検証45

このページでは以下を検証します。項目は順次追加する予定です。

●PANDROYTY (パンドロイティー info-pandroyty.com/)
●Pandroyty Token (パンドロイティー ico.pandroyty.com/)
●mtfs Limited (mtfsリミテッド mt-fs.com/)
●Super Pit Group [Super Gold Coin スーパーゴールドコイン] (スーパーピットグループ superpitgroup.com)
●Super Gold Coin ICO (スーパーゴールドコインICO spgcoin.io/)
●Hashtoro (ハッシュトロ hashtoro.com/)
●FILCOMMAND (フィルコマンド www.fieldct.com/mining1/)


まずPANDROYTY Token (パンドロイティートークン)という仮想通貨に関係する以下の3つのサイトについて検証します。

●PANDROYTY (パンドロイティー info-pandroyty.com/)
●Pandroyty Token (パンドロイティー トークン ico.pandroyty.com/)
●mtfs Limited (mtfsリミテッド mt-fs.com/)

これらは順に日本語のICOサイト、英語のICOサイト、ICOの主体とされる香港の企業のサイトです。この項目は以下に示すYahoo知恵袋での質問への回答として書いたものです。

詳細はよく分かりませんが営業マンから「2年後には80倍になる」といった売り文句で売込みを受けたようです。検索すると上の質問で引用されているサイトも含めて勧誘目的と思われるサイトが幾つか見つかってきました。

NAVER まとめ パンドロイティー(PDRY)の評判・内容について徹底分析!!

更新日: 2018/6/27

(知恵袋の質問に引用されていたサイトです。)

ちゃんはぎのCryptocurrency Blog この夏のICO案件はパンドロイティー/PDRYで決まりやで~~!!

投稿日:2018/6/28

MIRISE 次世代共通ポイントICO案件

これらのサイトにある情報と検索で見つかってきたのが表題の3つのサイトです。日本語ICOサイトには日本語のホワイトペーパー以外に英語のホワイトペーパー韓国語のホワイトペーパーも用意されています。英語版、韓国語版も一応確認しましたが日本語版ホワイトペーパーとは全く異なるプレゼン資料のようなものであり、ホワイトペーパーとは言い難いフォーマットです。

一方、英語のICOサイトにあるホワイトペーパーは英語版と韓国語版だけです。後述しますがこの案件の運営元とされているのは香港が住所になっている会社であることを考えると中国語版が何処にも見当たらないのは著しく不合理に感じられます。

まず例によって連絡先情報を探しましたが日本語版ホワイトペーパーの20ページには右のキャプに示すように運営組織としてMTFS Limitedという社名と香港の住所だけが記されています。知恵袋の質問に出てきた社名と一致します。

>運営組織

>MTFS Limited

>602,Beautiful Group Tower,77

>Connaught Rd.Central,Hong Kong

さらにこのMTFS Limitedを検索して表題の3個目に挙げたMTFS リミテッドのサイト (mt-fs.com/)を見つけましたが連絡先情報として示されているのは同じ住所だけで電話番号もメールアドレスさえありません。連絡先情報の開示は著しく不適切です。そもそもこのMYFSリミテッドのサイトには情報らしい情報が殆どありません。

日本語版ホワイトペーパーの22ページにはTeam (運営陣)として6名の名前が記されています。以下のキャプは最初の2名ですが明らかに日本人としか思えない名前ですし、残りの4名も佐野、朝野、西山、松山と同様に全て日本人としか思えません。2番目の東海林という人物がMTFSリミテッドの社長のようです。

さらに右のキャプはMTFS リミテッドのサイト (mt-fs.com/)のWho Is情報ですがドメインネームを日本のお名前.comから取得して (赤枠部分) 2018年4月2日にサイトを開設している(青枠部分)ことが分かります。また登録者も日本のGMOインターネットでサーバーは東京にあるロリポップという格安レンタルサーバーです (オレンジ枠部分)。これではMTFS リミテッドは日本の会社としか思われません。MTFS リミテッドが香港の住所に実在するかどうかかなり疑問です。むしろ連絡先情報が住所だけで電話番号がないことなども考え併せると日本人ばかりの日本の会社が香港の住所だけ使っていると考えた方がよほど合理的としか思われません。

そしてホワイトペーパーのTeam (運営陣)に筆頭で出てくる三浦光という人物については「現在、アバンドール株式会社代表」という記述があります。この「株式会社アバンドール」は勧誘ブログの1つ (NAVER まとめ パンドロイティー(PDRY)の評判・内容について徹底分析!!)にも開発チームがアバンドール株式会社であると以下のキャプにあるように明示されており、代表取締役:三浦光の名前と経歴はホワイトペーパーのものと一致します。

そこでさらにアバンドールのホームページ (apandor.co.jp/)を見ましたが連絡先情報は以下の様になっています。

代表取締役として三浦光の名前が出てきます。同一人物が横浜にあるアバンドールと香港のMTFSリミテッドの両方に深く関与していることになります。そしてMTFS リミテッドの場合と同じでアバンドールの連絡先も住所だけで電話番号がありません。また横浜市の住所、関内フューチャーセンター(massmass.jp/)は検索してみるとシェアオフィスです。アバンドールの法人登録も確認しましたがこのシェアオフィスの住所で法人登録されています。

シェアオフィスで活動しているような企業となればあまり規模が大きいとは思えませんし、一連の検証の中で何度か同じようなことを書いていますが、仮想通貨発行事業の様な情報の流出に徹底的な配慮の必要な事業を行うのにシェアオフィスでは大きな問題があると思います。この点だけでもこの案件の信頼性や将来性には疑問符が付きます。

ちなみにこのアバンドールの業務内容として以下の様な項目が挙げられています。

▼「ポイネスト(Poinest)」というポイントを発行するスマホアプリの開発

専用サイト (http://shop.poinest.jp/http://www.poinest.com/)

▼アップルウォレット用の「パス」というカードやクーポン、入場券などを格納出来るソフト開発

専用サイト (http://pass-for.biz/)

▼VR (バーチャルリアリティー)を使ったプロモーション映像の撮影、作成

印象でしかありませんが特に最初のポイネストというスマホアプリの事業に関する記述が最も多いのでこのスマホアプリの事業がアバンドール株式会社の主力事業らしいです。TポイントとかPONTAのような共通ポイントサービスの様なものを提供するスマホアプリではないかと思われます。そしてこのポイネストについて検索すると@Pressというプレスリリースサイトでアバンドール社から出ているプレスリリース記事を2本見つけました。2本共にポイネストに関する記事です。

アパンドール、無料の実店舗向けポイントプログラムの スマートフォンアプリ「Poinest(ポイネスト)」をリリース 公表日:2012/7/6

アパンドール、スマートフォンロイヤリティプログラムアプリ 「Poinest(ポイネスト)」をPassbookに対応

公表日:2013/3/12

そして1本目のプレスリリース記事によれば(以下のキャプ参照)、ポイネストというアプリはこのプレスリリース記事が出た2012年7月から提供されているようです。

しかしこのポイネストというソフトはリリース以来6年以上経った今でもメジャーな存在にはなっているとは思えません。スマホアプリとか小売店の出すポイントなどに関心が薄い私個人が全く知らないのはともかく、検索してもこのソフトに関する情報があまり出てきません。例えばこのソフトが何処かの企業でのポイント制度に使われているといった情報が出てきません。ポイネストの公式サイトとかダウンロード出来るサイトをアクセス解析出来るサイトで調べてみてもアクセスが殆どありません (以下のキャプ参照)。ちなみに以下のキャプに出てくる「n/a」はNot Availableの意味で毎日のアクセス数を数字で出せるほど多くない、殆どアクセスがないことを意味します。

ちなみにアクセスが殆ど無いのはこのサイトだけではありません。日本語のICOサイトへのアクセス英語のICOサイトへのアクセスMTFSリミテッドのサイトへのアクセスアパンドールのサイトへのアクセス、いずれも同様に殆どゼロという結果が出ます。

まずこれから言えることとしてアバンドール社のポイネストの事業は類似と思われるTポイントとかPONTAには大きく水を開けられた状況にあると思われます。そしてホワイトペーパーを読むとパンドロイティートークンのビジネスモデルはポイネストと同様のポイント関連のようです。TポイントとかPONTAのようなポイントサービスにブロックチェーンとか仮想通貨を持ち込むことで何か大きなプラスがあるのかどうか疑問に思いますし、既存の強敵に対抗出来るようになる気がしません。少なくとも個人的にホワイトペーパーに説得力を感じないのです。

まとめるとこの案件では運営元に関して実態があるかどうかよく分からない香港法人が登場している、情報開示が不十分である、既に6年前から取り組んでいるらしいポイントサービスで実績を上げられていないといった疑問点に加え、最初に触れたように「2年後には80倍になる」といった明確な根拠があるとは到底思えない売込み文句で勧誘が行われているとすれば非常に大きな問題があるとしか思えません。信頼性、将来性について高い評価が出来ないとなれば投資は推奨出来ません。

●Super Pit Group [Super Gold Coin スーパーゴールドコイン] (スーパーピットグループ superpitgroup.com)
●Super Gold Coin ICO (スーパーゴールドコインICO spgcoin.io/)

この項目もYahoo知恵袋での質問への回答として書いたものです。友人から紹介されたというのはネズミ講方式での勧誘の可能性があるかもしれません。

早速質問にリンクがあった動画や公式サイトに行ってみましたが公式サイトは中国語版しか存在しないようです。残念ながら中国語は全く分からないのでGoogle翻訳に頼って内容を把握しましたが、翻訳が間違っていれば以下の検証にも誤りが生じる可能性はあります。

右のキャプもGoogleの翻訳機能を使って日本語訳したものです。仮想通貨の名称はSuper Gold Coin (SGC スーパーゴールドコイン)となっています。ミャンマーの太平洋鉱業という会社と提携して金鉱山の開発を行い、得られた金の価値を担保にして仮想通貨の価値を保つということのようです。

このサイトで検証してきた案件の中には貴金属や宝石の類と結びついていて担保が確保されている仮想通貨なので価値が保たれるという主張の案件が幾つもありました。例えばザンビアの鉱山からアクアマリンを掘り出す事業と結びついているという主張のジュエルコイン(検証2)、コンゴに自社で金鉱山を所有しているというクレジットコイン (検証8)、純金を担保として保有しているという主張だったキートークン (検証14)、ダイヤモンドの鉱山開発が関係しているらしいワールドフレンドシップコイン (検証43)などが類似性が感じられる案件です。しかしこれら貴金属とか宝石あるいは海外の鉱山事業と結びついているから担保価値で仮想通貨の価値が保たれるという主張の案件では本当に担保として十分な量の有形資産を保有しているのか、本当に鉱山を保有していて充分な利益が出ているのかなど確認が難しいものばかりでした。例えば検証1で取り上げたジェムコインなどは仮想通貨の価値を保つ担保として琥珀を保有しているという説明だったようですが既に破綻し、摘発されています。担保となる琥珀などはおそらく幻だったのだと思われます。この手の危ない案件を見た後ではスーパーゴールドコインについても金鉱山を持っているから価値が保たれるという主張を鵜呑みにする気になりません。本当に仮想通貨の価値の担保になるだけの資産があるのかなど運営側の説明の裏付けを求めたいところです。

ところが公式サイトや勧誘動画にある情報はあまりにも断片的で本当にミャンマーで金鉱山が運営され、利益が出ているのか確認出来るような情報はありません。そこで他に関連サイトがないか検索して見つかってきたのが表題の2つ目、スーパーゴールドコインICOのサイトです。残念ながらこのサイトも全て中国語で書かれていて、これも中国語で書かれたホワイトペーパーがPDFファイルでダウンロード出来るようになっています。またしても中国語の壁があるので検証は困難ですが、とにかくGoogle翻訳に頼って何が書いてあるのか理解を試みました。

まず連絡先情報ですが、公式サイト (superpitgroup.com)にある連絡先情報は右のキャプにあるだけのようです。香港の住所と香港の国番号[+852]から始まる電話番号、メールアドレスがありますが、メールアドレスはフリーで使えるgmailのアドレスです。これはきちんとした企業、特に情報漏洩に非常に神経を使わなければならない仮想通貨案件を主導する企業では有り得ないことでしょう。

一方でICOサイトやホワイトペーパーの2ページ目には以下の様な記述があります。括弧内はGoogle翻訳による翻訳文です。

>超级金矿控股集团是一家在萨摩亚注册的国际金矿企业。该企业从事大量金矿开采和大规模网上金矿期货贸易。(スーパーゴールドホールディングスグループは、サモアに登録された国際的な金鉱会社です。)

太平洋に浮かぶ島国のサモアに登録されているというのですがその具体的な連絡先情報はICOサイトにもホワイトペーパーにも見当たりません。サモアはペーパーカンパニーが容易に作れる租税回避地の一つですし、具体的な連絡先情報もないとなれば信用する気になれません。仮に法人登記などがサモアにあったとしても単にペーパーカンパニーがあるだけではないかと疑わざるを得ません。ホワイトペーパーにはこれ以上の連絡先情報は見当たりません。

所在地については知恵袋の質問で引用されていた勧誘動画にも気になる部分があります。動画は全編英語で日本語字幕が付いたものですが、2:38付近で右のキャプに示したように

>SPGのロンドン本部で契約を締結しました

という字幕が出てきます。英語のナレーションでも

Contract signing celemony was held at the headquarter of SPG in London

となっていてSPGの本部がロンドンにあると解釈出来ます。そこでイギリスの法人登録データーベースで「SUPER PIT GROUP」を検索してみましたが該当すると思われるような登録は見つかりません。Super Pit Groupの本拠がイギリスにあるとは思えません。そもそもロンドンに本拠があるのならば公式サイト、ICOサイトで連絡先情報を明示するべきでしょう。連絡先情報は香港、サモア、ロンドンと3カ所も候補がありますが、どれも信用は出来かねます。

さらにアクセス状況を解析出来るサイトで公式サイトへのアクセスを調べると以下のキャプに示すようにアクセスのほぼ全てが韓国と台湾からのアクセスです。イギリスに本部がある会社がイギリスなど欧州で活動がないというのも違和感のある話でやはりロンドンに本拠がある会社とは思えません。

連絡先情報以外の部分についても検証します。まず以下はホワイトペーパーの8ページ目のキャプです。高層ビルとか豪華な家具の並んだオフィススペースらしき画像が並んでいますが違和感を感じたので画像検索してみるとこれら5つの画像はネット上に多数見つかることが判明しました。

5つの画像の内、左のオフィスビル (?) の画像と中央上の高級ホテルのロビーみたいな場所の画像はいずれもUnsplash (unsplash.com/)というフリー画像のサイトに登録されている画像であることが判明しました。

残りの3つの画像もネット検索すると少なくとも数百のサイトで使われており、おそらくはフリー画像の類です。別の言い方をすればこの5枚の画像はスーパーピットグループと何の関係もない画像と思われます。スーパーピットグループが大規模な事業を行っている、実在する企業であるという印象を与えようとしているだけの画像としか思えません。

さらに上の5つの画像の上に付いている説明文が問題です。括弧内はGoogle翻訳による翻訳文です。

>在超级黄金集团的带领以及与Geo Asia Industry & Mining公司结盟的背景下,超级金矿控股集团推出了用币发售。我们的超级金币得到了缅甸盈利能力最高的Geo Asia Industry & Mining公司的高度支持。

(Super Gold GroupのリーダーシップとGeo Asia Industry&Miningとの提携の中で、Super Gold Holdings Groupはコインの販売を開始しました。 当社のスーパー金貨は、ミャンマーで最も収益性の高い会社であるGeo Asia Industry&Miningによって高い支持を受けています。)

翻訳文は不自然でよく分からない部分もありますが、スーパーピットグループはミャンマーのGeo Asia Industry & Miningという鉱山会社と提携して金鉱山事業を行っているということは分かります。そこでこのGeo Asia Industry&Miningについて検索してみましたが殆ど情報が出てきません。公式サイトも発見出来ません。

辛うじて見つかってきたサイトの1つはYANGON DIRECTORY というミャンマー版のイエローページの様なサイトでGeo Asia Industry&Mining社の連絡先情報らしきものがあります。右のキャプがその連絡先情報です。

>Geo Asia Industry & Mining Co.,Ltd.

>Mining Companies

>1, 7th Flr, U Aung Myat St., Tha Pyay Gone Ward,

>Township :Mingalar Taung Nyunt

>State :Yangon Region

>Email :geoasiaho@gmail.com

>09-786845340, 09-43097212, 09-971052612

しかしGeo Asia社に関するネット上の情報は極めて限られています。上に示した連絡先情報は同様のイエローページ的なサイトや求人情報サイトなどにも見つかりますが、それ以上の情報は全く見つかりません。またメールアドレスが無料で使えるgmailのアドレスです。財務報告とかどれほどの金を生産したのかなど会社としての営業を確認出来るような情報もありません。これでは会社としての実体が本当にあって本当に金鉱山を経営しているのかどうか極めて疑問です。実体の存在しない幽霊会社ではないかと疑わざるを得ません。

さらに仮想通貨を売り出すのならば売り出す仮想通貨をどの様に決済手段として普及させるかについても計画を明らかにするべきでしょう。残念ながら公式サイト、ICOサイト、ホワイトペーパーのいずれを見てもこの点に関しては具体的な記述が全く見当たりません。単に資金集めの為に仮想通貨を利用しようとしているだけにしか見えないのです。

それから右のキャプに示したのはスーパーピットグループの公式サイト (superpitgroup.com)のWho Is情報です。この公式サイトが立ち上がったCreation Dateが2018年3月7日とまだ半年前のことであることが分かります。会社の公式サイトが立ち上がってわずか半年という会社が果たしてミャンマーの鉱山会社と提携を成功させ、前途洋々の事業を進行中であるということが有り得るんでしょうか?

総合的に判断してこの案件は本当に金鉱山事業が実現しているのかなど基本的な部分で信頼性に欠けています。むしろ殆ど事業実体の無い幽霊事業ではないかという疑いが拭えません。ビジネスモデルとしても疑問が多すぎます。投資は推奨出来ません。

●Hashtoro (ハッシュトロ hashtoro.com/)

この項目はYahoo知恵袋での質問の回答として書いたものです。マイニングで利益を出して配当を出すという案件のようです。まず「ハッシュトロ」を検索すると日本語のニュースサイトが見つかってきました。

BITTTIMES Hashtoro(ハッシュトロ):需要の高まりによりBTCマイニング契約に制限 (2018年9月6日)

それほど詳しくはありませんがハッシュトロについての一応の説明があります。表題のサイトへのリンクもここで発見しました。公式サイトに行ってみると表示言語の選択肢は英語とロシア語です。一応眺めてみましたが情報量が非常に限られている印象です。まず例によって連絡先情報ですが右のキャプの様になっています。

メールアドレス、Telegram、イギリスの住所があります。

>support@hashtoro.com

>Telegram: @hashtoro.com

>HASHTORO LLP Company number OC422381

>Suite 1111 85 Great Portland Street, First Floor, London, United Kingdom, W1W 7LT

しかし電話番号はありません。これは良くない兆候です。さらにイギリス、ロンドンの住所は検索してみるとこの住所は右に示したキャプのLondon Office (thelondonoffice.com/)というバーチャルオフィス業者の住所と酷似しているようです。

>85 Great Portland Street, London, W1W 7LT

このLondon Officeという業者のサービス内容を見るとバーチャルオフィス業務のみでシェアオフィスは提供していないようなので電話番号が開示されていないことも考え併せるとこの住所にハッシュトロが実在する可能性は低いと考えざるを得ません。少なくともマイニング事業に必要な大量のサーバーを設置するマイニング工場がロンドン市内のこの住所にあるとは経済合理性から言っても到底思えません。

そしてハッシュトロの公式サイトをよく見ると「About Us」の項目に以下の記述を見つけました。

合計で25000台のマイニングマシンを欧州の複数のデーターセンター(マイニング工場)に分散して動かしているけどその所在地はセキュリティ上の理由で明かに出来ないといったことが書いてあります。しかしこの言い訳には同意する気になりません。何処の国に拠点があるのかさえ明らかしないことにセキュリティ上の意味があるとは思えません。自らの資本でマイニング工場を作って稼ぐならともかく、広く投資を募ってマイニングを行うならば出来るだけ情報は開示するべきでしょう。

所在地にイギリスが住所になっているのでイギリスの法人登録を探してみると確かにHASHTORO LLPの法人登録が見つかりました。

この法人登録にある経営者情報 (People)の項目を見ると

▼CARPE DIEM LLC (ジョージアの法人)

▼SMART IT SERVICES LLC (ジョージアの法人)

▼ARGO VENTURES INC. (セーシェルの法人)

が経営陣となっていて最後のセーシェルの法人は2018年6月6日付で辞任しています。つまり現在の経営陣はジョージアの法人2つによって成り立っていて個人名は1つもありません。さらにジョージアの法人の所在地は互いに全く同じです。

>N 264, Omar Khizanishvili Street, Gldani District, Tbilisi, Georgia

この住所を検索してみるとTbilisi Free Zone (www.tfz.ge/en/)というサイトが見つかります。Tax-Freeの地域とありますから日本における経済特区みたいなものかと思いますがこのTbilisi Free Zoneの所在地(www.tfz.ge/en/484/https)がハッシュトロの経営陣にある2つのジョージアの法人の住所に一致します。

税金面で優遇されるということでこの経済特区的な場所に2つの法人があるだけなのかとも思いましたが、このTbilisi Free Zoneのサイトにある「About Us」のページを見るとこのTbilisi Free Zoneを創設したのが世界をリードするブロックチェーン技術の会社と称するBitFury Groupとなっています。

しかしハッシュトロ社とBitFury社の関係が全く分かりません。これは所在地で結びついているように見えるのは偶然なんでしょうか?それともハッシュトロ社はBitFury社のグループ会社の様なものなのでしょうか?BitFuryは日本語サイト(bitfury.com/jp)も存在するようでマイニング用のハードやソフトを提供したり、自らもマイニングを行っているようですがハッシュトロに関する記述は見当たりません。

とにかく出来る限り調べてみても組織の所在については確たる情報がないとしか言い様がありません。これは投資対象としての信頼性を判断するのに決してプラスとは言えない状況です。誰が経営しているのかという経営者情報が欠けていることも非常に気になります。情報開示は充分とは言い難く、高い評価は難しいです。

さらにこの手のマイニング投資案件ではマイニングマシンが多数並んでいるマイニング工場の画像などが示されているのが通例だと思うのですが、この件については公式サイトを見てもその様な画像がありません。代わりという訳でもないでしょうが、何故か右のキャプにあるようなノートパソコンの画像が出てくるのですが、この画像はGoogleで画像検索するとかなり多くのサイトで使われているようでおそらくフリー素材の類だと思われます。マイニングマシンの画像があったからと言って本当にマイニングを行っている保証にはなりませんが、意味の分からないノートパソコンの画像が出てきている状況にも本当にマイニング事業が行われているのか改めて疑問を感じざるを得ません。

投資のプランについては対象となる仮想通貨と契約年数に選択肢があります。マイニングの対象となる仮想通貨はZcash (ジーキャッシュ)、BITCOIN (ビットコイン)、LITECOIN (ライトコイン)、ETHEREUM (イーサリアム)の4種類、契約期間はそれぞれについて1年、2年、5年あるいは無期限という3つの選択肢があるようです。例えば右のキャプはビットコインマイニングに投資する場合の条件ですが1年契約の場合、4ユーロの料金に対して最低ハッシュレート500 GH/sとなっています。

利回りは示されていないようで元が取れるかどうかについて保証はなさそうです。マイニングの競争激化や仮想通貨の価値が下落したりすれば支払う料金の方が得られる収益を上回ってしまうリスクもあるということになります。これまでの検証でもこの手のクラウドマイニングと呼ばれる投資家から集めた資金でマイニング事業を行い、高配当を出すという案件が幾つも登場していますが、その中には例えば「検証41」で検証したスカイマイニングのように既に破綻して被害者が多数出ているものもあります。

そしてこの案件で実際にどれほどの配当が支払われたのかこれまでの実績が見当たりません。所在地情報と同様、情報開示の不十分さを感じざるを得ません。同じマイニング投資でも例えば「検証13」で検証したビットクラブがかなりのプラス収益を約束していたのがむしろ非合理的と思われますけれど、マイニングに多くの企業が参入し、仮想通貨の相場が伸び悩み状況であることを考えるとどれほど有利な投資になるかは五里霧中であり、これまでの実績も示されていないというのは非常に不安です。

総合的に判断してこの案件には情報開示の不足が感じられるなど信頼性の面で疑問が残ります。そもそもマイニング事業が実際に行われているかどうかについても納得出来るような証拠がありません。また仮にマイニングが実際に行われているとしても競争激化や仮想通貨の相場の低迷を考えるとどれほど有利で確実な投資になるのか疑問を感じざるを得ません。投資は非常に慎重に判断するべきと結論します。


●FILCOMMAND (フィルコマンド www.fieldct.com/mining1/)

これも前項のハッシュトロと同様にマイニングで利益を出すという案件のようです。ネット広告で発見しました。以下はサイトの冒頭部のキャプです。

小さい字で読みにくいですがロゴの下に「株式会社 FILCOMNAND」という社名、住所と電話番号が記されています。

>大阪市東成区東小橋1-15-2 オフィスT&M 403号室

>06-6599-9546

そして非常に高い投資利回りが得られるという記述があります。

>年利は1年目から70%程度。状況次第で100%以上も見込めます。

まず国税庁の法人番号公表サイトで探して見ると以下の法人登録を確認することが出来ました。

この法人登録を見ると平成28年(2016年)の5月24日に株式会社Field Command's Triumphとして新規法人登録され、2018年8月24日に現在の社名、株式会社FILCOMMANDに社名変更されたばかりであることが分かります。この検証は2018年10月半ばに書いているので社名変更から2ヵ月も経過していないことになります。

旧社名の「株式会社Field Command's Triumph」で検索すると表題のサイトと同じアドレス上(www.fieldct.com/) に旧社名当時の情報が残っていることが判明しました。右のキャプに示したように業務内容は

>・webサービスの企画、運営

>・企業等のPR戦略についてのコンサルティング並びに営業支援活動

となっています。さらにこの旧社名当時の事業内容についてこのページの最後には

>レンタルファッションアプリ「DoreTama」の企画、運営 (現在開発中)

という記述もあります。

旧社名時代の業務内容は仮想通貨のマイニングとは全く関係がなさそうです。マイニング事業を始めたのは2018年8月に社名を変更してからでしょうか?旧社名時代の会社情報からは少なくとも2016年5月の創業当時からマイニング事業をやっていたとは思えないのでマイニング事業を開始してからそれほど時間が経っているとは思えません。

そしてこの旧社名時代の会社情報には代表取締役 (CEO 最高経営責任者)として水谷翔太なる人物が紹介されています。元大阪市天王寺区長という肩書が付いており、検索してみるとNHK記者から転じて2012年から2016年まで大阪市天王寺区長だった人物のようで本人のものと思われる水谷翔太事務所なるサイトも確認出来ます。そしてこの水谷事務所のサイトをみると会社役員を引き受けますといったことが書いてあります。水谷某という人物の経歴が本当であっても単に雇われた形だけの代表取締役であったという可能性も考えられます。そしてこの水谷という人物はアゴラというオピニオンサイトで衆議院選挙の候補者が仮想通貨ビジネスに関わっているという批判的な記事を書いています。記事の日付は2017年10月6日となっています。

仮に「謎の仮想通貨ビジネス」に関わっている人間を批判しておいて1年後には自らも「仮想通貨ビジネス」に関わっているのだとしたら言行不一致ではないかと思います。

とにかく会社の名称を変更し、仮想通貨のマイニングを始めた現在のフィルコマンド社でも水谷某という人物がCEOを務めているかは不明です。水谷翔太事務所のサイトにあるプロフィールにはCloud Clinic顧問、株式会社アイタンク顧問と2つの肩書がありますが、フィルコマンド社の名前も旧名称の株式会社Field Command's Triumphもありません。

また旧社名当時の会社情報には他にも生島勘富、河村良平という2人の役員名が出ていますが、これらの人物についても現在のマイニング事業に関与しているのかは不明です。何しろマイニング事業について書いてあるこの項目の表題に示したページには経営陣に関する情報が一切見当たりません。何故旧社名時代には明らかにしていた経営者情報が社名変更してマイニング事業を始めた現在のフィルコマンド社のサイトから開示されていないのか疑問を感じます。

そしてこの項目の冒頭に示した

>年利は1年目から70%程度。状況次第で100%以上も見込めます。

といった高利回りの投資が果たして可能なのか、そこに違法性がないのかが大きな問題です。表題のサイトには不動産投資、ソーラーパネル投資と比較してフィルコマンド社のマイニング投資の方が圧倒的に有利であると主張するグラフもあります。

このグラフをよく見るとマイニング投資の場合、2年目以降の配当が徐々に減って4年目までの累積投資利回りが140%弱となっていることが分かります。グラフをそのまま読み取れば1年目は70%でも2年目にはおそらく40%程、3年目には約20%、4年目には10%未満の配当になるという見込みのようです。マイニングではマイニングマシンを常に最新型に更新しないと他のマイナーとの競争に負けてくることになり、マイニングの収益が落ちてくることが確実なので毎年得られる利回りが低下していることには不思議はないのですが、この利回りが低下する件については明確な説明がありません。投資家への説明、情報開示の在り方として適切ではないでしょう。

またマイニング投資では投資家から集めた資金でマイニングマシンを購入することになりますから4年も経過したら旧式となったマイニングマシンしか資産が残らないでしょう。フィルコマンド社のサイトには何の説明も見当たりませんが、投資した元本は返済されないシステムではないかと思われます。例えば同様のマイニング投資案件で「検証13」で検証したビットクラブでは元本は返済されないシステムでした。ここで比較となっている不動産投資ならば投資対象にもよりますが4年後にほぼ不動産の価値がゼロになるということはないでしょうから単に得られる配当利回りだけ比較するのは適当とは思えません。仮にこのグラフにある見込みの通り、配当が支払われたと仮定しても投資した元本が返ってこないのであれば実質的な利回りは4年間で140%ではなく、4年間で40%になるはずです。ここにある説明は非常に基本的な部分について記載がなく、不適切、不充分に感じられます。

そしてそもそもマイニング投資でこれだけの利益を出すことが可能かどうかという問題もあります。例えば「検証41」で取り上げたスカイマイニングというマイニング投資の案件はビットコインなどマイニング対象にしていた仮想通貨の相場低迷やマイナー間の競争激化などがあって既に破綻しています。仮想通貨の相場低迷や新規参入が増えたことによる競争激化は世界的に共通の問題ですからそんなに高収益が約束されているような事業とは思えません。この案件の説明では現時点で仮に利益が出ているとしても将来的に仮想通貨相場の低迷や競争激化がさらに進行すれば利益が出なくなる可能性について全く触れられていません。少なくとも非常に安定した投資とは言えない、かなりリスクを覚悟しなければならない種類の投資なのに説明は極めて表面的で適切な説明がなされているとは言えません。さらにこれまでの実績について、例えばどれほどのマイニングマシンを用意してどれほどの仮想通貨を掘り出した実績があるのか、電気代などの経費を差し引いてどれほどの利益が出ているのか収支実績に関する説明が皆無です。具体的に採掘の対象としている仮想通貨についても情報がありません。1年で70%もの配当が出来るかどうか不確定要素が多すぎます。

最後に法的な問題があります。仮想通貨に関する法律は未整備でどんな規制を受けるのか確定していない部分も多いので法的な問題を語るのは難しいのですが、この案件をクラウドファンディングの様なものと考えればクラウドファンディング業者で必要とされている金融商品取引業者の登録が必要ではないかと思われます。しかしフィルコマンド社は金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストにありません。

最大限好意的に解釈してもこれは相当にリスクの高い投資であり、リスクの説明が不充分です。投資は非常に慎重に判断するべきと結論します。