宗援連の趣旨

宗教者災害支援連絡会(宗援連)趣旨

3月11日の東北関東大震災(東日本大震災)はマグニチュード9.0という巨大な地震、それに続く町や村を飲み込む津波、そしてさらに原発事故と重なる重荷となって東日本の人々に降りかかりました。被害は甚大です。多方面からの支援活動が続けられていますが、今後もその継続発展が望まれるところです。

宗教界もそれぞれの仕方で被災者支援に力を注いできています。そこで、宗教者による被災者支援の情報を提供し合い、その働きを拡充する仕組みを作ってはどうかという声が上がりました。それを受けて4月1日に立ち上がったのがこの宗教者災害支援連絡会です。

宗教教団が教団組織として行う支援も、個々の宗教者グループがそれぞれに行う支援もさらに活性化していきたいものです。この宗教者災害支援連絡会は多様な試みの情報をつきあわせ、お互いの経験から学びあう、宗教、宗派を超えた宗教者の連絡組織として、被災者や避難者の助けとなることを目指します。

当初、避難受け入れを中心にと考えてきましたが、被災地での支援の方に力点が移っています。しかし、必ずしも被災地に赴かずとも、それぞれの場で行える支援もあります。すでにそれぞれの場で進めてこられた取り組みをネットワークでつなげ、より強力にかつより柔軟にニーズに応じていこうという考えです。また、宗教界以外の方々との緊密な協力なしには、このような支援が円滑にできるはずもありません。宗教者に限らず広く情報交換を進めていきたいものです。

なお傷跡は深く、復興の道のりは容易でないことが予想されます。未曾有の災害からの復興にお互いの力を出し合って、被災者の助けとなりながらともに歩み、悲しみを力へと変えていくような支援ができますことを願っています。

2011年10月

宗教者災害支援連絡会・代表

島薗 進