ISO 19168-2:2022 Geospatial API for features — Part 2: Coordinate Reference Systems by Reference
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対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19168:-2:ed-1:v1:en
OGC API標準は、Web APIを空間的に一貫した方法で実現するためのモジュール形式のAPI構成要素 (building block) を定義している。API構成要素の定義には、OpenAPI仕様が使用される。
OGC API標準ファミリーは、資源のタイプ別に編成されている。本規格は、地物と対話するための基本的なAPI構成要素を拡張する。空間データコミュニティでは、現実世界における関心のある対象物を指すために「地物」という用語を使用している。
「地物」という用語に馴染みのない方は、W3C/OGCのWeb空間データに関するベストプラクティス文書[6]の「空間上のもの、地物、幾何」に詳しい説明が見られるので参照してほしい。
「OGC API 地物」は、Web 上で地物を作成、変更、及び問い合わせ(query)するための API 構成要素を提示する。「OGC API 地物」は複数の部で構成されており、それぞれが独立した標準になっている。この規格は、「OGC API - 地物 - 第1部: コア」 (ISO 19168-1) で規定されているコア機能を拡張し、コアで定義されているデフォルト以外の座標参照系識別子を使用できるようにする。
デフォルトでは、この規格を実装するすべてのAPIは、単一のデータ集合へのアクセスを可能にする。「OGC API - 地物」は、完全なデータ集合としてデータを共有するのではなく、地物(オブジェクト)レベルでデータへの直接的かつきめ細かなアクセス手段を提供する。
この規格で規定するAPI構成要素は、Webのアーキテクチャと整合している。特に、API設計はIETF HTTP/HTTPS RFC、W3C Data on the Webベストプラクティス、W3C/OGC Spatial Data on the Webベストプラクティス、そして新たに策定されたOGC Web APIガイドラインに準拠する。具体的な例としては、DCATで定義されschema.orgで使用されているデータ集合及びデータ集合配信の概念が挙げられる。
備考1) "schema.org"は、Webサイト上の情報を、検索エンジンが理解しやすいように記述するための「語彙体系(vocabulary)」であり、Webページの内容を構造化データとしてマーク付けする際の仕様を提供している。その詳細については"https://schema.org/"を参照のこと。
OGC APIファミリーの標準のサブセットは、ISOによって公開される予定である。例えば、この規格はISOによってISO 19168-2として公開されている。OGC API標準のサブセットのみがISOによって公開されることを反映し、ISO標準規格の名称に組織名が使用されることを避けるため、「OGC API」シリーズの標準はISOによって「地理空間 API」として公開される。つまり、この規格のOGCにおける名称は「OGC API — 地物 — 第2部:参照情報による座標参照系」、ISOにおける名称は「地理情報 — 地物のための地理空間API — 第2部:参照情報による座標参照系」である。
簡潔にするため、この規格では一貫して以下の用語を使用する。
— 「OGC API」は、ISOで「地理空間API」として公開されている地理空間Web APIの標準群を指す。
— 「OGC API - 地物」は、ISOでISO 19168 /「地理情報 - 地物のための地理空間API」として公開されている地物に関する、複数の部からなる規格群を指す。
— 「OGC API - 地物 - 第1部:コア」は、ISOでISO 19168-1 /「地理情報 - 地物のための地理空間API - 第1部:コア」として公開されている規格を指す。
この規格は、利用可能となる座標参照系 (CRS) のリストの 一つを使用して、応答ドキュメント内の、幾何を値とする特性を提示する機能を利用可能にするサーバーの動作を定義する規格である、「地物のための地理空間 API - 第1部: コア」の拡張を示す。
利用可能になる各CRSは、統一資源識別子(URI)を使用した参照によって指定される。
この規格では、以下の事項を規定する。
— 提供される各地物コレクションについて、サーバーが、利用可能になるCRS識別子のリストを告知する方法。
— 利用可能になるCRSのいずれかで、幾何を値とする地物特性の座標にアクセスする方法。
— 利用可能になるCRSのいずれかで指定された境界ボックスを使用して、サーバーから地物にアクセスする方法。
— 地物資源の表示に使用するCRSをサーバーが宣言する方法。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19168-1:2020, Geographic information — Geospatial API for features — Part 1: Core
この規格の目的に応じて、次の用語及び定義が適用される。
ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
注:用語「地物」(3.4)、「地物コレクション」(3.5)及び頭字語「CRS」(3.2)は、ここではISO 19168-1から複製されている。
3.1
coordinate
座標
点の位置を指し示す数の列のうちの一つ
注記1:空間座標参照系では、座標を示す数は単位によって修飾される。
[ISO 19111:2019 3.1.5を引用]
3.2
coordinate reference system
CRS
座標参照系
原子によってオブジェクトに関連付けられた座標系
注記1:測地及び鉛直原子は基準フレームとして関連付けられる。
注記2:測地及び鉛直基準フレームにおいては、オブジェクトとは地球のことである。惑星への適用については、測地及び鉛直基準フレームは他の天体にも適用することができる。
3.3
coordinate system
座標系
点にどのように座標(3.1)を割り当てるかを規定する数学的規則の集合
[ISO 19111:2019 3.1.11を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.10を引用]
3.4
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
注記1:W3C/OGCのWeb空間データベストプラクティス(参考文献[7])「空間上のもの、地物、幾何に関する説明」には、より詳しい情報が記載されている。
[ISO 19101-1:2014 4.1.11を参照 - 注記1を追加した。][翻訳はJIS X 7109:2009 4.9を参照]
備考1)参考文献[7]とは
"Open Geospatial Consortium (OGC) / World Wide Web Consortium (W3C): Spatial Data on the Web Best Practices [online]. Edited by J. Tandy, L. van den Brink, P. Barnaghi. 2017 [viewed 2020-03-16]. https://www.w3.org/TR/sdw-bp/"
地物という用語についてわかりやすい解説がある。
3.5
feature collection
collection
地物コレクション
コレクション
データ集合から得られる地物(3.4)の集まり
[ISO 19168-1 3.1.1を引用]
3.6
spatial feature collection
spatial collection
空間地物コレクション
空間コレクション
値が幾何になる特性を持つ一つ以上の地物(3.4)を含む地物コレクション(3.5)
参考文献
[1] OpenAPI Initiative (OAI). OpenAPI Specification 3.0 [online]. 2020 [viewed 2020-03-16]. The latest patch version at the time of publication of this standard was 3.0.3, available at https://spec.openapis.org/oas/v3.0.3
[2] Open Geospatial Consortium (OGC). OGC 08-038r7: Revision to Axis Order Policy and Recommendations [online]. Edited byReed C., 2017 [viewed 2020-05-24]. Available at https://portal.opengeospatial.org/files/?artifact_id=76024
[3] Open Geospatial Consortium (OGC). OGC 10-100r3: Geography Markup Language (GML) Simple Features Profile [online]. Edited byvan den Brink L., Portele C., Vretanos P., 2012 [viewed 2020-03-16]. Available at http://portal.opengeospatial.org/files/?artifact_id=42729
[4] Internet Engineering Task Force (IETF), RFC 7946: The GeoJSON Format [online]. Edited by H. Butler, M. Daly, A. Doyle, S. Gillies, S. Hagen, T. Schaub. 2016 [viewed 2020-03-16]. Available at https://tools.ietf.org/rfc/rfc7946.txt
[5] WHATWG, HTML, Living Standard [online, viewed 2020-03-16]. Available at https://html.spec.whatwg.org/
[6] W3C, Open Geospatial Consortium (OGC). Spatial Data on the Web Best Practices [online]. Edited by J. Tandy, L. van den Brink, P. Barnaghi. Available at https://www.w3.org/TR/sdw-bp
[7] ISO 19111:2019, Geographic information — Referencing by coordinates
[8] ISO 19111:2007, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
(2025-09-20)