本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
本ページでは以下を検証します。尚、本ページで検証しているサイトは「検証13」以降で検証してきた多数の詐欺サイトに関与していると思われる中国系のグループによるサイトではなく、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや「検証83」、「検証87」で検証しているサイト、さらには姉妹サイトの「検証151」、同じく姉妹サイトの「検証152」で検証した仮想通貨のサイトなどを運営している海外の詐欺グループによるサイトである可能性が高いです。検証対象は順次追加の予定です。
●Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
●STONE WALL CAPITAL (ストーンウォールキャピタル https://www.stonewall.capital/jp)
●LukInvest (Lukインベスト https://lukinvest.com/ja/) → 閉鎖確認
●24forexmarket (24フォレックスマーケット https://24forexmarket.com/ja/) → 閉鎖確認
●fxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) → 閉鎖確認
●FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
●tredero (トレデロ https://tredero.com/ja/) → 閉鎖確認
●Savexa (サベクサ https://www.savexa.com/ja/)
まず以下のサイトから検証します。
●Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
これはYahoo知恵袋に出てきた質問から発見したサイトです。まずその質問投稿を引用します。
残念ながら質問はこれだけでどういう経緯でこの質問をしているのか全く情報がありませんし、URLアドレスも示されていません。
さらにYahooファイナンスにも以下の質問が出ていました。
この質問でもどういう経緯でEmarladoという取引所を見つけることになったのか情報がありません。
さらにこの検証を書いた後ですが、Yahoo知恵袋にさらに続々と質問投稿が出てきました。
フェイクニュースからの誘導でEmarladoで口座開設してしまったもののどんなきっかけがあったのか不明ですが詐欺サイトである可能性に気が付いたようで、アカウントの削除について質問しています。
お笑い芸人の小島よしお氏のフェイクニュース広告を見てEmarladoでのビットコインとゴールドの投資を始めてしまったようで途中で心配になり、この質問を投稿しているようです。小島よしお氏についてはフェイクニュース広告が確認されており、姉妹サイトの「検証152」で取り上げています。
この質問の投稿者は「徹子の部屋のフェイク動画」に引っかかって口座開設+入金してしまったようです。詐欺と気が付いてカードなどを停止したものの執拗に勧誘の電話が掛かってきているようです。これら2件の質問では勧誘された経緯がフェイクニュースあるいはフェイク動画となっており、「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや「検証83」、「検証87」で検証したサイト、さらには姉妹サイトの「検証151」、同じく姉妹サイトの「検証152」で検証した仮想通貨のサイトなどにおいてしばしば報告されている勧誘の手口に合致します。Emarladoは同じグループによる詐欺サイトである可能性がこの時点で濃厚と考えられました。
この質問の投稿者は既に入金してしまい、出金しようとしたところ困難が生じたことで詐欺を疑い、この質問を投稿して対策を問うています。そして結局出金できなかったようです。
ともかく、2件目に引用した質問投稿に示されているURLアドレスのサイトにアクセスしてみることにしました。以下にまずサイト冒頭の画像を示します。
▼Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/) [表示言語:日本語、英語、ヒンディー語]
この冒頭部を見ただけではこれまでに見てきた多くのFX業者のサイトのいずれかと似ているようには思えません。次に示すのはサイトの特長を説明している部分です。
▼スマート・テクノロジー
▼24時間365日サポート
▼豊富なリソース
▼規制と安全性
▼多様な市場
の5項目が「Emarlardを選ぶ理由」として挙げられています。
まず最後の「多様な市場」という項目を見ると「外国為替、指数、株式、商品、暗号通貨、金属など」が取引対象として挙げられています。しかし例えば「外国為替 (FX)」に関して記述のあるサブページ (https://www.emarlado.com/ja/forex/) を見ても以下に一部を示した取引されてる通貨ペアのリスト (全部で47種の通貨ペア) が示されているぐらいでスワップ金利とかスプレッドなど普通のFX業者ならば必ず示されているような情報がありません。
ちなみにこの通貨ペアの一覧に既視感を感じたので調べてみると「検証4」や「検証83」で検証したサイトの幾つかに似たような通貨ペアの一覧があることが分かりました。例えば以下に示したのは「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) のサイトの通貨ペアの一覧の一部です。
同様に以下は「検証4」で検証したフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) で扱っている通以下ぺの一覧です。
通貨ペアの種類、その並び順、400倍というレバレッジ、「買い」と「売り」あるいは「購入」と「販売」と書かれたリンクボタンなど比較してみると互いにかなり似ているように思われます。それほど強い根拠とは言えませんが、これらのサイトが組織的に結びついている可能性が示されたように思われます。
Emarladoの5項目の特長の説明に戻りますが、5項目の中で最も気になるのは「規制と安全性」という項目です。この項目の文章を以下に書き出します。
>規制と安全性
>Emarladoは、Mwali International Services Authorityによって認可され、規制されており、お客様の資金と個人情報を保護するための厳格な基準を遵守しています。
>さらに、分別管理された口座を使用することで、お客様の資金を当社の運営資金とは別に保管し、資金の安全性を最優先しています。
「Mwali International Services Authority」から金融ライセンスを取得しているという主張のようです。さらにEmarladoのサイトの脚注にも同様の記述があります。
ここでも記述を以下に書き出します。
>会社情報:StarLight Wave Ltdは、登録番号2023-00491の下にセントルシアで法人化され、登録事務所の住所をGround Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia,に置いている、ライセンス番号T2023397の下でムワリ国際サービス局からライセンスを付与されている国際金融機関および清算機関です。
Mwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局 https://mwaliregistrar.com/) というのはインド洋に浮かぶ島国のコモロ諸島のムワリ島 (モヘリ島) の組織です。このムワリ国際サービス局のサイトの「About」のサブページによればムワリ島は人口が約38500人という島ですから多数の金融機関が必要とは思えません。ところがこのムワリ国際サービス局の「Brokerage Companies (証券会社)」の登録リストにはこの検証を書いている2024年10月現在で審査中なども含めて267件の登録があります。おそらく申請料を払えば簡単にライセンスを取得できるようなザル審査になっているのだと思われます。そしてその中に確かにEmarladoの運営会社とされているStarLight Wave Ltdが含まれていることを確認しました。以下に画像を示します。
130番目の登録としてEmarladoのサイトの運営会社とされているStarLight Wave Ltdの登録が確認出来ます。また上の画像の表で「Verify Licenses」という欄の「Verify」をクリックすると以下に示したStarLight Wave Ltdの登録情報が出てきます。
Emarladoのサイトの脚注に記されている「登録番号 (Company number) 2023-00491」、「ライセンス番号 (License number) T2023397」が一致しており、さらにEmarladoのURLアドレス (https://emarlado.com/) も示されています。これがEmarladoの主張するMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局) の登録で間違いないでしょう。
そしてここには幾つかEmarladoのサイトには記されていない情報が示されています。
ライセンス取得日付: 2023年10月27日
CEO (最高経営責任者) 名: IVANA PEJOVIC
住所: Budva, Montenegro
Address (住所) はCEO (最高経営責任者) の住所という意味ではないかと思われますが、モンテネグロのBudva (ブドヴァ) というアドリア海に面した街になっています。
一方で既に示したようにEmarladoのサイトの脚注には以下のような記述があります。
>登録事務所の住所をGround Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia,に置いている
この住所のセントルシアはカリブ海に浮かぶ島国であり、コモロ諸島とかモンテネグロとは遠く離れた国です。またこの住所を検索すると多数のFX業者の登録住所としてこの住所が使われていること、さらに以下に示したFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の拠点の住所と一致することが分かります。
実はこのFORTGATEというオフショア会社のセントルシアの住所を登録住所としているFX業者は本サイトでこれまでに検証してきたFX業者の中にも確認されています。具体的には以下の4つの業者の運営会社で全く同じセントルシアの住所が登録住所になっています。
「検証4」 ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
「検証4」 Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
「検証83」 ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
「検証83」 KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
またEmarlardがコモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局 https://mwaliregistrar.com/) で登録を得ていることを示しましたが、本サイトでこれまでに検証しているサイトの中に同様にムワリ国際サービス局でライセンスを取得しているサイトが複数存在しています。具体的には以下が該当します。
「検証4」 ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
「検証4」 Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
「検証83」 Maunto (https://www.maunto.com/ja)
「検証83」 ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
「検証83」 キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)
「検証83」 KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
「検証83」 ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)
さらに以下で検証している2つのサイトもムワリ国際サービス局でライセンスを取得しています。
「検証84」 FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
「検証84」 サベクサ (https://www.savexa.com/ja/)
セントルシアのFORTGATEというオフショア会社の住所を登録上の住所としている4つのサイトは全てコモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局) で金融ライセンスを取得していると主張しています。そしてこれらのサイトは「検証4」や「検証83」で説明してきたように同じ海外の詐欺グループによる詐欺目的のサイトである可能性が濃厚です。さらにここで検証しているEmarladoについてもセントルシアのFORTGATEというオフショア会社の住所を登録上の住所としていて、コモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局) で金融ライセンスを取得と主張しているのです。Emarladoも同じ海外の詐欺グループによる詐欺目的のサイトではないのかという可能性が疑われることになりました。
尚、Emarlardのサイトに示されている連絡先情報としては他に以下に示した電話番号とメールアドレスが示されている部分があります。
>+442 070 363881
>info@emarlado.com
電話番号とメールアドレスが書いてありますが、電話番号は国番号を意味すると思われる[+442] から始まっています。しかし国際電話の国番号リストを見ても[+442] という国番号はありません。[+44] ならイギリスの国番号ですが、イギリスの法人番号を検索できるサイトで「Emarlado」や運営会社名の「StarLight Wave Ltd」を検索しても該当すると思われるイギリスの法人登録は見つかりません。この電話番号が本当に使われているかどうかは疑問です。
尚、連絡先情報については例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが、登録者の情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2023年10月17日となっており、この検証を書いている2024年10月上旬現在でサイトの登録・開設から1年弱ということになります。
さらにEmarlardのサイトの検証を続けますが、サイトを調べてみるとセントルシアの住所やコモロ諸島のムワリ国際サービス局からライセンスを得ているという件以外にも「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証したサイトとの組織的な関連の可能性を強く示唆するような部分があることが分かりました。以下はEmarlardのサイトのメニューバーにある「取引口座」という項目からリンクされているサブページにある5種類のアカウントを説明する表の画像です。
「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」の5種類のアカウントが存在していて上級のアカウントの方がスプレッドが狭くなっているなど少し有利な条件になっているようです。そして「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証している一連のサイトにもこれと似たような3~6種類のアカウントが用意されています。以下に「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに以下で検証している一連のサイトで用意されているアカウントの名称のまとめを示します。
サイト名 アカウントの名称
▼エックスプロマーケッツ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼エランドロード: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼フェニックスリミテッド: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベサキャピタル: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽インベストマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽31FX: 確認出来ず。
▽Kyoto FX: 確認出来ず。
▽アジアFXプロ: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽FXKYOTO: 確認出来ず。
▽FXマグナス: 「クラシック」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」「VIP」
▼FXタンパ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽RNインベスティング: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベスティコ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽ビッグマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▼Ventorus: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽エッジファイナンス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」「プロ」
▽トレドポール: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「ダイヤモンド」「VIP」
▽ポートレイズ: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▼ModMount: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼Maunto: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブルマーケッツ: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ニッポンキャピタルFX: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽OYASHIMA FX: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「VIPプラチナ」「VIPダイアモンド」
▽Aboveインベスティング: 「ベーシック」「アドバンスト」「VIP」
▽ZENマーケッツ: 「スターター」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽キャッププレイス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽KROXIO: 「ルーキー」「エキスパート」「エリート」「デラックス」「タイタン」
▽アローインベスト: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽ファーストECN: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▼Emarlado 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ストーンウォール: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽lukインベスト: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽24フォレックスマーケット:「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽fxonet: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽トレデロ 「スタートアップ」「ブロンズ」「銀」「金」「プラチナ」
▼サベクサ 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブロックブリッジ: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽ShinjukuFX: 「ブロンズ」「銀」「金」「白金」「ダイヤモンド」
▽クイックキャッシュFX: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽Berrypax: 「基本 (ベーシック)」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽INNVESTER: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブル・オントレード: 「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」
Emarlardのサイトと同じ「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」という5種類のアカウントの組み合わせが確認されているのは▼を付けたEmarladoを含めて9つのサイトです。ブル・オントレードの「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」というアカウント名も日本語か英語かという違いだけで本質的に同じと考えられます。アカウント名が一致する9つのサイトの中で例えば以下は「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) のサイトの5種類のアカウントを説明する表の画像の再掲です。
このMauntoのサイトでもEmarlardの場合と全く同じで「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」の5種類のアカウントが用意されています。さらに例えばユーロ/米ドルの通貨ペアのスプレッドをEmarlardとMauntoのサイトで比較してみます。
アカウントの種類 Maunto Emarlard
「クラシック」 2.5 2.5
「シルバー」 2.5 2.5
「ゴールド」 1.8 1.8
「プラチナ」 1.4 1,4
「VIP」 0.9 0.9
EmarlardとMauntoの5種類のアカウントはアカウント名が同じであるというだけでなく、スプレッドの設定も全く同じです。それ以外の部分についてもEmarlardとMauntoの5種類のアカウントの取引条件は全く同じ、表で取り上げられている項目やその並び順まで全く同じです。これはどう考えても偶然とは思えません。こうした複数のアカウントの存在や取引条件の一致もEmarlardが「検証4」や「検証83」で検証してきた一連のサイトと組織的に結びついている可能性を強く示唆するものと考えます。
さらに組織的繋がりの証拠として決定的なのはEmarlardのサイトのメニューバーにある「会社概要」という項目から選択出来る「法的 (文書)」というサブページにある取引条件などを示すPDFファイルです。以下にEmarlardのサイトにある9つのPDFファイルのリストの画像を示します。
こうした利用規定などをサイトに直接文章として示すのではなく、わざわざPDFファイルの形で開示するというのも「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証している一連のサイトで繰り返されているパターンです。例えば以下は「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) のサイトに用意されているPDFファイルのリストです。このMauntoのサイトでもEmarlardの場合と同じく、9つのPDFファイルが用意されていることが確認出来ます。
それぞれのサイトの9つのPDFファイルの内、「リスク開示」「AMLポリシー」「クライアント契約」「苦情処理手順」の4つのファイルのタイトルがEmarlard、Mauntoの2つのサイトで共通ですし、残りの5つのファイルのタイトルも例えば「ご利用条件」と「利用規約」、「一般料金」と「一般手数料」など互いに似ているようです。
さらにEmarlardのサイトに用意されているPDFファイルはその中身を見ても「検証4」や「検証83」で検証している一連のサイトのPDFファイルの内容と明らかに似ている部分が確認出来ます。例えば以下はEmarlardのサイトでPDFファイルリストの左下に見える「一般料金」というPDFファイルの冒頭、Withdrawal Fees (出金手数料) の規定の部分です。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、E-ウォレットの場合は3.5%というかなり高額の出金手数料が課されるとなっています。さらに電信送金(ワイヤートランスファー) の場合は1件当たり、30ドルというやはりかなり高額の手数料が課せられるという規定になっています。
一方で例えば以下には「検証83」で検証したMauntoのサイトの「一般手数料」というPDFファイルの冒頭の出金手数料の規定が書かれている部分の画像を示します。
同様に以下は「検証4」で検証したフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) のサイトにあった「一般料金-Phoenix」というPDFファイルの冒頭部の画像です。
このMauntoやフェニックスリミテッドのサイトの規定もEmarladoの規定と酷似していてクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、E-ウォレットの場合は3.5%、電信送金(ワイヤートランスファー) の場合は1件当たり、30ドルという高額の手数料が課せられるという規定になっています。2つのサイトの出金手数料規定は文章も手数料率 (手数料額) も書式も同じで明らかに同じテンプレート由来でしょう。
さらに以下にはEmarlardの「一般料金」というPDFファイルで出金手数料の規定に続いて出てくるInactivity/Dormancy Fees (休眠手数料) に関する規定の部分を示します。
取り引きしないでいる期間が1ヶ月を超えて2ヶ月までは100ユーロ、2ヶ月から6ヶ月までは毎月250ユーロ、6ヶ月から12ヶ月までは毎月500ユーロ、12カ月を超えると毎月1000ユーロがInactivity/Dormancy Fees (休眠手数料) として徴収されるというおよそ信じがたい規約になっています。
そしてこれと非常によく似た規定がMauntoやフェニックスリミテッドのサイトの規定にもあります。以下にまずMauntoのInactivity Fees (休眠手数料) に関する規定の画像を以下に示します。
1ヶ月以上取引しないでいると休眠手数料が発生し、1~2ヶ月までは100ユーロ、2~6ヶ月までは250ユーロ、6ヵ月から1年までは500ユーロ、1年を超えると口座が凍結されてしまうようです。
同様にフェニックスリミテッドのサイトのInactivity Fees (休眠手数料) に関する規定の画像を以下に示します。
フェニックスリミテッドの場合も1ヶ月(30日) 以上取引しないでいると休眠手数料が発生し、30日から60日までは100米ドル、60日から180日までは250米ドル、180日を超えると500米ドルの休眠手数料が徴収されてしまうようです。
これら3つのサイトの休眠手数料の規定は全く同じという訳ではありませんが、1ヶ月(30日) 以上取引しないでいると休眠手数料が発生し、さらに取引しないでいる期間が長くなるほど休眠手数料が高額になっていくという点では基本的に同じです。またこのように高額の罰金的な手数料が課されるという規定がいずれのサイトでもわざわざ開いて見なければ分からないPDFファイルに記されているという点でも共通しており、悪意を感じざるを得ません。そもそもこうした高額の休眠手数料を課す合理性はどこにあるのでしょうか?
本項で検証したEmarlardというサイトは「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証してきたサイトと明らかに似た点が認められ、同じグループによるサイトである可能性が極めて濃いです。特にこの項目で比較対象として取り上げた「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) や「検証4」で検証したフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) といったサイトと類似点が多いようです。
そしてそれら「検証4」や「検証83」で検証してきた同じグループによると思われるサイトについては多数の被害報告が確認されています。またEmarlardのサイト自体についても連絡先情報などの開示が明らかに不充分、不適切であり、コモロ諸島の金融ライセンスも信頼性が高いものとは思えません。さらに高額な出金手数料や不当としか思われない休眠手数料など顧客にとって著しく不利な取引条件も非常に気になります。Emarlardでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記1
Yahoo知恵袋にEmarlardに関する質問がもう1件出てきましたが、自作自演の宣伝投稿ではないかと疑いたくなるような投稿になっています。
質問者の投稿ID (1053273793) はこの質問が投稿された2024年10月4日の2日前、2024年10月2日に取得されています。回答者の投稿ID (1153279809) も回答の投稿当日に取得されています。
そして回答にはEmarladoが詐欺ではない、信頼出来る業者であると主張するような2つのブログへのリンクが貼られています。それぞれの冒頭部の画像と共に示します。
▼FXドットコム! (https://mura-fx-diary.com/)
▼Emarlado Scam (https://www.emarladoscam.com/ja/)
※付記2
2025年1月29日付で関東財務局からEmarladoについて無登録の違法業者であるとして警告が出ました。以下に警告の画像を示します。直接の警告対象はEmarladoの運営会社であるStarLight Wave Ltdになっています。
●STONE WALL CAPITAL (ストーンウォールキャピタル https://www.stonewall.capital/jp)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトであり、その後、関東財務局から無登録の違法業者として警告も出ています。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
Youtubeに出てきたイーロンマスク氏の名前や画像を使った広告で「Quantum Open AIを使った投資」が出来るという「ストーンウォールキャピタル」が紹介されていたが信用出来るかという質問内容になっています。イーロンマスク氏が金融や投資に関わっているという情報は見つかりませんし、自らが関わっていない投資先を紹介する広告に登場するなんてことがあるとは思えません。そしてその広告からリンクされていたストーンウォールキャピタルのURLアドレス (https://stonewallcapital.co.za/public/jp) が記されていますが、この検証を書いている2024年10月中旬時点でこのURLアドレスにアクセスしてみると以下のページ (https://stonewall.capital/jp/jp) にリダイレクトされます。
エラーメッセージのような文章が書かれています。以下に書き出します。
>Something was wrong. (問題が発生しました。)
>Page not found. (ページが見つかりません。)
>The page you are looking for doesn't exist or has been moved (お探しのページは存在しないか、移動されています)
>Go to main page (メイン ページへ移動)
Yahoo知恵袋の質問高校に出てきたURLアドレスのサイト (https://stonewallcapital.co.za/public/jp) は既に閉鎖されているようでリダイレクトされるページ (https://stonewall.capital/jp/jp) にはエラーメッセージと「メインページ」、つまり表題のサイトへのリンクが用意されているという状況のようです。
ちなみに既に閉鎖されているストーンウォールキャピタル (https://stonewallcapital.co.za/public/jp) と本項で検証対象とするストーンウォールキャピタル (https://www.stonewall.capital/jp) のWho Is 情報を以下に順に示します。
いずれのストーンウォールキャピタルのサイトも黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日が2022年6月15日になっています。つまり2つのストーンウォールキャピタルのサイトは同日に登録・開設されています。どういう理由があって同じ名称のサイトを2つ立ち上げて、一方は短期間で閉鎖したのか何の説明もなく、理解に苦しみます。
それから2024年9月25日付で関東財務局から以下に画像を示しましたがストーンウォールキャピタルが無登録の違法業者であるという警告が出てきました。これもストーンウォールキャピタルのサイトの検証を書くことにした理由です。
そして以下が本項で検証するストーンウォールキャピタルのサイトの冒頭部の画像です。
▼ストーンウォールキャピタル (https://www.stonewall.capital/jp) [表示言語:英語、マレー語、日本語、インドネシア語、ヒンディー語]
表示言語は英語、マレー語、日本語、インドネシア語、ヒンディー語という5ヵ国語からの選択になっています。しかし上の画像で「始めるのはここをクリックしてください」と書かれたリンクボタンをクリックすると出てくる口座開設画面 (https://client.stonewallcapital.tech/#/auth/register) は以下に画像を示しますが、表示言語の選択肢は英語と日本語しかありません。このサイトは特に日本人を主な標的にしているサイトである可能性が高いです。
トップページに戻って冒頭部に続いて出てくるのは以下に示した「3つの簡単なステップ でトレーダーになる」と題された部分です。
この部分で気になるのは第2段階のところに記されている以下の文章です。
>最低250ドル以上の入金で口座を有効にします。
入金額が最低250ドルに設定されているとか勧誘の電話で初回に250ドルの入金を指示されたといった情報が海外のグループによると思われる「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証したサイトでしばしば確認されているのでこのストーンウォールキャピタルというサイトもこれだけの情報では断定するには判断材料として明らかに不足ですけれども同一の海外のグループによるサイトなのではないかという可能性が考えられました。
ところがこのサイトには最低入金額250ドルという記述と矛盾しているように思われる部分があります。それが4種類用意されているアカウントの説明の部分です。4種類のアカウントについてはトップページに加えてメニューバーの「アカウントタイプ」という項目からリンクされているサブページ (https://www.stonewall.capital/jp/account-types) にも説明があります。以下には情報量が多いサブページの説明の画像を示します。
「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4つのアカウントタイプがあり、最低入金額の項目を見るとそれぞれ1万ドル、5万ドル、10万ドル、25万ドル (あるいは1万ユーロ~25万ユーロ、1万ポンド~25万ポンド) となっているようです。最低入金額250ドルという記述と矛盾しているようにしか思えませんが、ブロンズよりも下に入門用のアカウントがあるのかもしれません。
ここで「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一連のサイトで用意されているアカウントの種類や最低入金額について以下に再度まとめておきます。
サイト名 アカウントの種類 最低入金額
エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル
エランドロード: 5種類 250ドル
フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル
インベサキャピタル 4種類 250ドル
インベストマーケッツ 4種類 250ドル
アジアFXプロ 6種類 不明
FXマグナス: 5種類 250ドル
FXタンパ: 5種類 250ドル
RNインベスティング: 5種類 1000ドル
インベスティコ: 4種類 250ドル
ビッグマーケッツ: 4種類 250ドル
Ventorus: 5種類 不明
Azelisファイナンス: 5種類 250ドル
エッジファイナンス: 5種類 250ドル
トレドポール: 5種類 250ドル
ポートレイズ: 5種類 250ドル
ModMount: 5種類 250ドル
Maunto: 5種類 不明
ブルマーケッツ: 4種類 250ドル
ニッポンキャピタルFX: 6種類 不明
OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)
ZENマーケッツ 6種類 250ドル
キャッププレイス 3種類 不明
KROXIO 5種類 250ドル
アローインベスト 6種類 不明
ファーストECN 3種類 不明
Emarlado 5種類 不明
ストーンウォールキャピタル 4種類 250ドルあるいは1万ドル?
lukインベスト 6種類 200ドル
24フォレックスマーケット 4種類 250ドル
fxonet 4種類 250ドル
トレデロ 5種類 250ドル?
サベクサ 5種類 250ドル
ブロックブリッジ 6種類 250ドル
ShinjukuFX 5種類 250ドル? 5,000ドル?
クイックキャッシュFX 6種類 200ドル
Berrypax 5種類 250ドル
INNVESTER 5種類 250ドル
ブル・オントレード 5種類 不明
RNインベスティングが最低入金額が1000ドル、lukインベストとクイックキャッシュFXが200ドル、最低入金額が不明の場合が7つありますが、他は殆ど最低入金額が250ドルです。OYASHIMA FXの場合は4万円となっていますが、1ドル=160円で計算すれば250ドルになります。ストーンウォールキャピタルの「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という4種類のアカウントの名称もこれら「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきた一連のサイトのアカウントの名称と似ています。例えば「検証4」で検証したAzelisファイナンス (https://azelisfinance.pro/) のサイトには5種類のアカウントが存在していますがその5種類のアカウントの名称は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」となっています。
さらに「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証してきたサイトと似ているように思われる点はこれだけではありません。例えば以下はメニューバーにある「私たちについて」という項目の中に出てくる「法的書類」と題されたサブページにあるPDFファイルのリストです。
「プライバシーポリシー」とか「AML (アンチマネーロンダリング) & KYC (Know-Your-Customer)ポリシー」など規定などを記した6つのPDFファイルが用意されています。但しこれらのファイルは全て英語版のみのようです。こうした利用規定などが複数の英語版のPDFファイルでのみ示されているというのも「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきた一連のサイトの多くで見られるパターンです。但しストーンウォールキャピタルの場合はPDFファイルの数が6つで9個あるいは10個が用意されている場合が多い他のサイトに比べて少ないです。「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきた一連のサイトでは売買手数料とか入出金の際の手数料、さらには異様に高いINACTIVE FEE (一定期間以上取引のない口座を休眠口座として課せられる手数料) といった規定に関するファイルが存在しません。
次に連絡先情報を探しました。「お問い合わせ」のサブページに住所、メールアドレス、電話番号が示されています。
記述を以下に書き出します。
>弊社の住所:
>34 Shortens Country Estate Lee Barns Boulevard Ballito, 4301, South Africa
>メールでのサポート
>support@stonewallcapital.co.za
>カスタマーサポート
>+27105003625
>+27105001997
住所は南アフリカのBallitoという町になっています。電話番号も[+27]という南アフリカの国番号から始まっています。しかし市外局番 (Area Code) の部分がおかしいです。2つの電話番号の市外局番 (Area Code)は「(0)10」になっていますが、Wikipediaにある南アフリカの市外局番 (Area Code) のリストを見るとBallitoの市外局番は「(0)32」になっており、「(0)10」という市外局番 (Area Code) は南アフリカ最大の都市であるヨハネスブルクに割り当てられています。ちなみにBallitoは南アフリカのクワズール・ナタール州、ヨハネスブルクはハウテン州にあり、明らかに別の場所です。住所と電話番号が互いに矛盾していることになり、連絡先情報の信頼性が強く疑われます。
さらにサイトの脚注部分に非常に小さい活字で連絡先情報やライセンスに関して記述があります。以下に拡大して示します。
記述を以下に書き出します。
>STONE WALL CAPITALはFINDEXA ADVISORY(PTY)LTDの製品であり、南アフリカの金融行動監督局(FSCA)によって認可され規制されている金融サービスプロバイダーです。FSP番号52500および登録番号2022/504112/07を持ち、34 Shortens Country Estate Lee, Ballito, Kwa-Zulu Natal, 4420 South Africaに登録されており、その子会社FINDEXA ADVISOR EU LTDはキプロスのリマソール、Filosofou Lapithi, 40, 3117に登録されています。FINDEXA ADVISOR EU LTDは取引処理のためにFINDEXA ADVISORY(PTY)LTDのEU請求代理店として機能します。
日本語がおかしい部分がありますが、ストーンウォールキャピタルの運営会社であるFINDEXA ADVISORY(PTY)LTDが金融ライセンス (FSPライセンス番号52500) を南アフリカの金融セクター行動監督機構 (FSCA) から取得しているということのようです。そこでこのライセンスの確認を試みました。南アフリカのFSCAのサイト (https://www.fsca.co.za/Pages/Default.aspx) から登録業者の検索ページを探してFSPライセンス番号52500を入力すると確かに以下のキャプに示したFINDEXA ADVISORY(PTY)LTD の登録情報が見つかりました。
登録の日付は2022年8月11日、住所は「お問い合わせ」のサブページに書いてあったのと同じ以下の住所になっています。
>34 Shortens Country Estate Lee Barns Boulevard Ballito, 4301, South Africa
但し、電話番号は「お問い合わせ」に記されていた2つの電話番号とは異なる番号になっています。
>072-252-3482
市外局番 (Area Code) は「072」となっていてこれもWikipediaにある南アフリカの市外局番 (Area Code) のリストで調べてみるとVodacom (ボーダーコム) という携帯電話会社に割り当てられた携帯電話の番号のようです。所在が特定できない携帯電話の電話番号で金融ライセンスが取得できてしまうというのは日本では考えられないように思います。そして南アフリカの金融ライセンスだけで信頼出来る金融機関と判断することは出来ません。この検証ではストーンウォールキャピタルと「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきた一連のサイトとの関連が複数の点で認められることを指摘してきましたが、それら組織的な関連の可能性があるサイトの中に南アフリカの金融セクター行動監督機構 (FSCA) から取得しているサイトがあります。具体的にはいずれも「検証4」で検証した以下の5つのサイトにFSCAでライセンスを取得しているという記述が確認されており、さらにFSCAのサイトでいずれの登録も確認されています。
▼エックスプロマーケッツ (https://xpromarkets.com/ja/)
▼エックスプロマーケッツ (https://xpromarkets.website/ja/)
▼エランドロード (https://www.ellandroadcapital.com/ja/)
▼インベサキャピタル (https://www.invesacapital.com/international/ja/)
▼インベスティコ (https://www.investico.com/international/ja/)
しかしこれら5つのサイトはこの検証を書いている2024年10月中旬時点で全て何の告知もなく閉鎖されているようでアクセス出来なくなっています。
ストーンウォールキャピタルについても同日に登録・開設されたサイトが2つ存在していたが、既に一方は閉鎖されていることも考えると突然何の告知もなく閉鎖されてしまう可能性があるものと考えざるを得ません。ストーンウォールキャピタルでの投資は全く推奨できません。
●LukInvest (Lukインベスト https://lukinvest.com/ja/) → 閉鎖確認
これは同じグループによると思われる以下の5つのサイト
▼ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
▼Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
▼ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
▼KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
上で検証したEmarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
で登録住所として共通して登場する以下の住所を検索していて存在に気が付いたサイトです。
>Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia
この住所はこれら5つのサイトの検証で説明してありますがFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の連絡先情報に記されているセントルシアオフィスの住所と一致しているようでこのオフショア会社を利用した架空住所と思われます。そしてこの住所を登録住所としているサイトとして見つかってきたのが本項で検証するlukインベストというサイトです。さらにこのサイトについて調べてみると「検証4」、「検証83」、「検証87」、そして上で検証している同じグループによる可能性が高い一連のサイトと似ている部分があり、これも同じグループによるサイトの可能性が高いということで検証対象とすることにしました。
まず以下にサイト冒頭部の画像を示します。
▼Lukインベスト (https://lukinvest.com/ja/) [表示言語:英語、日本語]
表示言語の選択肢は日本語と英語だけで日本人を主な標的にしている可能性が考えられます。このサイト冒頭部は特にこれまで検証してきたサイトと似ているようには思えません。そしてこの冒頭部に続いては以下に示す取引対象を説明する部分が出てきます。
外国為替 (FX)、コモディティ、株式、インデックスの4項目が取引対象として挙げられています。しかし取引対象に関する説明は充分とは言えません。例えば外国為替 (FX) なら取引出来る通貨ペアとか取引単位、スプレッド、スワップ金利といった普通のFX業者のサイトならば必ず示されているであろう情報が見当たりません。こうした基本的な情報の欠落は本当にこのサイトで取引が行われているのか疑うレベルです。
次に出てくるのは以下に画像を示しますが「高速に利用できる最先端トレードプラットフォーム」と題された取引環境に関する説明の部分です。
トレードプラットフォームの使いやすさや高速取引が可能であることなどを強調しているようですが、既存の取引アプリなのかどうかよく分かりません。
そしてこのサイトでかなり気になる点の1つがメニューバーの「トレード」という項目の中から選択出来る「アカウントタイプ」と題されたサブページの記述です。画像を以下に示します。
6つのアカウントが存在しているようです。
アカウント名 最低入金額
Basic (ベーシック) 200ドル
Gold (ゴールド) 1万ドル
Platinum (プラチナ) 2万5000ドル
Diamond (ダイヤモンド) 5万ドル
Executive (エクゼクティブ) 10万ドル
VIP 25万ドル
最低入金額の違いによって6つのアカウントが存在し、例えば「テクニカル分析」が利用できるのはエクゼクティブとVIPのアカウントのみとなっているなど上級のアカウントほど提供されるサービスが増えるようです。そして上に書いたEmarladoの項目でまとめを書きましたが、「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している同一グループが運営している可能性が高い一連のサイトの多くでもこれと似たような3~6種類のアカウントが用意されていることが分かっています。それら他のサイトの複数のアカウントでは最低入金額が最も低いアカウントの最低入金額が250ドルとなっている場合が多く、Lukインベストの場合は200ドルが最低入金額となっているのと異なります。これは円安による設定額の変更かもしれません。
また「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している同一グループが運営している可能性が高い一連のサイトの多くには利用規約などがサイトの記述ではなく、PDFファイルという形で示されているという共通点があります。lukインベストの場合もメニューバーの「弊社に関して」という項目の中にある「法的書類」からリンクされているサブページに以下に画像を示したPDFファイルのリストがあります。
「口座開設契約書」 (https://lukinvest.com/assets/legals/account-opening-agreement.pdf)
「プライバシーポリシー」 (https://lukinvest.com/assets/legals/privacy-policy.pdf)
「AMLポリシー」 (https://lukinvest.com/assets/legals/aml-policy.pdf)
「パートナー契約」 (https://lukinvest.com/assets/legals/partners-agreement.pdf)
「リスク開示方針」 (https://lukinvest.com/assets/legals/legal-risk-disclosure.pdf)
「返金ポリシー」 (https://lukinvest.com/assets/legals/refund-policy.pdf)
と題された6つの英語版しか存在しないPDFファイルが用意されています。そしてこれらのファイルの内容は「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証しているサイトのPDFファイルと露骨に酷似しているわけではないのですが、似たような記述が確認されます。例えば最初の「口座開設契約書」 (https://lukinvest.com/assets/legals/account-opening-agreement.pdf) の内容の一部、口座の凍結や休眠口座の扱いに関する部分の画像を以下に示します。
記述を以下に書き出します。
>29. FREEZING OF ACCOUNT
>29.1 the Company may at its discretion proceed to freeze the account of the Client if it considers that documents received are not adequate and the Client fails to provide the documents within the deadlines advised by the Company. Furthermore, the Company has the right to freeze the account of the client if it has reason to believe unethical trading is being applied. In this case the account of the Client will be charged a handling fee of $5 per month or the balance of the account whichever lower until the Client provides the Company with the missing information.
>30. DORMANT ACCOUNT ARCHIVING
>30.1 Accounts that have had no activity for twelve consecutive months will be classified as dormant and archived from the back office. No activity is classified as:
a. No deposits within the previous twelve months.
b. No withdrawals within the previous twelve months.
c. The account holder has not made a trade within the previous twelve months.
d. The account holder has no open trades/exposure.
30.2 The account holders may have their archived accounts reinstated by contacting the company’s support team by paying a 20% dormant account maintenance fee.
さらにGoogle翻訳による日本語訳を以下に示します。
>29. アカウントの凍結
>29.1 当社は、受領した書類が適切でないと判断し、お客様が当社から通知された期限内に書類を提出しない場合、当社の裁量によりお客様のアカウントを凍結することがあります。さらに、当社は、非倫理的な取引が行われていると考える理由がある場合、お客様のアカウントを凍結する権利を有します。この場合、お客様が当社に不足情報を提供するまで、お客様のアカウントには月額 5 ドルの手数料またはアカウント残高のいずれか低い方が請求されます。
>30. 休眠アカウントのアーカイブ
>30.1 12 か月連続でアクティビティがないアカウントは、休眠アカウントとして分類され、バック オフィスからアーカイブされます。アクティビティがないアカウントは、次のように分類されます。
>a. 過去 12 か月以内に入金がない。
>b. 過去 12 か月以内に引き出しがない。
>c.口座保有者は過去 12 か月以内に取引を行っていません。
>d. 口座保有者は未決済の取引/エクスポージャーがありません。
>30.2 口座保有者は、会社のサポート チームに連絡して 20% の休眠口座維持手数料を支払うことで、アーカイブされた口座を復元できます。
「29. FREEZING OF ACCOUNT (アカウントの凍結)」という項目には要求された書類が適切でないと判断した場合、あるいは書類を提出しない場合にはアカウントを凍結する権利を有するといったことが書いてあります。凍結の基準が明確ではなく、大金を預けた状況でアカウントを凍結されてしまう可能性があるということで危険な印象を持ちます。
さらに「30. DORMANT ACCOUNT ARCHIVING (休眠アカウントのアーカイブ)」という項目には入出金も取引もない状態が12カ月続いた場合には「休眠アカウント」として扱われることになり、アカウントを復活するには「20% の休眠口座維持手数料」という非常に高額の罰金的なお金を支払う必要があるといったことが書いてあります。いずれも顧客にとって不利な規約であり、これほど重要な規約が英語版しか用意されていないPDFファイルの形ででしか開示されていないという状況は決して親切で適切な情報開示とは言えないでしょう。顧客に不利な規約は分かりにくい場所にのみ書いておくという悪意さえ感じます。また一定期間取引のない口座を休眠口座として扱うという似たような規定が「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきたサイトの一部で確認されています。これも「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証してきたサイトとlukインベストのサイトとの組織的な繋がりの可能性を示唆するように思われます。
次にメニューバーにある「メリット」という項目からリンクされているサブページ (https://lukinvest.com/ja/benefits) にある「取引意義を形成する」と題された部分の画像を以下に示します。
この部分で特に気になるのは上の画像の左下に見える
>37000+ トレード利用者
という部分です。3万7000人以上の顧客を抱えているという意味だと思われます。しかしこれが事実かどうかは疑わしいように思われるのです。以下はこのlukインベストのサイトへのアクセス状況を調べた結果です。
1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字がいずれも検出限界以下となっています。3万7000人以上の顧客を抱えている投資サイトとは全く思えません。
次に連絡先情報についてですが、サイトの脚注部分に断片的な情報があります。以下に画像を示します。
連絡先情報の部分を以下に書き出します。
>電話番号 +442037403149
>メールアドレス info@lukinvest.com
>LukInvest は、セントルシア、グロス アイレット、ロドニー ベイ、ロドニー ビレッジ、ザ サザビー ビルディング 1 階に登録番号 2024-00457 で登録されている会社、LUK Invest Ltd のブランド名です。
[+44]というイギリスの国番号から始まる電話番号、メールアドレス、そしてカリブ海に浮かぶ島国のセントルシアの住所が記されています。住所の部分がカタカナ表記になっていますが、英語版を見ると以下のようになっています。
>LukInvest is a brand name of LUK Invest Ltd, a company registered with number 2024-00457 at Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.
住所の部分だけ抜き出すと以下のようになります。
>Ground Floor, The Sotheby Building, Rodney Village, Rodney Bay, Gros-Islet, Saint Lucia.
この住所は本項の最初に書いたように「検証4」で検証したビッグマーケッツとVentorus、 「検証83」で検証したブルマーケッツとKROXIO、 上で検証したEmarlado、さらにその後見つかってきて「検証87」で検証しているクイックキャッシュFX (https://quickcashfx.com/) というサイト、計6つのサイトで登録住所として示されていた住所と同じです。またこれらのサイトの検証でも示しましたがこの住所を検索すると多数のFX業者の登録住所としてこの住所が使われています。lukインベストもこの住所を検索して見つかってきたFX業者のサイトの1つだったわけです。またさらにこの住所は以下に示したFORTGATE (http://www.fortgateoffshore.com/) というオフショア会社の拠点の住所と一致することも分かっています。
この住所はこのオフショア会社を利用した架空住所の疑いが濃厚です。そして同じオフショア会社の拠点の住所を使っているということも「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきたサイトとの組織的な繋がりを示唆するように思われます。
さらにイギリスの国番号から始まる電話番号 (+442037403149) が問題です。この電話番号を検索してみるとtellows (https://www.tellows.jp/) という電話番号の逆引き情報のサイトで以下の情報を見つけました。
lukインベストのサイトの脚注に記されていた電話番号 (+442037403149) が「検証4」で検証したBigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/) から掛かってくる勧誘電話の電話番号として報告されているようです。この情報が事実ならば「検証4」で検証したビッグマーケッツとlukインベストが組織的に結びついているのはいよいよ確実でしょう。
ちなみに電話番号がイギリスのロンドンの電話番号ということからイギリスに「lukinvest」の法人登録がないかか検索してみましたが、それらしい法人登録は見つかりません。類似の「LUK INVESTMENTS LIMITED」という法人の登録が見つかるのですが、住所はロンドンではなく、Hereford (ヘレフォード) という町になっていますし、業種も投資・金融関係ではなく、不動産賃貸となっているので別個と思われます。
本項で説明してきたようにlukインベストのサイトの情報開示は明らかに不充分、不適切ですし、金融ライセンスも確認出来ません。またサイトの記述には明らかに事実とは思えない部分が確認されています。さらにビッグマーケッツなど「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに上で検証してきた一連の被害報告が出ているサイトと組織的な繋がりの可能性が高いとなれば非常に危険なサイトとしか思われません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきでないと結論せざるを得ません。
※付記
lukインベストのサイトと部分的によく似た、具体的には6種類のアカウントの名称や取引条件の部分が非常によく似たクイックキャッシュFX (https://quickcashfx.com/) というサイトが見つかってきました。l同じグループによるサイトである可能性が高く、lukインベストの記述の一部をそのまま転用しているものと考えれます。「検証87」で検証しているので参照してください。
●24forexmarket (24フォレックスマーケット https://24forexmarket.com/ja/) → 閉鎖確認
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで調べてみると「検証4」で検証したエックスプロマーケッツ~Azelisファイナンス (https://azelisfinance.world/) までの21個のFXサイトや「検証83」で検証したサイト、そして本ページの上で検証してきたEmarlado以下の一連のサイトとの共通点が認められ、同じグループによるサイトである可能性が高いと考えられたのでここで検証することにします。まずこのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
質問は24フォレックスマーケットが安全なサイトかどうかというだけでどういう経緯で質問しているのか全く分かりません。しかしベストアンサーでURLアドレスの確認に加えて詐欺サイトの可能性が高いことを指摘されるとお礼コメントで
>最悪( ´A` )
と返信しているのでこの質問の時点で既に入金してしまっていたのではないかと思われます。
とにかくこの質問投稿を元に24フォレックスマーケットについて検索してみるとまず勧誘&宣伝目的と思われる動画やブログが見つかってきました。まず「24forexmarket」名義のYoutubeチャンネル (https://www.youtube.com/@24forexmarket/featured) が見つかってきました。
この検証を書いている時点で12本の動画がアップされています。幾つかの動画を視聴してみましたがタイトルや動画の中で流れる文章など日本語表記なのにナレーションは英語/日本語の混在する人工音声によるのではないかと思われる棒読みで非常に違和感があるだけでなく、内容を理解することも困難で明らかに日本人によるものではありません。外国人のグループが日本人を勧誘する為に作成した動画で間違いないと考えます。ただ同じグループによると思われる「検証4」や「検証83」、そして上で検証したサイトではこうした日本人の勧誘目的と考えられるYoutubeアカウントは確認されていませんでした。勧誘の手段を拡大しているのかもしれません。
さらに24フォレックスマーケットでの投資を強く勧める内容のブログが複数見つかってきました。投稿の文章については冒頭部のみ引用します。
▼sabihakhanのブログ: 「24ForexMarket.comのレビュー:日本の投資家が詐欺師からポートフォリオを守る方法」 (Amebaブログ 2024年10月21日投稿)
▼24forexmarketのブログ: 24ForexMarket.comのレビュー:日本のトレーダー向けにステーキングと伝統的な投資を (Amebaブログ 2024年11月16日投稿)
▼ニュース 1 (財務ニュースとプレスリリース): 24ForexMarket.com 評判 - スピリット航空破産の噂によるフロンティア航空とジェットブルー航空の株価急騰のレビュー (Hatena Blog 2024年10月21日投稿)
▼フィナンスとニュースの視点: 24ForexMarket.com が日本の金融市場におけるブロックチェーンの役割をレビュー (Noteブログ 2024年11月21日投稿)
▼Invest Proのニュースルーム: 24ForexMarket.com の評判:中央銀行が世界の外国為替市場を形成する役割をレビュー (Rakuten BLOG 2024年10月21日投稿)
▼フィンテックニュース: 24ForexMarket.com 評判 - 日本のトレーダー向け2024年のFX市場の主要トレンド (excite blog 2024年10月21日投稿)
Youtube動画の日本語は意味さえよく分からないレベルなのに対してこれらのブログの日本語は特に違和感を感じません。但し、内容的にはかなり無理があるように思われ、金融や投資に関して充分な知識がある人物が書いているかは相当に疑問です。特にHatena Blogに投稿されている24ForexMarket.com 評判 - スピリット航空破産の噂によるフロンティア航空とジェットブルー航空の株価急騰のレビューという投稿の内容はどういう脈絡なのか理解出来ません。それでもこれらのブログ投稿はいずれも24フォレックスマーケットでの投資を手放しで勧める内容であることは共通しています。
そしてこれらのブログを見て気が付いたのですが、フィナンスとニュースの視点というNoteブログ、Invest ProのニュースルームというRakuten Blog、フィンテックニュースというexcite blog、計3つのブログは以前に本サイトに書いてきた検証で登場していたブログです。例えば以下はフィナンスとニュースの視点というNoteブログで現在読むことが出来る7つの記事の内、6つの記事のサムネイル画像付きのリストです、
左上と右上の2つの記事が24フォレックスマーケットに関する記事になっています。左上が既に示した2024年11月21日付の投稿、右上は2024年10月11日付の投稿です。
▼フィナンスとニュースの視点: 24ForexMarket.com が日本の金融市場におけるブロックチェーンの役割をレビュー (Noteブログ 2024年11月21日投稿)
▼フィナンスとニュースの視点: 24ForexMarket.comレビュー: 日本のトレーダーが不安定な外国為替市場を乗り切る方法 (Noteブログ 2024年10月11日投稿)
いずれも24フォレックスマーケットを絶賛し、24フォレックスマーケットでの投資を推奨するような内容になっています。そして上の画像の右下に見える「利用者急増中! Aid Financial Ltdについて」と題された投稿は「検証66」で検証したAid Markets (エイドマーケッツ https://amarkets-fx.com/) というサイトを絶賛する、勧誘目的と思われる投稿になっています。そしてこのエイドマーケッツというサイトはこの検証を書いている2024年12月上旬現在でアクセスしようとするとブラウザソフト (Google Chrome) から危険なサイトなのでアクセスしないようにという警告が出る状態になっています。
同様にInvest ProのニュースルームというRakuten blogに現在掲載されている9件の投稿の一部です。
上から2番目に24フォレックスマーケットに関する投稿、24ForexMarket.com の評判:中央銀行が世界の外国為替市場を形成する役割をレビューという投稿が見えますが、上から5番目にやはり「検証66」で検証したAid Markets (エイドマーケッツ https://amarkets-fx.com/) というサイトを絶賛する「利用者急増中! Aid Financial Ltdについて」という投稿が確認出来ます。さらに上から6番目には「KATY CAPITAL PTY LTD www.katy-investing.comオーストラリア金融サービス認可 (AFS) 証券取引所」という投稿が確認されますが、これもエイドマーケッツと同様に「検証66」で検証したKATY CAPITAL (KATYキャピタル https://www.katy-investing.com/) というサイトを投資先として絶賛する内容になっています。
さらに既に削除されているのですが、このInvest ProのニュースルームというRakuten blogにはこれまでに検証してきた以下のサイト絶賛するような内容の投稿があったことが確認されています。
▼Neithキャピタルリミテッド (https://neithfx.com/) → 「検証66」
▼Dechoキャピタルリミテッド (https://dechocapital.com/) → 「検証66」
▼イルミナティ マーケッツ リミテッド (https://illuminatiprofx.net/jap) → 「検証27」
▼ARK IMグローバルリミテッド (https://www.imarkforex.com/) → 「検証52」
▼ブルーホライゾンフォレックスリミテッド (https://www.fx-5.com/jap/index) → 「検証69」
▼Xianglin (https://xianglinltd.com/) というサイトの広告塔的な役割を担っていた菅野弘文という人物 → 「検証70」
▼スマートグローバル (https://www.smartglobally.com/jap/index) → 「検証73」
▼SMTTマーケッツ プロプライエタリリミテッド (https://www.smttmarketsfx.com/jap/index) → 「検証73」
▼INVDOMプライエタリリミテッド (https://invdom.com/) → 姉妹サイトの「検証146」
ところがこれら同じブログで絶賛されている一連のサイトはこれまで「検証13」で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトと考えてきました。一方で本項の検証対象である24フォレックスマーケットというサイトは以下で根拠を説明していくことになりますが、その中国系と思われるグループとは別個の海外のグループによる可能性が高いと考えています。しかしこれまで別個のグループによると考えてきたサイトが同じブログで絶賛されているという状況は解釈が難しいです。可能性としては以下の2つの解釈が可能かもしれません。
1. 実は2つの別個のグループによると考えてきたサイトが実際には1つの大きなグループによって全て運営されている。
2. ブログを運営しているのはいずれのグループとも別個であり、日本人に向けた宣伝活動を2つのグループから請け負っている。
いずれの可能性が高いのか確実な結論を出すのは容易ではありませんが、中国系のグループは日本語のレベルが上がってきている印象があるのに対して上で取り上げた24フォレックスマーケットを宣伝している「24forexmarket」名義のYoutubeチャンネルの日本語レベルが低いことなど考えると2つの別個のグループが存在しており、ステルスマーケッティング目的としか思われない一連のブログを運営しているのはまた別個のグループである可能性が高いのではないかと現状では考えています。
ともかくまずは24フォレックスマーケットのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼24フォレックスマーケット (https://24forexmarket.com/ja/) [表示言語:日本語、マレー語、フランス語、英語]
表示言語の選択肢は日本語、マレー語、フランス語、英語の4つと少なめです。
取引対象については包括的な説明が見当たらないのですが、下の画像に示すように「通貨」「株式・債券」「インデックス」「コモディティ」「暗号通貨」が取引可能となっているようです。
但し、例えば「通貨」の中でどんな通貨ペアが取引可能なのか、取引単位や最大レバレッジ、スプレッド、スワップ金利がどうなっているのかといった基礎的な情報が見当たりません。開示されている情報が異様に少なくて違和感があります。
さらに違和感があるのは以下に示した一見するとアプリをダウンロード出来るようになっていると思われる「投資とは-」と題された部分です。
何の説明もありませんが、「App Store」「Google Play」と書かれたアプリをダウンロード出来るリンクボタンの様なものが並んでいます。ところがこれら2つのリンクボタンのように見える部分はリンクボタンになっておらず、単なる画像になっています。クリックしても何も起こりません。これは明らかに異様です。
次にメニューバーの「アカウント」という項目から選択出来る「アカウントの種類」というサブページを取り上げます。このサブページには24フォレックスマーケットのサイトで開設できる4つのアカウントの説明があります。
最低250ドルの入金が開設に必要な「ベーシック」というアカウントから始まって2万5000ドルの入金が必要な「ゴールド」、10万ドルの入金が必要な「プラチナム」、25万ドルの入金が必要な「VIP」という4種類のアカウントが用意されていて上級のアカウントの方がスプレッドや出金手数料が有利になっているようです。この最低入金額が250ドル、入金額が増えることで上級のアカウントが開設出来て取引条件が有利になるというシステムは上に書いたEmarladoやストーンウォールキャピタルの項目でまとめていますが、「検証4」や「検証83」、さらに本ページで検証している同一グループが運営している可能性が高い一連のサイトの多くでも確認されているシステムと明らかに似ています。また4種類のアカウントの名称、「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」というアカウントの名称もそれら一連のサイトに登場するアカウントの名称に似ています。実際問題、この4種類のアカウントとその名称、最低入金額が250ドルになっているといった状況を見てこの24フォレックスマーケットのサイトが一連のサイトと組織的に関連している可能性に気が付くことになりました。
次に連絡先情報を探しました。まず「企業情報」のサブページには以下のような記述があります。
>規制
>24forexmarket.com/ は、ドミニカにある投資会社である TBC International Markets LTD によって運営されており、ドミニカの国際金融サービス委員会によって認可および規制されています。 同社のライセンス番号は 2019/IBC00120 です。
ドミニカの投資会社である TBC International Markets LTDによって運営されているというのですが、ドミニカ共和国の公用語はスペイン語のはずです。既に示したように24フォレックスマーケットのサイトで選択可能な表示言語の選択肢は日本語、マレー語、フランス語、英語の4つだけでスペイン語は含まれていません。強い違和感を感じざるを得ません。ドミニカの具体的な住所については実は非常に分かりにくい場所に書いてあるのですが、また後述します。
さらに左下に示したのが日本語版の「お問い合わせ」のサブページに記されている連絡先情報、右下に示したのが英語版の「Contact Us」のサブページに記されている連絡先情報です。
▼日本語版連絡先情報
便利な連絡先
>本社所在地: 〒100-8411 東京都千代田区有楽町1-13-1
>電話番号 050-6864-8530
035-050-1495
>メールアドレス: support@24forexmarket.net
▼英語版連絡先情報
>First easy contact
>E-mel info@24forexmarket.net
>Phone number +601546000443
035-050-1495
日本語版と英語版では連絡先情報が異なります。住所は日本語版にしか記されていませんし、電話番号やメールアドレスも日本語版と英語版では異なります。ついでにマレー語版、フランス語版も確認しましたが記されている情報は英語版と同じです。運営会社がドミニカの会社ということになっているのに住所が日本語版にしか記されていない、そしてその住所が東京の住所であるということでそのまま解釈すれば24フォレックスマーケットは日本の企業ということになります。しかしこの東京の住所を検索してみると以下に示した第一生命の日比谷本店の住所に一致することが分かりました。
この住所の法人登録を国税庁の法人番号公表サイト (https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/) で調べてみると閉鎖済みの1件を含めて18件の法人登録が見つかりますが、その内、10件は法人名から第一生命とその関連会社と思われ、以下に示した残りの8件の法人登録の中に24フォレックスマーケットとか運営会社であるTBC International Markets LTDのものと思われる法人登録は見当たりません。
この住所に24フォレックスマーケット / TBC International Markets LTD が実在するかどうか極めて疑問です。
さらに電話番号ですが、日本語版のお問い合わせのサブページに記されている2つの電話番号の内、「050-6864-8530」は「050」局番から始まるIP電話の電話番号と思われ、市外局番が無いので電話が日本の何処で使われているのか情報がありません。一方の「035-050-1495」という電話番号には疑問があります。市外局番が「03」なら東京の市外局番ですが、ハイフンは「03」の次ではなく、「035」の次に入っています。「035」という市外局番は存在しません。また同じ電話番号が英語版連絡先情報にも書かれています。この「035-050-1495」という電話番号が本当に使われている電話番号なのかどうかも不明です。英語版連絡先情報に書かれているもう1つの電話番号「+601546000443」は「+60」が国際電話のマレーシアの国番号なのでマレーシアの電話番号ということになります。サイトの表示言語の選択肢にマレー語が含まれていることを考えればマレーシアのどこかに本拠があるのかもしれませんが、具体的な住所は不明です。
次にサイトの脚注部分にある「法的事項」という項目からリンクされている「Legal」と題されたサブページを取り上げます。以下に画像を示します。
「顧客契約書」「会社情報」「一般手数料」などなど全部で13個のPDFファイルが用意されていて利用規約や手数料などの情報が示されています。利用規約や手数料などの情報が複数のPDFファイルの形で示されているというのも「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している同一グループが運営している可能性が高い一連のサイトとの類似点です。さらにこれらのPDFファイルを見ていくとこれまでに検証してきた一連のサイトのPDFファイルの記述との明白な共通点が見つかってきました。例えば「一般手数料」というPDFファイルの冒頭に出てくるWithdrawal Fees (出金手数料) に関する規定の部分を以下に示します。
クレジットカード、デビットカード、E-ウォレットの場合は3.5%というかなり高額の出金手数料が課されるとなっています。さらに電信送金(ワイヤートランスファー) の場合は1件当たり、30ドルというやはりかなり高額の手数料が課せられるという規定になっていますがこの規定は「検証4」や「検証83」、さらに本ページで検証している一連のサイトでしばしば確認される規定と明らかに似ています。例えば以下は上で検証したEmarlado (https://www.emarlado.com/ja/) の「法的文書」というサブページからダウンロード出来る「一般料金」というPDFファイルの冒頭に出てくるWithdrawal Fees (出金手数料) に関する規定の部分の画像です。
クレジットカード、デビットカード、E-ウォレット、さらにデビットカードの場合は3.5%の出金手数料、電信送金(ワイヤートランスファー) の場合は1件当たり、30ドルの手数料が課せられるという規定は24フォレックスマーケットの規定と非常によく似ていますし、書式も似ています。また上に書いたEmarladoの検証で説明していますが、これと非常によく似た規定が「検証4」で検証したフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) や「検証83」で検証したMauntoなどなど組織的関連が強く疑われるサイトで確認されています。
さらに以下には24フォレックスマーケットの「一般手数料」というPDFファイル冒頭部の出金手数料の規定に続いて出てくるInactivity/Dormancy Fees (休眠手数料) に関する規定の部分を示します。
取引をしない状況が1ヶ月を超えてくると休眠手数料が課せられるということになっており、しかもその金額が取引しない状況が長くなるにつれて跳ね上がっていくことになっています。1ヶ月を超えて2ヶ月までは月額80ユーロ、2ヶ月を超えて6ヶ月までは月額120ユーロ、6ヶ月を超えて12ヶ月までは月額500ユーロ、12カ月を超えると休眠口座扱いになって月額1000ユーロの休眠手数料が課せられる可能性があり、しかも休眠口座となった口座を再びアクティベートするには2000ユーロというべらぼうな料金を支払うことになると書かれています。そして以下は上で検証したEmarladoの「一般料金」というPDFファイルに出てくるInactivity/Dormancy Fees (休眠手数料) に関する規定部分の画像です。
やはり取引しないでいる期間が1ヶ月を超えると休眠手数料を課せられる規定になっており、1ヶ月を超えて2ヶ月までは月100ユーロ、2ヶ月を超えて6ヶ月までは月額250ユーロ、6ヶ月を超えて12ヶ月までは月額500ユーロ、12カ月を超えると休眠口座扱いになって月額1000ユーロの休眠手数料が課せられ、さらに休眠口座となった口座を再びアクティベートするには2000ユーロを請求されると書かれています。休眠期間が6ヶ月までの休眠手数料が24フォレックスマーケットの場合よりさらに高額になっていますが非常によく似た規定であることに間違いありません。そしてやはり「検証4」で検証したフェニックスリミテッド (https://www.ltdphoenix.com/ja/) や「検証83」で検証したMauntoなどなど組織的関連が強く疑われるサイトでこれと非常によく似た規定が確認されています。
取り引きや入出金をしていないだけでかなり高額の休眠手数料が課せられ、しかもその金額が休眠期間が長くなるだけでさらに大きくなるなどという規定は顧客にとって非常に不利であるにも関わらず、非常に分かりにくい場所に英語でのみ記されているというやり方には極めて強い不審を感じざるを得ません。こんな規定を設けている投資会社を誰が利用するというのでしょうか?
さらに以下は「Legal」のサブページにある別のPDFファイル、「会社情報」と題されたPDFファイルの画像です。
既に上で24フォレックスマーケットがドミニカにある投資会社である TBC International Markets LTD によって運営されているという記述について示しましたが、この会社情報のファイルには以下に示した TBC International Markets LTD のドミニカの住所が記されています。
>Tavernier Street, wall house, Loubiere, Dominica.
そしてこの住所を検索したところ、24フォレックスマーケットの運営会社であるTBC International Markets LTDがドミニカの同じ住所でPST-Markets (PST-マーケッツ https://www.psi-markets.com/) というサイトを運営しているという情報が見つかってきました。以下はイギリスの金融ライセンスを管理しているFinancial Conduct Authority (金融行動監視機構 https://www.fca.org.uk/) から2024年7月10日付で出たPST-マーケッツとその運営会社であるTBC International Marketsが無登録の違法業者であるという警告です。
赤枠で囲った部分にこのPST-マーケッツ (https://www.psi-markets.com/) の情報が記されています。
>Unauthorised firm details
>Name: PSI-Markets /TBC International Markets / www.psi-markets.com/
>Address: Tavernier Street, Wall house, Loubiere, Dominica, DOMINICA
>Telephone: +442045133840
>Email: support@psi-markets.net
>Website: https://www.psi-markets.com/, https://www.psi-markets.com/trading/
24フォレックスマーケットの運営会社であるTBC International Marketsとそのドミニカにおける住所 (Tavernier Street, wall house, Loubiere, Dominica.) が PST-マーケッツの情報と一致しています。運営会社名と住所の両方が一致しているということでPST-マーケッツは24フォレックスマーケットと同じ運営会社が運営する兄弟サイトということになります。このPST-マーケッツのサイト冒頭部を以下に示します。
▼PST-マーケッツ (https://www.psi-markets.com/) [表示言語:英語、ポルトガル語]
このサイトの表示言語の選択肢は英語とポルトガル語だけで日本語には対応していないのでこのサイトについては詳しく検証しませんが以下の画像に示したように最低入金額が250ユーロの「BASIC」から「SILVER」「GOLD」「PLATINUM」「VIP」という5種類のアカウントが用意されている点など24フォレックスマーケットや同じグループによると思われる一連のサイトと似た部分が認められます。
このPST-マーケッツの脚注に記されているCompany Information (会社情報)の画像を以下に示しますが、運営会社はTBC International Markets LTD、住所はドミニカ (Tavernier Street, wall house, Loubiere, Dominica) になっています。
ともかく、24フォレックスマーケットの運営会社でもあるTBC International Markets に対してイギリスの金融ライセンスを管理しているFinancial Conduct Authority (金融行動監視機構) から警告が出ているという事実は重いものと考えます。
さらに検索してみると24フォレックスマーケットに対してもマレーシアの金融ライセンスを管理するSecurities Commission Malaysia (https://www.sc.com.my/) から無登録の違法業者であるとして警告が出ていることが分かりました。以下は警告対象となっている業者あるいは個人のリストの抜粋の画像ですが、リストの最後の方に24フォレックスマーケットが出てきます。
24フォレックスマーケットの名称とURLアドレス、そしてREMARK (注釈) として
>Carrying on unlicensed capital market activities of dealing in securities (証券取引の無認可資本市場活動の実施)
と書かれています。要するに無登録の違法業者であるという警告です。
総合的に判断して24フォレックスマーケットは投資先として信頼できるとは全く思えません。連絡先情報などの情報開示は不充分、不適切ですし、開示されている日本の住所などについても信頼できる情報かどうか極めて疑わしいです。また金融ライセンスが確認出来ないだけでなく、イギリスとマレーシアの金融当局から無登録の違法業者であるとして警告対象になっています。また信頼性の問題を別としても異様に高額な出金手数料や休眠手数料など顧客にとって非常に不利な利用規定があること、その不利な利用規定をわざわざ非常に分かりにくい場所に英語でのみ示していること、そして多数の詐欺被害を出している一連の海外業者との共通点があるなど非常に危険な業者としか思われません。この業者での投資は絶対に避けるべきと結論せざるを得ません。
※付記1
2025年1月29日付で関東財務局から24フォレックスマーケットを運営するTBC International Markets LTDに対して無登録の違法業者であるという警告が出ました。以下に画像を示します。
※付記2
2025年3月中旬に確認したところ24フォレックスマーケットのサイトは閉鎖されているようです。
●fxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) → 閉鎖確認
●FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証してきたサイトと同じ詐欺グループによるサイトである疑いが濃厚です。同じ名称のサイトが2つ確認されていますが、日本語に対応しているのが1つ目のサイト、2つ目のサイトは英語にのみ対応しているサイトで運営会社のサイトという位置づけのようです。ここでは主に1つ目のサイトについて検証します。
まずこのサイトに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用していきます。
文章がおそらく字数制限の為に途中で終わっていますが、最後に
>yahoo、ニュースでタモリや鶴瓶徹子部屋
と書かれているので「検証4」、「検証83」、「検証87」、姉妹サイトの「検証151」、姉妹サイトの「検証152」で説明している海外の詐欺グループによるYahooニュースの体裁を模倣したニセ記事広告で騙されて入金してしまい、出金出来なくなっているものと考えられます。
状況がきちんと説明されていませんが、ソフトバンクの孫正義氏が登場するニセ動画で宣伝されていた「トレーダークエスト2.6」という「AI仮想通貨取引」に興味を持って電話番号など入力してしまい、複数の電話番号から掛かってくる電話でFXONETでの投資をかなり執拗に勧誘されているという状況のようです。
ソフトバンクの孫正義氏が登場するニセ動画というのはおそらく以下のニュース動画に登場するような動画と思われます。
▼放送内容が改ざんされ無断使用 news23小川キャスターとソフトバンクG孫社長の対談が“偽記事”に 投資サイトを直撃、“必ず稼げる”には要注意 (TBS NEWS DIG 2024年3月20日)
とにかくまずは最初の質問投稿に出てきたURLアドレスのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼fxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) [表示言語:英語、アラビア語、日本語、マレー語、スペイン語、フランス語、香港語、トルコ語、ポルトガル語、ドイツ語、韓国語、ヒンディー語、ロシア語、イタリア語、タイ語]
この冒頭部はこれまで検証してきたサイトと特に似ているようには思われません。以下はこのサイトの言語選択メニューです。日本語を含む15の言語に対応しているようです。
この冒頭部に続いては以下に示したマルチプラットフォーム対応を説明している部分が出てきます。
>外出先でフィネスをトレード!
という文章は全く意味が分かりません。英語版を見ると
>Trade finesse on the go!
となっていて「finesse」は技巧とか妙技という意味になります。これは優れたトレーディングアプリを提供しているので外出先でもテクニカルなどを駆使した高レベルのトレードが出来るという意味でしょう。翻訳レベルの低さを感じます。
この部分に続いて出てくるのはレバレッジや最低入金額などの情報が記されている部分です。
レバレッジは400倍、取引対象になっている金融資産が300種類以上、コミッション (手数料) 0%といった数字が並んでいますが、ここで最も気になるのは最低入金額が250ドルであるということです。さらにメニューバーにある「アカウント」という項目からリンクされているサブページには以下に示したfxonetで開設できる4種類のアカウントの説明があります。
250ドルの最低入金額で開設できるのは「ベーシック」というアカウントで2番目の「ゴールド」アカウントを開設するには2万5000ドル、3番目の「プラチナ」アカウントを開設するには10万ドル、最上級の「ビップ (VIP)」アカウントを開設するには25万ドルもの入金が必要とされているようです。
そして4種類のアカウントの名称やそれぞれのアカウントを開設するのに必要な最低入金額の組み合わせは上で検証した24フォレックスマーケット (https://24forexmarket.com/ja/) の4種類のアカウントの場合と全く同じです。
3番目のアカウントの名称はfxonetでは「プラチナ」、24フォレックスマーケットでは「プラチナム」となっていますが、英語表記ではいずれも「Platinum」です。また4種類のアカウントに対応して示されているスプレッドなどの数字も完全に一致しています。これは到底偶然とは思えませn。
さらに最低入金額が250ドル、そして入金額によって決まる複数種類のアカウントが用意されているというのは「検証4」や「検証83」、さらに本ページで検証している同じ海外のグループによると思われるサイトで頻繁に出てくるパターンです。それら同じグループによると思われる一連のサイトで用意されているアカウントの種類や最低入金額について上で検証したストーンウォールキャピタルの項目でまとめた表を以下に再掲します。
サイト名 アカウントの種類 最低入金額
エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル
エランドロード: 5種類 250ドル
フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル
インベサキャピタル 4種類 250ドル
インベストマーケッツ 4種類 250ドル
アジアFXプロ 6種類 不明
FXマグナス: 5種類 250ドル
FXタンパ: 5種類 250ドル
RNインベスティング: 5種類 1000ドル
インベスティコ: 4種類 250ドル
ビッグマーケッツ: 4種類 250ドル
Ventorus: 5種類 不明
Azelisファイナンス: 5種類 250ドル
エッジファイナンス: 5種類 250ドル
トレドポール: 5種類 250ドル
ポートレイズ: 5種類 250ドル
ModMount: 5種類 250ドル
Maunto: 5種類 不明
ブルマーケッツ: 4種類 250ドル
ニッポンキャピタルFX: 6種類 不明
OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)
ZENマーケッツ 6種類 250ドル
キャッププレイス 3種類 不明
KROXIO 5種類 250ドル
アローインベスト 6種類 不明
ファーストECN 3種類 不明
Emarlado 5種類 不明
ストーンウォールキャピタル 4種類 250ドルあるいは1万ドル?
lukインベスト 6種類 200ドル
24フォレックスマーケット 4種類 250ドル
fxonet 4種類 250ドル
トレデロ 5種類 250ドル?
サベクサ 5種類 250ドル
ブロックブリッジ 6種類 250ドル
shinjukuFX 5種類 250ドル?あるいは5,000ドル?
クイックキャッシュFX 6種類 200ドル
Berrypax 5種類 250ドル
INNVESTER 5種類 250ドル
ブル・オントレード 5種類 不明
fxonetはこれらのサイトと組織的に繋がっている可能性が極めて濃いものと考えられます。以前に検証した一連のサイトとの組織的な繋がりについてはさらに後述します。
トップページに戻って次に出てくるのは以下に画像を示した取引対象を説明している部分です。
通貨 (FX)、暗号 (仮想通貨)、商品 (コモディティ)、インデックス、株式の5項目が取引対象となっています。そしてこの部分はそれぞれの取引対象の説明が記されているサブページへのリンクになっています。例えば以下は「通貨」という項目からリンクされているサブページの冒頭部です。
しかしここに書かれているのはFX取引の一般的な説明などであり、FXの取引サイトならば必ず示されていなければおかしい取引できる通貨ペアの種類とか、取引単位、スプレッド、スワップ金利などに関する情報がありません。スプレッドに関しては上に示した4種のアカウントを説明する表に多少の情報がありますが、取引できる通貨ペアの種類などが示されていないことについてはかなり違和感があります。
次に連絡先情報や金融ライセンスの情報についてですがサイトの脚注部分に以下の記述があります。
記述を以下に書き出します。
>会社情報このウェブサイト(www.fxonet.com) は、ムワリ (モヘリ) 島で登録され、ムワリ国際サービス機構 (Mwali International Services Authority) の認可および規制を受け、ライセンス番号 BFX2024049 を有する会社、Fxonet Ltd によって運営されています。Fxonet Ltdの所在地は、P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KMです。
>Fxonet Ltdは「Fxonet」ブランドを所有・運営している。
まず「P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM」という住所ですが、「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) でも住所とされていた他、「検証4」で検証したビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/) のサイトで一時期登録住所とされていた住所 (その後、セントルシアの住所に変更) と完全に一致します。
さらにこの住所は以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICES (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の住所と私書箱番号まで完全に一致します。このオフショア会社を利用した架空住所で間違いないでしょう。
さらにインド洋に浮かぶ島国のコモロ諸島のムワリ島 (モヘリ島) のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局 https://mwaliregistrar.com/) で登録を得ているという主張は「検証4」や「検証83」、さらに上で検証したEmarlado、以下で検証しているサベクサといった同じグループによると思われるサイトでも確認されています。ムワリ国際サービス局でライセンスを得ているというサイトを以下にまとめます。
「検証4」 ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
「検証4」 Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
「検証83」 Maunto (https://www.maunto.com/ja)
「検証83」 ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
「検証83」 キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)
「検証83」 KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
「検証83」 ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)
「検証84」 Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
「検証84」 サベクサ (https://www.savexa.com/ja/)
これらの内、ビッグマーケッツとMauntoについては既に書いたように同じオフショア会社を利用した同じ架空住所を使っているサイトです。
ともかくこのムワリ国際サービス局の「Brokerage Companies (証券会社)」の登録リストにを確認すると確かにfxonetの運営会社とされているFxonet Ltdが含まれていることを確認しました。以下に画像を示します。
ライセンス番号はBFX2024049となっていてサイト脚注の記述と一致しています。登録の日付は2024年3月20日です。しかしこの登録情報の「Verify」と書かれた部分をクリックして出てくる登録情報には疑問点があります。以下に画像を示します。
登録情報を書き出します。
>Company name: Fxonet Ltd
>Company number: HA00324746
>License number: BFX2024049
>Date of license issue: March 20, 2024
>License end date: March 20, 2025
>Name of CEO: MUHAMMED SAIT KILICARSLAN
>Address: Istanbul, TURKEY
>Name of UBO: MUHAMMED SAIT KILICARSLAN
>Address: Istanbul, TURKEY
>Website: https://www.fxonetltd.com/
>Date: July 25, 2024
経営者はトルコのイスタンブール在住の「MUHAMMED SAIT KILICARSLAN」という人物になっています。そして登録されている「Fxonet Ltd」の公式サイトのURLアドレス (https://www.fxonetltd.com/) は本項で検証しているfxonetのサイトではありません。この登録上の「Fxonet Ltd」のサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼Fxonet Ltd (https://www.fxonetltd.com/) [表示言語: 英語のみ]
このサイトの脚注には以下のような記述があります。
>Company Information: This website (www.fxonetltd.com) is operated by Fxonet Ltd, a Company registered in Mwali(Moheli) island, authorised and regulated by the Mwali International Services Authority with license number BFX2024049. Fxonet Ltd is located at P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM.
>Fxonet Ltd owns and operates the “Fxonet” brand.
金融ライセンス情報や住所が記されていますが、金融ライセンスの番号 (BFX2024049) やコモロ諸島の住所は本項で検証しているfxonetのサイトの脚注に記されていた金融ライセンスの番号、コモロ諸島の住所と全く同じです。どうやらこのFxonet Ltd (https://www.fxonetltd.com/) というサイトは本項で検証しているfxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) というサイトの運営会社のサイトという位置づけだと思われますが、互いのサイトに関する記述はいずれのサイトでも見当たりません。どういうことなのか理解に苦しみます。いずれにしろコモロ諸島の金融ライセンスについて厳しい審査が行われているとは思えませんし、住所についても架空である可能性が高くて信頼できる情報とは思われません。
次に以下に示したのはfxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) のサイトの「リーガル」と題されたサブページ (https://www.fxonet.com/international/ja/legal/) の画像です。
「クライアント契約」「会社情報」「一般料金」「利用規約」など13個の項目が並んでいます。こうした法的関係とか利用規約などの情報がこうしたファイル形式でまとめられているというのは「検証4」、「検証83」、そして本ページで検証してきた同じグループによると思われる一連のサイトでしばしば確認されているパターンです。例えば以下は上で検証した24フォレックスマーケット (https://24forexmarket.com/ja/) のサイトの「Legal」というサブページ (https://24forexmarket.com/ja/legal-2/) の画像です。
2つのサイトのサブページを相互比較すると「クライアント契約」と「顧客契約書」など似たような名称の13個の項目が並んでいて明らかに似ています。
さらにfxonetの「リーガル」のサブページに並んでいる13個の項目の内「一般料金」という項目 (https://www.fxonet.com/international/ja/terms-and-conditions/general-fees/) の画像を以下に示していきます。まず以下は最初に出てくる「1. Withdrawal Fees (出金手数料)」という項目の画像です。
デビットカード、クレジットカードの場合は3.5%、Wire Transfer (電信送金) の場合は30スイスフラン、30米ドル、30ユーロ、30英ポンドのいずれか、eWalletsの場合には1.5%~4.5%というかなり高額の出金手数料が必要という規定になっています。そしてこうした規定はこれまで検証してきた同じグループによると思われる一連のサイトでしばしば確認されています。
そして24フォレックスマーケットのサイトで対応すると思われる「一般手数料」という項目で最初に出てくる「1. Withdrawal Fees (出金手数料)」という項目の画像を以下に示します。
デビットカード、クレジットカードの場合は3.5%、Wire Transfer (電信送金) の場合は30米ドル、eWalletsの場合には3.5%いう出金手数料が必要という規定になっています。この出金手数料の規定はfxonetと24フォレックスマーケットで全く同じという訳ではないもののかなり似ています。さらに表の下に記されている注釈の最初の文章はいずれのサイトでも以下のようになっています。日本語訳と共に示します。
>Notwithstanding the aforesaid table, in the following circumstances the Company reserves the right to charge a withdrawal fee at an amount equal to 80 EUR (or the equivalent amount according to the denominated currency of the Client’s Trading Account):
>上記の表にかかわらず、以下の状況では、当社は80ユーロ(または顧客の取引口座の通貨建てに応じた相当額)の出金手数料を請求する権利を留保します。
表に記されている出金手数料もかなり高いのにさらに出金手数料を80ユーロまで値上げする可能性があるようです。
さらにfxonetの「一般料金」という項目の続きとして出てくる「2. Inactivity/Dormancy Fees (休眠手数料)」という項目の画像を以下に示します。
そして24フォレックスマーケットのサイトの「2. Inactivity/Dormancy Fees (休眠手数料)」についても以下に画像を示します。
この部分でも2つのサイトの規定は互いに非常によく似ています。但し取引とか入出金しないでいる期間が長くなってくると課せられる「Inactivity/Dormancy Fees (休眠手数料)」の額は微妙に変わっていてfxonetの休眠手数料の方がさらに高額になっています。いずれのサイトでも取引とか入出金しないでいる期間が1ヶ月を超えると休眠手数料が課せられる規定になっています。
休眠期間 fxonet 24フォレックスマーケット
1~2ヶ月 150ユーロ/月 80ユーロ/月
2~6ヶ月 200ユーロ/月 120ユーロ/月
6~12ヶ月 625ユーロ/月 500ユーロ/月
12ヶ月以上 1000ユーロ/月 1000ユーロ/月
さらにいずれのサイトでも休眠期間に入ってしまったアカウントを再度アクティベートするのに2000ユーロが課せられるとあります。たった1ヶ月口座を放置しているだけでこんなべらぼうな罰金にも等しい休眠手数料を科せられるというのは法外、ぼったくりとしか思えません。こうした休眠手数料の規定は同じグループによると思われる一連のサイトの多くで確認されていますが、こうした顧客にとって大きな手数料を課せられる非常に不利な規定をこうした分かりにくい部分に書いてあるという状況には悪意を感じざるを得ません。
そして本項の冒頭で引用したYahoo知恵袋への質問投稿でfxonetについて既に複数の出金出来ないという被害事例が確認されています。fxonetでの取引は非常に危険であり、fxonetでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
※付記1
2025年3月26日付で関東財務局からfxonetについて無登録の違法業者であるとして以下に示した警告が出ました。
※付記2
2025年3月29日付でYahooニュースにfxonetで詐欺被害に遭ったという記事が出ていました。被害額は3950万円とかなりの巨額です。記事冒頭部の画像を引用します。
▼暗号資産3950万円相当被害 投資目的など長崎県の60代女性 (2025年3月29日 NBC長崎放送/Yahooニュース)
「ニュースサイト」を閲覧していると思って実際に閲覧していたのがニセ記事広告だった可能性が高いです。その後、ビデオ電話やメールで勧誘されて入金してしまい、結局出金出来なくなってしまったようです。
●tredero (トレデロ https://tredero.com/ja/) → 閉鎖確認
これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトで上で検証してきた一連のサイトなどと共通点が認められ、同じグループによるサイトの可能性が高いです。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
UNIDRU (ユニドラ https://www.unidru.com/) というシンガポールを本拠とする医薬品の個人輸入代行サービスサイトで薬を購入したところ、ハッキングなどで連絡先情報が漏れたのかあるいはユニドラというサイトが連絡先情報を意図的に漏洩したのか分かりませんが、トレデロのサイトでの投資を勧誘する電話が頻繁に掛かってくるようになり、250ドルを入金するように指示されているということで信頼性を疑い、この質問を投稿しているようです。有名人が投資で大儲けしたといったフェイクニュース記事は見た記憶が無いようです。
ここで登場するユニドラという医薬品の個人輸入代行サービスサイトの冒頭部の画像を示します。
このサイトは全面的に日本語で書かれているのですが、特定商取引法のページに記されている連絡先情報を見ると以下に示したように住所はシンガポールになっています。
記載内容を以下に書き出します。
店舗名 ユニドラ (unidru.com)
創業 2017年11月
運営会社 MARCUS TRADING PTE LTD
所在地 91 ALPS AVE, SINGAPORE 498787
サイトURL https://www.unidru.com/
カスタマーサポート support@inidru.com (日本人スタッフ対応 / 10:00-17:00)
電話番号が示されていないことが気になります。運営会社のMARCUS TRADING PTE LTDは調べてみるとペットくすり (https://www.petkusuri.com/) というペットや人の医薬品やサプリメントの輸入代行業もやっているようなのですが、以下に示したようにシンガポールの住所が別個になっています。MARCUS TRADING PTE LTDという運営会社名が同じなのにシンガポールの住所が異なることを確認してください。電話番号が示されていないのは同じです。
住所は以下のようになっています。
>60 PAYA LEBAR ROAD #10-22 PAYA LEBER SOUARE SINGAPORE 409051
2つの住所は同じシンガポールでも20kmぐらい離れているようです。検証の本筋から離れますが、こうした医薬品の輸入代行業者には法律上の問題点があるようですし、この業者には危うさを感じます。確証を得るのは難しいでしょうけれども個人情報の流出が事実ならば大問題でしょう。
大きく脱線してしまいましたが、表題のトレデロというサイトの検証に戻ります。まずトレデロのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼トレデロ (https://tredero.com/ja/) [表示言語:日本語、英語、スペイン語、フランス語、韓国語]
この冒頭部については特にこれまで検証してきたサイトとの類似性を感じません。この冒頭部に続いてはサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分が出てきます。以下に画像を示します。
さらに以下はxCriticalという取引プラットフォームを説明し、ダウンロード出来るようになっている部分の画像です。
Google PlayとApp Storeの2つのサイトからダウンロード出来るリンクボタンがあるように見えますが、2つのリンクボタンのリンク先はいずれもこのアプリの提供元であるxCritical (https://www.xcritical.com/) のサイトの以下のページになっており
https://xcritical.onelink.me/trfR/xvuf7skf
さらに自動的に以下のApp Storeのページにリダイレクトされます。
https://apps.apple.com/ai/app/xcritical-black/id1587351626?mt=8
このApp Storeのページの画像を以下に示します。
Google Playのサイトからは削除されてしまったのかと思ってGoogle Playのサイトで探してみると同じ「XCritical Black」というアプリが見つかりました。以下に見つかってきたGoogle Playのページの画像を示します。
トレデロのサイトで2つのリンクの実際のリンク先がいずれもApp Storeになっているのは単にリンク先を間違えた結果でしょうか?粗雑な作りとしか思えません。またこのXCriticalはダウンロード数などから判断して人気や実績のある取引プラットフォームとは思えません。
次に示すのはメニューバーの「商人」という項目の中にリンクがある「アカウントの種類」というサブページの画像です。
説明不足でよく分からない部分が多いのですが、この表によれば「スタートアップ」「ブロンズ」「銀」「金」「プラチナ」という5種類のアカウントが存在しており、おそらく入金額が増えるとスプレッドなどで有利な上級のアカウントにアップグレード出来るというシステムになっているようです。
また「スタートアップ」アカウントの開設に必要な入金額は「250」となっています。通貨単位が示されていませんが、おそらく250ドルでしょう。
入金額でランクアップする複数のアカウントが存在していて最小の入金額が250ドルというパターンは「検証4」や「検証83」、さらに本ページや「検証87」で検証しているサイトの多くで確認されているパターンと一致します。
サイト名 アカウントの種類 最低入金額
エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル
エランドロード: 5種類 250ドル
フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル
インベサキャピタル 4種類 250ドル
インベストマーケッツ 4種類 250ドル
アジアFXプロ 6種類 不明
FXマグナス: 5種類 250ドル
FXタンパ: 5種類 250ドル
RNインベスティング: 5種類 1000ドル
インベスティコ: 4種類 250ドル
ビッグマーケッツ: 4種類 250ドル
Ventorus: 5種類 不明
Azelisファイナンス: 5種類 250ドル
エッジファイナンス: 5種類 250ドル
トレドポール: 5種類 250ドル
ポートレイズ: 5種類 250ドル
ModMount: 5種類 250ドル
Maunto: 5種類 不明
ブルマーケッツ: 4種類 250ドル
ニッポンキャピタルFX: 6種類 不明
OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)
ZENマーケッツ 6種類 250ドル
キャッププレイス 3種類 不明
KROXIO 5種類 250ドル
アローインベスト 6種類 不明
ファーストECN 3種類 不明
Emarlado 5種類 不明
ストーンウォールキャピタル 4種類 250ドルあるいは1万ドル?
lukインベスト 6種類 200ドル
24フォレックスマーケット 4種類 250ドル
fxonet 4種類 250ドル
トレデロ 5種類 250ドル?
サベクサ 5種類 250ドル
ブロックブリッジ 6種類 250ドル
shinjukuFX 5種類 250ドル?あるいは5,000ドル?
クイックキャッシュFX 6種類 200ドル
Berrypax 5種類 250ドル
INNVESTER 5種類 250ドル
ブル・オントレード 5種類 不明
トレデロもこれらのサイトと組織的に繋がっている可能性が浮かび上がります。さらにトレデロがこれらのサイトと組織的に繋がっている可能性を示唆するのが以下に示した「書類」のサブページです。
記述を以下に書き出します。
>14.0 手数料、料金およびその他の費用
>14.1. お客様は、ウェブサイトに記載された取引条件に基づいて、当社にすべての手数料およびその他の費用を支払うものとします。第14.3条に従い、当社はウェブサイトおよびプラットフォーム上で現在の手数料、料金、その他の費用を表示します。関連する追加の手数料(アカウント維持費用や非活動費用など)は、ウェブサイトおよび/またはプラットフォームにも表示されます。
手数料などに関する規定なのですが、特に気になるのは太字で強調した最後の文章です。取引手数料以外に「アカウント維持費用」とか「非活動費用」といったものが課せられると書いてあり、ウェブサイトおよび/またはプラットフォームにも表示されるというのですが、トレデロのサイトを探しても「アカウント維持費用」「非活動費用」に関する情報は見当たりません。一体どんな条件で幾らの「アカウント維持費用」「非活動費用」が課せられるのか全く分かりません。あるいは登録すればそういった情報も出てくるようになるのかもしれませんが、こうした情報は登録以前に開示されているべきでしょう。特に組織的な繋がりが疑われる「検証4」や「検証83」、さらに本ページで検証しているサイトの多くで取引しないでいる期間がある程度長くなると「Inactivity/Dormancy Fees (休眠手数料)」と称するかなり法外な金額の手数料が課せらえる規定が確認されていることを考えるとこの規定に出てくる「非活動費用」の課せられる条件や具体的な金額は非常に気になるところです。条件が明示されていないのではっきりしませんが、こうした規定があることもこのトレデロのサイトと「検証4」や「検証83」、さらに本ページで検証しているサイトとの組織的な繋がりを示唆しているとも考えられます。
次にトレデロのサイトで連絡先情報や金融ライセンス情報を探しました。まず「お問い合わせ」のサブページに電話番号とメールアドレスのみ記されています。以下に画像を示します。
記されている電話番号、メールアドレスを以下に書き出します。
>電話 23052970264
>メール support@tredero.com
電話番号は切れ目なく記されているのでよく分からないのですが、おそらく最初の「230」という部分がモーリシャスの国番号と思われます。つまりこれはモーリシャスの電話番号であろうと思われます。連絡先情報はこれだけで住所が示されていないのは論外としか思えません。
さらにサイトの脚注に以下の画像に示したライセンス関係の記述があります。
>TrederoはOneprime Ltdの取引名であり、モーリシャスの金融サービス委員会によって認可および規制されています。 GB20025316は、モーリシャス共和国カトルボルヌ、トリアノン、エメラルドパーク3にあります。 登録番号:170958 GBC。
>ウェブサイトwww.tredero.comはOneprime Ltdによって管理されています。
住所の部分などがカタカナになっていて検索するのに困るので英語版サイトの脚注も確認しました。以下に画像を示します。
>Tredero is a trading name of Oneprime Ltd is authorized and regulated by the Financial Services Commission ? Mauritius under the license number GB20025316 located at 3 Emerald Park, Trianon, Quatre Bornes, Republic of Mauritius. Registration number: 170958 GBC.
>The website www.tredero.com is managed by Oneprime Ltd.
記述を整理して以下に書き出します。
運営会社: Oneprime Ltd
金融ライセンス: モーリシャスのFinancial Services Commissionより取得
ライセンス番号: GB20025316
住所: 3 Emerald Park, Trianon, Quatre Bornes, Republic of Mauritius.
登録番号: 170958 GBC.
モーリシャスのFinancial Services Commission (FSC) でライセンスを取得しているというので確認を試みました。モーリシャスのFSCのサイト (https://www.fscmauritius.org/en) にあるRegister of Licensees のページで「Oneprime Ltd」の登録を探してみると以下の登録情報が出てきました。
記述の一部を抜粋して以下に示します。
ライセンスを得ている社名: Oneprime Ltd
Mc Name: AAcapital International Limited
ライセンス取得日: 2020年2月19日
ライセンスの種類: SEC-2.2 Investment Dealer (Broker)
登録住所: C/O TOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITED
KING GEORGE VI AVENUE FIOREAL, Mauritius
確かに「Oneprime Ltd」という法人がモーリシャスのFSCで登録を得ていることは確認されたのですが、この登録情報には疑問があります。そもそもこの「Oneprime Ltd」という法人がここで検証しているトレデロの運営会社かどうかについて疑問があるのです。ここで示した「Oneprime Ltd」の登録情報を見ると「Mc Name」という項目がありますが、この「Mc Name」の意味が調べても分かりません。しかし「Mc Name」が「AAcapital International Limited」となっているのでこの「AAcapital International Limited」を検索してみると以下に示したAAcapital International LimitedのLinked Inのアカウント (https://www.linkedin.com/company/aacapitalmu) が見つかってきました。
上の画像の一番下に書いてあるこのAAcapital International Limitedの住所
>3 Emerald Park, Trianon, Quatre Bornes、72257、MU
はトレデロのサイトの脚注に記されていた住所と同じです。そして残念ながらここに記されているAAcapital International Limitedの公式サイト (https://www.aacapital.mu) は既に閉鎖されているようでアクセス出来ません。また「Oneprime Ltd」についても独自の公式サイトがあるのではないかとも考えて探してみましたが、見つかりません。
モーリシャスの「Oneprime Ltd」の登録情報では住所が以下のようになっています。
>C/O TOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITED
>KING GEORGE VI AVENUE FIOREAL, Mauritius
「TOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITED」気付となっているのですが、この「TOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITED」を検索してみると以下のサイトが見つかってきました。
▼TOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITED (https://toukanservices.com/en/)
このTOUKAN CORPORATE SERVICES LIMITEDの業務内容を見るといわゆるオフショア会社のようです。租税回避地 (タックスヘイブン) として知られるモーリシャスでペーパーカンパニーの設立などを行っているものと思われます。このオフショア会社の連絡先情報は以下のようになっています。
>King George VI Avenue, Floréal, Republic of Mauritius
>Phone: +230 606 8000
>Fax: +230 606 8888
>Email: business@toukanservices.com
この住所は上に示したモーリシャスのFinancial Services Commission (FSC) のライセンス情報に記されていた住所と一致します。FSCのライセンス情報に記されている住所がオフショア会社の住所であることは間違いありません。つまりこの住所にトレデロの運営会社とされている「Oneprime Ltd」は存在しないものと考えられます。
そもそも「Mc Name」の意味が分からないので結論は難しいのですが、トレデロの運営は本当にモーリシャスで登録を得ている「Oneprime Ltd」なのか疑問があります。全く無関係の「Oneprime Ltd」の登録を自らの金融ライセンスであると主張しているだけという可能性さえ考えられます。また仮にこれがトレデロの金融ライセンスだとしても登録上の住所がオフショア会社の住所であることなど考えるとモーリシャスのFinancial Services Commission (FSC) がどれほど厳格な金融ライセンスの審査を行っているかどうかは極めて疑問でしょう。
トレデロは信頼できる投資先とは思えません。特にトレデロは「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証しているサイトと偶然とは思えない共通性が認められ、組織的な繋がりが強く疑われます。そしてそれらのサイトで少なくない被害報告が確認されていることを考えればトレデロも非常に危険なサイトと疑わざるを得ません。このサイトでの取引は推奨できません。
※付記
2025年5月28日付で関東財務局からトレデロの運営会社であるOneprime Ltdが無登録の違法業者であるという以下に画像を示した警告が出ました。
●Savexa (サベクサ https://www.savexa.com/ja/)
これも「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証しているサイトと似た部分が認められ、同じグループによると思われるサイトです。このサイトについては上で検証してきたEmarlardなどコモロ諸島のMwali International Services Authority (ムワリ国際サービス局 https://mwaliregistrar.com/) で登録を得ているという一連のサイトを調べていて存在に気が付くことになりました。本サイトでこれまでに検証しているサイトの中でムワリ国際サービス局でライセンスを取得しているという主張をしているサイトとしては以下があります。
「検証4」 ビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/)
「検証4」 Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)
「検証83」 Maunto (https://www.maunto.com/ja)
「検証83」 ブルマーケッツ (https://www.bullmarkets.com/international/ja/)
「検証83」 キャッププレイス (https://www.capplace.com/ja)
「検証83」 KROXIO (https://www.kroxio.com/jp/index.php)
「検証83」 ファーストECN (https://www.firstecn.com/ja/)
「検証84」 Emarlado (https://www.emarlado.com/ja/)
「検証84」 FXONET (https://www.fxonetltd.com/)
これらのサイト、正確にはこれらのサイトの運営会社がムワリ国際サービス局サイトにある「Brokerage Companies (証券会社)」の登録リストに含まれていることが確認されています。ムワリ国際サービス局でライセンスを取得しているのは「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一部のサイトとの共通点でもあります。コモロ諸島に多くのFX業者が実在するとは思えませんからムワリ国際サービス局でのライセンス審査は厳密なものではないと思われます。
そしてこのリストを調べていて他の登録業者の中にも日本語表示に対応しているFX業者が幾つか含まれていることを確認しました。その中の1つが本項の検証対象であるサベクサというサイトの運営会社であるTrade Tide Ltdです。以下に登録リストの一部の画像を示します。
さらにこのリストの右端にある「Verify」の部分からリンクされている登録情報の画像を以下に示します。
記載を書き出します。
Company name: Trade Tide Ltd
Company number: HT00324038
License number: BFX2024065
Date of license issue: April 01, 2024
License end date: April 01, 2026
Website: https://www.savexa.com/
Date: March 05, 2025
最後の「Date」の意味が分からないのですが、表題のサベクサというサイトを運営するTrade Tide Ltd (会社番号: HT00324038) がムワリ国際サービス局から2024年4月1日付でライセンス (ライセンス番号:BFX2024065)を得ていることは確認されました。サベクサのURLアドレスも示されています。
そしてこのサベクサというFX業者に関すると思われる質問がYahoo知恵袋に出ていたことに気が付きました。
どういう経緯なのか分かりませんが、サベクサでの投資勧誘を見て電話番号などを書き込んでしまってから詐欺サイトであったことを自覚して対処について意見を求めています。
さらにサベクサについて調べてみるとYoutubeで勧誘が行われていることが分かりました。サベクサでの投資を勧誘する日本語の動画は少なくとも以下の2つのチャンネルから投稿されています。
▼Broker Check Japan (https://www.youtube.com/@BrokerCheckJP)
2025年3月18日にチャンネル開設
投稿動画1本 (日本語動画) のみ (2025年4月下旬現在)
▼Savaxa (https://www.youtube.com/@Savexaltd)
2025年1月9日にチャンネル開設
投稿動画5本 (内、日本語動画3本) (2025年4月下旬現在)
2つ目のチャンネルはサベクサ自体が開設しているチャンネルということかもしれません。以下は1つ目のチャンネルでアップされている「Savexaレビュー:2025年のメリットとデメリット」と題された唯一の動画です。
動画は削除される可能性があるので画像を以下に示します。
上の画像で確認出来るように動画に添えられている説明文の中にはサベクサのサイトのURLアドレスも示されています。そしてこの動画では「Savexa」を「セーブキサ」と発音しているようです。
但しBroker Check のyoutubeチャンネルは英語版 (https://www.youtube.com/@brokercheck/featured) も存在しており、日本語版チャンネルには1本の動画しかアップされていないのに対して英語チャンネルには48本の動画がアップされています。そしてその中にはサベクサの評価動画もあります。
▼Savexa Review: Pros & Cons in 2025
内容としては日本語版と同じでほぼ手放しで称賛するような内容です。日本語版動画はこの英語動画に日本語のナレーションを付けただけのようです。そしてこの英語版動画では「Savexa」を「セベクサ」と発音しているようです。
そしてこのBroker Check JapanのYoutubeチャンネルには疑問があります。このYoutubeチェンネルはBroker Check というレビューサイト (https://ja.brokercheck.co.za/) が運営しており、運営の収益はアフィリエイト報酬などから得ているようです。以下はBroker Check のサイトにあるよくある質問の一部です。
>▼どのように BrokerCheck お金を稼ぐ?
>ユーザーは当社のサービスを無料で利用できますが、パートナーシップ、アフィリエイト報酬、広告を通じて収益を上げています。 ただし、これらのパートナーシップは当社のレビューやランキングには影響しません。 brokerユーザーが自由に投票できるように、私たちのサイト上で。
アフィリエイト報酬を収益源としているサイトで公平なレビューが行われているかどうかは疑問と感じます。特にBrokerCheckの英語チャンネルには48本の動画がアップされているのに日本語サイトにはサベクサの動画1本のみアップされているという状況に疑問を感じます。
さらに以下は2つ目のYoutubeチャンネル、サベクサ自体のYoutubeチャンネルからアップされている「2025年版SavexaのFXトレンド完全ガイド!今知るべきポイント 📅 (savexa.com)」と題された動画です。
この動画についても削除される可能性があるので画像を以下に示しておきます。
この動画では「Savexa」を「サベクサ」と読んでいます。Broker Check のyoutubeチャンネルの動画の日本語版では「セーブキサ」、英語版では「セベクサ」と読んでいるように聞こえるのでどう読むべきかよく分かりませんが、サベクサ自体のYoutubeチャンネルの動画に出てくる読み方を採用するべきと考えてここでは「サベクサ」で統一します。そしてこの動画についても自らがアップしている動画ですから当然とも言えますが、サベクサを手放しで称賛するような内容になっています。
これら日本語の動画が公開されていることから日本人を向けた勧誘が行われていると判断して間違いないでしょう。そこでまずサベクサのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。
▼サベクサ (https://www.savexa.com/ja/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、ヒンディー語]
このサイト冒頭部はこれまで検証してきたサイトと特に似ているようには思われません。この冒頭部に続いては以下に取引対象について非常に簡単に説明している部分が出てきます。
取引対象について
>外国為替、通貨ペア、コモディティのCFDを含む160以上の資産をお取引いただけます。
と書いてありますが、これだけでは具体的な取引対象について殆ど何も分かりません。トップページにあるのはこうした具体性を欠いた中途半端以下の説明だけという印象です。取引対象については「外国為替」「コモディティ」「インデックス」「株式」「暗号通貨」「金属」の6項目についてそれぞれサブページが存在していてある程度の説明はあるのですが、それでも情報が充分に開示されているようには思えません。例えば「外国為替」のサブページ (https://www.savexa.com/ja/forex/) を見ると取引できる47種の通貨ペアのリストは示されているのですが、取引条件としては最大レバレッジが400倍であることだけ示されていて、取引単位とかスプレッド、スワップ金利といった普通に開示されているべき情報が見当たりません。どうしてそういった開示されていて当然の情報が開示されていないのかかなり違和感があります。
そして本項の冒頭でサベクサが「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一連のサイトと似ている部分があると書きましたが、サベクサと一連のサイトとの類似点としてサベクサで開設できる取引口座の種類や名称、その条件も挙げることが出来ます。以下は「取引口座」のサブページにあるサベクサで開設できる5種類の口座の概要をまとめた表です。
「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」の5種類のアカウントが存在していて上級のアカウントの方がスプレッドが狭くなっているなど有利な条件になっているというのは「検証4」や「検証83」、「検証87」で検証している一連のサイトと明らかに似ています。例えば以下は上で検証したEmarlado (https://www.emarlado.com/ja/) のサイトにある5種類のアカウントを説明する表です。
「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」という5種類のアカウントが用意されていて上級のアカウントになるほどスプレッドなどが優遇されるというシステムがサベクサの場合と同じなのです。さらに以下に「検証4」や「検証83」、「検証87」、さらに以下で検証している一連のサイトで用意されているアカウントの名称のまとめを示します。
サイト名 アカウントの名称
▼エックスプロマーケッツ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼エランドロード: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼フェニックスリミテッド: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベサキャピタル: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽インベストマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽31FX: 確認出来ず。
▽Kyoto FX: 確認出来ず。
▽アジアFXプロ: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽FXKYOTO: 確認出来ず。
▽FXマグナス: 「クラシック」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」「VIP」
▼FXタンパ: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽RNインベスティング: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽インベスティコ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽ビッグマーケッツ: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▼Ventorus: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽エッジファイナンス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」「プロ」
▽トレドポール: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「ダイヤモンド」「VIP」
▽ポートレイズ: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▽Azelisファイナンス: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」
▼ModMount: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▼Maunto: 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブルマーケッツ: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ニッポンキャピタルFX: 「ベーシック」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽OYASHIMA FX: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「VIPプラチナ」「VIPダイアモンド」
▽Aboveインベスティング: 「ベーシック」「アドバンスト」「VIP」
▽ZENマーケッツ: 「スターター」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽キャッププレイス: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽KROXIO: 「ルーキー」「エキスパート」「エリート」「デラックス」「タイタン」
▽アローインベスト: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」「ダイヤモンド」
▽ファーストECN: 「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▼Emarlado 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ストーンウォール: 「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」
▽lukインベスト: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽24フォレックスマーケット:「ベーシック」「ゴールド」「プラチナム」「VIP」
▽fxonet: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽トレデロ 「スタートアップ」「ブロンズ」「銀」「金」「プラチナ」
▼サベクサ 「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブロックブリッジ: 「スタート」「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」
▽ShinjukuFX: 「ブロンズ」「銀」「金」「白金」「ダイヤモンド」
▽クイックキャッシュFX: 「ベーシック」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」「エクゼクティブ」「VIP」
▽Berrypax: 「基本 (ベーシック)」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽INNVESTER: 「ベーシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」
▽ブル・オントレード: 「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」
サベクサやEmarlardのサイトと同じ「クラシック」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「VIP」という5種類のアカウントの組み合わせが確認されているのは▼を付けたサベクサ、Emarlardを含めた9つのサイトです。ブル・オントレードの「クラシック」「銀」「金」「白金」「VIP」というアカウント名も英語か日本語かの違いだけで本質的に同じでしょう。
さらにサベクサのサイトには5種類のアカウントを開設するのに必要な条件の詳細が見当たらないのですが、ヘルプセンター、よくある質問のページの「デポジット」の項目の中に最低入金額が250ドルであるという情報が見つかりました。
5種類のアカウントの内、ランクが最も低い「クラシック」というアカウントを開設するのに250ドルの入金が必要と思われます。それ以上の4種類のアカウントを開設するのに必要な入金額は不明です。
そしてこの250ドルという最低入金額はサベクサとの組織的関連が疑われる「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一連のサイトの多くの最低入金額と一致しています。上に書いたトレデロの検証でも示しましたが、一連のサイトで確認されているアカウントの種類と最低入金額を以下にまとめます。
サイト名 アカウントの種類 最低入金額
エックスプロマーケッツ: 5種類 250ドル
エランドロード: 5種類 250ドル
フェニックスリミテッド: 5種類 250ドル
インベサキャピタル 4種類 250ドル
インベストマーケッツ 4種類 250ドル
アジアFXプロ 6種類 不明
FXマグナス: 5種類 250ドル
FXタンパ: 5種類 250ドル
RNインベスティング: 5種類 1000ドル
インベスティコ: 4種類 250ドル
ビッグマーケッツ: 4種類 250ドル
Ventorus: 5種類 不明
Azelisファイナンス: 5種類 250ドル
エッジファイナンス: 5種類 250ドル
トレドポール: 5種類 250ドル
ポートレイズ: 5種類 250ドル
ModMount: 5種類 250ドル
Maunto: 5種類 不明
ブルマーケッツ: 4種類 250ドル
ニッポンキャピタルFX: 6種類 不明
OYASHIMA FX: 5種類 4万円 (1ドル=160円で250ドル)
ZENマーケッツ 6種類 250ドル
キャッププレイス 3種類 不明
KROXIO 5種類 250ドル
アローインベスト 6種類 不明
ファーストECN 3種類 不明
Emarlado 5種類 不明
ストーンウォールキャピタル 4種類 250ドルあるいは1万ドル?
lukインベスト 6種類 200ドル
24フォレックスマーケット 4種類 250ドル
fxonet 4種類 250ドル
トレデロ 5種類 250ドル?
サベクサ 5種類 250ドル
ブロックブリッジ 6種類 250ドル
ShinjukuFX 5種類 250ドル?あるいは5,000ドル?
クイックキャッシュFX 6種類 200ドル
Berrypax 5種類 250ドル
INNVESTER 5種類 250ドル
ブル・オントレード 5種類 不明
アカウントの名称と最低入金額の両方がこれまでに検証してきたサイトの多くと一致しているというのは偶然とは考えにくいです。さらに偶然と考えにくいのはサベクサでの取引条件など規約の類がPDFファイルで示されていることです。以下にはサベクサのサイトの「法的事項」と題されたサブページの画像を示します。
以下の9つのPDFファイルが提供されています。
▼利用規約
こうした利用規約などが複数のPDFファイルの形でのみ示されているというのはまさにサベクサとの組織的関連が疑われる「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一連のサイトの多くで確認されていることです。例えば以下は上で検証したEmarladoのサイト (https://www.emarlado.com/ja/) の法的文書のサブページで示されているPDFファイルのリストの画像です。
「リスク開示」「ボーナス条件」「苦情処理手順」といったファイル名はサベクサとEmarladoで全く同じですし、他のファイルについても対応するファイルの予測がつくほどファイル名が互いに似ています。さらに例えば以下はサベクサの「一般手数料」のファイルの冒頭に出てくる出金手数料に関する説明の部分です。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどへの払い戻しで出金する場合には3.5%、銀行口座への電信送金で出金する場合には1件当たり30ドルというかなり高額の手数料が課せられる規定になっています。そしてこれと非常によく似た出金手数料に関する規定がこれまで検証してきた一連のサイトでも確認されています。例えば以下は比較対象としてきたEmarladoの「一般料金」というPDFファイルの冒頭に出てくる出金手数料の規定の画像です。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどへの払い戻しで出金する場合には3.5%、銀行口座への電信送金で出金する場合には1件当たり30ドルというかなり高額の手数料が課せられる規定は全く同じですし、文章や表の形式なども互いに酷似しています。
さらに同じサベクサの「一般手数料」のファイルの続きに出てくるInactivity Fees (休眠手数料) に関する規定の部分の画像を以下に示します。
取り引きや入出金などをせずに1ヶ月を超えて2ヶ月までは100ユーロ、2ヶ月から6ヶ月までは毎月250ユーロ、6ヶ月を超えると毎月500ユーロがInactivity Fee (休眠手数料) として徴収されるという恐ろしい規定になっています。
そしてこれと非常によく似た規定が比較対象としているEmarladoの「一般料金」というPDFファイルに出てきます。以下に画像を示します。
取り引きや入出金などをせずに1ヶ月を超えて2ヶ月までは100ユーロ、2ヶ月から6ヶ月までは毎月250ユーロ、6ヶ月を超えると毎月500ユーロがInactivity Fee (休眠手数料) として徴収される所まではサベクサの場合と全く同じでさらに12ヶ月を超えると休眠手数料が毎月1000ドルに跳ね上がるという規定になっています。
文章や表の形式なども含めてサベクサとEmarladoの休眠手数料に関する規定は明らかに互いに酷似しています。またPDFファイルという非常に分かりにくい場所にのみこの規定が書いてあるという点でも一致していまず。サベクサはEmarladoなどと同じグループによるサイトで間違いないと考えます。
次にサベクサの連絡先情報を探しましたが開示されている情報は極めて限られています。まずサイトの脚注のライセンスに関する記述があり、「登録事務所の住所」が記されています。
>会社情報:Trade Tide Ltd は、登録番号HT00324038でムワリ島-コモロ連合に登録されており、登録事務所の住所はBonovo Road, Fomboni, Comoros, KM です。ライセンス番号はBFX2024065で、ムワリ国際サービス機関によって認可され、規制されています。
しかしこのコモロ諸島の住所 (Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM) については非常によく似た住所 (P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM) が「検証83」で検証したMaunto (https://www.maunto.com/ja) と上で検証したfxonet (https://www.fxonet.com/international/ja/) でも住所とされていた他、「検証4」で検証したビッグマーケッツ (https://www.bigmarkets.com/international/ja/) のサイトで一時期登録住所とされていた住所 (その後、セントルシアの住所に変更) でもあります。
そしてMaunto、fxonet、ビッグマーケッツの検証で指摘したように私書箱番号付きの住所は以下に示したMOHELI CORPORATE SERVICES (https://mohelicorpservice.com/) というオフショア会社の住所と私書箱番号まで完全に一致します。
サベクサの登録住所は私書箱番号と思われる「P.B. 1257」という部分が無い住所なのですが、このオフショア会社を利用した架空住所である疑いが極めて濃厚です。
サベクサの連絡先情報としては「お問い合わせ」のサブページに以下の画像を示しましたが、メールアドレスや電話番号が記されています。
>メールアドレス support@savexa.com
>電話 +447822107974
電話番号は[+44]というイギリスの国番号から始まっています。住所の情報は何もありませんが、電話番号から判断すればイギリスに拠点があるはずということになります。そこで「Savexa」あるいはサベクサの運営会社である「Trade Tide Ltd 」というイギリスの法人登録が存在しないか法人登録を検索できるサイトで検索してみましたが該当すると思われる法人登録情報は見つかりません。結局、サベクサの運営の所在地について信頼できる情報はどこにもないという結論にならざるを得ません。
結論としてサベクサは到底信用に値するような業者とは思えません。本項の最初に書いたように「検証4」、「検証83」、「検証87」、さらに本ページで検証している一連のサイトと到底偶然とは思えない共通点が幾つも見つかることから同じグループによると思われるサイトであることは間違いないと考えます。そしてそれら同じグループによるサイトでは多数の被害報告が出ていますし、何の告知もなく閉鎖されているサイトも増えています。さらに取引しないでいるだけでInactivity Fee (休眠手数料) として大金が毎月徴収されてしまうといった極めて顧客にとって著しく不利な規定があることからもサベクサでの取引は到底推奨できません。
この検証を書いている時点では確認されていませんが、このサイトについても有名人の名前や画像を盗用したニセ記事広告で勧誘が行われている可能性が高いです。そうしたニセ記事広告を見ても絶対に信用するべきではありません。
※付記
2025年8月28日付で関東財務局からサベクサについて無登録の違法業者であるとして以下に示した警告が出てきました。