検証81
本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」、「検証80」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証19ページ目です。「検証82」、「検証83」、「検証84」 、「検証85」、「検証86」、「検証87」、「検証88」、「検証89」、「検証90」、「検証91」、「検証92」、「検証93」、「検証94」、「検証95」、「検証96」、「検証97」、「検証98」、「検証99」、「検証100」、「検証101」、「検証102」、「検証103」、「検証104」、「検証105」、「検証106」、「検証107」、「検証108」、「検証109」、「検証110」、「検証111」、「検証112」、「検証113」、「検証114」、「検証115」、「検証116」、「検証117」、「検証118」、「検証119」、「検証120」、「検証121」、「検証122」、「検証123」、「検証124」、「検証125」、「検証126」、「検証127」、「検証128」、「検証129」、「検証130」、「検証131」、「検証132」、「検証133」、「検証134」、「検証135」、「検証136」、「検証137」、「検証138」、「検証139」、「検証140」、「検証141」、「検証142」、「検証143」、「検証144」、「検証145」、「検証146」、「検証147」、「検証148」、「検証149」、「検証150」、「検証153」、「検証155」、「検証156」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。
●PCMEX Global (PCMEXグローバル https://www.pcmexs.com/)
●PCM Bitcoins (PCMビットコインズ https://www.pcmbitcoins.com/)
●PCM Bitcoins (PCMビットコインズ https://www.bitpcmex.com/)
●FXEX Global (FXEXグローバル https://www.fxex.pro/)
●TUBIEX (https://tubiex.pro/)
●KTOOC Global (KTOOCグローバル https://ktooc.com/)
●OVBIT Global (OVBITグローバル https://www.ovbit.cn/)
●TX Exchange Global (TXエクスチェンジグローバル https://www.txexbit.com/)
●CoinSeven (コインセブン https://coinseven.co/)
●COINBK (コインBK https://www.coinbk.cc/)
●COIN WHE (コインWHE https://www.coinwhe.com/#/home)
●STAREXCHANGE (スターエクスチェンジ https://www.sartcoin.com/dist/#/)
●Hopex (https://www.hopex.pro/#/)
●Okbitc (https://www.okbitc.com/#/home)
●bitcok (https://www.bitcok.net/#/home)
●bitcok (https://www.coinok.org/#/home)
●JWG (https://www.braie.net/#/)
●FTC (https://www.yodec.net/#/)
まず以下を検証します。
●PCMEX Global (PCMEXグローバル https://www.pcmexs.com/)
これは「検証64」で検証したKWCC (kwcc.io/?lang=jp) 、「検証71」で検証したbitfiy (bitfiy.com/#/index) 、Inchoi (inchoi.org/) 、Toffs (toffs.me/) 、「検証72」で検証したVTBIT (www.vtbit.com/#/home) の検証で引用した一連の中国系の詐欺サイトに警告の動画を発しているHakasauarsという名義のYoutubeチャンネルで見つけたサイトです。尚、このサイトは検証を書いた直後の2020年10月半ばには何の前触れもなく閉鎖されたようですが、その代わりに殆どコピペとしか思えないPCM Bitcoins (PCMビットコインズ www.pcmbitcoins.com/)というサイトが立ち上げられています。さらにその後に再び、サイトの閉鎖と極めてよく似た後継と思われるサイトが立ち上げられています。次項に検証を書き足したので併読してください。
まずこのサイトについて警告している「PCMEX SCAM」というタイトルの動画を以下にリンクしておきます。
この動画の脚注には同じYoutubeチャンネルから投稿されている多数の動画と同様に英語、中国語、韓国語、ベトナム語、日本語で中国系の詐欺サイトであるという警告文が書かれています。
この検証を書いている2020年10月半ばの時点では日本人が被害を受けたといった報告は確認出来ませんが日本語表示にも対応しているので日本人に対して勧誘が行われる可能性は充分にあると考えて検証対象にすることにしました。まず以下にサイト冒頭のキャプを示します。
右上のプルダウンメニューから選択出来る表示言語は英語、香港語、日本語、韓国語の4つです。但し日本語は上のキャプに見られる範囲でもかなり不自然で意味がよく分かりません。例えば「強スト」とはどういう意味なのか全く分かりません。それでもXQEという仮想通貨の購入を勧めているらしいことは分かります。このXQEという仮想通貨については後述します。
そしてこのサイト冒頭部を見て「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトの幾つかと似ている部分があるように思いました。例えばプルダウンメニューで表示言語を選択する方式はこれまで検証してきたサイトの多くと似ていますが、国旗アイコンがないのは少数派です。最も他のサイトとの類似性を感じるのは上のキャプの下の部分に見える仮想通貨のリアルタイムの相場を示す部分です。例えばPCMEXの場合と「検証78」で検証したMITOOEX (https://www.mitooex.com/#/) の相当部分を以下に並べてみます。
両方とも6つの仮想通貨のリアルタイム相場を示しており、表示される項目も変動率、現在の相場、24時間の出来高と全く同じです。偶然とは思えないほど似ています。
これ以外の部分はこれまで検証してきたサイトと似ている部分もあるし、似ていない部分もあります。以下はPCMEXグローバルの特長をイラスト付きで4項目にまとめた部分です。
サイトの特長をイラスト付きで3~4項目程度にまとめる部分は「検証63」以降で検証してきた詐欺サイトの多くに存在していますが例えば以下は「検証63」で検証したHKEX (https://hkex.us/#/) という既に閉鎖されたサイトにあったサイトの特長を説明する部分です。
それぞれのサイトに並んでいる特徴を比較してみると項目名の部分は「Global ecology」と「Global ecological layout」、「User first」と「User first」とかなりの一致が見られます。これだけの一致が偶然かどうかはかなり微妙でしょう。さらにもっと明らかなのはマルチプラットフォーム対応を説明する部分です。まず以下がPCMEXグローバルのサイトからのキャプです。
これを例えば「検証78」で検証したBitUP A (www.bitupa.com/#/home) というサイトから取得した以下のキャプと比較してみます。
2つのキャプを比較してみるとパソコンとスマホの取引画面の画像は別の画像ではあるものの雰囲気が明らかに似ています。さらにこのマルチプラットフォームを説明する部分のタイトルの部分が全く同じです。
>Multi-platform terminal trading anytime, anywhere
>Covers multiple platforms of iOS, Android, Windows,and supports full business functions
これだけ長い文章が一時一句同じというのは偶然とは思えません。やはり2つのサイトは同じテンプレートを改編して作ったサイトである可能性はかなり高いと判断します。
次に連絡先情報ですが開示されている情報は充分とは言い難いです。以下は脚注部分のキャプですがメールアドレス (info@pcmexs.com) が1つ記されているだけです。
上のキャプの範囲には入っていませんが脚注にある「私たちに関しては PCMEX」という項目からのリンク先には運営元に関する記述があります。以下のキャプはその冒頭部です。
主語になっているPCM Groupというのがこのサイトの運営者と思われますが、2016年に設立されてシンガポールに本社があるとなっています。しかしシンガポールの拠点の具体的な住所や電話番号などはやはり開示されていません。そして動画があって経営陣と称する人たち4名が自己紹介をしています。
4名はStephen (左上)、Jason (右上)、Sara (左下)、Jack (右下)と名乗っていますがいずれもファーストネームだけで名字を名乗らず、役職名も例えばStephenの場合、PCM新加坡首席執行官と中国語の名称なのに4人とも外見上も英語で話している点からも中国系とは全く思えない人物であるのが気になります。ちなみに「新加坡」は中国語でシンガポールを意味するようです。これら4名が本当にPCMEXの運営陣かどうかはかなり疑問です。同時にPCMEXの本拠がシンガポールに在るかどうかについても疑問です。
次に右のキャプにPCMEXで取引されている仮想通貨のリストを示します。13種類の仮想通貨が取引対象として示されていますがビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、リップル (XRP)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)などメジャーな仮想通貨が並んでいる中に聞き慣れない、尚且つ仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても全く情報が出てこない仮想通貨が3種類見つかります。すなわちBQG、EZB、XQEという3つの仮想通貨については全く情報が出てきません。「検証63」以降で検証してきた詐欺の疑いが濃厚な仮想通貨取引所のサイトでしばしば見られる取引所独自と思われる謎の仮想通貨ということになると思われます。
そこでこれら3つの謎の仮想通貨についてチャートを確認しました。以下、順にBQZ、EZB、XQEのUSDT建て (ドル建て) 日足チャートです。
まず気が付くのは3つのチャートに共通して出来高の推移が非常に不自然であるという点です。BQGとEZBは共に2020年8月上旬から日足チャートが始まっていますが、それから1ヶ月以上の期間に渡って出来高がゼロあるいはゼロに非常に近い状態が続いていたことになっています。出来高がないのにどうしてチャートでロウソク足が並んでいるのか全く分かりません。そして9月上旬に出来高が記録されてからは毎日の出来高が非常に安定していて異様な印象を受けます。BQGについては連日5000万枚前後、EZBについては連日2億枚弱の出来高が続いているというのは非常に不自然としか思えません。
不自然なのは最後のXQEという仮想通貨のチャートも同じです。出来高は上場初日と思われる2020年9月9日に3億8000万枚、その後数日間で出来高が漸減して9月14日以降は連日4000万枚を超えるぐらいでほぼ一定しています。そして値動きは右肩上がりとなっていて連日始値を終値が上回る陽線続き、上ヒゲ、下ヒゲも非常に少ないです。さらにこのXQEという仮想通貨の5分足チャートを以下のキャプに示します。
5分足チャートで見ても非常に取引が活発で5分間に17~20万枚程度の出来高があることになっています。よほど多くの投資家がこのXQEという情報がない謎の仮想通貨の取引に参加しているとしか思えません。しかし一方でアクセス状況を解析出来るサイトでPCMEXグローバルのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように訪問者数が検出限界以下という結果が出ます。
出来高や相場の推移など非常に不自然なことを考えると3つの謎の仮想通貨のチャートは現実の取引を反映しているとは到底思えないという結論にならざるを得ません。
結論としてPCMEXグローバルも詐欺目的で立ち上げられたサイトの疑いが極めて濃いです。口座開設や取引は全く推奨出来ません。
●PCM Bitcoins (PCMビットコインズ https://www.pcmbitcoins.com/)
●PCM Bitcoins (PCMビットコインズ https://www.bitpcmex.com/)
これらは上のPCMEXグローバルの検証の冒頭でも書きましたがPCMEXのサイトが検証を書き終えた直後に閉鎖された代わりに出てきたサイトです。これも一連の中国系の詐欺サイトに警告の動画を発しているHakasauarsという名義のYoutubeチャンネルから新規投稿された以下の2つのYoutube動画で気が付くことになりました。
▼「PCMBITCOIN SCAM」(2020年10月18日投稿)
▼「BITPCMEX SCAM」(2020年12月20日投稿)
これらの警告動画の投稿の日付がおよそ2ヶ月ずれていることでも分かりますがこれら2つのサイトは同時期に出現したわけではなく、上のPCMEXグローバルの後継として1つ目のPCMビットコインズサイトが出現し、そのサイトが閉鎖されたことによるさらなる後継サイトとして2つ目のPCMビットコインズのサイトが同じ名称・異なるURLアドレスで出現したということのようです。サイト名が同じなので非常にややこしいのですがここでは表題の1つ目のサイトを旧サイト、2つ目のサイトを新サイトと呼んで区別することにします。
まず以下が旧サイト冒頭のキャプです。上で検証したPCMEXグローバルのサイト冒頭のキャプと比較してください。左上の「PCMEX Globai」と書いてあるか「PCM Bitcoins」と書いてあるかの違いしかありません。
分かっていなければPCMEXグローバルのサイトと見分けるのも困難なほど酷似しており、さらにXQEという仮想通貨への投資を推しているのも同じです。またこれもPCMEXグローバルの場合と同じで右上のプルダウンメニューから選択出来る表示言語は英語、香港語、日本語、韓国語の4つです。
次に表題2つ目のPCMビットコインズの新サイトのキャプを示します。
こちらは背景画像が少し変化していますが、やはりPCMEXグローバルやPCMビットコインズ旧サイトと似ている部分がかなりあります。例えば左上のロゴは1つ目のPCMビットコインズのサイトのロゴと全く同じに見えますし、メニューバーの項目も3つのサイトに共通して左から「ホーム」「コイン取引」「契約取引」「情報センター」の順で並んでいます。また右上のプルダウンメニューか選択出来る表示言語も英語、香港語、日本語、韓国語の4つで共通していますし、XQEという仮想通貨への投資を推奨しているのも同じです。
さらに3つのサイトが互いに非常に似ているのはこの冒頭部だけではありません。冒頭部に続くサイトの特長をイラスト付きで4項目にまとめている部分のキャプ (英語版) を本項で検証している2つのPCMビットコインズ (旧サイト、新サイト)、前項で検証したPCMEXグローバルの順に並べますが、全く同じにしか見えません。
この次に出てくるマルチプラットフォームを説明する部分についてもキャプを2つのPCMビットコインズ (旧サイト、新サイト)、前項で検証したPCMEXグローバルの順で以下に並べますがやはり互いに全く区別出来ません。
次に連絡先情報ですが開示されている情報はやはりPCMEXグローバルと同じでメールアドレスだけです。右にこれも上から順にPCMビットコインズ の旧サイト、同じく新サイト、PCMEXグローバルのサイトの脚注にあるメールアドレスの部分のキャプを示します。メールアドレス以外に連絡先情報は見当たらず、そのメールアドレスを抜き出すと以下のようになります。
PCMビットコインズ:info@pcmbitcoins.com
PCMビットコインズ:info@pcmbitcoins.com
PCMEXグローバル:info@pcmexs.com
新旧2つのPCMビットコインズのメールアドレスは同じでこの2つのPCMビットコインズのサイトの運営者が同一であることはいよいよ確実です。PCMEXグローバルのメールアドレスだけはさすがに異なるものになっていますがメールアドレス以外の部分の記述はキャプの範囲で全く同じになっています。
キャプは省略しますが新旧2つのPCMビットコインズの「私たちに関しては」のページを見るとPCMEXグローバルと全く同じ経営陣の紹介動画があり、Stephen、Jason、Sara、Jackというファーストネームだけを名乗る欧米系と思われる4人の自称・経営陣が自己紹介をしています。
さらに取引されている仮想通貨のリストも左下から順にPCMビットコインズ (旧サイト)、PCMビットコインズ (新サイト)、PCMEXグローバルでキャプを示しますが全く同じ13種類です。
ビットコイン (BTC)やイーサリアム (ETH)といったメジャーな仮想通貨に加え、BQG、EZB、XQEという仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでも情報が見つからない謎の仮想通貨が取引されていることになっています。
ここでは謎の仮想通貨3種類の中で3つのサイトの冒頭で共通して大きく取り上げられていたXQEという仮想通貨の日足チャートを以下順にPCMビットコインズ旧サイト、新サイトからのキャプで以下に示します。
キャプを取得した日時が異なるのでチャートがカバーしている期間が異なるのですがいずれの場合もほぼ一方的な右肩上がりのチャートで出来高は上場初日と思われる2020年9月9日に3億8000万枚、その後数日間で出来高が漸減して9月14日以降は連日4000万枚を超えるぐらいでほぼ一定しているというパターンになっています。要するにPCMEXグローバルのサイトにあったXQEのチャートと基本的に同じと言って間違いありません。そしてチャートが2020年9月9日に始まっていると書きましたが、PCMビットコインズの旧サイトが開設されたのは以下のキャプに示したWho Is情報の黄色い枠で囲った部分を見るとPCMEXグローバルのサイトが閉鎖されたと思われる時期、具体的には2020年10月16日のこととなっています。サイトの開設よりも掲載されているチャートが1ヶ月以上も前の日付から始まっていることになります。
ついでにこのWho Is情報を見ていくとどれほど信頼出来るかは分かりませんが赤枠で囲った部分にサイトの登録者に関する情報があります。
>Registrant Organization: Xiang Gang Huang Jia Ke Ji You Xian Gong Si _
>Registrant State/Province: Xiang Gang
>Registrant Country: CN
所在地は中国語が分からないのですがおそらく中国の香港となっており、登録法人は「Xiang Gang Huang Jia Ke Ji You Xian Gong Si _」となっています。おそらく香港の法人名だと思われます。
次にPCMビットコインズの新サイトについてもWho Is情報のキャプを示します。
この新サイトが開設されたのは2020年11月16日となっています。やはりチャートの方がサイトの開設よりもかなり前から始まっていることになります。そして残念ながらこの新サイトのWho Is 情報では開設者に関する情報が開示されていません。
結論としてPCMビットコインズの新旧2つのサイトは明らかにPCMEXグローバルのサイトの焼き直しでサイト名などごく一部を除いて記載内容や使われている画像など全て同じです。さらにPCMEXグローバルのサイトが閉鎖された時期とPCMビットコインズの旧サイトが開設された時期がほぼ一致していますし、旧サイトが閉鎖されたと思われる時期と新サイトの開設時期もほぼ同時期と思われます。3つのサイトで共通して経営陣として動画で紹介されている欧米系としか思えない4人の人物が本当にこれらのサイトの運営陣であるかどうかは極めて疑問ですが2つのサイトの運営者が同じであることは間違いありません。
PCMEXグローバルのサイトが閉鎖されてもPCMビットコインズのサイトにリダイレクトされる、PCMビットコインズでも閉鎖された旧サイトから新サイトにリダイレクトされる設定になっているのならば単に何らかの理由があってサイト名が変更されたと解釈も出来ますが、PCMEXグローバルのサイト、PCMビットコインズの旧サイトは単に閉鎖されただけで何の説明もありません。閉鎖直前の時期にも閉鎖の告知の様なものは一切確認出来ていません。となれば最も新しいPCMビットコインズの新サイトも突然何の説明も無く閉鎖される可能性があると考えざるを得ず、最初から詐欺を目的とするサイト、極めて危険なサイトの可能性が極めて高いと考えざるを得ません。これらのサイトについて今のところ日本国内で勧誘されたとか被害を受けたといった報告は確認されていませんが勧誘されても絶対に口座開設などは避けるべきです。
●FXEX Global (FXEXグローバル https://www.fxex.pro/)
●TUBIEX (https://tubiex.pro/)
●KTOOC Global (KTOOCグローバル https://ktooc.com/)
これら3つのサイトは上で検証したPCMEXグローバル、PCMビットコインズ (旧サイト)、PCMビットコインズ (新サイト)の3つのサイトと明らかに似ており、同じグループによると思われるサイトです。最初の2つのサイト、FXEXグローバルとTUBIEXはYahoo知恵袋に出てきた質問投稿で知ったサイトで最後のKTOOCグローバルは詳しい経緯は後述しますがFXEXグローバルのサイトの記述から芋づる式に見つかってきたサイトです。まずFXEXグローバルのサイトを知ることになったYahoo知恵袋の投稿から引用します。
残念ながら何故この質問をしているのかなど何の説明もないので全く不明です。次に表題2つ目のTUBIEXに関するYahoo知恵袋の質問です。
こちらはマッチングアプリで知り合った自称・シンガポール在住の日本人に勧誘されたとなっています。日本人を名乗っているという点を除けば「検証63」の冒頭で説明した中国系の詐欺グループによる典型的な勧誘の手口に合致するように思われます。
とにかくこれらの質問に記されているURLアドレスからそれぞれのサイトにアクセスしてみると上で検証した3つのサイトに似ていることに気が付きました。まずこれら2つのサイト冒頭のキャプを示します。ついでに本項で検証する3つ目のサイト、KTOOCグローバルのサイト冒頭部のキャプも続けて示します。
2番目のTUBIEXと3番目のKTOOCが互いに酷似しているのは直ぐに分かりますが、最初のFXEXグローバルと他の2つのサイトは特に似ているようには見えませんし、上で検証したPCMEXグローバル、PCMビットコインズ (旧サイト)、PCMビットコインズ (新サイト)の3つのサイトとも似ているような印象はありません。TUBIEXとKTOOCの冒頭部の背景画像はいずれも既に閉鎖されていますが「検証83」で検証したBIT Markets (ビットマーケッツ tatbit.com/)、THSZSHOP (thszsc.com/)という2つのサイトの背景画像と全く同じものです。以下にビットマーケッツのサイトからのキャプ画像を再掲します。
しかし例えば表示対応言語は英語、香港語、日本語、韓国語の4つという点はPCビットコインズ以下3つのサイト、本項で検証している3つのサイトで共通していますし、メニューバーの項目も「ホーム」「コイン取引」「契約取引」「情報センター」の4項目で並び順まで含めて完全に一致しています。さらに計6つのサイトはこの冒頭部に続く部分で互いに非常に似ています。
例えばサイトの特長4項目をイラスト付きで説明する部分が6つのサイトに共通して存在するのですがそのキャプを以下に並べてみます。以下、順にFXEXグローバル、TUBIEX、KTOOCグローバル、そして比較対照としてPCMEXグローバルの相当部分のキャプです。
さらにこの4つの特長をまとめた部分の下にはマルチプラットフォーム対応を説明する部分がありますがこれも以下、順にFXEXグローバル、TUBIEX、KTOOCグローバル、そして比較対照としてPCMEXグローバルのキャプを並べてみます。
これら2つの部分の比較から本項の検証対象であるFXEXグローバル、TUBIEX、KTOOCグローバルは上で検証したPCMEXグローバルなど3つのサイトと明らかに関連があり、同じグループによるサイトで間違いないでしょう。
次に連絡先情報ですがFXEXグローバル、TUBIEX、KTOOCグローバルのいずれの場合もPCMEXグローバルなどの場合と同じで脚注にメールアドレスがあるだけです。右にそのメールアドレスの部分のキャプを示します。
FXEXグローバル:fxexprocs@gmail.com
TUBIEX:tubiex@foxmail.com
KTOOCグローバル:KTOOC@foxmail.com
FXEXグローバルのメールアドレスは上で検証したPCMEXグローバルなど3つのサイトの場合と同じで無料登録出来るgmailのメールアドレスです。TUBIEXとKTOOCグローバルの場合はfoxmail (フォックスメール)というメールのアドレスになっていますがこれは中国の大手ネット企業・テンセントが提供する中国では広く使われているメールアドレスのようです。これらのサイトが中国のグループによるサイトであることを示唆しているように思います。
これ以外に連絡先情報らしきものはTUBIEXとFXEXグローバルのサイトについてのみなのですがWho Is情報に断片的な情報があります。以下が順にFXEXグローバルとTUBIEXのWho Is情報のキャプです。
まず黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録開設日が分かります。FXEXグローバルのサイトは2020年12月17日、TUBIEXのサイトは2020年9月25日に開設されています。
そして断片的な連絡先情報が記されているのは赤枠で囲った部分です。2つのサイトでこの部分の記述は全く同じで以下のようになっています。
>Registrant Organization: 王新兵
>Registrant State/Province: 湖北
>Registrant Country: CN
登録機関が中国系の個人名と思われる「王新兵」となっていて所在地は中国の湖北省となっています。どれほど信頼出来るかは疑問ですがやはりサイトの運営者は中国のグループである可能性が高いように思われます。尚、以下で検証しているOVBITグローバルのWho Is情報にも全く同じ「王新兵」という個人名が出てきています。同じ運営であることはほぼ間違いありません。OBVITグローバルの検証も併読してください。
さらに連絡先情報に関連してそれぞれのサイトには「私たちに関しては」というページがあります。まずFXEXグローバルのサイトの「私たちに関しては」のページの記述の冒頭部を以下のキャプに示します。
そしてこのページを読んで直ぐに違和感を感じました。冒頭の文章を引用します。
>KTOOC Groupは、ブロックチェーンの開発にリーダーシップとより安定した環境を提供するために2016年に設立されました。シンガポールに本社を置くグループは、
シンガポールに本社があるというのですが具体的な住所の記載はありません。それよりも問題なのはFXEXグローバルのサイトを見ているはずなのに主語が「FXEX」ではなく「KTOOC Group」になっているのです。既に書いたようにFXEXグローバルのサイトは英語、香港語、日本語、韓国語の4つの言語に対応しているので表示言語を日本語以外に切り替えてみると以下のキャプに示した通り、香港語表示にした場合のみ主語が「FXEX」になることが判明しました。以下が「私たちに関しては」のページを香港語表示にした場合のキャプです。活字が小さくて分かりにくいですが、上の日本語表示の場合と比べると日本語版で「KTOOC」となっている部分が香港語版では「FXEX」になっていることが分かります。
調べてみると日本語版だけでなく、英語版、韓国語版でもこの文章の主語は「FXEX」ではなく「KTOOC」になっていることが判明しました。それまでKTOOCのサイトの存在には気が付いていなったのですがどうやら同じグループによるKTOOCというサイトが別にあってFXEXのサイトはKTOOCのサイトを部分改編することによって作られているのではないかと考え、「KTOOC」を検索して表題3つ目のKTOOCグローバルのサイトを発見したという経緯になります。
ちなみにKTOOCグローバルのサイトで相当する「私たちに関して」のページを確認すると表示言語を英語、香港語、日本語、韓国語の4つの言語のいずれに切り替えても主語は「KTOOC」になっています。やはりFXEXグローバルのサイトはKTOOCグローバルのサイトをテンプレートに部分修正だけで作ったサイトと思われます。非常に粗雑な改編であった為に修正するべき部分の一部が修正出来ておらずに残ってしまったのでしょう。
最後にこれら2つのサイトで取引されている仮想通貨について簡単に触れておきます。以下が3つのサイトで取引されている仮想通貨のリストです。
3つのサイトで共通してビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、トロン (TRX)、イーサリアムクラシック (ETC)と5つのメジャーな仮想通貨が取引されており、それ以外にFXEXグローバルではFXT、TUBIEXとKTOOCグローバルではDEMOという仮想通貨が取引されていることになっています。
しかしFXTについてもDEMOについても仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (coinmarketcap.com/ja/) で該当する仮想通貨に関する情報が出てきません。FXTについては略号が一致するFuzeXという仮想通貨が出てくるのですが、相場の水準が全く異なるので別の仮想通貨としか思えません。
そしてこれら2つの謎の仮想通貨、すなわちFXEXで取引されているFXTのUSDT建て日足チャート、KTOOCで取引されているDEMOのUSDT建て日足チャートの順で以下に示します。
FXTの日足チャートはこの検証を書いている時点で5日間ほどのデーターしかありません。一方でKTOOCで取引されているDEMOという仮想通貨の日足チャートは明らかに異様です。毎日の出来高は8000万枚ほどで一定しており、しかも相場はこのチャートで確認出来る3か月余りの期間で上値と下値がほぼ同じ、56.6ドル~58.4ドルという非常に狭い範囲内で上下を繰り返しているだけになっています。非常に厳格な管理相場制になっているのでしょうか?非常に不自然なチャートであることは確かです。
結論としてこれら3つのサイトは全く信用出来ません。情報開示は明らかに不充分、不適切でありライセンスも得ているとは思えません。これだけ多くの明らかに関連するサイトが存在し、しかも既にその幾つかは何の告知もなく閉鎖されているとなれば非常に危険なサイトと判断せざるを得ません。これらのサイトへの投資勧誘を受けても絶対に応じないことを強く推奨します。
※付記
2021年1月22日になってYahoo知恵袋にKTOOCに関する質問投稿が出てきました (以下のキャプ参照)。質問の背景など何も分かりませんがこのKTOOCについても勧誘が行われている可能性が高いです。
●OVBIT Global (OVBITグローバル https://www.ovbit.cn/)
●TX Exchange Global (TXエクスチェンジグローバル https://www.txexbit.com/)
いずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。明らかに上で検証した3つのサイト、特にTUBIEX、KTOOCグローバルの2つのサイトに非常に似ているのでここで検証することにします。上の3つのサイトの検証と併読してください。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。
▼2021年4月21日投稿 (OVBITグローバルに関する投稿)
この質問投稿では「ORBIT Global」となっていますが添付されていた画像から「OVBIT Global」のタイプミスのようです。
▼2021年9月13日投稿 (TXエクスチェンジグローバルに関する投稿)
詳しい状況は分かりませんがマッチングアプリで知り合った海外生活の長い女性から勧誘されたという状況は「検証63」の冒頭にまとめた中国系と思われる詐欺グループの勧誘の手口に合致しているように思われます。
そしてこれらの投稿からそれぞれのサイトにアクセスしてみました。以下にOVBITグローバル、TXエクスチェンジグローバルの順でサイト冒頭部のキャプを示します。
表示対応言語はいずれも右上のプルダウンメニューに見える英語、香港語、日本語、韓国語の4つです。そしてこのサイト冒頭部は上で検証したTUBIEX、KTOOCグローバルの2つのサイトの冒頭部に明らかに似ています。以下に再掲したTUBIEXのサイト冒頭部のキャプと比較すると極めてよく似ていることが分かります。
背景画像が同じであるだけでなく、記されている文章とかメニューバーの項目なども2つのサイトで一致しているようです。表示言語の選択肢なども同じです。さらにこの冒頭部に続いてはサイトの特長を4項目にまとめてイラスト付きで説明する部分があります。比較のために英語版のキャプをこれもOVBITグローバル、TXエクスチェンジグローバルの順で以下に示します。
この部分については上で検証している6つのサイト、具体的にはPCMEXグローバル、2つのPCMビットコインズ (旧サイト、新サイト)、FXEXグローバル、TUBIEX、KTOOCグローバルの6つのサイトと全く同じに見えます。以下はPCMEXグローバルのサイトからの相当部分のキャプの再掲です。全く区別出来ません。
さらにこの下にあるマルチプラットフォーム対応を説明する部分でも上の6つのサイトと全く同じです。比較の為に英語版のキャプをOVBITグローバル、TXエクスチェンジグローバルとPCMEXグローバルの順に示します。この部分でも全く区別出来ません。
連絡先情報はいずれのサイトでも以下のキャプに示しましたが脚注部分にあるメールアドレスしかありません。左下がOVBITグローバル、右下がTXエクスチェンジグローバルのサイトからのキャプ画像です。
▼OVBITグローバル
>Email: ovbit@foxmail.com
▼TXエクスチェンジグローバル
>Email: TXEX@foxmail.com
これでは話になりません。そこでさらにWho Is情報を確認しました。まず以下にOVBITグローバルのサイトのWho Is 情報のキャプを示します。
サイトが登録・開設された日付 (Registration Time) は2021年3月15日となっています。そして登録者が「王新兵」という中国系と思われる個人名となっています。この「王新兵」という個人名は上で検証したFXEXグローバルとTUBIEXのWho Is情報にも出ていた名前です。そしてこの王新兵という人物の連絡先としてメールアドレスが記されています。
>29104853@qq.com
このメールアドレスも中国で広く使われている「qq.com」というフリーメールのアドレスです。
次はTXエクスチェンジグローバルのサイトのWho Is 情報です。
サイトの登録・開設日は黄色の枠で囲った部分に記されていますが2021年8月6日になっています。そして登録者に関する情報は赤枠で囲った部分に記されていますが殆どが非公開になっていて運営者所在地がCNすなわち中国であることしか分かりません。
さらに以下のキャプに示しましたがTXエクスチェンジグローバルのサイトと同じiPアドレス (47.242.29.152) 上にOVBITグローバルのサイト (ovbit.cn) さらには上で検証したTUBIEX (tubiex.pro) 、KTOOCグローバル (ktooc.com) の2つのサイトが共存しているようです。
これらのサイトは同じ運営者、おそらく中国のグループによって運営されていると考えて間違いないでしょう。そして非常によく似た同じテンプレートから作られたサイトが乱立している状況は明らかに異様です。非常に危険なサイトと考えられるので勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。
●CoinSeven (コインセブン https://coinseven.co/)
Yahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトで上で検証しているPCMEXグローバルなど8個のサイトと共通点があり、同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトと思われます。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
マッチングアプリで知り合った女性に勧誘されて投資したお金を出金しようとしたらマネーロンダリングの疑いがあると称して「保証金」を要求され、その保証金を入金したところ今度は手数料という名目でさらなる追加入金を要求されて結局は出金出来ないという状況に陥ってしまったようです。明らかな被害事例であり、勧誘の手口は「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致するように思われます。とにかくこの投稿に出てきたコインセブンというサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。
表示言語の選択肢は日本語、香港語、英語、韓国語の4つです。この冒頭部に続いては仮想通貨のリアルタイム相場情報を示す部分が出てきてさらにその下には以下のような世界地図が出てきます。日本語版と英語版のキャプを以下に示します。
世界地図の上にはカナダ、アメリカ、イギリス、さらには中国、韓国、日本などを含む各国に26個の丸印が置かれて国名が添えられています。何の説明もありませんが普通に考えればこれらは世界各国の拠点を示しているのではないかと思われるのですが、それらの拠点の住所とか電話番号といった連絡先情報はありません。
そして上で検証した上で検証したPCMEXグローバル (https://www.pcmexs.com/) についてもPCMEXグローバルの検証では取り上げていませんでしたが以下に示したキャプ画像が残っていました。以下に残っていたキャプを示しますが全く同じに見えます。
さらにこの世界地図に続いて出てくるサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分でもPCMEXグローバルを含む上で検証した一連のサイトと酷似しています。まずコインセブンのサイトの特長を説明する部分について日本語版と英語版のキャプを以下に示します。
そして比較の為に上で検証したPCMEXグローバル (https://www.pcmexs.com/) の相当部分のキャプ、これも日本語版と英語版の両方を以下に示します。
日本語版も英語版も全く同じに見えます。世界地図の部分だけでなく、このサイトの特長を説明する部分でも明らかに同じテンプレートが使われています。
さらに以下はコインセブンのマルチプラットフォーム対応を説明する部分です。
このマルチプラットフォーム対応を説明する部分は「検証63」以降で検証している一連の中国系と思われるグループによるサイトで頻繁に登場しますがこのコインセブンのこの部分のイラストは例えば「検証73」で検証した幾つかのサイト、例えば以下にキャプを再掲したBila Global (ビラグローバル https://www.bilaglobal.com/) のサイトの相当部分のイラストと一致しているように見えます。
コインセブンは上で検証したPCMEXグローバルなどのサイトだけでなく、こうしたサイトとも組織的な繋がりがある可能性が考えられます。
次に連絡先情報ですが、上で検証してきたPCMEXグローバルなどのサイトの場合と同じで脚注にメールアドレスが記されているのみのようです。
>メールアドレス:coin7@foxmail.com
「foxmail.com」は中国系のフリーメールだと思われます。またこのメールアドレスが記されている脚注の部分は再び上で検証したPCMEXグローバルなどのサイトと似ています。下にPCMEXグローバルのメールアドレスが記されている部分のキャプを比較の為に再掲します。並んでいる項目名や書式が一致しています。
連絡先情報を探して例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2022年8月12日となっています。この検証は2022年10月中旬に書いているので開設から2ヶ月ほどしか経過していないかなり新しいサイトということになります。
次に取引対象になっている仮想通貨について少し触れておきます。右に示したのがコインセブンのサイトで取引対象となっている仮想通貨のリストです。ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、リップル (XRP) などお馴染みの仮想通貨が並んでいますが最後にDEMOという略称の仮想通貨が登場しています。仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) でDEMOという略称の仮想通貨を探してみましたが該当がありません。
そして以下はこのDEMOという謎の仮想通貨のUSDT建ての日足チャートですが極めて不自然なチャートになっています。
2022年8月半ばからこの検証を書いている10月半ばまで2ヶ月ほどの期間の日足チャートなのですが下限11ドル~上限12ドルの間で相場が上下していてチャートのヒゲの部分を含めて一度も11ドル未満、あるいは12ドル超に達していません。また出来高は殆ど毎日800万枚で一定しています。1枚の相場が11~12ドルですから毎日8800万ドル~9600万ドルという巨額の取引が行われていることになります。さらに以下は同じDEMOのUSDT建て5分足チャートです。
この5分足チャートで見ると5分毎の出来高がおよそ3万枚で一定していることになっています。また5分足でも上ヒゲ、下ヒゲが殆どのローソク足で確認出来ることから5分間毎に少なくとも4回の取引が成立していなければおかしいことになります。これだけ間断なく、日本の昼間でも夜間の時間帯でもこのDEMOという謎の仮想通貨が出来高を伴って取引されているとなれば非常に多くの投資家がDEMOの取引に参加していなければならないはずですが非現実的としか思われません。
非常に多くの投資家がこの仮想通貨の取引に参加している可能性があるかどうかの関連で以下はコインセブンのサイトへのアクセス状況を解析した結果です。
Who Is 情報で示されているように開設されてから2ヶ月ほどしか経過していない新しいサイトですから当然とも言えますが、1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が全て検出限界以下になっています。また既に書いたようにDEMOという仮想通貨は仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) で情報が見つかりません。つまりアクセス数の多いメジャーな仮想通貨取引所で取引されている気配もありません。一体誰がDEMOという仮想通貨の連日連夜の巨額取引に参加しているのでしょうか?DEMOという謎の仮想通貨の極めて不自然なチャートは架空のものではないかと疑わざるを得ません。
総合的に判断してコインセブンは到底信頼出来る仮想通貨取引所とは思われません。最初に引用したYahoo知恵袋への被害者からと思われる投稿からもこれは詐欺目的で量産されたサイトである可能性が極めて濃いです。同じテンプレートから量産されたと思われる上で検証したPCMEXグローバル以下の8個のサイトが全て何の告知もなく閉鎖されていることからもこのサイトが突然閉鎖されてしまう可能性がある危険なサイトであることを示していると思います。
この取引所での投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●COINBK (コインBK https://www.coinbk.cc/)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証したコインセブンと非常によく似たサイトです。まずはYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。
どういう経緯でこの質問を投稿しているのか分かりませんが、入金してしまい、出金出来なくなっているようです。とにかくこの質問投稿に示されていたURLアドレスのサイトに行ってみると既に書いたように上で検証したコインセブンというサイトと非常によく似たサイトであることが判明しました。まずはサイト冒頭部のキャプをコインBK → コインセブン (再掲) の順で以下に示します。
明らかに同じ背景画像が使われています。表示言語の選択肢も日本語、香港語、英語、韓国語の4つで同じです。さらにコインBKとコインセブンのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下には事業拠点を示すと思われる世界地図の部分のキャプをコインBK → コインセブン (再掲) の順で示します。
2つの世界地図は互いに全く区別出来ません。さらにこの世界地図に続いて出てくるサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分でもキャプをコインBK → コインセブン (再掲) の順で示します。
この部分でもコインBKとコインセブンは互いに全く区別出来ません。
次に出てくるのはマルチプラットフォーム対応を説明する部分です。やはりキャプをコインBK → コインセブン (再掲) の順で示します。
トップページの最後、脚注部分にはコインBKでもコインセブンでも唯一の連絡先情報としてメールアドレスだけが示されています。その部分のキャプをやはりコインBK → コインセブン (再掲) の順で以下に示します。
メールアドレスは以下のようになっています。
コインBK:CoinBK@foxmail.com
コインセブン:coin7@foxmail.com
要するにコインBKとコインセブンのサイトのトップページは互いに酷似していて異なるのはサイト左上と脚注部分にあるロゴの部分、それ以外にはメールアドレスぐらいしか見つかりません。明らかに同じテンプレートからコピペで量産されたサイトでしょう。
連絡先情報については例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は2023年2月18日となっています。本項の最初で引用したコインBKのサイトに関するYahoo知恵袋への質問投稿が2023年5月2日付ですから開設から2ヶ月ほどしか経過していない時点で質問が出ていることになります。やはり新たに立ち上げられたサイトで勧誘が行われている、おそらく大量にサイトを用意して短期間で使い捨てにしているということだと思われます。
次にコインBKのサイトで取引されている仮想通貨を確認しました。コインセブンのサイトではDEMOという謎の仮想通貨が取引されていることになっていてそのチャートが極めて不自然であることを指摘しましたが、コインBKのサイトでも取引されている仮想通貨を確認するとSPXという聞き慣れない仮想通貨が取引されていることになっています。以下はそのSPXという仮想通貨のUSDT (ドル) 建ての日足チャートです。
どうしてこういうことになっているのか全く分かりませんが、このSPXという仮想通貨のチャートもかなり不自然です。2022年の内は大きな下落を示す陰線と右肩上がりの上昇を繰り返し、2023年に1月の上旬ぐらいからは17ドルほどで殆ど相場が変わっていません。また出来高も非常に不自然でほぼ一定になっています。
さらに以下は同じSPXという仮想通貨のUSDT建て5分足チャートです。
5分足チャートでも上ヒゲ、下ヒゲ付きでローソク足が間断なく並んでいます。上ヒゲ、下ヒゲ付きのローソク足は少なくとも4回の取引が成立しているということになります。出来高も5分間にコンスタントに7000万枚~1億枚というレベルであり、1枚の相場が17ドル台になっていますから金額も半端ではありません。かなり多くの人がこの仮想通貨の売買に参加していなければおかしいことになります。しかし上で検証したコインセブンなどの場合と同じでコインBKのサイトへのアクセス数を調べてみると以下に示したように検出限界以下のアクセスしかありません。
5分足チャートでローソク足が間断なく並ぶほどに頻繁に取引が成立しているチャートは架空のものとしか思われません。
そしてこの検証を書いている間にコインBKのサイトは告知もなしで閉鎖されてしまったようです。Who Is 情報によれば2023年2月18日に開設されたばかりのサイトがこの検証を書いている2023年5月上旬には閉鎖されたという状況から考えてやはりコインBKは詐欺目的のサイトであったとしか思われません。
●COIN WHE (コインWHE https://www.coinwhe.com/#/home)
●STAREXCHANGE (スターエクスチェンジ https://www.sartcoin.com/dist/#/)
●Hopex (https://www.hopex.pro/#/)
これら3つのサイトは「検証78」で検証したBitUP A (https://www.bitupa.com/#/home) というサイトにあった画像を画像検索に掛けて見つかってきた関連サイトです。同様にBitUP Aの画像から画像検索で見つけてきたサイトは既にMG (http://www.mggst.com/html/#/home)、EBITCEX (http://ebitcex.com/html/#/home)など9つものサイトを「検証78」で検証してありますがここで検証する3つのサイトはいずれも標準から外れる部分が認められかなり異端という印象があります。またこれら3つのサイトは以下で説明していきますが互いに非常に似ているという訳でもありません。
いずれのサイトについても勧誘されたとか出金出来なくなったといった被害報告は確認されていませんがこれから被害事例が出てくる可能性あるいはこれらのサイトと似たサイトで被害が出る可能性は充分にあると思われたので検証対象とします。尚、最後のHopexのサイトはこの検証を書いている2020年10月半ばの時点で既に閉鎖されているようです。
まずはとにかくサイトの冒頭部を比べてみます。以下、まずコインWHEのサイト冒頭部のキャプです。
この冒頭部だけで比較するならコインWHEのサイトがここで検証している3つのサイトの中で画像検索の元としたBitUP Aのサイトに最も近いです。右上に見えるプルダウンメニューから選択出来る表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語、韓国語の5つですが選択肢に国旗アイコンが付いているのは「検証78」で検証したBitUP Aやその関連サイトと共通しています。
次はスターエクスチェンジのサイトの冒頭部のキャプです。スターエクスチェンジの場合は表示言語は英語のみです。
最後はHopexのサイトのキャプです。表示言語は中国語、英語、日本語、韓国語の4つで右上のプルダウンメニューに国旗のアイコンはありません。この冒頭部を見ても他のサイトに見える大きなイラスト画像などもなくて簡素な印象のサイトになっています。
この冒頭部に続いては3つのサイトいずれについてもサイトの特長をイラスト付きで3~4項目にまとめている部分があるのですが、3つのサイトでその部分には明らかな違いがあります。まず以下がコインWHEの場合です。これまでに見たことがないイラストと説明文の組み合わせになっています (後に以下で検証しているOkbitc、2つのbitcok、JWGとFTC、計5つのサイトが見つかってきました。)。
次はスターエクスチェンジの場合ですがこれは以前に検証したサイトにも度々登場していたパターンになっています。
具体的には「検証63」で検証したOKEXコイン、「検証69」で取り上げたDIU、あるいは「検証75」で検証したチェーンBTC、RMIEX、77EX 、「検証78」で検証したMITOOEX、LIBRA3.0、ORIONLBT、モンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジといったサイトには極めてよく似たイラストと説明文の組み合わせが確認されています。例えば以下は「検証63」で検証したOKEXコイン (現在は閉鎖)にあったイラストと説明文の組み合わせですが3項目目のタイトルが「Customer first」ではなく「User first」になっていますし、説明文の長さも異なりますが「Customer first」も「User first」も意味するところは顧客優先ということでしょう。単に翻訳の違いとも考えられます。少なくともイラスト部分は全く同じとしか思えません。
最後はHopexの場合ですが全く見たことがないイラストと説明文の組み合わせになっています。
コインWHEとHopexの2つについてはこの特長を説明する部分に続いてマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。以下順にコインWHEとHopexのサイトからのキャプです。
本項の最初に書いたようにこれら2つのサイトは「検証78」で検証したBitUP Aというサイトにあった画像を画像検索に掛けて見つけてきたサイトです。そして以下がBitUP Aのサイトのキャプで左側にあるパソコンとスマホの取引画面の部分が画像検索に掛けた画像です。パソコンの画面に映るチャートパターンまで同じ画像がコインWHEとHopexのサイトにあることが確認出来ます。
しかし同じ画像検索で見つかってきたサイトであるにも関わらず、スターエクスチェンジには画像検索に使った画像が見当たりません。どういうことなのかよく分かりませんがかつてはスターエクスチェンジのサイトにも同じ画像があったけれど現在は削除されたのかもしれません。代わりにスターエクスチェンジのサイトには以下のキャプに示した部分があります。
まず「My Advantage」と題して特長を4項目にまとめて説明していますがこれは上でキャプを示したイラスト付きで3項目の特長を説明する部分と重複しているように思います。どうしてこういう構成になっているのか理解出来ません。
次に連絡先情報について触れておきます。いずれのサイトも脚注にメールアドレスがあるぐらいで明らかに情報開示が不足しています。以下に3つのサイトの脚注部分のキャプを示します。
メールアドレスを以下に抜き出します。
コインWHE:coinwhe@gmail.com
スターエクスチェンジ:sartc99@gmail.com
Hopex:hopex1@126.com
コインWHEとスターエクスチェンジのメールアドレスはGoogleが提供するフリーメールのアドレスです。Hopexの「126.com」というのも中国のポータルサイトを運営するネット企業、網易が提供するフリーメールのアドレスのようです。仮想通貨取引所の連絡先がこれだけでは到底信用出来るとは思えません。
一方、コインWHEとスターエクスチェンジについてはどれほど信頼出来るかは分かりませんがWho Is情報に断片的な連絡先情報が記されています。以下順にコインWHEとスターエクスチェンジのWho Is情報の抜粋です。
いずれの場合も赤枠で囲った部分に登録者に関する情報があり、登録機関名や詳しい住所、電話番号などはいずれもプライバシー保護の為として隠されています。しかし登録者の大まかな住所が「Chengdu, Sichuan, CN」であるとなっています。これは中国の四川省成都市を意味するようです。やはり運営は中国のグループの可能性が高いと考えます。
取引されている仮想通貨についても触れておきます。コインWHEは扱っている仮想通貨が多いので後回しにして2番目のスターエクスチェンジから説明すると左下のキャプに示したように取引されているのはたった3つの仮想通貨のようです。そして取引されているたった3つの仮想通貨の中でビットコイン (BTC)とイーサリアム (ETH)の2つは言うまでもなくメジャーな仮想通貨ですが最後のKOTという仮想通貨については仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにも情報がありません。
さらにこのKOTという謎の仮想通貨についてチャートを見ようとしたのですが以下のキャプに示した通り、ログインを要求されてチャートを見ることが出来ません。
さらにスターエクスチェンジのサイトのメニューバーには以下のキャプの右端に見えるように「White Paper」という項目があるのでKOTという謎の仮想通貨のホワイトペーパーが用意されているのかと思ってクリックしてみましたが「Sorry, the page you are looking for could not be found (申し訳ありませんが貴方が探しているページは見つかりませんでした)」というエラーメッセージが表示されるだけです。要するにKOTという謎の仮想通貨に関する情報は何も開示されていません。
左下に示したのはHopexの取り扱い仮想通貨リストです。ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)などメジャーな仮想通貨だけが取引されているようで取引所独自の仮想通貨は見当たりません。一方で右下に示したコインWHEの取り扱いリストには聞き慣れない取引所独自ではないかと思われる仮想通貨が2つ含まれています。
具体的にはETWという仮想通貨は仮想通貨データーベースのCoinMarketCapに該当がありませんし、CTCという略号を持つ仮想通貨はCredit Tag Chain、Creditcoin、Culture Ticket Chainと3つもあるのですがいずれも相場水準が全く異なります。2020年10月半ば現在でCOIN WHEで取引されているCTCは0,01ドル=約1円で取引されているとなっていますが、Credit Tag Chainは約6円、Creditcoinは約60円、Culture Ticket Chainは0.3円台で取引されています。コインWHEで取引されているCTCは別個の仮想通貨と考えざるを得ません。ちなみにCTCという略号の仮想通貨については「検証63」で検証したモビコイン、モビエクスチェンジという取引所、「検証66」で検証したアントコインという取引所でも登場していましたがいずれも取引所が閉鎖されています。
とにかくコインWHEのサイトでこれら2つの独自と思われる仮想通貨のチャートを確認してみました。まずETWのUSDT建て日足チャートを以下に示します。
このチャートによれば2020年8月12日始値0.012USDT (0.012ドル)で始まったETWはこのキャプを取得した2020年10月半ばの時点で20倍近い2ドルを超える水準にまで相場が上昇していることになっています。ローソク足チャートは上ヒゲ、下ヒゲも少なくて毎日の始値を終値が上回る陽線の割合がとても多いという異様なほどの右肩上がりを示しています。また直近で1日の出来高はしばしば1000万枚を超える水準に達していることになっています。
ETWの日足チャートもかなり不自然ですが以下に示すCTCという仮想通貨の日足チャートはさらに異様です。
このチャートで何と言っても異様なのは一日の最高値と最安値が連日同じであったことになっているという点です。このチャートによれば例えば2020年8月13日から2020年10月7日まで56日間に渡って最安値が0.0109ドル、最高値が0.0119ドルで揃っていたことになっているのです。これは非常に不自然です。このCTCという仮想通貨は1枚=1ドルの固定相場になっているUSDT (Tether) のような固定相場の仮想通貨なのでしょうか?さらに上の日足チャートで出来高を見ると1日の出来高がせいぜい5万枚程度、少ない日なら1万枚にも満たない出来高しかありません。1枚=1円強という仮想通貨ですから金額で考えたら1日の取引額が数万円程度、1万円にもならない日もあるということになります。そしてこのCTCの5分足チャートを以下に示します。
1日の出来高が数万枚という仮想通貨なのですから5分足チャートで見た場合にはスカスカのチャートだろうと思ったのですが予期に反してローソク足が間断なく並んでいます。5分間での出来高はせいぜい150枚ぐらい、10枚以下ということも多いようです。1枚=1円程度の仮想通貨を10枚以下の単位で取引しているという人はどういう人なんでしょうか?ETWについてもCTCについてもチャートは極めて不自然です。実際の取引を反映しているかどうか極めて疑問です。
本項で検証したコインWHE、スターエクスチェンジ、Hopex (閉鎖済み)は信用出来る取引所とは到底思えません。多少の違いはあっても量産されている詐欺目的のサイトである疑いが濃厚で取引は絶対に避けるべきと結論します。
●Okbitc (https://www.okbitc.com/#/home)
●bitcok (https://www.bitcok.net/#/home)
●bitcok (https://www.coinok.org/#/home)
いずれも画像検索で見つかってきたサイトで勧誘されたとか出金出来ないといった報告が確認されているわけではありませんが、この3つのサイトは互いにかなり似ているうえに上で検証したコインWHEとかなりにているようなのでここで検証します。まず3つのサイトの冒頭部のキャプを表題と同じOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)の順で以下に示します。
わざわざ指摘するまでもなく、3つのサイトはそっくりです。特に2つのbitcokのサイトは左上のロゴさえ同じで見分けが全くつかないほどです。表示対応言語の選択肢はプルダウンメニューに国旗アイコンが見えますが3つのサイトに共通して中国語、英語、香港語、日本語、韓国語の5つとなっています。そして表示言語を切り替えるとサイト冒頭のスライドショー形式で入れ替わる背景の画像も変化するのですが、例えばOkbitcのサイトで英語表示を選択すると背景画像が以下のようになります。
この背景画像は上に検証を書いたコインWHEのサイト冒頭 (下にキャプを再掲) と酷似しています。
bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)のサイトでは全く同じ背景画像は使われていないようですが、中国語表示を選択すると以下のキャプに示した背景画像が出てきます。
背景画像そのものは上で示したOkbitcとコインWHEで共通する画像と全く異なりますが、背景画像に見える
>Drive Innovation link future
>Smart technology brings together wealth
というテキスト部分は全てのサイトで共通しています。
さらにこれら3つのサイトはこの冒頭部に続くサイトの4つの特長をイラスト付きで説明する部分で互いに酷似しています。以下、順にOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)、コインWHEのサイトからのキャプですが全く区別出来ません。
尚、以下で検証しているJWG、FTCという2つのサイトにも極めてよく似た部分があります。
この特長を説明する部分に続いては例によってマルチプラットフォーム対応を説明する部分があります。これも以下、順にOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)、コインWHEのサイトからのキャプを示します。
Okbitcと2つのbitcokはこの部分に見えるパソコン画面の画像を画像検索に掛けることで見つかってきたサイトなので当然なのですがこの部分でもこれらのサイトは互いに酷似していてほぼ区別出来ません。さすがにそれぞれの左下に見えるQRコードの部分だけは異なるようですがよく見ると2つのbitcokのサイトにあるQRコードは全く同じではないかと思われます。
次は脚注部分の比較です。これも順にOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)、コインWHEのサイトからのキャプを示します。
住所とか電話番号などの連絡先情報は開示されておらず、脚注の右側にメールアドレスだけ示されています。
Okbitc; okbitc.com@gmail.com
bitcok (bitcok.net); bitcok.net@gmail.com
bitcok (coinok.org): bitcok.net@gmail.com
Coin WHE: coinwhe@gmail.com
いずれも無料登録出来るgmailのアドレスです。まともな仮想通貨取引所のメールアドレスとは思えません。2つのbitcokのサイトにあるメールアドレスは全く同じです。
Okbitcと2つのbitcokのサイトはこれ以外に「会社の概要」という項目があって運営者に関する断片的な情報が記されています。この「会社の概要」という項目はかなり長く、Okbitcと2つのbitcokのサイトで全く同じなので以下にはOkbitcの「会社の概要」のキャプのみを示します。
翻訳の問題もあるのか意味がよく分からない部分もあるのですが記述内容をまとめてみます。
▼世界トップのデジタル資産金融サービス業と称するUunex BouditionUBE.LTDが運営しているらしい。
▼2017年の設立以来、Uunex BouditionUBE.LTD日本Jグループは200億円の投資を獲得している。
▼本社はシンガポールでそれ以外に中国、日本、韓国、米国、オーストラリア、タイ、ラオス、中国香港、中国台湾などにグループ企業や拠点がある。
▼経営者として取締役会長&CEOである早稲田大学卒の菅原淳司、Chief Technology Officerの相田翔子、Marketing Directorの稲穂週間の3名の名前が挙げられている。
そこでこれらの記述内容について裏付けを試みました。しかし「世界トップのデジタル資産金融サービス業であるUunex BouditionUBE.LTD」について検索しても何も情報が出てきません。世界トップの企業であるなら何も情報が出てこないというのはおかしいですし、Uunex BouditionUBE.LTDのサイトへのリンクも見当たりません。さらにシンガポールの本社など日本を含む世界各地に拠点があるとなっていますが、それらの住所とか電話番号といった連絡先情報は開示されていません。そして経営者として日本人としか思われない3名の人物の名前が挙げられていますが日本人が経営に関与しているならば日本語が明らかに不自然なのはおかしいです。
そして経営者として名前が出ている3人は日本人としか思えない名前ですがサイトの表示言語を英語にしてこの部分を見ると以下のキャプのようになっています。
英語版でもPresident & CEO、Chief Technology Officer、Marketing Directorの3つの役職にある人物が紹介されているのですがその名前がおかしいのです。3つの役職者の名前を日本語版と英語版で比較してみます。
役職 日本語版 英語版
President & CEO 菅原淳司 Shoji Kanhara
Chief Technology Officer 相田翔子 Xiangzi xiangtian
Marketing Director 稲穂週間 Peripanicle of rice
「菅原淳司」を普通に読めば「すがわらじゅんじ」とか「すがわらあつし」になると思うのですが英語版では「Shoji Kanhara」となっています。これだけでも相当に違和感があるのですが2人目の「相田翔子」を「Xiangzi xiangtian」と読むのは無理でしょう。これは中国語読みでしょうか?また相田翔子という名前が日本の芸能人と同じなのは偶然なのでしょうか?さらに3人目の「稲穂週間」というのはそもそも日本人の名前としてかなり不自然な印象がありますが、その読みが「Peripanicle of rice」というのは明らかにおかしいです。これは「稲穂」の部分を無理やりに英語訳したものではないかと思います。
さらに「菅原淳司」という名前で思い出しましたが「検証69」で検証したMotivated (モチベーテド http://www.motavatebi.cn/)というサイトでCEOが「Atsushi Sugawara」であるとなっていました。以下は既に閉鎖されてしまったモチベーテドの会社概要のページからのキャプです。
活字が小さくて分かりにくいですが赤枠で囲った部分に
>Sugawara Atsushi President & CEO
>Aida Shoko Chief Technology Officer
と書いてあるのが読み取れます。これはOkbitcとbitcokの日本語サイトにあったPresident & CEO 菅原淳司、Chief Technology Officer 相田翔子という記述と一致しています。モチベーテドのサイトでも例えばSugawaraという人物は早稲田大学卒で日本の有名化粧品会社に就職したなど経歴も同じです。同じテンプレートから使い回しでサイトが作られているとしか思えませんし、こうした人物が実際に経営に関与しているとは到底思えません。ちなみに以下で検証しているJWG、FTCという2つのサイトでも菅原、相田という経営者が登場しています。併読してください。
そして所在地情報に関係しますがこれらのサイトのWho Is情報をOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)の順で以下に示します。
それぞれのURLアドレスが青枠で囲った部分で確認出来ます。黄色の枠で囲った部分にはサイトの登録・開設の日時が記されています。Okbitcのサイトが2020年10月8日、2つのbitcokのサイトは両方とも2020年11月21日に開設されています。この検証は2020年12月下旬に書いているので共にかなり新しいサイトであることが分かります。そして赤枠で囲った部分に登録者に関する断片的な情報が記されています。
Okbitc: 登録者 非開示
所在地 Chengdu, Sichuan, CN (中国・四川省成都市)
bitcok (bitcok.net): 登録者 非開示
所在地 Chengdu, Sichuan, CN (中国・四川省成都市)
bitcok (coinok.org): 登録者 Jia Ying Huang
所在地 Guang Dong, CN (中国・広東省)
bitcok (coinok.org)の登録者は中国語が出来ないのでよく分かりませんが、個人名ではないかという気がします。そして所在地は共に中国ですがOkbitcとbitcok (bitcok.net)が四川省成都市、bitcok (coinok.org) が広東省となっています。これまで指摘してきたように特に2つのbitcokのサイトは互いに多くの点で共通しているので同じグループによるサイトである可能性が極めて高いと思うのですが、Who Is情報の所在地情報は異なっているのです。所在地情報がデタラメなのか、あるいは四川省と広東省にある別のグループが仮想通貨取引所のサイト制作を引き受ける業者にサイトの作成を依頼したということなのか残念ながら判断は出来ません。
次に本項で検証している3つのサイトで取引されている仮想通貨のリストを示します。
3つのサイトで取引されている仮想通貨のリストは殆ど同じです。違いはOkbitcで取引されているFKMという仮想通貨が2つのbitcokのサイトでは取引されておらず、代わりにHGRという仮想通貨が取引されているということだけのようです。いずれも聞き慣れない仮想通貨であり、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても情報が出てこない仮想通貨です。そこでこれらの謎の仮想通貨のチャートを確認してみました。まず以下がOkbitcで取引されているFKMという仮想通貨のUSDT建て日足チャートです。
このチャートは見るからに異様です。ほぼ陽線ばかりの一方的な右肩上がりのチャートになっていて上ヒゲ、下ヒゲも殆ど見られません。非常に不自然なチャートとしか思えません。
2つのbitcokのサイトで取引されているHGRという仮想通貨のチャートもこのチャートと非常に似ています。以下は順にbitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)のサイトから取得したHGRのUSDT建て日足チャートです。
2つのbitcokのサイトにあるHGRのチャートは全く同じに見えます。そしてこちらのチャートも上場以来ほぼ一貫した陽線ばかりで右肩上がりが続いており、上ヒゲ、下ヒゲもほとんどなくて非常に不自然です。
さらに調べてみるとこれら3つのサイトへのアクセスは非常に少ないようです。アクセス数を解析出来る出来るサイトで例えばOkbitcへのアクセスを解析してみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。
ところが上で説明したFKM-USDTの日足チャートを見ると直近で1300万枚ほどの出来高があることになっています。現時点で1枚が2.78ドルで取引されているFKMが1300万枚取引されるということになればFKM-USDTの取引だけで3588万ドル (1ドル=100円で計算して35億8800万円) が動いていることになりますがサイトへのアクセスが非常に少ないのですから誰が売買しているのか、そもそも本当に売買が行われているのか非常に疑問です。
同様にbitcok (bitcok.net)へのアクセス、bitcok (coinok.org)へのアクセスを調べてみてもやはりアクセスは検出限界以下です。これらのチャートは現実の取引を反映しているとは到底思えません。
そもそもこれほど似たサイトが複数存在することだけでこれらのサイトの信頼性は極めて疑わしいとしか思えません。特に2つのbitcokのサイトは殆ど何から何まで同じであり、2つのサイトが存在する意味が分かりません。本項の最初に書いたようにこれらのサイトに投資するよう勧誘を受けたとか、出金出来なくなったといった被害報告が確認されているわけではありませんが非常に危険なサイトと考えます。仮にこれらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。
●JWG (https://www.braie.net/#/)
●FTC (https://www.yodec.net/#/)
これらは画像検索で見つかってきたサイトで勧誘されたとか被害を受けたといった報告が確認されているわけではありませんが、姉妹サイトで検証しているやはり中国系と思われるFXのサイトと組織的な繋がりを疑わせる部分があり、存在を記録しておくべきと感じたので検証対象にすることにしました。そしてこれらのサイトは上で検証したOkbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org)、コインWHEの4つのサイトと似通っている部分があります。まず例によってサイト冒頭のキャプ画像を示しますが表示言語を日本語にするとサイト冒頭部は非常にシンプルなものになります。以下にJWG、FTCの順でキャプを示します。
表示言語の選択肢はいずれも英語、中国語、香港語、日本語、韓国語となっており、中国語、香港語、韓国語を選択した場合もサイト冒頭部は日本語の場合と同じで非常にシンプルなものになります。ところがいずれのサイトも英語表示を選択した場合には以下にキャプを示していきますがJWGの場合には3枚、FTCの場合には4枚の背景画像がスライドショー形式で順次表示されて全く違った印象を与えます。まずJWGの3枚の背景画像が順次表示されている状態でのキャプを以下に示します。
次はFTCの4枚の背景画像についてのキャプを示します。
2つのサイトの背景画像を比較するとJWGの3枚の背景画像はFTCの4枚の背景画像の1、2、4枚目と同じもののようです。つまりJWGの3枚の背景画像にFTCの3枚目の背景画像が加わった4枚がFTCの4枚の背景画像になっています。そしてこれらの背景画像を見て気が付きましたがこれらの画像の幾つかは本サイトの姉妹サイト、「海外FX業者を辛口評価」でFX業者として検証した幾つかのサイトで使われている画像と同じものと思われるのです。具体的には姉妹サイトの「検証15」で検証したBTCUSDTインベストメント リミテッドなど9つのサイト、同じく姉妹サイトの「検証42」で検証したETHグローバルリミテッドなど6つのサイトに同じ画像と思われるものが確認されます。以下ではFTCのサイトからのキャプ画像と「検証42」で検証したOaキャピタルホールディングスリミテッド (www.oacapitalholdings.com/ja.html) というサイトで英語表示を選択した場合のキャプ画像を比較してみます。まず左下がFTCの2枚目の背景画像、右下がOaキャピタルホールディングスリミテッドの背景画像の1枚目です。
トリミングのされ方は違いますが明らかに同じ背景画像が使われており、中央に見える文章も
>The Digital Bank With An Innovative Global Approach
>An enhanced digital banking experience that serves you better
で両方のサイトが一致しています。さらに以下はFTCのサイトの3枚目の背景画像 (左下) とOaキャピタルホールディングスリミテッドのやはり3枚目の背景画像 (右下) の比較です。
同様に以下は以下はFTCのサイトの4枚目の背景画像 (左下) とOaキャピタルホールディングスリミテッドのやはり4枚目の背景画像 (右下) の比較です。
FTCのサイトで使われている4枚の背景画像の内、3枚がOaキャピタルホールディングスリミテッドのサイトで使われている6枚の背景画像の内、3枚と一致しているのです。さらに画像中央に記されている文章も同じです。これは偶然とは思えません。これらのサイトは同じ詐欺グループによるサイトである可能性が濃厚です。
JWGとFTCの2つのサイトの検証に戻ります。サイト冒頭部に続いてはサイトの特長を4項目にまとめた部分が出てきます。これも比較の為に英語版のキャプ画像を以下に示します。
2つのサイトはこの部分で全く同じに見えます。そして上で検証しているコインWHE、Okbitc、2つのbitcok、計4つのサイトにはこの部分と非常によく似た部分があります。以下はコインWHEのサイトからのキャプの再掲ですがイラスト部分は全く同じに見えますし、テキスト部分も例えば右端の項目のタイトルがそれぞれ「Quick deposit」と「Fast speed deposit」から始まっているといった違いはありますが非常によく似ています。
JWGとFTCの2つのサイトではこのサイトの特長を説明する部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。以下にJWGとFTCのサイトからのキャプを順に示します。
この部分についても上で検証したコインWHE、Okbitc、bitcok (bitcok.net)、bitcok (coinok.org) の4つのサイト、他にも非常に多くのサイトで非常によく似た部分が確認されています。同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトの一角であると考えてよいかと思います。
さらに以下にJWGとFTCのサイトの脚注部分を示します。
それぞれ右端にメールアドレスのみ記されています。
JWG:6655360@gmail.com
FTC:yodec003@gmail.com
しかしこれらは無料登録できるgmailのアドレスです。まともな取引所が連絡先としてフリーメールのアドレスを使う訳がありません。それ以外に連絡先情報を探してみると脚注の左端にリンクがある会社概要という項目があることに気が付きました。以下にはその会社概要の冒頭部のキャプをJWGとFTCについてそれぞれ示します。
シンガポールに本拠があるようなことが書いてありますが具体的な住所とか電話番号といった連絡先情報はやはり見当たりません。2つのサイトの記述はここでもほぼ同じです。そしてこの会社概要の最後には以下のキャプに示す経営者に関する記述があります。2つのサイトのこの部分は全く同じなのでJGWのサイトからのキャプだけを以下に示します。
経営者として名前が出ているのは菅原十志、相田翔子という2名です。そしてこの経営者の紹介は上で検証したOkbitcのサイトの会社概要にあった経営者の紹介とかなり似ています。以下のOkbitcのサイトからのキャプを再掲します。
最初に出てくる会長兼CEOの名前がJGWやFTCの場合には菅原十志なのに対してOkbitcでは菅原淳司となっているとか、Okbitcでは3人目の経営者として名前が出ていた稲穂週間という人物がJGWやFTCのサイトでは消えているとか明らかに異なっている部分もあるのですがそれでもかなり似ていることは確かです。例えば会長兼CEOの菅原という人物は両方とも早稲田大学法学部を卒業して日本のブランド化粧品会社で働いていたといった経歴が非常に似ています。相田翔子という人物については名前が同じであるというだけでなく経歴が異様に一致していて別人とは思えません。
会社概要の内容には明らかに疑わしい部分もあってそのまま信用する気にはなりません。菅原とか相田とかいう経営者も実在の人物かどうかさえ疑わしいです。しかしこの会社概要が同じテンプレートから作られていることは間違いないと思います。
次に2つのサイトで取引対象となっている仮想通貨について確認しておきます。左下がJWG、右下がFTCの取り扱い仮想通貨のリストです。
但しFTCのサイトは実際には機能していないのか仮想通貨の前日比が全て変動なしの0%になっています。ともかくそれぞれのリストを見ていくとビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH) などお馴染みの仮想通貨が並んでいる中で気になるのはそれぞれのリストの上から6番目にあるそれぞれのサイト名と同じ名称の仮想通貨、JWGとFTCです。そしてJWGについてUSDT建ての日足チャートを以下に示します。
このチャートを見るとこのJWGというこのサイト独自と思われる仮想通貨は2021年9月16日に1枚が2ドルほどで取引されていたのに1度大暴落があったのに次の日には盛り返して右肩上がりの上昇を続け、2021年11月半ば現在では700ドルを超えていることになっています。しかしこれは上で検証したコインWHEのサイトで取引されていたETW、Okbitcで取引されていたFKM、2つのbitcokというサイトで取引されていたHGRといった謎の仮想通貨のチャートと同じで非常に不自然です。詐欺グループが作り上げた詐欺目的の仮想通貨である可能性が高いように思われます。
言うまでもないと思いますがこれら2つのサイトも到底信用出来るサイトとは思えません。何よりJWGとFTCのサイトと明らかに似ている部分があるコインWHE、Okbitc、2つのbitcokといったサイトはこの検証を書いている2021年11月中旬現在で既に閉鎖されているようです。JWGとFTCについても投資勧誘して稼いだところで閉鎖して逃亡ということになる可能性が極めて高いと考えざるを得ません。現時点ではこれらのサイトでの投資を勧誘されたとか被害を受けたといった報告は確認されていませんが、仮に投資勧誘を受けても決して応じるべきではないと結論します。