2017年に小林麻央さんが亡くなられた際、
夫であられる市川海老蔵さんがブログに書かれたことで
「みたまうつしの儀」という聞きなれない言葉が話題となりましたが、
金光教でも、みたまうつしを終祭(しゅうさい)でおこないます。
遷霊行事(せんれいぎょうじ)と言われ、
故人様の御霊を、肉体から霊璽(れいじ)にうつす儀式であり、
葬儀式の中で最も重要な儀式です。
神道や天理教でも行われており、
みたまうつしとは漢字で「御霊移し」と書いたりもしますが、
文字通り、御霊を依り代(よりしろ)に移す儀式であり、
亡くなった人の身体から魂を離し、別の場所へ魂を移すことが目的とされていますが、
宗派によって死生観が異なりますので、考え方や解釈に細かな違いがあります。
昔は、様々な事情や時代の流れがあり、
教祖様が助けられた神様をお祀りすることが許されなかったり、
人を助けるための行為が認められなかったり、信仰者が警察に捕まることもありました。
そんな中でも、教祖様がお話くださる教えを守り、伝えていこうとされる中、
金光教は、1900年に別派独立するまで、神道本局に属していた流れがございますので、
儀式も神道に習わせていただいた面が大きいかと思います。
金光教の教祖様は、
と教えられています。
「御霊(みたま)」と耳にしますと、
亡くなった方、ご先祖様をイメージされる方が多いと思うのですが、
妊娠できた時、人間は誰もが神様から御霊を授けていただいているのです。
生きている人は、皆、御霊をもっているということになります。
神様から分け御霊をいただいています。
神様の心を分けていただいています。
教祖様は「死ぬ」ということを、
と教えられており、
そういうことから、金光教では亡くなったことを「帰幽(きゆう)」と言います。
教祖様は
と教えられており、
なかなか大胆というか、自分が死んだ後の肉体は空だから、
川に流してもいいよ。と言われています。
大げさに言っておられるのかもしれませんが、
それほど、大事なのは「御霊」であり、それこそが「自分」である。
という意味だったのでしょうか。
みたまうつしを行った後からは、
もう肉体には故人様はおらず、霊璽にお移りになられ、
葬儀式の間は神前に安置し、神様に抱かれ、告別式をおつかえさせていただきます。
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