5.謎の客……!

GM:さて、大分軌道に乗ってきた『ケロペッコ』。人間にもモンスターにも好評を博し、魔王様からもお褒めの言葉とご褒美をいただいちゃいました。

コクリ::イェーイ! 順調ー!

GM:そんなある日のこと……店に一人の男がやってきます。

コクリ:「おっ、お客様だぜ!」

GM:その男が入ってくるや、君達は空気が一変するのを感じます。モンスターとしての本能が、危険を訴えている……! そんな感じを。

ムニエル:包丁を研ぐ手が止まるかな。できそうな雰囲気だ。

クロード:「ククク、いらっしゃいませお客様……おや?」

アクィラ:「……なぜかしら?……鳥肌が」

GM:男は、「へえ、本当にモンスターが食堂なんかやっているんだねえ」と涼やかな声で言う。

コクリ:「モンスターが食堂やってちゃ悪いかよ!」 ぴょんぴょこ飛び跳ねながら。

アクィラ:「こ、コクリ、危ないわよ!?」

GM:男は、「おっと、別に悪気があったわけじゃないんだ。すまないな。……ま、ともあれ何かオススメをいただこうかな」と、朗らかに返すのだが……依然、君達の本能は危険を感じたままである。……というわけで、最後のイベントだ!

アクィラ:こわいよーーー!

コクリ:目標値高過ぎぃ……!

ムニエル:さすがに最後のイベントだな……!

3-1.アクィラの手番

GM:……じゃ、今回はアクィラからですね!

アクィラ:ひえええ!?

コクリ:がんばれアクィラ!

クロード:「お客様に失礼が無いように頼むぞ……」

コクリ:「あいつの雰囲気に呑まれるな。いつも通りやればいいんだ、いつも通り」

アクィラ:「で、でもどうしろって言うのよ……?」

GM:ふむ、ではやりやすいようにちょっと演出をしましょうか。「おっ、あんたがこの店の名物だっていう鳥さんかい?」

コクリ:あわわ、話しかけてきたぞォ……!

男(GM):「なんでも面白い芸をするって話じゃないか。料理ができるまでの余興に、一つ見せてもらえるかい?」

アクィラ:相手をして場を繋がなきゃ……! 「ええ。私がこの店唯一の鳥、そして華! とくとご覧なさい! 美しいとはこういうことよ!」 ススス……と進み出て、渾身のポージングよ!

一同:出たーっ!(笑)

GM:うむ、では早速判定だ!

アクィラ:お願いよ、ダイス様! ……えぇーいっ!

■アクィラの〈演芸〉判定:(7D6) →[4,6,3,1,3,5,5]=[27]

■アクィラチャンス:(1D6) →27+[2]=[29]

アクィラ:あーん! 1足りない!

GM:2以外で成功だったのに。(1は振り足しだからね!)

コクリ::おしいなぁ!

GM:おいしいともいう。(笑)

アクィラ:〈精神〉を消費して振り足しよ!

GM:じゃ、振るまでもなく成功だ。

アクィラ:……反応はどう?

GM:アクィラの見事なポージングの技に拍手してるよ。「いやぁ、見事なもんだ!」

アクィラ:……ほっ。大物相手にも通用したことにホクホクとして隣で馴れ馴れしく座っておきます。「ふふん。この店に来て良かったわね」

クロード:……ポージングだけで盛り上げられるとかある意味凄いな。(笑)

GM:動物園で孔雀が羽根広げたらわーってなるアレやね。

コクリ:わかりやすいたとえ!

男(GM):「いやあ、お見事! なぁるほどね、"注目"の力を持ったポージングかぁ。これは確かにモンスターの店でなければ見れないな」

コクリ:「モンスターでも選り抜きのパフォーマーだぜ! 朝日を見ながら雑煮を食べたくらいのありがたさを感じられるはず!」

アクィラ:「ええ美しさから目が離せないでしょう!」

男(GM):「……ああ。"普通の人間"じゃあ、君の虜になるのもやむなしだ」

アクィラ:「あら、あなたは違うっていうの?」

男(GM):「ははは、この拍手がこの答えさ」

コクリ:……なんか含みがある言い方だったな……?

アクィラ:(気にせず)「ふふふ……! 楽しんでもらえてよかったわ。でも、この店のウリはこれだけじゃないのよ! 私の美しさに引けをとらない魅力がまだまだあるんだから、楽しみにしてなさいね!」

クロード:「ククク……。いいぞ、アクィラ。それでいいのだ……!」

ムニエル:よし、では次は私の出番だな。

3-2.ムニエルの手番

ムニエル:「さて、注文はオススメだったな。……職人の力量を測っているな」

コクリ:頼むぜ料理長!

アクィラ:あたしに続いてよね!

ムニエル:心得た。……まあ、どんな相手でも、愚直に作るしかない。

■ムニエルの〈調理〉判定:(7D6) →[1,5,2,3,1,6,5]=[23]

■ムニエルのチャンス:(2D6) →23+[6,5]=[34]

ムニエル:……よし、上出来だ!

コクリ:「さすが料理長!あの男の威圧感に全く動じてねえ!」

GM:なんか演出あるかな?

ムニエル:折角だし、やります! 「淡水ギルマンの村は土がいい。仕入れた野菜はどれも味わい深く実る。素材を活かし、シンプルにグリーンサラダにしよう」

コクリ::描写が細かいっ!?

ムニエル:「……スープは迷子の坊やの母親に出した、身も心も温まるハーブ入りのコンソメスープだ」

アクィラ:コース料理だわっ!?

ムニエル:「メインは今朝仕入れた牛肉を使う。吟遊詩人の歌を聴かせて育てた牛は柔らかく、サシが細かい。網目をつけ、フランベした後に低温で焼き上げ……仕上げにクレシェンドペッパーで風味を整える!」

クロード:お腹が減ってきた。(笑)

GM:……読めたっ! これまでのイベントを活かした料理とゆーワケだなっ!?

一同:な、なるほど~!!

GM:ならば、〆のデザートは!?

ムニエル:「デザートは小品を少しずつ。骨の髄まで染み入るひんやりアイス、大小違う味わいのもっちりとした大福、そしてきらびやかな飴細工を添えたババロアだ」

アクィラ:ま、まさかそれって!?

ムニエル:共に店を創り上げた、みなを思い浮かべる品々だ!

一同:料理長ーーーーーっ!

コクリ:気遣いがイケメンすぎ!

GM:ナマズ料理長のイケメンぶりがとまらない。(笑)

ムニエル:「切り結ぶのはもう止めだ。これら総てを持って、和平の証としよう!」

GM:……渾身のコース料理に、男は目を丸くする。「こりゃ、凄い。王都の一流料理人でもそうはお目にかかれないぞ」

アクィラ:「そうでしょうとも。そうでしょうとも!」飾り羽がぶわってなってる。

クロード:「ククク、当然だお客様。何せここのシェフはあのムニエルなのだからな……」

ムニエル:異世界料理楽しくて……つい描写に力が。(笑)

クロード:素晴らしかったよ!

コクリ:聞いてるだけでお腹が空いてくる!(笑)

GM:男は、夢中で料理を平らげていくよ。「素材といい、調理といい、見た目といい、磨き抜かれたセンスと技。これほどの料理を、この値段で食えるとは思わなかった……!」

アクィラ:「むふふふふふ……」 自分のことのように嬉しい!

コクリ:「おおっ、あの客、だいぶ満足してるみたいだぜ!?」

ムニエル:ふぅ、なんとか役目は果たせたかな?

GM:うむ。男は間違いなく料理に満足しています。……ですが。

クロード:む?

男(GM):「……だが。こいつは"美味過ぎる"んだよな……」

一同:な、何ぃ……!?

GM:……と、いうわけでムニエルの手番はここまでだ!

クロード:ぬぅ……!

ムニエル:ああっ、気になる! 何がいけなかったんだぁ!?

アクィラ:完全に満足しまくってたじゃないの!?

GM:それは次のお楽しみ。(笑)

3-3.クロードの手番

GM:……料理を食べ終わった男は、店長に向き直ります。「いや、恐れ入ったよ。この店には」

クロード:「……………」 無言で見返しましょう。

男(GM):「"普通の人間"を虜にしちまうパフォーマンス。一流の料理店はだしの料理。庶民にも手が届く値段。……出来過ぎてる。そう思うのも、無理はないよな? 店長さん?」

コクリ:あっ、疑われてる!?

ムニエル:そういうことか……!

クロード:「ククク、お客様は一体何が言いたいのかな……?」 同じく鋭い視線を男に向けよう。

男(GM):「人里から大分離れたこんなところじゃ、漁師や冒険者位しか客もいないだろう。どう考えたって採算が合わねえ」

一同:……………!

男(GM):「……だが、何か裏があるなら話は別だ。……たとえば、ある程度繁盛したところで客に洗脳薬を仕込むとか、な」

コクリ:「あんにゃろ、あんな言いがかりを…!」と思わず飛び出しそうになるけどぐっと堪える……!

ムニエル:この私が、料理にそんな真似をするものか……!

アクィラ:「えっ、えっ、ちょっと、何なの? 何言ってるの?」 状況把握してないあたし。(笑)

男(GM):「……この店が、魔王の肝入りだってこたぁ調べがついてる。言えよ。……魔王は何を企んでいる?

一同:完全に疑われてるゥー!?

クロード:「ククク、魔王様の企みか。それを聞いてどうするお客様よ……」

GM:「答えによっては……潰す」 ……クロードは無言の、そして本気の圧力を男から感じ取る。……そして、男には本当に一人でそれをやり遂げる力がある。それを、君達は全員感じ取っている!

コクリ::て、店長……! どうするんだ……!?

クロード:「ククク……。魔王様の命令は人間との和平。しかし、その真意は我にも分からぬわ。何せ我は人間との和平など反対だったのだからな……」

一同:正直に言ったーーーっ!?

アクィラ:そういえば冒頭のキャラ紹介で言ってた気がする!

GM:男は慎重にクロードの次の言葉を待つ。

クロード:「人間は恐ろしいものだ、我々モンスター以上に。我が人間であることをやめたのも人間の恐ろしさや醜さにウンザリしたからだ……」

GM:自分語りキター!!

クロード:「それを踏まえたうえで、我は魔王様の側近として進言した。人間との和平など到底無理だ、とな……」

コクリ::そうだったのか、店長! でもならどうして……?

クロード:「ククク……。それはなぁ……」

一同:どきどき。

クロード:……では、ここから回想シーンです。ほわんほわんほわ~ん。(一同爆笑)

GM:ちょっ、待って! それは僕に魔王をやれと!?

クロード:てへ☆

GM:くっ、出る予定なかったのに……! でも、請われたらならばやらねばなるまい! 受けてたとうじゃないですか!

一同:おお~~~~~!?

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