ISO/TS 19130-3:2022 Geographic information/Geomatics — Imagery sensor models for geopositioning — Part 3: Implementation schema
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対応OGC標準:OGC SensorML: Model and XML Encoding Standard, 12-000r2
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:ts:19130:-3:ed-1:v1:en
政府の地図作成機関やリモートセンシング機関、商用データベンダーは、画像システムから膨大な量のデータを収集、処理、配布している。このデータを地理情報の抽出に役立てるには、さらに処理する必要がある。画像座標からオブジェクトの地上座標を決定する地理的位置決定は、そのための基本的な処理ステップである。センサーの種類が多様で、共通のセンサーモデル標準がないため、異なるメーカーのデータには異なるパラメーター情報が含まれていたり、データを生成するセンサーを記述するために必要なパラメーターが欠けていたり、地理的位置決定及びデータ分析に必要な補助情報が欠けていたりすることがある。その結果、個々のセンサー又はデータ生産者からのデータを処理するために、別々のソフトウェアパッケージを開発しなければならないことが多い。標準センサーモデルと地理的位置情報メタデータにより、機関やベンダーは、複数のデータ生成者又は複数のセンサーからのデータに適用できる汎用ソフトウェア製品を開発できるようになる。このような標準があれば、異なる生産者がデータの地理的位置情報を同じ方法で記述できるため、応用システム間のデータの相互運用性が促進され、データ交換が容易になる。
ISO及びOGCは、センサーモデルの記述を標準化するために、関連する仕様を独自に定義しているが、両者の間には根本的な違いが存在する。
ISO 19130-1は、すべてのセンサーに関連する位置モデルとメタデータを示した。これには、ウィスブルーム、プッシュブルーム、フレーム センサーに固有のメタデータと、合成開口レーダー (SAR) センサーのメタデータが含まれていた。さらに、それぞれの機能に適合する地理的位置のためのメタデータも提示した。ISO/TS 19130-2は、光検出測距装置 (LIDAR) と音響航法測距装置 (SONAR) の物理的センサー モデルを提示することで地理的位置決定に必要なメタデータ要素セットの仕様を拡張するとともに、SARのより詳細な要素セットを提示した。また、航空機および宇宙船の画像の航空三角測量に必要なメタデータも定義した。
OGC は、センサー ウェブ イネーブルメント (SWE)1)を通じてセンサー デバイスとデータのインタフェース及び符号化法を定義し、Web上でセンサーデータを共有できるようにした。センサー モデル言語 (SensorML) は、SWE アクティビティで定義され、プロトタイプ化され、テストされた 5 つの実装標準の一つである。主な注目点は、測定及び測定後の観測の変換に関連するプロセスと処理コンポーネントを定義するための堅牢で意味的に結びついた手段を提示することである。プロセス概念を利用して、観測及び測定に関連するセンサー、システム、およびプロセスを記述する。ジオロケーションは、それらのプロセスの一つである。
ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2では符号化規則が定義されていないため、地理的位置決定用画像センサー モデルの実際の実装は、画像作成者の解釈によって異なる場合がある。実装の標準化を容易にするために、この規格では、OGC SensorML で定義されている拡張マークアップ言語 (XML)スキーマを使用して、ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2 で定義されている地理的位置決定用画像センサー モデルの XMLスキーマ符号化法を示す。これにより、ISO 19130-1、ISO/TS 19130-2、および OGC SensorML 間の意味的及び構文的な相互運用性が実現する。
この規格の保守機関の名前と連絡先情報は、www.iso.org/maintenance_agencies で確認できる。
備考1)センサー ウェブ イネーブルメント (SWE)とは、OGCが開発・維持している、さまざまなセンサー及びセンサーデータのリポジトリをWeb上で発見・アクセス・利用できるようにする一連の標準である。
この規格は、ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2 で定義されている画像センサーによる、地理的位置決定モデルの XML スキーマ実装法を定義する。OGC SensorML及びOGC SWE 共通データ モデルに基づいて、XMLスキーマの継承と拡張を適用する。
ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2 で定義されたUMLモデルに基づくXMLスキーマを導入する代わりに、まず ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2 で定義されたモデル要素から OGC SensorML へのセマンティック マッピングを行い、次に OGC SensorML に基づいて詳細なスキーマ継承と拡張を定義して、ISO 19130-1及びISO/TS 19130-2 で定義された地理的位置決定用の画像センサー モデルの符号化法を完全に利用可能にするという方法で、既存の OGC SensorML を活用する。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19111, Geographic information — Referencing by coordinates
ISO 19115-1, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
ISO 19115-2, Geographic information — Metadata — Part 2: Extensions acquisition and processing
ISO 19123-2, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions — Part 2: Coverage implementation schema
ISO 19130-1, Geographic information — Imagery sensor models for geopositioning — Part 1: Fundamentals
ISO/TS 19130-2, Geographic information — Imagery sensor models for geopositioning — Part 2: SAR, InSAR, lidar and sonar
ISO 19157-2, Geographic information — Data quality — Part 2: XML schema implementation
ISO/TS 19163-1, Geographic information — Content components and encoding rules for imagery and gridded data — Part 1: Content model
この規格では、次に示す用語と定義が適用される。ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1
document
文書
<XML>整形式のデータオブジェクト
注記1:文書のテキスト
[ISO/TS 19157-2:2016 3.1を参照 —注記1が追加された。]
備考1)「整形式」とはXMLで記述された文書が正しい形式で表記されていることを指す。
備考2)注記1の「文書」は原文では "note" であるが、本文中にこの言葉 "note" は出現しないので、この注記の詳細は不明である。
3.2
image
画像データ
グリッド化された被覆。その属性値は、物理パラメータの数値表現である。
注記1:物理パラメータは、センサー(3.5)による測定結果、又はモデルからの予測である。
[ISO 19115-2:2019 3.18を引用]
3.3
imagery
画像
電子的及び/又は光学的な技術によって生成される画像データとしての現象の表現
注記1:この規格では、現象は、レーダ、カメラ、光度計、並びに近赤外及びマルチスペクトルのセンサーなど、一つ以上の機器によって感知または検出されることを仮定している。
[ISO 19101-2:2018 3.14を引用]
3.4
namespace
名前空間
<XML> URI (3.10) 参照によって識別される名前の集まり。XML文書で要素名や属性名として使用される(W3C XML Namespaces)
[ISO 19136-1:2020 3.1.43を引用]
3.5
sensor
センサー
測定対象の量を運ぶ現象、物体または物質によって直接影響を受ける、測定システムの部品
[ISO/IEC Guide 99:2007 3.8を参照 — 例及び注記1は削除した。]
3.6
sensor model
センサーモデル
< geopositioning> 3次元オブジェクト空間及び、センサー(3.5)によって生成された関連する画像データ(3.2)の 2D 平面との関係の、数学的な記述
[ISO 19130-1:2018 3.80を引用]
3.7
schema
スキーマ
モデルの形式記述
注記1:一般に、スキーマはオブジェクトの特性と他のオブジェクトとの関係の抽象表現である。XMLスキーマは、XMLオブジェクトの属性と要素の関係を表す。
例: 文書又は文書の一部。
[ISO 19136-1:2020 3.1.52を引用]
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3.8
schema
スキーマ
<XML> 同じターゲット名前空間 (3.4) 内のスキーマ (3.7)部品の集まり
例: W3C XML スキーマのスキーマ部品は、型、要素、属性、グループなどである。
[ISO 19136-1:2020 3.1.53を引用]
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3.9
schema document
スキーマ文書
<XML>スキーマ (3.7) 構成部品の定義及び宣言を含むXML文書
注記1:W3C XML Schemaは,スキーマ情報のためのXML交換形式を示す。単一のスキーマ文書は,単一のXML名前区間に関連する構成部品の記述を示すが,複数の文書によって,同じスキーマ,例えば,同じ対象名前空間中の構成部品を記述してもよい。
[翻訳はJIS X 7136:2012 4.1.55を引用]
[+]
3.10
Uniform Resource Identifier
統一資源識別子
URI
IETF RFC 2396 に準拠して構造化された資源のための一意な識別子
注記 1: 一般的な構文は <scheme>::<scheme-specific-part> である。名前空間を使用した階層構文は <scheme>://<authority><path>?<query> である。RFC 2396 を参照のこと。
[ISO 19136-1:2020 3.1.62を引用]
備考1)IETFは、インターネット技術の標準化を推進する任意団体である。RFC 2396は、RFC 2396 - Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntaxのことであり、URIの一般的な構文(ジェネリック構文)を規定する標準である。
[1] ISO 19105, Geographic information — Conformance and testing
[2] ISO 19108, Geographic information — Temporal schema
[3] OGC 12-000, OGC SensorML: Model and XML Encoding Standard, Version 2.0.0 (4 February 2014)
[4] OGC 08-094r1, OGC SWE Common Data Model Encoding Standard, Version 2.0.0 (4 January 2011)
[5] XML Schema Part 0: Primer Second Edition. (W3C Recommendation 28 October 2004)
[6] XML Schema Part 1: Structures Second Edition (W3C Recommendation 28 October 2004)
[7] XML Schema Part 2: Datatypes Second Edition (W3C Recommendation 28 October 2004)
[8] Morain S.A., Budge A.M., Post-Launch Calibration of Satellite Sensors. Proceedings of the International Workshop on Radiometric and Geometric Calibration, December 2003, Mississippi, USA. Vol. 2. CRC Press. 2004
[9] Di L., Kresse W., Kobler B., The current status and future plan of the ISO 19130 project. In Proceedings of the XXth ISPRS-Congress. 2004
[10] Botts M., Percivall G., Reed C., Davidson J., OGC Sensor Web Enablement: Overview and High Level Architecture. Second International Conference, GSN 2006, Boston, MA, USA, October 1-3, 2006
[11] Bacharach S, New Implementations of OGC Sensor Web Enablement Standards. Sensors, 2007
[12] Di L., Moe K., Van Zyl T. L., Earth observation sensor web: An overview. IEEE Journal of Selected Topics in Applied Earth Observations and Remote Sensing 3, no. 4 (2010): 415-417
[13] Chen N., Hu C., Chen Y., Yang C., Gong J., Using SensorML to construct a geoprocessing e-Science workflow model under a sensor web environment. Computers & Geosciences.no. 47 (2012):119-129
[14] Jin M., Bai Y., Devys E., Di L., Toward a Standardized Encoding of Remote Sensing Geo-Positioning Sensor Models. Remote Sensing. no. 12 (2020): 1530-1549
(2024-12-09)