検証83

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは以下を検証します。尚、本ページで検証しているサイトは「検証13」以降で検証してきた多数の詐欺サイトに関与していると思われる中国系のグループによるサイトではなく、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトなどを運営している別個の海外の詐欺グループによるサイトである可能性が高いです。


●ModMount (https://www.modmountltd.net/ja)

●Maunto (https://www.maunto.com/ja)

●BullMarkets (ブルマーケッツ https://www.bullmarkets.com/international/ja/)

●NIPPON CAPITAL FX (ニッポンキャピタルFX https://www.nipponcapitalfx.com/)

●OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/)

●Above Investing (Aboveインベスティング https://aboveinvesting.pro/ja/)

●ZEN MARKETS (ZENマーケッツ https://zenmarkets.co/ja)


まず以下の2つのサイトをまとめて検証します。

●ModMount (https://www.modmountltd.net/ja)

●Maunto (https://www.maunto.com/ja)

いずれもYahoo知恵袋に複数の質問が出てきたサイトです。互いに明らかに似ているのでまとめて検証します。尚、ModMountのサイトのURLアドレスは時期は不明ですが、変更されているようです。

旧サイト:https://www.modmountltd.com/

新サイト:https://www.modmountltd.net/ja

この検証を書いている時点で旧サイトにアクセスすると新サイトにリダイレクトされる設定になっています。この件についてはまた後述します。

まずこれらのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年6月15日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

状況が全く分かりませんが、既に250ドルを投資した時点でこの質問を投稿しているようです。

2023年6月16日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

Instagramで見たおそらく楽天の三木谷浩史氏の名前や画像を盗用した広告で登録したところ拙い日本語を話す外国人から電話があってModMountでの口座開設と3万5000円の投資を勧められたという状況のようです。「検証4」姉妹サイトの「検証151」で説明しているように同じグループによると思われる同様の投資勧誘で三木谷氏の名前や画像はしばしば盗用されていることが確認されています。

2023年7月10日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

状況がよく分かりませんが、2023年の6月にModMountに登録して250ドルを入金したところ、海外から電話が掛かってきて口座が凍結されているが現在は残高が700万円くらいになっていてお金をビットコイン建てで返すから日本の仮想通貨交換業者であるビットフライヤーで240万円の資産照明をしろという意味不明の説明をされているようです。まず間違いなく個人情報を登録して250ドル入金してしまった被害者からさらにお金を引き出そうとしているのだと思われます。最初に出てくる「bitsoft ai」がこの説明の中でどう関わってくるのかよく分からないのですが、上で既に説明したようにこのページで検証対象としているサイトは「検証4」で検証しているエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトを運営しているのと同じ海外の詐欺グループによるサイトと考えられ、「bitsoft ai」を検索して出てきたBitsoft360というサイト (https://bitsoft.ai/ja/) は姉妹サイトの「検証151」で検証している一連の仮想通貨投資のサイトに似ているように思われます。このBitsoft360 (https://bitsoft.ai/ja/) についてはここでは詳しく説明しませんが、以下にサイト冒頭の画像だけ示しておきます。

Bitsoft360 (https://bitsoft.ai/ja/

2023年9月5日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

この質問でもネットに出てきた楽天の三木谷浩史氏の名前や画像を盗用したと思われる投資広告を見て個人情報を書きこんでしまったことから「拙い日本語を話す外国人」からの電話があってModMountでの投資を勧められ、3万5000円を送金してしまったようです。入金は外国人の個人名義の銀行口座を指定されて入金するというパターンだったようです。さらに投資を開始するのに必要であるとして身分証明書の提出を執拗に求められ、返金を求めても同様に身分証明書の提出が必要ということで返金を拒否されているようです。

2024年5月21日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

半年ほど前にFacebookでプロテニス選手の大坂なおみ氏のインタビュー形式の広告を見て自動取引でお金が増えるという投資があるということでModMountに口座を開設し、250ドルをクレジットカード払いで投資したようです。大坂なおみ氏もこのグループによると思われる詐欺の勧誘で名前や画像を盗用したニセ記事広告が確認されている有名人の1人であることが確認されています。大坂なおみ氏のニセ記事広告の実例が姉妹サイトの「検証151」にありますから参照してください。

そしてこの投資を放置していたところ、突然自称・SIPCという組織に所属する外国人から電話が掛かってきて理解するのも困難な日本語で投資した250ドルが現在は800万円ほどに増えていて直ぐに出金することを勧められたようです。この電話の人物が所属していると自称しているSIPCというのはSecurities Investor Protection Corporation (日本語訳すれば証券投資者保護公社) のことと思われますが、このSIPCについて調べてみると金融機関が経営破綻した際に投資家の資産を回収して返還するのが役目とされているようです。例えば日本でも有名になったアメリカの大手投資銀行だったリーマン・ブラザーズの破綻の際などにSIPCが乗り出した実績があるようです。

証券投資者保護公社(SIPC)-概要、仕組み (Pharoskc.com)

Securities Investor Protection Corporation (Wikipedia英語版)

このSIPCが担当するのはSIPCのメンバーとなっている投資機関のみのはずです。しかしSIPCのサイトにあるメンバーリストModMountは見当たりません。ModMountが破綻してもSIPCが乗り出してくることはないはずです。

またこのSIPCの公式サイト (https://www.sipc.org/) に行ってみるとトップページの冒頭に以下のような警告が出ていました。英語原文とGoogle翻訳による日本語訳を示します。

詐欺グループがSIPCの役員あるいは従業員を装って詐欺を働いている事例が確認されているとして注意を促しています。この件でも詐欺グループがSIPCの名前を騙ってさらにお金を騙し取ろうとしている可能性が極めて濃厚と考えざるを得ません。

2024年6月6日投稿 (ModMountに関する質問投稿)

この質問の投稿者も以前にModMountでの投資を片言の日本語で勧誘されて20万円ほど投資してしまったようです。その後、口座残高がゼロになってしまい、さらに放置していたら非通知の電話が掛かってきて残高が900万円ほどになっているので送金するから口座を登録してくださいと言われ、日本の仮想通貨交換業者であるbitflyerに口座を開設したようです。状況がよく分かりませんが、資産を調べる必要があるからという意味不明の名目で100万円を送金するように要求されたということのようです。これも詐欺の被害者からさらにお金を引き出そうとしているようにしか思われません。


次に表題2番目のMauntoに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用していきます。

2024年3月18日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)

政治家の石破茂氏と経済評論家のテレビ対談を取り上げた偽記事広告に騙されて電話番号を登録してしまったところ直ぐに片言の日本語で勧誘の電話が掛かってきてゆうちょ銀行口座への入金や身分証明書の提出に応じてしまってから勧誘電話が掛かってきた電話番号、

050-3095-7019

050-3095-7007

050-3095-9269

といった電話番号を検索してみたところ詐欺に使われていることが判明して自分が詐欺に遭っていることを自覚したということのようです。この検証を書くにあたって検索しても石破茂氏の偽記事広告は見つかりませんでしたが石破茂事務所のサイト (https://www.ishiba.com/) に以下の注意喚起が出ていることを確認しました。

またこの検証を書いた後ですが、以下の記事を見つけました。

信じて入金してしまった人も…石破茂元幹事長の画像を悪用した投資詐欺広告 自民党本部と連携し、メタ社に広告の削除求める (2024年5月1日 TBS NEWS DIG)

石破茂氏の名前や画像が詐欺勧誘に盗用されているのは間違いないようです。

またこの質問に出てきた3つの電話番号を検索してみたところ、2番目の「050-3095-7007」という電話番号についてjpnumber (https://www.jpnumber.com/) という電話番号の口コミ情報サイトで以下の書き込みを見つけました。

このページは「050-3095-7004」という電話番号に関する口コミ情報ですが、上の画像の赤枠で囲った部分に示されているように「050-3095-7007」も含めて執拗に詐欺勧誘の電話が掛かってくるということのようです。他にも「050-3095」から始まる電話番号から何度も投資詐欺の勧誘電話が掛かってくるという書き込みもあります。

以下もMauntoに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿です。

2024年4月1日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)

詳しい状況は分かりませんが落語家の笑福亭鶴瓶氏の名前を使った広告からMauntoへの投資を勧誘されているようです。笑福亭鶴瓶氏は姉妹サイトの「検証151」説明している同じグループによると思われる仮想通貨投資詐欺の広告で名前や画像が使われていることが確認されている有名人の1人です。以下は姉妹サイトの「検証151」で引用した笑福亭鶴瓶氏の名前や画像が盗用されている詐欺広告の例です。読売新聞オンラインの記事を装っていますが、URLアドレスは全く異なりますし、読売新聞オンラインのトップページへのリンクなども全く機能していません。明らかに偽記事です。

この偽記事は笑福亭鶴瓶氏が出演したテレビ番組でうっかり非常に有利な投資について発言してしまい、日銀に提訴されたという内容になっていますが、これと同様の偽記事、有名人の名前や画像を入れ替えた偽記事広告は大量に確認されています。具体的な偽記事広告は姉妹サイトの「検証151」にまとめてありますが、楽天の三木谷浩史氏、プロテニス選手の大坂なおみ氏、俳優の櫻井翔氏や木村拓哉氏、俳優・ミュージシャンの吉川晃司氏、タレントのマツコ・デラックス氏、ファーストリテイリングの柳井正氏、映画監督の新海誠氏や宮崎駿氏、ソフトバンクの孫正義氏、タレントの松本人志氏や明石家さんま氏、タモリ氏、川島明氏、フィギュアスケート選手の浅田真央氏など非常に多くの有名人がほぼ同じ内容の偽記事広告で名前や画像を盗用される被害に遭っています。上で引用したYahoo知恵袋への投稿に出てきた政治家の石破茂氏の記事というのもまず間違いなく同様の偽記事広告と思われます。

「検証4」で検証したサイトの中でも、エックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、31FX、アジアFXプロ、FXマグナス、インベェスティコ、ビッグマーケッツ、Ventorusといったサイトについて有名人の名前や画像を盗用した偽記事広告で勧誘が行われていたといった報告が出ています。

さらに以下もYahoo知恵袋に出てきたMauntoのサイトに関する質問投稿です。

2024年4月28日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)

詳しい状況は分かりませんが、電話番号などを入力してしまったようで明らかに外国人の話す日本語で投資勧誘の電話があったようです。

2024年4月29日投稿 (Mauntoに関する質問投稿)

Youtubeで見たソフトバンクの孫正義氏の名前や画像を使った250ドルを投資すれば巨額の利益を得られるという広告を見て登録してしまい、外国人から電話が掛かってきて250ドルを入金してしまったようです。さらに8000ドルの追加入金を求められてこの質問を投稿しているようです。

かなり広範に日本人に向けた投資勧誘が行われていることは間違いありません。

長い前置きになりましたがとにかく表題の2つのサイトについてまず以下にサイト冒頭部の画像を示します。

▼ModMount (https://www.modmountltd.net/ja) [表示言語:日本語、マレー語、英語、スペイン語、ポルトガル語、香港語、中国語、アラビア語、タイ語]

▼Maunto (https://www.maunto.com/ja) [表示言語:日本語、英語、香港語、ヒンディー語、韓国語]

この2つのサイトの冒頭部は互いに雰囲気は似ているようにも感じますが、明確な類似性は認められませんし、これまで検証してきたサイトとも似ているようには見えません。しかしこの冒頭部に続く部分を見ていくとModMountとMauntoのサイトで互いに明らかに似ている部分が出てきます。

例えば以下は2つのサイトでセキュリティレベルが高いことを説明している部分の画像です。ModMountMaunto という順で画像を示します。

全く同じという訳ではありませんが明らかにデザインや文章が似ています。

さらに以下にはModMountのサイトで「国際市場の課題に立ち向かいましょう」と題されている部分、Mauntoのサイトで「グローバル市場を制覇」と題されている部分の画像を順に示します。

この部分でも2つのサイトは全く同じという訳ではないものの記述内容などを比較すると互いにかなり似ているようです。例えば最初の項目ではいずれのサイトでも取引対象を説明していて外国為替 (FX)、指数、金属、エネルギー、株式、仮想通貨 (暗号通貨)、商品 (コモディティ) を取引出来るとなっています。取引対象は並び順まで同じです。

そしてこの部分で最も気になるのは中央の項目です。複数のアカウントタイプが存在すると書いてありますが、この「複数のアカウントタイプ」に関する具体的な説明がメニューバーのModMountでは「トレーディングアカウント」、Mauntoのサイトでは「取引口座」という項目からリンクされているサブページにあります。

まず以下にはModMountのサブページにある5種類のアカウントのまとめを示します。

「クラシック」、「」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」という5種類のアカウントが存在しており、よく見るとスプレッドなどが上級のアカウントでは有利になっているようです。「ゴールド」、「プラチナ」に対して「銀」というアカウントの名称に違和感を感じますが、英語版では当然「Silver (シルバー)」になっています。


そしてこれに対応するMauntoのサイトのサブページにある5種類のアカウントのまとめについても同様に以下に示します。

Mountoについても「クラシック」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」という5種類のアカウントが存在しており、やはりスプレッドの条件などが上級のアカウントで有利になっているようです。

そしてModMountの場合もMountoについても5種類のアカウントが存在していてそのアカウントの名称が「クラシック」、「銀あるいはシルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」となっているというのは偶然とは思えません。表の形式や票に示されている取引条件の項目やその並び順、さらに例えばいずれのサイトでもFXの最大レバレッジが400倍、金属の最大レバレッジが200倍など取引条件の数字も一致しているようです。これも偶然とは到底思えません。

ちなみに上級のスプレッドが狭いアカウントにどうやったらアップグレード出来るのか条件、おそらく入金額の条件があると思われるのですが、その条件がいずれのサイトでも明示されていません。

そして上で書いたようにこれら2つのサイトは「検証4」で検証してきたエックスプロマーケッツ (https://xpromarkets.com/ja/) からAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のサイトと似ている部分があって同じグループによるサイトと思われるのですが、その類似点の1つとしてModMountやMauntoの5種類のアカウント、アカウントの名称、取引条件などが「検証4」で検証してきたサイトと似ている点が挙げられます。例えば以下はフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) のサイトで用意されていた5種類のアカウントとその取引条件を示す表の画像の再掲です。

フェニックスリミテッドでも5種類のアカウントが用意されており、その5種類のアカウントの名称は「クラシック」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「VIP」となっていてModMountやMauntoの場合と同じです。さらにフェニックスリミテッドでも本項で検証した2つのサイトでも最大レバレッジは400倍、マージンコールは100%、最低取引単位は0.01ロット、最大取引量は50ロットといった条件が全く同じです。

しかも今回、比較の為にフェニックスリミテッドのサイトを再確認したところ、この5つのアカウントタイプのまとめの表が以下のように改訂されていました。

「スプレッド」「レバレッジ」「サービス」の3つの項目に分けられた取引条件の表はModMountやMauntoのサイトの表と極めてよく似ています。

「検証4」で検証した一連のサイトの取引条件が全てフェニックスリミテッド、ModMount、Mauntoの場合と同じという訳ではないのですが、アカウントの名称に注目してみると「検証4」で検証したサイトの内、5種類のアカウントが準備されているサイトについてはアカウントの名称が以下のようになっています。

サイト名 アカウントの名称

エックスプロマーケッツ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

エランドロード: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

フェニックスリミテッド: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

RNインベスティング: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

FXマグナス: 「クラシック」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」「VIP」

FXタンパ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

▼Ventorus: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」

Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」

エッジファイナンス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」「プロ」

トレドポール: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「ダイヤモンド」「VIP」

ポートレイズ: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」

Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」


ModMountやMauntoの場合と同じ「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」という名称の5種類のアカウントが用意されているのは「」を付けた5つのサイトです。

さらにModMountやMauntoのサイトと「検証4」で検証した一連のサイトとの共通性として最も分かりやすいのはMメニューバーの「私たちについて」という項目から選択できる「法的」と題されたサブページ にある様々な規定を説明している書類のPDFファイルです。以下にModMountの「法的」サブページ (https://www.modmountltd.net/ja/legal)、Mauntoの「法的」サブページ (https://www.maunto.com/ja/legal) という順でPDFファイルのリストの画像を示します。

一方で「検証4」で検証した一連のサイトの多くにも似たようなPDFファイルが存在します。例えば以下はフェニックスリミテッドのサイトの「法的」と題されたサブページ (https://www.ltdphoenix.com/ja/legal) にある文書一覧と題されたPDFファイルのリストの画像です。

いずれのサイトでも「法的」というサブページに9個あるいは10個のPDFファイルが用意されています。また3つのサイトで用意されているファイルの名称がいくつかのファイルについてはファイル名が一致しているあるいは似ています。具体的には「クライアント契約」というファイルは3つのサイトの全てにあります。また「一般料金」と「一般手数料」と「一般的な手数料」といった3つのサイトでよく似た名称と思われるファイルの組み合わせも確認出来ます。「AMLポリシー」と「アンチマネーロンダリ」という組み合わせも「AML」がANTI-MONEY LAUNDERING (アンチマネーロンダリング) の略称であるようで互いに対応するファイルである可能性が高いです。実際問題、同じ名称あるいは似た名称の3つのファイルの内容を相互比較してみると全く同じではないもののかなり似ているようです。

特に重要と思われたのはModMountのサイトの「一般料金」というファイルMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルフェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルです。以下にまずModMountの「一般料金」というファイル冒頭のWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明の部分を示します。

クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、E-ウォレッツへの出金は出金手数料無料、電信送金の場合は出金手数料30ドルとなっています。

次にMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭のWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明の部分を示します。

ファイルの冒頭に

>Data Wave Tech Ltd - GENERAL FEES

と書いてあり、普通に解釈すれば「Data Wave Tech Ltd 」はMauntoのサイトの運営会社の名称と思われます。

そして記されている文章の一部を以下に書き出します。

>1. Withdrawal Fees

>If your account is fully verified and you have opened at least one trade, your first withdrawal is free of charge. If your account is not fully verified or if your account is verified, but you have not opened at least one trade, a withdrawal fee of 10 USD (or equivalent, based on account currency) will be charged.

>For all withdrawals following the first one, the charges below are applicable:

さらにこの文章のGoogle翻訳の結果も示します。

>1. 出金手数料

>アカウントが完全に認証され、少なくとも 1 つの取引を開始している場合、最初の出金は無料です。 アカウントが完全に認証されていない場合、またはアカウントが認証されていても少なくとも 1 つの取引を開始していない場合は、10 USD (またはアカウント通貨に基づく同等額) の出金手数料がかかります。

>最初の引き出しに続くすべての出金には、以下の手数料が適用されます。

最初の出金は条件を満たせば無料だが、ModMountの場合と異なって2回目以降の出金はクレジットカードなどの場合は3.5%の出金手数料が課されるとなっています。さらに電信送金の場合にはModMountの場合と全く同じで1回に30ドルというかなり高額の出金手数料が掛かるとなっています。

ModMountとMauntoの出金手数料の規定を比較するとクレジットカードなどへの出金についてModMountでは無料だが、Mountoでは3.5%もの手数料が掛かるという規定になっていて明らかに違いがあるのですが、その規定を示す表などには明らかに似ている部分が認められます。

そして以下が「検証4」で検証したフェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルの冒頭部、出金手数料に関する記述の部分です。

やはり一部を以下に書き出します。

>1. Withdrawal Fees

>If your account is fully verified and you have opened at least one trade, your first withdrawal is free of charge. If your account is not fully verified or if your account is verified, but you have not opened at least one trade, a withdrawal fee of 10 USD (or equivalent, based on account currency) will be charged.

>For the withdrawals following the first one, the below charges are applicable:

この文章は上に示したばかりのMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭に出てくる文章と一字一句全く同じです。さらにこの文章に続いて出てくる表の内容もMauntoのサイトのファイルと同じでクレジットカードなどの場合は3.5%、電信送金の場合には1回に30ドルというかなり高額の手数料が掛かるという説明になっていてMountoの場合と全く同じです。

さらにこれらの3つのサイトのPDFファイルの出金手数料の説明に続いてはいずれの場合もInactivity Fees (取引しないでいると課せられる料金) に関する説明が出てきます。まずModMountのサイトの説明を示します。

表よりも上の部分を以下に書き出します。さらにGoogle翻訳の結果も示します。

▼英語原文

>2. Inactivity Fees

Fees may be payable by you by virtue of the fact that the Platform is continually provided to you for trading, regardless of your actual use. If there are no transactions (deposits, withdrawals or trading activity) on your Account for a period of at least 1 (one) month or more, the Company reserves the right, to charge a monthly inactivity fee on your Account, in return for the provision of the continued availability of your Account. 

>You agree that you are liable to and will pay the applicable fee as notified to you from time to time and that we may deduct such fee from any funds held by us on your behalf.

▼Google翻訳による日本語訳

2. 非アクティブ料金

プラットフォームは、お客様の実際の使用に関係なく、取引のために継続的にお客様に提供されているため、お客様に料金が支払われる場合があります。お客様のアカウントに少なくとも 1 か月以上の期間取引 (入金、出金、または取引活動) がない場合、当社は、お客様のアカウントを継続的に利用できるようにすることと引き換えに、お客様のアカウントに毎月の非アクティブ料金を請求する権利を留保します。

お客様は、随時通知される該当する料金を支払う責任があり、支払うこと、および当社がお客様に代わって保有する資金から当該料金を差し引くことに同意するものとします。


要するに口座を取引せずに放置しておくと「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が毎月課せられるという説明になっています。そしてその非アクティブ料金が表にまとめられているのですが、口座を放置している期間が1ヶ月までは無料、2ヶ月目になると100米ドル、2ヶ月を過ぎて6ヶ月目までは毎月250米ドル、6ヶ月を超えると毎月500ユーロが課せられるようです。非アクティブ料金は非常に高額だし、こんな大事な規定がPDFファイルという形でしか開示されていないことについては悪意さえ感じます。

同様にMauntoのサイトのInactive Feesに関する説明を示します。

表よりも上の文章は基本的にModMountのサイトの文章と同じで若干文章が長くなっています。ModMountのサイトの文章と比較して付け加えられている部分の文章のみ以下に示します。さらにその部分をGoogle翻訳で日本語訳した結果も示します。

▼英語原文

The monthly inactivity fee shall increase as the total period of inactivity increases. The exact fee schedule will be calculated according to the currency denomination of your Trading Account and is set out as follows or as changed by the Company from time to time and notified to the client:

▼Google翻訳による日本語訳

月間非アクティブ料金は、非アクティブ期間の合計が増加するにつれて増加します。 正確な手数料スケジュールは、お客様の取引口座の通貨単位に応じて計算され、以下のように定められるか、または当社によって随時変更され、クライアントに通知されます。


要するにMauntoのサイトでも口座を取引せずに放置しておくと「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が毎月課せられるという説明になっています。そしてその表にまとめられている非アクティブ料金は口座を放置している期間が1ヶ月までは無料、2ヶ月目になると100ユーロ、2ヶ月を過ぎて6ヶ月目までは毎月250ユーロ、6ヶ月を超えて12ヶ月目までは毎月500ユーロが課せられ、1年以上放置すると口座が凍結・没収されることになるとなっています。ModMountの場合とよく似ていますが、非アクティブ料金が米ドル単位ではなく、ユーロ建てになっている点、最終的には口座残高の全てを没収されるという規定まであることなどはModMountの場合と異なります。いずれにしろ異様に高額な「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が課せられるという規定であることは同じです。

そしてこれと非常によく似た記述がフェニックスリミテッドのサイトの「一般的な手数料」というファイルにもあります。その部分の画像を以下に示します。

このフェニックスリミテッドの場合、1ヶ月 (30) までは無料なのは同じなのですが、1ヶ月 (30日) を超えると「Inactivity Fees (非アクティブ料金)」が発生し、その料金は2ヶ月目が100米ドル、3~6ヶ月目は毎月250米ドル、6ヶ月 (180日) を超えると毎月500米ドルとなっています。ModMountの規定と基本的に同じ既定のようです。

こんな理不尽な規定は普通のFX業者では有り得ないでしょうし、これらのサイトが組織的に結びついている、つまり同じグループによるサイトであることを強く示唆するものと考えます。尚、「検証4」で検証した同じグループによると思われる21個のサイトの内、フェニックスリミテッド以外にもエックスプロマーケッツ、エランドロード、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイトでも確認されています。しかもこれらの非常に高額な非アクティブ料金に関する規定はいずれのサイトでも「法務」といった名称のサブページにあるPDFファイルの中にのみ記されています。わざわざ分かりにくい、普通の顧客ならば確認しようとも思わない人が珍しくないであろう場所にのみ高額な非アクティブ料金に関する規定が示されているというのは不親切などと言うものではなく、むしろ異様に顧客に不利な規定を悪意を持って分かりにくい場所にのみ記しておき、お金を騙し取ろうとしているようにしか思えません。非常に悪質と感じます。またこうした非アクティブ料金に関する異様な規定が共通して存在するこれらのサイトが同じグループによるサイトであることもほぼ間違いないものと考えます。

次にModMountやMauntoのサイトで連絡先情報を探してみましたが開示されている情報はわずかです。まずModMountの場合ですが、トップページの最後の方に以下のメールアドレスと電話番号だけの連絡先情報が示されています。

メールアドレス: support@modmountltd.com

電話番号: +2484632002

メールアドレスについてはドメイン名の部分 (modmountltd.com) がここで検証しているModMountのサイトのドメイン名 (modmountltd.net) ではなく、本項の最初で示したModMountの旧サイト (https://www.modmountltd.com/) のドメイン名になっています。既に書きましたがこの検証を書いている2024年6月上旬現在で旧サイトにアクセスすると新しいModMountのサイトにリダイレクトされる設定になっていてメールアドレスは旧サイトのメールアドレスがそのまま使われているようです。

一方の電話番号は[+248]というセーシェルの国番号から始まっているのでセーシェルの電話番号ではないかと思われます。さらにメニューバーの「私たちについて」という項目の中にある「苦情」という項目からリンクされているサブページ (https://www.modmountltd.net/ja/complaints) に以下の連絡先情報があります。

メールアドレス: complaints@modmountltd.com

住所: ユニットNo:S41C, Espace Building, Ile Du Port, Mahe, Seychelles

電話番号: +2484632002

トップページには記されていなかった住所が記されています。この住所を検索してみましたがEspace BuildingがセーシェルのMaheにあることは確認出来るもののそれ以上の情報は見つかりません。

さらに例によってModMountのサイトのWho Is 情報を確認しましたが、登録者に関する情報は何も開示されていません。以下に示したようにサイトの登録・開設日は2023年1月16日となっています。

ちなみにModMountの旧サイト (https://www.modmountltd.com/) についてもWho Is 情報を確認しましたがやはり登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2022年2月16日となっています。

それから以下に示すのはModMountのサイトへの国別アクセス状況です。

ノルウェーからのアクセスが全体の約6割、日本からのアクセスが4割ということでノルウェーと日本以外の国からのアクセスは皆無という状況になっています。この2ヵ国を標的に勧誘が行われているのだと思われますが、どういう理由でこの2ヵ国が標的になっているのか全く分かりません。

次にModMountについて金融ライセンスに関する情報を探してみるとサイトの脚注部分に金融ライセンスに関すると思われる記述があります。日本語版と英語版を以下に示します。

まずセーシェルの(法人)登録番号、登録住所が書いてあります。

登録番号: 8426105-1

登録住所: First floor, Room B11, Providence, Mahe, Seychelle

またセーシェルの金融ライセンスを管理するSeycehlles Financial Services Authority (FSA) から金融ライセンス (SD119) で登録を得ているとも書いてあります。

さらにModMount Services Limitedはキプロスで設立されているPeaksight Ltd と同じグループに属する企業であり、Peaksight Ltdはキプロスの金融ライセンスを管理するCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) で金融ライセンス (ライセンス番号:440/23) を取得しているとも書いてあります。

そこでこれらの記述内容の確認を試みました。まずセーシェルのFSAから金融ライセンスを取得しているという件ですがFSAの公式サイト (https://fsaseychelles.sc/) から探してみると「Capital Markets」のページの「Securities Dealer」のリストの中に確かに以下に示したModmount Services Limitedの登録情報が見つかりました。

登録情報を以下に書き出します。 

住所: Unit S41C, Espace Building, Le Chemin De La Fraternite, Ile Du Port, Seychelles

電話番号: (+248) 2608375

メールアドレス: info@modmountltd.com

ウェブサイト: https://www.modmountltd.com

住所は「苦情」のサブページ (https://www.modmountltd.net/ja/complaints) に記されていた住所と一致しますが電話番号はトップページや「苦情」のサブページに記されていた電話番号 (+2484632002) とは明らかに異なります。またウェブサイトのURLアドレスは本項の最初で説明した旧サイトのURLアドレスになっていてここで検証いる新サイト (https://www.modmountltd.net/ja) のURLアドレスではありません。これではセーシェルのFSAで金融ライセンスを取得しているとは言えないでしょう。 また租税回避地として有名なセーシェルの金融ライセンスについて厳密な審査が行われているかどうかは非常に疑問です。セーシェルに事業実態が存在しないような業者でさえもライセンスが付与されている疑いは相当に高いです。

さらにグループ企業のPeaksight Ltd キプロスのCyprus Securities and Exchange Commission (CySEC) で金融ライセンス (ライセンス番号:440/23) を取得しているという件ですが、CySECのサイト (https://www.cysec.gov.cy/home/) で探してみると確かに以下に示したPeaksight Ltd」の登録情報が見つかってきました。

登録番号 (Licence Number: 440/23) が合致しているのでこれがModMountのサイトでグループ企業とされている法人の登録情報でしょう。登録の日付は2023年12月11日となっています。そして「Approbed Domains (認可されているドメイン名)」が記されているのでPeaksight Ltdの公式サイト (https://www.peaksightltd.com/en/) にアクセスしてみました。以下にサイト冒頭部の画像を示します。

このサイトは日本語に対応していないようなのでここで詳しく検証はしませんが、確かにModMountやMauntoのサイトあるいは「検証4」で検証してきた一連のサイトと似ている部分が認められ、同じグループに属するサイトの可能性が高いです。例えば4種類のアカウント (Classic、Silver、Gold、VIP) が用意されているとか、「Legal (法務)」というサブページに利用規約などに関するPDFファイルが多数用意されていてその中にはGeneral Fees (一般料金) というファイルがあり、Withdrawal Fees (出金手数料) とか「Inactive Fees (非アクティブ料金)」が規定されているといった共通点があるのです。以下は「General Fees」のファイルの冒頭部分、出金手数料に関する説明の部分の画像です。上で示したModMountなどの出金手数料の規定と比較すると非常によく似ていることが分かると思います。

確かにPeaksight Ltdはキプロスで金融ライセンスを得ていますし、キプロスのCySECのライセンスは少なくともセーシェルのライセンスよりは信頼性が高いとされています。しかし、Peaksight Ltdは同じグループであってもModMountとは明らかに別個の法人なのですからPeaksight Ltdがライセンスを取得していてもModMountを信頼することは出来ません。

次に表題2番目のMauntoのサイトについて連絡先情報や金融ライセンスに関する情報を示していきます。まず連絡先情報についてはModMountの場合と同じでトップページの下の方にメールアドレスと電話番号だけ示されています。

メールアドレス: support@maunto.com

電話番号: +44 203 150 2 347

電話番号は[+44]というイギリスの国番号から始まっています。ModMountのサイトの相当する部分に記されているのは上で示したようにセーシェルの国番号から始まるセーシェルの電話番号です。MotMountとMauntoは互いに非常によく似たサイトであり、運営しているのは同じグループとしか思われないのに電話番号がセーシェルとイギリスで分裂していることには疑問を感じざるを得ません。

さらにこれもModMountの場合と同じでメニューバーの「私たちについて」という項目の中にある「苦情」という項目からリンクされている「苦情情報」のサブページ (https://www.maunto.com/ja/complaints) に以下の連絡先情報があります。

>メールアドレス: complaints@maunto.com

>住所: P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM

>電話番号: +44 203 150 2 347

イギリスの電話番号はトップページに記されている電話番号と同一で住所はコモロ諸島になっています。電話番号と住所が矛盾していることになります。

さらにサイトの脚注に以下のような記述があります。

コントラストが低くて判読し難いので記述を以下に書き出します。

>会社情報 DataWave Tech Ltdは登録番号 2023-00512でセントルシアに設立され、登記上の事務所住所は P.B.にあります。 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM は、ライセンス番号 T2023409でムワリ国際サービス局からライセンスを取得した国際証券取引所および清算機関です。

コモロ諸島のムワリ国際サービス局 (英語ではMwali International Services Authority)からMauntoの運営会社である「DataWave Tech Ltd」金融ライセンスを取得しているというので確認を試みました。Mwali International Services Authority のサイト (https://mwaliregistrar.com/) で登録情報を探すと確かに以下に示したようにBrokerage  Companies のリスト の中にDataWave Tech Ltd. の登録情報を確認しました。

登録の日付は2023年11月17日とかなり新しく、赤枠の中の「Website」というリンクは確かにMauntoのサイト (http://www.maunto.com/) にリンクされています。

さらに

>P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM

という住所ですが、この住所は「検証4」で検証したBigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/) のサイトで登録住所とされていた住所と同じです。(2024年4月現在ではビッグマーケッツの登録住所はセントルシアに変更されています。) 以下に2023年10月に取得したビッグマーケッツのサイトの脚注部分の画像を示します。

>Тоmоrrоw Technologies LtdはP.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KMに登録されています。

>Tomrrow Technologies Ltdは,「Bigmarkets]ブランドを所有・運営しています。

ビッグマーケッツとMauntoが同居していることになってしまうこのコモロ諸島の住所はビッグマーケッツの検証で指摘しましたが、以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICE (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の拠点の住所とも完全に一致します。

この住所はオフショア会社を利用した名目だけの架空住所でまず間違いありません。となればコモロ諸島で金融ライセンスを取得しているというのが事実であってもそのライセンスだけでMauntoが信頼できる業者と考えるのは困難です。

さらに電話番号がイギリスの国番号である[+44]から始まっていたことから実際にはイギリスに拠点があるのではないかと考えて「Maunto」というイギリスの法人登録を探してみましたが該当はありません。上で示したMauntoのサイトの「一般手数料」というファイルの冒頭に運営会社の名称ではないかと思われる「Data Wave Tech Ltd」という社名が出ていたのでイギリスに「Data Wave Tech Ltd」という法人が存在しないかについても調べてみましたがDATA WAVE TECHNOLOGIES LIMITED (Company number 10909317) という法人の登録が見つかったものの業種が「Information technology consultancy activities (情報技術コンサルティング)」となっており、Mauntoの運営会社であるかどうかは疑問です。

Mauntoのサイトに戻って他に連絡先に結びつくような可能性のある情報としては公式SNSアカウントへのリンクがあります。

Facebook: https://www.facebook.com/profile.php?id=61555833492143

Instagram: https://www.instagram.com/mauntoltd/

X (旧Twitter): https://twitter.com/Maunto_trade

LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/Maunto/

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCMfhASoZN4CsIqAG1NgsNTA

しかしこれらのSNSアカウントのプロフィール欄を見ても連絡先情報は見当たりません。

さらに例によってサイトのWho is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も記されていません。サイトの登録・開設日は以下の画像の黄色の枠で囲った部分に記されているように2023年4月3日になっています。

本項で検証したModMountとMauntoという2つのサイトは「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトなどと関与していると思われる海外の詐欺グループによるサイトの疑いが極めて濃いです。情報開示は明らかに不充分、不適切であり所在地さえはっきりしませんし、信頼出来る金融ライセンスも確認出来ません。さらに異様に高額な非アクティブ料金、出金手数料など普通に考えても投資先として非常に問題があります。この業社での投資は全く推奨できません。特に姉妹サイトの「検証151」で説明したようにこのグループは有名人の名前や画像を盗用した偽の新聞記事、偽のネット記事で勧誘していることが確認されています。そうした偽記事広告に個人情報を入力してしまい、怪しげな日本語の電話で勧誘されるというパターンでこれら2つのサイトでの投資も勧誘されている可能性が濃厚であり、厳重な注意が必要です。さらに本項の冒頭で引用したように入金してしまった被害者に連絡してきてお金を取り戻せるなどと称してさらにお金を騙し取ろうとする動きがあるようです。この点でも厳重な警戒、注意が必要です。


●BullMarkets (ブルマーケッツ https://www.bullmarkets.com/international/ja/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。

2024年3月8日投稿

きっかけは

>芸能人(川島明がほんまでっかtvで…の内容)を利用した広告の投資案件を信じてしまい、

となっており、最終的に表題のブルマーケッツというサイトでの投資として入金してしまったようです。本ページで取り上げているサイトは上で書いたように「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや姉妹サイトの「検証151」で検証した仮想通貨のサイトなどと同じ海外の詐欺グループによるサイトである可能性が濃厚であり、有名人の名前や画像を使った偽の新聞記事広告で勧誘するのが特徴なのですが姉妹サイトの「検証151」で取り上げた偽記事広告の中にはまさに川島明氏の名前や画像を盗用したと思われる以下のような偽記事広告が確認されています。川島明氏が「ホンマでっかTV」で発言したという内容も知恵袋の質問の記述と一致しており、おそらくこのYahoo知恵袋の質問の投稿者はこうした偽記事広告で勧誘されたものと思われます。

この偽記事の内容は上のMauntoの検証の中で取り上げた笑福亭鶴瓶氏の名前や画像を盗用し、読売新聞オンラインの記事を装った偽記事広告の内容と酷似しています。有名人の名前と画像を入れ替えただけの非常によく似た偽記事広告が多数確認されている件については姉妹サイトの「検証151」を参照してください。

そして上で引用したYahoo知恵袋への質問投稿には

>bullmarkets.com というサイトで支払いしてしまいました。

とあります。これが本項の検証対象であるブルマーケッツのサイトのURLアドレスということになります。

さらにこのURLアドレスについて検索してみたところ、just answer (ジャストアンサー https://www.justanswer.jp/) というサイトにも同じブルマーケッツのサイトでの投資を勧誘されて2300万円もの大金を騙し取られたという以下の質問投稿が出ていることが分かりました。

詳しい経緯は不明ですが、インスタグラムで知り合った人物にブルマーケッツのサイト (bullmarkets.com/international/ja/) での投資を勧められてマネージャーと名乗る人物の指示に従って証券、FX、金などに投資していたが4月12日に証拠金不足となって資産残高がゼロになってしまったようです。

さらにこの検証を書いた後ですが、Googleの検索結果の並びの中にブルマーケッツでの口座開設を勧誘する広告があることを発見しました。以下にGoogleに出てきた広告の画像を示します。

さらにこの広告をクリックすると出てくる広告サイト (https://digitalpecunia.com/jp-trading-platform/6373 リンクは外してあります。) の画像を以下に示します。

ブルマーケッツに加えてFXTMというサイトへのリンクも用意されているように見えますが、実際には「取引を開始」というリンクはいずれも以下に画像を示したブルマーケッツのサイトの口座開設画面 (https://lp.monstrack.com/bullmarkets-lead-registration/ja/ リンクは外してあります。) にリンクされています。

ちなみにこのGoogle広告の出稿者情報を見るとイタリアの「Digital Money Srl」という会社が出稿者になっています。

勧誘手段が多様化しているように思われます。

とにかくまずはこれらの質問投稿に出てきた「bullmarkets.com というサイト」にアクセスしてみました。これが本項の検証対象であるブルマーケッツというサイトであり以下にそのサイトの冒頭部の画像を示します。

そしてこのサイトを見て気が付きましたが、このサイトは「検証4」で検証した一連のサイトの中でも特に以下の4つのサイトと似ている部分が多いようです。

▼インベサキャピタル (https://www.invesacapital.com/international/ja/)

▼インベストマーケッツ (https://www.investmarkets.com/international/ja/)

▼インベスティコ (https://www.investico.com/international/ja/)

▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)

例えばこれら4つのサイトの内、最後のビッグマーケッツのサイトの冒頭部の画像を比較の為に以下に再掲します。

▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)

このサイト冒頭部を比較すると一見して特にブルマーケッツのサイト冒頭と似ているようには見えませんが、よく見ると例えばメニューバーに並んでいる項目名が一致しています。

ブルマーケッツおよびブルマーケッツのサイトと似ていると思われる4つのサイト (インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツ) の場合も含めて5つのサイトのメニューバーの画像を以下にまとめます。

そしてこれらのサイトのメニューバーの項目を以下にまとめます。

サイト名 メニューバー項目

ブルマーケッツ: 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」

インベサキャピタル: 取引」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」

インベストマーケッツ 「取引」「CFD」「教育」「アカウント」「ログイン」「登録」

インベスティコ : 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」

ビッグマーケッツ: 「トレード」「マーケット」「ラーニング」「アカウント」「ログイン」「登録」

ブルマーケッツのメニューバーの項目名とその並び順はインベスティコ、ビッグマーケッツの2つのサイトの場合と全く同じです。インベサキャピタルやインベストマーケッツについても「トレード」と「取引」の違いなど翻訳の違いではないかと思われる違いがあるだけです。

さらに以下はブルマーケッツの言語選択メニュー部分の画像です。

表示言語の選択肢は英語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、香港語、韓国語、タイ語、マレー語、トルコ語、ヒンディー語の15言語となっています。

同様に左下はインベサキャピタル、右下がインベストマーケッツの言語選択メニューです。

さらに左下はインベスティコ、右下がビッグマーケッツの言語選択メニューです。

ブルマーケッツが15ヵ国語対応なのに対してインベサキャピタルは12ヵ国語、他の3つのサイトは14ヵ国語対応になっていますが、丸形の国旗アイコン、選択肢である言語の並び順などこの言語選択メニューには明らかに類似性が認められます。

さらに以下はブルマーケッツの口座開設画面 (https://www.bullmarkets.com/international/ja/#slide-registration) です。

インベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの口座開設画面もこれと非常によく似ています。以下は代表としてビッグマーケッツの口座開設画面 (https://www.bigmarkets.com/international/ja/#slide-registration) の画像再掲しますが非常によく似ています。

さらに以下にはブルマーケッツのメニューバーにある「アカウント」という項目から選択できる「アカウントの種類」というサブページ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/account-types/) にある開設できる4種類のアカウントのまとめの画像です。

最低250ドルの入金で開設できる「ベーシック」から始まって2万5000ドルの入金が必要な「ゴールド」、10万ドルの入金が必要な「プラチナム」、25万ドルの入金が必要な「VIP」の4種類のアカウントがあり、上級のアカウントの方がスプレッドなどが有利になるシステムのようです。そしてこれとよく似た複数のアカウントが「検証4」で検証した一連のサイトにも用意されており、特にインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトで用意されているアカウントと名称や条件が似ているようです。例えば以下はビッグマーケッツで用意されている4つのアカウントのまとめ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/account-types/) の画像です。

やはり最低250ドルの入金で開設できる「ベーシック」から始まって2万5000ドルの入金が必要な「ゴールド」、10万ドルの入金が必要な「プラチナム」、25万ドルの入金が必要な「VIP」の4種類のアカウントがあって上級のアカウントの方がスプレッドが有利になるといった違いがあるようです。ブルマーケッツの4種類のアカウントと名称や開設に必要な最低入金額が全く同じです。さらに「検証4」で示していますがインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコについても同じ最低入金額の同じ名称の4種類のアカウントが用意されているのは同じです。ちなみに同じグループによると思われる「検証4」で検証した20個ほどのサイトや上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) でも複数のアカウントが用意されているという点については共通性があるのですが、アカウントの種類は5種類というサイトが多いです。

さらに以下に示したのはブルマーケッツのサイトの脚注部分にリンクがある「よくある質問」のサブページ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/faqs/general/#all) の冒頭部です。

そしてインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトにもこれと非常のよく似たサブページが存在します。例えば以下はビッグマーケッツのよくある質問のサブページ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/faqs/general/#all) の冒頭部です。

「よくある質問」の中にさら「一般」「登録」「入金」「出金」「レギュレーション」「アカウント認証」「手数料」「トラブルシューティング」「取引と投資」といったカテゴリーがあり、さらにそれぞれのカテゴリーにある質問の文章なども全く同じです。例えば「一般」というカテゴリーで最初の質問の文章はいずれのサイトでも以下のようになっています。

>アカウントにログインする方法を教えてください。

これもブルマーケッツと「検証4」で検証したインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコ、ビッグマーケッツの4つのサイトが同じテンプレートから量産されたサイトであることを示しているものと考えられます。

さらに以下にはブルマーケッツおよびビッグマーケッツの「法務」と題されたサブページにあるファイルのリストを示します。画像は省略しますがインベサキャピタル、インベストマーケッツ、インベスティコにも「法務」あるいは「法的事項」と題された対応するサブページが存在します。

それぞれのサイトに用意されている13個のファイルの名称は2つのサイトで全く同じです。これらのファイルの内、最も気になったのは「一般料金」というファイルです。まず以下にはブルマーケッツの「一般料金」というファイル (https://www.bullmarkets.com/international/ja/terms-and-conditions/general-fees/) を以下に示します。 

同様に以下にはビッグマーケッツの「一般料金」というファイル (https://www.bigmarkets.com/international/ja/terms-and-conditions/general-fees/) を示します。

いずれの場合もまずサイトの運営会社名と思われる社名が示されています。

サイト名 運営会社名

ブルマーケッツ ExpertPro Ltd

ビッグマーケッツ Tomorrow Technologies Ltd

そしていずれの場合もまずWithdrawal Fees (出金手数料) に関する説明が記されています。デビットカード/クレジットカード、電信送金、eWalletsという3つの出金方法が示されており、表の形でデビットカード/クレジットカードに出金する場合には送金額の3.5%、電信送金では30スイスフラン / 30米ドル / 30ユーロ / 30英国ポンド、eWalletsでは1.5~4.5%とかなり高額の出金手数料が掛かるということが示されています。この高額な出金手数料は上で検証したMauntoの場合などの場合とよく似ていますし、文章もそっくりです。

さらに表の下の英文を以下に書き出します。

>Notwithstanding the aforesaid tablw, in the following circumstances the Company reserves the right to charge a withdrawal fee at an ammount equal to 80 EUR (or the equivalent amount according to the denomibated currency of the Client`s Trading Account)

>If there is insignificant (one single position placed on the Trading Account only) or no trading activity in the Client`s Trading Account prior to the submission of the withdrawal request.

>If the Client fails to provide to the Company accurate and/or necessary and/or adequate informatio documentation for the verificatioon of his/her/its identity and/or address as may be requested from time to time by the date of submitting a withdrawal request.

If the Company decides to process a refund to the Client due to his/her/its failure to provide to the Company accurate and/or necessary and/or adequate information/documentation for the verification of his/her/its identity ans/or addresses may be requested from time to time and/or for any other reason the Company deems necessary.


この英文をそのままGoogle翻訳で翻訳した結果も以下に示します。

>前述の表にかかわらず、以下の状況では、当社は 80 ユーロ (またはお客様の取引口座の通貨建てに応じた同等の金額) に相当する金額の出金手数料を請求する権利を留保します。

>出金リクエストの提出前にクライアントの取引口座に重要でない(取引口座に置かれた単一のポジションのみ)または取引活動がなかった場合。

>顧客が、出金要求を提出する日までに随時要求される、本人確認および/または住所の確認のための正確かつ/または必要かつ/または適切な情報文書を当社に提供しなかった場合 。

>顧客が顧客の身元および住所を確認するための正確かつ/または必要かつ/または適切な情報/文書を当社に提供しなかったために、当社が顧客への返金処理を行うことを決定した場合 は、随時、および/または当社が必要とみなしたその他の理由により、要求される場合があります。


説明が漠然としていて意味がよく分からない部分があるのですが、身分証明書とか連絡先情報をサイト側が満足する形で速やかに提出しないだけで罰金のような形で80ユーロ (1ユーロ=168円として13440円) 請求されることになるようです。さらに取引がない状態が続いているとこれも80ユーロの支払いを請求される理由になるようです。

この「取引活動がなかった場合」に課金されるという件についてはよくある質問にも簡単な記述があります。まず以下にはブルマーケッツの「よくある質問」の「手数料」の項目 (https://www.bullmarkets.com/international/ja/faqs/fees/#q01) を示します。 

同様にビッグマーケッツの「よくある質問」の「手数料」の項目 (https://www.bigmarkets.com/international/ja/faqs/fees/#q01) を示します。 

いずれの場合も

>お客様の取引アカウントで少なくとも1ヶ月以上取引(入金、出金、取引活動)がない場合、当社はお客様の取引アカウントを継続的に利用できるように維持する代わりに、お客様の取引アカウントに対して毎月利用停止手数料を請求する権利を有します。

取り引きがない状態で1ヶ月を経過しただけで具体的な金額は示されていませんが「利用停止手数料」を毎月課す権利を有するとだけあります。詳細は法務セクションを参照するようにと書いてありますが、その法務セクションの記述も既に示したようにあまり明確ではないものの毎月80ユーロが課せられるということなのだと思われます。こうした取引しないで口座をたった1ヶ月放置しただけで法外とさえ言えるレベルの高額な「利用停止手数料」を課されるというシステムは上で検証したMauntoや「検証4」で検証した幾つかのサイトでも「非アクティブ料金」と称して設定されています。

例えばMauntoの場合には取引しないでいる期間が長くなればなるほど「非アクティブ料金」が高額になり、最終的には口座を凍結・没収される可能性もあるという規定になっていましたからそれに比べれば毎月80ユーロの「非アクティブ料金」という規定は幾分マシと言えるかもしれませんが、やはり法外なことに違いはありません。

実は「検証4」に書いたビッグマーケッツの検証の「付記1」で書きましたが、ビッグマーケッツでも以前は取引しないで口座を放置する期間が長くなればなるほど高額の「非アクティブ料金」が課せられるという規定になっていましたが規定が改訂されたようです。

しかしいずれにしろこうした著しく顧客にとって不利な条件を非常に分かりにくい場所に分かりにくい形でしか表示していないという点については悪意さえ感じざるを得ません。

次に連絡先情報を確認しました。まずブルマーケッツのサイトの脚注部分には以下のような記述があります。

>このウェブサイト(www.bullmarkets.com)は、セントルシアで登録され、ムワリ国際サービス機構により認可および規制され、ライセンス番号T2023380を持つ会社であるExpertPro Ltdにより運営されています。ExpertPro Ltdの所在地は、セントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階です。

>ExpertPro Ltdは「BullMarkets」ブランドを所有・運営しています。

これと非常によく似た記述がビッグマーケッツのサイトの脚注にもあります。以下に示します。

>このウェブサイト(www.bigmarkets.com)はТоmоrrоw Technologies Ltdによって運営されています。Тоmоrrоw Technologies Ltdはセントルシアで登録された会社であり、Mwali International Services Authorityによって認可、規制されています(ライセンス番号T2023167)。Тоmоrrоw Technologies Ltdはセントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階に登録されています。

>Тоmоrrоw Technologies Ltdは「Bigmarkets」ブランドを所有、運営している。


2つのサイトの記述は運営会社名の部分が変わっているぐらいで互いに極めてよく似ています。いずれの場合もセントルシアで登録され、登録住所はセントルシア、グロスイスレット、ロドニーベイ、ロドニービレッジ、サザビービル1階 (英語版ではGround floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.)、金融ライセンスはコモロ諸島のMwali International Services Authorityで取得しているとなっています。

まずブルマーケッツの運営会社となっているExpertPro Ltdを検索してみるとブルマーケッツを運営会社であるという記述のあるExpertPro Ltdのサイト (https://www.expertproltd.com/) を発見しました。以下にこのExpertPro Ltdのサイトの冒頭部の画像を示します。

このサイトの脚注部分には以下のような記述があります。

>ExpertPro Ltd owns and operates the “Bullmarkets” brand.

ExpertPro Ltd. はブルマーケッツブランドを所有し、運営していると明示されておりこれが運営会社のサイトであることは間違いありません。しかしこのExpertPro Ltdのサイトにも特に目新しい情報はありません。

次にExpertPro Ltdがコモロ諸島のMwali International Services Authority (https://mwaliregistrar.com/) から金融ライセンスを取得しているという記述の確認を試みました。確かに以下に示したようにBrokerage  Companies のリスト の中、赤枠で囲った部分にExpertPro Ltd.の登録情報を確認しました。

登録の日付は2023年10月11日となっており、赤枠の中の「Website」というリンクは確かにブルマーケッツのサイト (http://www.bullmarkets.com/) にリンクされています。

しかし同じコモロ諸島のMwali International Services Authority (https://mwaliregistrar.com/) から金融ライセンスを得ているという主張は上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja)「検証4」で検証したビッグマーケッツやVentorus (https://www.ventorus.com/ja) でも出ており、それらの検証でも書いていますが、コモロ諸島のライセンスがあるということのみでブルマーケッツが投資先として信頼出来るかどうかはかなり疑問です。特にアフリカの東側にあるコモロ諸島とは遠く離れたカリブ海の島国であるセントルシアになっているとなればそれだけでMwali International Services Authority のライセンス審査の厳格性に疑問を感じざるを得ません。またセントルシアの

>Ground floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia

という住所はビッグマーケッツの検証で指摘しましたが以下に示したFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の連絡先情報に記されているセントルシアオフィスの住所と一致しているようです。 

この住所もオフショア会社を利用した名目だけの架空住所である疑いが極めて濃いです。

さらにこれ以外のブルマーケッツの連絡先情報としては「お問い合わせ」のサブページに左下に示した電話番号とメールアドレスが示されています。一方、右下はビッグマーケッツの「お問い合わせ」のサブページに示されている電話番号とメールアドレスです。

▼ブルマーケッツ

>電話: +1-939-2013112

>Eメール: info@bullmarkets.com

▼ビッグマーケッツ

>電話: +1-787-6807359

>Eメール: info@Bigmarkets.com

いずれの電話番号も[+1] という北米 (アメリカあるいはカナダ) の国番号から始まっています。少なくともコモロ諸島やセントルシアの電話番号ではありません。コモロ諸島の金融ライセンスやセントルシアの登録住所、そして北米の国番号から始まる電話番号が互いに矛盾していることになり、連絡先情報は全く信頼できません。

また連絡先情報を求めて例によってブルマーケッツおよび運営会社とされるExpertPro Ltdのサイト (https://www.expertproltd.com/) のWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は以下のようになっています。

サイト名 登録・開設日 アップデート日

BullMarkets 1999年12月6日 2023年126

ExpertPro Ltd 20231012日 2023年10月12日

ブルマーケッツのサイトは1999年12月に登録されていますが、運営会社であるExpertPro Ltdのサイトは2023年10月に登録されていてかなり新しいです。運営会社のサイトの方がずっと新しいというのもおかしな話であるように思われ、ブルマーケッツのサイトは中古ドメインを買ってきて開設されている可能性が考えられます。

そしてWho Is 情報を調べていて気が付きましたが、ブルマーケッツのサイトへの国別アクセスを見ると日本からのアクセスが最も多いようです。まず以下はアクセス数を調べた結果です。

1日当たりの独立訪問者数が75人、月間のアクセス数が2273回と決してアクセスが多いサイトではありません。そして国別のアクセスの割合を見ると以下のようになっています。

日本からのアクセスが全体の65.80%と圧倒的に多く、次いでインド、キプロス、ドイツという順になっています。日本人を主な標的にして勧誘が行われている可能性が高いです。

改めて結論するまでもなく、本項で検証したブルマーケッツは投資先として信用出来るとは全く思えません。まず情報開示は極めて不充分、不適切であり、事業実体が何処にあるのかさえ分かりません。また「検証4」で検証してきた一連のサイトや上で検証したModMountやMauntoといったサイトと明らかに似ており、さらに勧誘方法についても類似点が認められ、組織的に繋がっている可能性が極めて濃厚です。それらのサイトの中には明らかな被害報告が出ているサイトも含まれており、さらにはブルマーケッツ自体についても本項の最初引用したように被害報告が出ています。

ブルマーケッツでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


※付記

2024年6月20日付でブルマーケッツについて関東財務局から無登録の違法業者であるとして以下に示す警告が出ました。


●NIPPON CAPITAL FX (ニッポンキャピタルFX https://www.nipponcapitalfx.com/)

これはクローズアップ現代というテレビ番組の「SNS型投資詐欺」を取り上げた2024年4月24日の放送に出てきたサイトです。

この番組のあらすじの中で紹介された被害事例の2例目、ネット広告からリンクされていたソフトバンクの孫正義氏と評論家の寺島実郎氏の架空対談を読売新聞の記事に見えるような形で示した偽記事に騙されて電話番号などを入力してしまったところ怪しげな日本語を話す母親がイギリス人で香港の大学を出たと自称する人物から国際電話が掛かってきて投資を勧誘され、3万円を投資してしまったようです。その後、似たような内容の偽のニュースサイトが他にも存在することが分かり、詐欺だと気が付いたようです。これは姉妹サイトの「検証151」でまとめた勧誘の手口、上で検証したMauntoやブルマーケッツへの投資勧誘で用いられていた勧誘の手口に合致しており、同じ詐欺グループによる詐欺でほぼ間違いないものと考えられました。そして投資してしまったサイトの画面が一瞬映ったのですが、それが本項の検証対象であるニッポンキャピタルFXというサイトです。

またこのサイトについてはYahoo知恵袋にも1件だけですが質問が出ています。

2024年1月23日投稿

質問はこれだけで何も分かりませんが、この質問が投稿された2024年1月の時点で日本人に対してニッポンキャピタルFXでの投資勧誘が行われていた可能性が高いように思われます。

さらに検索してみるとニッポンキャピタルFXでの被害報告と思われるものが他にも見つかりました。まずjust answer (https://www.justanswer.jp/) という専門家の回答を求められる質問サイトで以下の投稿を見つけました。

インターネット上で仮想通貨詐欺にあったような気がします。

経緯が全く分かりませんが、ニッポンキャピタルFXで投資を始めてしまい、出金しようとしたところ経費や手数料と称して272万円を請求され、請求額の追加入金に応じたもののさらに260万円を請求されているようです。

出金しようとすると意味不明の名目で追加入金を要求されるというのは「検証13」以降で検証している中国系と思われる詐欺の手口に合致するのでこの投稿を見てこれは中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトなのかとも思いましたが、以下で示すようにサイト自体は明らかに「検証4」で検証してきた幾つかのサイトと似ています。異なるグループによる詐欺なのかと思っていましたが、実際には同一の詐欺グループが関与しているのかもしれません。あるいは詐欺の手法が異なるグループの間で模倣されているのかも知れません。

そして右上の画像に見えますが、質問者は回答者の弁護士からニッポンキャピタルFXのURLアドレスを問われてURLアドレス (https://www.nipponcapitalfx.com/about-us/) を返信しています。これは表題のサイトの「nipponcapitalfxについて」というサブページのURLアドレスに一致します。

さらに以下は爆サイ.com (https://bakusai.com/) というローカル口コミサイトで見つけたスレッドです。スレ立ての投稿、いくつかの重要と思われる投稿を抜粋して引用します。

nipponcapitalfx

最初のスレ主の投稿に対して3名の投稿者から自分も同じサイトで出金できなくないという投稿が寄せられています。計4件の投稿の内、3件で出金しようとしたところ手数料などの名目で追加入金を求められたという状況が説明されています。追加入金に応じても結局は出金されず、被害額が増えるだけのようです。

調べてみるとかなりの被害が既に出ているようです。

とにかくまずはサイト冒頭の画像を示します。

▼ニッポンキャピタルFX (https://www.nipponcapitalfx.com/) {表示言語:日本語のみ}

ニッポンキャピタルFXというサイト名から主に日本人を標的としたサイトであろうということは予想されましたが、表示言語の選択肢は用意されておらず、日本語のみのサイトになっています。明らかに日本人のみを標的にしたサイトということになります。そして同じグループによると思われる「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンスまでの21個のFXサイトの中にも日本語にしか対応していないサイトが4つあります。具体的には以下の4つのサイトが日本語にしか対応していないサイトです。

▼31FX (https://31-fx.co/)

▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)

▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)

▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)

これら4つのサイトはいずれもこの検証を書いている2024年5月上旬現在で閉鎖されているようですが、例えば以下にはアジアFXプロのサイト冒頭の画像を比較の為に再掲します。

一見しただけではニッポンキャピタルFXのサイトと特に似ているようには見えませんが、例えばメニューバーの項目の並びが似ているように思えます。

ニッポンキャピタルFX

「今すぐ取引する」「口座の種類」「取引教育」「市場」「会社情報」「お問い合わせ」「ログイン」「サインアップ」

▼アジアFXプロ:

「取引」「口座の種類」「教育」「市場」「会社情報」「お問い合わせ」「ログイン」「サインアップ」

さらに明確に似ているのはメニューバーの「サインアップ」の項目をクリックして出てくる口座開設画面です。

ニッポンキャピタルFXの口座開設画面 (https://www.nipponcapitalfx.com/open-account/)

アジアFXプロの口座開設画面 (https://www.asiafxpro.com/open-account/)

FXKYOTOの口座開設画面 (https://fxkyoto.com/open-account/)

の画像を左下 → 右下の順で示します。口座開設画面は互いにそっくりですし、URLアドレスも全て「/open-account/」で終わっていて互いに似ています。

これら3つのサイトの口座開設画面は互いにほぼ同じであり、同じグループによるサイトとしか思われません。

トップページに戻って気になる部分を取り上げます。以下は「いつでもどこでも取引」と題された部分の画像です。

マルチプラットフォーム対応を説明しているのですが、上の画像の左下、赤枠で囲った部分に気になる文章があります。

>24時間365日、20カ国語以上に対応した現地のグローバルチームがお客様をサポートします。また、多様な支払方法によって、より柔軟な入出金が可能です。

サイト自体が日本語にしか対応していないのに「20ヵ国語以上に対応した現地のグローバルチームがお客様をサポートする」というのは意味が分かりません。多数の言語に対応しているならばカスタマーサービス以前にサイト自体を多言語に対応させるのが先決でしょう。日本語にしか対応していないサイトで日本語を理解できない人が取引するとは思えません。

さらに以下は取引開始までの3段階を説明している部分の画像です。

この部分を見て何か既視感を感じたので調べてみるとVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) という日本語には対応していないイギリスのFX業者のサイトのサブページ (https://www.vantagemarkets.co.uk/clients/accounts/withdraw/) で以下に示す非常によく似た説明文と画像の組み合わせを見つけました。

さらにニッポンキャピタルの「ロングとショートの比較」と題されたサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/long-short-trading/) にも以下に示した人物の画像が変わっているだけで取引開始までの3段階を説明する同じ内容の部分が存在します。 

そしてVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) のトップページにも同じ女性の画像を使った以下のような部分が存在します。

さらに以下はニッポンキャピタルFXの会社情報のサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/about-us/) にある同様の内容の部分の画像です。

同様にVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) のインデックス投資のサブページ (https://www.vantagemarkets.co.uk/trading/products/indices/) にも同じ男性の画像を使った以下のような部分が存在します。

これは偶然とは思えません。ニッポンキャピタルFXとVantage (https://www.vantagemarkets.co.uk/) という日本語非対応のイギリスのFX業者の間に組織的な繋がりがあるのか、あるいは画像や文章が盗用されているのかのいずれかだと思われます。どちらかが他方のサイトから画像や文章を盗用しているのだとすれば後述しますがニッポンキャピタルFXのサイトは2023年11月16日にドメイン登録されたかなり新しいサイトなので盗用しているのはニッポンキャピタルFXの側である可能性が高いように思われます。

そして違和感を感じるのはニッポンキャピタルFXのサイトサイト名自体に「ニッポン」という言葉が使われ、日本語にしか対応しておらず、後述するように日本に拠点があるとしているサイトなのに使われている人物の画像が日本人とは思えない人物の画像ばかりであるということです。上に示したサイト冒頭部に登場する赤いセーターの男性を始めとして、上に示した画像以外にも人物の画像は幾つか出てくるのですが、日本人らしき人物の画像は全く見当たりません。日本語にしか対応しておらず、日本の拠点で運営されているFX業者のサイトとは考えにくいように思われるのです。


次に示すのはニッポンキャピタルFXのメニューバーにある「口座の種類」というサブページにある6種類の口座を説明する表です。

そして「検証4」で示していますがアジアFXプロのサイトの場合もメニューバーにあった「口座の種類」という項目からリンクされていたサブページにもこれと非常によく似た表があったことが確認されています。その画像を以下に再掲します。

いずれの場合も6種類のアカウントが存在しており、アカウントの名称は「BASIC (ベーシック)」「Bronze (ブロンズ)」「SILVER (シルバー)」「GOLD (ゴールド)」「PLATINUM (プラチナ)」「DIAMOND (ダイアモンド)」となっています。詳しい説明がないのですが、おそらく入金額を増やすと上級のアカウントを利用することが出来てレバレッジなどで優遇されるということだと思われます。こうした複数種類のアカウントは「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したMauntoやブルマーケッツのサイトでも設定されていて同じグループによると思われる一連のサイトでの共通点になっています。こうしたアカウントがあることもニッポンキャピタルFXとアジアFXプロなどのサイトとの組織的繋がりがあることを示す証拠と考えられます。


もう一度トップページに戻って以下は「会社情報」という題目なのですが、実際には取引対象を説明している部分の画像です。

この部分は「外国為替」「仮想通貨」「コモディティ (商品)」「インデックス」の4項目を取引対象として挙げており、それぞれの項目について説明しているサブページへのリンクにもなっています。この内、「外国為替」の項目からリンクされているサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/forex-trading/) には以下のような部分があります。

>ドル、ポンド、円、ユーロ、その他の通貨を購入、売却、取引することができます。

という記述もあるので円を含む通貨ペアも取引可能だと思われるのですが、

>取引可能な主要通貨ペアは、EUR/USD、GBP/USD、USD/JPY、USD/CHFの 4つです。 

という記述もあって主要な通貨ペアとして「ユーロ・米ドル」「英ポンド・米ドル」「豪ドル・カナダドル」「豪ドル・スイスフラン」の4つの通貨ペアが挙げられているのですが、ここにも日本語のみに対応し、日本に拠点があるとするFX業者の説明としてかなり違和感を感じます。日本のFX業者ならば「米ドル・円」「ユーロ・円」といった円を含む通貨ペアが主力のはずでしょう。少なくとも「豪ドル・カナダドル」「豪ドル・スイスフラン」といった通貨ペアよりも円を含む通貨ペアの方がずっと取引量が多いはずです。取引できる通貨ペアの一覧とか取引単位、スプレッド、スワップ金利など普通のFX業者ならば必ず開示されているような情報、さらにはリアルタイムの相場情報やチャートが全く見当たらないことにも違和感があります。

次にニッポンキャピタルFXのサイトで連絡先情報を探しました。「お問い合わせ」のサブページ (https://www.nipponcapitalfx.com/contact-us/) に「便利な連絡先」と題されたメールアドレス、電話番号、住所をまとめた部分があります。

>Eメール

>support@nipponcapitalfx.net

>電話番号

>+81 5068648388

>+44 203 3265806

>住所

>〒221-0056. 神奈川県横浜市神奈川区金港町7-3

>The Leadenhall Building, 122 Leadenhall St, London EC3V 4AB

メールアドレスは1つだけですが、電話番号と住所は2つずつあります。2つの電話番号の一方は [+81] という日本の国番号から、他方は [+44] というイギリスの国番号から始まっています。つまり日本とイギリスの電話番号が1つずつということになります。日本の電話番号は国番号に続いて (050) 局番なのでIP電話ということになります。日本の何処で使われている電話番号なのか全く情報がないことになります。

住所の方も同様で日本の住所とイギリスの住所が1つずつ記されています。まず神奈川県横浜市の住所ですが、検索してみるとこの住所には金港ビルというオフィスビルが存在しています。ニッポンキャピタルFXのサイトに記されている住所には階数とか部屋番号の情報がないのですが、このオフィスビルの7階には以下に示したRegusというレンタルオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点があります。

この住所はバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の疑いがあることになります。また国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/) でこの住所にある法人を検索してみると37件の法人登録が見つかるのですが、その中にニッポンキャピタルFXのものと思われる法人登録は見つかりません。また「ニッポンキャピタルFX」という名称の法人登録があるかどうかも検索してみましたが、該当がありません。本当にニッポンキャピタルの拠点が日本国内にあるかどうか疑問です。

さらにイギリスのロンドンの住所 (The Leadenhall Building, 122 Leadenhall St, London EC3V 4AB) についても同様に検索してみると確かにこの住所にはビルの形状が似ていることからCheesegrater (チーズ削り器) とも呼ばれているThe Leadenhall Building」という48階建ての高層オフィスビルがあるようです。しかし48階建てのビルの住所なのにこのロンドンの住所についても階数とか部屋番号の情報がありません。そしてこの高層ビルのテナント (入居者) 情報を見ると30階にServecorp (https://www.servcorp.co.uk/en/) というレンタルオフィス/バーチャルオフィス業者が入居しています。ロンドンの住所の拠点情報も確認され、この拠点でバーチャルオフィスのサービスも提供されていることも確認されます。

このロンドンの住所についてもバーチャルオフィス業者を利用した架空住所の疑いがあることになります。またロンドンに住所があるということからニッポンキャピタルFXについてイギリスの法人登録を検索できるCompanies House (https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/) というサイトでイギリスに法人登録がないか検索してみましたが、該当すると思われるような法人登録は見つかりません。またそもそもイギリスに拠点があるならサイトが日本語表示のみで英語にも対応していないというのは異様です。イギリスの拠点についても実在するかどうか疑問です。

さらに所在地情報を求めて例によってサイトのWho Is 情報を確認してみましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は以下の画像、黄色の枠で囲った部分に記されていますが、2023年11月16日となっています。

また日本語にしか対応していないサイトですから当然ですが、以下に示したようにアクセスの100%が日本国内からのアクセスになっているようです。

とてもではありませんが、イギリスにも拠点のある会社とは思えません。

最初に引用したようにこのサイトについては既に多数の被害報告が出ています。運営者に関する情報の開示は決めて不充分、不適切であり、有効な金融ライセンスも確認出来ません。それどころか拠点があるとされている日本でもイギリスでも法人登録さえ確認出来ません。

またこのサイトと最も似ているのは「検証4」で検証した以下の4つのサイトですが、

▼31FX (https://31-fx.co/)

▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)

▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)

▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)

既に書いたようにこれら4つのサイトは全て何の告知もなく、閉鎖されているようでアクセス出来なくなっています。ニッポンキャピタルFXについても突然閉鎖される可能性が充分に考えられ、非常に危険と判断せざるを得ません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


●OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで、上で検証したニッポンキャピタルFX (https://www.nipponcapitalfx.com/)や「検証4」で検証した以下の4つのいずれも既に閉鎖されたサイトと同様に日本語にしか対応していません。

▼31FX (https://31-fx.co/)

▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/)

▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)

▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/)

特にこれらのサイトの中で上で検証したニッポンキャピタルFXのサイトとかなり似ている部分があり、この検証でもニッポンキャピタルFXとの比較をしていくことになります。「OYASHIMA」というサイト名も何となく日本の地名を思わせるように思いますが、「OYASHIMA」という地名や漢字を思いつきません。もしかすると日本の古称である大八島国 (おおやしまぐに) から来ているのかもしれませんが漢字表記が出てくるわけではありません。

まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2024年6月29日投稿

残念ながらどういう経緯で投資することになってしまったのか情報がありませんがOYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) に既に「何百万円もの大金」を投資してしまった状況で詐欺サイトではないかと質問しています。出金に困難が生じているなどの理由があって詐欺の可能性を疑っているのかもしれません。そして日本語にしか対応していないサイトであることを考えれば日本人を主な標的としているのは間違いないということで検証することにしました。まずサイト冒頭部の画像を示します。

▼OYASHIMA FX (https://oyashimafx.com/) {表示言語:日本語のみ}

表示言語の選択肢は用意されておらず、背景画像は河口湖の向こうに富士山という日本を象徴するような画像になっています。ちなみにこの河口湖+富士山の画像はFREEP!K (https://jp.freepik.com/) というサイトで無料で公開されている「日没時の富士山と河口湖、秋の山梨県の富士山。」というタイトルの素材画像のようです。

さらにこのサイトの冒頭部の背景画像はスライドショー形式で2つの画像が入れ替わりで表示される設定になっています。以下が2つ目の背景画像パターンです。

まともな金融機関がフリー素材の画像を公式サイトの冒頭で使用するかどうか疑問です。このサイト冒頭部については特にこれまでに検証してきたサイトと似ているようには感じられません。しかし、さらにこのサイトを調べてみると特に上で検証したニッポンキャピタルFXなどのサイトと似ている部分が見つかってきました。例えば左下に示したのはOYASHIMA FXのサイトの口座開設画面 (https://oyashimafx.com/open-account/) の画像、右下はニッポンキャピタルFXのサイトの口座開設画面 (https://www.nipponcapitalfx.com/open-account/) の画像です。

これら2つのサイトの口座開設画面は互いに酷似しています。また上に書いたニッポンキャピタルFXの検証で示しましたが

アジアFXプロの口座開設画面 (https://www.asiafxpro.com/open-account/)

FXKYOTOの口座開設画面 (https://fxkyoto.com/open-account/)

もこれと非常によく似ていることが確認されています。

また以下はOYASHIMA FXのサイトのトップページにある「会社情報」と題された部分で4つの取引対象を説明している部分の画像です。

「外国為替取引」「仮想通貨を売買する」「コモディティ(商品) の取引」「インデックス取引」の4項目が挙げられています。

そして以下はニッポンキャピタルFXのトップページにあるやはり「会社情報」と題された取引対象を説明している部分の画像です。

添えられている画像は異なりますが「外国為替取引」「仮想通貨を売買する」「コモディティ(商品) の取引」「インデックス取引」という項目名はそっくり同じです。さらにこの部分からリンクされているサブページも相互比較すると極めてよく似ていることが分かりました。例えばOYASHIMA FX の「外国為替取引」のサブページニッポンキャピタルFX の「外国為替取引」のサブページを比較してみます。まずサブページの冒頭に出てくる「外国為替取引」を説明する文章の比較です。OYASHIMA FX → ニッポンキャピタルFXという順で画像を示します。

2つのサイトの文章はサイト名の部分が違うだけでそれ以外は全く同じです。

同様にこの説明文に続いて出てくる「取引可能な通貨」と題された部分についてもOYASHIMA FX → ニッポンキャピタルFXという順で画像を示します。

「今すぐ取引」と書かれたリンクボタンの色が異なるだけでそれ以外は全く同じ4つの通貨ペアに関する同じ説明文、同じイラストが並んでいます。

同様に以下にはOYASHIMA FX の「インデックス」のサブページニッポンキャピタルFX の「インデックス」のサブページにある画像を順に示します。

やはり2つのサイトで異なるのはリンクボタンの色ぐらいです。これら2つのサイトのかなりの部分が同じテンプレートからのコピペで作られているのは間違いありません。

さらに以下ではメニューバーにある「口座の種類」という項目からリンクされているサブページを比較します。やはりOYASHIMA FXの「口座の種類」ニッポンキャピタルFXの「口座の種類」という順で画像を示します。

OYASHIMA FXでは「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「VIPプラチナ」「VIPダイヤモンド」の5種類のアカウント

ニッポンキャピタルFXでは「Basic (ベーシック)」「Bronze (ブロンズ)」「Silver (シルバー)」「Gold (ゴールド)」「Platinum (プラチナ)」「Diamond (ダイヤモンド)」の6種類のアカウント

がそれぞれ用意されているようです。またそれぞれのアカウントを示す多角形のロゴみたいな部分は2つのサイトで明らかに似ています。そして上級のアカウントになれば最大レバレッジが大きくなるなど有利な条件が適用されるようです。

尚、この表によればOYASHIMA FXの5種類のアカウントを開設するにはそれぞれ以下の金額の入金が必要となっているようです。

アカウント 必要入金額

「ベーシック」 4万円

「シルバー」 400万円

「ゴールド」 800万円

「VIPプラチナ」 1500万円

「VIPダイヤモンド」 2500万円

そしてこうした複数アカウントタイプが用意されているというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証しているModMount以下のサイトでも共通しているパターンです。またOYASHIMA FXのサイトで口座を開設するには最低4万円の入金が必要となっていますがこの4万円というのはこの検証を書いている2024年7月上旬時点での1ドル=160円ほどという相場で換算すれば250ドルほどになります。アカウントを開設するのに必要な金額が最低250ドルであるというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証しているModMount以下のサイトの多くで共通しています。OYASHIMA FXはニッポンキャピタルFXだけでなく、「検証4」や本ページで検証しているかなり多くのサイトと組織的に結びついている可能性が強く示唆されます。

さらに以下は「規約と条件」というサブページにある利用規約に関する記述の一部です。

特に気になるのは最後の部分です。

>6ヶ月以内にログインせず取引しなかった場合(「休眠口座」)、休眠口座は毎月10%の控除を受けることに

なります(「休眠手数料」)。

6か月間取引しなかっただけで「休眠口座」と認定され、毎月口座残高の10%を徴収するという意味だと思われます。これは普通の証券会社では有り得ない規定でしょう。また同時に一定期間取引しなかった場合に休眠口座と認定してかなり高額の「Inactive Fee」を徴収するという規定が「検証4」で検証した一連のサイトの幾つか、具体的には2つのエックスプロマーケッツ、エランドロード、フェニックスリミテッド、インベサキャピタル、インベストマーケッツ、ビッグマーケッツ、Ventorus、トレドポール、ポートレイズといったサイトで確認されていて共通性を強く感じます。組織的な繋がりの可能性を感じさせます。

次に連絡先情報を探しました。ここでもOYASHIMA FXの「お問い合わせ」ニッポンキャピタルFXの「お問い合わせ」にある「便利な連絡先」と題された部分の画像を左下 → 右下という順で示します。

この連絡先情報の形式も2つのサイトで明らかに似ています。OYASHIMA FXの連絡先情報を以下に書き出します。

>便利な連絡先

>Eメール support@oyashimafx.net

>電話番号

>日本支社カスタマーサポート・ホットライン 05068648838

>ロンドン事務所カスタマーサポート・ホットライン +442033703049

>日本事務所所在地: 〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1-12-3

〒760-0008 香川県高松市中野町29-5 高松プラザビル

>ロンドン事務所所在地: 30 Churchill Place London, E14 5RE

>オフィスアワー: 午前10時~午後7時


日本国内の住所として東京と香川の2つの住所が記されています。まず東京の住所ですがDaiwa日本橋馬喰町ビルという10階建てのオフィスビルがあるようですが、住所には階数とか部屋番号の記述がありません。同様に香川県高松市の住所にある高松プラザビルは8階建てのオフィスビルのようですが、こちらも階数とか部屋番号の情報がありません。また高松市の高松プラザビルにはRegusというシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の拠点があるようです。この高松市の住所はこのシェアオフィス/バーチャルオフィス業者を利用した架空住所の可能性があるかもしれません。また国税庁の法人番号公表サイトで「OYASHIMA FX」の法人登録を探しましたが該当がありません。東京の住所には5件、高松市の住所には閉鎖された2法人を含めて17件の法人登録が見つかりますが、それらの中に「OYASHIMA FX」と関連がありそうな法人は見当たりません。以下は東京の住所で確認出来る5件の法人登録のリストです。

次いでイギリスの住所 (30 Churchill Place London, E14 5RE) についても検索してみましたがWeWorkというシェアオフィス業者の拠点の住所と一致します。これも架空住所の可能性があるように思われますし、イギリスの法人登録を検索できるサイト (https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/) で「OYASHIMA FX」の法人登録を探してみましたがやはり該当する法人登録は見つからないという結果になります。そもそもイギリスにも拠点があるならOYASHIMA FXが日本語にしか対応していないというのは明らかにおかしいです。

連絡先情報を求めてサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。以下に示したようにサイトの登録開設日は2024年3月12日となっていてやはりかなり新しいサイトであることが分かります。

イギリスに拠点があるならサイトが日本語にしか対応していないのはおかしいと書きましたが、一方でこのサイトの日本語の文章にはしばしば違和感を感じる部分があります。例えば以下はトップページにある「カーブを先取りしてください」と題された部分の画像です。

文章を書き出します。

>カーブを先取りしてください: 当社のプラットフォームで自信を持ってトレード!

>今日の速変化する市場で、カーブを先取りすることが不可欠です。当社のプラットフォームでは、リアルタイムの市場洞察、最新の分析ツール、パーソナライズされた取引推奨を提供し、競争相手の一歩先に立つことを支援します。自信を持ってトレードし、私たちと共に財務の未来を切り開いてください。

「カーブを先取り」とはどういう意味なのか全く分かりません。また「今日の速変化する市場」という部分も非常に不自然で意味がよく分かりません。こうした明らかに不自然な、翻訳ソフトを使って生成したレベルの日本語の文章がかなり見られることからOYASHIMA FXの拠点が日本にあるとも思われないのです。これはやはり海外のグループが運営しているサイトである可能性が高いです。

このサイトの情報開示は明らかに不充分、不適切であり、金融ライセンスも確認出来ません。そして「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証している一連のサイトと似ている部分が認められ、特に上で検証したニッポンキャピタルFXと最もよく似ています。ニッポンキャピタルFXで複数の被害報告が出ていることを考えればOYASHIMA FXについても非常に危険なサイトである可能性が濃厚と考えざるを得ません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


●Above Investing (Aboveインベスティング https://aboveinvesting.pro/ja/)

Yahoo知恵袋に出てきた質問投稿から見つけてきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。

2024年3月25日投稿

この質問の投稿者は以前に海外の投資会社 (投資対象は仮想通貨だったと思われる) に登録して200~300ドルほどをカード入金したものの直ぐにキャンセルしたという経歴があったようです。そしてイギリスから国際電話が掛かってきて投稿者名義の仮想通貨の口座が存在していて詐欺に使われていることが分かったので約6万ドルの残高がある口座を凍結しているのでイギリス政府に12%の税金を払えば口座に残っている6万ドルを送金すると言われたようです。しかし投稿者本人にイギリスの投資会社を利用した記憶がなく、どういうことなのか理解出来ずにこの質問を投稿しているようです。詐欺に使われていた口座だったのならばその口座に残っているお金を返還するべきは口座の名義人ではなく、詐欺の被害者だろうし、そもそもイギリスに税金を払うというのがおかしいとしか思えません。また税金の支払いならば口座に残っているお金の一部を充当すれば済むことのはずであり、新たに税金名目で入金させようとしているのだとすれば詐欺を疑わざるを得ません。

そして以前に登録した仮想通貨の投資については登録したサイトの名称などは不明なものの、登録したところカタコトの日本語で執拗に勧誘の電話が掛かってきていたこと、クレジットカードで200~300ドル程度の比較的少額のお金を投資させるといった手口などからなどから姉妹サイトの「検証151」にまとめを書いた海外の詐欺グループによる詐欺案件だった疑いが濃厚ということになりました。この投稿の投稿者本人も当該の詐欺グループによる詐欺に遭った被害者が体験談を語る動画を見て以前に入金をキャンセルしたのは同じ詐欺グループによる詐欺案件だった可能性が高いということで納得したようです。

つまり投稿者本人が忘れていたという仮想通貨投資に200~300ドルを入金したが直ぐにキャンセルしたという件で個人情報が洩れていて、税金名目でお金を騙し取ろうとしているという可能性が高いように思われます。そしてその12%の税金を払えば6万ドルを受け取れるという連絡をしてきた人物のメールアドレスのドメイン名 (@aboveinvesting.pro) を調べてみた結果として見つかってきたのがここで検証するAboveインベスティングというサイトです。

この詐欺グループは姉妹サイトの「検証151」にまとめがある仮想通貨詐欺のサイトだけでなく、「検証4」検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや上で検証しているModMount以下のサイトの運営にも関わっていると考えられ、さらにAboveインベスティングのサイトのサイトを調べてみると特に「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンスというサイト、Azelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) とAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) に似ている部分がかなり認められることが分かりました。Aboveインベスティングも同じ詐欺グループによる新たな詐欺目的のFXサイトである可能性が極めて濃いです。

まずメールアドレスのドメイン名 (@aboveinvesting.pro) から見つかってきた表題のサイトの冒頭部の画像を以下に示します。メールアドレスのドメイン名 (aboveinvesting.pro) とサイトのURLアドレスのドメイン名が一致しています。

Aboveインベスティング (https://aboveinvesting.pro/ja/) [表示言語:日本語、英語、フランス語]

このサイト冒頭部は特にこれまで検証してきたサイトと似ているようには思われません。

そしてメニューバーの「弊社について」という項目の中にある「サポート」というサブページにあるメールアドレスを以下に示します。

ここに記されているメールアドレス

>support@aboveinvesting.pro

のドメイン名は上で引用したYahoo知恵袋に出てきた2024年3月25日付の投稿に出てきたメールアドレスのドメイン名と一致しています。12%の税金を払えば口座に残っている6万ドルを送金するという非常に怪しげなメールを送ってきた人物はこのAboveインベスティングを運営しているグループと同一と考えて間違いないと思います。そしてこのサイトにはこのメールアドレス以外に連絡先情報がありません。トップページの冒頭部に続いては以下に示した「弊社について」と題された部分があるのですが会社に関する情報は何も示されていません。

明らかに情報開示が不足です。金融ライセンスに関する情報も全く見当たりません。

さらにトップページで気になるのは以下に画像を示した部分です。

左側の画像の中に

>+40万人の

>+90百万 年間のトランスアクション数

と書いてあります。これは40万人以上の顧客を抱えていて年間に9000万回以上の取引が成立しているという意味かと思われます。これと似た記述がメニューバーの「プラットフォーム」という項目から選択出来る「取引口座」というサブページにもあります。

>+40万人の

>+90百万 年間のトランスアクション数

に加えて

>$8百万 月間取引量

>7 流動性のプロバイダー

と書いてあり、いずれにしても40万人以上の顧客を抱えていて年間に9000万回以上の取引を成立させ、月間の取引量が800万ドル以上であるということのようです。

しかしこうした主張が事実かどうかは極めて疑問です。まず「Aboveインベスティング」について検索しても見つかってくる情報は非常に少ないです。40万人以上の顧客が本当にいるなら有り得ないことのように思われます。また以下はAboveインベスティングのサイトへのアクセス状況を調べた結果です。

1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が軒並み検出限界以下となっています。とてもではありませんが、40万人以上の顧客がいて年間に9000万回以上の取引を成立させ、月間の取引量が800万ドル以上もあるサイトとは思えません。

さらにトップページや「取引口座」サブページは3種類のアカウントに関する説明があります。以下に示したのはサブページの説明の画像です。

「BASIC」「ADVANCED」「VIP」という3種類のアカウントがあり、レバレッジなどの条件が異なるようです。説明が明らかに不足しているのですが、例えば「BASIC」のアカウントの説明として「250ドル」と書いてあるのは250ドル以上を入金すれば「BASIC」のアカウントを開設できるという意味と思われます。

そしてこの複数のアカウントが用意されていて最初のアカウントを開設するのに必要な金額が250ドルであるというのは「検証4」で検証した一連のサイトや本ページで検証したサイトの多くでも共通しているパターンです。以下にまとめます。


サイト名 アカウントの種類 最低入金額

エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル

エランドロード: 5種類 250ドル

フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル

インベサキャピタル 4種類 250ドル

インベストマーケッツ 4種類 250ドル

アジアFXプロ 6種類 不明

FXマグナス: 5種類 250ドル

FXタンパ: 5種類 250ドル

RNインベスティング: 5種類 1000ドル

インベスティコ 4種類 250ドル

ビッグマーケッツ 4種類 250ドル

Ventorus: 5種類 不明

Azelisファイナンス: 5種類 250ドル

エッジファイナンス: 5種類 250ドル

トレドポール: 5種類 250ドル

ポートレイズ: 5種類 250ドル

ModMount 5種類 250ドル

Maunto 5種類 不明

ブルマーケッツ 4種類 250ドル

ニッポンキャピタルFX 6種類 不明

OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)

ZENマーケッツ 6種類 250ドル

RNインベスティングの場合のみ最低入金額が1000ドル、最低入金額が不明の場合が4つありますが、他は全て最低入金額が250ドルです。OYASHIMA FXの場合は4万円となっていますが、1ドル=160円で計算すれば250ドルになります。また姉妹サイトの「検証151」で説明した同じ詐欺グループによると思われる仮想通貨投資の案件でも全てかどうかは分かりませんが、最低入金額が250ドルという場合が多いようです。

さらに以下にはAboveインベスティングの登録画面 (https://aboveinvesting.pro/ja/sign-up/) を示します。

この登録画面に既視感を感じたので調べてみると「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンスという名称のサイトの登録画面にかなり似ていることが分かりました。以下には比較の為に2つのAzelisファイナンスの内、既に閉鎖されているAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の登録画面の画像を再掲します。

いずれの登録画面でも記入項目が「名」「姓」「メールアドレス」「パスワード」「国」「電話番号」の6項目で共通しており、並び順なども一致しています。さらに記入欄の下に書いてある以下の文章はサイト名の部分を除いて同一となっています。

>□私は18歳以上です。

>□私は米国市民ではありません。

>□クライアント契約、会社ポリシー、プライバシーポリシー、利用規約、および免責事項を読み、同意しました。 また、AboveInvesting に従って個人データが処理されることを確認し、同意します。

>□AboveInvesting 社に口座を設けたいと思います。 私は、自分の意志で AboveInvesting に応募したことを確認します。 また、AboveInvesting の担当者から電話または電子メールで連絡を受けることに同意します。

定型文のようなものですが、それにしてもやはりこれだけ長い文章が一致しているというのは偶然とは思えません。

さらに以下はAboveインベスティングの「法的文書」と題されているサブページの画像です。

「貿易ポリシー」「リスク開示」「マネーロンダリング対策」「返品と返金」「プライバシー・ポリシー」「規約と条件」「お客様を知る」「入出金」「クッキー・ポリシー」と題された9つのPDFファイルが並んでいますがこうした規約などをPDFファイルの形で開示しているというのは「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや上で検証しているModMount以下のサイトで共通しているパターンとなっています。そして以下には「検証4」で検証したAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「法律情報」のサブページにあったPDFファイルのリストの部分の画像を示します。

9つのPDFファイルが並んでおり、そのファイルの名称は「リスク開示」「貿易ポリシー」「規約と条件」「マネーロンダリング対策」「お客様を知る」「入出金」「返品と返金」「クッキー・ポリシー」「プライバシー・ポリシー」となっていて並び順は異なりますが、9つのファイルの名称が全く同じです。特に「貿易ポリシー」というファイル名は英語の「Trading Policy」を日本語訳したファイル名のようなのですが、「取引ポリシー」とでも訳した方が適切と思われるかなり不自然な日本語訳であり、こうした不自然な翻訳の部分まで一致しているというのは偶然とは思えません。

さらに個々のファイルの内容まで比べてみるとやはり明らかに互いに一致している部分があることが分かりました。例えば以下はAboveインベスティングの「プライバシーポリシー」と題されたPDFファイルの冒頭部です。

対して以下はAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「プライバシーポリシー」のファイルの冒頭部の画像です。

赤枠で強調したサイト名の部分が異なるだけでそれ以外の部分は互いに全く同じです。画僧は省略しますが、「検証4」で検証したエッジファイナンス (https://edgefinance.ltd/ja) およびもう1つのAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のサイトでも確認されています。

同様に以下はAboveインベスティングの「マネーロンダリング対策」というPDFファイルの冒頭部です。

対して以下はAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) の「マネーロンダリング対策」PDFファイルの冒頭部です。

やはり赤枠で囲ったサイト名の部分が異なるだけでそれ以外の部分は互いに全く同じです。画僧は省略しますが、「検証4」で検証したエッジファイナンス (https://edgefinance.ltd/ja) およびもう1つのAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) のサイトでも全く同じ文章のPDFファイルが確認されています。

「検証4」で検証した2つのAzelisファイナンス、エッジファイナンス、そして本項で検証しているAboveインベスティング、計4つのサイトが組織的に繋がっているのはまず間違いないものと考えます。

そしてAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/)とエッジファイナンスについては既に何の告知もなく閉鎖されています。2024年7月上旬現在ではアクセス出来るAzelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) とここで検証したAboveインベスティングについても突然閉鎖される可能性が充分に考えられるということになります。Aboveインベスティングの情報開示は連絡先情報がメールアドレスしかないことなどから考えても明らかに不充分、不適切ですし、40万人以上の顧客を抱えているといった記述は到底事実とは思えません。

Aboveインベスティングでの投資は全く推奨できません。


●ZEN MARKETS (ZENマーケッツ https://zenmarkets.co/ja)

これもYahoo知恵袋に詐欺に遭ったという質問が出てきたサイトで姉妹サイトの「検証151」にまとめがある仮想通貨詐欺のサイト「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイト上で検証しているModMount以下のサイトと同じグループによるサイトと思われます。そしてこのサイトはこの検証を書こうとしていた2024年7月上旬に突然閉鎖されたようです。画像などもわずかしか残っていないので不充分な検証になりますが、今後また似たようなサイトが登場する可能性も考えて不充分な検証ながら削除せずに残しておくことにします。

まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2024年5月29日投稿

Facebookで見た落語家の笑福亭鶴瓶氏の記事を見て登録したところ自称・イギリス人女性から連絡があり、次いで担当アドバイザーと称する自称・イギリス人男性から連絡があってLINEでの連絡に移行し、ZEMマーケッツでの投資を勧められたようです。こうした経過はまた姉妹サイトの「検証151」で説明した有名人が非常に有利な投資についてうっかり口にしたといった内容のニセ記事広告で勧誘する手口に合致します。落語家の笑福亭鶴瓶氏はまさにニセ記事広告で名前や画像を盗用されていることが確認されている有名人の1人であり、上で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) についてYahoo知恵袋への質問投稿で笑福亭鶴瓶氏の名前を使った勧誘を受けたという証言が出ています。

そしてこの質問投稿に出てきたZENマーケッツのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。

▼ZENマーケッツ (https://zenmarkets.co/ja) [表示言語:日本語、英語、スペイン語、フランス語、韓国語、マレー語、タイ語]

さらに以下はこのZENマーケッツのサイトで用意されていた6種類のアカウントを説明している部分の画像です。

「スターター」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」の6種のアカウントがあり、入金額が増えれば条件の良い上級のアカウントを使えるというシステムになっているようです。そして最低入金額は以下のようになっています。

「スターター」: 250ドル

「スタンダード」: 5000ドル

「シルバー」: 2万5000ドル

「ゴールド」: 5万ドル

「プラチナム」: 10万ドル

「ダイヤモンド」: 25万ドル

Aboveインベスティングの検証でまとめましたがこうした複数のアカウントが用意されていて最低入金額が250ドルというのは「検証4」で検証した一連のサイトや上で検証したModMount以下のサイトの多くでも共通しているパターンです。ZENマーケッツも突然閉鎖されたことなどから考えて非常に危険な詐欺目的のサイトであったと考えてまず間違いないものと考えます。

尚、Who Is 情報によればZENマーケッツのサイトは2023年11月4日に登録・開設されています。そして2024年7月上旬に閉鎖されたようなのでサイトの登録・開設からちょうど8ヶ月という短命のサイトであったことになります。