ISO 19168-1:2025 Geospatial API for features — Part 1: Core
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履歴
ISO 19168-1:2020 withdrawn
対応OGC標準:OGC API - Features - Part 1:Core
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19168:-1:ed-2:v1:en
OGC API標準[10]は、Web APIを空間的に一貫した方法で実現するためのモジュール形式のAPI構成要素(building block)を定義している。OpenAPI仕様は、API構成要素の定義に使用される。
備考1) OpenAPI仕様とは、REST APIの仕様を記述するための標準フォーマットであり、APIのエンドポイント、パラメータ、レスポンスなどの情報をJSONまたはYAML形式で定義する。REST APIとは、クライアントとサーバー間で、HTTPプロトコルを使って資源(データ)へのアクセスや操作を効率的かつ標準的な方法で行うための規約集で、現代のWebサービスやモバイルアプリケーション間でのデータ連携に広く利用されている。
ISOはOGC APIファミリーの標準のサブセットを公開している。ISOが公開するのはOGC API標準のサブセットのみであることを反映し、ISO規格の名称に組織名が使用されることを避けるため、「OGC API」シリーズの標準はISOによって「Geospatial API」として公開されている。例えば、この文書のOGCでの名称は「OGC API - 地物 - 第1部:コア」であるが、ISOでの名称は「地理情報 - 地物のための地理空間API - 第1部:コア」である。
簡潔にするため、この規格では一貫して以下の用語を使用する。
— 「OGC API」は、ISOで「Geospatial API」として公開されている地理空間Web APIの標準を指す。
— 「OGC API - 地物」は、ISOによってISO 19168シリーズ/「地理情報 - 地物のための地理空間API」として一部が公開されている、地物に関する複数部構成の規格を指す。
— 「本規格」は、「OGC API - 地物 - 第1部:コア」を指す。これはISOによってISO 19168-1/「地理情報 - 地物のための地理空間API - 第1部:コア」として発行される。
OGC APIはリソースの種類別に編成されている。OGC API - 地物は、地物を操作するための基本的なAPI構成要素を規定する。空間データコミュニティでは、実世界における関心のある対象物を指すために「地物」という用語を使用している。
注:「地物」という用語に馴染みのない方は、W3C/OGCのWeb空間データに関するベストプラクティス文書[7]の「空間上のもの、地物、幾何」に詳しい説明が見られるので参照してほしい。
「OGC API - 地物」は、Web上で地物を作成、変更、及び問い合わせ(query)するためのAPI構成要素を提示する。この規格シリーズは複数の部で構成されており、それぞれが独立した標準になっている。この規格(ISO 19168-1)は、そのような部の一つである「コア」に相当し、コア機能を規定している。ただし、座標軸の順序が経度/緯度になる座標参照系(CRS)WGS 84で表現された幾何をもつ地物の取得に限定されている。より高度なニーズに対応する追加機能は、追加される部で規定される。例としては、地物の作成と変更、より複雑なデータモデル、より豊富な問い合わせ、追加のCRS、複数のデータ集合、コレクション階層のサポートなどが挙げられる。
デフォルトでは、この規格を実装するすべてのAPIは、単一のデータ集合へのアクセスを可能にする。「OGC API - 地物」は、完全なデータ集合としてデータを共有するのではなく、地物(オブジェクト)レベルでデータへの直接的かつきめ細かなアクセス手段を提供する。
この規格で規定されるAPI構成要素は、Webのアーキテクチャと整合している。特に、API設計はIETF HTTP/HTTPS RFC、W3C Data on the Webベストプラクティス[8]、
この規格では、HTTP GETメソッドを用いて実装される検出及び問い合わせ操作を規定する。追加メソッド(特にPOST、PUT、DELETE、PATCH)のサポートについては、追加の部で規定する。
検出操作によって、クライアントは API 定義や API によって提供される機能コレクションに関するメタデータなどの API を照会して、API の機能を判別し、利用可能なデータ集合の配信に関する情報を取得できる。
クライアントは、問い合わせ操作により、クライアントが定義した単純な選択基準に基づいて、基盤となるデータストアから地物を取得できる。
この規格では、表1にリストされている資源を定義する。資源の概要については、7.1を参照のこと。
表1 — 資源(resource)の概要、適用可能なHTTPメソッド、及び規格条項へのリンク
この規格は、基盤となるデータ倉庫(data store)とは独立してデータ集合内の地物へのアクセス手段を提供するWeb APIの動作を規定する。また、検出及び問い合わせ操作を示す。
検出操作により、クライアントは API 定義や API によって提供される地物の集まりに関するメタデータなどの API を照会して、API の機能を判別し、データ集合の利用可能な配信に関する情報を取得できる。
問い合わせ操作により、クライアントは、クライアントが定義する単純な選択基準に基づいて、基盤となるデータ倉庫から地物を取得できる。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
OpenAPI Initiative (OAI), OpenAPI Specification 3.0 [online]. 2020 [viewed 2020-03-16]. The latest patch version at the time of publication of this standard was 3.0.3, available at https://spec.openapis.org/oas/v3.0.3
Internet Engineering Task Force (IETF), RFC 2818: HTTP Over TLS [online]. Edited by E. Rescorla. 2000 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc2818.html
Internet Engineering Task Force (IETF), RFC 3339: Date and Time on the Internet: Timestamps [online]. Edited by G. Klyne, C. Newman. 2002 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3339.html
Internet Engineering Task Force (IETF), RFC 7230 to RFC 7235: HTTP/1.1 [online]. Edited by R. Fielding, J. Reschke, Y. Lafon, M. Nottingham. 2014 [viewed 2020-04-28]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7230.html, https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7231.html, https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7232.html, https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7233.html, https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7234.html, and https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7235.html
Internet Engineering Task Force (IETF), RFC 8288: Web Linking [online]. Edited by M. Nottingham. 2017 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc8288.html
Open Geospatial Consortium (OGC), OGC 10-100r3: Geography Markup Language (GML) Simple Features Profile [online]. Edited by L. van den Brink, C. Portele, P. Vretanos. 2012 [viewed 2020-03-16]. Available at http://portal.opengeospatial.org/files/?artifact_id=42729
Internet Engineering Task Force (IETF). RFC 7946: The GeoJSON Format [online]. Edited by H. Butler, M. Daly, A. Doyle, S. Gillies, S. Hagen, T. Schaub. 2016 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7946.html
WHATWG. HTML, Living Standard [online, viewed 2020-03-16]. Available at https://html.spec.whatwg.org/
schema.org. Schema.org [online, viewed 2020-03-16]. Available at https://schema.org/docs/schemas.html
この規格の目的に応じて、次の用語及び定義が適用される。
ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1 用語及び定義
3.1.1
dataset
データ集合
データのコレクション
注記1:単一のエージェントによって公開又はキュレーションされ、1つ以上のシリアル化又はフォーマットでアクセス又はダウンロードが可能なもの。
注記2:この定義における「コレクション」という用語の使用は、この規格の残りの部分で使用されている「コレクション」という用語よりも広義である。「地物コレクション」の定義を参照のこと。
[DCAT 6.6を参照 — 定義は、定義と注記1に分割され、注記2が追加された。]
備考1)DCATとは、
"World Wide Web Consortium. (W3C): Data Catalog Vocabulary [online]. Edited by R. Albertoni, D. Browning, S. Cox, A.G. Beltran, A. Perego, P. Winstanley. 2020 [viewed 2020-03-16]. https://www.w3.org/TR/vocab-dcat/"
備考2)"dataset"定義は、ISO 19115-1:2014 4.3をはじめ、ISO 19115-1:2014 4.3をはじめとして、多くのTC 211規格に見られるがその定義はほとんど「他と識別可能なデータの集まり」とされている。
3.1.2
distribution
配信物
データ集合(3.1.1)の特定の表現
例:ダウンロード可能なファイル、RSSフィード、又はAPI。
[DCAT 6.7を参照 — 定義を短縮した。]
備考1)DCAT とは、
"World Wide Web Consortium. (W3C): Data Catalog Vocabulary [online]. Edited by R. Albertoni, D. Browning, S. Cox, A.G. Beltran, A. Perego, P. Winstanley. 2020 [viewed 2020-03-16]. https://www.w3.org/TR/vocab-dcat/"
3.1.3
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
注記1:「地物」という用語の詳細については、参考文献[7]を参照のこと。
[ISO 19101-1:2014 4.1.11を参照 - 注記1を追加した。]
備考1)参考文献[7]とは
"Open Geospatial Consortium (OGC) / World Wide Web Consortium (W3C): Spatial Data on the Web Best Practices [online]. Edited by J. Tandy, L. van den Brink, P. Barnaghi. 2017 [viewed 2020-03-16]. https://www.w3.org/TR/sdw-bp/"
地物という用語についてわかりやすい解説がある。
3.1.4
feature collection
collection
地物コレクション
コレクション
データ集合(3.1.1)から得られる地物(3.1.3)の集まり
3.1.5
resource
資源、リソース
識別される可能性のある実体
注記1:OGC API標準の文脈で使用される「資源(resource)」という用語は、特に明記されていない限り、Web資源(3.1.7)を意味する。
[ISO 15836-2:2019 3.1.10を参照 - 注記1及び2は削除され、新しい注記1に置き換えられた。]
3.1.6
Web API
Web API
Web技術を基盤としたアーキテクチャスタイルを用いたAPI
注記1:詳細は参考文献[8]を参照のこと。
注記2:定義は参考文献[8]の8.10.1から改変したものである。明確化のため、表現を変更した。
備考1)参考文献[8]とは
"World Wide Web Consortium. (W3C): Data on the Web Best Practices [online]. Edited by B.F. Lóscio, C. Burle, N. Calegari. 2017 [viewed 2020-03-16]. https://www.w3.org/TR/dwbp/"
3.1.7
web resource
web 資源
HTTP URIによって識別される資源(3.1.5)
3.2 略語
API application programming interface
CORS cross-origin resource sharing
CRS coordinate reference system 座標参照系
HTTP hypertext transfer protocol ハイパーテキスト記述言語
HTTPS hypertext transfer protocol secureセキュア・ハイパーテキスト記述言語
IANA Internet Assigned Numbers Authority インターネット割り当て番号機関
IRI internationalized resource identifier 国際化資源識別子
OGC Open Geospatial Consortium
RFC request for comment コメント募集文書
TRS temporal coordinate reference system 時間座標参照系
URI uniform resource identifier 統一資源識別子
WSDL web service description language ウェブサービス記述言語
YAML YAML Ain’t Markup Language YAMLはマーク付け言語ではない
[1] Ain’t Markup Language Y.A.M.L. [online, viewed 2020-03-16]. Edited by O. Ben-Kiki, C. Evans, Ingy döt Net. Available at https://yaml.org/
[2] Internet Engineering Task Force (IETF). RFC 3986: Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax [online]. Edited by T. Berners-Lee, R. Fielding, L. Masinter. [viewed 2020-03-16]. Available at http://tools.ietf.org/rfc/rfc3986.txt
[3] Internet Assigned Numbers Authority (IANA). Link Relation Types [online, viewed 2020-03-16], Available at https://www.iana.org/assignments/link-relations/link-relations.xml
[4] ISO 8601-2, Date and time — Representations for information interchange — Part 2: Extensions
[5] ISO 19142, Geographic information — Web Feature Service
[6] Open Geospatial Consortium (OGC). OGC 09-025r2: Web Feature Service 2.0 [online]. Edited by P. Vretanos. 2014 [viewed 2020-03-16]. Available at http://docs.opengeospatial.org/is/09-025r2/09-025r2.html
[7] Open Geospatial Consortium (OGC) / World Wide Web Consortium (W3C): Spatial Data on the Web Best Practices [online]. Edited by J. Tandy, L. van den Brink, P. Barnaghi. 2017 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.w3.org/TR/sdw-bp/
[8] World Wide Web Consortium. (W3C): Data on the Web Best Practices [online]. Edited by B.F. Lóscio, C. Burle, N. Calegari. 2017 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.w3.org/TR/dwbp/
[9] World Wide Web Consortium. (W3C): Data Catalog Vocabulary [online]. Edited by R. Albertoni, D. Browning, S. Cox, A.G. Beltran, A. Perego, P. Winstanley. 2020 [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.w3.org/TR/vocab-dcat/
[10] Open Geospatial Consortium (OGC). Welcome To The OGC APIs [online, viewed 2020-03-16]. Available at http://www.ogcapi.org/
[11] ISO 15836-2:2019, Information and documentation — The Dublin Core metadata element set — Part 2: DCMI Properties and classes
[12] World Wide Web Consortium. (W3C): URLs in Data Primer [online]. Edited by J. Tennison. 2013 [viewed 2022-01-03]. Available at https://www.w3.org/TR/urls-in-data
[13] Open Geospatial Consortium (OGC). Releases of OGC API - Features - Part 1: Core [online, viewed 2023-12-29]. Available at https://github.com/opengeospatial/ogcapi-features/blob/master/core/release-notes.md
[14] Internet Engineering Task Force (IETF). RFC 7232: Hypertext Transfer Protocol (HTTP/1.1): Conditional Requests [online]. Edited by R. Fielding, J. Reschke. [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7232.txt
[15] Internet Engineering Task Force (IETF). RFC 6749: The OAuth 2.0 Authorization Framework [online]. Edited by D. Hardt. [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc6749.txt
[16] Internet Engineering Task Force (IETF). RFC 2626: The Internet and the Millennium Problem (Year 2000) [online]. Edited by P. Nesser II. [viewed 2020-03-16]. Available at https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc2626.txt
(2025-09-20)