ISO 19123-1:2023 Geographic information/Geomatics — Schema for coverage geometry and functions Part 1:Fundamentals
現行
履歴
ISO 19123:2005 廃止
対応OGC標準:OGC 07-011r1 OGC Abstract Specification Topic 6: Schema for Coverage Geometry and Functions – Part 1: Fundamentals
対応JIS規格:JIS X 7123:2012 地理情報−被覆の幾何及び関数のためのスキーマ
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19123:-1:ed-1:v1:en
この規格では、物理学における場の概念に対応する時空間中で変化する現象のデジタル表現としての被覆の概念を、実装とは独立した高いレベルで定義する。このような被覆は、離散的又は連続的になる。
歴史的には、地理情報は「ベクター データ」と「ラスター データ」と呼ばれる二つの基本的なデータ型に基づいて扱われてきた。
「ベクターデータ」は個別の現象を扱い、それぞれの現象は地物と考えられる。個別の現実世界の現象の空間的な特徴は、一つ以上の幾何プリミティブ(点、曲線、面又は立体)の集合によって表される。現象のその他の特徴は、地物属性として記録される。通常、一つの地物は、一つの属性値集合に関連付けられる。ISO 19107は、幾何プリミティブ及び位相プリミティブによって地物を記述するためのスキーマを提供する。
一方、「ラスターデータ」は、空間と時間にわたって変化する現象を扱い、「場」として数学的に記述される。ラスターデータには、点またはセルの配列内の要素の一つずつに関連付けられた値の集合が含まれる。ラスターデータは、点間またはセル内の空間位置で値を補間する方法と関連することが多い。
被覆の概念は、もともとOpen Geospatial Consortium (OGC) の抽象仕様[15]から採られたデータ構造及び、点群など、その他のデータ構造を一般化して、空間と時間にわたり、場合によってはスペクトルバンドなどのさらなる次元にわたって連続的に変化する現象を表すモデルとされる。形式的には、被覆とは、空間 (水平のx及びy 並びに垂直の高さ又は深さなど)、時間、その他 (ISO 19111:2019 の命名法ではパラメトリック) の領域、又はそれらの組み合わせから、何らかのデータ型をもつ値への関数とされる。
被覆は、時空間的に拡張された幾何(多くの場合は地理的 1) ) オブジェクトの集合で構成され、各オブジェクトには属性値が関連付けられる。属性値が関連付けられている時空間的な場所は、「直接位置(direct position)」と言われる。
備考1)幾何オブジェクト中の直接位置が地理的というとき、位置座標は経緯度になることが多い。
正式には、被覆自体は、ISO 19101-1で定義されている地物の下位型である。被覆地物は、同じ属性定義や座標参照系など、いくつかの重要な特性すべてを共有する地物の集合である。
注記: 直接位置は、さまざまな次元になる場合がある。たとえば、被覆としてモデル化されたラスター画像データでは、直接位置はグリッド点になる。マルチソリッド被覆では、直接位置は三次元立体の内部に与えられる。
実際には、被覆には規則的及び不規則的なグリッド、点群、および一般的なメッシュが含まれる。例としては、ラスターデータ、点群、不規則三角網などのメッシュ、および多角形集合がある。被覆は多次元であり、1Dのセンサー時系列、2Dの衛星画像、3Dの x/y/t 画像時系列、x/y/z 地球物理学的ボクセルデータ、4Dのx/y/z/t 気候および海洋データなどの例が含まれる。このような被覆の座標軸は、空間的、時間的、またはその他の意味を持つことができ、n次元被覆用に自由に組み合わせることができる。
例:電磁スペクトルは、空間的意味も時間的意味も持たない軸の例である。このようなスペクトル軸は、ISO 19111で規定されている「パラメトリックCRS」として定義できる。
直接位置だけに値を付与する被覆を「離散被覆」と呼ぶ。被覆の直接位置間でも値が得られるように補間情報が追加された場合は「連続被覆」と呼ばれる。
離散的現象と連続的現象の概念が相互に排他的ではないのと同様に、離散被覆としてのそれらの表現も相互に排他的ではない。特定の背景と要件に応じて、同じ現象を離散地物又は被覆として表現できる。都市は、名前、面積、総人口などの各属性に対して単一の値を返す離散被覆として表示できるが、都市内の各場所の人口密度、地価、空気質指数などの値を返す連続被覆として表現することもできる。
さらに被覆は、共通の属性定義を共有する個別の地物の集まりを束ねることによって導出することができ、各位置における被覆上の値は、その位置にある地物の属性の値になる。逆に、個別の地物の集まりは、関連するすべての直接位置を抽出することによって被覆から導出できる。
この規格の旧版であるISO 19123:2005では、概念レベルと(ある程度の)実装レベルの両方で被覆のモデリングを扱っており、実質的に両者が混在していた。被覆のモデリングは、現在では二つの関連規格に分割されている。一つは抽象的で高レベルの被覆モデルを確立するISO 19123-1 (この規格) であり、もう一つはISO 19123-1の概念に基づいて相互運用性を保証する実装レベルのモデルを確立するISO 19123-2である。さらに被覆のための高レベルの処理モデルは、ISO 19123-3で定義される。
この規格では、被覆の概念スキーマを定義する。被覆とは、空間、時間、又は時空間の定義域から、同じ属性型をもつ属性値の集まりへの写像である。被覆の定義域は、空間及び/又は時間次元、及び非時空間 (ISO 19111:2019 では「パラメトリック」)次元で定義できる座標空間内の直接位置の集まりで構成される。被覆の例としては、点群、グリッド、メッシュ、不規則三角網、多角形集合などがある。被覆は、リモートセンシング、気象、並びに、深さ、標高、土壌、植生の写像など、多くの応用分野で一般的なデータ構造である。この規格では、被覆の定義域及び、それに関連付けられる属性の値域との関係を含む、被覆の概念を定義する。さらに、この規格では、定義域の特徴を定義する。この規格では属性の値域の特徴は定義されないが、それは実装規格の中で定義される。したがって、この規格の目的は、具体的な実装そのものではなく、実装規格の作成法を示すことである。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19107, Geographic information — Spatial schema
ISO 19111, Geographic information — Referencing by coordinates
3.1 用語及び定義
この規格では、次に示す用語と定義が適用される。ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1.1
analytical coverage
解析的被覆
定義域から値域への写像関数が解析的数学関数によって与えられる被覆
3.1.2
axis
軸
<coordinate geometry> 軸名、軸の略称、軸方向、軸単位、および詳細情報の組
注記1:この定義は、ISO 19111:2019、表26及び箇条10.4に従って構成されている。
注記2:複数の軸を含む座標参照系(CRS)内では、対になる二軸の名前は、互いに素(pairwise different)でなければいけない。
注記3:軸単位(測定単位)は、この軸に沿った座標として使用できる値の集合を定義する。これらは、数値(緯度及び経度など)又は一般的な文字列(タイムスタンプ又は飛行機の便名の「FL100」といった特別な識別子など)になる。
備考1)注記2の「互いに素」とは、この場合、異なる軸名でできる平面(例えばxy平面)は考えられるが、同じ軸名で平面をつくることはできない、という意味と考えられる。
3.1.3
cell
セル
<coverage> 被覆グリッド内の直接位置の周囲の近傍。被覆グリッド内の他の直接位置近傍とは重複しない。
注記1:被覆セルはグリッドセルと同義である。
注記2:グリッド被覆のすべてのセルが一緒になって、グリッド空間のモザイク分割(つまり、完全で重複のない覆い)を構成する。
3.1.4
continuous coverage
連続被覆
直接位置及び直接位置間の位置のどちらにおいても、それに対応する値の集まりを返す被覆
3.1.5
coordinate
座標、座標成分
点の位置を指し示す、目盛の列の中の一つ
注記1:座標参照系では、座標を示す数は通常(ISO 19111の定義の注記1にはusuallyはない)単位によって修飾される。一部の座標では、単位表現が使用される場合がある。たとえば、ISO 8601-1に準拠した日付/時刻などである。座標がインデックス(順序座標)である場合、単位はない(単位1(unit of 1)で表現できる場合はある)。
[ISO 19111:2019 3.1.5を参照 — 注記1は修正した]
[+]
3.1.6
coordinate reference system
座標参照系
原子によってオブジェクトに関連付けられた座標系
[ISO 19111:2019 3.1.9を参照—注記1,2は削除]
3.1.7
coordinate system
座標系
点にどのように座標を割り当てるかを規定する数学的規則の集合
注記1:座標系には一つ以上の軸の順序付きの列が含まれる。対になる二軸の名前は、互いに素(pairwise different)でなければいけない。
[ISO 19111:2019 3.1.11 を参照 — 注記1が追加された]
備考1)互いに素とは、この場合、異なる軸でできる平面(例えばxy平面)は考えられるが、同じ軸で平面をつくることはできない、という意味と考えられる。
3.1.8
coordinate tuple
座標組
複数の座標で構成する組
注記1:座標組内の座標の個数は、座標系の次元と等しくなる。座標組中の座標の順序は、座標系の軸の順序と同一である。
[ISO 19111:2019 3.1.13を引用]
備考1)日本ではcoordinate tupleに相当するものを座標、coordinateに相当するものを座標成分ということがある点に留意すべきである。
3.1.9
coverage
被覆
定義域内の任意の位置に対応する値域内の値を返す関数
3.1.10
coverage coordinate reference system
coverage CRS
被覆座標参照系
被覆CRS
被覆の定義域内のすべての座標が表現される座標参照系 (CRS)
注記1:被覆のCRSは、被覆のすべての位置データが参照するCRSであることを表すために、被覆の固有CRS(native CRS)と呼ばれることもある。
備考1)"coverage coordinate reference system"及び"coverage CRS"は同義語である。
3.1.11
coverage dimension
被覆次元
<coordinate geometry> 被覆の定義域内の直接位置を記述するために必要な、識別のための決定数
注記1:これは「被覆定義域のCRS 内の軸の数」に相当する。
注記2:この定義は、ISO 19107:2019、3.17 で定義されている「座標次元」という用語に基づく。
3.1.12
coverage geometry
被覆幾何
幾何オブジェクトの観点で示した被覆の定義域
3.1.13
Delaunay triangulation
ドロネー三角形分割
任意の三角形の頂点を通る円の内部に、他の三角形の頂点が含まれないようにした、三角形のネットワーク
3.1.14
direct position
直接位置
<coverage> 被覆座標参照系内の座標組で記述される、一つの被覆内の幾何オブジェクトの内部の位置
注記1:直接位置は、順序付けられた座標の列で記述される。直接位置の要素の数は、被覆CRSの軸の数によって決まる。
注記2:これは、ISO 19136-1:2020 3.1.20 の定義と整合する。
備考1)ISO 10136-1:2020 3.1.20では、直接位置を次のように定義している。
"position described by a single set of coordinates within a coordinate reference system"
「座標参照系中にある一つの座標集合によって記述される位置」
3.1.15
discrete coverage
離散被覆
その定義域内の直接位置に対してのみ値を返す被覆
注記1:離散被覆は直接位置に対してのみ値をもつが、連続被覆は補間ができるため、さらに直接位置間の値も提供される。
3.1.16
domain
定義域
<coverage> 幾何オブジェクトの集合
注記1:このような幾何オブジェクトの例としては、点、線、面、立体などがある。定義域(集合)内のすべての要素は、単一の特定の型をもつ。
3.1.17
external coordinate reference system
外部座標参照系
原子(datum)が、それによって位置付けられるオブジェクトから独立している座標参照系
注記1:この用語は後方互換性のためだけに保持されており、この規格の被覆の定義では使用されず、その基本にもならない。
[ISO 19130-1:2018 3.25を参照 -注記1が追加された]
3.1.18
evaluation
評価
<coverage> 被覆の定義域内の直接位置における被覆の値を決定すること
3.1.19
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
[ISO 19101-1:2014 4.1.11を参照 — 注記1が削除された]
3.1.20
feature attribute
地物属性
地物の特徴
注記1:直接位置に関連付けられた値で地物特性とも呼ばれ、地物の潜在的な属性、品質又は特徴を示す場合がある。
[ISO 19101-1:2014 4.1.12を参照 — 元の注記と例は削除され、新しい注記1が追加された。]
3.1.21
function
関数
<mathematics, programming>ある領域(関数の"ソースドメイン"又は"定義域")の各要素を別の領域("ターゲット ドメイン"、"双対領域"又は"値域")の一意の要素に関連付ける規則
[ISO 19107:2019 3.41を引用]
3.1.22
geometric dimension
幾何次元
<geometry, topology>点集合に含まれる点それぞれが、それらの点を内部に含む部分集合に関連付けることができ、その部分集合がn次元ユークリッド空間に位相同形である場合、最大数nの幾何次元をもつという。
[ISO 19107:2019 3.48 を参照 — 注記は削除された。]
3.1.23
geometric object
幾何オブジェクト
<geometry> 幾何集合を表す空間オブジェクト
注記1:幾何オブジェクトは、幾何プリミティブ、幾何プリミティブの集まり又は単一の実体として扱われる幾何複体からなる。幾何オブジェクトは、地物オブジェクトの空間表現になりうる。
[ISO 19107:2019 3.49を引用]
3.1.24
geometric set
幾何集合
直接位置の集合
注記1:幾何集合は、単一の幾何オブジェクトを示す。被覆の定義域は、このような幾何オブジェクトの集合で構成される。それぞれの幾何集合が一つの点のみで構成される点群及びグリッドデータの場合、定義域はこれらの直接位置の集合になる。曲線、面、および立体などの高次元幾何集合の場合、集合は、境界表現又は空間領域構成法(CSG)など、列挙以外の手段でも記述できる。
[ISO 19136-1:2020 3.1.32を参照 — 元の注記は削除され、新しい注記1が追加された。]
[+]
3.1.25
georectified
地理的偏位修正
地表に対する位置ずれの修正
注記1:この用語は後方互換性のためだけに保持されており、この規格の被覆定義の基本ではない。
[ISO 19115-2:2019 3.11を参照 — 注記1が追加された。]
3.1.26
georeferenceable
地理参照可能
グリッド座標値が、原子(datum)によって地球に関連付けられた外部座標参照系に参照される座標値に変換するために使用できる地理的位置情報に関連付けられている、という性質
注記1:この用語は後方互換性のためだけに保持されており、この規格の被覆の定義の基本ではない。
[ISO/TS 19163-1:2016 4.9を参照 — 注記1が追加された]
3.1.27
georeferencing
地理参照
<coverage> 被覆の定義域要素を地上座標に写像する対応モデルを使用して、オブジェクトの地理的位置を特定すること
3.1.28
grid
グリッド
<coverage> 複数の四辺形(quadrilateral shape)(2Dの場合)又はそれらのn次元生成体(nDの場合)を使用して、重なりや隙間のない多次元領域を覆ったもの
注記1:「グリッド」という用語は、歴史的には2Dの視点から生まれた。ISO 19123 では、グリッドは一つ以上の曲線の集合で作られるネットワークで構成され、各集合のメンバーは他の集合のメンバーと交差する。一方、nDグリッド(1Dを含む)が知られており、使用もされている。領域の「被覆」は、数学では「モザイク分割(tessellation)」としても知られている。
注記2:旧版であるISO 19123 の定義は、この規格の改訂された定義に相当する。
3.1.29
grid coordinate reference system
grid CRS
グリッド座標参照系
グリッドCRS
<coverage> グリッド被覆の座標参照系
注記1:これは、ISO 19136-2:2015 4.2.1の定義と整合する。
備考1)ISO 19136-2:2015 4.2.1におけるグリッドCRSの定義は、GMLの規則でグリッドCRSを記述することを前提とした記述になっている。
3.1.30
grid coordinates
グリッド座標
<coverage> グリッド上の位置を指定する座標成分の列
注記1:これは ISO 19115-2:2019 3.15の定義と整合する。
3.1.31
grid coverage
グリッド被覆
グリッドによって記述される定義域をもつ被覆
3.1.32
grid point
グリッド点
グリッドの点
3.1.33
image coordinate reference system
image CRS
画像座標参照系
画像CRS
工学グリッド被覆座標参照系(CRS)
注記1:ラスター画像(地理参照なし)のCRSは、直交軸を持つ 2Dグリッドである。これは特殊なインデックスCRSであり、一般に「画像CRS」と呼ばれる。
備考1)"image coordinate reference system"及び"image CRS"は同義語である。
3.1.34
index coordinate reference system
index CRS
インデックス座標参照系
インデックスCRS
すべての軸が互いに直交する被覆座標参照系(CRS)
備考1)"index coordinate reference system"及び"index CRS"は同義語である。
3.1.35
mesh
メッシュ
零より大きい次元の位相と結びつく幾何
注記1:幾何と位相はISO 19107で定義されている。メッシュの例としては、曲線、TIN、立体がある。点(及び点群)は、次元が零の幾何にたとえられる。
3.1.36
pixel
画素、ピクセル
属性値が割り当てられる、デジタル画像データの最小要素
注記1:画素は、可視の画像データを表示するための最小単位である。
注記2:この用語は "picture element" の短縮形として生まれた。
[ISO 19101-2:2018 3.28を参照 —注記1が注記2になり、新しい注記1が追加された。]
3.1.37
point cloud
点群
3D空間内の点データの集まり
注記1:点間距離は一般に均一ではないため、各点の三つの座標(直交又は球面)すべてを具体的に符号化する必要がある。
[ISO/TS 19130-2:2014 4.51を引用]
3.1.38
point coverage
点被覆
複数の点で構成される定義域をもつ被覆
3.1.39
polygon coverage
多角形被覆
複数の多角形で構成される定義域をもつ被覆
3.1.40
range
値域
<coverage> 関数、被覆、及び被覆の定義域に関連付けられた値の集合
注記1:これは、ISO 19107における、より一般的な値域の定義と矛盾しない。
注記2:被覆の値域の型と値は、地物属性の型と値の概念に対応する。
3.1.41
raster
ラスター
直線的なグリッド
注記1:この用語は、画像やグリッド化された被覆データを表す不正確な一般用語としても使用される。
注記2:歴史的には、この用語はブラウン管の走査線表示パターンに由来している。
備考1)この規格の旧版(ISO19123:2005)では、注記2で指摘されているような定義が行われていた。
3.1.42
rectified grid
偏位修正グリッド
グリッド座標と外部座標参照系の座標との間にアフィン変換があるグリッド
注記1:座標参照系が原子によって地球に関連付けられている場合、グリッドは地理的偏位修正グリッドになる。
注記2:この用語は後方互換性のためだけに保持されており、この規格の被覆の定義では使用されず、その定義の基本にもならない。
3.1.43
referenceable grid
参照可能グリッド
外部座標参照系を持つグリッド。その型は測地座標参照系または投影座標参照系である。
注記1:座標参照系が原子によって地球に関連付けられている場合、グリッドは地理参照可能なグリッドである。
注記2:この用語は後方互換性のためだけに保持されており、この規格の被覆の定義では使用されず、その定義の基本にもならない。
3.1.44
solid
立体、ソリッド
三つの空間次元を持つ幾何集合
注記1:これは ISO 19107における定義と矛盾しない。
注記2:立体には時間などのさらなる次元がある場合がある。
3.1.45
spatial object
空間オブジェクト
<topology, geometry>地物の空間的な特徴を表すために用いるオブジェクト
[ISO 19107:2019 3.87を引用]
3.1.46
spatio-temporal object
時空間オブジェクト
時空間中の直接位置の集合を表現するオブジェクト
3.1.47
temporal coordinate reference system
時間座標参照系
時間原子を基礎とする座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.63を引用]
3.1.48
tessellation
モザイク分割
空間の分割のうち、元の空間と同一次元をもち互いに隣接する部分空間の集合への分割
[+]
3.1.49
Thiessen polygon
ティーセン多角形
平面上の点の集合のうちの一つを囲み、集合内の他のどの点よりもその点に近いすべての直接位置を含む多角形
3.1.50
triangulated irregular network
TIN
不規則三角網
三角形で構成されるモザイク分割
備考1)"TIN"は"triangulated irregular network"の略語である。
3.1.51
vector
ベクトル
方向と大きさをもつ量
注記1:もし線分の長さ及び方向がベクトルの大きさと方向に等しいならば、その線分はベクトルを表す。ベクトルデータという用語は、地物の空間的な構成を、方向をもつ線分の集合として表現するデータを指す。
3.2 略語
1D one-dimensional 1次元
2D two-dimensional 2次元
3D three-dimensional 3次元
4D four-dimensional 4次元
ASCII American Standard Code for Information Interchange
CCD charge-coupled device 電荷結合素子
CRS coordinate reference system 座標参照系
CSG constructive solid geometry 空間領域構成法
EPSG European Petroleum Survey Group
GIS geographic information system 地理情報システム
OLAP online analytical processing
TIN triangulated irregular network 不規則三角網
UML unified modelling language 統一モデリング言語
[1] ISO/IEC 19501, Information technology — Open Distributed Processing — Unified Modeling Language (UML) Version 1.4.2
[2] ISO 19108, Geographic information — Temporal schema
[3] ISO 19109, Geographic information — Rules for application schema
[4] ISO 19115-1, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
[5] Baumann P., A General Conceptual Framework for Multi-Dimensional Spatio-Temporal Data Sets. Environmental Modelling and Software (2021)
[6] ISO 19144-1, Geographic information — Classification systems — Part 1: Classification system structure
[7] ISO 19144-2, Geographic information — Classification systems — Part 2: Land Cover Meta Language (LCML)
[8] ISO 19101-1:2014, Geographic information — Reference model — Part 1: Fundamentals
[9] ISO 19123-2:2018, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions — Part 2: Coverage implementation schema
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