[New!]Replay3_4

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■SCENE.4 激情の火竜■

~Raising Salamander~

■ROUND8■

GM 8ラウンドめ。当然こちらは開幕【リミットブレイク】。

一同 ひぃぃぃぃぃ!?

GM イニシア上がるし。

万史 くそっ、このままじゃラチが開かねえ! こっちも【リミットブレイク】で……!

パリラッテ 待って待って! ダメだよ、万史のSP14しかない!

一同 なにぃぃぃぃぃっ!?

【リミットブレイク】の消費SPは13。つまり、【リミットブレイク】で先手をとれたとしても、万史は攻撃ができない! さらに言えば、このSPではいずれにしてもパリラッテに【治療】してもらわなければ全力で攻撃することはできないのだ!

虎元 ……仕方ない。イニシアチブの出目によっては拙僧が【完全獣化】を……!

一同 ごくり。

虎元 ……しません(笑)。

一同 ダメだったんかあああああっ!?

▶8Rめの行動順:零→慶→万史→パリラッテ→虎元

零 う、万史の方がパリラッテより早い……!

パリラッテ 悩ましい行動順だねえ。

万史 ……仕方ない、ここは【待機】で行動順を遅らせよう。

零 私は……【高速移動】して【パフォーマンス】? これで、ダメージを引き受けて倒れれば……。

GM ぶっぶー、それは無理ですー。零ちゃんの方がイニシアチブ値の方が高いから、メインフェイズが先に回ってきて、主/副動作が消化されてしまうのでーす。

零 がーん! そ、そんな落とし穴があるとは……! じゃあ、【エンジェル・ヴォイス】を使うしかありませんわ……。

虎元 露出は大丈夫なのか?

零 ダメに決まってますわ!(一同笑) これで3回目、4Dで露出判定……! 14だから、リタイヤはなさそうですわね……?

GM 【不運】でLP1失う。またはHP/SP/PPを15点支払う。

零 ほっ。LP1消費で耐えましたわ。

GM ほい、そんでもってこちら。……物凄く動きを考えてもらって悪いんだけど、まずは【治療】でSP回復(笑)。

零 あっ、さすがにSP切れおこしてますわ。

虎元 【ショックアブソーブ】が切れればなんとかダメージが通るか……?

GM それはこちらの【サンダーストーム】を耐えきってから言ってもらう! 異能制御は……今一つだが、【リミットブレイク】中だから34!

虎元 やむをえん、【完全獣化】で抵抗成功!

万史 【待機】してるから、この後回復飛ぶよな? だったらこっちも【リミットブレイク】で、抵抗成功!

パリラッテ ……こちらは大失敗。HP5点しかないよ。

虎元 なぬー!? ……ええい、とにかく【気魄】と【血のたぎり】でHPとSPを回復だ! SPは今イチだが、HPは58まで回復! これでパリさんを【かばう】だ!

パリラッテ ごめーん!

GM で、ダメージが……ぐむむ、今イチだなあ。1コだけクリティカルして……トータル44点+麻痺②。

万史 充分だよっ! 14点止めて、30点抜け。残り20。

虎元 44×2から……基本で20×2、【硬気功】で21、【聖なる盾】で14とめて、トータル9点抜け!

GM くっ、思ったより硬いな……!

虎元 さすがに今ので露出判定4D超えたがな……結果は「火消し」で、HPを10点消費だ。

GM (ここまでかな……)

これまで全力で攻撃&防御を続けてきた慶のSPも、いよいよここで底をついた。

もはや【フラッシュムーブ】すら使えなくなっていた慶は、虎元と万史の連続攻撃を防ぎきることはできなかった。

万史 「こいつで正気に……戻りやがれっ!」 ダメージ44+追加ダメージ13っ!

GM ……喰らいました。その一撃で、慶はとうとう膝を折り、ばたりと倒れます。

パリラッテ そのへんで浮き上がってたものがガラガラと落ちて来る、と。

GM で、倒れた慶君に舞ちゃんが駆け寄ります。

零 「待ちなさい、まだ危ないですわ!」

GM その制止を振り切って、「慶! 慶! 大丈夫!?」と抱き寄せます。

虎元 大丈夫……なのか?

GM 慶君は、「ね、姉さん……」と、声を絞り出します。

一同 ほっ……。

GM 「僕……中学入ってから何やってもうまくいかなくて……自分が情けなくて……焦ってて……」「いいのよ、いいの! ごめんね! ごめんね気づいてあげられなくて……!」

一同 (うんうん)

GM 「オレ……これからどうなっちゃうんだ……!?」と、慶君がむせび泣く……と。

一同 ……と?

GM どこからか声が聞こえてきます! 「なぁに、心配はいりませんよ慶君! キミはその素晴らしい力で、幾らでも未来を切り開くことができるじゃありませんか!」

一同 やっぱきやがったぁぁぁぁぁっ!

GM 振り返ると! そこには黒服2人を従えた「脳力開発セミナー」のあの男が立っています!

虎元 やっぱりかぁ!? 解ってたんだよ!

零 【解析】でファンブル振っただけでね(笑)。

虎元 そーなんだよっ!(一同爆笑)

GM セミナーで追及すれば分断戦闘になっていたのですが、そうはなりませんでしたね。……ま、ともあれ。彼は続けてのたまいますよ。「学力にしか目を向けない学校などやめてしまいなさい。キミの本当の価値を知っているのは私達だけなんですから! さあ! 私達とともに行きましょう! キミには薔薇色の未来が待っていますよ!」

万史 「慶、あいつがお前をこんなにしたのか?」

GM 「セミナーで授業を受けていたら、急に頭が痛くなって……!」「ふふふ、あのテキストには、人間の秘められた力を引き出すための"文言"が無数に隠してありましてね。暗示程度のものですが、人によっては才能を引き出すきっかけになる。我々も長年このテキストを使ってきましたが、ここまで効果がはっきりと出たのは慶君が初めてです! 慶君、キミは選ばれた人間なのですよ!」

パリラッテ ……えーと、こういうの「ならず者」って言っていいのかなー?

GM うーん、この時点ではグレーゾーンですかねえ。学習塾経営のついでに、テキスト効果で異能への適性が見られた子がいたらスカウティングしているだけなので。

零 無認可で能力開発やスカウティングをしているなら犯罪ですわよね?

GM え? ああ、まあ、そうなりますが。……無認可?

零 「あなた達の会社名、当ててあげましょうか?」

GM へ?(そんなの考えてませんけど)

パリラッテ とゆーか、零ちゃんは隣のエリアにいるよ(笑)。

零 そ、そこは誰かの通信機を借りて、スピーカーとかで! 「……"ドリームホープ"……そうでしょう?」

GM ……どっかで聞いた名前だな。

ぶっちゃけますと。

GM、この時点では黒幕とかなんにも考えていませんでした。上でも説明している通り、単に学習塾経営のついでに異能力者を見つけ出し、子飼いにしたり、他の派遣会社に売りつけることで利益を得ている独立経営の会社、ということにしよーかと思っておりました。

……おりましたのですが、零ちゃんが突きつけてきたルルブの1ページを見せられ、GM、大いに衝撃を受けました。

GM う、宇留間リューイ……ですと!?

零 「あなたの口ぶり、手配書の宇留間そっくりですわ! 本人……でなければその手下というとこでしょうっ!?」

GM な、な、な、なんだってえええええっ!?

宇留間リューイ……ルルブ92pに載っている公式NPC。無認可で派遣業務を営む裏業者で、悪魔的な話術で異能力者達を引き抜き、犯罪や劣悪な環境での仕事を強制している。依頼人への脅迫や情報のリークなど、業界のあらゆる仁義を公然と破り続ける「ならず者」にして「賞金首」の筆頭である。

この男の口癖が「キミには才能がある!」だったりするのだ。

GM ま、ま、ま、待って! ちょっと待って! そんなこと全然想定してなかった! え、ナニ? ウソ、マジ? この人宇留間の手下なの!?

虎元 いや、そーだったら面白いのう、とさっき相談しとったんだよ。

零 ナシならナシで、今のキャンセルってことで(笑)。

GM ……(熟考の末)………いえ、アリですね!(一同爆笑)

一同 拾ったぁぁぁぁぁぁっ!?

GM 「ほほう、我が社のことを知っていましたか。どうですか、あなた達も我が社に乗り換えては? 今よりも報酬の良い仕事をご紹介しますよ」

零 「報酬が良くても、待遇は最悪なんでしょ!?」

GM 「やれやれ、人聞きの悪い。……さあ、慶君! キミが本当に苦しんでいるとき、親身になって相談に乗ったのも、力を見出して開発してあげたのも我々じゃあないですか。一緒においでなさい」

虎元 「そいつはできねえ相談なあ。この坊主はこっちで保護することになっとるんでなあ」

GM では、慶君も「い、嫌だ! 僕は、こんなことを望んでたワケじゃない!」と拒絶。「……困りましたなぁ。キミには元手がかかっているんですがねえ。……ま、私達が用のあるのはキミの力だけ。いっそ人格など無い方が都合の良い駒になってくれるというもの」

パリラッテ "ならず者"の本性が出たな~!

万史 「ざけんじゃねえ! 行かせてたまるかよ!」

GM 「ほほほほほ。先程の戦闘でボロボロのキミ達が、我々に勝てるとでも思っているのですか?」

虎元 「なあに、貴様らを一ひねりするくらいの余力は残してあるわ!」

GM よろしい、ならば戦闘だ! 「"ドリームホープ"人材開発部主任、"脳喰らい(ブレイン・イーター)"の力、とくと味わいなさい!」

■ROUND9■

かくして、正体を現した"脳力開発セミナー"の三人組を相手に、連戦することとなったPC達。

演出上恰好良いコトを言ったものの、リソースはかなりぎりっぎりである。

▶9Rめの行動順:万史→零→パリラッテ→"脳喰らい"→護衛AB→虎元

GM ちなみに、「倉庫街の悪夢」の効果は続いています。現在の混雑度は3です。

一同 げげげげげ。

パリラッテ 人払いはしちゃったし、ここは【雨乞い】のしどきかな……。

虎元 4に上がってからの方が良いんじゃないか?

パリラッテ どっちにしても1回だからなー、悩むー。

GM ま、とりあえず準備動作よろしこ。

零 私はもう、【エンジェル・ヴォイス】をする余力がないし、壁になるために移動したいところですけど、【高速移動】すると【かばう】ができないから……ここは【待機】ですわ。

パリラッテ&万史 【後方支援】。

GM こちらは"脳喰らい"が【後方支援】。……で、メインフェイズ。万史からだね。

万史 "脳喰らい"に【フレイムブラスト】+【破砕】で……命中28!

GM ではちょっと演出。「ふっ、あなたの動きはすべて読んでいる! この私の【読心】でね!」

パリラッテ あっ、この人【テレパス】だ!

零 むむっ、ということは精神攻撃が飛んでくる……!?

GM ……でも28は出ない。「な、なにぃ!? 考えるよりも先に攻撃をしている、だと!?」と言って普通失敗(一同爆笑)。

一同 だっさーっ!

万史 ファミチキください! とでも頭ん中で唱えながら攻撃すっか(笑)。ダメージは34と出血8。

GM (計算して)【後方支援】してるので、まだまだって感じです。

万史 ……むぅ、SPが足りなくて【速攻】できないので、副動作では【治療】でSPを回復しとく。

パリラッテ 私は自分と虎元さんのHPを回復。

虎元 58点まで回復。これでもう2Rくらいは耐えられそうだ。

GM で、こっちだな。パリラッテに【マインドブラスト】! 制御値28!

パリラッテ 20で普通失敗。

GM では精神ダメージ20点。

パリラッテ 【後方支援】効くよね? だったら1抜けで済んだ!

GM げげっ、思ったより抜けないな。むう……二発目は虎元に。制御値は回って回って……37!

虎元 そいつは全然防げん! 完全失敗。

GM 19+追加ダメージ14。

虎元 【聖なる盾】を使って、24点抜け。残り38。

GM さらに、護衛の二人が虎元を攻撃!

虎元 ぐはっ、集中攻撃じゃないか!

GM このゲーム【かばう】が強力だからね。素直に壁役を殴るのが一番ダメージ効率が良いんだよ。

虎元 ぐぬぬぬぬ……!

この護衛の攻撃に対し、完全失敗してしまった虎元は、トータルで70点近いダメージを受けてしまう。【硬気功】と【聖なる盾】でダメージを軽減したものの、残りHPはなんと5点。その上……。

虎元 2回目の露出判定。……12で【不運】。

GM LP1を失うか、HP/SP/PPを合計15点失う。

虎元 LPはもう無い! HPを5から1まで減らして4点、PPを5点、SPを6点削って支払う!

パリラッテ えええええ、もうギリギリだ!

GM ……で、虎元の番。

虎元 「よくもやってくれたのう!」と、【なぎ払い】じゃあ! 命中は29!

GM "脳喰らい"が中失敗、護衛の方は普通失敗。

虎元 (ころころ)よぉーし、回って回って……!

零 虎元さん、【天衣無縫】使い時では?

虎元 ぐむっ? それを使うと露出が……いやまあ、いいか! やったれ!

……まさか、このときの判断が取り返しのつかない結果になるとは、この時点では誰も予想していなかったのです。

虎元 ……さらに回って回って59ダメージに、"脳喰らい"にはさらに4点!

GM ぎゃひー! それはかなり辛い! 一撃で全員半死半生になっちまった!

虎元 で、露出判定。……16。

パリラッテ 「大炎上」。HP/SP/PPを15点支払った上でさらに露出+5……。

虎元 げえええええっ!?

零 EP35超えてますわ……。

虎元 ま、ま、まて。とりあえずこれで拙僧は倒れる! HPは-最大値までは減らして良いんだよな?

GM う、うん。《昏倒》してもいいなら。で、HPが-最大値までいったところで《リタイヤ》。

虎元 で、露出判定4回目。……ぐぼあーっ!?

万史 な、なんだよその出目!?

虎元の振った5つのダイスは見事に4、5、6で高止まり。

合計24と、平均値を大きく上回ってしまった。

零 (顔面蒼白)「逃亡」……「あなたの正体は白日のもとにさらされた! 生活環境を変え、出直すほかない!」

パリラッテ ……「ほとぼりを冷ますため、即座に《リタイヤ》。次のセッションには参加できない。さらに報酬と経験点は1/2(端数切り捨て)しか獲得できない」

一同 ……………。

重苦しい空気。

GMもちょっとの間かける言葉が出なかった。

LPを使えば振りなおすことができるのだが、虎元は既にLP0。

一応、EPを3点増やしてLPの変わりに振りなおす、というルールを使って振りなおしてみるのだが、虎元はなんとここで再び「大炎上」を振って露出判定6Dに到達。6Dで27というこれまた高い出目を出したところで、虎元のPLはすべてを受け入れた。

虎元 ……あー。えー。うん。これはもう駄目だわ。《リタイヤ》するよ。

GM とうとう初めての《リタイヤ》を出してしまったか……厳しいバランスにはしてたけどねえ。

虎元 いやあ、こうダイスが高止まりするとどうにもならんわ。しばらくお勤めいってくるよー。みんな、達者でなあー。

一同 あーあ……。

遂に犠牲者を出してしまった凸凹チーム。

しかし、非情にもまだ戦闘は続いている。

さらなる犠牲者を出さないため、PCは最後の攻勢に出る!

■ROUND10■

パリラッテ さすがにここは早く動かないとやられそうなので、LPも使ってイニシア取りにいきます!

零&万史 同じく!

GM ……ま、それが正解だろうね。

▶10Rめの行動順:零→パリラッテ→万史→"脳喰らい"→護衛AB

零 まず、【エンジェル・ヴォイス】をして……その後"脳喰らい"に全力で【マインドブラスト】! これで私も露出判定4回目!

(虎元) へっへっへ、お前もこっちに来るのだあ~(笑)。

GM うわー、1セッションで《リタイヤ》2人出たら、バランス崩壊と言われても仕方がないなあ。

零 LP1あるから大丈夫です! ……と、信じて制御値38と言って論破! 「あなたのやってることは労働基準法に違反していますわ!」

GM 高いなあ、それは大失敗。

零 28点の精神ダメージと追加ダメージ7。

GM 結構喰らってるけどまだ生きてる!

零 で、5Dで露出判定……お願いっ!(ころころ)

パリラッテ あっ、1が多い! 1、1、3の……!

零 ……合計14は「不運」! HP9点とSP6点消費で両方とも残り1で生き残りましたわ~!(歓喜)

(虎元) ちぇー。

零 「ちぇー」じゃありませんっ!

パリラッテ 次は私が【雨乞い】して混雑度を2に下げて、その上で"脳喰らい"に【破壊光線】!

GM みーっと、撃たれて普通失敗。

パリラッテ 【エンジェル・ヴォイス】分も含めて合計7D……!

零 あ、さっきの【マインドブラスト】に【エンジェル・ヴォイス】分を足すのを忘れてましたわ。

GM (すっげえ厭そうに)え~?

零 (ころころ)7点足してもらっちゃダメ?

GM ……それで"脳喰らい"倒れるんだけどぉ!?(一同爆笑)

パリラッテ あれっ、じゃあ私のビームは追い打ち? みーっ(笑)。

GM あー、ちょっと巻き戻すので待ってね。……【マインドブラスト】で耳血噴き出した"脳喰らい"は、「こ、これ以上は被害が大きい! て、撤退だ!」と叫んで、黒服はその指示に従って"脳喰らい"を引きずって逃げ出そうとするのですが……。

一同 ですが?

GM 手番が遅いので仕留めようと思えば仕留めることができます。……どうしますか?(一同爆笑)

万史 もちろん、燃やすよ?(にこやかに)

パリラッテ 私のビーム、黒服に当たったことにしても良い?(笑)

GM ……はい、もう好きにしちゃってください。

みーっ。

ぼぼーっ。

あわれ"脳力開発"三人組はチリチリのアフロになって御用となったのでした。

Epilogue

GM ……そんなわけで、倉庫街ははちゃめちゃになってしまいましたが、慶君は無事保護でき、無認可で能力開発をしてた三人組も御用となりました。

零 虎元さんは大丈夫ですの?

GM まあ、三人組と一緒にとりあえずは御用かなあ。

パリラッテ 倉庫街の惨状も虎元さんのせいってことにされてたり。

万史 少年のために、虎元は貴い犠牲になったんだ……!(笑)

虎元 あー、まー、それでいいよ(笑)。じゃあ、現場に駆け付けた藤村君に、「すまん、藤村君。またやっちまったわ」

GM 「ここまで大騒ぎになってしまっては、下手に取り繕うよりは、少しほとぼりを冷ました方が良さそうですね……」と藤村君。まあ、実刑にはならないように手を回してくれるので、騒ぎが収まるまでは大人しくしててちょーだい、ってことで。

虎元 「いやー、いつもすまんねえ」

零 ……弁護は私が担当しますわ。

GM で。一方では倉庫街崩壊の真犯人であるところの慶君が、所在なさそうに立っているわけですが。「……僕、これからどうなっちゃうんですか?」

万史 「覚醒めちまったものはしょうがねえよ」

パリラッテ 「だねー、まずはCCCで力を制御できるように訓練を受けたらどうかな?」

GM 藤村君も「ええ、ここにいる万史君も、昔似たような経緯でウチに保護された過去があります。……あの頃は万史君もヤンチャでしたねえ」

万史 「ちょっ、藤村さん! 余計なこと言わないでいいから!」(笑)

GM 「倉庫街の件は、あまり気になさらないでください。異能力の暴走は、異能力者社会全体の問題ですから、ウチの方で処理しておきます」

一同 ほっ。

GM 「……ただ、やはりなんのペナルティもなし、というわけにはいきません。被害額の何%かは、慶君への負債という形にせざるを得ません。その返済のため、というのは少し卑怯かも知れませんが、慶君がCCCに所属し、訓練を受け、最終的には派遣社員として活動してくれるのであれば、弁済の期限や額をある程度緩和することができると思います」

零 ……まぁ、真っ当な提案、ですわね。

パリラッテ どっちにしろ、このままじゃまともに表の生活も送れないし、それが良いんじゃない?

万史 「どうする? 慶、それでいいか?」

GM 「解りました。……お願いします」と、慶君。

万史 ……ふぅ。今回は大分厳しかったけど、なんとか一件落着か。

GM おっと、まだ1シーン残ってるよ? 環境の変化に戸惑いつつも一歩を踏み出した慶の肩を、優しく抱く一人の少女……舞ちゃんが、万史の方を向いて何か言いたそうにしているッ!(笑)

一同 おおおおお!?

GM 「……判君って、いつもこんなことしてたんだね」

万史 「いやー、実はそーなんだよ」(一同爆笑)

一同 軽いなーっ!?

万史 「まぁ、またなんか困ったことがあったら依頼ヨロシク頼むわー」

GM そうやって軽い調子で流そうってワケか。……まぁ、良かろう。「こんなこと頼んでいいのか解らないけど……こっちにいるとき、慶のこと、気にかけてあげてくれないかな? もちろん、私もできるだけ力になるつもりだけど、こっちの世界のことはまるで解らないから……」

万史 「……おぅ。ま、そんなに心配すんな。オレもどーにかやっていけてるんだからよ」

GM 「うん」

万史 「お前も、慶の"力"の事、あんまり怖がらないで……理解してやってくれよな」

GM 「うん。……判君、今日はほんとに、色々ありがとう」

万史 「へっ、こんなの朝飯前って奴だぜ」

GM 「……でも、学校もちゃんと来なきゃダメだよ?」(笑)

万史 「わかったわかった。気が向いたらなー」

GM 「全然わかってないじゃない!」

一同 せーしゅんだのー(ほっこり)

そんなこんなで、無事とはいかなかったものの、今回もなんとか任務を成し遂げた凸凹チーム。

お話は確かに当初の予定通り万史メインで進んだのですが、終わってみれば虎元の《リタイヤ》ばかりが思い出されます。……いや、もちろん万史君のロールプレイも一所懸命でステキでしたよ!

"露出"と《リタイヤ》は、GMにとってもPLにとってもできるだけ避けたいものだが、厳しめのバランスにすると出るときゃー出ちゃうもの。

これもまた「人災派遣RPG」。……そんな思いでいっぱいになった秋の夕暮れなのでした。

The END

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