ISO 19135-1:2015 Geographic information/Geomatics — Procedures for item registration — Part 1: Fundamentals
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19135:-1:ed-1:v1:en
ISO 19135 のこの部では、地理情報項目の登録手順を規定している。ISO/IEC JTC 1では、登録とは、関係者が利用できるようにオブジェクトに明確な名前を割り当てること、と定義している。登録できる地理情報項目は、ISO/TC 211などによって開発された技術規格で仕様化されたオブジェクトクラスのメンバーである。
注記 この国際規格では、登録の定義が変更され、登録は地理情報の項目に名前ではなく言語的に独立した識別子を割り当てることである、としている。
地理情報項目の登録は、地理情報コミュニティに、次に示すような利点をもたらす。
登録は、
a)登録された項目がISO国際規格に準拠しているという事実を国際的に認知させ、潜在的なユーザーに公開することで、登録された項目のより広範な使用を可能にする。
b) それにより、国際規格の拡張必要性を即座に認識して定期的な維持管理周期の中で、その国際規格を更新するための情報源が提供される。
c) 異なる規格で規定されている項目に関する情報にアクセスするための単一のメカニズムを提供することができる。
d) 時間的変化を管理するための仕組みを提供する。
注記 規格又はレジスターの中で仕様化されている項目は、技術の変化又はその他の理由により、時間の経過とともに変更される可能性がある。公開されている規格では、どのような変更があったかが明確に文書化されておらず、仕様化された項目の以前のバージョンに関する情報も含まれていない。このような情報はレジスターで管理できる。
e) データ集合に登録された項目を符号化するために利用できる、規格化されたタグの集まりを作成するために使用される可能性がある。そして、
f) さまざまな言語、文化、応用分野、職業で使用される項目の同義語を記録する手段と、それらの同義語を一般に公開する手段の両方を提供することで、文化的及び言語的な適応性を高める。
ISO 19135 のこの部は、地理情報項目のレジスターの作成及び維持において従うべき手順を規定している。どの組織も、ISO 19135 のこの部に準拠する地理情報項目のレジスターを作成することができる。付録Cは、特に、ISO/TC 211の支援の下で作成されたレジスターに適用される。
ISO 19135 のこの部は、地理情報項目のレジスターの数を最小限に抑えること及び、登録機関の負担を最小限に抑えることの均衡を実現することを目指している。
この版では、ユーザー コミュニティでレジスター設定の経験をするうえで、以前よりも要件が少なくなっている。このため、ISO 19135 の以前の版の実装は、ISO 19135 のこの部分に準拠させる必要がある。以前の版 (ISO 19135:2005) からの変更の記録は、付録 F に記載されている。
ISO 19135-1で規定されているUMLモデルの抽象化レベルは、ISO 19103 要件4 に従った「抽象スキーマ レベル」である。
備考1)要件4(ISO 19103:2015 6.2)とは次の文章のことである。
"Requirement 4. Each model shall have documented a clear description of its level of abstraction and class stereotypes may be added to help express the chosen abstraction level."
つまり「要件4. 各モデルには、その抽象化レベルの明確な説明が文書化される必要があり、選択された抽象化レベルを表現するためにクラスのステレオタイプを追加できる。」
ISO 19135のこの部は、地理情報項目に割り当てられる一意で、明確で、永続的な識別子と意味のレジスターを確立、維持、公開する際に従うべき手順を規定する。この目的を達成するために、ISO 19135のこの部は、これらの項目のレジスターを管理するために求められる要素を規定している。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19103:―1, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19115-1:2014, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
4.1 用語及び定義
この規格では、次の用語及び定義が適用される。
4.1.1
clarification
明確化
<register> レジスター項目に対する本質的でない変更
注記1:実質的でない変更は、項目の意味又は技術的な意味を変更するものではない。明確化によってレジスター項目の登録(4.1.12)ステータスが変更されることはない。
4.1.2
control body
管理体
<register> レジスターの内容に関する決定を行う技術専門家の集団(4.1.9)
4.1.3
geographic information
地理情報
地球に関係する場所に暗示的又は明示的に関連づく現象に関する情報
[ISO 19101‑1:2014 4.1.18を引用]
4.1.4
hierarchical register
階層型レジスタ
格納する項目の範囲を示す構造化されたレジスター(4.1.9)の集合であり、主レジスター(4.1.8)及び副レジスター(4.1.16)の集合からなる。
例: ISO 6523は階層型レジスターに関連付けられている。主レジスタには組織の識別子 (4.1.5)スキームの集まりが含まれ、各サブレジスタには単一の組織識別子スキームに準拠する組織識別子の集合が含まれる。
4.1.5
identifier
識別子
関連付けられているものを一意かつ永続的に識別できる、言語的に独立した文字列
4.1.6
invalidation
無効化
<register> レジスター項目の本質的な誤りを正すために取られる行動
4.1.7
item class
項目クラス
共通の特性を持つ項目の集合
注記1:この文脈では、クラスはインスタンスの集合を指すために使用されており、インスタンスの集合から抽象化された概念を指すわけではない。
4.1.8
principal register
主レジスター
階層型レジスター(4.1.4)中のそれぞれの副レジスター(4.1.16)の説明を含むレジスター(4.1.9)
4.1.9
register
レジスター
関連する項目の記述を含む、項目に割り当てられた識別子(4.1.5)をもつ記録の集合
4.1.10
register manager
レジスター管理者
レジスター所有者(4.1.11)からレジスター(4.1.9)の管理を委任された組織
注記1:ISOレジスターの場合、レジスター管理者はISO/IEC指令で規定されている登録機関の機能を実行する。
4.1.11
register owner
レジスター所有者
レジスター(4.1.9)設立した組織
4.1.12
registration
登録
項目に永続的、一意的、及び明確な識別子(4.1.5)を割り当てこと
4.1.13
registry
レジストリー
レジスター(4.1.9)を維持するための情報システム
4.1.14
retirement
廃止
<register> レジスター項目が新しいデータの生成に、もはや適さなくなったという宣言
注記1:廃止された項目のステータスは、「有効」から「廃止」に変わる。廃止された項目は、廃止前に生成されたデータの解釈を利用可能にするためにレジスターに保持され、別の項目に置き換えられることはない。
4.1.15
submitting organization
提出者
レジスター所有者 (4.1.11) によって登録内容の変更を提案する権限を与えられた組織 (4.1.9)
4.1.16
subregister
副レジスター
情報領域の一部から採られた項目を含む、階層型レジスター(4.1.4)の一部分
4.1.17
supersession
置換
<register> レジスター項目が廃止され、一つ以上の新しい項目に置き換えられるという宣言
注記1:置き換えられた項目のステータスは、「有効」から「置換済み」に変わる。
4.1.18
technical standard
技術規格
<register>登録(4.1.12)を必要とする項目クラス(4.11.7)の定義を含む規格
4.2 略語
JTC 1 Joint Technical Committee 1 合同専門委員会1
TMB Technical Management Board 技術管理委員会
UML Unified Modelling Language 統一モデリング言語
4.3 記法
ISO 19135 のこの部で仕様化されている概念スキーマは、ISO 19103の指針に従って、統一モデリング言語 (UML) (ISO/IEC 19505) を使用して記述される。
ISO/TC 211の慣例により、以前の版の標準では、基本データ型クラスを除くUMLクラスの名前には、規格及びクラスが指定されているUMLパッケージを識別する2文字の接頭辞が含まれている。ISO/TC 211規格の新しい版では、この慣例が適用されなくなった。ISO 19135のこの部では、この版で新しく追加されたクラスとパッケージでは、略語は使用されないが、2文字の接頭辞「RE」は、以前の版から継続されているクラスに適用される。
このスキーマで使用されるいくつかのモデル要素は、表4に示すように、他の ISO/TC 211 規格で規定されているパッケージで仕様化されている。
表4– ISO 19115-1で使われているUMLパッケージ
接頭辞 パッケージ
CI 引用及び責任者情報
MD メタデータ
[1] ISO 704:2009, Terminology work — Principles and methods
[2] ISO 6523:1998 (all parts), Information technology — Structures for the identification of organizations and organization parts
[3] ISO 19101:2002, Geographic information — Reference model
[4] ISO 19110:2005, Geographic information — Methodology for feature cataloguing
[5] ISO 19119:2005, Geographic information — Services
[6] ISO/IEC 11179-3:2013, Information technology — Metadata registries (MDR) — Part 3: Registry metamodel and basic attributes
[7] ISO/IEC 11179-6:2005, Information technology — Metadata registries (MDR) — Part 6: Registration
[8] ISO/IEC 19505-1:2012, Information technology — Object Management Group Unified Modeling Language (OMG UML) — Part 1: Infrastructure
[9] ISO/IEC 19505-2:2012, Information technology — Object Management Group Unified Modeling Language (OMG UML) — Part 2: Superstructure
[10] ISO/TS 19104:2008, Geographic information — Terminology
[11] ISO/IEC/TR 19764:2005, Information technology — Guidelines, methodology and reference criteria for cultural and linguistic adaptability in information technology products
[12] ISO/IEC JTC 1, Procedures for the technical work of ISO/IEC JTC 1 on Information Technology
[13] ISO/IEC 9973:2013, Information technology — Computer graphics, image processing and environmental data representation — Procedures for registration of items
1 To be published.
備考1)この"1" に対応する文献は見当たらない。
ISO/TC 211 Good practices: "How to set up an ISO register based on ISO 19135"
備考1)この参考資料は、編集者の判断で追加した。
(2024-12-02)