ISO 19131:2022 Geographic information/Geomatics — Data product specifications
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対応OGC標準:なし
対応JIS規格:JIS X 7131:2014 (ISO 19131:2007, Amd.1:2011) 地理情報.− データ製品仕様
原文URL
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19131:ed-2:v1:en
この第2版は第1版(ISO 19131:2007)を廃止し、技術的な改訂を行なって、それに置き換わった規格である。ISO 19131:2007/Amd.1:2011の内容も盛り込まれている。
主な変更点は次のとおりである:
XML符号化法を追加した;
— 6.2.7「クラス識別セクション」では、次の点を変更した:
データ製品の説明と識別を、仕様の説明と識別から明確に分離した。
属性「目的」のデータ型を変更し、ユースケースを使用してデータ製品の目的を説明できるようにした。
属性「範囲」を変更し、地理的範囲に加えて、時間的範囲と垂直的範囲を指定できるようにした。
データ製品の処理制限を説明するために、新たに属性の制限記述ができるようにした。
— 「適用範囲」では、次の点を変更した:
適用範囲間の関係を削除した (上位適用範囲と下位適用範囲の概念)。
各適用範囲に属性レベル、レベル名又は範囲の少なくとも一つを使用することを要求する規定を導入した。
データの内容及び構造のセクション (6.5) が、ISO 19115-1 の要素を使用して再構成した。
— 「参照システムセクション (6.6)」では、次の点を変更した。
属性 temporalReferenceSystem のデータ型を変更した。
— 「データ品質セクション (6.7)」では、次の点を変更した:
品質要件が定義されていないデータ品質要素をリストする要件を削除して、
他の環境で特定のデータ品質要件を参照できるように、新しい属性 requirementsId を導入した。
— 「データの取得及び生成のセクション(6.8)」では、次に点を変更した。
以前、属性dataCaptureStatementに配置されていた情報を含めるために、新しい要素及び属性を導入した。
— 「メンテナンスセクション(6.9)」では、次に点を変更した。
メンテナンスに関する情報が必須となり、属性maintenanceAndUpdateFrequencyのデータ型を変更し、新しい必須属性を導入した。
— 「配信セクション (6.11)」に、新しい属性 deliveryService を導入した。
— 「メタデータのセクション (6.12)」を再構成して、次の点を変更した。
使用するメタデータ標準及びその符号化法を指定するための新しい属性を導入し、特定のメタデータ要素の使用方法を記述できるようにした。
— 推奨されるレイアウトを導入した。
— 変更及び下位互換性に関する詳細な概要を付録 B に記載した。
データ製品仕様とは、データ集合又はデータ集合系列の仕様並びに、それを別の当事者が作成、提供及び使用できるようにする追加情報を指す。データ製品の作成、提供及び使用という流れでは、相互運用性につながる制御され標準化された製造過程においては、そのための仕様が不可欠となる。データ製品仕様は、特定の要件又はユースケースに関連するデータの意味と構造(semantics and data structure)の概念を形式的に表現する過程を通じて、最終的にできあがる成果である。これは、データ製品が満たす、又は満たす可能性がある要件の観点において、データ製品の正確で精密な説明になる。データ製品仕様は主に技術文書であるが、概要及びデータ取得の説明など、いくつかの側面からの解説など、非技術的な要素が含まれる場合がある。ただし、さまざまな理由により、実装の最中に調整(compromises)が必要になる場合もある。
この規格の目的は、既存の地理情報の国際標準に準拠したデータ製品仕様の内容に関する要件を提供することである。この準拠はさまざまなレベルで行われる。まず、データ集合及びそのメタデータをデータ製品仕様に準拠させるという面があり、次に、データ製品仕様をこの規格に準拠させるという面がある。データ製品仕様でデータ製品を指定するために使用される項目の一部は、データ製品仕様に準拠するデータ製品のメタデータとしても使用できる。図 1 は、データ製品仕様がデータ集合及びそのメタデータにどのように関係するかを示している。
図1 この規格(ISO 19131)、データ製品仕様及びデータ集合の関係
データ製品仕様は、さまざまな機会、さまざまな関係者、さまざまな理由で作成及び使用されることがある。たとえば、データ収集時の処理過程だけでなく、既存のデータから派生した製品にも使用できる。生産者が製品を具体的に説明するために作成することも、ユーザーが利用の要件を表明するために作成することもできる。
この規格では、データ製品仕様の内容、構造、及び符号化法について示す。この規格には、規範の言明、適合クラス、適合テスト、及び要件クラスの URI が含まれる。他の国際標準も URI で参照される。この規格内の規範の言明への URI は、名前空間 https://standards.isotc211.org/19131/-/2 及びローカル識別子の組み合わせである。ローカル識別子の要素の説明は、https://committee.iso.org/sites/tc211/home/resolutions/isotc-211-good-practices/--structure-of-uris-in-isotc-211.html にある。
この規格の保守機関の名前と連絡先情報は、www.iso.org/maintenance_agencies にある。
この規格では、ISO 19100規格群の他の国際規格の概念に基づいて、地理データ製品の仕様要件を提示する。また、データ製品仕様を簡単に理解でき、意図した目的に適合できるように、データ製品仕様を作成するためのガイダンスも提示する。
この規格は、データ製品仕様のXML符号化法を規定する。
この規格は、基礎となる UML モデルの OWL 表現法を提示する。附録F を参照のこと。
この規格は、データ生産者、データ提供者、サービス提供者、及びデータ製品のユーザーになりうる人々が使用するためのものである。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 639-2, Codes for the representation of names of languages — Part 2: Alpha-3 code
ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19108, Geographic information — Temporal schema
ISO 19115-1, Geographic information — Metadata — Part 1: Fundamentals
ISO 19157, Geographic information — Data quality
この規格では、次に示す用語と定義が適用される。ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1
application
応用、応用システム
利用者の要求に応えるために行われるデータの操作及び処理
[ISO 19101-1:2014 4.1.1を引用]
備考1)application systemを省略してapplicationと表記しているときは、応用システム。
3.2
application schema
応用スキーマ
一つ以上の応用システムによって要求されるデータのための概念スキーマ
[ISO 19101-1:2014 4.1.1を引用][翻訳はJIS X 7109:2009 4.2を引用]
3.3
conceptual model
概念モデル
論議領域(3.23)の概念を定義するモデル
[ISO 19101-1:2014 4.1.5を引用]
3.4
conceptual schema
概念スキーマ
概念モデル(3.3)の形式的な記述
[ISO 19101-1:2014 4.1.6を引用][翻訳はJIS X 7109:20029 4.5を引用]
3.5
conformance quality level
適合性品質水準
データ品質 (3.20) の結果のしきい値又はしきい値の集合。データ集合(3.10) がデータ製品仕様 (3.9) 又はユーザー要件で規定された基準をどの程度満たしているかを判断するために使用される。
注記 1: ISO 19131 の文脈では、データ集合はデータ製品を指す。
[ISO 19157-1:—1) 3.3を参照—注記 1が追加された。]
備考1)「基準」は、原文では"criteria"。
備考2)ISO19157-1は、この規格が制定された時点では、FDISであったが、その後ISとしてISO 19157-1:2023になった。
3.6
coverage
被覆
定義域内の任意の位置に対応する値域内の値を返す関数として働く地物
[ISO 19123-1:—2) 3.1.8を引用]
備考1)ISO 19123-1は、この規格が制定された時点ではDISであったが、その後IS
としてISO 19123-1:2023になった。ちなみに被覆の定義は3.1.9にある。
3.7
data capture
データ取得
データを集める行為又は手順
注記 1: データ取得は、人間の介入 (現場観察など) 又は機械によって行うことができる。
3.8
data product
データ製品
供給される可能性のあるデータ集合(3.10)又はデータ集合系列(3.11)
注記1:データ製品には、描画法(3.19)、データ品質(3.20)、メタデータ(3.17)、配布形式などの追加情報が含まれる場合がある。
3.9
data product specification
データ製品仕様
データ製品 (3.8) の仕様 (3.21)並びに、それを他の当事者が作成、提供及び使用できるようにする追加情報
注記 1: データ製品仕様は、論議領域 (3.23) の説明及び、論議領域をデータ製品に写像するための仕様を提示する。これは、生産、販売、最終使用(end-use)、又はその他の目的に使用できる。
3.10
dataset
データ集合
他と識別可能なデータの集まり
注記1:空間範囲又は地物型のような制約によって区切るとしても、データ集合は、より大きいデータ集合の中に位置する、より小さいデータのグループであってもよい。理論的には,データ集合は、より大きなデータ集合に含まれる一つの地物又は地物属性のように小さくてもよい。ハードコピーの地図又は海図は、データ集合と考えてよい。
[ISO 19115-1:2014 4.3を引用]
3.11
dataset series
データ集合系列
共通の特徴を共有するデータ集合(4.3)の集まり
[ISO 19115-1:2014 4.4を引用]
3.12
domain
領域、定義域
明確に定義された集合
注記1:“明確に定義された”とは、定義を満足するものはすべて集合の中にあり、定義を満足しないものはすべて集合の外にあることを示す、必要十分な定義に従うことを意味する。
[ISO 19109:2015 4.8を引用]
3.13
feature
地物
実世界の現象の抽象概念
注記1:地物はクラス又はインスタンスとしてみることができる。どちらかを意味する場合は、地物型又は地物インスタンスを使っても良い。
[ISO 19101-1:2014 4.1.11を参照。]
3.14
feature association
地物関連
ある地物(3.13)型のインスタンスを同じ又は異なる地物型のインスタンスに結び付ける関係
注記 1:地物(3.13)関連は、型又はインスタンスとして見ることができる。どちらかを意味する場合は、地物の関連型又は地物の関連インスタンスを使っても良い。
注記 2: 地物関連には、地物の集成が含まれる。
[ISO 19110:2016 3.3を参照]
備考1)ISO 19110:2016 3.3には、注記1、2はない。
3.15
feature attribute
地物属性
地物(3.13)の特徴
注記1:地物(3.13)属性は名前、データ型及び地物属性に関連する値の定義域(3.12)をもつ。地物インスタンスの地物属性にも、値の定義域から与えられた属性値がある。
注記2:地物(3.13)属性は、型又はインスタンスとして見ることができる。どちらかを意味する場合は、地物の属性型又は地物の属性インスタンスを使っても良い。
[ISO 19101-1:2014 4.1.12を参照 — 例 1及び2 は削除され、注記 2及び3 は削除され、新しい注記 2 が追加された。]
3.16
geographic data
地理データ
地球に関係した場所への暗示的又は明示的な参照をもったデータ
注記1:地球に関係した場所に暗示的又は明示的に関連する現象に関する情報を意味する用語として、“地理情報”も使用する。
[ISO 19109:2015 4.13を引用]
3.17
metadata
メタデータ
資源についての情報
[ISO 19115-1:2014 4.10を引用]
3.18
model
モデル
実世界の幾つかの側面の抽象概念
[ISO 19109:2015 4.15を引用][翻訳はJIS X 7109 4.14を引用]
3.19
portrayal
描画、描画法
人間が判読するための情報の表現
3.20
quality
品質
対象に本来備わっている特徴の集まりが、要求事項を満たす程度
[ISO 9000:2015 3.6.2を参照 — 注記1及び2は削除された。][翻訳はJIS Q9000:2015 3.6.2を参照]
3.21
specification
仕様
要件及びその要件の抽象試験項目を含む文書
[ISO 19105:2022 3.22を引用]
3.22
specification scope
仕様範囲
特定の特徴を持つデータ製品 (3.8) の一部の定義
注記 1: 仕様範囲は、たとえば、空間的または時間的範囲、特定の機能 (3.13) の種類または特性、又は製品階層に基づく場合がある。
3.23
universe of discourse
論議領域
関心あるものすべてを含んだ、実世界又は仮想世界のビュー
[ISO 19101-1:2014 4.1.38を引用]
[1] ISO 9000:2015, Quality management systems — Fundamentals and vocabulary
[2] ISO 19101-1:2014, Geographic information — Reference model — Part 1: Fundamentals
[3] ISO 19109:2015, Geographic information — Rules for application schema
[4] ISO 19110:2016, Geographic information — Methodology for feature cataloguing
[5] ISO 19111, Geographic information — Referencing by coordinates
[6] ISO 19112, Geographic information — Spatial referencing by geographic identifiers
[7] ISO/TS 19115-3:2016, Geographic information — Metadata — Part 3: XML schema implementation for fundamental concepts
[8] ISO 19117, Geographic information — Portrayal
[9] ISO 19123:2005, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions
[10] ISO 19126, Geographic information — Feature concept dictionaries and registers
[11] ISO/TS 19139-1, Geographic information — XML schema implementation — Part 1: Encoding rules
[12] ISO 19157-1:—3, Geographic information — Data quality — Part 1: General requirements
[13] ISO 19123-1:—4, Geographic information — Schema for coverage geometry and functions — Part 1: Fundamentals
[14] ISO 19105:2022, Geographic information — Conformance and testing
1) Under preparation. Stage at the time of publication: ISO/FDIS 19157-1:2022.
2) Under preparation. Stage at the time of publication: ISO/DIS 19123-1:2022.
3) Under preparation. Stage at the time of publication: ISO/FDIS 19157-1:2022.
4) Under preparation. Stage at the time of publication: ISO/DIS 19123-1:2022.
(2024-10-22)