7.そして未来へ

"剛剣"ロムからスタッフへ

GM:……さて、イベントを全部クリアしたので、まずはケロペッコの経営を軌道に載せることはできたのですが。

コクリ:いぇーい!

GM:最後に、客を代表して、因縁の相手、ロムから忌憚のない講評がありますので、一応聞いてね!

クロード:それがありましたね。さて、どんな評価になるのやら。

アクィラ:どきどき!

GM:〈講評〉の仕方ですが……まずは各PCについて、一番獲得した「評価」が多かった項目をもとにして講評を行います。

一同:ふむふむ。

GM:……では例によって店長からいきますね。

クロード:了解です。

ロム(GM):「いやはや、まったく〈オミゴト〉な仕事ぶりだったよ。良い仕事に人もモンスターも関係ねぇが、この短期間でよくこれだけの店をたてられたもんだ。今のあンたにゃ、 "死の支配者"より"敏腕店長"の方が似合ってるぜ!」

クロード:「……ククク、当然だ。我の仕事は完璧だからな」

アクィラ:……最初の客を泣かしまくってたけどね?(笑)

GM:つぎ、モクリとコクリ!

コクリ:はーい!ドキドキ……!

ロム(GM):「ビビらせて悪かったな! チビちゃん、それにでっかいの!」

アクィラ:きっとモクリの方が怯えてるんだ。

モクリ(ムニエル):「む~」(ぷるぷる)

ロム(GM):「迷子もすっかり懐いてよ、すっかり〈イヤサレ〉ちまったわ! でもまあ、あんまり居心地よすぎると長居する奴が出るから気をつけろよな!」

アクィラ:そーいえば、キッズスペースで長居してる子が(笑)。

クロード:それは良いな。(笑)

コクリ:「モクリはじゅんばんに あそびましょう」みたいな貼り紙が……!

モクリ(GM):「む~♪」嬉しそうなかお~♪

GM:さて、続いてムニエル!

ムニエル:うむ。

ロム(GM):「いやはや、あんたの料理には参ったよ。場末の料理店にゃ〈スマート〉過ぎるぜ!」

ムニエル:「光栄だな」

ロム(GM):「……だが、少々完璧過ぎだ。田舎の客層にも合ってねえし、安すぎる。美味すぎる料理にはちゃんと金をとらねえと、やっかみのもとだぞ」

アクィラ:あ、それ大事。他のお店も困っちゃう。

ムニエル:「なるほど、確かに。……ビジネスには疎くてな」

ロム(GM):「あんた自身の腕も安売りすることになる。気を付けるんだな」

アクィラ:すごい的を射てる!

ムニエル:「うーむ、完璧を常に求められていたから、日常になってしまっていたな」

クロード:職業病だな。

コクリ:適正価格を設定しましょう!

GM:最後、アクィラ。

ロム(GM):「圧倒的に〈ゴージャス〉だな」

アクィラ:「そうでしょうとも」

ロム(GM):「……ぶっちゃけ悪目立ちしてるな!」

アクィラ:「そうでしょうと……はあ!?

ロム(GM):「こんな場末でこんな〈ゴージャス〉な芸、場違いにもほどがある!」

アクィラ:「え……え……?」

クロード:ここにきてまさかの辛口!(笑)

ムニエル:「むぅ、アクィラの芸はお口に合わなかったか」

アクィラ:「わ、私の魅力が……わからなかったのならわからなかったと……」 涙目! 孵ってから初めて自信が揺らいでるわ!

コクリ::孵ってから。(笑)

クロード:孵った直後から自信満々だったのか。(笑)

ロム(GM):「誤解するな、確かにあんたの芸は素晴らしい。……が、料理長にも言ったが客層に合ってねえ! 芸も料理も高級過ぎる。宮廷料理や、一流の舞台でも通用するだろう」

コクリ:「すごく……褒められてるな?」

ロム(GM):「もっと上を目指すか、客層にあったサービスをしていった方がいいぜ!」

アクィラ:「どうしろって言うのよ!? 私、人に合わせて美しさを控えることなんてできないわ!」

コクリ:「うーむ、その辺はもうちょいリサーチした方が良さそうだなあ」

GM:……えー、最初に言った通り、講評は担当NPCとの相性だからね。評価が厳しくなることもありますが、運ゲーだし、フレーバーなので辛い評価でもあまり気にしないでね。

アクィラ:でもPCは気にしてるわ!「……常に美しくなり続けるわ! 明日はもっとすごいんだから!」

GM:最後に全体評価。……まぁ、既に店全体の評価もついでにしちゃったような気がしますが。

ロム(GM):〈オミゴト〉な仕事ぶりと〈スマート〉なサービス……場末の料理店としちゃ破格過ぎる! ……だが、いけねえ! 生まれついての田舎者のオレにゃあ少々場違いだぜ! 退散退散!」……というわけで、全体評価は70点

コクリ:えーっ!? 低い! 「味のわからんやつだなー!」

クロード:「ククク、褒めても瘴気しか出ないぞ……」

ムニエル:リラックスできる雰囲気作りが課題ですかな……?

アクィラ:彼のような粗暴な人間も楽しめるお店にしないと!

コクリ:次のミーティングの議題はカジュアルさの向上だな!

アクィラ:ちょっと全体的に高級路線過ぎたわね。

クロード:かと言って、いきなり街の近くに出店するわけにもいかぬしな……。

一同:ふーむ? どうしたものか?

魔王の提案

GM:……ここで終わるのもなんだか半端ですし、ちょっと魔王様への報告シーンを挟んでみましょうか。

クロード:了解です。「ククク……。魔王様、経営はまずまず順調ですが、"剛剣"ロムめはかようなことを言っておりました」

魔王ギルモア(GM):「ふーむ。"剛剣"ロムか。なかなか穿った見方をするな」

アクィラ:魔王様だ!

クロード:「……如何しましょう?」

魔王ギルモア(GM):「なるほど、確かに現状では少々客層とのズレがあるようだな。しかし……」

コクリ:「何か作戦があるんですか、魔王様!」とか報告のついでにお伺いしたりする!

魔王ギルモア(GM):「……だが、無理に客に合わせてお前たちの長所を殺してしまうのも避けたいところだな」

アクィラ:「さっすが魔王様! いいこと言うじゃない!」

クロード:「御意に御座います」

魔王ギルモア(GM):「……うむ、しかし物は考えよう。要は発想の転換だ。店を客に合わせるのではなく、客を店に合わせることを考えるのだ」

クロード:「客を店に……?」

魔王ギルモア(GM):「解らぬか? 店に合った客がいなければ、店に合う客を呼び込む仕掛けを作れば良いのだ」

コクリ:「ど、どーゆーことですか、魔王様!?」

魔王ギルモア(GM):「つまり、だ。料理だけではなく、劇場やホテル、土産物屋など来る理由を増やしてやればよいのだ!

ムニエル:り、リゾート地開発だァーっ!?

アクィラ:おおおおおおお!?

コクリ:なるほどーーーっ!

魔王ギルモア(GM):「交通の整備や都での宣伝活動も並行して進めるのだ!」

ムニエル:船便を増やそう!

アクィラ:出島だ! モンスターとニンゲンが仲良く暮らせるかの試験地だぁ!

コクリ:アクィラ様を称えるエリアとか作ろうぜ!(笑)

ムニエル:アクィラがシャンシャン持って階段降りてくる劇場か……!(笑)

アクィラ:夜はパレードよ! アトラクションも作るのよ! モクリのざぶーんとかコクリとかくれんぼとか! 夢が広がるーっ!

ムニエル:「なれば、テイクアウトできるメニューや、バカンスの共となるカクテルなども考えなければならないな」

コクリ:「土産物の生産や宣伝も打っていかないと! ……忙しくなってきた!」

クロード:「これは大掛かりな計画ですな、魔王様……!」

魔王ギルモア(GM):「ふはははは! クロードよ、貴様の店が軌道に乗ったことで、新たな未来が見えてきたぞ! このまま計画を続行せい! 食堂経営と言わず、モンスターリゾート経営を軌道に乗せてみせよ!」

クロード:「……この可能性も最初からお考えだったのですか。貴方が考えることははるか未来を見据えていらっしゃったのですな……」

GM:無論アドリブだ!

一同:アドリブかいっ!?

GM:こんな夢のある終わりになるとは思わなかったよ。これだからTRPGって面白い。(笑)

そして未来へ!

GM:ではホントに最後の最後。各自今回の仕事を終えての感想や今後の抱負、店のメンバーに一言挨拶して終わりとしましょう! ……逆順でアクィラから!

アクィラ:はーい! 「今回上手くいったのは……悔しいけれど私だけの力じゃないのよね。力になったり、助けてもらえたりって。ううん……今のなし」

GM:ロムはああ言ったが、アクィラは型に嵌めたらダメなタイプだよね。(笑)

コクリ:自由にやってもらってなんぼですね!

アクィラ:「ともかく! このままで満足なんかしないわ! あのシツレイなニンゲンに言われたからってわけじゃあないけど! もっともっと自分に磨きをかけて、全ての存在に私という美を享受させてやりたいわ! そしてお店のためになったらなあって……」ぽそぽそ。「い、以上よ!」

GM:で、デレたーっ!?(一同笑)

コクリ:アクィラ様がデレたーっ! かわいいっ!

アクィラ:私は終わり! 次の方どうぞ!

ムニエル:では私。「さて、料理番としてひとまずはやれたか。店長の知見や、モクリコクリのフットワーク、アクィラの演芸。それらが集まり、絶品のオードブルとなっている」

GM:圧倒的ダンディ……!

ムニエル:「まだまだ未熟だが、極めてゆこうじゃないか。和平のためと、我々の楽しみのためにな」

アクィラ:これ嫌味じゃなく言ってるんだもんなあ。

コクリ:完璧な人なのに……!

アクィラ:ジャンクフードも極める料理長!

クロード:最初から最後までダンディでしたな。

ムニエル:いや、楽しませていただきました! 私は以上です!

GM:ではコクリ!

コクリ::「最初はどうなる事かと思ったが……レストランってのもなかなか楽しいな! ムニエル料理長のメシはうまいし、仕事も慣れりゃあそんなに悪くねえな。今後の目標はUKR(ウミベノ・ケロペッコ・リゾート)を軌道に乗せることだな! 100年後、1000年後にも名前の残る伝説のレストランにしてやるぜ!」

クロード:1000年とは大きく出たなあ。(笑)

コクリ:「む~、む~」モクリもやる気!

GM:コクリもモクリもマスコットとして完璧なんだよなぁ。

アクィラ:一番の良識派!

ムニエル:よっ!イヤサレ枠!

コクリ::やったぜ! ありがとうございます! 思いつきで海坊主にして良かった! 最後に用心棒らしいこともできて良かったです! ……じゃあ、トリは店長、お願いします!

クロード:「ククク……。まずは皆ご苦労だった。皆の働きのお陰でこの店の経営を無事軌道に乗せることが出来た。魔王様に代わって感謝しよう……」

一同:いぇーい!

クロード:「これから軌道に乗せ続けるのは考えるよりはるかに困難な事だろう……。だが、我は信じている。皆とならやれるということを……。魔王様の言う通り我々も変われるのだ、それを人にも見せてやろうではないか……!」

GM:店長はアレだな、最初ホラー系トンチキキャラだったのに最後に全部もってったなぁ。(笑)

コクリ::最後はシリアスしてましたね……!

ムニエル:回想持ち出すのは強いですよね。

クロード:「もてモン!!2 リゾート編」で続きができるのを楽しみにしています。(笑)

GM:おいっ!? 1もまだ制作中だよっ!? ……てゆーかそれ面白そうじゃねーかっ!? 追い込み時期なのに惑わせないでっ!?(一同爆笑)

――かくして。

海上レストラン『ケロペッコ』は順調なスタートをきった。

この店を起点に一大レジャーランドができたのかどうか。モンスターと人間の融和の道は開けたのか。

色々話題は尽きないけれど――。

――それはまた、別のお話。

~END~

海上レストラン『ケロペッコ』の物語、如何でしたか?

「もてモン!!」ルールブックを読み進めれば、

誰でもこんな素敵なお店を経営する物語を楽しむことができるのです!

リプレイには登場しなかったイベントやキャラクターも盛りだくさん!

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「もてモン!!~もてなせ! モンスターズ!!~」

2019年夏、発売です!!

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