能登地震キリスト災害支援会
(能登ヘルプ)
市來(いちき)雅伸氏
能登地震キリスト災害支援会
(能登ヘルプ)
市來(いちき)雅伸氏
第38回 宗援連情報交換会「能登半島地震における宗教者による災害支援」
2.能登地震キリスト災害支援会(能登ヘルプ)市來(いちき)雅伸さん
石川県を中心とした有志の教会が集い、1月5日に能登地震キリスト災害支援会が立ち上がった。
被災した教会による支援の活動が難しいため、日本全国にあるクリスチャンの災害支援団体に能登ヘルプでの活動を呼びかけた。地域教会を拠点しての支援活動は能登ヘルプが行い、被災した教会には負担がかからずに関われる地域の関係者への交渉などを担って頂いた。
活動内容は、炊き出し・物資支援・片付け支援。物資関係は主に燃料や水の供給を福祉施設を中心に配布。七尾に倉庫を設置。倉庫の物資整理もボランティアで行った。炊出しの活動中でニーズがあがってくる。そのニーズに対応するかたちで片付けボランティアも開始した。
珠洲市では温泉が2つあり、そこでお手伝いした。水がないので、洗濯ができない。使用済タオルを引き取って、金沢で洗濯をして再度もどす。空のタンクを受け取り、水を入れてお届けした。また、福祉関係の職員では子供の扱いが難しい。子どもの見守り支援も行った。
今日からは重機が2台入る。志賀町・輪島・門前で社協と連携をしながら、準備を進めている。
私はいま内灘にいる。羽咋にボラセンを立ち上げて、そこで宿泊をできるようにしてボランティアを派遣できるように検討している。
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稲場:こうしたキリスト教の支援連携は、能登地震からはじまったか。それともその以前からか。これまでの九キ災(九州キリスト災害支援センター)と今回の能登ヘルプ。関わる教会との関係性、また連携のプロセスについて。
市來:能登ヘルプが立ち上がったことによって、連携が可能になったと思う。発災直後は聖書教会が中心になって単独で支援活動をしようとしていた。それまで、「九キ災」などでは各団体がスタッフを送り、その団体としての活動を行った。今回は、能登ヘルプのもとで支援チームが結成され、各々のノウハウを活用しての支援が可能となった。たとえば福祉施設関係であれば、 国際NGOオペレーション・ブレッシング・ジャパンという団体が中心となりやっていた。今回は能登ヘルプが一括してコーディネートし、各団体がそこに入っていくという初の試みとなった。能登ヘルプはこの支援活動が終了したら閉じるつもりで、最初から立ち上げている。この取り組みが次の災害でも活かされるのではないかと考えている。
稲場:能登ヘルプというある意味時限的な組織をつくったことによって、初動の段階からかなり物資が内灘の教会に集まり大変だったと。能登ヘルプを拠点にいろんな団体が分散して活動した。私が訪問の際は、多くの外国人が活動のため教会に集まっていた。多様性のある素晴らしい活動と感じた。