ISO 19112:2019 Geographic information/Geomatics — Spatial referencing by geographic identifiers
現行
履歴
ISO 19112:2003 withdrawn
対応OGC標準: なし
対応JIS規格:JIS X 7112:2006 地理情報−地理識別子による空間参照
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19112:ed-2:v1:en
地理情報には、データ又はテキストで表される情報を地理空間内の位置に関連付ける空間参照が含まれる。
空間参照は、次の二つのカテゴリに分類される。
a) 座標を使用するもの。
b) 地理識別子を使用するもの。
この規格では、地理識別子による空間参照のみを扱う。この種の空間参照は「間接参照」と呼ばれることもある。座標による空間参照は ISO 19111の主題である。
地理識別子を使用する空間参照系は、明示的に座標ではなく、一つの又は複数の地物によって定義される位置との関係に基づく。位置と地物の関係は次のようになる。
— 包含。位置が地物の中、例えば「国内」に制限されること。
— 局所的測定。地物内の固定点または複数の点を基準として位置が定義される。例えば、別の道路との交差点から道路に沿った所定の距離にあるとすること。この側面は、線形参照として知られるISO 19148 の主題である。
— 緩やかな関係。例えば、建物との隣接関係や二つの建物の間など、位置と地物があいまいな関係にある場合。
この規格の目的は、地理識別子を使用して空間参照系を定義及び記述する方法を示すことである。これは、参照地物の定義と記録のみをカバーするものであり、その地物に対応する位置との関係は考慮していない。
地理識別子を使用する空間参照系は、Location クラスのさまざまな下位型の集まりであるが、地名辞典は (一つ以上の Locationの下位型の) Locationインスタンスの集まりである。
地理識別子を使用する空間参照系の一般的な形式は住所指定であるが、これは ISO 19160-1 の主題である。
この規格では、地理識別子に基づいた空間参照の概念スキーマを定義する。地理識別子を使用して空間参照の一般的なモデルを確立し、空間参照系のコンポーネントを定義する。 また、地名辞典の概念スキームも示す。
座標による空間参照は ISO 19111 で取り上げられている。ただし、この規格には相補的な座標参照を記録する仕組みが含まれている。
この規格は、データの作成者が地理識別子を使用して空間参照系を定義できるようにするとともに、ユーザがデータ集合で使用される空間参照を理解するのに資する。これにより、地名辞典が首尾一貫した方法で作成できるようになり、地理情報の分野における他の標準の開発が支援される。
この規格はデジタル地理データに適用でき、その原則は地図、海図、テキスト文書など、他の形式の地理データに拡張できる。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19107:2003, Geographic information — Spatial schema
ISO 19111:2007, Geographic information — Spatial referencing by coordinates
ISO 19115-1:2014, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
ISO 19135-1:2015, Geographic information — Procedures for item registration — Part 1: Fundamentals
3.1 用語及び定義
この規格では、次に示す用語と定義が適用される。ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1.1
gazetteer
地名辞典
位置に関する情報を含む、一つ以上の、場所の下位型の場所インスタンスのレジスター
注記1:位置の情報は座標である必要はなく、記述的なものでもよい。
3.1.2
geographic identifier
地理識別子
場所の識別のための、ラベル又はコードの形式による空間参照
例:"日本"はラベル(国名)の例である。"102-0083"はコード(郵便番号)の例である。
3.1.3
location
場所、所在地
特定のところ又は位置
注記1:場所は地理的なところを識別する。
例:マドリッド、カリフォルニア
3.1.4
spatial reference
空間参照
実世界における位置の記述
注記1:これは、ラベル、コード又は座標組の形態をとってもよい。
[ISO 19111:2007 4.43を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.43を引用]
3.2 概念スキーマの記号表現
この規格で使用されているいくつかのモデル要素は、他の国際規格の中で示されたパッケージで定義されている。これらを表1に示す。
表1—他の国際規格の中で定義されたパッケージ
接頭辞 パッケージ 国際規格
EX Extent ISO 19115-1
CI Citation ISO 19115-1
CRS Coordinate Reference System ISO 19111
GM Geometry ISO 19107
MD Metadata ISO 19115-1
RE Register ISO 19135-1
[1] ISO 3166-1, Codes for the representation of names of countries and their subdivisions — Part 1: Country codes
[2] ISO 19148, Geographic information — Linear referencing
[3] ISO 19160-1:2015, Addressing — Part 1: Conceptual model
(2024-11-07)