検証77

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72「検証73」「検証74」「検証75」「検証76で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証15ページ目です。「検証78」「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●Bit-unlimited (ビットアンリミテッド www.bit-unlimited.com/)

●GVCOIN / GLOBAL VILLAGECOIN.COM (GVコイン/グローバルビレッジコイン  www.globalvillagecoin.com/)

●Okeylife (オーケーライフ www.oklifecoin.com/)

●Gudecoin (Gudeコイン www.gudecoin.com/)

●5Gcoinshops [5Gコイン] (5Gコインショップス www.5gcoinshops.com/)

●SpaceFinEX [FEC (Financial Exosystem Chain)] (スペースファイネックス spacefinex.com/)

●LineFinex [DCDB (Decentaralized Common Data Base)] (ラインファイネックス linefinex.com/index)

●PlaceFinEX [FTC (Financial Ecosystem Chain)] (プレースファイネックス pppv.net/)

●PlaceFinEX [FTC (Financial Ecosystem Chain)] (プレースファイネックスwww.jibenshu.com/)


まず以下を検証します。

●Bit-unlimited (ビットアンリミテッド www.bit-unlimited.com/)

これは「検証70」で検証したLUCKJUPITERCOIN.COM (ラックジュピターコインドットコム www.luckjupitercoin.com/) やBST (www.baishitecoin.net/) 、さらに下で検証しているGVCOIN / GLOBAL VILLAGECOIN.COM (GVコイン/グローバルビレッジコイン  www.globalvillagecoin.com/)、Okeylife (オーケーライフ www.oklifecoin.com/)、Gudecoin (Gudeコイン www.gudecoin.com/)と組織的な繋がりの可能性があるサイトです。必要に応じてそれぞれの検証を併読してください。このサイトについては2020年9月、以下のキャプに示したYahoo知恵袋での質問投稿に「ネットで知り合った外国人」に投資勧誘されたサイトとして登場したことで知ることになりました。

質問のリンクには明らかにアフィリエイターのIDと思われる部分が付いています。勧誘役は詐欺組織の一員というよりはアフィリエイト報酬目当てに加担している組織とは繋がりのない人物なのかもしれません。ともかく質問のリンクのサイトにアクセスしてみました。以下は冒頭部のキャプです。

意味が分からない大きな空白があって未完成なサイトなのではないかという印象を受けます。後述しますがこのサイトには他にも未完成あるいは手抜きではないかと思われる粗雑な点が目につきます。多数の詐欺サイトを短期間で使い捨てにしているのでおそらく丁寧なサイト作りが出来ていないのではないかと思われます。右上のプルダウンメニューから選択出来る表示言語は日本語、中国語、英語、韓国語の4つになっています。

この冒頭部に続いてはサイトの特長をイラストと短文の組み合わせで説明する部分があります。何やら「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトでよく見るパターンですが、これまで調べてきたサイトのイラスト+説明文とは特に似ているようには思えません。

次に連絡先情報を探しましたが、開示されている情報は充分とは言い難い上に問題があります。以下はまず表示言語を英語にした場合の「Contact Us」のページのキャプです。

>Address management

>Official website: www.bit-unlimited.com

>Mailbox: bitexchange001@gmail.com

>Address: Oue building, Singapore Financial Center

電話番号や運営者情報はなく、メールアドレスが無料登録出来るgmailのアドレスになっています。仮想通貨取引所の連絡先として有り得ません。住所はシンガポールのビルの名称だけで階数とか部屋番号の情報がなく、不完全な住所と思われます。これだけでも情報開示不足で問題ですが、この連絡先情報のページを日本語表示で見ると非常に奇妙なことになっています。以下に日本語表示の場合のキャプを示します。

>アドレス管理

>公式ウェブサイト: www.luckjupiter-coin.com

>メールボックス: luckjupitervip@gmail.com

>住所: マルタのサリマ商店街188番地

ビットアンリミテッドのサイトを見ているはずなのにここに示されている「公式ウェブサイト」のURLアドレスはビットアンリミテッドのサイトのURL (www.bit-unlimited.com/)ではなく、「検証70」で検証し、その後に閉鎖されたLUCKJUPITERCOIN.COM (ラックジュピターコインドットコム) という全く別のサイトのURLアドレス (www.luckjupitercoin.com/) です。さらにその下に示されているメールアドレスや住所もラックジュピターコインドットコムのもののようです。以下にラックジュピターコインドットコムのサイトにあった連絡先情報を再掲します。

サイトを見ただけでは気が付かなかったのですが、ビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコムの公式サイトのURL、メールアドレス、住所が全く同じということになり、その書式も上のキャプで明らかなように偶然とは思えないほど似ています。ビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコムは同じグループによるものであり、後者のサイトをテンプレートにして前者のサイトを作ったとしか思えません。

さらにラックジュピターコインドットコムと同様に「検証70」で検証し、既に閉鎖されているBST (www.baishitecoin.net/) のサイトの連絡先情報のページの書式ビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコムのそれと酷似していることにも気が付きました。以下にキャプを再掲します。

>Address management

>Official website: www.baishitecoin.net

>Mailbox: bestserves118@gmail.com

>Address: Oue building, Singapore Financial Center 

書式が似ているだけでなく、メールアドレスはビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコムと同様に無料登録出来るgmailのアドレス、電話番号や経営者の情報がないのも同じです。そして決定的なのはシンガポールの住所ビットアンリミテッドのサイトで英語表示を選択した場合に表示される住所と全く同じであることです。これも同じグループによる運営のサイトであったと考えてまず間違いないでしょう。ラックジュピターコインドットコムもBSTも何の説明も無くサイトが閉鎖されていることなど考えればここで検証しているビットアンリミテッドも詐欺サイトである可能性がますます濃厚になったと考えます。そしてビットアンリミテッドもいずれ何の前触れもなく閉鎖されるということが予想されます (その後、2020年11月に実際に閉鎖されていることを確認)。

ビットアンリミテッドの所在地がシンガポールあるいはマルタとなっていることを書きましたが、この情報も到底信用出来るとは思えません。以下はビットアンリミテッドのサイトのWho Is情報のキャプです。特に注目するべき部分を色枠で囲ってあります。

まず黄色い枠で囲った部分を見るとサイトの開設日が2020年8月10日になっています。この検証を書いている時点でわずか1ヶ月ほどしか経過していないサイトということになります。そして赤枠で囲った部分を見ると登録者の住所がCN (中国)のAnhui (安徽省) であると記されています。「検証75」で検証した77EXや「検証76」で検証したビットバンクの偽サイトではやはりWho Is情報に中国の湖北省という所在地情報が出ていることを指摘しました。以前から感じていましたが「検証63」以降で検証してきた一連の中国系の詐欺グループによると思われる詐欺サイトは1つのグループによるものではなく、複数の詐欺グループが同じような手口で詐欺を繰り返している可能性が高いと思われます。

このサイトでの取引は絶対に避けるべきと結論します。


※付記

Twitterにビットアンリミテッドの勧誘役から送られてきた美女の画像の投稿を見つけました (以下のキャプ参照)。但し勧誘役本人の画像ではなく、全く無関係の女性の画像を盗用している可能性が高いです。


●GVCOIN / GLOBAL VILLAGECOIN.COM (GVコイン/グローバルビレッジコイン  www.globalvillagecoin.com/)

これは結論から言えば上で検証しているビットアンリミテッド、「検証70」で検証したLUCKJUPITERCOIN.COM (ラックジュピターコインドットコム www.luckjupitercoin.com/) やBST (www.baishitecoin.net/) 、さらに下で検証しているオーケーライフやGudeコインといったサイト関連性が認められ、同じグループによる可能性が高いサイトです。同じグループによると思われるサイトとの比較を行いつつ検証します。2020年10月にYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示した質問で存在を知ることになりました。

さらにこの質問の2日後にも同じサイトに関する質問が出てきました。

2つ目の投稿にあるリンクを書き出します。

>https://www.globalvillagecoin.com/register.html?inviteCode=O9597F

register.html?inviteCode=O9597F」の部分はアフィリエイターの登録IDでしょう。このリンクを踏んで口座を開設し、入金すれば勧誘してきたアフィリエイターに報酬が支払われる仕組みになっているものと考えられます。そしてこのリンクのアドレスは上で検証したビットアンリミテッドの検証で登場したYahoo知恵袋での質問投稿に出てきていたリンクと同じ形をしています。

>https://www.bit-unlimited.com/register.html?inviteCode=z8139B 

両方ともURLアドレスの最後に「register.html?inviteCode=●●●●●●」という部分があり、●●●●●●の6文字の部分がアフィリエイターのIDになっているものと思われます。これだけでこれら2つのサイトに組織的な繋がりがある可能性を疑わざるを得ません。

次にサイトを見ていくことにします。まず以下がサイトの冒頭部です。意味がよく分からない空白があって未完成ではないかと感じさせる点は上で検証したビットアンリミテッドのサイト冒頭部に似ているような気もします。

表示言語の選択肢は英語、中国語、日本語、韓国語の4つです。表示言語の切り替えメニューはサイト上部のメニューバーにではなく、使いにくいとしか思えませんがサイトの一番下の脚注左側にあります。左下がそのGVコインの表示言語切り替えメニューです。

この表示言語の選択メニューを見てすぐに気が付きましたがこれは「検証70」で取り上げたラックジュピターコインドットコムという既に閉鎖されたサイトの表示言語切り替えメニュー(右上のキャプ)にそっくりです。上に書いたビットアンリミテッドの検証でビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコムのサイトには似た部分があることを指摘しましたが、新たに見つかったGVコインと比較を加えて考えてみるとビットアンリミテッドとラックジュピターコインドットコム、さらにGVコインは全て同じグループである可能性が高いと考えられます。

次にGVコインのサイトで連絡先情報を探しましたが殆ど情報がありません。見つかったのは右にキャプを示しましたが脚注右端にあるメールアドレスだけです。

>Official website: www.globalvillagecoin.com

>Email: gvserver1688@gmail.com

そしてこのメールアドレスは無料登録出来るgmailのアドレスです。上で検証したビットアンリミテッドおよびビットアンリミテッドと組織的な繋がりの可能性が考えられたラックジュピターコインドットコムやBTSでもメールアドレスが全てgmailのアドレスであったことが思い出されます。ついでに下で検証しているオーケーライフやGudeコインのサイトでもメールアドレスがgmailになっています。

これ以外には脚注に「私たちに関しては」(英語では「About Us」)という項目があるのですが以下のキャプに示した通り、英語で非常に一般的なことが書いてあるだけで連絡先情報は全くありません。せいぜい2017年に創業したと書いてあるだけです。

連絡先情報についてはWho Is情報に非常に断片的なものがあるのに気が付きました。以下がWho Is情報のキャプです。

赤枠で囲った部分にCN, Anhuiと書いてあります。これは中国の安徽省という意味と思われます。上で検証したビットアンリミテッドのWho Is情報にも中国安徽省と書かれていたのでまたGVコインとビットアンリミテッドの間で共通点が見つかったことになります。そして安徽省という所在地がどれほど信頼出来るかは不明ですがやはり運営者の本拠は中国である可能性が高いように思います。

ついでに上のWho Is情報の黄色い枠で囲った部分を見るとサイトが登録されたのは2020年8月21日であることが分かります。ビットアンリミテッドのWho Is情報にあったサイトの開設日は2020年8月10日でしたからわずか11日だけ遅れて開設されたことが分かります。そして「私たちに関しては」のページには2017年に創業と書いてあることを指摘しましたがサイトの立ち上げが2020年8月であることと一致しません。

次にGVコインで取引されている仮想通貨について触れておきます。以下が取引されている仮想通貨のリストです。

ビットコイン (BTC)などメジャーな仮想通貨が並んでいますが、2番目のGVBという仮想通貨に限っては聞いたことがありませんし、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても情報が見つかりません。GVBという名称からしてもGVコイン取引所独自の仮想通貨と考えるのが妥当でしょう。

このGVBという謎の仮想通貨の日足チャートを以下に示します。

このチャートを見るとサイトの開設日である2020年8月21日からわずか5日後の8月26日からほぼ一方的な右肩上がりの相場が続いていることになっています。しかも8月26日から約30億枚のGVBコインが取引され、その後も出来高が増加傾向が続いて直近では1日に50億枚ほども取引されていることになっています。さらに5分足チャートを以下に示します。

5分足チャートを見てもローソク足が間断なく続いていますから単に出来高が多いだけでなく、非常に頻繁に取引が成立しているということになるはずです。5分間での取引は1800万枚ほどでほぼ安定しているようです。非常に多くの投資家がGVBコインの取引に参加しているはずということになります。しかしアクセス状況を解析出来るサイトでGVコインのサイトへのアクセス状況を見ると以下のキャプに示した様に検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。

チャートとアクセス状況には明らかな矛盾があると考えざるを得ません。チャートは現実の取引情報を反映していない可能性が高いと考えざるを得ません。最初に引用したYahoo知恵袋への投稿によれば「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺グループによる勧誘の典型的なパターンと合致しているように思われること、上で検証したビットアンリミテッドや「検証70」で検証したラックジュピターコインドットコムやBST、さらに下で検証しているオーケーライフやGudeコインといったサイトと偶然とは思えない共通点が見つかることなどからもGVコインというサイトは信用出来るサイトとは思えません。取引は絶対に避けるべきと結論します。


●Okeylife (オーケーライフ www.oklifecoin.com/)

●Gudecoin (Gudeコイン www.gudecoin.com/)

この2つのサイトも結論から言えば「検証70」で検証したLUCKJUPITERCOIN.COM (ラックジュピターコインドットコム www.luckjupitercoin.com/) やBST (www.baishitecoin.net/)、上で検証しているビットアンリミテッドやGVコイン/グローバルビレッジコインのサイトと類似している部分があり、同じグループによって運営されている可能性が高いサイトです。

1つ目のオーケーライフはYahoo知恵袋に出てきた質問で知ることになった仮想通貨取引所のサイトです。2つ目のGudeコインはオーケーライフのサイトにあった画像を画像検索に掛けて見つかってきたサイトで明らかに同じグループによると思われるのでまとめて検証します。

まずオーケーライフについて知ることになったYahoo知恵袋の質問投稿 (2020年11月3日付) を引用します。

シンガポール在住の華僑女性を名乗る勧誘役から取引所を指定しての仮想通貨投資を勧誘されたという経緯は「検証63」の冒頭にまとめた中国系の詐欺グループによる勧誘手段と一致するように思われます。とにかくこの質問投稿にあったURLアドレスにアクセスしてみました。以下はサイト冒頭部のキャプです。

上で検証したビットアンリミテッドなどの場合と同じでメニューバーの直下には大きな空白があって意味が分かりません。右上のプルダウンメニューから表示言語を中国語、英語、日本語、韓国語の4つから選択出来るようになっています。さらに以下は表題の2つ目、オーケーライフのサイトにある画像を画像検索に掛けることで見つかってきたGudeコインのサイトの冒頭部分のキャプです。

このGudeコインのサイトも表示言語はオーケーライフと同じで中国語、英語、日本語、韓国語の4つから選択出来るようになっています。こちらは意味がよく分からない空白は見当たりません。左から「ホーム」「フィアット取引」「取引の活用」と並ぶメニューバーの項目などは上で検証したビットアンリミテッドやオーケーライフの場合と全く同じで偶然とは思えません。

オーケーライフとGudeコインのサイトを比較して最も似ているのは以下のキャプに示したパソコンとスマホのイラストの部分です。

オーケーライフのこのイラスト画像を画像検索に掛けてGudeコインのサイトを見つけてきたので当然でもあるのですがパソコン画面に映るチャートのパターンまで全く同じです、スマホ画面にはそれぞれのサイトのロゴが見えますが明らかに同じイラスト画像の使い回しであり、2つのサイトは同じ運営である可能性が濃厚です。

次に連絡先情報についてですが2つのサイトではいずれも脚注部分にメールアドレスがあります。

オーケーライフ:okeylife188@gmail.com

Gudeコイン:gudecoin@gmail.com

いずれも無料登録出来るgmailのアドレスです。マトモな仮想通貨取引所のメールアドレスとは思えません。そしてオーケーライフのサイトに限ってはこの脚注に加えて別にお問い合わせというページがあり、住所とメールアドレスが記載されています。しかしこの記載には大きな問題があります。上で検証したビットアンリミテッドの場合と全く同じなのですが日本語表示の場合と英語表示の場合で記載されている住所が異なるのです。しかも記載されている住所はビットアンリミテッドのお問い合わせの項目に記されていた住所と全く同じです。まずオーケーライフとビットアンリミテッドで日本語表示を選択した場合のキャプを比較します。

2つのサイトで共に

>マルタのサリマ商店街188番地

という住所が記されています。地中海に浮かぶ島国のマルタ共和国の住所です。また2つのサイトで書式もそっくりです。次にそれぞれのお問い合わせの欄を英語表示した場合のキャプを比較します。

英語表示を選んだ場合の住所は2つのサイトで共に

>Oue building, Singapore Financial Center

となっています。日本語表示した場合には地中海のマルタの住所になっていたのに英語表示にすると明らかに不完全ですがシンガポールの住所が記されているのです。

こうした状況から考えてビットアンリミテッドとオーケーライフは同じグループによって運営されているサイトである可能性が濃いものと考えます。また住所はマルタについてもシンガポールについても明らかに不完全な住所であること、電話番号が記載されていないことなどから考えてこれらの連絡先情報は全く信用出来ない可能性が高いです

ちなみに連絡先情報についてはこれもどれほど信用出来るかどうかは不明ですが上で検証した同じグループによると思われるビットアンリミテッドやGVコイン/グローバルビレッジコインの場合と同じでWhoIs情報に断片的な情報が見られます。以下、順にオーケーライフ、GudeコインのサイトのWho Is情報を示します。

まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日があります。オーケーライフのサイトは2020年10月20日、Gudeコインのサイトは2020年6月2日に登録・開設されていることが分かります。この項目の最初に引用したオーケーライフに関するYahoo知恵袋の質問は2020年11月3日付ですからサイト開設から半月も経過していない時期に既に勧誘が行われていたことになります。

そしてWho Is情報の赤枠で囲った部分に登録者の所在地情報があってオーケーライフでもGudeコインでも中国のBeijing (北京)と書いてあります。オーケーライフのサイトにあったマルタあるいはシンガポールという住所とは全く一致しません。また上で検証した同じグループによるサイトの可能性が高いビットアンリミテッドやGVコイン/グローバルビレッジコインのWho Is情報に記されていた中国・安徽省という所在地情報とも一致しません。結局所在地情報はバラバラでどれも全く信用出来ませんがシンガポールやマルタよりは中国のどこかに運営グループの本拠が存在する可能性が高いように思われます。

次にオーケーライフ、Gudeコインで取引されている仮想通貨について簡単に触れておきます。以下はそれぞれのサイトの取り扱い仮想通貨のリストで共に7種類の仮想通貨が取引されているようです。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)といったメジャーな仮想通貨が共通して取引されていますが、それぞれのリストには聞き慣れない、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても情報が見つからない謎の仮想通貨が1つずつ含まれているようです。すなわちオーケーライフのリストにあるOKEYという仮想通貨、Gudeコインで取引されているTKBという仮想通貨はそれぞれの取引所独自の仮想通貨である可能性が高いように思われます。しかし2つのサイトは共にチャートを見るのにログインを要求する仕様になっているようでチャートを確認することが出来ませんし、これらの謎の仮想通貨に関する情報も見つかりません。

総合的に判断してオーケーライフもGudeコインも到底信用出来る取引所のサイトとは思えません。勧誘されても投資は避けるべきと結論します。


●5Gcoinshops [5Gコイン] (5Gコインショップス www.5gcoinshops.com/)

●SpaceFinEX [FEC (Financial Exosystem Chain)] (スペースファイネックス spacefinex.com/)

●LineFinex [DCDB (Decentaralized Common Data Base)] (ラインファイネックス linefinex.com/index)

●PlaceFinEX [FTC (Financial Ecosystem Chain)] (プレースファイネックス pppv.net/)

●PlaceFinEX [FTC (Financial Ecosystem Chain)] (プレースファイネックスwww.jibenshu.com/)

これらは互いに酷似した仮想通貨取引所のサイトなのでまとめて検証します。それぞれ取引所独自と思われる仮想通貨が取引されているようです。まず最初の5Gコインショップスというサイトは以下のキャプに示したYahoo知恵袋の質問で知ることになりました。

詳しい説明は一切ないのですが、「ネットで知り合った中国系の美女に勧誘されているのではないか」という回答に対して「おっしゃる通りです」という返信になっているので「検証63」以降で検証してきた一連の中国系の詐欺サイトの一角である可能性が高いと思われました。以下が5Gコインショップスのサイト冒頭のキャプです。

この5Gコインショップスのサイトはこれまで検証してきた一連の中国系の詐欺サイトとは似ている印象がありません。しかしこのサイトについてもこれまでの例から独自のグループを形成している可能性が考えられたのでサイトの画像を画像検索に掛けてみたところ、やはり同じグループによるものと思われるサイトが3つ見つかってきました。それが表題の2番目のスペースファイネックス、3番目のラインファイネックス、4番目のプレースファイネックスのサイトです。最後のURLアドレスが違うプレースファイネックスのサイトは4番目のプレースファイネックスと同一サーバー上にあることで見つけたサイトです。以下に見つかってきた4つのサイトの冒頭部のキャプを標題と同じ順で示します。

これら合計5つのサイトが互いに酷似していることが分かると思います。キャプの範囲では左上のサイトの名称を示す部分が異なるだけのように見えます。4番目と5番目のサイトはURLアドレスが全く異なりますが左上のサイト名さえ同じで全く同じです。全く同じサイトが2つある意味が分かりません。

この冒頭部に続いては取り扱っている仮想通貨のリストが出てきます。以下は5Gコインショップスのサイトで取引されているという19の仮想通貨です。

19種類の仮想通貨の中にはビットコイン (BTC)、ライトコイン (LTC)、イーサリアムクラシック (ETC)などメジャーな仮想つカモ含まれているのですが一方で仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても情報が見つからない仮想通貨が2つ (5GCとHC)出てきます。特に気になるのは上の一覧の中で赤枠で強調した5GCという仮想通貨です。何しろサイト (取引所) の名称が5Gcoinshops (5Gコインショップス)ですからこの取引所独自の仮想通貨と思われました。この5GCという仮想通貨についてはまた後述します。

関連サイトとして見つかってきた4つのサイトの内、スペースファイネックスとラインファイネックスについては取り扱い仮想通貨の数が5Gコインショップスの場合と同じく19種類となっており、銘柄もほぼ同じです。以下はスペースファイネックスとラインファイネックスのそれぞれの取り扱い仮想通貨リストの最初の6銘柄の部分のリストです。

いずれの場合にも5Gコインショップスで5GCという取引所独自と思われる仮想通貨がリストされていた4番目の位置にスペースファイネックスではFEC、ラインファイネックスではDCDBというやはり仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても情報が見つからない、おそらくはそれぞれの取引所独自の仮想通貨がリストされています。そして取引されている残りの18種についてはリストの登場順まで含めて3つのサイトで共通しているのです。

関連サイトとして見つかってきた残りの2つのサイト、2つのプレーすファイネックスについては取り扱い仮想通貨の数が13種類とやや少なくなっています。以下は表題の4番目のプレースファイネックス (pppv.net/)の取り扱いリストのキャプですが表題5番目のプレースファイネックス(www.jibenshu.com/)の取り扱いリストも全く同じです。そして以下のキャプのリストの4番目、赤枠で囲ったFTCという聞き慣れない仮想通貨が取引されています。どうやらこれが2つのスペースファイネックスのサイト独自で取引されている仮想通貨のようです。

仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探すとFTCという略号を持つ仮想通貨としてFeathercoinという仮想通貨が見つかってくるのですがロゴも現在の相場水準もスペースフェイネックスで取引されているFTCとは全く異なるので別物と思われます。

そしてこれらそれぞれの取引所独自と思われる仮想通貨の項目をクリックすると簡単な説明とそれぞれのチャートが出てきます。まず説明文のキャプを以下に示していきます。最初は5Gコインショップス独自と思われる5GCの説明です。

記されている情報は極めて限定されています。5GCが5G Coinの略であること、総発行枚数が1億枚であること、当初の売り出し価格が1枚0.15米ドルであったことが分かるぐらいで他の仮想通貨と何処が違うのか明確な説明はありませんし、公式サイトやホワイトペーパーへのリンクもありません。5Gという名称からすれば5G携帯電話と関係がありそうですが具体的な説明は何もないのです。

次はスペースファイネックスで取引されているFECという仮想通貨の説明です。

こちらの説明分は5GC (5Gコイン)の説明よりもさらに短いです。FECがFinancial Exosystem Chainの略であること、総発行枚数が2億枚、売り出し価格が0.2ドルといった断片的情報に加え、DeFi (Decentralized Finance、分散型金融)に対応した仮想通貨であるといったことが書いてありますが、やはり情報が少なすぎますし、具体性に全く欠けています。公式サイトやホワイトペーパーへのリンクが見当たらないのも5Gコインの場合と同じです。

 次はラインファイネックスで取引されているDCDBに関する説明です。

この説明もAIとか5Gネットワークとか先端的な言葉が並んでいますけど全く具体性に欠けており、他の仮想通貨と何が違うのか全く分かりません。分かるのはDCDBが「Decentaralized Common Data Base (分散型の共通データーベース?)」の略であること、総発行枚数が1億枚、公募価格が1枚当たり0.15ドルであったことぐらいです。ここでも公式サイトやホワイトペーパーへのリンクは見当たりません。

最後は2つのプレースファイネックスのサイトで取引されているFTCの説明です。

このFTCの説明はスペースファイネックスのサイトにあったFECの説明と全く同じです。略号がFECとFTCで違うだけで正式名称がFinancial Exosystem Chainであること、総発行枚数が2億枚、売り出し価格が0.2ドルといった情報も全く同じです。DeFi (Decentralized Finance、分散型金融)に対応した仮想通貨であるといった記述も同じですし、公式サイトやホワイトペーパーへのリンクが見当たらないのも同じです。

次にそれぞれの独自と思われる4つの仮想通貨のチャートを確認しました。

▼5Gコインショップスで取引されている5GCの日足チャート

▼スペースファイネックスで取引されているFECの日足チャート

▼ラインファイネックスで取引されているDCDBの日足チャート

▼プレースファイネックスで取引されているFTCの日足(?)チャート

まず最後のプレースファイネックスのFTCのチャートは異様です。右上に見えるように日足チャートを表示するように指定しているのですが1分足チャートが表示されているようですし、何故こういう長い下ヒゲがついたチャートになるのか全く理解不能です。キャプは1つだけしか示しませんがこのチャートは2つのプレースファイネックスのサイトで共通しているようです。

それ以外の3つの日足チャートについては「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺仮想通貨取引所のチャートでしばしば見られてきたことですが、ほぼ一貫して右肩上がりを続けており、1日の始値よりも終値が高い陽線 (緑のローソク足) の方が1日の始値より終値が安い陰線 (赤のローソク足) より圧倒的に多いです。そして最も不自然なのはローソク足に上ヒゲ、下ヒゲが殆ど見当たらないことです。1日の初値が最安値、1日の終値がその日の最高値ということが続いているということになり、実際の取引を反映したチャートとは到底思えません。

次に運営者について公開されている情報を検討しましたが結論から言えば全くのデタラメとしか思えません。それぞれのサイトの「About Us」のページには画像付きで経営陣が紹介されています。まず5Gコインショップスとラインファイネックスについては全く同じ3名が経営陣として紹介されています。

Jonathan Doe (CHIEF SECURITY OFFICER)、Nir Proman (CHIEF TECHNOLOGY OFFICER)、Mark Henri (CHIEF MARKETING OFFICER)という3名の名前、肩書、画像は完全に同じです。何故か経営トップに相当すると思われるCEOとかPresidentといった肩書の人物は紹介されていません。そしてこれらの画像には何となく違和感を感じたので画像検索に掛けてみたところ、何れの画像も同じ画像がネット上に多数存在することが判明しました。具体的には最初のJonathan Doeという人物の画像はshutterstockという写真素材のサイトで「同僚の背景にデジタルタブレットを使用した自信のある青年実業家のポートレート」というタイトルで公開されている画像から切り取ったもの、2番目のNir Promanという人物の画像も123RFという写真素材のサイトで「ケータリング事業」というタイトルで公開されている画像から切り取ったものであることが判明しました。以下のキャプを参照してください。

3番目のMark Henri (CHIEF MARKETING OFFICER)という女性の画像についても画像検索すると出所を特定することは出来ませんでしたが数百の単位で同じ画像がネット上に見つかりました。これら3名の人物が仮想通貨取引所の経営陣とは到底思えません。

スペースファイネックスと2つのプレースファイネックスについては4名が氏名、役職、画像で紹介されています。以下はスペースファイネックスのサイトからのキャプですが2つのプレースファイネックスのサイトでも同じ4名が紹介されています。

これらの画像についても画像検索してみましたがこれらについてはネット上に同じ画像は見つかりません。しかしこれらが本当にスペースファイネックスやプレースファイネックスの経営陣かどうかは極めて疑問です。スペースファイネックスを含む5つのサイトはやはり勧誘の手口などから中国系の詐欺グループによるサイトの可能性が高いですが経営陣として紹介されている4人はどう見ても中国系とは思えませんし、いずれも仮想通貨取引所の経営陣というよりもモデルとか俳優みたいな印象を受けます。SNSや雑誌などから拾ってきた画像の可能性は高いと思います。

次に連絡先情報ですが5つのサイトいずれにも殆ど情報が見つかりません。わずかにそれぞれのサイトの脚注部分にメールアドレスだけ記されています。以下、順に5Gコインショップス、スペースファイネックス、ラインファイネックス、プレースファイネックス、2つのプレースファイネックスのサイトからのキャプです。

4番目、5番目の2つのプレースファイネックスからのキャプには明らかな間違いがあります。それぞれのキャプの左上にはSPACEFINEXと書いてありますがここにはPLACEFINEXと書かれていなければオカシイです。

それぞれのキャプの左下に記されているメールアドレスを書き出します。

5Gコインショップス:5Gcoinshops@gmail

スペースファイネックス:Support@spacefinex.com

ラインファイネックス:linefinex@gmail.com

プレースファイネックス:placefinex@gmail.com (2つのサイトで共通)

スペースファイネックス以外の4つのサイトに記されているメールアドレスは無料登録出来るgmailのアドレスです。仮想通貨取引所の連絡先として有り得ないでしょう。

連絡先情報については5GコインショップスとスペースファイネックスのWho Is情報にそれらしき断片的な情報が見つかりました。まず以下は5GコインショップスのWho Is情報です。

このWho Is情報を見るとまず黄色の枠で囲った部分に見えていますが5Gコインショップスのサイトが登録・開設されたCreation Dateが2020年8月14日とあり、このサイトがこの検証を書いている時点でまだ1ヶ月半ほどしか経過していないかなり新しいサイトであることが分かります。そして赤枠で囲った部分に

>Registrant State/Province: jiang su

>Registrant Country: CN

とありますがこれは登録者の所在が中国の江蘇省であるという意味と思われます。

同様にスペースファイネックスのWho Is情報を以下に示します。

このスペースファイネックスのWho Is情報でも黄色の枠で囲った部分を見るとサイトが登録・開設されたCreation Dateが2020年6月3日とまだ4ヶ月弱しか経過していない新しいサイトであることが分かります。ちなみにWho Is情報のキャプは省略しますがラインファイネックスのWho Is情報でもサイトの開設日が全く同じ2020年6月3日となっていて同日に登録されたことが分かります。

そしてスペースファイネックスの赤枠で囲った部分には

>Registrant State/Province: hu nan

>Registrant Country: CN

と書かれています。これは登録者の所在が中国の湖南省であるという意味と思われます。5Gコインショップスとスペースファイネックスのサイトは互いに酷似していて同じグループによるサイトとしか思われませんが、所在地は同じ中国でも江蘇省と湖南省というかなり離れた住所が出てきたことになります。これらの記述もどれほど信用出来るか疑わざるを得ません。両方とも全くのデタラメなのかもしれません。いずれにしろこれらのサイトはやはり中国系の可能性が高いとは思います。

それから5つのサイトに共通してWho Is情報からこの検証を書いている2020年9月末の時点で5Gコインショップスはサイトの開設から1ヶ月半、他の2つのサイトも4ヶ月弱しか経過していないと書きましたが3つのサイトには共通して以下のキャプに示した数字が出ています。

2番目のRunning Daysはサイトが立ち上がってからの日数としか思えないのですが488日=1年4ヶ月ほど経過しているというのは明らかにWho Is情報に出ていた数字と一致しません。さらに左端のActive Membersは活発に取引している顧客の数という意味と思われますが、アクセス状況を解析出来るサイトで例えば5Gコインショップスへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。とてもではありませんが58000人の活発に取引する顧客がいるとは思えません。

そもそも顧客数とか開設以来の日数といった数字が5つのサイトで全く同じなんて非現実的です。全てがデタラメとしか思えません。

結論としてこれら互いに酷似した5つのサイトはやはり詐欺目的で立ち上げられた実態のない幽霊取引所のサイトとしか思えません。上場されている独自の仮想通貨も全く信用出来ません。これらの取引所での仮想通貨投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。