ISO 19162:2019 Geographic information ̶ Well-known text representation of coordinate reference systems
備考1) Well-known textの定訳は見当たらないので、和訳の文中ではWKTという略語を使用することとする。
履歴
ISO 19162:2015 withdrawn
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19162:ed-2:v1:en
WKT(Well-known text)は、幾何オブジェクトを機械及び人間が判読可能なコンパクトな形式で表現するためにある。WKTは、座標参照系(CRS)の定義の重要な要素を簡潔に記述するためにも使用できる。
WKTは、Open Geospatial Consortium実装仕様99-036から06-103r4及び、ISO 19125-1:2004で規定されていた。座標参照系のWKT表現は、その後Open Geospatial Consortium実装仕様01-009「座標変換サービス」で拡張され、この拡張は後にOpen Geospatial Consortium GeoAPI 3.0実装標準09-083r3及びGeoPackage 1.0実装標準12-128r10に採用された。ISO 19125-1:2004及びOGC仕様01-009で定義されている座標参照系のWKT表現は、ISO 19111:2007及びOGC抽象仕様トピック2(08-015r2)「地理情報 - 座標による空間参照」の用語及び技術規定とは一致しない。
この規格の2015年版では、ISO 19111:2007及びISO 19111-2:2009の規定に準拠した座標参照系のWKT表現の更新版が提供された。この版では、以前のWKTを拡張し、座標演算の記述を可能にした。
この規格では、ISO 19111の2019年改訂版における拡張に合わせて、次のようにWKTを更新する。
— 動的な測地座標参照系及び鉛直座標参照系の記述。
— 地殻変動による点の移動に起因する、座標参照系内の座標値の変化。
— ジオイドベースの鉛直座標参照系の記述。
— 高正確度を要求されない、座標変換を無視してもよい場合の、地球又は鉛直参照系実装の集合体としての、測地原子アンサンブルの記述。
— 時間座標参照系の厳密な記述。
— 画像座標参照系の削除(廃止)。
— 適用範囲情報及び地理的な範囲の情報の再構築。
この規格は、WKT文字列の構造及び内容を定義する。実装するときに、これらの文字列をどのように読み書きすべきかを規定するものではない。
備考1)最後の文は、文法は示すが、その文法を使って記述する文章をどのように読み書きするかは規定しない、という意味である。例えていえば、日本語の文法が正しければ、小説を小川洋子風に書いても、多和田葉子風に書いてもいい、ということである。
この規格は、ISO 19111で規定されている座標参照系の抽象モデルをテキスト文字列で実装するときの構造及び内容を規定する。この文字列は、頻繁に使用される座標参照系の種類及び座標演算を、機械及び人間が容易に判読できる自己完結的な形式で定義する。その本質は単純さにある。そのため、ISO 19111で許容されるよりオープンな内容には、いくつかの制約がともなう。座標参照系及び座標演算のWKT(Well-known text)記述の簡潔性を保つため、本規格ではパラメータのグループ化及びパススルー座標演算-1)は扱わない。このテキスト文字列は、人間及び機械が参照又は相互参照を用いて座標参照系の定義を正確かつ明確に解釈し、座標演算の数学的な定義のみを行うための手段を提示する。WKT文字列は、データのソースに関するメタデータが省略され、情報の適用可能性に関するメタデータも省略される可能性があるため、座標参照系又は座標演算の定義の保存には適していない。
備考1)パススルー演算(pass-through operation)とは、多次元座標のうち、演算したい成分だけに座標演算を適用し、それ以外はそのまま通す演算のことである。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要求事項を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 8601-1, Date and time — Representations for information interchange — Part 1: Basic rules
ISO/IEC 10646, Information technology — Universal Coded Character Set (UCS)
ISO 19111:2019, Geographic information — Referencing by coordinates
この規格では、次の用語及び定義を適用する。
ISOとIECは、標準化に使用する用語データベースを次のアドレスで維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1 用語及び定義
3.1.1
affine coordinate system
アフィン座標系
ユークリッド空間において、直線の軸をもつ座標系。軸は、必ずしも相互に直交しない。
[ISO 19111:2019 3.1.1を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.1を引用]
3.1.2
bearing
方位角
<geodesy> 特定の方向に対する、ある点における水平角
注1:方向は通常、北と指定される。一部の分野では、「方位角」という用語はグリッド北を指し、真北に対する方向が「方位角」と呼ばれる。また、他の分野では、「方位角」は真北を指す。この文書では、「方位角」は特定の基準方向に対して使用される。角度は、用途に応じて、時計回り 又は反時計回りの正の方向に計算される。
[+]
3.1.3
Cartesian coordinate system
直交座標系
すべて同じ測定単位を持つ、互いに直交する n 本の直線軸に対する点の位置を与えるユークリッド空間の座標系
注記1:この規格では、n は 2 又は 3 である。
注記2:直行座標系は、アフィン座標系を特殊化したものである。
[ISO 19111:2019 3.1.2を引用]
備考1)直交座標系はデカルト座標系ともいう。
3.1.4
compound coordinate reference system
複合座標参照系
少なくとも二つの独立した座標参照系を用いて位置を示す座標参照系
注記1:一方の座標参照系の座標値が他方の座標参照系の座標値に換算又は変換できない場合、二つの座標参照系は互いに独立しているという。
[ISO 19111:2019 3.1.3を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.3を引用]
3.1.5
coordinate conversion
座標換算
元の座標参照系の座標を、同じ原子に基づくターゲットとなる座標参照系の座標に変更する座標演算
注記1:座標換算では特定の値をもつパラメータを使用する。
例1:楕円体座標を直交座標に写像する地図投影
例2:ラジアンから度又はフィートからメートルのような単位の変更
[ISO 19111:2019 3.1.6を引用]
3.1.6
coordinate epoch
座標エポック
ある動的座標参照系の座標が参照される時点
3.1.7
coordinate operation
座標演算
一対一の関係に基づいて、元の座標参照系の座標をターゲットとなる座標参照系の座標に変更する、又は、同じ座標参照系内で、元期における座標を今期の座標に変更する数学的モデルを使用した処理。
[ISO 19111:2019 3.1.8を引用]
備考1)測量成果として得られた基準点の位置の参照が可能になった時点は元期という。それに対して、その測量成果を使って測量を行う時点を今期という。詳細については『セミ・ダイナミック補正の導入について』国土地理院時報2010 No.120 などを参照するとよい。この規格では、元期は"source coordinate epoch"、今期は"target coordinate epoch"であり、両者はともに座標エポックである。
3.1.8
coordinate reference system
座標参照系
原子によってオブジェクトに関連付けられた座標系
注記1:測地及び鉛直原子は基準フレームとして関連付けられる。
注記2:測地及び鉛直基準フレームにおいては、オブジェクトとは地球のことである。惑星への適用については、測地及び鉛直基準フレームは他の天体にも適用することができる。
[ISO 19111:2019 3.1.9を引用]
備考1)この規格では「原子」と「基準フレーム」は同義語である。3.1.12参照。
3.1.9
coordinate system
座標系
点にどのように座標を割り当てるかを規定する数学的規則の集合
[ISO 19111:2019 3.1.11を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.10を引用]
3.1.10
coordinate transformation
座標変換
元の座標参照系の座標をターゲットとなる座標参照系の座標に変更する座標演算。元の座標参照系とターゲットとなる座標参照系は異なる原子に基づく。
注記1:座標変換では、実証に基づくパラメータが使用される。座標の誤差は座標変換に埋め込まれ、座標変換が適用されると、埋め込まれた誤差が出力座標に伝播する。
注記2:座標変換は、理論に基づかずに「原子変換 (datum transformation)」と呼ばれることもあるが、これは間違いである。座標変換では座標値は変更するが、原子の定義を変更するわけではない。この規格では、座標は座標参照系を参照する。座標変換は、二つの原子間ではなく、二つの座標参照系間で行われる。
[ISO 19111:2019 3.1.12を引用]
3.1.11
cylindrical coordinate system
円筒座標系
ユークリッド空間上の3次元座標系。位置は二つの直線座標と一つの角度座標で示される。
[ISO 19111:2019 3.1.14を引用]
3.1.12
datum
reference frame
原子
基準フレーム
座標系の原点の位置、スケール、及び軸の向きを定義するパラメータ又はパラメータの集合
[ISO 19111:2019 3.1.15を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.14を参照]
3.1.13
datum ensemble
原子アンサンブル
近似的な空間参照を目的とする、大幅に異なるものではない、同一の地上参照系又は鉛直参照系の、複数の実現値のグループ
注記1:原子アンサンブル内のさまざまな実現値を参照するデータ集合は、座標変換なしで併合(merge)できる。
注記2:「近似的」はユーザーが定義するもので、通常は1デシメートル未満程度であるが、最大2メートルになる場合もありうる。
例:WGS 84 (TRANSIT)、WGS 84 (G730)、WGS 84 (G873)、WGS 84 (G1150)、WGS 84 (G1674)、及びWGS 84 (G1762) を含む未分化の実現グループとしての「WGS 84」。地球の表面では、TRANSIT と G730 の実現の間で平均 0.7 m、G730 と G873 の間でさらに 0.2 m、G873 と G1150 の間で 0.06 m、G1150 と G1674 の間で 0.2 m、G1674 と G1762 の間で 0.02 m 変化した。
[ISO 19111:2019 3.1.16を参照]
3.1.14
derived coordinate reference system
派生座標参照系
すでに確立された座標参照系内の座標に、指定された座標換算を適用することによって定義される座標参照系
注記1:あらかじめ確立された座標参照系を基本座標参照系と呼ぶ。
注記2:派生座標参照系は、その原子又は基準フレームをその基本座標参照系から継承する。
注記3:基本座標参照系及び派生座標参照系の間の座標換算は、座標換算の定義で指定されたパラメータと式を使用して実装される。
[ISO 19111:2019 3.1.8を引用]
[+]
3.1.15
dynamic coordinate reference system
動的座標参照系
動的基準フレームを持つ座標参照系
注記1:動的座標参照系を参照する地球の地殻上または地殻付近の点の座標は、通常は構造移動(tectonic motion)又は氷河性地殻均衡(glacial isostatic adjustment)などの地殻変動により、時間とともに変化することがある。
注記2:動的座標参照系を参照するデータ集合のメタデータには、座標エポック情報が含まれている必要がある。
[ISO 19111:2019 3.1.9を引用]
[+]
3.1.16
dynamic reference frame
dynamic datum
動的基準フレーム
動的原子
定義するパラメータの中に時間の経過が含まれる基準フレーム
注記1:時間経過を伴う定義パラメータは、通常は座標の集合である。
[ISO 19111:2019 3.1.20を引用]
3.1.17
ellipsoid
reference ellipsoid
楕円体
準拠楕円体
<geodesy>主軸を中心に回転する楕円によって形成される 3D ユークリッド空間に埋め込まれた幾何学的基準面
注記1:地球の場合、楕円体は極軸を中心に回転する二軸をもつ。これにより、焦点の中点が地球の名目上の中心に位置する扁球楕円体が得られる。
[ISO 19111:2019 3.1.22を引用]
3.1.18
ellipsoidal coordinate system
geodetic coordinate system
楕円体座標系
測地座標系
測地緯度、測地経度及び(三次元の場合)楕円体高で位置を指定する座標系
[ISO 19111:2019 3.1.23を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.18を引用]
3.1.19
ellipsoidal height
geodetic height
h
楕円体高
測地高
楕円体面からそれに垂直な線に沿って測ったある地点までの距離で、楕円体の上側又は外側に向かう場合を正とするもの
注記1:三次元楕円体座標系の一部、又は三次元投影座標参照系内の三次元直交座標系の一部としてだけ使用しそれ単独では使用しない。
[ISO 19111:2019 3.1.24を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.19を参照]
3.1.20
engineering coordinate reference system
工学的座標参照系
工学的原子に基づく座標参照系
例1:建築や土木の現場などの基準点から数キロメートル以内の相対位置を特定する座標参照系。
例2:船や軌道を周回する宇宙船などの移動物体に適用される局所的な座標参照系。
例3:画像データの内部座標参照系。これには連続した軸がある。グリッドの基礎になることがある。
[ISO 19111:2019 3.1.25を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.20を参照]
3.1.21
engineering datum
local datum
工学的原子
局所原子
座標系の局所的な参照に対する関連付けを記述する原子
注記1:工学的原子は、測地基準フレームと鉛直基準フレームの両方とも含まない。
[ISO 19111:2019 3.1.26を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.21を参照]
3.1.22
epoch
エポック
<geodesy> 時点
注記1:この規格では、エポックはグレゴリオ暦によって十進年で表される。
例:グレゴリオ暦で 2017-03-25 のエポックは 2017.23 である。
[ISO 19111:2019 3.1.27を引用]
3.1.23
flattening
f
扁平率
楕円体の長半径 (a) と短半径 (b) との差の、楕円体の長半径に対する比の値:f=(a-b)/a
注記1:時には、扁平率の逆数 1/f = a(a - b) を与えることもある。1/f は、逆扁平率とも呼ばれる。
[ISO 19111:2019 3.1.28を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.22を引用]
3.1.24
frame reference epoch
フレーム参照エポック
動的基準フレームを定義する座標のエポック
[ISO 19111:2019 3.1.29を引用]
3.1.25
geodetic coordinate reference system
測地座標参照系
測地基準フレーム及び、三次元直交座標系又は球座標系のどちらかを基礎とする三次元座標参照系
注記1:この規格では、測地基準フレーム及び楕円体座標系に基づく座標参照系は地理座標参照系という。
[ISO 19111:2019 3.1.31を引用]
3.1.26
geodetic latitude
ellipsoidal latitude
φ
測地緯度
楕円体緯度
赤道面と与点を通る楕円体の垂線との間の角度。北向きを正とする。
[ISO 19111:2019 3.1.32を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.25を引用]
3.1.27
geodetic longitude
ellipsoidal longitude
λ
測地経度
楕円体経度
本初子午線面と与点の子午線面との間の角度、東向きを正とする。
[ISO 19111:2019 3.1.33を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.26を引用]
3.1.28
geodetic reference frame
測地基準フレーム
地球と二次元又は三次元の座標系との関係を記述する基準フレーム又は原子
注記 1: この規格で示すデータ・モデルでは、UML クラス GeodeticReferenceFrame には、現代の地球基準フレームと古典的な測地原子の両方が含まれる。
[ISO 19111:2019 3.1.34を引用]
3.1.29
geographic coordinate reference system
地理座標参照系
測地基準フレーム及び楕円体座標をもつ座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.35を引用]
3.1.30
linear coordinate system
一次元曲線座標系
線形地物が軸を形成する一次元の座標系
例1:パイプラインに沿った距離
例2:傾斜坑油井の深さ
[ISO 19111:2019 3.1.39を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.32を引用]
3.1.31
map projection
地図投影
楕円体座標系から平面への座標換算
[ISO 19111:2019 3.1.40を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.33を引用]
3.1.32
parametric coordinate reference system
パラメトリック座標参照系
パラメトリック原子に基づく座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.45を引用]
3.1.33
parametric coordinate system
パラメトリック座標系
軸の単位が本質的に空間的でないパラメータ値になる一次元座標系
[ISO 19111:2019 3.1.46を引用]
3.1.34
parametric datum
パラメトリック原子
パラメトリック座標系とオブジェクトとの関係を記述する原子
[ISO 19111:2019 3.1.47を引用]
3.1.35
point motion operation
点移動演算
点の運動により一つの座標参照系内の座標を変更する座標演算
注記 1: 座標の変更とは、最初のエポックの座標から別のエポックの座標への変更のことである。
注記 2: この規格では、点の動きは構造移動または地殻変動によるものである。
[ISO 19111:2019 3.1.48を引用]
3.1.36
polar coordinate system
極座標系
位置が一つの距離座標と一つの角度座標によって指定されるユークリッド空間の二次元座標系
注記1;三次元の場合については、球座標系を参照。
[ISO 19111:2019 3.1.49を引用]
3.1.37
prime meridian
本初子午線
他の子午線の経度を測る基となる子午線
[ISO 19111:2019 3.1.50を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.38を参照]
3.1.38
projected coordinate reference system
投影座標参照系
地図投影を適用した二次元測地座標参照系から導かれる座標参照系
注記1:その次元は二次元又は三次元の場合があり、導出元の地理座標参照系の次元に等しい。
注記2:三次元の場合、水平座標 (測地緯度と測地経度の座標) は北座標と東座標に投影され、楕円体高は変わらない。
[ISO 19111:2019 3.1.51を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.39を参照]
3.1.39
reference frame
datum
基準フレーム
原子
座標系の原点の位置、スケール、及び軸の向きを定義するパラメータ又はパラメータの集合
[ISO 19111:2019 3.1.52を引用]
[+]
3.1.40
semi-major axis
a
長半径
楕円体の最長軸の半径
[ISO 19111:2019 3.1.53を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.40を参照]
3.1.41
semi-minor axis
b
短半径
楕円体の最短軸の半径
[ISO 19111:2019 3.1.54を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.41を参照]
3.1.42
spatio-parametric coordinate reference system
空間パラメトリック座標参照系
一つの構成座標参照系が空間座標参照系であり、もう一つがパラメトリック座標参照系になる複合座標参照系
注記1)通常、空間コンポーネントは「水平」であり、パラメトリックコンポーネントは「鉛直」である。
[ISO 19111:2019 3.1.57を引用]
3.1.43
spatio-parametric-temporal coordinate reference system
空間パラメトリック時間座標参照系
空間、パラメトリック及び時間座標参照系の複合座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.58を引用]
3.1.44
spatio-temporal coordinate reference system
時空間座標参照系
構成要素としての座標参照系が空間座標参照系及び時間座標参照系になる複合座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.59を引用]
3.1.45
spherical coordinate system
球座標系
位置が一つの距離座標と二つの角度座標によって指定されるユークリッド空間の三次元座標系
注記1:楕円体を球に「簡易化」した楕円体座標系と混同してはならない。
[ISO 19111:2019 3.1.60を引用][翻訳はJIS X 7111:2014 4.44を参照]
3.1.46
spheroid
回転楕円体
球面とわずかに異なる閉じた面
3.1.47
static coordinate reference system
静的座標参照系
静的基準フレームをもつ座標参照系
注記1:静的座標参照系を参照する地球の地殻上または地殻付近の点の座標は、時間とともに変化することはない。
注記2:静的座標参照系を参照するデータ集合のメタデータには、座標エポック情報は不要である。
[ISO 19111:2019 3.1.61を引用]
3.1.48
static reference frame
static datum
静的基準フレーム
静的原子
時間の経過を含まないパラメータを定義する基準フレーム
[ISO 19111:2019 3.1.62を引用]
3.1.49
temporal coordinate reference system
時間座標参照系
時間原子に基づく座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.63を引用]
3.1.50
temporal coordinate system
時間座標系
<geodesy>軸が時間になる一次元座標系
[ISO 19111:2019 3.1.64を引用]
3.1.51
temporal datum
時間原子
オブジェクトと時間座標系との関係を記述する原子
注記1:オブジェクトは通常地球上の時間である。
[ISO 19111:2019 3.1.65を引用]
3.1.52
vertical coordinate reference system
鉛直座標参照系
鉛直基準フレームに基づく一次元座標参照系
[ISO 19111:2019 3.1.70を引用]
3.1.53
vertical coordinate system
鉛直座標系
標高又は深さの測定のために使用する一次元座標系
[ISO 19111:2019 3.1.71を引用]
3.1.54
vertical reference frame
vertical datum
鉛直基準フレーム
鉛直原子
標高又は深さと地球との関係を記述する基準フレーム
注記1:ほとんどの場合、鉛直基準フレームは平均海面に関係する。鉛直原子には測深原子 (水路測量の目的で使用される)が含まれており、この場合、標高は負の標高又は深さになる可能性がある。
注記2:楕円体高は、測地基準フレームを参照する三次元の楕円体座標系に関係する。
[ISO 19111:2019 3.1.72を引用]
3.1.55
white space
空白類
字形(glyph)をもたない一つ以上の文字の連続する並び
[ISO/IEC 9075-2:2016 3.1.6.77を引用][翻訳はJIS X 3005-2:2015 3.1.6.48を参照]
備考1) JIS X 3005-2:2015 3.1.6.48には、次の注記が付属する。
「注記19 空白類は,SQLテキスト中の二つのトークン間に用いることが常に許され,主として,SQLテキスト中の他のものから<非区切りトークン>を区切るために用いる。」
3.2 略語
BNF Backus-Naur form バッカス・ナウア記法
CRS coordinate reference system 座標参照系
CS coordinate system 座標系
EPSG European Petroleum Survey Group (geodetic parameter dataset now maintained at
www.epsg-registry.org by the International Association of Oil and Gas Producers) 欧州石油調査グループ(測地パラメータデータセットは現在、国際石油・ガス生産者協会によってwww.epsg-registry.orgで管理されている)
IRM international reference meridian 国際基準子午線
OGC Open Geospatial Consortium, www.opengeospatial.org
TRF Terrestrial Reference Frame 地球基準フレーム
UTC Coordinated Universal Time 協定世界時
VRF Vertical Reference Frame 鉛直基準フレーム
WKT Well-known text WKT
[1] ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
[2] ISO 19125-1:2004, Geographic information — Simple feature access — Part 1: Common architecture
[3] OGC OpenGIS Project Document 99-036, OpenGIS Simple Features Specification for SQL, revision 1.1
[4] OGC OpenGIS Project Document 06-103r4, Simple feature access — Part 1: Common architecture
[5] OGC OpenGIS Project Document 01-009, Implementation Specification: Coordinate Transformation Services, revision 1.00
[6] OGC Project Document 09-083r3, GeoAPI 3.0 Implementation Standard
[7] ISO/IEC/IEEE 9945:20091, Information technology — Portable Operating System Interface (POSIX®) Base Specifications, Issue 7
[8] http://pubs.opengroup.org/onlinepubs/9699919799/xrat/V4_xbd_chap04.html#tag_21_04_16
[9] ISO/IEC 9075-1:2016, Information technology — Database languages — SQL — Part 1: Framework (SQL/Framework)
[10] ISO/IEC 9075-2:2016, Information technology — Database languages — SQL — Part 2: Foundation (SQL/Foundation)
[11] ISO 19115-1, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
(2025-08-23)