00-03.卒業試験に挑戦だ!!
※本リプレイは、「まほ★つく!!」冒頭に掲載されていたリプレイです。
本リプレイを通じ、「まほ★つく!!」の雰囲気を少しでも感じていただければ幸いです!
■0.プレイヤー、集う。
2017年6月某日。池袋某所のゲームスペースに5人の男女が集まった。
――そう、今日は本作、魔法創作TRPG『まほ★つく!!』のテストプレイ開催日なのだ!
GM:さて、本日プレイする『まほ★つく!!』は、『魔法学校の生徒になって卒業試験に挑む』っていう、比較的限定されたシチュエーションを遊ぶゲームとなっております。
プレイヤーA:魔法学校っていうといわゆる『ハ●ー・ポ●ター』的な?
GM:ええ、ああ、ハイ。もうぶっちゃけそれです(笑)。
プレイヤーB:開き直った!?
GM:いやもう取り繕っても仕方ないし。……まあでも、『ハ●ー』以前からファンタジーの学校ものは好きでしたし、いつか作りたいなーとは思っていたんですよ。ちょうど『リ●ルウィッチ・ア●デミア』も流行ったし、いい機会かなーと思って!
プレイヤー一同:ぶっちゃけるなぁ。
たまには流行りを追いかけてみたかったんです。
プレイヤーC:それで、どういうゲームなんですか?
GM:まあ、簡単にゲームの流れを説明すると、①キャラクターを作って、②4つの〈課題〉をクリアして〈魔素〉を手に入れ、③〈魔素〉を使って魔法を作り、④先生が講評するって感じです。
プレイヤーD:〈魔素〉って何です?
GM:この世界における万物の源で、まあ我々の世界でいう元素とか原子みたいなものですね。これは、トランプカードとして獲得し、さっき配った【魔素/単語対応表】ってシートと対照することで、魔法を作るときに使える単語が決定すると。
プレイヤーD:『地/動』とか書いてあるこれですね。
プレイヤーB:ははぁ。これで単語を組み合わせて魔法を作ると。いわゆる大喜利系のカードゲームみたいな感じか。
GM:そゆこと~。たとえば適当にめくって……『虹/色』、『口/丸』、『雨/流』なら……。
プレイヤーB:『口から虹色のゲ●を吐く魔法』かっ!(一同爆笑)
GM:ひどい発想だな!? ……『雨上がりに丸い虹を描く魔法』とか、そんな感じで! で、発表したら、キャラシーの下半分にある【採点表】を使って、他のPLとGMが試験官になって採点する、みたいな流れかな。
プレイヤーC:なるほど~。
■1.PC完成!
GM:ででで。早速PCを作ってもらうワケなんですが、今回は諸事情によりイラストが先に出来上がってます。……なので、イラストイメージにあったキャラクターを作成してくれると嬉しいな、と。
プレイヤーA:(GMがテーブルに広げたイラスト――紹介ページの漫画や、そのうち出て来るPC紹介を参照だ!――を見て)お~! これは可愛い!
プレイヤーB:この眼鏡! いかにも「僕の足を引っ張らないでくれたまえ」とか言いそうだ!
GM:いやあ、まさにそう言って発注したよ(笑)。
イラストの力って凄い。PLの食いつきが普段と全然違います(苦笑)。
GM:……えーと、この子達はそれぞれ、学校に4つある〈寮〉の典型的生徒をイメージしてます。
寮にはそれぞれ性格があります。〈ガルサレン〉はカタブツで優等生、〈セルメーヌ〉はインドアインテリ系、〈オルスター〉はフリーダムでトラブルメイカー、〈バルダート〉は奨学生や異種族が多いひねくれ系です。
……ま、今回はイラストがほぼ典型的な寮生イメージなんで、イラストの好みで選んじゃってください。
プレイヤーB:グリ●ィンドールとかスリ●リンとかのアレだな(笑)。
某魔法学校モノのヒットで、魔法学校と言えばイギリスのパブリックスクールってのが定番になっちゃいましたね。
プレイヤーD:じゃあ、人外スキーとして〈バルダート〉君を!
プレイヤーA:ならば私はお嬢様スキーとして〈ガルサレン〉を!
プレイヤーC:トラブルメイクしていいっていうから〈オルスター〉で!
プレイヤーB:みんな決める早いなっ!? じゃあ、僕はこのいかにもな眼鏡の〈セルメーヌ〉か(笑)。
GM:ほいほい。では続いて、各人自分の寮についての解説ページを軽く読んでもらいつつ、〈出自〉と〈学歴〉を選んでください。1Dを振って、出目で決めても構いません。
……で、ページの右上に書いてある〈基本能力値〉に、〈出自〉と〈学歴〉によるボーナスを足したらキャラデータは完成です。
プレイヤーC:とっても簡単!
プレイヤーB:今は簡単なのがトレンドだからな~。
GM:〈出自〉と〈学歴〉が決まれば、キャラの性格なんかもなんとなく見えてくると思うので、まずはそこを決めて、それから名前や性格を考えておいてちょーだい。
プレイヤー一同:おー!
そんなこんなでしばしキャラ作成タイム。説明疲れのGMはちょっと一息……。
「〈教育〉に〈挫折〉か……これまたいかにもって感じだな」「〈富裕〉で〈成功〉! ……あれ? なんか順風満帆?」「特許だ! 不労所得だ!」「『なんであいつみたいな落ちこぼれが成功してこの僕がー!』って関係だな、これは!」「ちな、【寮生間の典型的な感情】って表もあるよ」「もっと熱くなりたまえッ!」「苦労知らずのボンボンが!」「オルスターか……」「名前はどうしよう? カードを引いて、そこからイメージしてみよう。……って『悪/過』ってナニ!?」「じゃあ私も……『柔/弱』!? 全然イメージに合わない!」「ちなみに、日本系の名前でもいいんですか?」「まあ、周辺地域しか設定はしてないからね。辺境からの留学生って設定ならアリじゃないかな」「私の名前はイヤミです」「いやちょっとこれ収録してるからもちょっとホラ、あるだろ?」「じゃあマ●フォイで」「もっとまずいわ!?」「じゃあバツフォイで」「サンカクフォイ……!」「もちょっとひねろうぜ!?」「ズルフォイ……?」「ズルフォイぃッ!!!!! それだーッ!!!!!」「も、もうどうにでもしてくれ!」
……ツッコミに忙しくて全然一息つけなかったわ!?
GM:ハァハァ……。み、みんな〈出自〉〈学歴〉と名前は決まった?
プレイヤー一同:はーい。
GM:じゃあ、プレイヤーAさんから自己紹介してくれるかな?
プレイヤーA:「解りましたわ。わたくしの名前はクラエッタ=ラ=ヴァイス。由緒正しいヴァイス家の令嬢ですわ!」
GM:ああ、『悪/過』からヴァイス(悪意)ってわけね。いい感じ。
プレイヤーA→クラエッタ:そういうことですね。出自は〈自覚〉で学歴は〈努力〉でした。……で、幼い頃に決められた優秀な婚約者がいて、「あの方と肩を並べられる存在にならなければ!」と、学園に入学しましたの。年齢は18歳。
プレイヤーD:意識高い系だな~。
GM:この学校は小学校中学年~中学校くらいが対象年齢だから、18歳だとやや対象年齢から外れるね。
クラエッタ:あらそうですの?
GM:ま、中途入学とか休学とかしている人もいるので±5歳くらいの誤差は全然あるけどね(p30【はみ出しコラム 】参照)。
クラエッタ:……んー。じゃあ、敵対する貴族に命を狙われたり、紛争に巻き込まれたりで、何度か長期帰省して休学していたということにしましょう。
プレイヤーB:盛ってきたなあ(笑)。
クラエッタ:近隣の混乱をまとめる力を身に着けるのが目標ですわ!
GM:うーむ。英雄志願というか乱世の梟雄というか。ま、ある意味ガルサレンっぽくはあるね。
クラエッタ:ということで、よろしくお願いしますわ!
GM:じゃあ次。プレイヤーB君。
プレイヤーB:「ふっ、僕の名はマルコ=エルフォイだ。見ての通りのインテリさ」
GM:うーむ、まあギリギリセーフかな(笑)。
クラエッタ:略したらダメな奴ですわね(笑)。
プレイヤーB→マルコ:ガブリ=エルフォイとかマルコ=ドラフォイとかも候補にあったんだが。
GM:一番マシだな!?
プレイヤーC:かんが=えるフォイ(笑)。
マルコ:たたか=えるフォイ。なんでもイケるな!(一同爆笑)
GM:もう名前は解ったよっ!? どんな奴なのさ、マルコは。
マルコ:〈教育〉と〈挫折〉だったから、僕は教育熱心な家庭に生まれて、バリバリの英才教育を受け、この学校でも成績は常に学年トップを維持していた……ところが! 去年の卒業試験でまさかの落第! 初めての挫折を味わってしまったんだ! 「せ、先生! 僕の魔法のどこが悪かったんですか!?」
先生(GM):「マルコよ、もっと視野を広く持ちたまえ……」
マルコ:「なぜだ! エリートの僕がなぜこんなところでつまずかなければならないんだ……!」
プレイヤーD:うわ、それは完全に悪堕ちルートに行くやつ(笑)。
GM:ふーむ。名前はともかく、凹みからどう成長するのか楽しみって感じのキャラだね。名前はともかく。
マルコ:ちなみにあだ名はズルフォイだ!(一同笑)。
GM:いーかげんにしなさい!
GM:つ、次はプレイヤーCさん。お願いします。
プレイヤーC:うーん、ズルフォイの後だとインパクト薄くなっちゃうなあ(笑)。
マルコ:サーセン(笑)。
プレイヤーC:えーと、名前はパーシカ。出自が〈富裕〉だったので、余裕のあるおうちの末っ子に生まれて、愛とお金をたっぷりと注がれて育った甘やかされっ子です(笑)。
クラエッタ:勝ち組人生ですわね~。
プレイヤーC→パーシカ:しかも、学歴は〈成功〉なので、学生の間に研究か何かが認められて、特許を幾つか持っているので、将来も割と安泰です!
GM:なんつー順風満帆!
マルコ:僕と真逆じゃないか!? これは対抗心を燃やすな……! 「そんな行き当たりばったりで良いと思ってるのか!?」
パーシカ:「そんなに難しく考えても仕方がないよ~。気楽にいこ~?」
マルコ:くっ! かみ合わねぇ!?
プレイヤーD:……実際、それでうまくいってるからなぁ。
パーシカ:ダイスの結果だもん(笑)。「本当にやりたいことをやっていれば結果は後からついてくる、って先生も言ってたよ!」
一同:ぐわあああああ!?
ほんと、そうだったらいいんだけどねえ。
マルコ:ぼ、僕の存在理由が否定されたァ!?
プレイヤーD:天才は秀才に勝てねぇんだなあ。
GM:……アレだな、悪気ないのに心えぐってくるキャラだな!?
パーシカ:あはは。ま、まあ、そんな感じでのー天気な感じでいこーと思います!
GM:じゃあ最後はD君!
プレイヤーD:おう。……狼系の獣人で、名前はレリーブ。出自は〈不幸〉で、貧乏子沢山な家に生まれて、早々に家を追い出されて独り立ちをしなければならず、割と荒んだ子供時代を送ったんだ。
GM:ふむふむ。
プレイヤーD→レリーブ:貧民街で最底辺の暮らしをしていたんだが、偶然、魔法の才能を見出され、奨学生として学園に入学。一時は荒れていたこともあったが、良い先生に恵まれ、今では多少落ち着いた。以降は〈努力〉してそれなりの成績を修めている、って感じだな。
GM:なんかこう、これまでの濃い面子に比べてとってもまとも……!
レリーブ:多分、「試験さえ無事に終わればいい」って感じで一歩引いた態度であんまり馴れ合わない感じだと思うんだけど……ちょっと周りの面子が濃いからなあ。埋没しないか心配だ(笑)。
マルコ:ところで、この世界では獣人・亜人の類いはどんな扱いを受けているんだ?
GM:やっぱりちょっと立場は弱いだろうね。「獣人の癖に魔法なんか習いやがって! しかも成績も良いとか……」みたいなやっかみは結構受けてるかも。
マルコ:「ちッ、犬風情が!」(一同笑)
GM:全方位に喧嘩売ってるな! お前は!?
レリーブ:ま、その辺りは慣れてるし、気にしない。基本、自分の立場が弱いのは解ってるしな。
パーシカ:おっとな~。
レリーブ:あと、名前決めのカード『柔/弱』引いたから、耳とか尻尾の手触りが良い(笑)。けど、触られると嫌がるとかそんな感じで。
クラエッタ:「レリーブさんの尻尾はフカフカですわね~」
パーシカ:「モフモフだよ~」
レリーブ:「だー、触んじゃねーよ!」
GM:イラスト指定通りのツンデレ設定ありがとうございます(笑)。
……ってなワケで、本日はこの4名のPCで卒業試験に挑むことになります! どうぞよろしく~。
一同:よろしくお願いしまーす!
■2.さあ、出発だ!
GM:さてさて。みなさんはこの6年間、学園のある〈エメト島〉で生活をしていたわけですが、本日とうとう卒業試験の日がやってきました。みなさんをはじめ、試験に挑む魔法使いの卵達は、いったん講堂に集められます。
マルコ:絶対ブツブツなんか言ってる。「今度こそ、今度こそ僕の力を認めさせてやる……!」(笑)
レリーブ:追い詰められてんなあ。
パーシカ:「もっと気楽に行こうよ~」
クラエッタ:「エルフォイさん、気を張り詰め過ぎですわよ。それだから落第したんじゃありませんの?」
マルコ:「なんだと!?」……あ、ちなみに我々攻撃魔法は習ってるの?
GM:まあ一通り。でも、人に向けて撃ったらその場で落第か放校だね。
レリーブ:そりゃそうだ。
GM:少し前に集結した〈大戦〉の反省で、今は割と平和な時代なので、攻撃系の魔法の需要はやや低め、という設定です。
マルコ:く、くそ。それじゃ反撃できない。体育会系のクラエッタには体力では勝てないし……!
GM:魔法攻撃するつもりだったのかよ!?
クラエッタ:幾度も暗殺者を退けてきた、実戦経験も豊富な私に勝てまして? ちなみに、得意な魔法は筋力増強魔法ですわ!
レリーブ:その見た目で筋力推しなのか(笑)。
クラエッタ:ヴァイス家の家訓はルール無用……! 立ち塞がる敵は徹底的に叩き潰すのですわ!(笑)
GM:い、いやまあいいけど。あんまりイラストイメージを崩壊させないでくれよな!?
クラエッタ:善処しますわ。
マルコ:あとで靴の中に画鋲を仕込んでやる……!(笑)
GM:不安しかねえ!? ええい、とにかく、みんなはまず講堂に集められ、グランサス学長からありがた~い訓示をいただくのです!
……ぶっちゃけp1の【訓示】の文章がまさにって感じなので、ちょっと読み上げますね。
――早いもので、諸君がこの学園に入学してもう6年の月日が流れた。~(中略)~まことの魔法使いというものは、ただ魔法を多く知っている、上手に使えるというだけではいかん。魔法という大いなる力を何のために、どのように使うのか。端的に言えば意志と倫理が伴っていなければ、魔法はいずれ己に牙を向くじゃろう。
今日の卒業試験は、〈魔素〉を集めて魔法を自作してもらう、という内容じゃが、これは強力な魔法、便利な魔法を作ることが目的ではない。諸君らが作った魔法を通し、諸君が魔法に対しどのような意志と倫理を持っているかを確かめ、最後の指導をせんがために行う試験なのじゃ。
じゃから、いたずらに自分を飾ったりせず、自由な発想で、自らの思う最高の魔法を作ってほしい。諸君がどんな魔法を作り、そしてどんな未来を目指すのか、試験会場で見せてもらうでな――
パーシカ:「そっかぁ。意志と倫理か~」(マルコをちらり)
マルコ:「……おい、パーシカ。何か言いたいことでもあるのか?」
パーシカ:(ぶんぶん)「何でもない! 何でもないよ!」(笑)
GM:はいはい、まあそんな感じでみなさんを課題に送り出しましたよ、と。……で、これから実際にゲームをして課題に挑戦してもらうワケなんだけど、出発前にお互い何か言っておきたいことはあるかな?
マルコ:「君達、僕の足を引っ張らないでくれたまえ!」(一同笑)
パーシカ:「は~い。よっろしくね~」
マルコ:「くっ、金持ちで特許持ちのパーシカには絶対負けん……!」
GM:学長の話聞いてたか?(笑)
マルコ:「脳筋クラエッタにも犬のレリーブにも絶対負けん……!」
クラエッタ:「協力して当たらなければ、発表以前に課題にも通りませんわよ」……と言いつつ、増強魔法の練習ででっかい両手剣をぶんぶん振ってます(笑)。
マルコ:「オーガーでも一刀両断しそうな剣を振り回しながらこっちに来るなーっ!?」
レリーブ:……誰だよ、この組み合わせ決めたの。
GM:それはもう、組み分けならぬ組み合わせ帽子が(一同笑)。
一同:出たぁ~!?
マルコ:「スリ●リンは嫌だ、スリ●リンは嫌だ……!」
スリ●リンってちょっとディスられすぎですよね?
クラエッタ:「さあ、準備ができたら早く出発しましょう。午前中は先生のお話で終わってしまいましたしね。課題の一つ二つは午後の間に軽くクリアしてしまいましょう」
レリーブ:「……ふん。随分な自信じゃないか」
クラエッタ:「わたくし、先程の学長先生のお話に感銘を受けましたの。意志と倫理……すなわち筋りょ」
レリーブ:おいっ!?
GM:なんでも筋力に結び付けるのやめんか!(笑)
クラエッタ:もとい。「貴族の義務精神にも通じますからね!」
レリーブ:「ほー」 まあ、本音なら多少は認めてやってもいいかな。
GM:そんなこんなで〈魔素〉集めの課題に出発したPC達なのでした。
■3.最初の課題
GM:さて、ここからは課題パートです。島内にある〈魔素〉を集めやすいエリア――〈森〉〈洞窟〉〈遺跡〉〈学園〉の4箇所をめぐって、〈魔素〉を集めるのが目的です。
……あ、ちなみに、〈魔素〉っていうのは最初にも言ったように原子とか元素みたいなもので、本来どこにでもあるものです。
今回集めるのは、その中でも抽出しやすかったり、魔法として加工しやすかったりする奴、というイメージ。
なので、粒子だったり液体だったり、クリスタルだったりドラゴンの鱗だったりと、見た目は様々な感じです。オーラみたいに形のないものを自分の中に取り込めるってことにしても良いですよ。
まあ、要するに魔法っぽいビジュアルのモノは大体okってことです(暴論)。
一同:ふむふむ。
パーシカ:じゃあ、えっとー。……どこ行こっか?
マルコ:エリアによって何か違いはあるのか?
GM:それぞれ判定に必要な〈能力値〉が決まってる感じかな。〈森〉なら〈意志〉、〈洞窟〉なら〈制御〉、〈遺跡〉なら〈知識〉、〈学園〉なら〈感性〉って感じ。
マルコ:僕が得意なのは〈遺跡〉ってことか。
クラエッタ:各人一回は得意なエリアがあるから、どこから回っても同じと言えば同じですわね。
パーシカ:「じゃあ、この杖が倒れた方向で!」
GM:ああ、それぞれトランプのスートと対応してるから、トランプでランダムに決めてもいいですよ。
レリーブ:ん。まあゲームっぽいしそれでいいんじゃないか。
一同:おっけー。
GM:ほいほい。(別のセットからカードを4枚抜き出して)じゃあ、杖を倒したパーシカが引いてみて。
パーシカ:わかりましたわ。(めくりっ)♦です!
GM:♦は〈洞窟〉だね。続いて1Dを振ってみてちょ。
パーシカ:(ころころ) 。
GM:では、最初の試練はこれだっ!
GM:……あ、これ割と難しいヤツだ。
マルコ:なんだと!? 「くそっ、だから頭がパーシカなんかに任せるのは嫌だって言ったんだ!」(笑)
パーシカ:えー、そんなー!?
レリーブ:……えーと、これはどう見ればいいんだ?
GM:うむ。指定された〈必要能力値〉個のダイスを振って、〈目標〉に書いてある条件を、〈×~〉回満たすことができれば成功だ。
詳しくはp23.【第3章 卒業試験に出発だ!】を参照だ!
パーシカ:〈制御〉で同じ出目を3つ……って私〈制御〉2しかないから絶対成功しないんだけど!?
マルコ:……いや、これ5~6コ振れても結構難しいぞ。
クラエッタ:ちょっとGM、調整ミスじゃありませんの!?
GM:いや、〈幸運〉か〈魔素〉を消費すればダイスを振り足したり、出目を調整したりできるから、決して無理な数字じゃあないはず。
……とはいえ、これはLv1の中ではリソース使わないとまずクリアできないから、難しめではあるね。
クラエッタ:〈制御〉が得意なのはわたくしですわね。……とりあえず振ってみますわ。
■クラエッタの判定〈制御5〉:
▶[1][2][3][4][6]
クラエッタ:あらー!?
マルコ:よりによってゾロ目ゼロか!
クラエッタ:うーん。〈幸運〉1消費でクリアできるならアリかもと思いましたけど……現状だと難しいですわねえ。2消費なら確定ですけどちょっと割に合わない気も……?
一同:うーん……?
GM:ぶっちゃけ1~2回は失敗してもどうにかなるから、リスク大きいと思ったらスルーするのも手だね。序盤に諦めた方が失敗時のダメージも少なくて済むし。
レリーブ:……ここは、とりあえず手番を回してみようぜ。〈幸運〉1以内で成功できる奴がいたらクリアする、って感じでいいんじゃないか?
一同:だねー。
てなわけで他のPCのダイス目。
■マルコの判定〈制御5〉
▶[1][3][3][5][6]
■パーシカの判定〈制御2〉
▶[5][6]
■レリーブの判定〈制御3〉
▶[4][6][6]
マルコ:微妙に噛みあってない!?
レリーブ:こいつは厳しいな。
クラエッタ:目も当てられませんわ。
GM:……こりゃ失敗かな? コウモリ達に襲われ、君達は探索を諦めてほうほうの体で逃げ出しましたとさ。
一同:あ~あ。
なんということでしょう。見本的リプレイになるはずなのに、初っ端からクエスト失敗してしまいました(汗)。
GM:しかも、パーシカとレリーブはダメージの[1=0]を満たしちゃってるので、〈精神〉が1点減っちゃいますね。
パーシカ:えーっ、そんなー!? コウモリに噛まれちゃったよう。
レリーブ:「ちっ、油断した……!」
GM:で、目標達成できなかったから、全員さらに1点減ります。
パーシカ:残り3点!(泣)
精神はいわゆるHP。課題に失敗すると減っていって、0になるとそれ以上課題に挑戦できない、手に入れた魔素(カード)を没収など、キツ~いペナルティがある。
マルコ:「……くそっ! 酷い目にあった! だからパーシカの言うことなんてあてにならないんだ!」(笑)
パーシカ:ぐっすん。
レリーブ:「課題を甘く見てたな」
クラエッタ:「得意分野なのに成功できなかった私達にも責任はありますわ。……チームワークがなってませんでしたわねえ」
レリーブ:「まあ、気を取り直して、次に行こうぜ」
GM:あ、探索には失敗しましたが、みなさん、冒険を通して経験を積んだってことで、ここで〈成長〉をすることができますよ。
一同:おっ?
GM:ダイスを2回振って、いずれか一つを選びます。選んだダイス目に対応した能力値が上昇するよ。
マルコ:ほほ~。
レリーブ:じゃあ俺は……(ころころ) と だから〈制御〉か〈精神〉か。
GM:最後の課題はどこ行っても〈任意の能力値〉なので、得意な能力値を上げるのが良いですね。
レリーブ:〈制御〉はあんまり高くないし、もう〈制御〉がいるイベントは終わったしな(笑)。〈精神〉にしとくか。
GM:そんな感じで、他のみんなも成長処理をお願いしまーす。
一同:お~。
■クラエッタの成長とダメージ:
▶〈魔素〉1→1 〈幸運〉2→3
▶〈精神〉6→5
■マルコの成長とダメージ:
▶〈魔素〉1→1 〈制御〉5→6
▶〈精神〉4→3
■パーシカの成長とダメージ:
▶〈魔素〉1→1 〈制御〉2→3
▶〈精神〉5→3
■レリーブの成長とダメージ:
▶〈魔素〉1→1 〈精神〉6→7
ダメージ▶〈精神〉7→5
マルコ:うーむ。〈知識〉と〈制御〉が並んでしまった。
パーシカ:こっちはゾロ目で〈制御〉しか選べなかったよ。1番低いのに! なんだかもう踏んだり蹴ったり!
GM:まあ、そういこともありますよ。苦い経験を糧として、君達は、次の課題へと出発するのでした。
Click to next!→