ISO 19160-3:2020 Addressing Part 3: Address data quality
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19160:-3:ed-1:v1:en
住所は、オブジェクトの識別や位置特定のために、オブジェクトを明確に特定する最も一般的な方法の一つであるが、国によって大きく異なる。例えば、欧州を中心とする多くの国では、住所に道路網を参照するのが一般的であるが、日本のような国では、住所は幹線道路を参照せずに行政区域の階層構造からなる。住所は、郵便配達、緊急対応、マーケティング、地図作成、公共事業計画、土地管理など、様々な目的で利用されている(ISO 19160-1)。
世界中で多種多様な住所規格や仕様が利用されている。本規格の準備作業だったISO 19160の初期段階の調査結果では、様々な業務プロセスに適切に統合され、場合によっては法的にも強制力を持ついくつかの標準について報告している(ISO 19160-1)。さらに、ISO 19160-1は、既存及び将来の住所規格間の相互運用性を促進するための国際規格として開発された。
住所指定(住所に関わる活動)には、多くの利害関係者が関与する。住所の割り当て(地方自治体、郵便事業者など)、住所の様々な利用(顧客サービス提供者及び電子商取引事業者、地方自治体及び中央政府、公共サービス提供者、選挙管理委員会など)、そして住所の検索(住民や、配送及び緊急対応サービス提供者など)などである。これらの利害関係者は、住所指定に関する初期段階(stage zero project)の準備作業中に特定され、現在ではISO 19160住所指定規格の開発に関与しているか、その動向を認識している (19160-1)。
住所記録を整理、維持、提供するために、住所管理機関は、組織内の様々な部署から収集された、しばしば孤立し不完全な多数の住所データファイルを、権威ある統合住所データベース(例:US FGDC Address)に置き換えるマスター住所リポジトリを作成する必要がある。さらに、地方自治体の住所データは、通常、上位の行政レベル(例:地域、州、国)に集約される。
住所の用途が多岐にわたること、そして住所データを共有・集約する必要性から、住所データの品質を測定・報告するための一貫した枠組みが求められる。本規格の目的は、住所データベース管理者、住所データ集約者、そして住所データ利用者に、その枠組みを提供することである。また、本規格では、住所の用途が多岐にわたることから、データ品質評価プロセスは評価対象となる住所の用途に応じて異なることを認めている。
この規格は ISO 19157 のプロファイルであり、住所の一意性と複雑さのために必要とされる。住所、その構成要素、そして、それらが識別する現実世界のオブジェクトの時間的性質により、データ集合に住所が欠落しているか誤って含まれているかを判断することが困難になる場合がある。また、住所は、他のオブジェクトを参照したり、他の構成要素によって制限されたりすることが多い属性及び構成要素を含む複雑な情報集合でもある。これらは、この規格が克服することを目指す、住所データの利害関係者が直面する課題のごく一部である。その目的は、一連の住所データ品質指標を確立することにより、住所データの品質を維持及び/又は向上させることである。さらに、この規格は、住所データの集約又は共有を行う必要がある場合に、住所データ集合の品質を理解し、伝達するために使用できる。
この規格は、
— ISO 19157のプロファイルである。
— 住所データの品質を記述するためのデータ品質要素及び測定基準を規定する。
— データ品質を報告する手順を提示する。
— 住所データの品質を記述するための、確立されたデータ品質要素及び測定基準の使用に関するガイドラインを提供する。
この規格は、住所データ管理者、住所データの集成主体 (aggregators)、住所データ利用者など、住所データの品質を評価及び報告する者が利用できる。
この規格は、住所データの最低限許容可能な品質レベルを定義するものではない。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要求事項を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19115-1:2014, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
ISO 19115-2, Geographic information — Metadata — Part 2: Extensions for acquisition and processing
ISO 19157:2013, Geographic information — Data quality
ISO 19160-1:2015, Addressing — Part 1: Conceptual model
この規格では、次の用語及び定義を適用する。
ISOとIECは、標準化に使用する用語データベースを次のアドレスで維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1
accuracy
正確度
試験結果又は測定結果と真の値との一致の程度
[ISO 3534‑2:2006 3.3.1を参照—注記1から3は削除した][翻訳はJIS Z 8101-2 3.3.1を参照した]
3.2
address
住所、宛名、アドレス
識別及び位置特定を目的として、オブジェクトを明確に特定できる構造化された情報
[ISO 19160‑1:2015 4.1を参照 — 注記1から6及び例1から4は削除された]
3.3
address alias
住所の別名
住所(3.2)集合のうち、同一の住所指定可能オブジェクト(3.9)を一意に特定する住所集合の要素の一つ
[ISO 19160‑1:2015 4.3を引用]
3.4
address class
住所クラス
住所構成要素(3.5)、演算、メソッド、関係、及びセマンティクスを共有する住所(3.2)集合の記述
[ISO 19160‑1:2015 4.4を参照 — 例1及び2は削除された]
3.5
address component
住所構成要素
住所(4.1)の構成部分
[ISO 19160‑1:2015 4.5を参照 —注記1及び2を削除した]
3.6
address position
住所位置
住所 (3.2) を表す位置
[ISO 19160‑1:2015 4.7を参照 — 注記1は削除された]
3.7
address reference system
住所参照系
住所構成要素(3.5)及びそれらを住所(3.2)に組み合わせるための、定義をもつ集合
[ISO 19160‑1:2015 4.8を引用]
3.8
addressing
住所指定、アドレッシング
住所(3.2)に関する活動
[ISO 19160‑1:2015 4.6を参照]
[+]
3.9
addressable object
住所指定可能オブジェクト
住所(3.2)を割り当てることができるオブジェクト
[ISO 19160‑1:2015 4.2を引用]
3.10
conformance
適合性
要求を満足すること
[ISO 19105:2000 3.8を参照]
3.11
correctness
正しさ
論議領域(3.25)との一致度
[ISO 19157:2013 4.5を引用]
3.12
data quality basic measure
データ品質基礎測定値
特定のデータ品質測定値を作成するための基礎として使用される、一般的なデータ品質(3.23)測定値
[ISO 19157:2013 4.7を参照 — 注記1が削除された]
[+]
3.13
dataset
データ集合
他と識別可能なデータの集まり
[ISO 19115‑1:2014 4.3を参照— 注記1は削除した][翻訳はJIS X 7115:2005 4.2を参照]
3.14
direct evaluation method
直接評価法
データ集合(3.13)内の項目(3.19)の検査に基づいて、データ集合(3.13)の品質(3.23)を評価する方法
[ISO 19157:2013 4.10を引用]
[+]
3.15
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
[ISO 19101‑1:2014 4.1.11を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.8 を参照]
3.16
feature type
地物型
共通の特徴をもつ地物(3.15)のクラス
[ISO 19156:2011 4.7を引用]
[+]
3.17
geographic data
地理データ
地球に関係した場所への暗示的又は明示的な参照をもったデータ
[ISO 19109:2015 4.13を参照]
3.18
indirect evaluation method
間接評価法
外部知識に基づいてデータ集合(3.13)の品質(3.23)を評価する方法
[ISO 19157:2013 4.17を参照 - 注記1は削除された]
[+]
3.19
item
項目、アイテム
個別に記述及び考えられるもの
[ISO 19157:2013 4.18を参照 — 注記1は削除された]
3.20
metadata
メタデータ
資源についての情報
[ISO 19115‑1:2014 4.10を参照]
3.21
metaquality
メタ品質
データ品質の品質を記述する情報
[ISO 19157:2013 4.20を引用]
[+]
3.22
profile
プロファイル
特別の働きをするために必要な、一つ以上の基礎標準又は基礎標準のサブセット、及び、もし許容される場合は、それらの基礎標準の中から選ばれる箇条、クラス、オプション及びそれらの基礎標準のパラメータの特定
[ISO 19106:2004 4.5を参照 — 注記は削除された]
3.23
quality
品質
対象に本来備わっている特徴の集まりが、要求事項を満たす程度
[ISO 9000:2015 3.6.2を参照 — 注記1及び2は削除した][翻訳はJIS Q 9000:2015 3.6.2を参照した]
3.24
standalone quality report
単独品質報告
データ品質(3.23)の評価、結果、及び使用された測定値に関する詳細な情報を提供する自由記述の文書
[ISO 19157:2013 4.23を引用]
[+]
3.25
universe of discourse
論議領域
関心あるものすべてを含んだ、実世界又は仮想世界のビュー
[ISO 19101-1:2014 4.1.38を引用]
[1] ISO 3534-2:2006, Statistics — Vocabulary and symbols — Part 2: Applied statistics
[2] ISO 9000:2015, Quality management systems — Fundamentals and vocabulary
[3] ISO 19101-1:2014, Geographic information — Reference model — Part 1: Fundamentals
[4] ISO 19105:2000, Geographic information — Conformance and testing
[5] ISO 19109:2015, Geographic information — Rules for application schema
[6] ISO 8601-1:2019, Date and time — Representations for information interchange — Part 1: Basic rules
[7] ISO 19103:2015, Geographic information — Conceptual schema language
[8] ISO 19106:2004, Geographic information — Profiles
[9] United States Thoroughfare, Landmark, and Postal Address Data Standard (FGDC-STD-016-2011), Reston, Virginia.
[10] Review summary of the ISO 19160 stage zero project. ISO/TC 211, Geographic information/Geomatics, document N 3188.
(2025-08-14)