ISO 19150-6:2023 Geographic information — Ontology — Part 6: Service ontology register
現行
履歴
対応OGC標準:なし
対応JIS規格:なし
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:19150:-6:ed-1:v1:en
セマンティックWebによって、データのWebが導入されてきた。データのWebは、基本的に文書ではなく、機械処理可能なデータに重点を置いたWebの拡張である。これは、人々が実世界の現象及び出来事について独自の視点、理解、又は抽象化に基づいて問い合わせを実行し、人々が互いに通信する際に正確で詳細かつ適切な回答を得ることができる、世界規模の巨大なオープン データベースと見ることができる。このアプローチには、オントロジーに基づく推論機能が含まれる。この規格ではセマンティックWebが、地理情報の分野に新しい機会をもたらし、地理情報のセマンティックな相互運用を実現するために、新しい世代の標準を策定する。
基本的に、オントロジーは哲学に由来し、世界そのものの本性の研究を指す。情報技術及び人工知能の分野では、明示的な概念化仕様を示すためにオントロジーという用語を借用した[4]。地理情報において、オントロジーは、意図された意味を明示し、現象及びその相互関係を記述する定義及び公理を含む、基礎となる語彙を備えた、論議領域内の現象の形式的な表現を指す[2]。情報技術及び人工知能では、「物事(things)」の認識という文脈において、現実が異なって抽象化される可能性があると考えられており、そのため、現実の同じ部分に関する複数のオントロジーが存在する可能性があることが認識されている。オントロジーは、弱い意味論から強い意味論(備考1)まで、分類法、シソーラス(類語辞典)、概念モデル、論理理論など、さまざまな形で形式化できる[4]。
セマンティックWebでは、オントロジーはデータの意味を定義し、機械や応用システムが読み取れる形式でデータを説明する。データを使用する応用システムも、それに関連付けられたオントロジーを通じて、その固有の意味にアクセスできる。オントロジーは、異なるコミュニティによって取得された様々な種類のデータを、意味の類似性に基づいて関連付けることで統合できる。そのために、W3Cは、Web上で形式的な意味を特徴とするオントロジーを作成するための知識表現言語である Web オントロジー言語 (OWL) ファミリーを提案した[5],[7]。
地理情報Webサービスは、Web を構成する重要なコンポーネントである。セマンティック Web は、地理情報Web サービスのオントロジーを導入することで、それらの間の情報交換を容易にすることに役立つ。地理情報Web サービスを支援して、人間の介入を最小限に抑えながらシームレスな、機械の相互運用を可能にするために、それらの検出、構成、及び呼び出しを自動化することが可能である。ISO 19150-4 は、地理情報 Web サービスのオントロジー記述のためのオントロジー フレームワークを規定している。ただし、このようなサービスを発見するには、その実装オントロジーの登録が必要である。この規格では、ISO 19150-4 準拠の地理情報サービス オントロジーの登録に関する標準的な登録及び保守のメカニズムを規定している。この規格は、地理情報サービス オントロジーの国際レジスターを設営するために、ISO 登録機関によって参照可能となることを目的とする。この規格の附属書B には、Web サービス用セマンティック マークアップ (OWL-S)、セマンティック Web サービス オントロジー (SWSO)、Web サービス モデリング オントロジー (WSMO)、OGC Web サービス コモン (OWS-C) など、他の枠組みで記述された GeoWeb サービス オントロジーの登録を可能にするための追加情報が記載されている。
この規格はISOの規格登録機関 (RA: Registry Authority) のための規格ではない。どの組織でもサービス オントロジーのレジスターを作成できる。ISO レジスターを作成することになった場合は、この規格はそのレジスターのための ISO RA 規格の、支援規格として機能する。
この規格の目的は、レジストリー概要と呼ばれる情報書類(information artefact)を規定する ISO/IEC 19763 国際標準群の目的とは異なる。レジストリー概要は、レジストリーの管理面、内容の概要、及び技術的なアクセス方法を説明する情報で構成される。とはいえ、この規格に基づくレジストリーは、ISO/IEC 19763-6(備考2) に従って記述することができる。
ISO/IEC 18384-3 (備考3)は、サービス指向の方式を利用可能にするアーキテクチャ スタイルであるサービス指向アーキテクチャ (SOA) の正式なオントロジーを定義する。ISO/IEC 18384-3 で定義される用語は、ISO/IEC 18384-1 の主要用語である。この規格では、サービス指向によるアーキテクチャ スタイルは提示されていないが、GeoWeb サービス定義では、その説明に ISO/IEC 18384-3 を利用できる可能性がある。
備考1)「弱い意味論」とは、表現の意味を他の表現との関係(推論関係)によって捉える立場、「強い意味論」とは、意味の問題を言語表現とその表現を用いる状況との関係で捉える立場を指す。
備考2)ISO/IEC 19763-6:2015 Information technology — Metamodel framework for interoperability (MFI) — Part 6: Registry Summaryは、レジストリー概要と呼ばれる情報書類を規定する。
備考3)ISO/IEC 18384-3:2016 Information technology — Reference Architecture for Service Oriented Architecture (SOA RA) — Part 3: Service Oriented Architecture ontology
この規格は、ISO 19150-4 準拠の地理情報サービス オントロジーの登録のための標準的な登録及び保守の仕組みを提示する。
この規格は、必要に応じて ISO 19135-1を引用する。
この規格は、オントロジーのセマンティクス演算子又は規則は定義せず、応用システム用のオントロジーの開発もしない。
ISO 19101-1:2014、6.2 に関連して、この規格は ISO 地理情報参照モデルの次の項目を定義し、形式化する:
— Web 上でのデータ処理目的の地理情報サービス コンポーネントとその動作。
— セマンティックWeb の長所を享受し、利用可能にするために ISO/TC 211 国際標準を役立てる(cast)ためのOWL オントロジー。
ISO 19101-1:2014, 8.3(備考1)に関連して、この規格は ISO 地理情報参照モデルのthe Application:Procedural foundation(備考2)を扱う。
備考1) ISO 19101-1:2014, 8.3 Reference model - semantic foundation
備考2) ISO 19101-1:2014, 8.6.3 Application:Proceduralは、何らかの状況に対応するために、4つの処理手順の定義で構成されるが、その中には「登録手順に関する標準」が含まれている。
次に示す規格は、その内容の一部又は全てがこの規格の要件を構成する形で、本文中で参照されている。日付が記載された文献については、引用された版のみが適用される。日付のない参照については、引用規格の最新版(修正を含む)が適用される。
ISO 19101-1, Geographic information — Reference model — Part 1: Fundamentals
ISO 19103, Geographic information — Conceptual schema language
ISO 19135-1:2015, Geographic information — Procedures for item registration — Part 1: Fundamentals
ISO 19150-4, Geographic information — Ontology — Part 4: Service ontology
この規格では、ISO 19101-1 及び ISO 19135-1 に記載されている用語及び定義、並びに次の用語及び定義が適用される。
ISOとIECは、規格化に使用する用語データベースを次のアドレスにおいて維持・公開している。
— IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
— ISO オンライン閲覧プラットフォーム: http://www.iso.org/obp
3.1
service
サービス
インタフェースを通じて、実体によって提供される機能の個別の部分
[ISO 19119:2016 4.1.12を引用]
[1] ISO/TS 19150-1, Geographic information — Ontology — Part 1: Framework
[2] Brodeur J. et al., Revisiting the Concept of Geospatial Data Interoperability within the Scope of a Human Communication Process. Trans. GIS. 2003, 7 (2) pp. 243–265
[3] Bi J. et al., Research on ontology for geospatial Web services. Geomatica. 2018, 72 (2) pp. 39–57
[4] Daconta M.C., Obrst L.J., Smith K.T., The Semantic Web: A Guide to the Future of XML, Web Services, and Knowledge Management. Wiley Publishing, Inc, 2003
[5] Hitzler P., Krötzsch M., Rudolph S., 2010, Foundations of Semantic Web Technologies [Chapman & Hall/CRC (Taylor & Francis Group)].
[6] ISO/IEC, Directives, Part 1, Consolidated ISO Supplement — Procedures for the technical work — Procedures specific to ISO, Twelfth edition, 2021
[7] Open Geospatial Consortium Inc. 2010, OGC Web Service Common Implementation Specification, version 2.0.0, OGC 06-121r9 [online]. Available from: http://www.opengeospatial.org/standards/common
[8] OWL-S. Semantic Markup for Web Services. (OWL-S release 1.2) [online]. Available from: http://www.daml.org/services/owl-s/1.2/overview/
[9] W3C, 2004, OWL-S: Semantic Markup for Web Services (OWL-S 1.1) (W3C Member Submission 22 November 2004) [online] Available from: https://www.w3.org/Submission/OWL-S/
[10] W3C, 2005, Semantic Web Services Ontology (SWSO) (W3C Member Submission 9 September 2005) [online]. Available from: https://www.w3.org/Submission/SWSF-SWSO/
[11] W3C, 2005, Web Service Modeling Ontology (WSMO) (W3C Member Submission 3 June 2005) [online]. Available from: https://www.w3.org/Submission/WSMO/
[12] W3C, 2010, WSMO-Lite: Lightweight Semantic Descriptions for Services on the Web (W3C Member Submission 23 August 2010) [online]. Available from: https://www.w3.org/Submission/WSMO-Lite/
[13] W3C, 2012, OWL 2 Web Ontology Language Primer (Second Edition) (W3C Recommendation 11 December 2012), W3C [online]. Available from: https://www.w3.org/TR/owl-primer/
[14] ISO 19119:2016, Geographic information — Services
(2025-03-13)