総合討議・情報交換
総合討議・情報交換
第41回 宗援連情報交換会 「持続する能登半島地震・豪雨支援活動」
4)総合討議・情報交換
島薗:神社関係で最近の動きは。
野村(國學院大學):神社界の支援は、仕組みに関して先程の石橋さん(天理教)のお話に通じる部分がかなりある。写真の重蔵神社は、義援金の募集とともに物資配布や炊き出しの拠点にもなっている。NHKのニュースでも報道されたが、支援物資も減少し一人百円の募金で地元の商店街から食料を購入する動きを取っている。配給は週2回、午後五時から。禰宜の方が、「被災者の方で自立するのはまだまだ厳しいのではないか」と調査からの見解を述べられている。
先程の「チーム輪島」のように、上野には「チーム下谷」がある。下谷神社の宮司が中心となり、そこに集う人でボランティア活動を行っている。宮司のお嬢さんどうしが國學院大學の同級生とのことで、珠洲の羽黒神社とつながりができ、支援に行っている。また、重蔵神社の修復は愛媛の神社より寄進を頂いて進められている。これは九州の宮司ネットワークで出てきた話とのこと。
当初は飲料水を運搬していたが、今はアマゾンを通しての支援に転換している。500㎖24本入り一箱2,000円で現地に届けられるという。東京から現地へ行くのはそれなりの負担となるので、チーム下谷のメンバーや商工会議所でもこうした支援に積極的に参加されている。
チーム下谷は、2022年4月福島県沖地震にも支援に赴いた。現地の話では、東日本大震災よりも揺れたという。神社本庁に相談しても「特定の神社への支援は難しい」との回答で、修復には有志が集まり助け合うしかなかった。「チーム輪島」の志がこの神社にも現れている。
本部では義援金などに取り組んではいるが、氏子と宮司が共にやっていくという深い部分は、やはり地元ならではとなる。二つのオフィシャルという制度化されたものでない中にやっている。
それ自体が一つの社会資本になるのではないかと思う。
大出(新宗連):前回40回情報交換会で大滝事務局長から発表させて頂いた。あれから早5ヵ月が経過し、いま第8次隊が輪島と珠洲に分かれて活動を継続している。本日ご発表のひのきしん隊、金光教さんとは異なり、我々は素人集団であり6教団が参加する。6次隊までの参加が681名。
報道を見て心配となり何か役に立ちたいという思いで多くの世代が参加。社協とではなく、被災地NGO協働センターの下で七尾市中島町での活動。家財だし、ブロック塀壊し等の他、高齢化と過疎化で担い手の少なくなった祭り手伝い(御旗の担ぎ手)に周辺の加盟教団からも参加。
9月20日、その準備に入っていたタイミングで豪雨災害が発生した。祭りは中止となり、その日は一時待機し、翌日から泥の掻き出し作業をさせて頂いた。いまは被災地NGO協働センターの下でまた活動を再開。年内12月まで細く長くでも継続していきたい。
氷見の宿泊で行き来に時間がかかるため、実際の活動時間は短い。素人の集団で始まったが、リピーターも増えてきた。年配の方が多いが、ボランティアが生きがいとなった高齢者や40代引きこもりの方が参加された。引きこもりの方はこの活動が自信となって帰られた方という。単に作業ではなく、何かを掴んで、人との交流を通して成長し笑顔で帰っていく。そうしたことをモットーとして活動を進めている。
遠藤(創価学会):前回浅井から報告の通り、現地での物資支援や訪問は継続しているが、地震から引き続き豪雨災害の対策本部も兼務とした。翌日22日夜に七尾市の当施設に水を搬入し、その他救援物資と併せて24日から能登町珠洲市輪島市で配布を行ってきた。災害発生時には青年会員を中心とした有志の清掃ボランティア「かたし隊」が各地で活動しているが、能登半島地震後の2月には七尾市にて、豪雨災害後には輪島市においてもかたし隊が結成され9/29に実施した。
豪雨災害前からの動きとして、東日本大震災で心の復興を目的とした「希望の絆コンサート」の取り組みを2014年から継続しており、こちらを8月に金沢市で開催し、奥能登で甚大な被害に遭った地域を中心に260人が参加をした。参加者からは、「本当に勇気をもらった」「何があっても諦めないという気持ちになれた」「温かく力強い音色に元気をもらった」などの感想を頂いている。会員であるか否かを問わず、地域に開かれた開催で、今回の公演で通算189回となった。今後の災害対応についても検討している。
島園:今回は3組、珠洲ひのきしんセンター、崖超さん(チーム輪島)、竹内さんの門前町での支援活動など大変心に残るお話を伺いました。長期に続く支援とはどういうことかに関してヒントになるお話が多くあり、大変だと感じる中にも、何か励まされる思いがあった次第です。引き続き、情報交換会、シンポジウムを開催し、支援の在り方について学び合う機会をもっていきたいと思っております。本日はありがとうございました。
以上