金光教では、「めぐり」という言葉を耳にします。
めぐりは、様々な形で現れます。
金光教の教会にお参りされる方は、様々な問題で困っておられ、
神様に助けていただいて、おかげをいただき、
幸せになりたいと思っておられると思うのですが、
人間関係の悩み、病気の悩み、お金の悩み、仕事の悩み、様々な悩みがあり、
自分の中に神様が入る隙間がない方が多くおられます。
そういう方が、勇気を出して知り合いに相談した時、
「それは、あなたがもっと頑張らないと」と言われました。
「いや… 頑張ってるつもりだけど…」と言うと、
「でも、頑張りが足りないからそうなるんでしょ。」と言われる。
しかし、世の中には、
頑張っても頑張っても、どうにもならないものもあると思います。
それが「めぐり」だと思うのですが、
例えば、親から虐待を受けた経験がある人が、
「絶対自分は親みたいにはならない。なりたくない」と思います。
しかし、
結婚して子どもができて、気づいたら子どもに手をあげてしまっている。
そういう流れをニュースで耳にしたことも多いかと思います。
虐待を受けて傷ついてきたのに、
虐待をしてしまって、また傷ついているのです。
虐待をしたくてしている人が、いると思いますか?
それを簡単に「それは親が悪い」の一言で片付けてしまって良いのでしょうか?
「親が悪い」と言われるのであれば、
その親が虐待してきたから、もっと悪いのでは?
でも、その親様も親様に虐待されていたとしたら?
そのまた親も虐待され、そのまた親も虐待され、
みんな可哀相な人達だと思いませんか?
歴代のご先祖様の生き方が体に染みついており、全くとれない…
親様にかけられた愛情がないから、愛情が何かも分からない…
「こんな事はしたくない」と思っているのに、気づいたらしている。
どうにもならず、助けてほしいのに、
「あなたが悪いんでしょ?」と言われる。
本当にそうなのでしょうか?
私が、その家に生まれていたら、
あなた様と同じように、虐待をしていると思います。
めぐりは、自分の努力や頑張りでどうにかなるものではありません。
そして、「めぐり」は、どの家にもあります。
金光教の教祖様の家でも、家族が沢山亡くなられていますし、
育った子がお金をねだってきたり、そういうことが続いていました。
虐待の他にも、借金が続いている家があったり、
仕事が続かない家があったり、
夫婦関係が上手くいかない家があったり、
様々な形で、「めぐり」は現れていると思います。
では、どうすれば良いのか?
金光教の教祖様は、
どのような大きなめぐりがあっても、信心によって取り払ってもらえる。
先祖からのめぐり、祟りは、神が道の立つようにしてくださる。
と、み教えくださいました。
教祖様自身が、どのように助かられたのか?
めちゃくちゃ簡単に説明しますと、
「私は凡夫で相わかりません」
「色々と対策してきましたが、これで済んだとは思いません」
「数々の御無礼を、お断り申しあげます」
と、お詫びして助かったと思っています。(←簡単に説明しすぎ)
自分がしてきたことだけを詫びるのではなく、
自分のご先祖様がしてきた御無礼も詫びた。
ご先祖様からのめぐりを引き受けた。ということです。
これは、なかなか出来ないことだと思います。
教祖様は後に、
先祖、先祖よりの罪をわびよ。
めぐりは、ひなたに氷のごとくお取り払いくださるぞ。
とみ教えくださっています。
なので、自分がしてきた行いに対して、悪いことが起こる。
ということばかりではない。という事を知らないといけません。
先祖代々の皆様が、どう生きてこられ、
何か悪いことをされてきたのか?
めぐりを積むような行いをされてきたのか?
それが、巡り巡って、自分の子や孫、曾孫に現れてくることがあります。
全く納得のいかないことですが…
テレビドラマなどでも、
「俺の父さんは、お前の父親に殺されたんだよ!」と、
何もしていない子が、親の恨みを受けることもあります。
金光教の教会では、毎日「拝詞」をお唱えさせていただいていますが、
その一節に
「前々の巡り合わせで難を受けおる人の多きぞ神の嘆きなる」
という言葉があるように、
そういう人達を助けるために、教祖様が導かれたのだと思います。