04.リプレイという媒体

「ナナバナ」完成から3度のイベントを経て意外に思うのは、リプレイとルルブでは後者の方が売れ行きが良い、ということ。

私なんぞはルルブ持ってなくてもリプレイは読む、みたいなところがあるもので、この結果は正直予想外だった。

まァ、「ファンタジーもののリプレイ」なんてものはもうとっくに出つくしてる感もあるので、今更わざわざ買わんでも、的な雰囲気は解らないでもない。

さらに言えば、「リプレイ」という媒体は多分に「内輪受け」の危険性を孕んでいる。書き手が「この場面は盛り上がったなあ」と、想い出半分にシーンを文章化してみても、実際にはその場のノリや、リア友だけに通じる共通の話題で盛り上がっていることが結構ある。個人・同人のリプレイならまだしも、市販でもこれを失念しているようなものが時折見かけられる。極端なことを言えば、実際のゲームに参加した人以外にとって、リプレイとはそこまでおもしろいものではないのかも知れない。

しかし、個人的に私が魅力を感じるゲームシステムというのは、やはり「リプレイ」を含む関連商品を多く持つシステムで、それは言いかえると、「ゲームの楽しみ方の例が多く提示されているシステム」であるということなのである。

逆に、システムの魅力を表現するのに、リプレイ以外の手段が果たして存在するのであろうか? ぶっちゃけ小説書く才能はないし、動画を作る技術もないので、ますます表現の場は狭くなる。

ルルブをざーっと流し読みしても無味乾燥なデータや説明の羅列に過ぎず、そこから魅力を感じ取るのは相当に難しいことなのではなかろうか? 少なくとも、私はルルブだけ読んで「このゲームやりてえーっ!」ってなったことは一度もない。関連する小説やリプレイを読んだ/パケ絵に惹かれた/雑誌で記事を読んだ/プレイヤーとして参加した、などの理由があって初めてシステム買うか、って気分になるのだが、一般的なゲーマー層の購入意欲はどこから湧いてくるのだろう? 私自身のそれは制作物同様、決してメインストリームとは言えないように思うので大変興味深いところである。

ともあれ、現在のところ、私としては「リプレイ作品を多く作ることによってシステム購入者を増やす」という方針で運営をしていくほかないのが実情なのである。

制作の手間で言えばシステムの方が遥かに手間だが、制作費用については現状、リプレイの方がかかるので、採算のことを考えると本当に悩ましい(まあ、どっちにしても現状は赤字だけどね! 今のところは損失を大きくして頒布力を高めるか、損失を小さくして持続力を高めるかとゆーレベル。……いつかは黒字にしたいなあ)。

それに、なんだかんだで私はリプレイという媒体が好きなのである。

ゲームシステムや背景設定という共通概念があるのですんなりと物語に入りこめ、小説ほど堅苦しくなく物語を楽しめ、昔からそこまで頻繁には遊べなかったRPGの疑似体験でき、そういう諸々の魅力を黎明期のリプレイから感じていて、小説書くよかリプレイ書きたい、という欲求が腹の中でうだうだしているのである。

……セッションがうまく回らず、書く気が沸かないこともあったりするけど、私は元気です・▽・