検証152

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは「検証151」で説明、検証した詐欺目的と思われるサイトと同じ海外の詐欺グループによると思われるサイトを検証します。「検証151」で説明していますがこのグループは有名人の名前や画像を盗用した一見するとネットのニュース記事に見えるニセ記事広告で勧誘する手口を使っています。このページでは以下のサイトを検証します。検証対象は順次追加の予定です。


xTraderAi 4.3 GPT (https://xtraderai.com/ja/)

これはYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトです。まずそのYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2024年7月12日投稿

TOKYO MXで放送されている寺島実郎氏が聞き手を務める対談番組でファーストリテイリングの経営者である柳井正氏が「何もしなくても誰でも金持ちになれる」システムとして「xTraderAi 4.3 GPT」を紹介したという記事を読んだということのようです。この質問にある情報から即座に「検証151」で説明したニセ記事広告で勧誘する投資詐欺の手口が思い出されました。柳井正氏はまさに「検証151」で引用したニセ記事広告で名前や画像が盗用されていることが確認されている有名人の1人です。

そして検索してみると柳井氏の名前や画像を盗用したと思われる「xTraderAi 4.3 GPT」の偽記事広告サイトが見つかってきました。以下にかなり長く引用します。尚、危険なサイトなのでURLアドレスのリンクは外してあります。アクセスする場合には自己責任でお願いします。

Tadashi Yanai xTraderAi 4.3 GPT 口コミ (https://medium.com/@xtraderai4.3.gpt_88634/tadashi-yanai-xtraderai-4-3-gpt-%E5%8F%A3%E3%82%B3%E3%83%9F-17f91c344b3e)

TOKYO MXで寺島実郎氏がホストを務める「寺島実郎の世界を知る力」という対談番組が放送されているのは事実なのですが、寺島氏と柳井氏の対談で実際にxTraderAi 4.3 GPTという投資が取り上げられたかどうか、確認を試みました。まずTOKYO MXテレビの「寺島実郎の世界を知る力」の公式ページを見るとフェイクニュースに関する警告文が出ていることが判明しました。

フェイクニュースに対する警告文を以下に書き出します。

>【重要なお知らせ】

>「寺島実郎の世界を知る力」の画像を使用したフェイクニュース・広告がSNSで確認されました。

>放送された内容とは異なる、虚偽の内容ですので、ご注意下さいますようお願い申し上げます。

そして調べてみると柳井正氏はこの番組に少なくとも2回登場しているようでいずれについてもTOKYO MXの公式アカウントに動画がアップされています。

【ゲスト 柳井正(株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)】寺島実郎の世界を知る力対談篇〜時代との対話〜#10(2022年1月23日放送)

【ゲスト:柳井正】寺島実郎の世界を知る力対談篇〜時代との対話〜#24(2023年3月26日放送)

上のニセ記事広告で使われている画像と2つの動画を見比べたところ、どうやら2回目の2023年3月26日放送回から画像が切り取られてニセ記事広告に使われていることが分かりました。まずニセ記事広告冒頭の画像の再掲です。

そしてTOKYO MX 公式アカウントの動画の画像です。以下は動画の3分9秒の場面で取得したスクリーンショットです。上のニセ記事広告の画像とテーブル上の茶器の配置とか登場人物の服装や手の組み方など細かい部分を見ても区別出来ません。

そしてこの48分間の動画を視聴してみましたが、柳井氏が「xTraderAi 4.3 GPT」について触れたという場面は一切確認出来ません。

さらに対談相手が異なりますが、以下も柳井正氏が同様の発言をしたというニセ記事広告です。やはり危険なのでリンクを外してあります。

日本銀行が生放送での発言で柳井 正さんを提訴 (https://w4pqjftbi3jhvglvikfaqrfi.gardenkyat.com/Tadashi-Yanai-dinam/)

このニセ記事広告は読売新聞オンラインの記事がgooニュースに転載された形式になっています。しかしURLアドレスはgooニュースのURLアドレス (https://news.goo.ne.jp/) とは全く異なりますし、他のニュース記事に繋がっているはずのリンクを実際にクリックしても「404 Bad Request」と表示されるだけでリンクになっていません。そしてこの記事では柳井氏と名前が明示されていない「インタビューアー」が対談していることになっていますが、記事冒頭の画像に見える「インタビューアー」は明らかにメジャーリーグ・シアトルマリナーズのイチロー氏 (鈴木一朗氏) です。

そこで柳井氏とイチロー氏の対談について検索するとやはりYoutubeのUNIQLI ユニクロの公式アカウントから対談の動画がアップされていることが分かりました。

イチローPOST 柳井社長×イチローさん対談 フルバージョン(46分)

そこでさらに上のニセ記事広告で使われている画像とこの動画を見比べたところ、やはり動画の画像が切り取られてニセ記事広告に使われていることが分かりました。まずニセ記事広告冒頭の画像の再掲です。

そして以下は動画2208秒の場面で取得したスクリーンショットです。柳井氏の対談相手がイチロー氏であることに気づかれにくいようにする為ではないかと思われますが、動画の画像の一部が切り取られてニセ記事広告に使われているようです。

この動画も一応視聴してみましたが、柳井氏が「xTraderAi 4.3 GPT」という投資について語る場面は出てきません。

こうした有名人の名前や画像を盗用した投資詐欺目的と思われるニセ記事広告は多数確認されていて「検証151」でも取り上げていますが、同一の海外の詐欺グループによるものと考えられます。

ともかくこれら2つのニセ記事広告で勧誘が行われている「xTraderAi 4.3 GPT」について検索して出てきたのが表題のサイトです。まずそのサイトの冒頭部の画像を以下に示します。

▼xTraderAi 4.3 GPT (https://xtraderai.com/ja/)

このサイト冒頭部は「検証151」で検証した幾つかのサイトの冒頭部と似ている部分もあるように思われます。例えば以下は「検証151」最初に取り上げたGranimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp) というサイトの冒頭部の画像です。

サイト冒頭にいきなり登録の為に名前、名字、メールアドレス、電話番号を入力する窓が用意されています。

さらにxTraderAi 4.3 GPTのサイトについて冒頭部に続く部分の画像を示していきます。まず「収益を最大化」と題された部分の画像です。

>スマートフォン、コンピューター、タブレットを使用してお金を稼ぐ

とありますが、どういう仕組みで利益が出るのか全く説明がありません。どれほどの利益が実際に出ているのかについても情報がありません。

さらに以下は「世界をリードする収益化ソフトウェアを発見してください」と題された部分の画像です。

右側には世界地図があって光の点が10個ほど散りばめられていますが、意味が分かりません。最初は拠点の壱を示しているのかとも思いましたが、よく見るとグリーンランドの北側、北極海の中にも光の点があり、とてもではありませんが拠点の位置を示しているようには思えません。

さらに左下には以下のような記述があります。

>67K+ xTraderAi 4.3 GPTに参加した人々

>100+ xTraderAi 4.3 GPTをプレイする有名人

>50 大企業との連携

67000人以上の参加者がいて、その中には100人以上の有名人が含まれていて、さらに50以上の大企業と連携しているというのですが、100人以上の有名人とか50以上の大企業の具体名は全く示されていません。どんな分野で大企業と連携しているのかも不明です。また67000人以上の顧客を抱えているという主張もどれほど信頼出来るのか非常に疑問です。

実際問題、このサイトへのアクセス状況を調べてみた結果を以下に示します。

1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が軒並み検出限界以下という結果になっています。とてもではありませんが67000人以上がこのサイトでの投資に参加しているとは思えません。

さらに以下はユーザー体験と題された部分の画像です。

例えば最初の「タラ・ベンソン」という女性の文章を以下に書き出してみます。、

>友人が xTraderAi 4.3 GPT を勧めてからわずか 3 日後、試してみることにしました。驚いたことに、取引開始 1 日で $3,483 を稼ぎました。これは最初の入金額のほぼ 5 倍です。

友人に勧められて取引してみたところ1日目にして入金額のほぼ5倍の利益を得られたというのですが、非現実的としか思われません。1日で元本の5倍の利益を上げるとなれば何を取引対象としてどんな取引をするのか全く情報がありませんが、よほど大きなレバレッジを掛けてハイリスクの取引をしているとしか思われません。

同様に右側の「ルカ・グリフィス」という男性の証言も書き出してみます。

>最初は疑念を抱き、暗号通貨に関する予備知識もなかったのですが、自動取引はシンプルで非常に収益性が高く、最小限の労力で毎週約 $2,400 の利益が得られることがすぐにわかりました。

どうやら仮想通貨の自動売買で運用しているらしいということは分かりますが、毎週約2400ドルの利益が得られるという部分については事実かどうかやはり極めて疑わしいと考えざるを得ません。

「タラ・ベンソン」以下の3名のユーザーも実在のユーザーかどうかさえ疑わしいように思われます。

次に連絡先情報とか金融ライセンスに関する情報を探しましたが、開示されている情報はわずかです。以下はメニューバーにある「お問い合わせ」の項目からリンクされているサブページに示されている住所とメールアドレスの画像です。日本語版だと住所がカタカナ表示になる為、以下は英語版の画像です。

住所: 150 Baker Street, London W1U 6BW, UK

メールアドレス: office@xtraderai.com

示されているのはイギリス・ロンドンの住所とメールアドレスのみです。電話番号はありません。またイギリスの法人登録を探してみましたが、それらしい法人登録は見つかりません。本当にイギリスに本拠があるかどうかについても疑問です。例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが、登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2023年11月27日となっています。

これは到底信用できるサイトとは思われません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。