイウォレットのURLアドレスが記されています。

但しフォレックスエクスプレスの入金方法を説明する「Deposit」のページを見てもペイウォレットでの入金が可能であるような記述は見つかりません。ともかくペイウォレットと関係が確認されるたった2つのサイトがアトラスフォレックスとフォレックスエクスプレスであるという状況から考えてやはりアトラスフォレックスはフォレックスエクスプレスやその兄弟サイトと考えられるトリトンFXと同じグループによる運営である可能性が高いのではないかと考えざるを得ません。

結論として最初に引用したYahoo知恵袋の投稿では出金出来ないという情報が出ていますし、リンクはしませんがネット検索するとやはりアトラスフォレックスから出金出来ないという報告が複数存在しているようです。所在地などの情報開示は全く不充分ですし、ベリーズで取得しているという金融ライセンスも確認出来ません。さらにこれも出金出来ないという被害報告があるフォレックスエクスプレスやトリトンFXを運営していると思われるとおそらく日本国内のグループによってアトラスフォレックスは運営されている可能性が疑われます。あらゆる点から考えてアトラスフォレックスはかなり危険な業者と考えざるを得ません。アトラスフォレックスでの口座開設や取引は到底推奨出来ません。


※付記1

Yahoo知恵袋にアトラスフォレックスから出金出来なくなっているという被害報告が出てきました。

2021年2月22日投稿

入金した銀行口座名が情報提供されています。

>▼送金先情報

>銀行名:西武信用金庫

>支店番号:102

>支店名:千駄ヶ谷支店(102)

>口座種類:普通口座

>口座番号:2137935

>口座名義人:アルテアスピラシオン(カ


口座名義人になっている「アルテアスピラシオン(カ」についてまず国税庁の法人番号公表サイトで法人登録を探してみましたが該当がありません。そこで社名をそのままネット検索すると他にも同じ業者の口座が関係した被害事例が見つかってきました。特に興味深いのが以下の被害者によるブログです。

【実体験】Atras Forex アトラスフォレックス アルテアスピラシオン 注意喚起サイト

このブログから一部抜粋引用します。

MILLION TRADE (ミリオントレード https://millionfxtrade.com/jp/)、ForexExpress (フォレックスエクスプレhttps://forexexmarkets.com/) TritonFx (トリトンFX https://www.triton-fx.com/) と関連している可能性などは分かっていましたがこれは出会い系サイト、競馬予想サイトなどさらに幾つもの詐欺サイトを運営してきたグループの可能性が高いようです。

ちなみに入金先口座の名義人となっていたアルテアスピラシオンのサイト (https://succeed1992.wixsite.com/mysite) が見つかりましたが事業内容などは非常に曖昧です。

このサイトにも一応は特定商取引法のページがあります。

>販売者名  アルテ アスピラシオン株式会社

>所在地  東京都豊島区南池袋1-9-18-331

>電話番号  03-4400-1159

>メールアドレス  info@arte-aspiracion.com

月額利用料金:スタンダードプラン 8,640円 (税込) というのは何の価格でしょうか?

住所は東京都豊島区南池袋となっていますがこの住所を検索するとGOGOオフィス池袋というシェアオフィス業者の住所に一致するようです。この住所に事業実体があるかどうかは極めて疑問でしょう。

また被害者のブログで指摘されていたようにアルテアスピラシオンは「競艇ダイナマイト (http://www.kyotei-dynamite.com/)」といったギャンブルの予想サイトを運営していたようですがネット上の評価は最悪でサイトは既に閉鎖されているようです。

それから西武信用金庫・千駄ヶ谷支店の口座が入金に使われていることが判明しましたが同じ西武信用金庫・千駄ヶ谷支店の口座が以前に検証したOcean Coin (オーシャンコイン http://ocean-coin.com/jp)という仮想通貨案件でも登場していたことを思い出しました。オーシャンコインのサイトはその後、閉鎖されていますが姉妹サイトの「検証3」に検証がありますから参照してください。このオーシャンコインの案件などもアルテアスピラシオン関連だったのかもしれません。

※付記2

Twitterにもアトラスフォレックスから出金出来ないという投稿が複数出ていることに気が付きました。一部を引用します。

2020年6月10日投稿

※付記3

2021年4月28日付で関東財務局からアトラスフォレックスについて無登録の違法業者であるとする警告が出ました (以下のキャプ参照)。


MILLION FX (ミリオンFX https://millionfxtrade.com/jp/)

上で検証したアトラスフォレックスとの関連で出てきた、具体的にはアトラスフォレックスと同じIPアドレス上にあることで見つかってきたサイトです。アトラスフォレックスと同じグループによって運営されている可能性が高いのでアトラスフォレックスの検証と併読してください。まず以下がサイト冒頭のキャプです。表示対応言語は英語と日本語のみです。

FX業者であることは分かるのですが、このサイトは異常に情報が少ないです。例えばどんな通貨ペアが取引可能なのかといった基本情報さえが公開されていません。リアルタイムの為替情報とかチャートもありません。

さらには連絡先情報も殆ど開示されていません。「お問い合わせ」という項目を開いてもメール送信用の窓があるだけです。連絡先情報として開示されているのは右のキャプに示しましたが脚注部分にメールアドレスが1つあるだけです。

>support@millionfxtrade.com

それ以外にはトップページに以下のキャプに示した記述があります。

>EUの規制および認可を受けた外国為替ブローカー

とあるので確認を試みました。まずイギリスの金融ライセンスを扱うFCA (Financial Conduct Authority, 金融行為規制機構) のサイトで金融ライセンスのリストを検索してみましたが以下のキャプに示したように該当なしという結果になります。

さらにキプロスのCYPRUS SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION (CYSEC, キプロス証券取引委員会)  のサイトにある登録業者のリストを探してみましたがやはり該当がありません。EU圏内での金融ライセンスをミリオンFXが取得しているとは思われません。

さらに関東財務局からは2020年3月9日付で無登録の違法業者であるとして警告が出ています (以下のキャプ参照)。

そしてここで気になるのは警告対象の業者名です。「Forex.bz Ltd.」という業者が警告対象になっており、運営するサイト名・サービス名が「MILLIONFX、MillionFX」であるとなっています。しかしこの検証を書いている2022年3月時点ではミリオンFXのサイトに「Forex.bz Ltd.」という運営業者名は確認出来ません。以前は示されていた業者名がその後削除されたということかもしれません。そしてこの「Forex.bz Ltd.」という業者名は以下で検証する、同じ組織によると思われるサイトの名称になっています。

言うまでもありませんが、このサイトでの投資は推奨できません。


●Forex Bz (フォレックス Bz https://www.forexbz.com/?locale=ja)

これも上で検証したアトラスフォレックス、ミリオンFXと同じIPアドレス上にあることで存在に気が付いたサイトです。ミリオンFXの検証の最後に運営会社名が「Forex.bz Ltd.」であったらしいことを書きましたが、Forex Bz (フォレックス Bz) というサイト名と似ています。このことからもアトラスフォレックスおよびミリオンFXと同じグループによるサイトである可能性は高いものと考えられました。そして実際にこのフォレックス Bzのサイトを調べてみるとアトラスフォレックスのサイトと比較してみると似ている部分があることも分かってきたので以下の検証で示すことにします。

まず以下はアトラスフォレックスのサイト (https://www.atforex-markets.com/) と同じIPアドレス (173.247.224.136) 上のサイトを探した結果です。10個のサイトが検出されていますが、2020年12月に同一IPアドレス上のサイトを探した時には出てこなかったサイトが6つ見つかってアトラスフォレックス以外に少なくとも10個のサイトが同じIPアドレス上にあることが分かります。

そこで新たに見つかってきた6つのサイトを調べてみると上のリストの5番目の「forexbz.com」がここで検証するフォレックス Bzという本項で検証するFX業者のサイトであることが分かりました。それ以降の5つのサイトについてはFX業者のサイトではないのですがやはり同じグループによるサイトの可能性があるのでこの項目の最後に簡単に説明することにします。まずとにかくこのフォレックス Bzというサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

表示言語の選択肢は英語と日本語です。この冒頭部に続いては「ForexBzが推奨される12のメリット」と題されている部分が出てきます。以下にキャプを示します。

そして気になるのは実はアトラスフォレックスのサイトにも似たような部分があることです。「AtlasForexが信用される12の理由」と題されていて以下にキャプを示します。

個々の項目の内容が特に説明できないほど似ているというわけではないのですがかなり気になります。さらにこれは偶然ではないだろうと思えるぐらいにアトラスフォレックスのサイトと似ている部分も見つかってきました。以下はフォレックス Bzの入金手順という項目の冒頭部のキャプ画像です。

特に重要なことが書いてあるわけではありませんが、最後に「マニュアルも用意しております。こちらをご覧ください」と書いてあるのにその「入金マニュアル」へのリンクが見当たりません。違和感があります。

一方で以下はアトラスフォレックスの入金手順の項目の冒頭部のキャプです。

この2つのサイトの入金手順の項目を比べてみると記されている文章が互いに酷似していることに気が付きました。それぞれの文章を書き出してみます。

フォレックス Bz

Forex Bzは口座開設ページから、必要情報を入力して頂くだけで口座開設が完了します。 マイページで本人確認書類を提出後、ご入金頂きお取引が可能になります。 最短で口座開設当日から取引が可能になります。各種入金方法の詳細については下記をご確認下さい。 スムーズに入金を行えるよう、マニュアルも用意しております。 こちらをご覧ください。

▼アトラスフォレックス

AtlasForexは口座開設ページから、必要情報を入力して頂くだけで口座開設が完了します。マイページで本人確認書類を提出後、ご入金頂きお取引が可能になります。最短で口座開設当日から取引が可能になります。各種入金方法の詳細については下記をご確認下さい。スムーズに入金を行えるよう、マニュアルも用意しております。こちら をご覧ください。

この部分の文章は明らかに偶然とは思われないほど似ています。最初のサイト名の部分が違うだけで句読点の位置まで一字一句が全く同じなのです。違うのはアトラスフォレックスの方には最後の「こちらをご覧ください。」の「こちら」の部分が本当に入金マニュアルへのリンクになっていることだけです。

そこでさらに2つのサイトの出金手順の項目も同様に比較してみることにしました。2つのサイトからのキャプを示します。

それぞれのサイトの文章を以下に書き出してみます。

▼フォレックス Bz

Forex Bzでの出金の手段や方法についてご説明いたします。

Forex Bzでは口座開設、入金、トレード開始までの時間を可能な限り短縮し、最短で取引スタートができる手順となっています。トレーダー様が得た利益の出金手続きも可能な限り迅速に対応できるよう努めていきます。

アトラスフォレックス

AtlasForexでの出金の手段や方法についてご説明いたします。

AtlasForexでは口座開設、入金、トレード開始までの時間を可能な限り短縮し、最短で取引スタートができる手順となっています。トレーダー様が得た利益の出金手続きも可能な限り迅速に対応できるよう努めていきます。

この部分でもサイトの名称が変わっているだけで他は句読点の位置まで全く同じです。これはやはり偶然では説明出来ないと考えます。使われている画像などは2つのサイトで異なるのですがフォレックス Bzのサイトの文章部分の一部はアトラスフォレックスのサイトからの使い回し、コピペで作られた可能性が高いです。

さらにフォレックス Bzの入金手順の項目を見ると入金手段として「銀行振込入金」、「ビットコイン入金」、「イーサリアム入金」、「USDT入金」、「海外送金」、「PayWallet間送金」の6項目が挙げられています。この6つの入金手段の内、特に仮想通貨建て以外の送金方法、つまり最初の銀行振込入金、4番目の「海外送金」と最後のPayWallet間送金には気になる部分があります。まず銀行振込送金の説明のキャプを以下に示します。

これは基本通貨が「JPY (日本円)」最低送金額が「1万円~」になっている点など考えるとこれは日本国内の銀行口座への入金と思われます。そして送金の手順の2段階目に

>即日~1営業日以内にマイページ内の "メッセージ" から振り込み先情報をお送りさせていただきます。

と書いてあり、入金先の口座情報は口座を開設して入金を申し込む人以外には開示したくないようです。なぜ口座情報の開示を避けたいのか疑いを感じざるを得ません。そもそも日本国内の銀行に資金入金用の口座があるなら日本に拠点があるとしか思われないのですが後述するようにそのような日本国内の拠点に関する情報は全く見当たりません。

同様の疑いは入金手段の4番目に出てくる「海外送金」の項目についてもあります。こちらは基本通貨が「USD (米ドル)」になっていますからアメリカなど海外の銀行の口座への入金を意味するのではないかと思われるのですが、口座情報がないだけでなく、「ご希望の方は"お問合せ"よりご連絡ください。」とあるだけで手順も示されていません。

さらに入金手段の最後に出てくるのが「PayWallet間送金」という項目です。本サイトでは多数の海外業者を検証してきましたが、「PayWallet」というおそらく収納代行と海外送金を兼ねたような業者が登場してくるのは上で検証したアトラスフォレックスとここで検証しているフォレックス Bzの場合のみです。

そしてアトラスフォレックスの項目で説明しましたがアトラスフォレックスとペイウォレットは実質的には別個の存在ではなく、同じ日本国内のグループによって運営されているのではないかという疑いがあります。

そこで次にフォレックス Bzのサイトで連絡先情報を探してみましたが連絡先情報が全く見当たりません。住所や電話番号はおろかメールアドレスさえ開示されていません。当然金融ライセンスに関する記述もありません。これは話になりません。Who Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。このサイトは全く信用出来ないという結論にならざるを得ません。

最後にアトラスフォレックスやフォレックス Bzと同じIPアドレス上に存在するサイトとして新たに見つかってきた他の5つのサイトについて簡単に説明します。5つのサイトは以下のようになっています。

▼New Work Navi (ニューワークナビ https://www.newworknavi.biz/)

▼Telework Navi (テレワークナビ https://www.teleworknavi.biz/)

▼楽スマ倶楽部 (https://www.rakusuma.club/)

▼楽スマ倶楽部 (https://www.sidework.club/)

▼WorkRoom (ワークルーム https://www.kasegeru-fukugyo.club/)

これらのサイトは名称やURLアドレスが異なっていてもサイトの内容自体は殆ど同じであり、要するに内職商法と呼ばれるような詐欺目的のサイトと思われます。楽スマ倶楽部という名称のサイトが2つありますが、URLアドレスは異なっても記述内容は同じです。FX業者の検証を目的とする本サイトとしては大幅な脱線になるので5つのサイト全てについて説明するのは止めておきますが最初のニューワークナビというサイトについてのみキャプ画像を幾つか示します。

作業内容の具体的な内容が全く説明されていないのですが、通常価格4万円のマニュアルがWeb限定で18900円で売り出されており、これを買えば1日にスマホで30分の作業を行えば日給1~2万円の収入になるということのようです。作業の内容が分かりませんが誰でも30分で出来て日給1~2万円の収入になる仕事なんてものが実在するとは到底思われません。

そしてこのサイトには一応、特定商取引法のページがあります。以下にキャプを示します。

>事業者名: Life Navigate LTD

>運営責任者: Joshua Davis

>HP: https://www.newworknavi.biz/

>所在地: 6813 Ayala Avenue / HV Dela Costa Street, 41st Floor, GT Tower, Makati, Metro Manila

>電話番号: +63 3-8540-9675

>e-mail info@newworknavi.biz

運営者はJoshua Davisという日本人とは思われない名前になっており、会社所在地もフィリピンのマニラになっています。電話番号もフィリピンの国番号である[+63] から始まっています。しかしこのニューワークナビというサイトは全面的に日本語で書かれていて他の言語、例えばフィリピンの公用語である英語とかフィリピン語での表示には対応していません。また所在地とされているマニラの住所は検索してみると以下に示すRegusというシェアオフィス・バーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致します。

これは架空住所としか思われません。

残りの4つのサイトも似たようなサイトです。しかも最後のワークルームのサイトを除く3つのサイトには特定商取引法のページがあるのですが、事業者名 (Life Navigate LTD) 運営責任者 (Joshua Davis)、フィリピンの住所や電話番号は全てニューワークナビの特定商取引法のページに記されているものと全く同じです。つまりこれらは全て同じグループによる運営で間違いありません。一方で最後のワークルームのサイトには特定商取引法のページがありません。しかし通常価格が4万円前後のマニュアルをWeb限定価格の2万円弱の価格で買えば1日30分の簡単なスマホの作業で高収入が稼げるといった到底信じられない内職が可能であるとする勧誘内容は全てのサイトで同じです。既に書きましたが単に何の役にも立たないマニュアルを売りつけられて実際の仕事は存在しないとか到底30分では不可能な作業を課されるとかいう典型的な内職商法詐欺の結末が予想されます。

これらの内職商法詐欺のサイトと本項で検証したフォレックス Bzやアトラスフォレックスと組織的に結びついているかについては明確な証拠はありません。しかしアトラスフォレックスの項目で触れたように出会い系サイトや競馬予想サイトなどについても関わっている詐欺グループが関与しているという情報があるようです。これらの内職商法詐欺のサイトとも関連していて何の不思議もありません。

この検証を書いている時点ではフォレックス Bzについて被害を受けたといった情報が確認されているわけではありませんが単に無登録の違法業者であるというだけでなく、非常に危険なサイトの疑いが濃厚です。フォレックス Bzでの投資は絶対に避けるべきと結論します。


●Aroon Prime Trader (アルーンプライムトレーダー https://aroon-tc.com/lang/jp/index.php)

●FOREX PRICE MARKET LTD (フォレックスプライスマーケットリミテッド https://forexpricemarkets.com/)

●FRM DEALING LTD (FRM ディーリングリミテッド https://frmdealing.com/)

最初のアルーンプライムトレーダーはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで当初は投資顧問的なサイトかとも思ったのですがこのサイト自体でトレードする取引業者であるという記述もあり、検証対象にすることにしました。残りの2つのサイト、フォレックスプライスマーケットリミテッドとFRM ディーリングリミテッドアルーンプライムトレーダーと関連していると思われるFX業者のサイトですが、互いに見かけが非常に似通っていて、明らかに同じテンプレートから作られている兄弟サイトです。

まずアルーンプライムトレーダーについてYahoo知恵袋に出てきた投稿を引用します。

2021年3月27日投稿

FXの自動売買を提供するAroon (アルーン) というサイトがあってオンラインサロンやSNS、セミナーで勧誘が行われているということのようです。ともかくこのアルーンのサイトに行ってみることにしました。以下がサイト冒頭部のキャプ画像です。

表示言語の選択肢は英語、日本語、中国語、ベトナム語の4つになっています。そしてYahoo知恵袋の質問投稿ではFX自動売買のサイトということになっていましたがこのサイトに記されている説明を読むと自動売買ソフトによる運用ではなく、トレーダーの取引をそのままフォローするコピートレードを提供しているようです。例えば以下は冒頭部に続く部分にある「Aroon Prime Traderとは」という項目の説明文です。

>Aroon Prime TraderはAroon独自のトレーディングシステムで

とありますからアルーンプライムトレーダーはシグナル配信とか自動売買ソフトの提供といった投資顧問的な業務の会社ではなく、アルーンプライムトレーダー自体がFX業者であるというように思えます。

さらに以下は「通貨ペアとスプレッド」という項目の記述です。

>AroonはスプレッドがFXブローカーを運営する上で最も重要な部分だと理解しています。

>Aroonはトレーダーとの信頼関係を築くため、最狭スプレッドや0スプレッドは推さず、平均的なスプレッドでバランスを兼ね備えたFXブローカーでありたいと考えています。

この説明を読むとやはりアルーンプライムトレーダー自体がFXブローカー、FX業者のようです。しかし一方で非常に違和感があるのですが、まさに「通貨ペアとスプレッド」という項目を見ても実際にアルーンプライムトレーダーで取引できる通貨ペアとかその取引単位、スプレッドやスワップ金利、最大レバレッジや強制ロスカットの発動条件といった情報が全く示されていないのです。またリアルタイムの相場情報とかチャートも見当たりません。FX業者のサイトならば必ず示されているはずのこうした情報が完全欠落しているというのは異様です。どこにも説明が見当たりませんが、アルーンプライムトレーダーでは自分でFX取引することは出来ず、コピートレードで運用を全面委任することしか出来ないのかもしれません。だとすれば通常のFX業者とはかなり業務内容が異なることになります。

次に連絡先情報とか金融ライセンスに関する情報を探しましたがやはり開示されている情報は極めて限定されています。わずかに脚注にそれらしき記述があるのでその部分のキャプを以下に示します。

>Aroon Trading Companyは、ベリーズ国際金融サービス委員会 (IFSC) に登録のForex Price Market Ltdの管理、コンプライアンスに基づき厳正に運営を行っております。

>会社住所: Mont Fleuri, Mahé, Seychelles

>Aroon Trading Companyは金融商品/金融サービスの勧誘とみなされる活動には関与しておらず、当ウェブサイトは日本国内居住者向けには意図されておりません。

これらの記述によればアルーンプライムトレーダー自体は金融ライセンスを持っておらず、ベリーズで金融ライセンスを取得している「Forex Price Market Ltdの管理、コンプライアンスに基づき厳正に運営」しているということのようです。この「Forex Price Market Ltd」が表題2番目のサイトですがこのサイトにつては後述します。そしてベリーズのライセンスで運営していると解釈できるような文章の直後なのに会社住所としてセーシェルの住所が出てきますがこのセーシェルの住所 (Mont Fleuri, Mahé, Seychelles) は明らかに不完全です。

さらにその下に記されている「地域別制約」の項目も問題です。コピートレードで資産運用できるサイトなのに「金融商品/金融サービスの勧誘とみなされる活動には関与しておらず」は無理でしょう。さらにサイトが日本語表示に対応しており、最初に引用したYahoo知恵袋の投稿によれば日本国内で明らかに勧誘が行われているのに「当ウェブサイトは日本国内居住者向けには意図されておりません」という記述は明らかにおかしいです。

また「サポートについて」というページには以下のような記述もあります。

>お気軽にお問い合わせいただけるよう弊社のサポートチームは、英語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、日本語、北京語、ベトナム語など様々な言語に対応しております。

>弊社のサポートセンターには、日本人スタッフも常駐しておりますので日本語にてお問い合わせをいただいても問題なくご返答させていただきます。

サポートが日本語に対応していて日本人スタッフも常駐しているというのに「当ウェブサイトは日本国内居住者向けには意図されておりません」は矛盾しています。日本人を主要な顧客と考えているから日本人スタッフを雇っているはずです。

運営元に関する情報が殆ど開示されていないので例によってサイトのWho Is 情報を確認してみました。

黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2020年9月11日となっています。それほど歴史のあるサイトではありません。そして赤い枠で囲った部分にある運営者に関する情報の部分を以下にまとめて書き出します。

登録者: FRM Admin

登録機関名: FRM DEALING LTD

登録者住所: Law Partners House, Kumul Highway, Port Vila, Vanuatu

電話番号: +86.13052153170

メールアドレス: ats.info@mail.com

登録者はFRM DEALING LTDという法人名になっているようです。そして住所は金融ライセンスを得ているというベリーズでもサイトの脚注部分に会社住所として書かれていたセーシェルでもなく、南太平洋の島国であるバヌアツになっているのですが、電話番号は[+86] という中国の国番号で始まっています。所在地としてベリーズ、セーシェル、バヌアツと3ヵ所も出てきていますがこの3ヵ国はいずれも租税回避地として有名な国ばかりです。これはどういうことなのかさっぱり分かりませんが電話番号が中国の国番号から始まっているとなれば3ヵ所の租税回避地の住所はいずれもダミーで実際の所在地は中国という可能性も考えられます。

そして登録機関として出てきたFRM DEALING LTDというのが本項の検証対象の3番目のサイトです。このFRM DEALING LTDについては当初何も分からなかったのですが、Who Is 情報を調べていて同じIPアドレス上に存在するサイトに気が付きました。以下がアルーンプライムトレーダーのサイトとIPアドレス (18.139.185.51.) 上のサイトのリストです。5つのサイトがアルーンプライムトレーダーのサイトとIPアドレスを共有していることが分かります。

このリストの最初の2つがそれぞれ表題の2番目のフォレックスプライスマーケットリミテッド(https://forexpricemarkets.com/)、3番目のFRM ディーリングリミテッド (https://frmdealing.com/) というFX業者のサイトです。これら2つのサイトの冒頭部のキャプ画像を以下に順に示します。(これ以外の同じIPアドレスを共有するサイトについては後述します。)

>WORLD CLASS FOREX TRADING PLATFORM (世界クラスのFX取引のプラットフォーム)

などと書いてあってFX業者のサイトであることが分かると思います。もしかするとアルーンプライムトレーダーで投資を行う場合の取引は実際にはこれらのFX業者を使うことになるのかもしれません。そしてキャプを見れば分かるようにこれら2つのサイトは互いに明らかに似ています。そしてこれら2つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下は2つのサイトの冒頭部に続く部分、サイトの特長を3項目にまとめて説明している部分とトレーディングソフトのメタトレーダー4について説明する部分のキャプですが配色が変更になっているぐらいで互いに酷似しています。

これらは明らかに同じグループによって同じテンプレートから作られたサイトと思われ、アルーンプライムトレーダーはフォレックスプライスマーケットリミテッドが保有するベリーズ国際金融サービス委員会 (IFSC) の登録を共有し、FRM ディーリングリミテッドアルーンプライムトレーダーのWho Is 情報で登録者となっているという形でアルーンプライムトレーダーとも結びついています。3つのサイトが同じIPアドレス上にあるのも偶然とは思われず、同じグループによるサイトだからでしょう。しかしフォレックスプライスマーケットリミテッドFRM ディーリングリミテッドの連絡先情報は互いに全く異なっています。まずフォレックスプライスマーケットリミテッドの脚注にある連絡先や金融ライセンスに関する情報のキャプを以下に示します。

>Copyright ©2019 Forex Price Market Ltd. All Rights Reserved.

>Forex Price Market Ltd

>License Number: IFSC/60/487/TS/19

>Registered address: NEW HORIZON BUILDING, SUITE 105, 3 1/2 MILES PHILIP S.W. GOLDSON HIGHWAY. BELIZE CITY, BELIZE, C.A.

金融ライセンスはベリーズのIFSC (The International Financial Services Commission) から登録番号:IFSC/60/487/TS/19で取得していて住所もベリーズと書いてあります。そこでIFSCのサイト (https://www.ifsc.gov.bz/) でこの登録の確認を試みたところ、確かに登録業者のリストの中にフォレックスプライスマーケットリミテッドの登録を確認しました。以下に前後1件ずつを含めた登録情報のキャプを示します。

活字が小さいのでフォレックスプライスマーケットリミテッドの登録情報を以下に書き出します。

住所:New Horizon Building, Suite 105.3? Miles Philip S. W. Goldson Highway, Belize City, Belize, C.A

電話番号:501-223-2040

一応登録が確認されたのはよいのですが、上のキャプをよく見ると1件上のFFIN BROKERGE SERVICES INC. という業者の登録情報にある住所や電話番号がフォレックスプライスマーケットリミテッドの住所、電話番号と全く同じです。このIFSCの登録業者のリスト全体を検索してみるとフォレックスプライスマーケットリミテッドと同じ住所&電話番号が登録されている業者がフォレックスプライスマーケットリミテッド以外に4件あることが分かりました。さらに同じくIFSCのサイトにあるオフショア会社のリストを見ると以下のキャプに示しましたが登録されている住所と電話番号が全く同じA & P INTERTRUST (BELIZE) LIMITED (https://apintertrust.com/) というオフショア会社が見つかりました。

フォレックスプライスマーケットリミテッドの住所や電話番号はこのオフショア会社のものと思われ、この住所にフォレックスプライスマーケットリミテッドが実在するとは思えません。つまりこれは実体のないペーパーカンパニーでしょう。上で書いたようにアルーンプライムトレーダーフォレックスプライスマーケットリミテッドのベリーズにおけるライセンスを共同使用しているということになっていますが、そもそもフォレックスプライスマーケットリミテッドのライセンスがこうした名目だけの存在となればアルーンプライムトレーダーのライセンスの有効性とか信頼性については非常に疑問です。

一方でFRM ディーリングリミテッドのサイトの脚注にある連絡先や金融ライセンスに関する情報は以下のようになっています。

>Copyright ©2021 FRM DEALING LTD. All Rights Reserved.

>FRM DEALING LTD

>License Number: 40431

>Registered address: Level 1, iCount House, Kumul Highway, Port Vila, Vanuatu

住所がバヌアツで登録番号が記されているのでバヌアツの金融ライセンスを扱っているVFSC (Vanuatu Financial Services Commission) のサイト (https://www.vfsc.vu/) でFRM ディーリングリミテッドの登録を探してみると確かに以下の登録情報が見つかってきました。40431という登録番号も合っています。

但しこの登録情報には住所とか電話番号といった連絡先情報はありません。またバヌアツも有名な租税回避地ですからFRM ディーリングリミテッドの事業実体がバヌアツに存在するかどうかは極めて疑問です。実際にこの登録情報を見ると「Registered Agent」という項目があり、この登録を代行して取得したと思われるオフショア会社の情報が出てきます。以下がそのオフショア会社の情報です。どうやらオフショア会社が途中で交代したらしく、新旧2つのオフショア会社が関係しているようです。

この登録情報によれば当初はLAW PARTNERSというオフショア会社だったようですが2020年3月3日で担当を外れ、その後は現在のINTERNATIONAL FINANCE TRUST COMPANY LIMITED というオフショア会社が担当しているようです。上で示したアルーンプライムトレーダーのサイトのWho Is 情報に記されていた登録者の住所

>Law Partners House, Kumul Highway, Port Vila, Vanuatu

は登録取得時の古いオフショア会社の名称や住所と一致するようです。

いずれにしろこうした登録情報を見る限り、バヌアツにFRM ディーリングリミテッドの事業実体があるとは思えません。これ名目だけのペーパーカンパニーと思われます。

それからアルーンプライムトレーダーのサイトの「入金方法」の項目を見ると入金方法の手段が仮想通貨建ての送金に限られているようです。

ちなみに出金も仮想通貨建ての送金のみのようです。これは銀行口座など用意することが難しいという状況から、あるいは仮想通貨建て送金の匿名性からくるものではないかと考えられます。そして上でアルーンプライムトレーダーのサイトと同じIPアドレス上に5つのサイトが存在していること、その内の2つがフォレックスプライスマーケットリミテッド(https://forexpricemarkets.com/)およびFRM ディーリングリミテッド (https://frmdealing.com/) というFX業者のサイトであることを説明しました。そして同じIPアドレス上にある残りの3つのサイトが問題です。3つのサイトの冒頭部のキャプを以下に示していきます。

▼AndexPay (https://andexpay.com/index.php)

このAndexPayというサイトは仮想通貨建ての送金を業務とするサイトのようです。Google翻訳を使って不完全ながら日本語表示が可能になっています。このサイトの連絡先情報はジョージアの住所だけです。

>登録住所: No. 88, Avtomshenebeli Street, Kutaisi City, Georgia 

▼Wallet Money Terminal (https://wmt.ac/index.php)

このサイトもやはり仮想通貨建ての送金を扱うサイトのようです。表示言語は英語のみです。連絡先情報は全く見当たりません。

▼Shanghai Guofan Business Consulting Co.、Ltd (https://gofan.com.cn/)

最後のサイトは上海国帆商务咨询有限公司 (Shanghai Guofan Business Consulting Co.、Ltd) という中国企業のサイトのようです。このサイトは中国語表記にしか対応していないのですがGoogle翻訳してみると以下のようになります。

サイト自体は中国語にのみ対応なのですがコンサルティング業務や翻訳サービスなどを行っており、北京語、英語、日本語、韓国語、ドイツ語で対応できると書いてあります。上で説明しましたがアルーンプライムトレーダーのサイトには

>お気軽にお問い合わせいただけるよう弊社のサポートチームは、英語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、日本語、北京語、ベトナム語など様々な言語に対応しております。

と書いてあったことが思い出されます。

同じIPアドレス上に仮想通貨建ての送金を扱う業者のサイトが2つ、多言語に対応したコンサルタントや翻訳業務を扱う会社のサイトがあるというのは偶然ではないような気がします。要するにこれら3つのサイトはアルーンプライムトレーダーでの入出金や多言語での対応に関係している同じグループの企業ではないかという可能性が高いと思います。そして最後の上海国帆商务咨询有限公司 (Shanghai Guofan Business Consulting Co.、Ltd) のサイトにある連絡先情報は以下のようになっています。

最初の「联系我们」という部分は中国語で「お問い合わせ」の意味のようです。

>上海国帆商务咨询有限公司

>上海市青浦区赵巷镇沪青平公路3398号1幢2层P区228室

>Email: info@gofan.com.cn

住所は中国の上海市になっています。これはどう見ても中国の企業です。となればIPアドレスを共有しているアルーンプライムトレーダーを含む5つのサイトが全て中国のグループによるものではないかと考えたくなります。

さらにかなり脱線気味なってきますがアルーンプライムトレーダーと同じIPアドレス上にあるサイトの1つ、仮想通貨建ての送金を扱うAndexPay (https://andexpay.com/index.php) のサイトのWho Is 情報を以下に示します。

問題は赤枠で囲った登録者に関する情報の部分です。記載内容をまとめて以下に書き出します。

登録者: George Ito

登録機関名: IPAYMENTS LIMITED

登録者住所: Chase Business Centre, 39-41 Chase Side, London, N14 5BP, GB

電話番号: +86.02162311786

メールアドレス: admin@i-payments.com

IPAYMENTS LIMITEDという法人に属するGeorge Itoという日本人ではないかと思われる名前の人物が登録者になっています。そしてこのIPAYMENTS LIMITEDは住所がイギリス・ロンドンなのですが電話番号は国番号 [+86] から始まる中国の電話番号です。そしてこのIPAYMENTS LIMITEDという社名には聞き覚えがあったので調べてみると本サイトの旧サイトの「無登録海外送金業者検証1」で検証したi-Account (アイアカウント https://www.i-account.cc/jp/) という無登録の海外送金業者、いわゆる地下銀行のグループ会社という情報があるということでIPAYMENTS LIMITED (https://www.i-payments.com/) という送金会社が登場しています。以下はIPAYMENTS LIMITEDのサイトの冒頭部のキャプです。

そしてこのIPAYMENTS LIMITED (https://www.i-payments.com/) はイギリスの会社でイギリスに法人登録があるのですが以下に示した法人登録情報によれば2013年10月に法人登録されたものの2016年10月にDormant Company (休眠会社) となっています。

さらにこの法人登録上の住所

>Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road, London, United Kingdom, E16 1AH

は本サイトの「検証13」以降で検証している中国系の詐欺グループによると思われる詐欺サイトの住所として頻繁に登場してくる住所と全く同じです。具体的にこの住所を所在地としているFX業者については例えば「検証13」にあるGold 8 Services (ゴールド エイト サービシーズ https://www.gold8services.com/index.php/En) の検証を見てください。その他に「検証10」で検証しているHDG Markets (HDGマーケッツ http://hdglimited.com/) と HEINERCASH (https://heinercash003.com/) という2つのサイトでもこの住所が法人登録上の住所となっています。非常に多くの詐欺の疑いがあるFX業者の住所として全く同じ住所が繰り返し登場するということからこの住所に多数のFX業者が共存しているとは思えず、オフショア会社などを使った架空住所の可能性が高いです。そしてこのIPAYMENTS LIMITEDの法人登録の経営者情報のページを見ると現役の経営者となっているのは以下に示すITO, Georgeという人物になっています。

ITO, Georgeという経営者名はAndexPay (https://andexpay.com/index.php) のサイトのWho Is 情報に登録者として記されていた名前と一致しますからAndexPayとIPAYMENTS LIMITEDの間に何らかの組織的な繋がりがある可能性は高いと考えます。そしてこのIto, Georgeという経営者は中国在住で国籍がKittitianとなっており、これはカリブ海に浮かぶ島国のセントクリストファー・ネイビスの国籍ということになるようです。セントクリストファー・ネイビス国籍というのはかなり特殊な感じがしますし、「ITO」という名字は日本人を思わせます。調べてみるとセントクリストファー・ネイビスはお金を出せば国籍が買えて税金上のメリットもある国のようですからそもそもは日本国籍だったという可能性も考えられます。

非常に複雑な状況でこれ以上調べる気にならないのですが、こうやって調べていくとアルーンプライムトレーダーの運営はサイトに記されている素材回避地のセーシェルなどではなく、中国に運営が存在する可能性が高く、そこには日本人が関与している可能性もあるかもしれないということになるようです。

運営がどこの国にあるとしてもアルーンプライムトレーダーには信頼出来る金融ライセンスが確認出来ず、違法性が強く疑われますし安心して投資出来る投資先とは到底思えません。勧誘の実態などもよく分かりませんが投資を勧誘されても投資は避けるべきと考えます。


※付記

2023年2月27日付で関東財務局からアルーンプライムトレーダーに対して無登録の違法業者であるという警告が出ました。以下にキャプを示します。


●AHEAD (アヘッド https://ahead-fx.com/)

Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。まずその質問投稿をベストアンサーに選ばれている回答も含めて引用します。

2022年3月4日投稿

質問はどんな証券会社か?というだけなのですが、1件だけ寄せられている回答がベストアンサーに選択されていてそのベストアンサーは手放しで称賛するような回答になっています。金融庁にも登録されている優良企業とあります。しかしこの質問と回答は自作自演の可能性があります。まず質問、回答、ベストアンサー決定のタイミングが以下のようになっています。

質問投稿: 2022年3月4日16時20分

回答投稿: 2022年3月4日16時40

ベストアンサー決定: 2022年3月4日16時45

質問から回答まで20分、その5分後にはベストアンサーが決定されています。

さらに質問者と回答者の投稿IDの登録日が問題です。

質問者投稿ID 2022年3月4日登録

回答者投稿ID 2022年3月4日登録

いずれの投稿IDもこの質問の当日に登録されています。またいずれの投稿IDもこの質問、回答以外に投稿がありません。断言は出来ませんが自作自演のステマの可能性を疑わざるを得ません。とにかくこれだけ称賛されているということで検索して表題のサイトを見つけてきましたが、ベストアンサーで称賛されていたようなサイトとは到底思えません。まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。

まず表示対応言語は日本語と英語のに択になっているようです。ところが英語表示を選択しても一部が英語になるだけで大半は日本語表示のままなのです。以下が英語表示を選択した場合のキャプ画像です。

英語表示を選択しても英語表示になったのはメニューバーの項目ぐらいで大半は日本語表示のままです。これは異様です。

さらにこの冒頭部に続く部分には口座開設の申し込みボタンとサイトの特長を説明する部分があります。これも日本語表示を選択した場合と英語表示を選択した場合のキャプを以下に順に示します。

この口座開設ボタンと特長を説明する部分では日本語表示と英語表示で変わるのは口座開設ボタンの部分が英語になるだけです。サイトの特長を説明する部分はいずれの言語を選択しても全く変わりません。

それ以外で英語表示を選択して実際に英語表示になるのは脚注の部分だけのようです。以下に脚注部分の日本語版と英語版のキャプを示します。

そして英語表示を選択しても殆どが日本語表示になるのはトップページだけではなくサブページも同じです。英語表示を選択しても大半の部分が日本語のままなのは明らかに異様です。さらに日本語表示と英語表示を切り替えていて気が付きましたが日本語表示を選んだ場合と英語表示を選んだ場合とでサイトのURLアドレスが変化することに気が付きました。

日本語版: https://ahead-fx.com/

英語版: https://ahead-fx.com/en/

英語版のURLアドレスは日本語版のURLアドレスに「en」が付け加わった形になっています。このサイトは日本語サイトが最初に作られて、後に英語サイトが作られたとしか思われません。このサイトを運営しているのは日本のグループでほぼ間違いないでしょう。

しかし会社概要のページを見ると以下のキャプに示したように会社の所在地は香港になっています。

>会社名 Ahead (HK) Limited

>会社所在地 3/F., World Trust Tower, 50 Stanley Street, Central, Hong Kong

>メールアドレス info@ahead-fx.com

連絡先情報に電話番号がありません。そして香港の住所は検索してみるとMetropolitan Workspace (https://www.metroworkshop.com.hk/) というシェアオフィス・バーチャルオフィス業者の拠点の住所あるいは以下にキャプを示すMORIBASHI INTERNATIONAL HONG KONG CO., LIMITED. (森橋國際香港有限公司 https://moribashi.com.hk/) という日系のオフショア会社の住所と一致します。

この香港の住所は架空住所の疑いが濃厚です。そもそも香港に拠点があるなら表示言語の選択肢が事実上日本語だけというのはおかしいです。香港語 (中国語) には対応していてしかるべきでしょう。ますます香港の住所はダミーとしか思われません。

またこの会社概要を見ても金融ライセンスに関する情報は全くありません。最初に引用したYahoo知恵袋の質問のベストアンサーには「金融庁にも登録されている優良企業」と書かれていましたが、金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを見てもAHEAD (アヘッド) の登録は見つかりません。香港で金融ライセンスを得ているような記述もありませんし、無登録の違法業者としか思われません。

そして海外業者を装っていますが事実上日本語にしか対応していないことなどから日本人を標的に日本のグループによって立ち上げられた詐欺目的のサイトである可能性が高いです。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


※付記

Yahoo知恵袋に以下の質問投稿が出てきました。

2022年5月24日投稿

「FXグループのアベンジャーズ」という投資顧問的な業者に入会希望を伝えたところ、AHEADでの口座開設を指示されたということのようです。「アベンジャーズ和田」で検索すると

▼「FX最強裁量トレーダー集団アベンジャーズ」というブログ (https://wada-fx.hatenablog.com/)

▼「アベンジャーズ和田の爆上げFX」というサイト (https://avengersfx.jp/

▼アベンジャーズ和田【公式】というTwitterアカウント (https://twitter.com/Avengers_FX)

が見つかってきました。以下はTwitterアカウントの冒頭部のキャプですが示されている連絡先情報はLINEのIDのみのようです。

以下は「アベンジャーズ和田の爆上げFX」にあるアベンジャーズ和田なる人物の自己紹介的な文章ですがやはりLINEのIDがあるだけです。

そしてこの自己紹介にも書かれているように「アベンジャーズ」は無料の裁量FX取引スクールであるとなっています。無料だから特定商取引法に基づく連絡先情報の開示義務は存在しないということで連絡先情報を開示していないのかもしれませんが、それならこの人物は何の為に「裁量FX取引スクール」を運営しているのでしょうか?またこれらのサイトをざっと調べてみましたがAHEADに関する記述は全く見当たりません。申し込んだところAHEADでの口座開設を指示されたという知恵袋への質問投稿からすればこの「無料の裁量FX取引スクール」の目的はAHEADへの誘導ではないかとも考えられるのですが、全くAHEADに関する記述がないというのはむしろ組織的な繋がりを隠しておきたいのではないかと考えたくなります。

特に上の検証に書いたようにAHEADは海外業者を名乗っていても日本のグループによるサイトである可能性が極めて濃く、金融ライセンスも確認出来ない違法業者です。違法業者を指定してくる「無料の裁量FX取引スクール」に頼ることは基本的に推奨できません。


※付記

2022年8月24日付で関東財務局からAHEADについて無登録の違法業者であるとして以下のキャプに示した警告が出ました。


●HAST FOREX (HASTフォレックス https://hastforex.com/)

リンクはしませんが某アフィリエイト報酬目的のサイトで見つけたサイトです。これも海外業者と自称していますが運営元は日本のグループである可能性が高いです。まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。

表示言語の選択肢は日本語と英語のみです。GRAND OPENとありますから開設したばかりのサイトということかと思われます。そして多額のボーナスを提示して顧客を集めようとしているようです。

▼WELCOME BONUS:新規口座開設で20,000ゲット

▼CHARGE UP BONUS:最大20,000ドル 100%入金ボーナス

▼TRADING BONUS:無限にもらえる取引ボーナス

獲得条件が分かりませんが大盤振る舞いという印象です。そしてここで気になるのは最初のWELCOME BONUSの記述です。

>新規口座開設で20,000ゲット

これでは「20,000」の単位は何なのか分かりません。しかしこのサイト冒頭部の背景画像はスライドショー形式で入れ替わるような設定になっていてその中でWELCOME BONUSの説明が出てきます。以下に示します。

どうやら「20,000」の単位は「円」のようで口座を開設すれば2万円のボーナスが貰えるということのようです。そして違和感があるのは英語表示にした場合の説明です。

ボーナスの金額が「20,000 JPY」となっています。「JPY」はJapanese Yen、つまり日本円の意味でしょう。英語圏の人に2万円という円単位のボーナス額掲示はおかしいでしょう。さらに上のキャプの右下に日本語で

>ボーナスキャンペーン実施中!

と書いてあります。どうして英語表示を選択しているのに日本語の記述が残るのでしょうか?

さらに以下はサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分のキャプです。

この6つのポイントの中で気になるのは右上のマルチリンガル (多言語) 対応に関する記述です。

>日本語のみならずマルチリンガルのスタッフが常駐しております。

日本語以外にもマルチリンガルのスタッフが常駐しているならばどうしてサイトの表示言語の選択肢が英語と日本語だけなのでしょうか?かなりに違和感があります。

多言語対応については「会社の理念」と題する部分にも記述があります。以下がその会社の理念を説明している部分のキャプです。

最後の第4項に多言語対応に関する以下のような記述があります。

>HAST FOREXはお客様のニーズに応えた最善のサポートを提供いたします。

>英語、中国語、日本語、タガログ語、韓国語、広東語、タイ語に対応しているサポートスタッフを採用し、お客様の問題をスピーディに解決します。

これだけの言語に対応しているサポートスタッフが本当にいるならサイトもこれらの言語に対応させるのが当然ではないかと思われます。しかしサイトの表示言語の選択肢は英語と日本語だけです。実は以下に示した口座開設のページだけは英語、日本語以外に中国語、香港語、タイ語も表示言語の選択肢に加わっています。

しかし実際にこれらの言語に切り替えてみることを試みましたが以下のキャプに示したように少なくともタイ語は選択してもタイ語表示に切り替わらずに英語表示になるようです。本当に「タイ語に対応しているサポートスタッフ」がいるのでしょうか?

さらに以下はこのサイトの脚注部分のキャプです。

ここでまず取り上げたいのは文章の部分ではなく、上のキャプの右上に見えるSNSのアイコン、SNSの公式アカウントへのリンクと思われたアイコンの方です。(文章の部分についてはまた後述します。) 暗くて分かりにくいですが左からYoutube、Facebook、Twitterのアイコンが並んでいてクリックすれば公式アカウントに繋がっているように見えます。ところが実際のリンク先のURLアドレスは以下のようになっています。

Youtubeアイコン: https://hastforex.com/contact#

Facebookアイコン: https://www.facebook.com/hastforexofficial/

Twitterアイコン: https://twitter.com/hast_forex

奇妙なのはYoutubeアイコンのリンク先です。これはYoutubeのサイトではなく、HASTフォレックスのサイトの「お問い合わせ」のページに繋がっているのです。明らかにおかしいです。

一方で残りのFacebook、Twitterのアイコンは確かにHastフォレックスの公式アカウントに繋がっています。以下はTwitterの公式アカウント冒頭部のキャプです。

最初に

>GRAND OPEN 2022.4.11

と書いてあってHASTフォレックスが営業開始したのが2022年4月11日であることが分かります。この検証は2022年4月下旬に書いているのでまだ1ヶ月も経過していないことになります。

そしてこのTwitterアカウント (https://twitter.com/hast_forex) で奇妙なのはプロフィールが全て日本語で書かれていることです。投稿の方は全てを確認していませんが、少なくとも最近の投稿は全て日本語の投稿ばかりです。キャプは省略しますがFacebookのアカウントも全て日本語での投稿のようです。HASTフォレックスは日本人のみを顧客対象と考えているようにしか思われません。

一方でHastフォレックスの連絡先情報を探してみるとメニューバーにある会社概要という項目に以下の記述があることが分かりました。

まず上に示した脚注にもあった以下の文章があります。

>HAST FOREXはセントビンセント及びグレナディーン諸島において、インターナショナル・ビジネス・コーポレーション(IBC)として正式に登録を受けた国際金融サービス提供企業です。

>セントビンセント及びグレナディーン諸島の監督官庁の指導のもと、それぞれの国・地域の法令および規則を厳守しサービスを提供しています。

さらに「登録内容」なるものが記されています。

>登録内容

>会社名 HAST Financial Group Ltd.

>住所 First Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, Saint Vincent and the Grenadines

>ライセンス番号  26488 BC 2021

>ライセンス発行機関 Saint Vincent and the Grenadines Financial Services Commission

しかしこれらの記述には幾つも疑問があります。

まず最後の「ライセンス発行機関」となっている「Saint Vincent and the Grenadines Financial Services Commission」は名称からすればセントビンセント・グレナディーンの金融ライセンスを管理する機関のように思われます。しかしこの「Saint Vincent and the Grenadines Financial Services Commission」を検索してもそれらしき情報が全く見つかりません。またセントビンセント・グレナディーンの金融ライセンスを管理しているのはFINANCIAL SERVICES AUTHORITY (FSA) St Vincent & The Grenadines (https://svgfsa.com/) という機関です。そして過去に何度か取り上げたことがありますが、セントビンセント・グレナディーンのFSAはFX業者およびバイナリーオプション業者に金融ライセンスを出さない方針のようです。FSAのサイトにはつい最近、2022年2月3日付で改めて以下のような注意喚起の文章が出ています。原文の抜粋とGoogle翻訳の結果を以下に示します。

従ってHastフォレックスがセントビンセント・グレナディーンで金融ライセンスを取得しているということは有り得ません。「Saint Vincent and the Grenadines Financial Services Commission」という実在が確認出来ない機関からのライセンスを得ているとい主張は全く受け入れられません。

但し金融機関登録を得ていなくてもセントビンセント・グレナディーンで法人登録は取得している可能性はあります。セントビンセント・グレナディーンは有名な租税回避地ですからペーパーカンパニーのようなものならばむしろ極めて簡単に設立できるはずです。そして上に示した「登録内容」に記されている住所

>住所 First Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building, James Street, Kingstown, Saint Vincent and the Grenadines

例えば本サイトの旧サイトである「危ない投資の備忘録」「海外FX業者検証7」で検証したMYFX Markets (マイエフエックスマーケッツ https://myfxmarkets.com/ja/) の所在地と一致しますし、本サイトで検証した以下のサイトでもこの住所が所在地となっています。

「検証10」 ユートピア

「検証11」 フォーカスマーケッツ 、アキシムトレード

「検証25」 PUプライム (https://jp.puprime.net/)

「検証27」 acx

「検証48」 AMマーケッツ 

「検証59」 ウィートレードインターナショナル、モガインターナショナル / モガFX

「検証75」 Glopts、シティFXマーケッツ、Iqマイニングオプション

さらにこの住所は少なくとも2つのオフショア会社の住所と一致します。具体的には左下に示したSt. Vincent Trust & Escrow Ltd (https://truststvincent.com/) の連絡先情報、右下に示したのがEuro-Caribbean Trustees ltd. (ECTL https://mail.ectl-svg.com/) の連絡先情報です。

要するにセントビンセント・グレナディーンの住所はまず間違いなく名目だけのものでこの住所にHASTフォレックスの事業実体が存在するとは全く思えません。そこで例によってサイトのWho Is 情報も確認してみました。以下にキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2021年3月31日で2022年1月10日にアップデートされたとなっています。上で示したようにHASTフォレックスのグランドオープニングは2022年4月11日となっていますからドメイン名が登録されてから1年以上経過してサイトが開設されたことになります。1年以上の期間に何があったのか全く分かりません。

そして赤枠で囲った部分に一応、登録者に関する断片的な情報があります。以下にまとめます。

登録機関名: HAST Financial Group Ltd.

所在地: Shah Alam (シャー・アラム)、 セランゴール州、マレーシア

所在地はセントビンセント・グレナディーンではなくマレーシアになっていますが住所が断片的なのでこれ以上追求できません。

しかし上で延々と説明してきた異様な状況を考え合わせるとマレーシアに運営本拠があるかどうかは疑問でやはり本項の最初に書いたようにHASTフォレックスの実際の運営者は日本国内のグループである可能性が極めて濃厚でしょう。そしてHASTフォレックスは日本国内で金融ライセンスを得ていない無登録業者であるというだけでなく、いずれの国でも金融ライセンスを得ていることが確認できません。またサイトの記述内容全く信用が置けません。

大盤振る舞いされているボーナスに魅力を感じる人もいるのかもしれませんがやはりHASTフォレックスでの投資は到底推奨できません。


※付記

2023年4月21日付で関東財務局からHASTフォレックスについて無登録の違法業者であるとして警告が出ました。


●SIXAMO FX (https://sixamo.forex/)

ネット検索していて偶然見つけたサイトですが、これは海外のFX業者と言って良いのかよく分かりません。一応、海外の住所が書いてあったりするのですが、サイトは日本語にしか対応していませんし、おそらく日本人と思われる「相場王」が監修したサイトであるとも書いてあります。海外の住所などはおそらく名目だけで日本のグループによるサイトでしょう。

とにかくサイト冒頭のキャプ画像をまず以下に示します。表示言語切り替えの選択肢は与えられておらず、基本的に全てが日本語表示です。

さらに以下は「sixamo FX の強み」と題されたサイトの特長を説明している部分です。

プロのトレーダーの取引をフォローできるコピートレードを提供していること、自動売買のシステムを準備中であること、オリジナルの取引プラットフォームを提供していること、24時間365日日本人スタッフによるサポートを提供していることなどが説明されています。但し、コピートレードでどれほどの運用成績が得られているのかといった実績に関する情報などがありません。コピートレードの実績を示さずにコピートレードを申し込む人がどれほどいるのか疑問です。

さらに以下は取引対象や提供するサービスについて説明している部分の画像です。

取引対象はFXの他、商品CFD、株式指数CFD、仮想通貨CFDとなっています。しかしこの部分でも非常に説明不足、情報不足の印象を受けます。例えばFXを扱っていることは分かりますが、リンクされているFXのサブページを見ても取引出来る通貨ペアの種類とか取引単位、スプレッド、スワップ金利といった情報がありません。商品CFD、株式指数CFD、仮想通貨CFDについてもそれぞれリンクされているサブページに一応の説明があるのですが、具体的な取引出来る銘柄とか取引単位といった情報が見当たりません。またリアルタイムの相場情報とかチャートも用意されていないようです。口座を開設すればそういった情報も出てくるのかもしれませんが、取引対象の情報など口座開設する前から当然開示されているべき情報でしょう。非常に違和感があります。

さらに以下は「サポートセンター」と題された部分です。

左右に「サポートセンター」「お客様サポート」という2つの項目がありますが例えば左側の「サポートセンター」という項目には

>カテゴリー毎によくあるご質問や問題、不明点をご覧頂けます。まずはこちらをご覧下さい。

と書いてあります。そこで「>>サポートセンターへ」というリンクからサポートセンターのサブページにアクセスしてみると以下に示したように「ページが見つかりません」というエラーメッセージが出てくるだけです。

同様に「お客様サポート」という項目にある「>>お客様サポートへ」というリンクからお客様サポートのサブページにも行ってみましたがやはり以下に示したように「ページが見つかりません」というエラーメッセージがあるだけです。

こうした未完成としか思えない部分、情報が明らかに不足している部分が幾つか見つかるという状況ではこのサイトを高く評価することは出来ません。

次に連絡先情報を探しました。メニューバーあるいは脚注にある「運営企業」という項目からリンクされているサブページに記されている連絡先情報を以下に示します。

>商号 sixamo FX

>会社法人 sixamo Group Limited

>本社住所 9-2, Main Office Tower, FPL, Jalan Merdeka, 87000 Labuan Federal Territory, Malaysia

>法人番号 LL18392

>設立日 2023年2月21日

>ライセンス番号 31000237737873号

>ライセンスの種類 米国財務省管轄金融商品取引業者


まず電話番号が記されていません。住所はマレーシアの租税回避地として知られているラブアン島になっています。ペーパーカンパニーが簡単に立ち上げられる租税回避地の住所を使っていて電話番号もないとなればこの住所にSIXAMO FXの事業実体が存在するかどうか相当に疑わしいと考えざるを得ません。さらにラブアン島での金融機関登録を担っていると思われるLabuan Financial Authority (Labuan FSA https://www.labuanfsa.gov.my/default.aspx) のサイトでSIXAMO FXの登録を探してみましたがFX業者ならば含まれているはずの「List of Money BrokersにSIXAMO FXと思われる登録はありません。

次に

>ライセンスの種類 米国財務省管轄金融商品取引業者

という部分ですが、「監査機関」というサブページに登録の確認方法まで含めて説明があります。またアメリカのFinCENという組織でMoney Service Business (MSB) の登録を取得しているという主張のようで説明に従ってFinCENのサイト (https://www.fincen.gov/) にあるMSB Registrant Searchという登録者を検索できるページでSIXAMO FXの登録を探すと確かに以下に示したSIXAMO FXの登録情報を確認しました。

開示されている情報は少ないですが、以下にまとめます。

登録業者名: Sixamo Group Limited

住所: 130 Broadway, Suite 800, Denver, CO, 80202

業務内容: 405、409、415

登録日: 2023年2月27日

まず住所ですが、このコロラド州デンバーの住所をGoogle Street Viewで見るとショッピングモールの駐車場になっているように見えます。ちなみに一番住所が近いのはアメリカの大手ドラッグストア、Wallgreeenの支店のようで住所は以下のようになっています。

>120 BROADWAY, Denver, CO 80203

BROADWAYの通りに沿って進むと次に出てくるのはKeyBankという銀行の支店で住所は以下のようになっています。

>200 Broadway, Denver, CO 80203

Sixamo Group Limitedの「130 Broadway」という住所はこの間ということになりますが、WallgreenというドラッグストアとKeyBankの支店の間はどう見ても駐車場になっているのです。Google Street Viewのこの部分の撮影日は2021年8月になっていますから現在はオフィスビルが建っていてSuite 800 (800号室) にSixamo Group Limitedが入居しているという可能性を完全に否定は出来ませんが、かなり疑問です。またアメリカにSixamo Group Limitedが実在するならばなぜその住所をSixamo FXのサイトの連絡先情報のページには記していないのかという疑問もあります。

さらにSIXAMO FXの登録情報の中で

>業務内容: 405、409、415

という部分が問題です。「405、409、415」というのはFinCENの登録で認められている業務内容のコードです。右に示したコード番号の説明一覧を見ると

405  Seller of money orders (マネーオーダーの販売)

409  Money transmitter (送金業務)

415  Dealer in foreign exchange (外貨両替業務)

ということになります。これはどう見てもFX業者の業務ではありません。ちなみにマネーオーダーというのは小切手と同様に家賃や公共料金の支払いなどにも用いられる小為替のことでアメリカではスーパーマーケットなどでも作ることが出来ることが多いです。

そもそもこのFinCENという組織は他のサイトの検証でも説明したことがありますが、金融ライセンスの管理、監督を業務としている組織ではありません。FinCENのサイトのMission (ミッション、目的) というページには以下のような記述があります。原文とGoogle翻訳による日本語訳を示します。

Financial Crimes Enforcement Network (FinCEN, 金融犯罪取締ネットワーク) という組織名からもある程度予測出来るようにFinCENの役割はマネーロンダリングとかテロ組織への資金提供などを防止することとなっています。明らかに日本の金融庁に相当するような金融ライセンスの管理・監督ではありません。つまりSIXAMO FXがFinCENでMoney Service Business (MSB) の登録を取得しているとしてもそれは金融ライセンスなどと呼べるものではなく、SIXAMO FXの信頼性を保証するものではありません。

そしてSIXAMO FXのサイトには「sixamo FXについて」と題されたサブページが存在します。以下にそのサブページの冒頭部を示します。

SIXAMO FXは「相場王ししゃもん(sixamo) @komochi4xamo」なる人物が「監修」して設立された取引所であるとなっています。検索してみるとInstagramのアカウントは閉鎖されているようですが、Twitterのアカウント (https://twitter.com/komochi4xamo) が見つかりました。

「相場王ししゃもん」という人物は個人投資家、プログラマーを名乗っているようですが、連絡先情報などは明らかにしていないようです。投稿は日本語の投稿ばかりなので「相場王ししゃもん」は日本在住の日本人ではないかと思われます。

このTwitterアカウントからはSIXAMO FXの宣伝投稿が繰り返し投稿されています。

2023年5月27日付投稿

この投稿には

>次世代取引所 sixamo FX @sixamoFXJPは銀行入出金を提供し続ける

とありますが、「入出金サービス」というサブページには確かに以下の記述があります。

国内銀行振込による入金、仮想通貨入金の2つの選択肢があると書いてありますが、銀行口座情報は示されていません。

いよいよもってSIXAMO FXは海外のFX業者を自称していても実質的には日本のグループによる業者でしょう。さらにこの「ししゃもん」なる人物について検索してみると事実かどうか確認も困難なのでリンクはしませんが、警戒するべき人物であるといったネット書き込みが多数見つかります。またこの人物はFX TRADER' S STORE (https://realocom.com/store/) というトレーディングツール、シグナルツールの類を販売するサイトを運営しているようです。

以下はこのサイトで販売されているツールなどの一部です。

例えば「REVIATHAN」は200万円、「ほぼ聖杯」は33万円というなかなかの価格で販売しているようです。販売しているツール類の機能などがよく分かりませんが、こうしたツールを売るならば金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要ではないかと思われます。

そして右に示したのがこのFX TRADER' S STORE (https://realocom.com/store/) というサイトの連絡先情報です。以下に示されている連絡先情報を書き出します。

>Email indicator@realocom.com

>Phone (06) 7164-3653

>Address 株式会社レアロ

〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-9-6 302

一応、金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを確認しましたが、株式会社レアロの登録は見つかりません。

ちなみにこのFX TRADER' S STORE (https://realocom.com/store/) というサイトとよく似たMONOLITH (https://monolithcom.com/index.html) というサイトが存在します。

このサイトの業務内容は「デザイン制作」「飲食店経営」となっていて創作お茶漬け専門店をフランチャイズ展開しているようですが店舗案内が見当たらないのでどれほどの実績があるのか不明です。そして右にキャプ画像を示したこのMONOLITHというサイトの連絡先情報はFX TRADER' S STORE (https://realocom.com/store/) の連絡先情報と会社名およびメールアドレスが異なるだけで住所や電話番号は全く同じです。

>Email info@monolithcom.com

>Phone (06) 7164-3653

>Address 株式会社monolith

〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-9-6 302

住所が部屋番号まで同じ、電話番号も同じとなれば同じグループによる2つの企業で間違いないでしょう。

ちなみに法人登録を調べてみると

株式会社レアロ法人登録 (2015年10月5日以前登録)

株式会社monolith → 法人登録 (2019年10月8日登録)

となっていますからFXツールの販売事業の方が先で「デザイン制作」「飲食店経営」は後から始めた事業のようです。

SIXAMO FXは海外業者を名乗っていますが、サイトが日本語にしか対応しておらず、日本人と思われる自称・個人投資家、プログラマーなる人物が運営に関わっていて実質的には日本のグループが運営する日本の業者である可能性が濃厚です。租税回避地で有名なマレーシアのラブアン島の住所はおそらく架空であり、金融ライセンスと言えるような金融ライセンスは確認出来ません。情報開示は著しく不充分、不適切でしかも信頼性に欠けます。到底信頼に値する業者とは思えません。

この業者での取引は推奨できません。


※付記1

あくまでも参考情報ですが、SIXAMO FXについて検索すると上で検証したHASTフォレックス (https://hastforex.com/) と同じグループによるサイトであるというネット書き込みが見つかります。確かに両方とも日本のグループによって運営されている可能性が濃厚ですが、2つのサイトを比べてみても特に似ている部分があるようには思われず、真偽は不明です。


※付記2

2023年10月25日付で関東財務局よりSIXAMO FXについて無登録の違法業者であるとして警告が出ました。


●CRYPTOGRAPH LIMITED (クリプトグラフリミテッド https://cryptograph.finance/)

Twitterに広告、勧誘と思われる投稿が出ていたサイトです。そうした投稿を幾つか引用します。

2023年1月24日投稿

最初の2つの投稿はそれぞれ入金額の100%を入金ボーナスとして上限200万円まで払う、新規口座開設だけで2万円のボーナスを得られるといったボーナスを強調した勧誘投稿になっています。いずれも「期間限定」となっていますがその期間は明示されていません。

3番目の投稿では投稿された2023年2月11日時点でクリプトグラフを既に「1年強つかっています」と書いてありますがこの記述が正しいかどうかについて後述します。そしてこれら4つの投稿にはいずれの場合もアフィリエイターのID付のリンクが用意されています。明らかにアフィリエイト報酬目当ての投稿なので公平な評価、正しい情報が記されているかどうかは疑問でしょう。そしてアフィリエイトリンクをクリックすると以下のような口座開設画面に繋がります。

この口座開設画面は日本語と英語のみに対応しています。

そしてこのクリプトグラフというサイトのトップページの冒頭部のキャプを以下に示します。

口座開設ページは表示言語を日本語と英語から選択できたのにこのトップページでは一見すると表示言語を切り替えるメニューが見当たりません。よく見ると上のキャプの右下に見えていますが「Translate (翻訳する)」と書かれた部分があってこの部分をクリックするとキャプに見えるように4つの国旗アイコンが出てきます。4つのアイコンは中国国旗、台湾国旗、アメリカ国旗、日本国旗のアイコンと思われます。そして例えばアメリカ国旗のアイコンをクリックするとGoogle翻訳が起動して日本語の文章が英文に翻訳されるようです。同様に中国国旗や台湾国旗のアイコンをクリックすればやはりGoogle翻訳が起動して日本語の文章が中国語や台湾語に翻訳されます。

後述するようにこのサイトは海外のFX業者を自称しています。そして海外のFX業者のサイトで基本的に英語で文章が書いてあり、Google翻訳で多言語に対応するというサイトは幾つか見たことがあります。しかし基本的に文章が日本語で書かれていて英語など他言語には日本語の文章をGoogle翻訳で翻訳することで対応というサイトはこのクリプトグラフのサイトが初めてです。そしてこれは海外業者のサイトとは全く思えません。このサイトを運営しているのはまず間違いなく日本のグループでしょう。

この冒頭部に続いてはサイトの特長を7項目にまとめて説明している部分が出てきます。まず最初の3項目分のキャプを以下に示します。

最初の項目が「充実したキャンペーン」となっています。本項の最初に引用したTwitterに出ていたアフィリエイトリンク付きの勧誘投稿は期間限定で入金額の100%を入金ボーナスとして上限200万円まで払う、新規口座開設だけで2万円のボーナスを得られるといったボーナスキャンペーンを前面に押し出す投稿になっていました。当然、クリプトグラフのサイトには「期間限定」の具体的な期間とかキャンペーンの上限などが具体的に示されているものと思ったのですが、実際にはボーナスキャンペーンに関する情報は一切見当たりません。上で引用したキャンペーンに触れている2つのTwitter投稿の2件目はこの検証を書いているほんの数日前の投稿なのですが、どうしてキャンペーンに関する情報がないのか違和感を感じます。

さらに特長の2件目は「24時間安心のサポート」となっていてカスタマーサービス担当者らしいヘッドセットを付けた女性の画像が添えられています。これを見れば電話でのサポートの体制が整っていると普通は考えるだろうと思います。しかし後述しますが、クリプトグラフのサイトには電話番号が記されていません。後述しますが連絡先情報として記載があるのは租税回避地で有名なセントビンセント・グレナディーンのおそらく不完全な住所とメールアドレスが1個だけです。電話対応担当者を思わせるヘッドセットを付けた女性の画像は単なるイメージ画像なのでしょうか?

さらにサイトの特長、7項目の残り4項目のキャプ画像です。

この4項目についても説明不足が目立ちます。例えば

>レバレッジ最大1000倍

となっていますが、最大ということは1000倍のレバレッジが適用されない場合もあるということでしょう。「通貨ペア・スプレッド」というサブページを見ると米ドル、ユーロなどの法定通貨のFXだけでなく、日経225先物など株式指数のCFD、天然ガスや原油などのCFD、金などの貴金属、ビットコインなどの仮想通貨なども取引対象になっています。これらの取引対象全てに1000倍のレバレッジが適用されるとは思えません。ロット数とか週末の持ち越しに制限が掛かっている可能性もあるはずです。そういったレバレッジ制限に関する全く記述がないのは極めて不親切です。

また「迅速な入出金対応」という項目にも疑問があります。クリプトグラフのサイトではメニューバーの「取引口座」という項目から選択出来る「入金方法」というサブページが存在しますが、このサブページのタイトルは本来ならば「入出金方法」であるべきでしょう。そしてこのサブページには以下の3つの主に「入金」について書かれた説明があります。銀行振込、あるいは仮想通貨建ての送金が可能となっています。

5万円未満の入金の場合には1000円の手数料が発生するとあるのですがまず銀行口座が示されていません。どうして銀行口座が示されていないのでしょうか?指定されている銀行口座は日本国内の銀行なのでしょうか?日本国内の銀行口座ならば海外のFX業者であるはずのクリプトグラフが日本国内の銀行口座を開設することはかなり困難なはずです。

またクリプトグラフは手数料が無料になる最低額とか発生する手数料が全て円建てで示されていることに強い違和感があります。当たり前のことですが、このページの記述は英語表示を選択した場合にこの日本語の原文が翻訳されて表示されるだけですから手数料が無料になる最低入金額とか発生する手数料の説明が全て円建てのままになるのです。以下は上のキャプの最後の項目、「入出金の手数料」の項目を英語表示にした場合のキャプです。

金額の部分が全て「50,000 yen」「1000 yen」と円建て表示になっているのが分かると思います。このサイトの記述は全て日本人に向けて書かれているとしか思えないのです。

同様にこのサイトの記述の中には日本人に向けてのみ書かれているとしか思えない部分が他にも幾つかあります。例えば以下は「取引時間帯」のサブページにある取引時間帯の説明です。左下が日本語版、右下が英語版です。

右上の英語版は左上の日本語版をGoogle翻訳しただけなので営業時間が「Japan time (日本時間)」で示されています。

また「口座タイプ」というサブページにある3種類の口座の説明の冒頭部について日本語版と英語版のキャプを以下に順に示します。

まず日本語版でも英語版でも「最低入金額 (Minimum deposit amount)」が1000円になっています。また最後の「基本通貨 (base currency)」がいずれもJPY (円) になっています。

こうした記述からクリプトグラフのサイトは日本のグループによって日本人顧客を獲得することを目的として立ち上げられたサイトとしか思われないのです。

一方でクリプトグラフのサイトで開示されている運営者に関する情報、連絡先情報は極めて限られています。まず「会社概要」のサブページに断片的な住所が記されています。

>CRYPTOGRAPH LIMITED

>Address:St. Vincent and the Grenadines Kingston Hinds Building

簡単にペーパーカンパニーが作れる租税回避地として有名なセントビンセント・グレナディーンの住所が書いてありますが、電話番号などはありませんし、この住所は不完全な上に順序がおかしいです。この記述では国名 (セントビンセント・グレナディーン) → 都市名 (キングストン) → 建物の名称 (Hind Building) と並んでいますが、普通は建物名 → 都市名 → 国名 の順に記されるはずです。またビルの部屋番号とか郵便番号に相当する情報がなく、明らかに不完全な住所です。クリプトグラフの本拠が実際にセントビンセント・グレナディーンに実在するかどうかは極めて疑問です。

これ以外の連絡先情報としてはサイトの脚注部分にメールアドレスだけ記されています。

>受付時間︰平日 10時〜17時

>Email:info@cryptograph.finance

受付時間が記されていますがこれも日本時間での受付時間でしょうか?

開示されている連絡先情報が明らかに不足なので例によってサイトのWho Is 情報を確認しました。以下にキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が記されていますが2022年3月15日となっています。この検証は2023年2月中旬に書いているのでサイトの開設から1年未満、11ヶ月ほどということになります。本項の最初で引用したクリプトグラフの宣伝、アフィリエイト報酬目当てと思われるTwitterの投稿の中に2023年2月11日に投稿され、クリプトグラフを既に「1年強つかっています」という投稿がありましたがサイトが開設されてから1年未満なのに「1年強つかっています」は有り得ません。単なる勘違いか、あるいは信頼性を主張する為の虚偽か分かりませんが事実とは思えません。そして赤枠で囲った部分に登録者に関する情報が記されているのですが殆どの項目が非開示になっています。開示されている情報を以下にまとめます。

登録者所属機関: BOI Ltd

所在地: Hanoi, VN

ベトナムのハノイにある「BOI Ltd」という法人に開設者が所属しているというのですが、クリプトグラフはベトナム系のFX業者とは思えません。ベトナム系の業者ならばクリプトグラフのサイトはベトナム語表示に対応していてしかるべきでしょう。会社概要に記されていたセントビンセント・グレナディーンの住所もWho Is 情報に記されていたベトナム・ハノイの所在地情報も信頼できる情報とは思えません。運営の本拠が海外に存在する可能性はあるものの運営しているのは日本人のグループでほぼ間違いないと考えます。また勧誘の標的はやはり日本人であるとしか思われません。実はサイトの脚注には以下のような記述があります。

この記述を日本人には意識して欲しくないのかなぜかこの部分だけは英語で記されていますが要するにクリプトグラフは日本の金融庁で登録を得ておらず、日本在住者を主なサービス対象とは考えていないということが書いてあります。しかし実際には上で示したように入金額などが円建てで表示されているなどサイトの記述内容は日本在住者を主な顧客と想定しているとしか思われません。そもそも日本語表示がデフォルトになっているのに日本在住者を主な顧客と想定していないという記述は明らかに矛盾しています。

日本以外の国でも金融ライセンスを取得しているようには思われませんし、情報開示は明らかに不充分・不適切です。このサイトでの投資は推奨できません。


※付記

2023年6月21日付で関東財務局よりクリプトグラフに対して無登録の違法業者であるという警告が出ました。

またこの警告を見てクリプトグラフのサイトを確認したところ、以下に示したようにバイナリーオプション業者のBI-WINNING (https://bi-winning.org/#/) と業務提携したという告知が出ていました。

提携先とされたBI-WINNING (https://bi-winning.org/#/) のサイトにも以下のキャプの下端に見えるようにクリプトグラフと業務提携したという告知が出ています。

そしてこのBI-WINNINGについても関東財務局から2022年11月30日付で無登録の違法業者であるとして警告が出ています。