人災派遣RPG 2nd season リプレイ5話
It's Impossibly Invaders!!
――不可解な侵入者――
第4夜
◆◆◆ Round6 ◆◆◆
◆ Round6開始時点のフィールド状況 ◆
GM さて、前回のおさらい。
・ダイワ自動車に侵入してたのは医療施設から逃げ出した実験動物だった。
・目的は彼らが取り付けられた義肢のエネルギー=電気。
・電気自動車用の充電プラグを求めて街を闊歩していた模様。
・逃げ出した動物は3体で、リーダー格が市街地にいる模様。
・5Rめ終了時点で1体を捕獲、もう1体にも大ダメージを与えた。
・が、6Rめ開始時点にエリア1に登場するボスも含めて全部をエリア占拠されないように処理しなければ任務失敗!
・6Rめ、ボスは遭遇ルールにより行動開始は7R=Ex-Round1から。
GM ……って感じでしたな。
月華 市街地は景文と瀬那で押さえてくれるだろうから、こっちは自分とこの片付けと、【避難誘導】で向こうの支援かな。
GM ま、ボスとの戦闘状態までは1R猶予があるので、3号や【避難勧告】を処理したり、【治療】しといたりするといいよって感じ。
瀬那 忙しい……!
イニシアチブの結果は、宇佐見[32]→月華[18]→景文[13]→瀬那[0]。
瀬那 ファンブルしちゃった!(笑) あんまり実害はないけど。
月華 敵より先手とれた。よしよし。
宇佐美 私は移動なし。月ちゃんを回復しつつ、【避難誘導】を進める予定。
瀬那 ボスを抑えておかないといけないからエリア1に【高速移動】……うう、露出がいたーい!
景文 僕も【高速移動】でエリア1です。
GM ok。……エリア1に到着した景文と瀬那は、どこぞのビルの屋上に逃げ込んだという情報を得て現場へ急行。
宇佐美 美女を攫ってビルに登っていたり?
景文 キングコングですか。(笑)
GM ないです。(笑) ……そこには【不定形】細胞の影響か、ニホンザルどころかマウンテンゴリラほどにも巨大化したメカメカしいサルが、体中から電気をバリバリと発しながら、君達を威嚇しているのであった――!
景文 「――見つけたよ」
瀬那 「さっきのとは比較にならない大きさね……!」
GM 手下に盗電させて、こいつはそいつらから電気を回収していたのじゃろうね、
景文 「こいつがボスならそれも納得。獣は大きさが地位に直結するものだから」……さて、やるか。
瀬那 「……二人が来るまでできる限り押さえなきゃね!」武器と遺物を構えて戦闘態勢……!
GM うむ。まぁ、そんな感じだが戦闘は次のRから。メインフェイズは宇佐美さんからだ。
宇佐美 方々に電話をかけて【避難勧告】。電話口の相手には見えないけれど、ぺこぺこ頭下げながら。(笑)
瀬那 姿が容易に想像できるわねえ。(笑)
月華 じゃあ、その邪魔をさせないように牽制をして時間を稼ぎます!
宇佐美 【ビジネストーク】と【臨機応変】、【七つ道具】も載せて……37!
月華 あと2!
宇佐美 もちろんここはLP消費……+3で【避難勧告】完了だ!
瀬那 やりますね!
宇佐美 ……でも、これでAP21。罰則3回目だ。
GM RP(亮子ポイント)使っていいのよ?
宇佐美 はっ、AP軽減もできるのか。では使わせてもらおう。「亮子ちゃん、こっちを頼めるかい?」
亮子(GM) 「解りました! 現場の警察に連絡をとってみます!」
GM みたいな感じで、亮子がサポートをしたので宇佐美さんの連絡に裏付けがとれてあんまり不審がられなかった! これで市街地は以後AP1扱い!
景文 助かる!
ICSSSAスタッフ(GM) 「現場近隣の避難誘導、完了しました!」
宇佐美 「お疲れ! あとはNGSの皆さんに任せて下がってくれ」
ICSSSAスタッフ(GM) 「了解です。……思ったよりも大事になってしまったようで……! 本社からも応援を呼んでいますが、なんとか持ちこたえてください!」
景文 序盤はあんなザマだったのに、現場では有能そう。
GM いやぁ、研究スタッフと警備スタッフは別人かと。
景文 ですか。(苦笑)
瀬那 分析班の名誉は回復されなかった……。(笑)
宇佐美 さて、サブは月華ちゃんを【応急処置】。【七つ道具】で高級傷薬準拠の栄養ドリンクを投げ渡すよ。「月華ちゃん。ちょっと一服入れようか!」と言いつつ……20点回復!
月華 「ありがと!」 相手から視線を外さないまま後ろ手に受け取る。
宇佐美 おお、かっこいい!
月華 キャップの部分を手元で斬り飛ばし、ぐいっとあおってから凄い顔に。「な、何入ってるのこれ……?」って顔で宇佐美を見ます。(笑)
宇佐美 「ICSSSA特製のあれやこれやだけど、あんまり気にしちゃダメだ! ……ほら、来るよ!」ってことで手番終わり!
月華 じゃあ次はあたし。忍者刀で攻撃。【鬼神力】+【アサシネート】で命中は……35!
GM -17の回避は、一段下がって大失敗。
月華 ダメージは51点+出血11!
GM うわ、-2点でぎりぎり倒れた!
月華 あぶなかったけどセーフ。
瀬那 やったね!
GM くそー、2号も3号もギリギリのところで倒されちまった! 口惜しみ!
月華 ドリンクの味に顔しかめた隙に飛び掛かられたけど、返す刀で切り捨てましたよ。
GM うむ、【不定形】なんでじわじわ回復してはいくが、ICSSSAのサポートスタッフと、研究室からの応援で2号、3号とも研究室へと運ばれていくので、ひとまず安心です。
月華 サブは【応急処置】かな、さすがにちょっと苦しい。
宇佐美 気に入ったみたいだから次も栄養ドリンクあげようっと。
月華 勘弁してよ。(笑) 袖の隠しから、秘密のお菓子を取り出してぱくりってしておきますね。
GM 4話に出てきた和菓子屋さん、風鈴堂さんの一口羊羹だよ☆
月華 甘味パワーでSP7点回復して終わり!
GM では景文と瀬那だ。ちょっぴり補給できるタイム。……というか、【避難勧告】も【解析】も終わってるから、【治療】くらいしかやることなさげですのう。
景文 実際SP尽きそうですしね。メイン・サブとも【治療】でSPを回復。……2回分で、22点回復して40点に。
瀬那 私はSPよりHP……大分削られちゃった。……2回分で14点点回復して残り30に。
GM ……終わってから言うのもなんじゃが、景文が瀬那のHP、瀬那が景文のSP回復するのが良かったんじゃなかろか?
瀬那 あ。
景文 そうなんですよね、実は……。提案のタイミングが合わなくて。
GM 僕もうっかり助言し忘れた。まぁ、致命傷になるほどではなかろう。
宇佐美 今後に活かせば、とゆーことで!
GM さて、これで全員メインフェイズ終わり。……実験体1号は目の前に立ち塞がる、自らに変なものをとりつけやがった奴らの同族を生かしてはおかぬ! とばかりに、とびかかってくるのであった……!
月華 自分でそれ取り外してくれてもいいんだよ?
GM そうはいくかい。(笑)
◆◆◆ Ex-Round1 ◆◆◆
◆ Ex-Round1 開始時点のフィールド状況 ◆
イニシアチブは宇佐美[21]→月華[10]→景文[9]→瀬那[0]。
瀬那 またファンブル!?
GM 【ハードラック】があったらホクホクだったね。
◆【ハードラック】……同エリア内でファンブルが発生した時、LPが回復する【欠落者】のスキル。
GM さて、ファストだが……【後退】を宣言したキャラを車で運ぶのってアリなのかな? 特にダメって書いてないからアリなんだろうな?
月華 それ、確認しようと思ってたんだけど先に言ってくれた。(笑)
GM アリでいいよ。
宇佐美 車から降りたら後ろに下がるのかな。
月華 車を盾にしましょう。
宇佐美 やめて! リースなんだよ、それ!?
GM まぁ、そういうポジショニングをする態勢をとっていたってことで。
瀬那 私は特になし。
景文 僕もこのラウンドはパス。敵がリミット解除してくるのは解ってるし、次に勝負を賭ける……!
月華 私は【後退】。
宇佐美 では、その月華ちゃんと市街地までドライブだ。
GM じゃあ月ちゃんだけ後退状態で戦闘開始!
GM では宇佐美さんから。
宇佐美 ふむ。ここはメインで【治療】、サブで【アシスト】かな。……減っているのは誰かな?
月華 私のSPか、瀬那のHPか。
瀬那 【ガーディアンシステム】があるから、私は後回しでいいわ。
宇佐美 では、再び月華ちゃんに。栄養ドリンクぽーい。
月華 また、コレを飲むのかあ、って渋い顔をするけど、効果は確かなので飲みます。(苦笑)
宇佐美 回復量は……18点。
月華 どもです!
宇佐美 サブは瀬那ちゃんに【アシスト[1]】だ。
瀬那 わーい。頑張る!
GM ではこちら! ここは前線にいる3人のうちだれかにハンマーナッコー!
◆実験体1の(CHOICE[景,瀬,宇]) → 瀬
GM 瀬那ちゃんに!
瀬那 きゃー!
GM くらえい! 命中は34!
瀬那 それは全然無理ぃ! ……これ、避けると【アシスト】の効果を消費しちゃいますよね?
GM 確かに。
瀬那 無駄遣いになっちゃうなぁ……。
GM ふぅむ。【防御】放棄ってできたかな? ルルブには特にないが。……まぁ、【かばう】してもらう前提で放棄してもいいってことにしよか。
ルールにない処理でも、明らかにPCにとって損な処理などが発生しちゃったら、GM判断で採用しちゃっていいのだ。それがTRPGってものなのだ。
宇佐美 では僕が【献身】でかばおう!
瀬那 お願いします~!
GM ではかばった宇佐美を「失敗」扱いで殴るぜえ! ダメージは49の物理と……24点の雷だ!
宇佐美 ぐおっ!?
景文 こ、これは痛い……!
瀬那 とりあえず【光の盾】で……18点止め!
宇佐美 【不屈の魂】も使って、9+12点抜け。「……さすがに痛いねえ」
GM では、続いて【速攻】! 【サンダーボルト】+【サンダーストーム】だ! くーらーえー!!!
宇佐美 うわーい! 落ちそうー!
GM エリア攻撃・遠隔・雷[10]だ! ヒャッハー! ……って20しかないぞ……?
宇佐美 やさしみっ!
GM 瀬那ちゃん……ここは新技の使いどころでは?
瀬那 うん! 【翼】を使いつつ避けにいきますよ!
GM ちゃうわっ! 【邪眼】の方だろっ!?
月華 【邪眼】だよね。
景文 【邪眼】では……?
瀬那 あっ、ハイ……。【邪眼】です……!(一同爆笑)
◆【邪眼】……敵の判定値を減らす、非常に稀な効果のスキル。今回のように範囲・複数体が対象の攻撃に対しては効果絶大!
瀬那 【邪眼】使いまーす! びきびきっ!
GM 【邪眼】ってSP消費だけなんだな。強ぇー! では、命中値は遠隔の10まで下がりました。
宇佐美 余裕じゃん!
月華 私は<反応>で【防御】。【後退】と噛み合わない防御技能は相殺されますよね?
GM うん、おっけーだ!
月華 じゃあ、22と言って完全成功!
瀬那 【アシスト】込みで<抵抗> ……19なので、LPで振り足しして完全成功!
景文 こちらも完全成功!
宇佐美 僕は10しかないので成功止まり。ダメージください。
GM ああん、おさる切ないー。ダメージは38+雷30。
宇佐美 軽減後半減だから、現状13+9抜け。
瀬那 【光の盾】で、19点軽減!
宇佐美 「助かるよ!」 3+9で12抜け。残り18点。……生きてるって素晴らしい!
GM しょんぼり。じゃ、NGS組反撃どうぞー。
月華 じゃああたしから。相手の一撃を車を盾にして回避して視線を切り、そのまま相手の知覚外から斬りかかる感じ。いつものコンボで命中は……47!
宇佐美 ぼ、僕の車が……!?
GM たかぁい……。-27は大失敗!
月華 ダメージは回らずで、43+出血17。
GM 25+17でトータルダメージ現在42点。……GP公開してると計算が楽だな。(笑)
月華 【速攻】! 同じコンボで命中は……わぁい! さっきより増えて56!
GM うひぃ、-34は完全失敗!
月華 ダメージは61……5が3つあるから、ここで【天衣無縫】! +3Dで80+出血18点!
GM ピエーン!! 62+18で80抜け! 累積ダメージ122~!
月華 「大技の後は隙だらけ、人も動物も同じだね」 と、2撃目を深々と突き刺した後、相手を蹴って刀を抜き、後方へと下がります。
GM でもタフネスには定評のある【不定形】+【実験体】だ。まだまだ元気だぞ!
月華 本当にでかいのは景文がぶんぶんしてくれるからね。
景文 【憑依】してないから次にね。(笑)
GM ではその景文!
景文 メインで【戦の記憶/アウターハウル/ハンマーナックル】+木刀。APは1溜まって10、SPは25に。
GM そんだけ使って1か。やすぅい。
瀬那 混雑度補正-7は大きいわね。
景文 命中……あれっ、低い。17しかない……。
GM おっ? それだと防御成功してる。
景文 さすがに普通失敗までは持っていきたいな。LP使って……24まで伸ばしました。
GM では普通失敗。
景文 ダメージは……38。うーん、イマイチ。
GM 20抜けで累積ダメージ144。
月華 【完全憑依】してないとこんなもんでしょ。
宇佐美 コツコツダメージ与えるのも大事さ。
景文 サブはSPを【応急処置】。8点回復して残り33。
GM では瀬那ちゃんー。
瀬那 じゃあメインはエンハンスソード+En化に【妖力解放】と【翼】を乗せて攻撃! 命中は……23!
Gm 普通失敗!
瀬那 こっから中失敗まで持ってくのは難しいし、このまま。ダメージは……うー、私もイマイチで27点のEn。
GM 19抜け!(累積ダメージ163)
瀬那 サブはSP治療で……こっちは回って25点回復!
GM じゃ、ここでラウンド終了してEx-Round2へ!
◆◆◆ Ex-Round2 ◆◆◆
イニシアチブは月華[22]→宇佐美[20]→景文[10]→瀬那[6]。
GM ファスト、何かやる人?
瀬那 私はそのまま。
景文 【完全憑依】を!
宇佐美 「ここからが景文くんの本気か……」
景文 「"いまここにわたしは引き金に手をかける"――能力行使。影の悪魔に同調。以下制御を解除。オーダー」
月華 おっ、格好いい演出が。正座待機っ。
瀬那 正座正座っ!
景文 あ、終わりです。(笑)
宇佐美 じゃ、私か。【露払い】したら月華ちゃんよりはやくなるが……?
月華 私のSPなら【練気】があるから大丈夫。
宇佐美 そか。ではこのままで。
月華 私は【後退】ね。
GM では、まず月華から!
月華 では景文君が派手なことしたので、きっとボスの視線もそっちに向くでしょう。その隙を突いて攻撃をしかける!
GM ……えっ?(最大ダメージ出してるの誰だっけ……)
月華 そういう演出!(笑) 忍者刀に【鬼神+アサシネ+バックスタブ】で攻撃! 命中は……42!
GM -20はギリ大失敗に乗った!
月華 ダメージは52+出血16!
GM 78は60抜け。累積ダメージ223!
月華 【気魄】を使用、【速攻】で同じのをもう一発! 命中は……27か。イマイチ。
GM 普通失敗。
月華 ではダメージ……っ!
◆月華の攻撃判定(9U6[6]+9) → 3,8[6,2],1,4,3,4,16[6,6,4],17[6,6,5],11[6,5]+9 →76
月華 はい。……はい?
景文&瀬那 わー!?
GM えええ……。
月華 えー、出血は21。なんだこれ。(笑)
GM ……97は79抜けで累積ダメージ302。マジかょ……。
宇佐美 えーとあの、ボス頑張って?(笑)
GM い、生きては……いますよ?
宇佐美 これ次R分まで残ってないのでは……?
GM (遠い目)ま、まだ1回手番は来るので……! とりあえず宇佐美さんのばん!
月華 「よいしょっと。あの景文が怖いんでしょ、分かるよ。どうしても見ちゃうよね。……だから、隙ができるんだ」 鮮血を華のように散らせながら、再びするりと下がります。
GM 持ち上げた。(笑)
宇佐美 次は敵の攻撃か。……スタングレネードで敵の火力を下げるか、治療に専念するか。
GM 渋いムーブだねぇ。
宇佐美 うーん、まぁ、《脱力[2]》程度じゃ変わらないか。ここは【治療】に専念しよう。まずは景文君のSPを……お、クリティカルして30点!
景文 「助かります……っ!」
宇佐美 サブも景文君に【アシスト[1]】だ。「ここで決めたまえよ!」
景文 「はいっ」
GM 盛り上がってるところ悪いがボスの番だぜ! 一番殴ってる月華を殴りたい気持ちはあるが、あいつ【後退】してるからなぁ。手近な奴を殴るだろう。
宇佐美 そうだね……。
◆実験体1号の(CHOICE[景,瀬,宇]) → 景
GM 景文に! 命中は近接の31!
景文 【アシスト】もあるので5D+17……38と言って成功。
GM @3で完全成功だが。
景文 成功まで行ってれば大丈夫でしょう。ここは止めておきます。
GM ok、ダメージは40+雷29。
瀬那 【光の盾】るの! ……21点止め!
景文 だったら通常ダメージは弾いた! 雷の8点だけ。
GM しょんぼり。……だが次は全体の雷撃だーい! 【サンダーボルト】+【サンダーストーム】!
◆実験体1号の制御判定(3U6[6]+12) → 1,5,3+12 → 21
GM すごくがっかり……。
景文 【蘇る悪夢】の使い時かな。
GM そっすね……。5が1になって遠隔の17に。
ここまで下がればPCがやや苦手な〈遠隔〉タイプ攻撃と言えどさほど脅威ではない。【後退】中の月華は完全成功。【完全憑依】中の景文も危なげなく成功。宇佐見と瀬那は宇佐美の【エスケイプ(本人+1名の防御判定の結果を1段階上げる【諜報】のスキル)】で成功を達成する。
GM ダメージは42+雷21だが、半減されたら大したことないな。
宇佐美 HPは残り18だけど、頑張れば倒れれるなぁ。(笑)
GM 【生命の炎】か。……次のRイニシアとって行動するのとあんまり変わらない気がするけど。……まぁ、使いたそうだからいいか?(笑)
宇佐美 どうやらさよならの時間みたいだ。……みんな、おじさんの分も頑張って……。
瀬那 「宇佐美さーん!?」
GM と、言いつつ、魂が熱く燃え上がる宇佐美さんなのであった。
宇佐美 「ふふふ、この位では終わらないさ……!」
GM 「ぎきーっ! ぎきーっ!」 雷撃が決まったと思い手を叩いて喜ぶおさる。
景文 残りHP28。もう1Rは耐えれるか?
瀬那 何気に残りHP2。
GM 瀬那はまだ【ガーディアンシステム】あるじゃろがい! HP2とか寧ろベストやんけ。
瀬那 ふふふ。
GM じゃ、次は景文。
宇佐美 「頼んだぞ景文くん!!」
景文 「やってみますよ」……メインで【戦の記憶/アウターハウル/ハンマーナックル/オールマイティ】+木刀で攻撃! 命中は……41!
GM あと1で大失敗。……威力にもLPをマックスで乗せるなら、命中にも乗せておいていいかもだね。
景文 使っておく。LP1で……命中は45。残りLP11。
瀬那 11って。(笑)
宇佐美 まだそんなにあるのか。(笑)
景文 ダメージにLP4とRP1を載せて全力で。16D+19。
亮子(GM) 「今よ、景くん!」と、宇佐美のドローンを使っておさるの気を逸らす亮子! 気を取られたおさるに致命的な隙が!
景文 よし、いくぞっ……!
◆景文の威力判定(16U6[6]+9+10) → 5,4,10[6,4],8[6,2],2,7[6,1],13[6,6,1],3,3,3,5,1,5,3,3,3+19 →97
GM ほ、ほげええええ!?
月華 やった、さすが主人公!
景文 ようやくマシな出目になった感。(笑)
宇佐美 愛だねえ。(うんうん)
GM 79抜けで累積ダメージ381……。ぎ、ぎりぎり生きてマスよ?
景文 とりあえず罰則処理を。……[13]で【罰金】、はちょっと嫌なので、振り直して14[懲罰]……まぁ、ここはHPを削って【速攻】!
GM こ、これはもうダメだなぁ。(笑)
実験体1号の残りHPは21。【完全憑依】中でLPもたっぷり残った景文の連続攻撃を耐えられるわけがないんだよなぁ、これが。
GM ……はい、景文の一撃でおさる1号はドゥ、と倒れ伏します。
景文 ふぅ……。なんとか片付いたか。
研究員(GM) 「いやぁ、お蔭様で詫びまわりくらいですんだよ……」
瀬那 「……もうこんな事は二度とあってほしくないわね」
白衣の男(GM) 「もちろん電気料金と詫び料は支払ったし、所長にもめっちゃ叱られたけど……でもまあ、不定形細胞と義肢の限界値のデータはとれたし、実用化の目途も立ちそうで、めでたしめでたしッスよね!」(ドヤァ)
宇佐美 「そちらさんの体制に口出しするのは領分超えてるからぐっとこらえるけれども……これ、我々いなかったら危なかったからね?」
月華 「変に流れてどこかで悪用されなくてよかったけど……ちょっとは反省の色見せなさいよ!」
白衣の男(GM) 「うう、すみませぇん……!」
宇佐美 「せっかく立派な研究しているんだからさ、頑張ってくれよー」
所長(GM) 「……まぁ、その辺りでご勘弁を」と所長もご挨拶。
宇佐美 お・ま・え・の・せ・い☆
景文 だよなぁ。(笑)
瀬那 所長め! こいつめ!
所長(GM) 「いや、まったく申し開きの余地もない。すべて私の監督不行き届きです」
宇佐美 ほんとだよ!
所長(GM) 「迷惑をかけた住民への慰謝料はもちろん支払うとして、被害を最小限で留めてくださったみなさんにも、心ばかりの謝礼をお支払いいたします」……具体的には報酬+10PP。
瀬那 ほうほう?(喜)
所長(GM) 「うやむやにしようとは思いませんので、その点は今後ICSSSAにもご指導いただければと」……と、割合まっとうな所長さんのお陰で、まっとうに事後処理が進みましたとさ。
宇佐美 「ええ、関わったからには最後まで付き合いますよ」
月華 ちゃんと上はまじめなんだなぁ、とか思って黙ってよう。
宇佐美 割合まっとう……ちょっとマッドな方が良いとか言ってたような。
GM 言ってたっけ? どんまい。(笑) とにかく、異能絡みでもあるので公にはできないんだけど、それなりのおぜぜとお詫びでカタはついた、ってな感じで一件落着と相成ります。
亮子(GM) 「……ともあれ、この件も、例の遺物の件も片付いたし。ようやく平常運転に戻れるわね」
景文 3話からこっち、ハードな案件ばかりな気がする。(笑)
瀬那 本当ね……。
月華 遺物の件はこれからって感じがする……来歴が解っただけで、何も片付いてなくない?
景文 そうだね。……あれに関わってきた【憑依体】って検討ついてます?
GM それについてはこれから明かす機会もあるだろう。
景文 ふ-む……。
◆◆◆ Epilogue1 ◆◆◆
――不穏――
宇佐美 「ま、ともあれ一仕事終えたことだし、みんな! 焼肉にでも行かないかい? おじさんおごっちゃうよ!」
瀬那 「焼肉……!」 HP2しかないし。(笑)
宇佐美 「お嬢さん方は小さいから、おじさんのお財布に優しそうだなあ」わっはっは。
月華 焼肉で人間性を取り戻すTRPGもありましたね~。
◆焼肉で人間性を取り戻すTRPG……富士見書房刊「デモンパラサイト」「パラサイトブラッド」のことである。寄生生物のせいで異能を得た主人公達は、寄生生物に与えるために大量の食事を摂取しないとコントロールが効かなくなったりしてしまう。
GM てなわけで、宇佐美さんのオススメの焼肉屋に到着。
月華 無言でもぐもぐ!
瀬那 そんなに多くは食べない方だけど、もぐもぐ!
宇佐美 「あ、あれ? いつのまにこんな皿が空いて……?」 勝手に食いしん坊設定を付与する。
瀬那 「えっ、もうそんなに……?」
景文 激しい仕事だからねえ。
GM ……………。
事件も解決して一安心。
雑談をまじえつつ、アフタープレイに華を咲かせるPC達。
……しかし。
今日のシナリオは寧ろ、ここからが本番なのだ……!
GM ……さて。4人で焼肉屋について、早速注文も取り始めてるころかもしれませんが、NGS本部から合流する予定の亮子がまだ到着してません。
月華 ……え?
瀬那 ふぉあっ!?
GM そろそろ着いてもいい頃なのですが、おかしいな? ……などと言ってると、景文のスマホに亮子から連絡が入る。
RRRRR... RRRRR...
宇佐美 「いっぱい食べないと大きくなれないぞ~……あ、ごめん! これってセクハラ!?」などと空気を読まない発言をしておこう。(笑)
瀬那 「ん……? 電話みたいよ?」
景文 「はい」 ではスピーカーに変えて……。
GM いや、変えないでくれ。まず景文にだけ伝えたい。
景文 ……では変えない。変えようとしてやめる。
亮子?(GM) 「よぉ、元気だったかい?」……その声は、まさしく亮子のそれ。しかし、その口調は明らかに違う何者か、だ。
瀬那 びええ……!?
月華 こ、これは次回の伏線……!?
景文 「――ああ。なんて名乗ってもらえるんだい。君は」
亮子?(GM) 「……おれか? いや、おれ達か? ……そんなものは忘れてしまったな。おれ達はおれ達。全員がおれで、おれが全員だ。……ただ、お前だけが、おれ達から外れてしまった。何故かは解らないがな」
景文 「そのようだね」
亮子?(GM) 「まぁ、それよりも今回の動きの早さには正直舌を巻いた。あの保管庫の警備は完璧だ。さすがのおれ達でもどうにもならん」
景文 電話をかけつつ。左手のトングで肉を皿に載せる。何でもないしぐさのように装う……。
亮子?(GM) 「もう少し力を回復してから取り戻しにいくつもりだったが、これでご破算だ。……まったく、見事な手際だったよ」
景文 「そうだろうね」
亮子?(GM) 「……だが、まだ手はある。ちょうど先日、いい実例を教えてもらったからな。――"狼騎士団"だったか?」
景文 「……その実例はやめておいた方がいい」
亮子?(GM) 「悪くなかったよな、あの手口は。おれが横槍入れてなきゃ、アレは奴らの手の中にあった。……だから、それに習うことにした」
景文 「そうか。……もう引き金は引かれた、取り返しはつかないよ」
亮子?(GM) 「それはこちらの台詞だ。――アレを、取り返してこい。こちらがベットするのは、この女の命」
景文 「……わかった。やるしかない、ようだ」
亮子?(GM) 「……期限は1週間。取引の場所はこちらから指定する。下手な真似をすればどうなるか……解るよな?」
景文 「それはこちらの台詞だよ。ご同胞」
亮子?(GM) 「お互いに賢くやろうぜ……! じゃあ、またな」 ツーツーツー……。
宇佐美 「はーい。肉焼けたよ~。お皿出してお皿出して」
瀬那 「……浮かない顔ね、景文くん」
月華 レアでもぐもぐ食べてます。
景文 無言で今まで録音していた自分のスマホを皆の前に滑らせて再生する。
宇佐美 「…………」
GM 亮子の声で再生される、嫌ったらしい台詞。
瀬那 「これは……」
宇佐美 「え、え、え? どうゆうこと? ……と、とりあえず央葉さんに連絡っ!」電話しに出ていく……っ!
GM なんで。(笑)
宇佐美 いや、レギュラー陣だけで話した方がいいかなって。(笑)
GM ふむ。じゃあ……。(こそこそ)適当なところでNGSに戻るよう促してもらえますか?
宇佐美 任された!
月華 ……手を止めて、じっとと景文を見よう。どうする気?って感じで。
景文 「見捨てるはなし」
月華&瀬那 「……………」
景文 「返してくれ、はもう話が通らない話だろうし、難攻不落だろうとやるしかない、かも知れない」
月華 「姉さんを助けるためなら、やるよ?」トントンと机を指で叩き。
景文 「うん。見捨てるのは、手放すのはなしだ」いちいち、何かを確かめるように。切って伝える。
瀬那 「でも、どうやって……?」
一同 「……………」
宇佐美 では、そこで戻ってきましょう。「そこまでだ、皆。君達だけで考えていても結論は出ないよ。……央葉さんも呼んでいる、いったんNGSへ帰ろう」
瀬那 「ですね……」
◆◆◆ Epilogue2 ◆◆◆
――絆――
GM ……任務成功の高揚した気持ちから一変、言葉少なに君達はNGSへの帰路につく。
景文 「本人がけろっとした顔で戻ってきてたら万事解決だけれど。そうはいかないだろうね……」
瀬那 「望み薄ね」
月華 「待っていたって、勝手に良い結果になんかならないよ」
景文 「だろうね……」
宇佐美 「いや、よく堪えてくれたよ。君たちだけで動くのはお薦めできないからね」とか言いつつ車を走らせますよ。
GM ……さて、NGSに到着した君達なのだが、宇佐美の車を降りたところで、しゅっ、と月華の背中に忍び寄る影がある。
瀬那 ほあ?!
月華 おぉう!? な、なに!? マジかー!?
GM 殺気を感じるが、フレーバーで避けてくれていいぜ。
月華 あ、そっち系?
GM そっち系だとも。
月華 じゃあ、すっと髪に手を入れて、そこからちらりと覗かせた刃で受け止める。
???(GM) 「おっとあぶねっ! さすが月ねーちゃん」
月華 その声は……「虎!?」
虎儿(GM) 「あたりー! しょげてるかと思っけど、隙はみせねーな!」
GM そこには君の弟分の虎儿君がにやっと笑ってた!
月華 「……虎、そういうことしてると斬られても文句は言えないって教えなかった?」
血華(GM) 「まぁまぁ、月華がショック受けてるだろうからハッパかけてやりたいって言うからさ」
虎儿(GM) 「そうだぜー! 心配してきてやったんだぜー!」
月華 「血華さんまで!?」
宇佐美 「だ、誰だい? 急に出てくるからびっくりするじゃないか!」
景文 「MBSの方たちですよ。以前にうちで依頼受けた」宇佐美に伝えつつ。
宇佐美 「あ、ああ、知り合いなんだね。ほっ」
真機奈(GM) 「いいから中に早く入りなさい。策を練るには時間がいくらあっても足りないんだから!」……と、室内から真機奈先生。
瀬那 「真機奈先生!?」
若松(GM) 「大変なことになっちゃったわね……」
合津(GM) 「水臭いぜ景文! オレらにも手伝わせてくれよ!」
千夏(GM) 「そーですよ先輩! 亮子ちゃんには私だって恩があるんですから!」
景文 「若松さん、合津も!?」
瀬那 千夏って……2話に出てきたオカ研の後輩ちゃん!?
宇佐美 「感心しないな、学生がこんな時間まで……」
杜田玄司/神守山の神主(GM) 「非常事態です、固いことは言いっこなしですよ」
瀬那 1話に出てきた神主さん!? 懐かしいっ!
GM 再登場にあたり、名前がつきました。(笑)
月華 本当にみんなだなぁ。
宇佐美 「思ったよりも君たちの繋がりは沢山あったようだね」
月華 「……景文、どうやら相手は随分といろんなとこの尻尾を踏んでいっているみたいだよ」
景文 「……そうだね」急に月に伝える言葉をつむごうとして言葉が途切れる。
瀬那 「これだけ集まってくれるのならありがたいものだわ!」
亮平(GM) 「……この件を伝えたら、みんな駆けつけてくれてね」大変な時ではあるが、なんとも言えない穏やかな表情で、社長登場。
景文 「みんな、か。……社長代行は人気者だなぁ」
亮平(GM) 「それは正確ではないよ、景文。亮子もだが、景文、月華、瀬那、君達みんなが築き上げてきた繋がりなんだよ」
景文 「……………」言葉にならない……。
真機奈(GM) 「とはいえ、事態は結構深刻だよ」
血華(GM) 「あの遺失物保管局から宝を取り返すなんて、正直無理無理だね」
若松(GM) 「事情が事情ですから、交渉の余地はあるかもしれませんが……」
虎儿(GM) 「あまいあまい! ああいうとこはおおぜいのためならひとりのぎせいはためらわないんだぜ! ……なぁに、オイラの【瞬間移動】なら一発さぁ!」
血華(GM) 「バカだね、当然異能封じの結界が貼られてるにきまってるだろ」
玄田(GM) 「ICSSSAの竜守家の巫女が封印しているといいますからね、侵入は不可能に近い」
虎儿(GM) 「えーっ、じゃあ一体どーすんのさ! 亮子ねーちゃんを見捨てるわけにはいかないだろ!」
景文 「一人の命と世界とどっちを選ぶなんて選択肢でどっちを選ぶなんてね……」
月華 「やらないって選択は無いんだ。これ以上勝手させてなんかあげない」
真機奈(GM) 「当然よ! あたしの可愛い生徒に手を出した報いはきっちり払ってもらうから!」
血華(GM) 「だからどーやってそれをやるかって話をしてんだろ……!」
GM ……と喧々諤々するPC&NPC達。
宇佐美 「……」うるうるしてる。話は入ってきていないけど、ここに集まった全員が亮子奪還に向けて動いているのを見ると。歳をとると涙腺が弱くてね……。
瀬那 ほんとに……。
???(GM) 「えーと」
瀬那 「なんとかする手段は……え、うん? 誰?」
???(GM) 「あれ、なんかみなさんお揃いで……何の騒ぎですかね?」
月華 マジでだれ?(笑)
景文 「……せ、先生?」
GM あったり~! 亮平の息子で亮子の父親。かつて景文を悪魔教団から救い出した考古学者、央葉亮司(なかば・りょうじ)その人だ!
亮司(GM) 「おお! 景文~! 元気してたかい!?」
宇佐美 レアキャラだ!
瀬那 帰ってきた!?
亮司(GM) 「それにしても、一体全体どうしたんだい? これ? あ、これ東欧みやげのケルトまんじゅうです。よかったらどうぞ?」
月華 最後のご登場か。
亮司(GM) 「あ、どーもみなさん、始めましてー。ここの社長のドラ息子の亮司っていいますー」と、事情を把握してないよって感じでほわほわっとご挨拶。
ガヤ(宇佐美) 「知ってるよー」「ああ、噂の」「実在したんだ」
亮平(GM) 「亮司! このバカ、お前一体どこでなにしてたんだ!?」
亮司(GM) 「いやぁ、東欧の小国で発掘調査してたらスパイ容疑で捕まっちゃってさぁ。辛くも逃げ出したはいいけど今度は閉鎖された村で殺人事件に巻き込まれたり生贄にされかかったり、そりゃもう聞くも涙語るも涙の物語が……」
宇佐美 「享司くん。これ、君の出迎えパーティーではないんだよ……」
亮司(GM) 「あっ、どーも宇佐美さん。ご無沙汰してますー」
景文 「……先生っ!」絞り出すように言葉を出す。
亮司(GM) 「ん? ん? どーしたんだ景文? それに、亮子はいないのかい? 折角おみやげ買ってきたのになぁ」
景文 ……自身のスマホをもって。ゆっくりと眼前の亮司に向けてメールを打つ。これまでの経緯と。今集まっている人がいる事、そしてどうしたらいいのかと話し合っている事。
亮司(GM) 「……………」
景文 それを誤字交じりで書き込んで。
瀬那 黙ってその光景見てる……。
景文 「自分は亮子さんを助けたいと思います、だから助けてください。せんせい」と末尾に添えて送信し。……頭を静かに下げる。
亮司(GM) 「……………」
GM 亮司は、言葉も出ない景文の肩にそっと手を置く。
亮司(GM) 「……事情は解った。……大変な目に遭っていたんだね。苦労をかけたね、景文」
景文 「僕は……先生のようになれませんでした。申し訳ありません……!」
亮司(GM) 「いいんだ。君はよく頑張った。……私は、君を誇りに思うよ」
景文 「でも、僕は……!」
亮司(GM) 「いいかい? 景文。完璧な人間などいない。もちろん僕だって。失敗は誰にでもあるんだ。……大切なのは、失敗したとき、再び立ち上がって前を向く勇気を持つことだよ」
景文 「……………」
亮司(GM) 「それさえあれば、何度だってやり直せるんだ。何度だって。……何度だってね」
景文 「先生……っ!」
月華 ……景文がこんなに感情を表に出すのは、初めて見るね。
宇佐美 ぽろっぽろ泣いてるの解るよ……。
GM こんなん前にしたらゲスト陣もボロ泣きだろうなぁ。
亮司(GM) 「……それに、不幸中の幸いだ」
月華 「? どういうこと?」
亮司(GM) 「まだ打つ手はある、ということさ。……見てくれ」
GM そう言うと、亮司は懐からボロ布に包まれた何かを取り出す。
瀬那 「それは……?」
GM 亮司がゆっくりとそれを開くと――あの石とそっくりの金の欠片が出てくる。
景文 「これは……!?」
宇佐美 亮司くんまーた拾ってる!
月華 この人隔離しといたほうがええんちゃうか。(笑)
亮司(GM) 「……もう、これの正体は知っているんだよね。……北欧神話で語られる『ラインの黄金』、その欠片。
英雄ジークフリートの死とともにライン川の底に沈められたと言われているが――それはおそらく比喩で、二度と手に入らぬよう、砕かれ世界中に散らばった。……それが事実なんだと思う」
瀬那 ……そこまでは、今回の調査で明らかになっていたわね。
亮司(GM) 「東欧を回っていたのはこれを探していたのもあってね……実際、見つけてみたら昔小峰さんが掘り出したヤツがそうだったって気づいたワケなんだけど」
月華 あー、そーゆー。
亮司(GM) 「……これが景文の中の【憑依体】と関係があるのは察しがついていたんだ」
景文 「僕と……?」
亮司(GM) 「景文、君の中にいる悪魔は――『ラインの黄金』の元の所有者、『ニーベルング族』の魂魄、怨念、或いは残留思念のようなものだ」
瀬那 わー……!
月華 大事だな—。こわいこわい。
亮司(GM) 「ニーベルング族――北欧神話で言う氷の国、ニヴルヘイムに住む種族。ドウェルグ(ドワーフ)、デックアールヴ(ダークエルフ)と同一視されることもあるが。
実際のところは失われた古代種族、ハイランダー、或いは宇宙人の類いだったのかも知れない――」
宇佐美 うちゅうじんのおばけ!
亮司(GM) 「彼らは長い年月の果てに一つの思念体に融合してしまったのだろう。……しかし、景文の中に入った個体は、彼らが完全に融合する前にとある悪魔崇拝教団によって見つけ出され、人の……景文の体に降ろされたんだ」
だから、祖としては同じでも、景文の中の【憑依体】だけは彼らと融合しなかったんだろうね」
景文 「……そう言うことか」
亮司(GM) 「僕は元々、景文の【憑依体】としての力を封印するため、あるいは暴走した時の抑止力として、これが必要になると思っていてね。欧州じゅうを巡ってようやく探り当てたところだったんだ」
宇佐美 亮司くん、わざわざ探してくれたんだ……ごめん偶然拾ったのかと思ってしまった。
瀬那 先生……!
月華 イイハナシダナー……!
亮司(GM) 「……まさか、その同胞、それも複数体の思念が合体したような奴が出てくるとは予想してなかったけど。……或いは、先んじて覚醒した景文の中のそいつに感化されて出てきたのかも知れないね」
景文 「自分のことは、ひとまずいいんです」
亮司(GM) 「うん、そうだね。……要は、封じた欠片の代わりにこいつを持っていけば、交渉の場に立つことはできる」
景文 「……はい」
亮司(GM) 「……ただ、それでも奴らの元に辿り着いても、亮子を素直に返してくれるとは思えないし、何を仕掛けているかもわかったもんじゃない。……相当に危険を伴うことになるよ」
景文 「先生」
亮司(GM) 「……なんだい?」
景文 「"派遣業はそういうもの"なんでしょう? ……だから、僕らに任務を与えてください」
亮司(GM) 「……日本に送り返したのは正解だった。父さん。……今はここにいないけど、亮子。……それにみなさんも。……ありがとう。景文を、"人"にしてくれて」
GM そして、亮司は景文の肩に手を置き、言う。
亮司(GM) 「景文――亮子を、頼むよ」
景文 「……その仕事、NGSが承ります――!」
月華&瀬那 (無言で、しかし力強く頷く――)
宇佐美 「央葉さん」
亮平(GM) 「なんだね?」
宇佐美 「私の役割は血気に逸る若者を抑えつけて、央葉さんが態勢を整えるまでの間見張っていることかと思っていましたが――どうやら彼らはとっくに一人前だったみたいだ――いやはや。ついさっきまで彼らに助けてもらっていたというのに、僕は何を見ていたのか」
亮平(GM) 「引退してもいい。――そう思った気持ち、解るだろう?」
宇佐美 「歳は取りたくないですねえ」
GM ……と、言うわけで。やりたいことはやりきりましたっ!
瀬那 わくわくが止まらん!
景文 長々とすいませぬぅ……!
月華 問題あったら口挟んでるからノープロブレムだよ。
宇佐美 おじさん胸がいっぱいになっちゃったよ……!
GM 長引いてしまったが、ご満足いけたならよかった!
……さて、次回はこれまでに登場したNPC――合津、千夏ちゃん、神主こと玄田さん、若松さん、亮司、亮平、それにゲストPCの真機奈、血華、虎儿、宇佐美を加えた総勢10名の能力をリソースとして使いながら、指定の場所に『欠片』を届けて亮子を救い出す――そんなお話になります!
月華 わくわく!
景文 はぁい。
GM 1Rにつき2回まで、NPC能力が使える、みたいな感じになる予定だっ!
景文 他はともかく、合津まで混じってるとは。(笑)
宇佐美 合津くん、有能だからな!
GM 合津は旧リプレイのサブ並に使える一般人だからなあ。
◆サブ……人災派遣初のリプレイシリーズ「人災派遣のCCC」に登場したNPC。モブNPCとして登場したのに最終的に外伝小説の主役になり、ルルブのNPC紹介にもバッチリ乗るという人災派遣きってのシンデレラボーイだ。→詳しくはこちら!
GM 今回の経験点は10、報酬は44PPですね。これでランクアップするし、QoLも使えるかな? ……これが最後の成長になりますので、よーく考えて構築してきてくださいね!
一同 はーい!
◆◆◆ Intermission ◆◆◆
景文 あ、一つ確認したいんすが。
GM ほいほい?
景文 最初に退魔やらの技能指定あったのは『ラインの黄金』の話と絡める関係だったんですか?
GM え、いや全然想定してませんでした。(笑)
景文 なんやて……!?
GM 最初にぼんやり考えてたのがオカルト絡みのネタだったので、それだけですよ。(笑) 『ラインの黄金』の話は、瀬那が遺物使いだってのと、景文の設定から練り込んでった感じ。
景文 なるほど。
GM 当初はもっと学校絡みの仕事を多くするつもりだったんですが、月華が学生じゃないのと、月華は月華でやってみたい話ができたので、路線変更して泥縄的に作ってました。
景文 ふむふむ。
GM ただ、3話あたりで以降の話は基本的に決まってたかな。
景文 3話・4話で仕事の難易度が跳ね上がったのは確かですね。
GM 2話が瀬那ちゃん回だったから、3話は月華回、4話で景文回。5話でワンクッション置いて最終回の布石を置いて6話で完結、ってルートは3話のシナリオ書いてる段階でできてた感じ。
景文 なるほどなぁ。
GM まぁ、セッションしながら微調整してった感じですね。ゲストも毎回結構うまく馴染んでたし、ギミックも4話の暗号でヘタこいたのを除けば大概うまくいったし、GMしててキモチイイキャンペーンですよ。
景文 わぁい! 今後ともよろしくお願いしますー!