検証38

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘、被害報告が確認されています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証13」「検証14」「検証15」「検証16」「検証17」「検証18」「検証19」「検証20」「検証21」「検証22」「検証23」「検証24」「検証25」「検証26」「検証27」「検証28」「検証29」「検証30」「検証31」「検証32」「検証33」「検証34」「検証35」「検証36」「検証37に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証26ページ目です。「検証39「検証40「検証41「検証42「検証43「検証44「検証45「検証46「検証47「検証48「検証49「検証50「検証51「検証52「検証53」「検証54「検証55」「検証56「検証57「検証58「検証59「検証60「検証61「検証62「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証項目は順次追加の予定です。


●PORTAL REALM LIMITED (ポータルレルムリミテッド https://portalrealm.co/japanese/index.php)

●CawmFx LIMITED (CawmFxリミテッド https://www.cawmfx.com/jp/)

●CawmForex Limited (CawmFxリミテッド https://www.cawmforex.com/jp/)

●CawmForex Limited (CawmFxリミテッド https://www.cawmglobal.com/jp/)

●WTNFX Limited (WTNFXリミテッド https://www.wtnfx.com/jp/)

●DACLANDCAPITALFX LIMITED (DACランドキャピタルFXリミテッド https://www.daclandcapitalfx.com/jp/)

●DACLANDFOREX LIMITED (DACランドフォレックスリミテッド https://www.daclandforex.com/jp/)

●DLCForex Limited (DLCフォレックスリミテッド https://www.dlcforex.com/jp/)

●DACLANDGLOBAL LIMITED (DACランドグローバルリミテッド https://www.daclandglobal.com/jp/)

●INTERNATIONAL PACIFIC CAPITAL LIMITED (インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド https://www.inpccapital.club/jp/)


まず以下の2つのサイトを検証します。

●PORTAL REALM LIMITED (ポータルレルムリミテッド https://portalrealm.co/japanese/index.php)

●CawmFx LIMITED (CawmFxリミテッド https://www.cawmfx.com/jp/)

1つ目のポータルレルムリミテッドはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、2つ目のCawmFxリミテッドはポータルレルムリミテッドのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトで互いに非常に似ているのでまとめて検証します。尚、この検証を書いた後ですがYahoo知恵袋にCawmFxリミテッドに関すると思われる質問が出てきています。この検証の最後にある付記を参照してください。

まずポータルレルムリミテッドに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2021年5月1日投稿

この質問にはどういう状況でこの質問をしているのか情報がありませんが、ポータルレルムリミテッドと「検証34」で検証したFUNRATS ウエルスリミテッド について詐欺会社ではないかという質問になっています。

2021年7月24日投稿

この質問では当初ポータルレルムに勧誘され、その後「検証36」で検証しているZOROグローバルリミテッドに移管するように指示されたということです。ポータルレルムリミテッドとZOROグローバルリミテッドは組織的に結びついていることが考えられます。またポータルレルムから口座を動かすように指示されたということはポータルレルムのサイトは閉鎖が予定されているのかもしれません。

2021年9月6日投稿

これはこの検証を一応書き終えてから出てきた投稿です。「知り合いのとても頭の良い台湾人」という人から勧誘されて運用を委任したようです。そしてさらに50万円を慈善団体に寄付することを要求されているということです。慈善団体への寄付を名目にするという手口はこれまで聞いたことがありません。

とにかく検索してポータルレルムのサイトを見つけてきました。以下がサイト冒頭のキャプ画像です。

表示言語の選択肢は英語、香港語、日本語の3つです。そして高層ビルが並ぶ画像が背景として使われていますが、この背景画像は以下にキャプ画像を再掲しましたが「検証22」で検証したEast Century Group Limited (イーストセンチュリーグループリミテッド https://www.east-century.com/Jp/) というサイトの冒頭部の背景として使われていた画像と同じであることが判明しました。さらに中央に記された

>ワンストップ金融オンライン取引サービス

>信頼出来るブローカーと取引する

というコピーも同じです。

当然、ポータルレルムとイーストセンチュリーグループのサイトを運営しているのは同一のグループである可能性が考えられます。残念ながらイーストセンチュリーグループのサイトはこの検証を書いている2021年月上旬の時点で既に閉鎖されているので2つのサイトを直接比較できなかったのですが、残っているキャプを幾つか比較した範囲ではポータルレルムのサイトと互いに明らかに似ているのはこの冒頭部だけのようです。

しかし「検証13」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトではしばしば同じテンプレート由来と思われる非常によく似たサイトの存在が確認されるということでこのポータルレルムリミテッドのサイトについてもイーストセンチュリーのサイト以外によく似たサイトが存在する可能性は当然考えられたので画像検索してみると予想通りに非常によく似たサイトが見つかってきました。それが表題の2番目のサイト、以下にサイト冒頭のキャプを示すCawmFxリミテッドというサイトです。

CawmFxリミテッドのサイトも表示言語の選択肢は英語、香港語、日本語の3つです。冒頭部の高層ビルを下から見上げたような背景画像はポータルレルムのサイトで使われていた背景画像と同じ画像でトリミングや拡大率が異なっているだけのように思われます。また

>ワンストップ金融オンライン取引サービス

>信頼出来るブローカーと取引する

というコピーがここでも使われています。

実は他にもポータルレルムのサイトと非常によく似たInternational Pacific Capital Limited (インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド https://www.inpccapital.com/jp/) というサイトの存在が確認されていたのですがこの検証を書き始める前にサイトが閉鎖されてしまい、キャプ画像も残しておかなかった為に検証不能になりました。2021年9月上旬現在でも画像検索するとインターナショナルパシフィックキャピタルリミテッドのサイトが存在していたことは確認できます。

ともかくここではポータルレルムリミテッドとCawmFxリミテッドの2つのサイトを互いに比較しながら検証しますが2つのサイトが互いに最も似ているのはサイト冒頭部よりもむしろそれに続く部分です。まず以下ではポータルレルムリミテッドとCawmFxリミテッドのサイトの特長について説明する部分のキャプを順に示していますが互いに極めてよく似ていてコピペで作られたサイトであることが明らかです。

左の「成熟した技術」という項目のテキスト部分冒頭にそれぞれのサイト名、Portal Realm LimitedとCawmFx Limitedが登場していますがそれ以外の部分は画像を含めてまるで同じです。中央の「複数の市場」という項目によれば外国為替 (FX)、指標、金属製、エネルギー、単元株を取引対象としているとあるのですが、具体的な取引対象、例えばFXならば実際にどういった通貨ペアを取引出来るのか、取引単位はどうなっているのかといった情報が見当たりませんし、リアルタイムの相場情報も提供していないようです。ログインすればそういった情報も見られるようになるのかもしれませんが相当に違和感があります。

さらに以下はポータルレルムリミテッドとCawmFxリミテッドの2つのサイトそれぞれのメリットなどを説明する部分のキャプです。

左側のメリットを説明する部分についてはポータルレルムリミテッドの場合、日本語訳がおかしくて意味がよく分からない部分がありますが以下の4項目が挙げられています。

〇千をもって数えられる金融商品は使えます。

〇直通で処理する(STP或ECN)

〇業界トップの差引きとコミッション

〇一級銀行が保有する資金

一方でCawmFxリミテッドのサイトのメリットの説明は全く同じ4項目に加えて5番目の項目が加わっています。

〇金融行為監督管理局の監督を受ける

要するにCawmFxリミテッドについては金融ライセンスを取得しているということだと思われますが、逆の言い方をすればポータルレルムリミテッドについては金融ライセンスを取得していない無登録の違法業者ということになると思われます。CawmFxリミテッドが取得しているという金融ライセンスについてはまた後述します。

上のキャプの右側については「Portal Realm Limited てんさ」「CawnFx Limited てんさ」の「てんさ」の意味が分からなかったのですが、英語表記にしてみると「てんさ」が「Spreads (スプレッド)」になっていてようやく意味が分かりました。要するにスプレッドが狭いということが書いてあるようです。

さらに以下はポータルレルムのサイトの外国為替取引のページからのキャプです。

活字が小さくて分かりにくいですがこのキャプの赤枠で囲った部分にPortal Realm Limitedとサイト名が記されているのが確認できます。そしてこのキャプの右側に見えるスマホの部分を拡大したのが以下のキャプ画像です。スマホ画面の中にポータルレルムのサイト名やロゴ、さらにはURLアドレスが確認できます。

一方でCawmFxリミテッドのサイトの外国為替取引のページにも極めてよく似た説明図があります。以下がのキャプ画像です。

このCawmFxリミテッドのサイトの場合にも赤枠で囲った部分にサイトの名称、「CawmFx Limited」と書いてあるのが確認できます。しかしこの場合でも右側にあるスマホの画面を拡大してみると異様なことに気が付きます。

この場合もスマホ画面の中にサイト名やロゴ、さらにはURLアドレスが確認できますが全てポータルレルムのものになっているのです。こうした異様な状況から考えて、CawmFxリミテッドのサイトはポータルレルムのサイトを改編して作ったサイトとしか思えません。

次に2つのサイトで連絡先情報を探してみましたが開示されている情報は限定されています。まずポータルレルムのサイトにある連絡先情報を示します。

メールアドレスが3つと香港の住所が記されていますが電話番号はありません。

>Sales: sales@portalrealm.co

>Operations: ops@portalrealm.co

>Compliance: compliance@portalrealm.co

>Registered office address: 

>Room 15, 11/F, China United Plaza, 1008 Tai Nan West Street, LaiChi,Kok, Kowloon, HongKong

香港の住所を検索してみると以下のキャプに示しましたが不動産業者のサイトで住所になっている「China United Plaza」というビルのフロアプランを見つけました。

このフロアプランで住所になっている「Room 15」を赤枠で示しましたが階段やエレベーター、トイレなどと比較しても小さい、窓もない、面積は6~8平米ほどでデスクが1つか2つ置けるぐらいという狭小のスペースであることが分かりました。さらに検索してみると部屋番号まで同じ住所が複数の法人の住所となっているようです。例えば以下の法人のサイトに所在ととして部屋番号まで一致する住所が記されています。

ARI GROUP (医療機器販売) 

FULL-REAL(HK)CO.,LIMITED (IT関連機器販売)

Guangdong Decent Industry Ltd. (広東省の自動車部品関連企業 香港オフィス)

この住所はオフショア会社などの住所である可能性が高いと思われ、ポータルレルムの事業実体がこの住所にあるかどうか極めて疑問です。

一方でCawmFxリミテッドのサイトの連絡先情報は以下のキャプに示したようにメールアドレスが3つ並んでいるだけで住所とか電話番号の情報は見当たりません。これは話になりません。

次に金融ライセンスについて触れておきます。先に書いたようにポータルレルムのサイトには金融ライセンスに関する記述が見当たらないのに対してCawmFxリミテッドについては金融ライセンスを得ていると主張しています。以下はポータルレルムのサイトにある「なぜPortal Realm Limitedを選択しますか?」というページ、CawmFxリミテッドのサイトにある「なぜCawmFx Limitedを選択しますか?というページの比較です。

この2つのキャプの範囲でも2つのサイトは互いに非常によく似ていますがCawmFxリミテッドのサイトのキャプにだけキャプの右下に「規制監督」という項目があります。この部分をクリックするとCawmFxリミテッドの金融ライセンスを示すと思われる証書のようなものが出てきます。

この証書はオーストラリアの金融ライセンスを示すもののようです。記載内容をまとめて以下に書き出します。

登録機関名:CROSS ASSET WEALTH MANAGEMENT PTY LTD

ライセンス番号:526187

法人登録番号:ABN 83 629 214 688

設立: 2021年2月5日

住所:Level 29, 2 Chifley Square, SYDNEY NSW 2000

登録機関名はCawmFxリミテッドではなく、CROSS ASSET WEALTH MANAGEMENT PTY LTDとなっています。頭文字を拾えば確かにCAWMになりますがこれが本当にCawmFxリミテッドに与えられた金融ライセンスを示すものなのかがまず疑問です。そこで検索してみるとCROSS ASSET WEALTH MANAGEMENT PTY LTDのものと思われるサイト (https://crossassetwealth.com/) があっさり見つかってきました。どうやらヘッジファンドのような会社のようでそのオーストラリア・シドニーの住所 (Level 29, 2 Chifley Square, SYDNEY NSW 2000) や法人番号 (ABN 83 629 214 688) は以下のキャプで確認できるようにCawmFxリミテッドのサイトに示されていた金融ライセンスの証書の記述と一致します。

このCROSS ASSET WEALTH MANAGEMENT PTY LTDのサイトを眺めてみましたが、CawmFxリミテッドというサイトを運営しているような記述は確認出来ません。

さらに住所を調べてみると以下のキャプに示しましたがオーストラリア・シドニーの住所はServcorpというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致するようです。

そもそもCawmFxリミテッドと同じグループによると思われるポータルレルムの所在地が香港となっているのにCawmFxリミテッドの所在地がオーストラリア・シドニーであるという主張には違和感があります。こうして調べてみるとCawmFxリミテッドが取得しているというオーストラリアの金融ライセンスは名称がやや似ているけれども全く無関係なCROSS ASSET WEALTH MANAGEMENT PTY LTDの金融ライセンスを勝手に自らのものであると主張しているだけである可能性が高いです。

改めて結論するまでもありませんが本項で検証したポータルレルムおよびCawmFxリミテッドのサイトもおそらく中国系のグループによる詐欺目的のサイトである可能性が極めて濃厚です。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


※付記

この検証を書き終えてからですがYahoo知恵袋にCawmFxリミテッドに関すると思われる質問投稿が出てきました。

2021年9月17日投稿

この質問投稿には何の情報もありませんが、こうした質問が出てくるということは予期されたようにCawmFxリミテッドについても日本人に向けた勧誘が行われている可能性が高いと思われます。但しCawm Forexという名称のサイトが他にも2つ見つかってきたので以下で検証しています。このYahoo知恵袋の質問に出てくるCawm Forexが本項で検証したCawm Forexなのか,あるいは次項で検証している2つのCawm Forexのサイトのいずれかなのか不明ということになります。


●CawmForex Limited (CawmFxリミテッド https://www.cawmforex.com/jp/)

●CawmForex Limited (CawmFxリミテッド https://www.cawmglobal.com/jp/)

上で検証したCawmFxリミテッドのサイト (https://www.cawmfx.com/jp/) から画像検索で見つけてきたサイトです。まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。まず1つ目のCawmFxリミテッド (https://www.cawmforex.com/jp/) のサイトのキャプ画像です。

次に表題2つ目のCawmFxリミテッド (https://www.cawmglobal.com/jp/) のサイトの冒頭部を示します。

これら2つのサイトは互いに非常によく似ていて表示言語の選択肢も英語、香港語、日本語の3つで共通しています。明らかに違いが認められるのはキャプ左上のロゴの部分がそれぞれ「CawmForex」と「CawmGlobal」になっていることぐらいかと思います。

さらにこれら2つのサイトは上で検証したCawmFxリミテッドのサイト  (https://www.cawmfx.com/jp/) とも非常によく似ています。以下に上で検証したCawmFxリミテッドのキャプを比較の為に再掲しますがやはり左上のロゴの部分が「CAWMFX」になっている点ぐらいしか本項で検証している2つのサイトとの違いが見当たりません。

3つのCawmFxリミテッドのサイトが互いに酷似しているのはこの冒頭部だけではありません。以下に3つのCawmFxリミテッドサイトに共通して存在するサイトの特長を説明する部分のキャプ画像を

CawmFxリミテッドのサイト (https://www.cawmforex.com/jp/

CawmFxリミテッドのサイト (https://www.cawmglobal.com/jp/

上で検証したCawmFxリミテッドのサイト (https://www.cawmfx.com/jp/

の順で示します。

3つのCawmFxリミテッドのサイトでこの部分は全く区別出来ません。

さらに3つのCawmFxリミテッドのサイトのメリットを説明する部分についても以下にキャプ画像を同じ順で並べて比較します。

この部分でも3つのCawmFxリミテッドのサイトは全く区別出来ません。

次に連絡先情報を示します。ぞれぞれのサイトには「お問い合わせ」というページがありますが、いずれの場合も住所や電話番号の記載はありません。基本的にそれぞれメールアドレス、さらに本項で検証している2つのCawmFxリミテッドのサイトでは加えてLINEのアドレスがあるだけです。メールアドレスはそれぞれ売上高、動作モード、コンプライアンスと3件別れて存在しているような形式になっていますが同じメールアドレスが3回繰り返されているだけで意味がありません。但し3つのサイトのメールアドレスはドメイン部分がそれぞれのサイトのURLアドレスを反映したものになっていて同じではありません。

しかしこれら3つのCawmFxリミテッドのサイトは殆どコピペ複製されたサイトです。これ以外に連絡先情報がないか例によってWho Is 情報も調べてみましたが運営者に関する情報は全く公開されていません。サイトの登録・開設日だけまとめておきます。

CawmFxリミテッド (https://www.cawmforex.com/jp/) 2021826日

CawmFxリミテッド (https://www.cawmglobal.com/jp/) 2021918日

ついでに上で検証した同じグループによると思われる2つのサイトについても登録・開設日を示します。

ポータルレルムリミテッド (https://portalrealm.co/japanese/index.php) 2020年12月7日

CawmFxリミテッド (https://www.cawmfx.com/jp/) 2021825日

ポータルレルムリミテッドのサイトだけ最初に開設されており、3つのCawmFxリミテッドのサイトは2021年8月下旬から9月半ばに開設されているようです。

改めて結論するまでもないと思いますがこれらのサイトはいずれも到底信用出来るサイトとは思えません。そもそも殆ど同じサイトが3つも存在することが明らかに異様です。これらのサイトでの投資勧誘を受けても決して応じるべきではありません。


●WTNFX Limited (WTNFXリミテッド https://www.wtnfx.com/jp/)

●DACLANDCAPITALFX LIMITED (DACランドキャピタルFXリミテッド https://www.daclandcapitalfx.com/jp/)

●DACLANDFOREX LIMITED (DACランドフォレックスリミテッド https://www.daclandforex.com/jp/)

●DLCForex Limited (DLCフォレックスリミテッド https://www.dlcforex.com/jp/)

●DACLANDGLOBAL LIMITED (DACランドグローバルリミテッド https://www.daclandglobal.com/jp/)

●INTERNATIONAL PACIFIC CAPITAL LIMITED (インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド https://www.inpccapital.club/jp/)

最初のWTNFXリミテッドはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、それ以外の5つのサイトはWTNFXリミテッドからの画像検索で見つけてきたサイトです。そしてこれらのサイトは上で検証したポータルレルムリミテッド以下の4つのサイトと酷似しており、同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトと思われます。

まずYahoo知恵袋に出てきたWTNFXリミテッドに関する質問投稿を引用します。

2022年8月11日投稿

自称・日本生まれのハーフ女性から勧誘されてWTNFXリミテッドに口座開設し、一度は出金出来たことに安心して大金を送金してしまったようです。さらに出金しようとするとどういう名目なのか不明ですが罰金を請求され、その罰金を支払うと今度は税金名目で追加入金を要求されているという状況のようです。入金方法は日本国内の銀行の個人名義の口座への入金だったようです。まさに「検証13」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致するようです。要求された追加入金に応じる為に借金までしてしまったようでかなり悲惨な状況のようです。

とにかくこの投稿に出てきたWTNFXリミテッドおよび画像検索で見つけてきた表題2~6番目の5つのサイトのサイト冒頭のキャプ画像を以下に示します。

▼WTNFXリミテッド (https://www.wtnfx.com/jp/)

▼DACランドキャピタルFXリミテッド (https://www.daclandcapitalfx.com/jp/)

▼DACランドフォレックスリミテッド (https://www.daclandforex.com/jp/)

▼DLCフォレックスリミテッド (https://www.dlcforex.com/jp/)

▼DACランドグローバルリミテッド (https://www.daclandglobal.com/jp/)

▼インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド (https://www.inpccapital.club/jp/)

表示言語の選択肢はいずれのサイトでも英語、香港語、日本語の3択です。そしてこれら6つのサイトの冒頭部は互いに明らかに似ていますし、上で検証したポータルレルムリミテッド以下の4つのサイトの冒頭部とも非常によく似ています。以下に比較の為にポータルレルムリミテッドのサイト冒頭のキャプを再掲します。背景画像はトリミングの範囲が異なるだけで同じ画像のようですし、英語、香港語、日本語という表示言語の選択肢も同じです。

さらにこれら6つのサイトが互いにあるいは上で検証した一連のサイトと似ているのはこの冒頭部だけではありません。この冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を説明する部分について表題と同じ順 (WTNFXリミテッド → DACランドキャピタルFXリミテッド → DACランドフォレックスリミテッド → DLCフォレックスリミテッド → DACランドグローバルリミテッド → インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド) でキャプ画像を以下に示します。

この部分でも6つのサイトは互いに酷似していますし、上で検証したポータルレルムリミテッド以下の4つのサイトとも非常によく似ています。以下に比較の為にポータルレルムリミテッドの相当部分のキャプを再掲しますがここで検証している5つのサイトと全く区別出来ません。

そしてこの部分には幾つか気になる記述があります。

▼運用を一任するPAMMまたはMAM口座を提供している。

▼取引対象は外国為替 (FX)、指標 (インデックス?)、金属 (金、銀、プラチナ、パラジウム)、エネルギー (原油など?)、単元株。但しこれ以上の具体的な取引可能な品目や銘柄の情報は見当たらない。

▼20年以上の業界経験があると主張している。

特に20年以上の業界経験があるという部分については後述します。

さらに6つのサイトの比較を続けます。

次にサイトの特長を説明する部分についても表題と同じ順 (WTNFXリミテッド → DACランドキャピタルFXリミテッド → DACランドフォレックスリミテッド → DLCフォレックスリミテッド → DACランドグローバルリミテッド → インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド) でキャプ画像を以下に示します。

ここでまず気になるのは左側の「メリット」として列挙されている最後の項目です。

>金融行為監督管理局の監督を受ける

金融ライセンスを受けているという意味としか思われないのですが、この点に関しては後述します。

上の6つのキャプ画像はサイト名がそれぞれ示されているので区別は出来ますが、この部分でも6つのサイトは互いに酷似していますし、上で検証したポータルレルムリミテッド以下の4つのサイトとも非常によく似ています。以下に比較の為にポータルレルムリミテッドの相当部分のキャプを再掲しますがここで検証している6つのサイトと非常によく似ています。

ちなみに上のキャプで右半分に「てんさ」という謎の単語が出てきますが、上のポータルレルムリミテッドなどの検証でも書いたように英語表記に変更すると「てんさ」は「Spreads (スプレッド)」になるようです。要するにスプレッドが狭いということを主張したいようです。

さらに本項の検証対象の6つのサイトがもっと直接的にポータルレルムリミテッドのサイトと繋がっている証拠があることに気が付きました。例えば以下はWTNFXリミテッドのサイトの「外国為替取引」サブページからのキャプ画像です。

これがWTNFXリミテッドのサイトからのキャプであることは左側のテキストの2行目、赤枠で囲った部分に

>WTNFX Limited.実際のアカウントに登録するのは簡単です

と書いてあることから確認出来ます。しかし右側のスマホの画像部分をよく見ると下の拡大図のスマホ画面、2ヵ所に「PORTAL REALM LIMITED」と書いてあることが確認出来ます。

本項で検証している他の5つのサイトについても同じ外国為替取引というサブページの相当部分のキャプ画像を以下に表題と同じ順で示します。

本項で検証している6つのサイト全てについて右側のスマホの画面に「PORTAL REALM LIMITED」と書いてあることが確認出来ます。これらのサイトがポータルレルムリミテッドと同じグループによるサイトであることは間違いありません。

次に各サイトで連絡先情報を探しましたがやはり殆ど開示されていません。いずれのサイトにも「お問い合わせ」というページがあるのですが住所とか電話番号は全く開示されておらず、連絡先情報は基本的にメールアドレスがあるだけ、幾つかのサイトについては加えてLINEのIDやWhatsAPPの番号が記されているだけです。これも表題と同じ順 (WTNFXリミテッド → DACランドキャピタルFXリミテッド → DACランドフォレックスリミテッド → DLCフォレックスリミテッド → DACランドグローバルリミテッド → インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド) でキャプ画像を以下に示します。

メールアドレスは3つ書かれているように見えますが同じメールアドレスが3回繰り返し書いてあるだけです。メールアドレスを以下にまとめます。

サイト名 メールアドレス

WTNFXリミテッド service@wtnfx.com

DACランドキャピタルFXリミテッド service@daclandcapitalfx.com

DACランドフォレックスリミテッド service@daclandforex.com

DLCフォレックスリミテッド service@dlcforex.com

DACランドグローバルリミテッド service@daclandglobal.com

インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド service@ipcforex.com

同様にLINEのIDもまとめておきます。

サイト名 LINE ID

WTNFXリミテッド 記載なし

DACランドキャピタルFXリミテッド fx20160107

DACランドフォレックスリミテッド tianxia88888、tianxia99999

DLCフォレックスリミテッド 記載なし

DACランドグローバルリミテッド fx20160102

インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド fx20160101

さらにDACランドグローバルリミテッドの場合のみWhatsAPPの番号 (1(626)314-9381) が記されています。

連絡先情報がこれだけでは話になりません。連絡先情報を探して例によって各サイトのWho Is 情報も確認しましたが、登録者に関する情報は何も開示されていません。各サイトの登録・開設日のみ以下にまとめておきます。

サイト名 登録・開設日

WTNFXリミテッド 2022年7月14日

DACランドキャピタルFXリミテッド 2021年12月13日

DACランドフォレックスリミテッド 2021年12月13日

DLCフォレックスリミテッド 2021年11月2日

DACランドグローバルリミテッド 2021年12月13日

インターナショナルパシフィックキャピタルリミテッド 2021年8月25日

WTNFXリミテッドのサイトだけが飛びぬけて新しいサイトのようです。そして3つのサイトが2021年12月13日に開設されているのが目につきます。

次に金融ライセンスについてですが各サイトのメニューバーから選択出来る「私たちに関しては」という項目があります。以下はWTNFXリミテッドのサイトからのキャプ画像です。

上のキャプの右下に「規制監督」という項目がありますが、上で検証したCawmFxリミテッド (https://www.cawmfx.com/jp/) の場合などにはこの部分結局は無関係の金融機関のものであると結論されましたがオーストラリアの金融ライセンスに関するPDFファイルへのリンクになっていました。しかしWTNFXリミテッドと表題5番目のインターナショナルパシフィックキャピタルリミテッドの場合にはこの「規制監督」という部分をクリックすると以下に示した中国語のエラーメッセージが出てきます。左下がWTNFXリミテッドの場合、右下がインターナショナルパシフィックキャピタルリミテッドの場合です。

中国語は全く分かりませんが、最初に「Page Not Found」と書いてあることから分かるようにファイルが存在しないといったことが書いてあるようです。そしてここにある文章は香港や台湾で使われている繁体字ではなく、中国本土で使われている簡体字で書かれているようです。サイト自体の表示言語の選択肢は英語、香港語 (繁体字)、日本語の3つで中国語 (簡体字) 選択肢に入っていないのですから異様です。やはりこれらのサイトを運営しているのは中国系のグループではないかと疑わざるを得ません。

一方で他の3つのサイト、表題2~4番目の DACランドキャピタルFXリミテッドDACランドフォレックスリミテッドDLCフォレックスリミテッド、DACランドグローバルリミテッドの4つのサイトでも「私たちに関しては」というサブページがあり、その中に「規制監督」という項目があります。以下は表題2番目の DACランドキャピタルFXリミテッドの場合です。

そして「規制監督」の項目は以下に冒頭部のキャプを示したPDFファイルへのリンクになっています。ファイル自体は4ページもあるので以下には冒頭部のみのキャプを示します。DACランドキャピタルFXリミテッド、DACランドフォレックスリミテッド、DLCフォレックスリミテッド、DACランドグローバルリミテッドの4つのサイトでダウンロードされる文書は同じもののようです。

日本の法人番号に相当すると思われる Australian Business Number (ABN) やオーストラリアの金融ライセンスを管理しているAustralian Securities & Investments Commission (ASIC) のライセンス番号、住所などが記されています。

法人名: DACLAND CAPITAL LIMITED

金融ライセンス番号: 347541

法人番号 (ABN): 65 141 161 533

登録日: 2010年6月8日

住所: Level 2, 468 St Kilda Road, MELBOURNE VIC 3004


法人名の「DACLAND CAPITAL LIMITED (DACランドキャピタルリミテッド)」はこのPDFファイルがアップされている4つのサイトの名称

DACLANDCAPITALFX LIMITED (DACランドキャピタルFXリミテッド)

DACLANDFOREX LIMITED (DACランドフォレックスリミテッド)

DLCForex Limited (DLCフォレックスリミテッド)

DACLANDGLOBAL LIMITED (DACランドグローバルリミテッド)

のいずれとも一致はしていません。法人番号 (65 141 161 533) の登録情報は以下のキャプに示したように確認出来ましたし、

上のキャプの一番下に見える「ASIC registration」というリンクから金融ライセンスの登録も確認出来ました。

しかしこれら法人登録や金融ライセンスが本項で検証している4つのサイトに対応するものであるかどうかは極めて疑問です。まずサイト名と法人登録の法人名が微妙に異なっていることに違和感がありますし、そもそもサイトが4つもあるという状況がおかしいです。また法人登録や金融ライセンスの取得時期は2010年とか2009年になっているのにここで検証している4つのサイトは各サイトのWho Is 情報によれば2021年11月~12月です。

そこで様々検索してみたところ、

>Level 2, 468 St Kilda Road, MELBOURNE VIC 3004

というオーストラリアの住所を検索することでDacland (https://dacland.com.au/) というサイトを見つけました。以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

このDaclandのサイト (https://dacland.com.au/) を読んでみると上のサイト冒頭部から想像できるかもしれませんが、Daclandは不動産開発業者のようです。そして連絡先情報は左に示したキャプのようになっています。

電話番号:+61 3 9044 1200

メール:info@dacland.com.au

本社住所:Level 2, 468 St Kilda Road, Melbourne, Victoria, Australia 3004

この住所はDACランドキャピタルFXリミテッド、DACランドフォレックスリミテッド、DLCフォレックスリミテッド、DACランドグローバルリミテッドの4つのサイトでダウンロード可能なライセンスの文書に記されていた住所と完全に一致します。

確定的な情報は残念ながら見つかりませんが金融ライセンス (金融ライセンス番号:347541) を取得している「DACLAND CAPITAL LIMITED (DACランドキャピタルリミテッド)」はこのDaclandという不動産開発業者の関連会社、例えば住宅ローンを扱う関連の金融会社が取得したものではないかという推測が成り立つかもしれません。

そもそも本項で検証している6つのサイト、上で検証したポータルレルムリミテッド (https://portalrealm.co/japanese/index.php) 以下の4つのサイトと少なくとも10個の互いに極めてよく似たサイトが存在していてしかもそれらの内の幾つかのサイトについては「検証13」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループの手口と合致するような勧誘が行われ、被害報告と思われる投稿も確認されるなどの状況を考えればこれらのサイトの信頼性は非常に低いと考えざるを得ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。