新日本宗教団体連合会 事務局長
大滝晃史さん
新日本宗教団体連合会 事務局長
大滝晃史さん
第40回 宗援連情報交換会 「能登半島地震支援活動の新たな展開」
5)大滝晃史さん(新日本宗教団体連合会事務局長)
新宗連は昭和26年10月に結成し、各々立教創立から70年から100年となる56宗教団体が加盟の連合会となる。私はこの56教団の連絡調整を担当している。
能登半島自身発生からの動きとしては、発災直後から北陸に教団本部、直轄道場、支部、布教所がある加盟教団の関係者へ施設等の安否・被災状況の確認を行った。北陸地方に本部があるのは2教団で、それほど大きな教団ではなかった。医王山寺の被災状況を3月に報告して頂いた。医王山寺本部としても、なかなか現地にまでいけなかった―とのことだった。
青森の本部のある松緑神道大和山(しょうろくしんとうやまとやま)が被災地NOG協働センターと個別につながりがあり、1月6日に毛布142枚、無洗米120㎏、衣類等の段ボール8箱他をチャーター便トラックで輸送。1月12日には2次支援として非常食、無洗米等を送った。
立正佼成会の広報ニュースレターに既に記載されているが、立正佼成会は2日に災害対策本部が設置され、3日お見舞いのメッセージ等を発表し、本部スタッフが派遣された。近隣の教会から物資が運ばれ、会員と協力し被災会員へ支給された。自治体(市町村)にも届けられた。立正佼成会の一食平和基金からも自治体への支援を行った。
2月14日に対外的な支援における基本的な考え方として「災害支援ポリシー」を決定。この方針に基づいて次なる支援の検討も開始した。さきほど頼政さんから紹介のあったボランティアに対しても、大勢のボランティアに申請して頂いている。
立正佼成会の被害状況としては、能登地方の内灘、能登両支部(金沢教会)の法座所があった。各教団の各支部、布教所なども被災の状況があり、各教団とも3月まで信者の支援にあたった。
1月9日に新宗連からは新宗連国際救援金、救援金(支援金)を拠出。被災地NGO協働センター、AMDAにそれぞれ支援金をお渡しした。同時に、加盟教団に対して救援金勧募をお願いし、この2団体へお渡しした。その後は、加盟教団に能登半島地震の募金をお願いする流れとなった。
各教団からご寄付が集まったので、二次支援を検討するためにこの2団体を現地視察した。まず現地の情報を少しでも知って頂こうと機関誌に頼政さんへのインタビューを掲載した(3/6)。
今回の特有の課題があり、支援は長期にわたる。ボランティアが一時的に集中し、その後になかなか続かない。そのような問題が出てきている。こうしたロングインタビューの内容をもとに、新宗連のリソースを活用して、今後どのような支援ができるかを加盟教団で検討した。
まずは、2月下旬から協力の依頼を開始した。リソースの把握を新宗連内でどれたけできるかが課題となった。ボランティアの募集および派遣は約5年ぶりとなる。加盟教団かの反応も未知数である。
新宗連は、実際に公益財団として様々な活動をしているが、教団の専従者が中心となる活動と地域の会員信徒が参加する草の根活動の2段階ある。コロナの影響で、会員や信徒さんの活動は抑制してきた。そうした背景もあり、参加者の把握は不明な部分もあった。
東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨でもいろいろな形でやってきた。その都度、主力になった教団が異なる。再開にどの程度出てくれるかも未知数だ。これまで災害派遣に参画したメンバーも大幅に交代している。ほぼいなくなっている。常駐や長期派遣は難しい。
派遣日程をどのようにしていくか。現地活動できる日程は、新宗連スタッフを派遣できる時に限られている。頼政さんに確認し、通いでも受け入れ可能とのことだった。集合場所は、立正佼成会氷見法座所に決定した。新宗連北陸総支部事務局長の在籍地でもあり、お願いしたところ了解して頂いた。新宗連の組織としては全国に11の支部がある。いま総支部事務局長の先生でもあり、大きな安心感をもって人を派遣したり拠点を設けていくことができた。2次派遣が昨日からはじまったが、民宿をお借りするなど拠点を設けて動けるようになった。
ボランティアが4月から始まった。概要としては、1次派遣で4月3日から12日で、登録18名のべ44名。ボランティアセンターに受け入れて頂いた。2次派遣では、5月17日から26日で登録88名のべ人数が230人と急に増えた。今度は受け入れの方に限界があり、その調整を頼政さんの被災地NGO協働センターさんの方で調整をして頂いている。登録者は今日現在158名。
加盟教団の方々は、遠くは石巻や島の方。ご自身も被災され、支援を受けた経験のある方が「今待っている方々のために動いていきたい」というような意思をもった方々が多くいらっしゃる。ですので、新宗連の災害支援は、日常的な宗教協力と各教団が特徴を活かして参画することが特徴である。
ボランティアの参画教団で、ボランティア登録は6教団。救援金寄託は15教団。加盟の56教団で多い少ないのはそれぞれあるかと思うが、強制とか統合しようということはなく、救援金だけ寄託する教団もあれば、ボランティアを派遣する教団もある。またいろいろな情報を提供してくださる教団もある。ボランティア参加者の大半は、会員信徒の有志である。ボランティア経験が豊富な方、そうでない方、信仰実践の機会としていろいろな思いをもって参加して下さっている。
中長期でどこまで継続できるか。現場の状況も刻々と変化してきている。現場がどうなっているかにもよるが、秋頃までは計画を立てていく。ボランティアが足りないという情報は多く頂いてる。加盟教団から善意を頂いている。これを何とか形にできるように引続き調整をしていきたい。
以上